JP2007155798A - 走査光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な形状のレンズを用いる必要がなく,また,複数の補正レンズの形状を同一にした場合であっても,前記ビーム光のボウを取り除くことが可能な走査光学装置を提供すること。
【解決手段】ポリゴンミラー1の回転軸1aに直交する断面Kに対して2°以内の角度でビーム光Lを入射する。このような入射角度条件が満たされる場合,走査レンズ9の副走査断面の形状を球面形状とし,また,主走査方向の位置によって入射面9a及び出射面9bの副走査方向に対する曲率を変化させる。更に,補正レンズ10を前記ビーム光Lの光軸に対してチルト(偏心)して配置する。
【選択図】図4

Description

本発明は,光源から出射された光を所定の面上で走査させる走査光学装置に関するものである。
例えばプリンタ,複写機,ファクシミリ装置等の画像形成装置では,静電潜像を像担持体(以下,感光体ドラム)上に書き込むために,前記静電潜像書き込み用のビーム光を前記感光体ドラム上で走査させる走査光学装置が用いられている。
前記走査光学装置では,前記ビーム光を走査光に変換するためにポリゴンミラー(回転多面鏡)等の偏光器が用いられる。光源からのビーム光は前記偏光器の表面上で収束され,またレンズ(いわゆるfθレンズ)により前記感光体ドラム上で再び収束される。つまり,前記ビーム光は前記偏光器の表面と前記感光体ドラムとに関して共役にされ,これにより前記偏光器の面倒れが補正される。
ところで,近年,フルカラーでの印字機能を有する画像形成装置として,複数の感光体ドラム各々上で各種類(色)のトナー(現像剤)による像を形成し,それらを中間転写部で重ね合わせることによりフルカラーの像を形成する,いわゆるタンデム方式の画像形成装置が用いられている。
このような,タンデム方式の画像形成装置などでは,複数の感光体ドラムに対して同時に前記静電潜像を書き込むために,前記感光体ドラム各々に対応する複数の光源が用いられる。その複数の光源各々から出射された前記ビーム光は一括して前記感光体ドラムにより反射され,走査光に変換される。ここで,前記ビーム光各々をそれらに対応する感光体ドラムに導くために,前記ポリゴンミラーにより反射された後の前記ビーム光各々の分離を行う必要がある。
図3に示されるように前記ビーム光L各々の分離は,典型的には前記ポリゴンミラー1の回転軸1a方向(副走査方向)に直交する断面Kに対して,前記ビーム光L各々が入射する入射角度に角度差をつけることにより実行される。従って,前記ビーム光Lを分離する必要がある場合,しばしば前記ビーム光Lは前記ポリゴンミラー1によるミラー面(より厳密には,前記ポリゴンミラー1の回転軸1a)に対して直交せずに傾いた状態で入射する。
尚,以下では,前記ポリゴンミラー1による前記ビーム光Lの走査方向(図3の奥行き方向)を主走査方向という。また,前記主走査方向に直交する方向を副走査方向という。この副走査方向は,前記ポリゴンミラー1の回転軸1aに沿う方向であり,図3の上下方向である。
ところが,前記ビーム光Lが傾いて前記ポリゴンミラー1に入射すると,以下のような問題が生じる。
図5は,前記ビーム光Lが前記ポリゴンミラー1に対して傾いて入射した場合に生じる問題点を説明する概念図である。以下,図5を参照しつつ,前記ビーム光Lが前記ポリゴンミラー1に対して傾いて入射した場合の問題点について詳述する。
図5(a)に示されるように,その回転軸1a周りの回転に伴って,前記ポリゴンミラー1の反射面が前記ポリゴンミラー1の径方向に出入りする。そのような反射面の出入りに伴って前記ビーム光Lの入射位置も前記ポリゴンミラー1の径方向に出入りし,例えばΔX分の出入りが生じる。
一方,図5(b)に示されるように,前記ビーム光Lが前記ポリゴンミラー1の反射面に対して傾いて入射する場合,前記ビーム光Lの入射位置の出入りにより,前記ビーム光Lが前記ポリゴンミラー1により反射される前記回転軸1a方向(副走査方向)の位置も変化し,図5(b)のように例えばΔY分の変化が生じる。
ここで,前記ビーム光Lの前記ポリゴンミラー1に対する前記回転軸1a方向(副走査方向)の入射位置変化は,前記感光体ドラムに対する前記ビーム光Lの副走査方向における入射位置変化と全く同義であり,図5(c)の実線に示されるように,前記感光体ドラム2上における前記ビーム光Lの走査路が湾曲してしまう。もちろん,理想的には前記ビーム光Lの走査路は,図5(c)の破線に示されるように前記主走査方向に沿って直線状になるべきである。このような走査路の湾曲はボウと呼ばれている。
ボウは,形成される画像を歪める原因になるので,画像の品質を保つためには,例えば前記ポリゴンミラー1と前記感光体ドラム2との間に配置された光学系(レンズ等)でボウを取り除かなければならない。
特開2003−149573号公報
そこで,特許文献1には上述したようなボウを取り除く方法が示されている。即ち,特許文献1に記載の方法は,ポリゴンミラーと感光体ドラムとの間に,ビーム光が走査される走査方向及びそれに直交する副走査方向の断面形状が,前記ビーム光の光軸からの前記主走査方向の距離の関数として独立に定義されるアナモフィック非球面形状に形成された走査レンズ,及び前記副走査方向の断面の傾きが前記主走査方向の位置により変化する断面形状に形成された補正レンズを配置するものである。
