JP2007155290A - 加熱手段を備えたストレーナー、ならびに、凍結濃縮汁の解凍システム及びその解凍方法 - Google Patents

加熱手段を備えたストレーナー、ならびに、凍結濃縮汁の解凍システム及びその解凍方法 Download PDF

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Abstract

【課題】氷塊の閉塞を防止可能な加熱手段を備えたストレーナーを提供し、かつ、解凍のための熱エネルギーを節約でき、解凍時間を短縮でき、更に、得られる解凍濃縮汁の低温保持による濃縮汁の品質劣化を防止できる、凍結濃縮汁の解凍システム及びその解凍方法を提供する。
【解決手段】流入側に出し入れ可能に配設され、流入側に滞留する氷塊を解凍する加熱手段を備えたストレーナー。凍結した濃縮汁の氷塊を破砕するアイスクラッシャーと、アイスクラッシャーによって破砕された破砕物中の破砕氷塊を解凍するストレーナーと、を備えた凍結濃縮汁の解凍システムであって、ストレーナーが、その流入側に滞留する前記破砕氷塊を解凍する加熱手段を備える凍結濃縮汁の解凍システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、氷塊を含有する流体物を処理するストレーナーに関し、詳細には、ストレーナーの流入側に氷塊を解凍する加熱手段を備えたストレーナーに関する。更に、本発明は、果物汁や野菜汁の凍結濃縮汁の解凍システム及び解凍方法に関し、詳細には、アイスクラッシャーによって破砕された破砕物中の氷塊を解凍する加熱手段を流入側に有するストレーナーを用いた凍結濃縮汁の解凍システム及び解凍方法に関する。
果物ジュースや野菜ジュースの製造においては、果物や野菜を破砕、切断した後にこれを搾汁した搾汁液が用いられる。これら搾汁液は、保管や運搬の便宜を考慮して濃縮汁とするため濃縮される。搾汁液の濃縮方法としては、蒸発濃縮法、膜濃縮法及び凍結濃縮法等が用いられている。
これらの濃縮物は、常温で保管できるものもあるが、通常は品質劣化や微生物汚染を抑制するために冷凍保存される。特に膜濃縮法や凍結濃縮法は、果物成分や野菜成分の変質、損失が少ないという利点を有するため、濃縮物の高い品質を保持するために凍結して保管される。よって、濃縮汁を用いて果物ジュースや野菜ジュースを製造する際には、凍結した濃縮汁を解凍する工程を必要とする。
解凍工程において解凍された濃縮汁は、通常、ロータリーポンプによってステンレス配管を介して次工程に送注される。ここで、解凍濃縮汁中に解凍し切れなかった氷塊が存在すると、ロータリーポンプ内での氷塊の閉塞、ステンレス配管の振動、この振動に起因する配管接合部のパッキンの劣化等が生じる。そこで、次工程に送注する前に、解凍濃縮汁中の未解凍氷塊を完全に解凍するか、又は、次工程への送注に支障をきたさない程度の大きさにまで解凍する必要がある。
特許文献1には、アイスクラッシャーによって細かく破砕した濃縮還元ジュースの氷塊に高圧水を噴射することによって微氷塊を更に解凍する方法が記載されている。しかしながら、このような高圧水を噴射する解凍方法では高圧水の噴射装置を必要とし、製造設備や操作の複雑化が避けられない不都合があった。また、解凍濃縮汁が高圧水によって希釈されてしまう不都合もあった。
特開2000−292043号公報
また、図6に示すように、アイスクラッシャー10によって破砕した濃縮汁の氷塊をジャケット51付きの解凍タンク50に収容し、循環部材43によってジャケット51に水42を循環させることにより濃縮汁の氷塊を解凍し、次工程に送注するのに支障をきたす大きさの破砕氷塊をストレーナー30によって除去する方法も挙げられる。破砕物の送注には、ストレーナー30の下流に配置したポンプ60が用いられる。このような解凍方法では、次工程に送注するのに支障をきたさない程度の大きさにまで未解凍氷塊を解凍する際に、既に解凍している液状部分も含めて破砕物全体を加熱することから、加える熱エネルギーが増大し、解凍に長時間を要し、更には解凍濃縮汁の温度が上昇して品質劣化を招く不都合があった。このような不都合を回避すべく解凍を十分に行わないと、解凍タンク50の後に設けた未解凍氷塊を除去するためのストレーナー30内部で未解凍氷塊が閉塞してしまい、解凍濃縮汁を次工程に送注できない不都合も生じていた。