しかし,アナモフィック非球面形状のレンズのような,複雑なレンズを製造するには,複雑な金型加工を施す必要があり,一般には非常に困難である。また,図3のように複数のビーム光Lを用いるマルチビーム側の画像形成装置において,通常前記補正レンズは前記ビーム光L各々に対して1つづつ割り当てられるものである。従って,特許文献1のように前記補正レンズの形状を用いてボウを除去する場合,複数の補正レンズ各々の形状を異ならせる必要があり,前記補正レンズを製造するための金型の数が増加してしまうという問題点がある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,複雑な形状のレンズを用いる必要がなく,また,複数の補正レンズの形状を同一にした場合であっても,前記ビーム光のボウを取り除くことが可能な走査光学装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,光源から出射されたビーム光を,回転多面鏡の副走査方向に沿う回転軸周りに回転しつつ反射し,前記ビーム光を所定の走査面上における走査光に変換する回転多面鏡を具備する走査光学装置であって,前記ビーム光の走査方向であり前記副走査方向に交差する主走査方向において,予め定められた中央位置からの距離に対して前記ビーム光の入射面及び/若しくは出射面の前記副走査方向の断面における曲率が単調に変化する曲率変化レンズと,該曲率変化レンズを通過後の前記ビーム光の光軸に対して,レンズ軸が傾いて(いわゆる,チルト)及び/若しくは変位して(いわゆる,シフト)配置された偏心レンズと,を具備してなることを特徴とする走査光学装置である。
本発明のように,主走査方向に対して前記ビームの入射面及び/若しくは出射面の曲率が変化するというだけの単純な(従って,金型加工が簡単な)形状である曲率変化レンズと,該曲率変化レンズを通過後の前記ビーム光の光軸に対して,チルト及び/若しくはシフトして配置された偏心レンズとを用いることで,前記ビーム光の走査路の湾曲,つまりボウを取り除くことができる。言い換えると,前記ビーム光の走査路を直線状に保つことが可能である。例えば,当該走査光学装置を画像形成装置に適用した場合,前記ビーム光を感光体ドラム表面において直線状に走査させることが可能となり,歪みのない良好な静電潜像を形成することができる。
尚,前記曲率変化レンズの形状によっては,ボウの除去のために前記曲率変化レンズの前記ビーム光下流側のレンズ(以下,慣習通りに補正レンズという)をシフト及び/若しくはチルトさせる必要がない(つまり,前記補正レンズとして本発明のような偏心レンズを用いる必要がない)場合もある。しかし,前記補正レンズをシフト及び/若しくはチルトさせずに前記曲率変化レンズの形状だけでボウを取り除こうとした場合,走査面上における前記ビーム光の球面収差が悪化することが知られている。
そこで,本発明では,前記曲率変化レンズだけでボウを除去せずに,前記曲率変化レンズと前記偏心レンズとの両方にボウ除去の機能を持たせ,ボウの除去負担を分散させる方法を採用する。これにより,ボウ除去を前記曲率変化レンズのみで実現する場合に較べて,球面収差の悪化を低減することが可能である。
もちろん,ボウ除去の機能を持つ補正レンズとして,本発明のような前記偏心レンズの代わりに,より複雑な形状の非球面レンズ若しくは前記ビーム光の光軸に対して面偏心するような形状の面偏心レンズ等を用いる選択も考えられないことはないが,それは複数の前記ビーム光を前記ポリゴンミラーで一括反射するマルチビーム対応の走査光学装置については,以下の理由による製造上の困難性が生じる。まず,前記補正レンズは複数の前記ビーム光の各々に対して一つずつ設けられる。また,前記前記ボウの度合いは通常前記ビーム光各々で異なる。従って,前記非球面レンズや面偏心レンズのような,レンズの形状そのもので前記ボウを除去する場合,複数の前記ビーム光各々に対応する各補正レンズの形状を異ならせる必要が生じる。つまり,前記ビーム光各々に対する補正レンズを共通化することができない。
一方,本発明のように,前記補正レンズの偏心配置(チルト,シフト)によりボウを除去する場合には,各々の前記補正レンズのチルト量,シフト量を適切に調整することで,前記ビーム光各々に対する補正レンズを共通化できる。
ここで,具体的な前記曲率変化レンズにおける曲率の変化が,前記主走査方向における前記中央位置からの距離に対する2次若しくはそれより高次の変化である場合に,良好に前記ビーム光のボウが除去可能であることがわかっている。また,前記光源から出射された前記ビーム光が前記副走査方向に直交する断面に対して±2°までの角度で前記回転多面鏡に入射することが,本発明の効果を得る上で重要である。
更に,本発明は,複数の光源を具備するマルチビーム対応の走査光学装置にも適用可能である。
マルチビーム対応の場合,複数のビーム光を各々対応する感光体ドラムに導くために,副走査方向に対するビーム光の分離を行わねばならないが,複数のビーム光の入射角度を±2°までに保つ場合には,そのようなビーム光の分離が困難となる。そこで,前記曲率変化レンズが前記副走査方向に負の屈折力を有するものとすると,±2°以内という浅い角度差で入射した前記ビーム光でもその角度差が拡大されるので,前記ビーム光各々を前記副走査方向に分離することが可能である。