また、従来、ストレーナーの濾過部材に設けた孔径よりも大きな氷塊を含有する流体物をストレーナーで処理すると、このような大きな氷塊が孔を通過できずにストレーナーの流入側に滞留して閉塞してしまう不都合があった。そこで、このような閉塞を生じることのないストレーナーが求められていた。
本発明は、氷塊を含有する流体物を閉塞することなく濾過可能なストレーナーの提供を目的とする。更に本発明は、解凍のための熱エネルギーを節約でき、解凍時間を短縮でき、更に、得られる解凍濃縮汁の低温保持による濃縮汁の品質劣化を防止できる、凍結濃縮汁の解凍システム及びその解凍方法を提供する。
本発明は、請求項1において、ケーシングと、当該ケーシング内部に収容されこの内部を流体物の流入側と流出側に区分すると共に前記流入側の流体物を流出側に濾過する複数の孔を有する濾過部と、前記ケーシングの外部から前記流入側に流体物を流入させる流入口と、前記流入側から前記孔を通過して前記流出側に流出する流体物を外部に取り出す流出口と、を備えたストレーナーであって、
前記流体物が氷塊を含有し、
前記流入側に出し入れ可能に配設され、前記流入側に滞留する氷塊を解凍する加熱手段を備えることを特徴とするストレーナーとした。
本発明は、請求項2において、前記ケーシング及び前記濾過部材を同軸の円筒状とし、前記孔を円形孔とし、前記加熱手段が配管部材と当該配管部材の内部を循環する加熱媒体とを含むようにし、かつ、前記ケーシングの一端側から流入側に出し入れ可能とした。
本発明は、請求項3において、前記配管部材をステンレス製U字管とし、かつ、前記加熱媒体を水とした。
本発明は、請求項4において、凍結した濃縮汁の氷塊を破砕するアイスクラッシャーと、前記アイスクラッシャーによって破砕された破砕物中の破砕氷塊を解凍するストレーナーと、を備えた凍結濃縮汁の解凍システムであって、
前記ストレーナーが、その流入側に滞留する前記破砕氷塊を解凍する加熱手段を備えることを特徴とする凍結濃縮汁の解凍システムとした。
本発明は請求項5において、前記加熱手段が、前記ストレーナーの流入側に設けた配管部材と当該配管部材の内部を循環する加熱媒体とを含むようにした。
本発明は、請求項6において、前記配管部材をステンレス製U字管とし、かつ、前記加熱媒体を水とした。
本発明は、請求項7において、凍結した濃縮汁の氷塊をアイスクラッシャーによって破砕する工程と、前記アイスクラッシャーによって破砕された破砕物中の破砕氷塊をストレーナーにおいて解凍する工程と、を備える凍結濃縮汁の解凍方法であって、
前記破砕氷塊をストレーナーにおいて解凍する工程が、前記ストレーナーに設けた加熱手段によって、当該ストレーナーの流入側に滞留する前記破砕氷塊を解凍することを特徴とする凍結濃縮汁の解凍方法とした。
本発明は、請求項8において、前記加熱手段が、前記ストレーナーの流入側に設けた配管部材と当該配管部材の内部を循環する加熱媒体とを含むようにした。
本発明は、請求項9において、前記配管部材をステンレス製U字管とし、かつ、前記加熱媒体を水とした。
本発明に係るストレーナーは、その流入側に氷塊を解凍する加熱手段を備えるため、氷塊が流入側に滞留して閉塞するのを防止できる。更に、加熱手段が、ステンレス製U字管とその内部を循環する水を含むようにすることにより、熱交換効率を高くでき、熱交換操作を容易にでき、更に廉価なストレーナーとすることができる。
本発明に係る凍結濃縮汁の解凍システム及びその解凍方法では、アイスクラッシャーによって破砕された破砕物中の破砕氷塊のみをストレーナー中において解凍するので、破砕物全体を加熱解凍するのに比べて、解凍に要する熱エネルギーの低減、解凍時間の短縮、ならびに、破砕物の低温保持による濃縮汁の品質劣化の防止が図られる。ここで、破砕物とは、未だ解凍しきれていない破砕氷塊と、既に解凍している濃縮汁との混合物である。
以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。まず、本発明の第1発明に係るストレーナーについて、図1に基づき説明する。