本発明によれば,主走査方向に対して曲率が変化するというだけの単純な(従って,金型加工が簡単な)形状の曲率変化レンズを用いることで,前記ビーム光の走査路の湾曲,つまりボウを取り除くことができる。言い換えると,前記ビーム光の走査路を直線状に保つことが可能である。また,前記曲率変化レンズだけでボウを除去せずに,前記曲率変化レンズと前記偏心レンズとの両方にボウ除去の機能を持たせ,ボウの除去負担を両レンズに分散させることで,走査面上における前記ビーム光の球面収差を小さく抑えることができる。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の一実施形態に係る走査光学装置を具備するプリンタの概略断面図,図2は本発明の一実施形態に係る走査光学装置の主走査断面図,図3は本発明の一実施形態に係る走査光学装置のポリゴンミラー付近における副走査断面図,図4は本発明の一実施形態に係る走査光学装置によるボウの除去を説明する概念図,図5はビーム光がポリゴンミラーに対して傾いて入射した場合に生じる問題点(ボウの発生)を説明する概念図,図6はチルト及びシフトの定義を説明する概念図,図7は感光体ドラムに対するビーム光の到達点を表す平面図,図8は感光体ドラムに対するビーム光の到達点を表す平面図であり補正レンズのチルトによるボウの除去効果を説明する概念図である。
(1)本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1を具備するプリンタAの概略構成について。
以下,図1を参照しつつ,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1を具備するプリンタAについて説明する。
図1に示されるプリンタAは,トナー像を形成し,印刷用紙に印字を行う印字部α1,前記印刷用紙を前記印字部α1に供給する給紙部α2,印字の行われた前記印刷用紙を排紙する排紙部α3を有する。不図示の外部入力インターフェースを通じて,前記プリンタAに接続された外部機器(典型的にはパーソナルコンピュータ)から印字要求を表す所定の印字要求信号及び画像情報を表す画像情報信号が入力される。不図示の画像処理制御装置により,該画像情報信号に基づいて前記画像情報が読み取られ,ブラック(BK),マゼンダ(M),イエロー(Y),シアン(C)の4色各々に対する濃淡値情報に変換される。
前記印字部α1は,上記4色各々に対応する感光体ドラム2BK,2M,2Y,2C,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1,各色に対応する現像装置3BK,3M,3Y,3C,中間転写ベルト4,各種のローラ5,定着装置6等を有して概略構成される。
前記画像処理制御装置は,前記濃淡値情報に基づいて,ブラック(BK),マゼンダ(M),イエロー(Y),シアン(C)の4色に対応した感光体ドラム2(ブラック用感光体ドラム2BK,マゼンダ用感光体ドラム2M,イエロー用感光体ドラム2Y,シアン用感光体ドラム2C)各々に光を照射する4つの光源7(図2参照,ブラック用光源7BK,マゼンダ用光源7M,イエロー用光源7Y,シアン用光源7C)を制御し,ビーム光Lを照射させる。
前記ビーム光Lは,詳しくは後述するように,複数の偏向ミラー8,ポリゴンミラー1(回転多面鏡),各種のレンズ9,10等を有する走査光学装置X1により,上述の各感光体ドラム2に誘導され,これにより,前記感光体ドラム2各々の表面には静電潜像が形成される。
また,前記感光体ドラム2各々に対応する現像装置3(ブラック用現像装置3BK,マゼンダ用現像装置3M,イエロー用現像装置3Y,シアン用現像装置3C)に設けられた現像ローラ上のトナーが,前記感光体ドラム2の面上に引き寄せられ,前記静電潜像は前記トナーにより,前記感光体ドラム2各々と前記現像ローラ各々との電位ギャップ(現像バイアス)に応じてトナー像として顕像化される。
前記給紙部α2は,給紙カセット11,給紙ローラ12等を有して概略構成される。前記給紙カセット11には,予め印刷用紙が載置されている。ユーザによる印字要求(例えば,前記プリンタAの外装に設けられた操作パネルによる操作入力)に基づいて,前記画像処理制御部の制御により前記給紙ローラ12が回転駆動され,これにより前記給紙カセット11に載置されている前記印刷用紙が,前記印字部α1に搬送される。
前記給紙部α2からの前記印刷用紙は,搬送ローラ5cにより搬送される。また,印刷用紙は前記レジストローラ5bにおいて適宜の期間待機状態にされる。これにより,前記印刷用紙が前記中間転写ベルト4と二次転写ローラ5aとのニップ部に到達するタイミングが調節される。一方,前記感光体ドラム2各々上で形成された前記トナー像は,前記中間転写ベルト4に転写され,その中間転写ベルト4の駆動により,前記中間転写ベルト4と二次転写ローラ5aとのニップ部を通過する前記印刷用紙に転写される。そして,前記トナー像が転写された前記印刷用紙は前記定着装置6に搬送され,例えば熱ローラ等により前記トナー像が前記印刷用紙に定着される。前記トナー像が定着された前記印刷用紙は,前記排紙部α3に搬送され,排紙される。