A.流体物
ストレーナー30によって処理される流体物22は濃縮汁等の凍結物の氷塊23を含み、一般には、凍結物のうち未だ解凍しきれていない氷塊23と、既に解凍している液体24との混合物であるが、氷塊23のみから構成されるものもある。このような流体物22は、果物濃縮汁や野菜濃縮汁の凍結物の破砕物;肉エキス抽出物、魚介エキス抽出物、植物(ハーブ、茶、キノコ等)エキス抽出物の凍結物の破砕物;肉エキス濃縮物、魚介エキス濃縮物、植物(ハーブ、茶、キノコ等)エキス濃縮物の凍結物の破砕物;凍結液卵の破砕物;天然香料の凍結物の破砕物;等であり、食品原料、化粧品原料、医薬品原料等として用いられる。また、これらの流体物は、凍結物の破砕物に限られるものではなく、破砕によらないで得られる微細な凍結物と液体との混合物であってもよい。この場合の液体は、その凍結物の解凍液であっても、その凍結物とは異なる物質であってもよい。本発明に係るストレーナーは、特に加熱により品質劣化が生じる凍結物の解凍に好適である。
B.氷塊の解凍工程
本発明に係るストレーナー30は、例えば図1に示すようなものが好適に用いられる。図1において、31は円筒状のケーシング、32はケーシング31内に組み込まれた円筒状の濾過部材、33は濾過部材32に設けられた複数の孔である。ケーシング31と濾過部材32とは、長手軸38について同軸状である。なお、ケーシング、濾過部材は円筒状に制限されるものではなく、同軸状に配置されていなくてもよい。ケーシング31の内部は濾過部材32によって、流体物22の流入側と流出側に区分される。ここで、ケーシング31内の流入側とは、濾過部材32の内側のケーシング31内(以下、「流入側35」と記す)を指し、ケーシング31内の流出側とは、濾過部材32の外側のケーシング31内(以下、「流出側36」と記す)を指す。
濾過部材32の孔33の直径は、ストレーナー30から排出される氷塊の所望の大きさにおいて任意に設定される。例えば、流体物として果物の搾汁残渣を酵素反応させた凍結香料を用いる場合には、通常、2〜20mm、好ましくは5〜10mmである。ストレーナーの孔33は、図1に示すような円形の他にスリット状や矩形状等であってもよい。また、円筒状の他にプレート状やスパイラル状の濾過部材を設けてもよい。更に、網目状の濾過部材を用いてもよい。
流体物22は、ケーシング31の一端側の流入口34から流入側35に流入され、濾過部材32により流出側36に濾過され、ケーシング31の周面の流出口37から排出される。
図1に示すように、ストレーナー30は、氷塊を解凍するための加熱手段40を備える。このような加熱手段40は、ストレーナー30の流入側35に配置された配管部材41と、配管部材41内を流通する加熱媒体42を含む。配管部材41の材質は金属、セラミックス、樹脂等が用いられるが、耐腐食性等の観点からステンレスが好ましい。配管部材41の形状は、ストレーナー30の流入側35内に全体が収容可能で出し入れも容易なU字管とするのが好ましいが、U字管を複数本直列に連結したものや、ストレーナー30の一端側から他端側に貫通する1本以上のストレート管を用いてもよい。配管部材41は、調温部材(不図示)を備えた循環部材43(図2)に接続される。調温部材によって所定温度に保持された加熱媒体42がストレーナー30内の配管部材41内を循環する。加熱媒体42としては水が好適に用いられるが、塩化カルシウム水溶液やプロピレングリコール等を用いてもよい。加熱媒体42の保持温度は、20〜90℃、好ましくは50〜85℃である。20℃未満では十分な熱交換効果が得られず、90℃を超えたのでは、濃縮汁やエキス等の成分を劣化させるからである。
ストレーナー30の流入側35に流入する流体物22は、通常、80〜90容量%の氷塊23と、10〜20容量%の液体とから成り、−10〜1℃の温度である。ストレーナー30の流入側35に流入した流体物22のうち液体24は、濾過部材32に設けられた孔33を直ちに通過して流出側36に流出する。一方、流入した氷塊23については、濾過部材32に設けられた孔33の直径よりも小さなものは孔33を通過して流出側36に流出するが、孔33の直径よりも大きなものは孔33を通過できずに、ストレーナー30の流入側35に滞留する。滞留する氷塊23は、配管部材41内を循環する水によって配管部材41を介して加熱されて解凍される。滞留する氷塊23は、孔33の直径よりも小さくなるまで解凍された時点で孔33を通過して流出側36に流出する。