(2)本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1の概略構成について。
ところで,前記走査光学装置X1は,前記光源7BK,7M,7Y,7Cによる静電潜像書き込み用の前記ビーム光L各々を,前記感光体ドラム2BK,2M,2Y,2Cに誘導するものである。
図2は本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1の主走査断面図である。以下,図1及び図2を参照しつつ,前記走査光学装置X1について説明する。尚,上述のように前記走査光学装置X1はタンデム式のプリンタAに対応したものであり,即ち4つの感光体ドラム2BK,2M,2Y,2C各々に対してビーム光Lを導く光路が形成されてものである。しかし,図2においては,簡単のために仮想的に4つの光路のうち1つの光路のみを示すものとする。
前記走査光学装置X1は,上述の4色各々に対応する光源7(前記ブラック用光源7BK,前記マゼンダ用光源7M,前記イエロー用光源7Y及び前記シアン用光源7C),前記4色各々に対応するコリメータレンズ13(ブラック用コリメータレンズ13BK,マゼンダ用コリメータレンズ13M,イエロー用コリメータレンズ13Y,シアン用コリメータレンズ13C),アパーチャ14,シリンドリカルレンズ15,ポリゴンミラー1(回転多面鏡),前記4色に共通の走査レンズ5,前記4色各々に対応する補正レンズ10(ブラック用補正レンズ10BK,マゼンダ用補正レンズ10M,イエロー用補正レンズ10Y,シアン用補正レンズ10C)などを有している。前記走査光学装置X1は,図1に示されるような,前記4色各々に対応する1又は複数の偏向ミラー8(前記ブラック用の偏向ミラー8BK1,前記マゼンダ用の偏向ミラー8M1,8M2,8M3,前記イエロー用の偏向ミラー8Y1,8Y2,及び前記シアン用の偏向ミラー8C1,8C2)等も有するものではあるが,図2には示されていない。
前記光源7から出射されたビーム光L各々は,前記コリメータレンズ13を通過することにより平行光(進行方向に対して径変化のない光)に変換される。また,前記ビーム光L各々は前記アパーチャ14を通過することにより整形される。更に,前記ビーム光L各々は前記シリンドリカルレンズ15を通過し,そのシリンドリカルレンズ15の集光作用により,前記ポリゴンミラー1の表面付近で収束する。前記ポリゴンミラー1(回転多面鏡)は,副走査方向に沿った回転軸1aを中心に回転しており,これにより前記ビーム光L各々は,対応する各前記感光体ドラム2の表面(走査面)を走査する走査光に変換される。
前記ポリゴンミラー1により反射されて走査する前記ビーム光L各々は,複数のビーム光L各々に対して共通の走査レンズ9に入射する。
前記走査レンズ9を通過後の前記ビーム光L各々は徐々に分離され,前記ビーム光L各々に一対一対応して設けられた補正レンズ10を通過し,対応する前記感光体ドラム2各々上を走査する。
(3)本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1の具備する走査レンズ9(曲率変化レンズ)及び補正レンズ10(偏心レンズ)によるボウの除去について。
図3は,前記走査光学装置X1の前記副走査方向における前記ポリゴンミラー1付近の断面図である。
上述したように,前記走査光学装置X1は複数色各々に対応する複数の光源7を有する。前記複数の光源7からのビーム光L各々は,図3に示されるように,前記回転軸1a方向(前記副走査方向)に直交する断面Kに対して,前記ビーム光L各々が入射する入射角度に角度差が設けられている。また,前記断面Kに対する最も急な角度で入射する前記ビーム光Lは,前記断面Kと2°の角度差が設けられている。つまり,4本のビーム光Lは全て前記断面Kに対して2°以内の角度で入射する。
図5に示される如く,上述のように前記ポリゴンミラー1のミラー面は,前記回転軸1a周りの回転により,前記ポリゴンミラー1の径方向に出入りする。このように出入りする前記ミラー面に対して斜め方向から前記ビーム光Lが入射する(前記断面Kに沿って入射しない)ことで,前記ビーム光Lが前記ミラー面で反射されるときの前記副走査方向の位置が変化する。このような位置変化は,前記感光体ドラム2各々上における前記ビーム光Lの走査路の湾曲,つまりボウの原因となる。
そこで,前記ビーム光Lの光路における前記ポリゴンミラー1と前記感光体ドラム2との間に設けられた前記走査レンズ9は,前記ポリゴンミラー1の面の出入りにより生じるボウの大部分を取り除くことが可能な形状を有する。
また,前記ビーム光Lの光路における前記走査レンズ9の下流側には,前記補正レンズ10は,前記走査レンズ9により除去しきれなかったボウを取り除くことが可能なように,前記ビーム光Lの光軸に対してレンズ軸a1が傾いて(以下,チルトという。チルトが偏心の一例である)前記ビーム光Lの光路上に配置されている。
前記走査レンズ9及び前記補正レンズ10がレンズ系の一例である。また,前記走査レンズ9が曲率変化レンズの,前記補正レンズ10が偏心レンズの,それぞれ一例である。
図6は,シフト及びチルト(偏心)の定義を説明する概念図である。以下,図6を参照しつつ,チルトの定義及び偏心の別例であるシフトの定義について説明する。同時に,チルト及びシフトの大きさを表すチルト量TI及びシフト量SIの定義について説明する。
図6(a)のように,前記補正レンズ10の面のうち前記レンズ軸a1と交差する点がレンズの原点Oであるとする。この場合,図6(b)のように,前記レンズの原点Oと前記光軸a2との距離が前記シフト量SIである。また,前記レンズ軸a1と前記光軸a2とのなす角度が前記チルト量TIである。従って,前記シフト量S1は距離の単位をもち,前記チルト量TIは角度の単位を持つ。
通常,単一のレンズに対して前記シフト量SI及び前記チルト量TIは独立に定義される。つまり,前記補正レンズ10(偏心レンズ)は,前記シフト量SIと前記チルト量TIという2つの独立なパラメータ(自由度)を有している。これらの自由度を適切に設定して配置された前記補正レンズ10を用いることで,前記走査レンズ9のみでは除去しきれなかったボウを除去することが可能である。尚,本実施例では,チルト及びシフトのうち,チルトのみが採用されている。
図4は,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1によるボウの除去を説明する概念図である。詳しくは,図4(a)は前記走査光学装置X1の副走査断面であり,その断面のうち前記ポリゴンミラー1及び前記走査レンズ9を中心とする部分,図4(b)は前記補正レンズ10を中心とする部分を図示したものである。以下,図4を参照しつつ,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1によるボウの除去方法について説明する。
尚,以下では,前記ポリゴンミラー1における前記ビーム光Lの反射点と前記感光体ドラム2の前記主走査方向の中央部とを結ぶ直線であり,前記ビーム光Lの走査範囲を二等分する直線(つまり,前記ビーム光の走査範囲の前記主走査方向に対する中央部を表す直線)を直線S1−S1とする(図2参照)。該直線S1−S1と前記走査レンズ9との交点が,前記主走査方向において予め定められた中央位置の一例である。
また,図4において,前記走査レンズ9の副走査断面のうち,前記主走査方向における前記走査レンズ9の端部付近の断面を破線で示し,前記主走査方向における前記走査レンズ9の中央部の断面(前記直線S1−S1に沿う断面)を実線で示す。同様に,前記主走査方向における前記走査レンズ9の端部付近を通過するビーム光Lを点線で示し,前記主走査方向における前記走査レンズ9の中央部を通過する前記ビーム光Lを実線で示す。
更に,図4では,各色にそれぞれ対応する4つのビーム光Lのうち,特定の1つのビーム光Lの光軸のみを図示するものとするが,以下の説明は,4つの前記ビーム光Lに対して共通に成立するものである。
ここで,前記走査レンズ9(曲率変化レンズの一例)における前記ビーム光Lの入射面9a及び出射面9bの形状は,以下の数1に示される自由曲面式で表される。
Figure 2007155798
但し,xは前記ビーム光の光軸方向(図3の左右方向)のサグ量,yは主走査方向(図4の奥行き方向)の位置(原点は,前記走査レンズ9のレンズ軸の位置),zは前記副走査方向の位置(原点は,前記入射面9a若しくは出射面9bと前記直線S1−S1との交点,即ち予め定められた中央位置),rmは前記主走査方向に対する曲率,rsは前記副走査方向に対する(つまり,副走査断面における)曲率,Kmはコーニック係数,A3〜A10及びB1〜B10は前記走査光学装置X1の光学設計時に適宜設定すべき係数である。
図4及び数1に示されるように,前記走査レンズ9(曲率変化レンズの一例)における前記ビーム光Lの入射面9a及び出射面9bは,その副走査断面が一定の曲率rsを有するものであり,つまり球面形状の副走査断面を有するものである。
また,前記入射面9a及び出射面9bの前記副走査断面における曲率は,前記主走査方向の位置によって単調変化する。(但し,上記の数1におけるB1,B3が0の場合にのみ単調変化であり,必ずそのような条件が満たされるように前記走査レンズ9の設計を行う)。より詳しくは,前記走査レンズ9の入射面9aの曲率は,前記直線S1−S1からの前記主走査方向への距離に対して単調増加である。一方,前記走査レンズ9の出射面9bの曲率は,前記直線S1−S1からの前記主走査方向への距離に対して単調減少である。もちろん,前記走査レンズ9は前記直線S1−S1に対して主走査方向に対称な形状である。尚,前記走査レンズ9(曲率変化レンズ)における前記入射面9a及び出射面9bの曲率変化は,数1から明らかなように,前記直線S1−S1からの前記主走査方向への距離に対する最大10次(2次若しくはそれ以上の次数)までの変化になっている。
上述のように,前記ビーム光Lは前記ポリゴンミラー1の反射面に対する入射角度(前記ポリゴンミラー1による反射後,前記走査レンズ9に入射するときの主走査方向の位置)に応じて,前記ポリゴンミラー1により反射される前記副走査方向の位置が異なる。従って,前記走査レンズ9に対して入射するときの,前記ビーム光Lの前記主走査方向の位置に応じて,前記走査レンズ9に入射する前記副走査方向の位置が異なる。例えば,図4の例では,前記走査レンズ9の主走査方向の端部付近の位置に入射する前記ビーム光L(図4の点線のビーム光)ほど,前記走査レンズ9の上部(副走査方向に対する前記走査レンズ9の一方の端部)に入射する一方,前記直線S1−S1付近の前記ビーム光L(図4の実線のビーム光)ほど,前記走査レンズ9の副走査方向における中央部付近に入射する。