ストレーナー30の流出側36に流出する流体物22は、通常、5〜10容量%の氷塊23と、90〜95容量%の液体24とから成る。流体物22の温度は、2〜10℃である。また、氷塊21aの大きさは、通常、6mm以下である。
このように、ストレーナー30の流入側35にあって孔33を通過できない氷塊23のみが加熱解凍されるので、流体物22全体を加熱解凍する方式に比べて、解凍熱エネルギーの低減、解凍時間の短縮、流体物の低温保持による濃縮汁やエキス等の品質劣化の防止という格別の効果が得られる。また、ステンレス製U字管とその内部を循環する水を含む加熱手段を採用することにより、熱交換効率が高く、熱交換操作が容易で、更に製造コストが廉価なストレーナーとすることができる。
なお、ストレーナー30の流入側35に流入した流体物22のうち、液体24、ならびに、孔33の直径よりも小さな氷塊23も、加熱媒体42によって加熱されないことはないが、流入後に直ちに孔33を通過して流出側36に流出するので加熱時間が極めて短時間となり、流入側35に滞留する氷塊23に比べて加熱量が無視できる程に小さい。
次に、本発明の第2発明に係る凍結濃縮汁の解凍システムとその解凍方法について、図2〜5に基づいて説明する。図2に示すように、凍結濃縮汁はまずアイスクラッシャー10によって破砕される(破砕工程)。次いで、破砕物はストレーナー30に送注され、加熱手段40と循環部材43によって破砕物中の破砕氷塊が解凍される(解凍工程)。破砕物の送注にはストレーナー30の下流に配置したポンプ60が用いられる。
C.凍結濃縮汁
凍結濃縮汁の原料は、人参、キャベツ、トマト、レタス、セロリ等の野菜や、蜜柑、りんご、レモン等の果物が用いられるが、これらに限定されるものではない。これらの野菜や果物の搾汁液を濃縮し、濃縮汁をドラム缶等の容器に充填して冷凍倉庫等にて保存したものが中間原料としての凍結濃縮汁として用いられる。
D.破砕工程
まず、ドラム缶等の容器に充填された状態の凍結濃縮汁を冷凍倉庫から出して、大気雰囲気中(常温、常圧)で半解凍状態になるまで放置する。次いで、半解凍状態の凍結濃縮汁はアイスクラッシャーによって破砕される。用いるアイスクラッシャー10は、例えば図3に示すような二軸回転方式のものが好適に用いられる。図3において、11は破砕室、12は破砕ドラム、13は破砕ドラム12の外周部に設けられた破砕刃、14は破砕ドラム12の回転軸である。一対の破砕ドラム12、12は、互いに相手側に向かって回転する。破砕室11内に搬入された凍結濃縮汁の氷塊20は、回転する一対の破砕ドラム12、12の間で掻き取られるようにして破砕されて、破砕氷塊21aと、氷塊20及び/又は破砕氷塊21aの一部が既に解凍した解凍濃縮汁21bから成る破砕物21を形成する。破砕された破砕物21は、アイスクラッシャー10の底部に設けられた取出口15に取付けられた取出し管16から次工程に送られる。破砕氷塊21aの大きさは、破砕刃13の形状、破砕ドラム12、12の回転速度等によって制御されるが、好ましくは5〜20mm、より好ましくは5〜15mmとするのが望ましい。5mm未満では破砕時間が長時間となり、20mmを超えたのでは後の工程での解凍時間が長時間となるからである。
なお、アイスクラッシャーの破砕方式、破砕刃の形状、回転速度等は、野菜や果物の種類、凍結濃縮汁の性状によって適宜選択される。
E.破砕氷塊の解凍工程
次いで、破砕工程において破砕された破砕物は、ストレーナーに搬送されて破砕氷塊がここで解凍される。本発明に用いるストレーナー30は、図4に示すように、第1発明に係るものが好適に用いられるがこれに限定されるものではない。図4において、図1と同一の部材には同じ符号が付されている。ケーシング31の内部は濾過部材32によって、流体物である破砕物21を流体物の流入側35と流出側36に区分される。