しかし,このように前記ビーム光Lの前記副走査方向における前記走査レンズ9への入射位置が主走査方向の位置に応じて異なる場合,前記走査レンズ9の入射面9aの曲率は前記主走査方向の位置に応じて単調に変化しているため,前記主走査方向の位置に応じて前記ビーム光Lの屈折方向が異なる。従って,前記走査レンズ9内を通過する前記ビーム光の進行方向は,前記主走査方向の位置に応じて異なる。このような前記走査レンズ9内における進行方向の相違によって,前記ビーム光Lが前記走査レンズ9から出射するときには,入射時に比較して,前記主走査方向の位置に対する前記ビーム光Lの前記副走査方向の位置の差が縮小されている。
更に,前記出射面9bの曲率はやはり前記主走査方向の位置に応じて変化しており,やはり前記主走査方向の位置に応じて前記ビーム光Lの屈折方向が異なる。これにより,前記走査レンズ9の中では前記主走査位置毎に異なっていた前記ビーム光Lの進行方向が,前記出射面9bからの出射後にはほぼ揃えられる。
以上のように,前記走査レンズ9を通過後には,前記ビーム光Lは任意の主走査方向の位置に対して副走査方向の位置の差が小さくなっており,かつ進行方向もほぼ揃っている状態にされる。
また,その状態で前記ビーム光Lは前記補正レンズ10に入射する。
上述の如く,前記補正レンズ10は,図4(b)に示されるようにレンズ軸a1(レンズの中央を通過し,かつレンズ面に直交する軸)は,入射する前記ビーム光Lの光軸に対してチルトして配置されている。このような前記補正レンズ10を,前記走査レンズ9を通過後の,任意の主走査方向の位置に対して副走査方向の位置の差が小さくなっており,かつ進行方向もほぼ揃っている状態である前記ビーム光Lが通過することにより,前記ビーム光Lは,その出射時には前記主走査方向の位置に対して副走査方向の位置がより高精度で揃えられ,また進行方向もより高精度で揃えられる。
これにより,前記感光体ドラム2の表面における前記ビーム光Lの走査路がほぼ直線状に保たれ(ボウが除去され),歪みのない綺麗な静電潜像を形成することができる。
尚,前記ボウを除去するために必要な前記補正レンズ10のチルト量は,前記ビーム光L毎に(つまり,前記補正レンズ10毎に)異なるが,基本的に前記ビーム光L各々に対応する前記補正レンズ10は同一形状のものを用いても構わない。言い換えると,レンズ形状が固定(即ち,ビーム光毎に共通)された条件下であってもコントロール可能な,前記チルト量というパラメータを,前記補正レンズ10毎に適切に定めてやることにより,前記ビーム光L毎に異なるボウを除去可能である。
(4)ビーム光Lの断面Kに対する入射角度とボウの度合いとの関係について。
以下の表1〜表16は,走査光学装置の光学設計を規定する各種の定数を表すものである。但し以下の表1〜4,5〜8,9〜12,13〜16は各々一組で走査光学装置の光学設計を規定しており,詳しくは,表1〜表4は前記ビーム光Lが前記副走査方向に直交する断面K(図3参照)に対して±1°の角度で前記ポリゴンミラー1に入射する場合(以下,第1の場合という),表5〜表8は前記ビーム光Lが±2°の角度で前記ポリゴンミラー1に入射する場合(以下,第2の場合という),表9〜表12は前記ビーム光Lが±3°の角度で前記ポリゴンミラー1に入射する場合(以下,第3の場合という),表13〜表16は前記ビーム光Lが±4°の角度で前記ポリゴンミラー1に入射する場合(以下,第4の場合という)における走査光学装置の光学設定を表している。
但し,前記第1〜第4の場合において,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1のように,前記補正レンズ10のチルト(偏心配置の一例)は用いられていない。前記補正レンズ10をチルトさせた場合の(即ち,本発明による)光学設計の具体例及びボウの除去効果は後に詳述するものであり,前記第1から第4の場合は,あくまでも前記ビーム光Lの前記断面Kへの入射角度に対するボウの変化を論じる目的で例示するものである。
また,以下の表2,4,6,8,10,12,14,16に示される面番号1〜4は,前記走査レンズ9における前記ビーム光Lの入射面9a,出射面9b,前記補正レンズ10における前記ビーム光Lの入射面(図には示していないが,入射面10aとする),出射面(同様に出射面10bとする)に,それぞれ対応する。また,面間隔番号1〜4は前記入射面9aと前記出射面9b,前記出射面9bと前記入射面10a,前記入射面10aと前記出射面10b,前記出射面10bと前記感光体ドラム2上の走査面と間に,それぞれ対応する。
同様に,表3,表7,表11,表15に示される面番号1,2は,前記シリンドリカルレンズ15における前記ビーム光Lの入射面(図には示していないが,入射面15aとする),出射面(同様に出射面15bとする)にそれぞれ対応する。また,面間隔番号1,2は前記入射面15aと前記出射面15b,前記出射面15bと前記ポリゴンミラー1における前記ビーム光Lの反射面との間に,それぞれ対応する。
尚,表2,表6,表10,表14から明らかな如く,上記の数1で示される自由曲面は,前記走査レンズ9における前記入射面9a及び前記出射面9bのみではなく,前記補正レンズ10における前記入射面10aにも採用されている。
ここで,図7は,前記感光体ドラム2に対する前記ビーム光Lの到達点を表す平面図である。詳しくは,図7(a)は前記第1の場合における平面図,図7(b)は前記第2の場合における平面図,図7(c)は前記第3の場合における平面図,図7(d)は前記第4の場合における平面図を,それぞれ表している。
ここで,図7に示されるような前記ビーム光Lの到達範囲の大きさは,前記感光体ドラム2において発生するボウの大きさとほぼ同義である。従って,前記ビーム光Lの到達範囲が絞り込まれているほど,前記ビーム光Lの走査路は直線に近く,ボウが小さいことを表している。また,図7(a)〜(d)に示される破線の円は,ボウを抑えることにより望ましい画像品質を得るための,前記ビーム光の到達範囲の境界を示すものである。つまり,前記ビーム光Lが破線の円内に収束する状態は,概ね望ましい画像品質を得るまでにボウが抑えられている状態を示している。
Figure 2007155798
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表1〜表4に従って,前記前記走査光学装置X1を設計する場合(前記第1の場合),言い換えると,前記ビーム光Lが前記断面Kに対して±1°の角度で前記ポリゴンミラー1に入射する場合,図7(a)に示されるように,前記ビーム光Lは前記感光体ドラム2上で十分に絞りこまれており,即ちボウは十分に低減されていることが理解できる。
Figure 2007155798
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表5〜表8に従って走査光学装置を設計する場合(前記第2の場合),即ち前記ビーム光Lが前記断面Kに対して±2°の角度で前記ポリゴンミラー1に入射する場合,前記ビーム光Lの到達範囲が,上述した破線の円の領域から散逸してしまう寸前の臨界的な状態であり,画像品質を満たすための限界点である。
Figure 2007155798
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表9〜表12に従って走査光学装置を設計する場合(前記ビーム光Lが前記断面Kに対して±3°の角度で前記ポリゴンミラー1に入射,前記第3の場合),及び表13〜表16に従って前記走査光学装置X1を設計する場合(前記ビーム光Lが前記断面Kに対して±4°の角度で前記ポリゴンミラー1に入射,前記第4の場合)には,図7(c)及び(d)に示される如く,前記ビーム光Lの到達範囲が上述した破線の円の領域から散逸してしまっており,ボウが大きく,画像品質が満たされていないことが理解できる。
以上から,上述のように前記走査レンズ9に前記ビーム光Lが入射する入射面9a及び前記出射面9bの曲率を主走査方向の位置に応じて単調変化させるという方法で,前記ビーム光Lのボウが除去可能となるのは,前記ビーム光Lが前記断面Kに対して±2°以内の角度で入射する場合であることが理解できる。これ以上の角度で前記ポリゴンミラー1に前記ビーム光Lが入射すると,ボウが顕著になりすぎてしまい,ボウを除去することができない。
(5)本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1の光学設計の具体例について。
以下の表17〜表20に,前記走査光学装置X1の光学設計を規定する各種の定数を示す。表17〜表20はやはり一組で前記走査光学装置X1の光学設計を規定しており,特に前記ビーム光Lが前記断面Kに対して±2°の角度で前記ポリゴンミラー1に入射する場合の光学設計を表す。また,表17に明らかな如く,前記補正レンズ10は前記主走査方向に亘る長手軸周りに傾いて(つまり,チルトして)配置されている。
但し,表18及び表20に示される面番号1〜4は前記入射面9a,出射面9b,前記入射面10a,前記出射面10bにそれぞれ対応する。また,面間隔番号1〜4は前記入射面9aと前記出射面9b,前記出射面9bと前記入射面10a,前記入射面10aと前記出射面10b,前記出射面10bと前記感光体ドラム2上の走査面と間に,それぞれ対応する。
同様に,表19に示される面番号1,2は,前記入射面15a,前記出射面15bにそれぞれ対応する。また,面間隔番号1,2は前記入射面15aと前記出射面15b,前記出射面15bと前記ポリゴンミラー1における前記ビーム光Lの反射面との間に,それぞれ対応する。
Figure 2007155798
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ここで,図8は,表17〜表20により光学設計が規定された前記走査光学装置X1を用いた場合(チルトを用いた場合)の,前記感光体ドラム2に対する前記ビーム光Lの到達点を表す平面図である。
図7(b)と図8との比較から,前記ビーム光Lの前記ポリゴンミラー1に対する入射角度が同じ(いずれも±2°)場合でも,前記補正レンズ10をチルト(偏心の一例)して配置することにより,前記ビーム光Lの前記感光体ドラム2上における到達範囲がわずかに絞り込まれていることがわかる。つまり,前記補正レンズ10のチルトは,ボウ除去の効果を発揮するものである。
このような工学設計の具体例のように(即ち,本発明のように)ボウの除去は,前記走査レンズ9の形状と前記補正レンズ10の偏心との組み合わせによっても可能となる。その組み合わせにより,前記走査レンズ9の形状のみによってボウを除去する場合よりも,前記感光体ドラム2における球面収差が小さく抑えることが判明している。
(6)走査レンズ9の屈折力について。
ところで,前記走査レンズの入射面9a及び前記出射面9bは,前記ポリゴンミラー1に対して凹形状になるようにその断面形状の副走査方向に対する曲率が定められている。これにより,前記走査レンズ9は前記副走査方向に負の屈折力を有する。
上述のように,複数の前記ビーム光L各々は,前記ポリゴンミラー1に入射するが,前記ビーム光L各々間の入射角度差も小さい(最大で4°)ので,前記ビーム光Lをそれぞれに対応する感光体ドラム2に導くための分離が困難である。しかし,本実施形態のように,前記副走査方向に負の屈折力を有する前記走査レンズ9を用いることで,前記走査レンズ9を通過後にはビームの方向が広がるので,前記ビーム光L各々の分離が容易となる。
以上,本発明の一実施形態に係る走査光学装置X1によれば,ビーム光Lのポリゴンミラー1に対する入射角度が2°以内である場合,主走査方向に対して曲率が変化するというだけの単純な(従って,金型加工が簡単な)形状の走査レンズ9(曲率変化レンズ)を用いることで,前記ビーム光の走査路の湾曲を取り除くことができる。つまり,前記ビーム光の走査路を直線状に保つことが可能である。また,前記走査レンズ9だけでボウを除去せずに,前記走査レンズ9と前記補正レンズ10との両方にボウ除去の機能を持たせ,ボウの除去負担を両レンズに分散させることで,前記感光体ドラム2の走査面上における前記ビーム光Lの球面収差を小さく抑えることができる。
上述の実施形態では,走査光学装置X1をプリンタに適用した例について説明したが,本発明の走査光学装置は,複写機,ファクシミリ装置,複合機などの各種画像形成装置に適用することが可能である。
また,上述の実施形態では,補正レンズ10の偏心としてチルトのみを用いた場合を例示したが,これに限られるものではなく,シフトを用いる場合,チルト及びシフトの両方を用いる場合等が考えられる。
更に,上述の実施形態では,走査レンズ9の入射面9a及び前記出射面9bの両方の曲率が単調変化する例について説明したが,これに限られるものではなく,入射面9a及び前記出射面9bのいずれか一方の曲率が単調変化する場合であっても,ボウ除去の機能を達成する場合が考えられる。
本発明の一実施形態に係る走査光学装置を具備するプリンタの概略断面図。 本発明の一実施形態に係る走査光学装置の主走査断面図。 本発明の一実施形態に係る走査光学装置のポリゴンミラー付近における副走査断面図。 本発明の一実施形態に係る走査光学装置によるボウの除去を説明する概念図。 ビーム光がポリゴンミラーに対して傾いて入射した場合に生じる問題点(ボウの発生)を説明する概念図。 チルト及びシフトの定義を説明する概念図。 感光体ドラムに対するビーム光の到達点を表す平面図。 感光体ドラムに対するビーム光の到達点を表す平面図であり補正レンズのチルトによるボウの除去効果を説明する概念図。
符号の説明
X1…本発明の一実施形態に係る走査光学装置
A…走査光学装置X1を具備するプリンタ
1…ポリゴンミラー
2…感光体ドラム
3…現像装置
4…中間転写ベルト
5…ローラ
6…定着装置
7…光源
8…偏向ミラー
9…走査レンズ(曲率変化レンズの一例)
10…補正レンズ(偏心レンズの一例)

Claims (5)

  1. ビーム光を出射する光源と,所定の副走査方向に沿う回転軸周りに回転し,前記光源から出射された前記ビーム光を反射して所定の走査面上における走査光に変換する回転多面鏡と,前記回転多面鏡と前記走査面との間の前記ビーム光の光路上に設けられたレンズ系と,を具備する走査光学装置であって,
    前記レンズ系が,
    前記回転多面鏡側のレンズであって,前記ビーム光の走査方向であり前記副走査方向に交差する主走査方向において,予め定められた中央位置からの距離に対して前記ビーム光の入射面及び/若しくは出射面の前記副走査方向の断面における曲率が単調に変化する曲率変化レンズと,
    前記走査面側のレンズであって,該レンズの軸が前記ビーム光の光軸に対して傾いて及び/若しくは変位して配置された偏心レンズと,
    を具備してなることを特徴とする走査光学装置。
  2. 前記曲率変化レンズにおける曲率の変化が,前記主走査方向における前記中央位置からの距離に対する2次若しくはそれより高次の変化である請求項1に記載の走査光学装置。
  3. 前記光源から出射された前記ビーム光が前記副走査方向に直交する断面に対して±2°までの角度で前記回転多面鏡に入射するものである請求項1又は2のいずれかに記載の走査光学装置。
  4. 前記光源を複数具備してなる請求項1〜3のいずれかに記載の走査光学装置。
  5. 前記曲率変化レンズが,前記副走査方向に対して負の屈折力を有する請求項1〜4のいずれかに記載の走査光学装置。
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