濾過部材32の孔33の直径は、次の工程で支障をきたさない程度の大きさにまで解凍された破砕氷塊が通過できるが、支障をきたすような大きさの破砕氷塊は通過できない大きさに設定され、通常は、3〜10mm、好ましくは5〜8mmである。
破砕工程において破砕された破砕物21は、ケーシング31の一端側の流入口34から流入側35に流入され、濾過部材32により流出側36に濾過され、ケーシング31の周面の流出口37から次工程に送注される。
図4に示す加熱手段40(41、42)も、図1に示すものと同じであり、配管部材41は、調温部材(不図示)を備えた循環部材43(図2)に接続される。
ストレーナー30の流入側35に流入する破砕物21は、通常、80〜90容量%の破砕氷塊21aと、10〜20容量%の解凍濃縮汁21bとから成り、−10〜1℃の温度である。ストレーナー30の流入側35に流入した破砕物21のうち解凍濃縮汁21bは、濾過部材32に設けられた孔33を直ちに通過して流出側36に流出する。一方、流入した破砕氷塊21aについては、濾過部材32に設けられた孔33の直径よりも小さなものは孔33を通過して流出側36に流出するが、孔33の直径よりも大きなものは孔33を通過できずに、ストレーナー30の流入側35に滞留する。滞留する破砕氷塊21aは、配管部材41内を循環する水によって配管部材41を介して加熱されて解凍される。滞留する破砕氷塊21aは、孔33の直径よりも小さくなるまで解凍された時点で孔33を通過して流出側36に流出する。流出側36に流出した破砕物21は、ケーシング31に設けられた流出口37からポンプに送られる。
ストレーナー30の流出側36に流出する破砕物21は、通常、5〜10容量%の破砕氷塊21aと、90〜95容量%の解凍濃縮汁21bとから成る。破砕物21の温度は、2〜10℃である。また、破砕氷塊21aの大きさは、通常、6mm以下である。
このように、ストレーナー30の流入側35にあって孔33を通過できない破砕氷塊21aのみが加熱解凍されるので、破砕物21全体を加熱解凍する方式に比べて、解凍熱エネルギーの低減、解凍時間の短縮、破砕物の低温保持による濃縮汁の品質劣化の防止という格別の効果が得られる。また、ステンレス製U字管とその内部を循環する水を含む加熱手段を採用することにより、熱交換効率が高く、熱交換操作が容易で、製造コストが廉価なシステムとすることができる。
なお、ストレーナー30の流入側35に流入した破砕物21のうち、解凍濃縮汁21b、ならびに、孔33の直径よりも小さな破砕氷塊21aも、加熱媒体42によって加熱されないことはないが、流入後に直ちに孔33を通過して流出側36に流出するので加熱時間が極めて短時間となり、流入側35に滞留する破砕氷塊21aに比べて加熱量が無視できる程に小さい。
F.破砕氷塊の予備解凍工程
ストレーナー30での解凍負荷を低減するために、アイスクラッシャー10による破砕工程とストレーナーに30おける解凍工程の間に予備解凍工程を設けてもよい。図5に示すように、予備解凍工程では、アイスクラッシャー10とストレーナー30との間に予備解凍タンク50が設けられる。アイスクラッシャー10によって破砕された破砕物21は予備解凍タンク50に収容され、10〜60分間、好ましくは20〜40分の間そのまま放置される。放置時間が10分未満では、ストレーナー30における解凍負荷の低減効果が十分に得られない。放置時間が60分を超えたのでは、全解凍時間が長時間となってしまい好ましくない。なお、必要であれば、放置するだけでなく予備解凍タンク50中の破砕物21を攪拌してもよい。予備解凍された破砕物21は、上述のようにストレーナー30の流入側35に送注されて破砕氷塊21aが解凍される。
このような予備解凍工程により、破砕氷塊21aの粒径を小さくすることができる。例えば、破砕工程によって5〜15mmに破砕された破砕物21は、予備解凍工程により3〜12mmとなる。また、破砕物21中の破砕氷塊21aの含有量も70〜80容量%に低減することができる。破砕物の温度は、−5〜2℃である。このように、次工程におけるストレーナー30での解凍負荷の低減、すなわち、解凍熱エネルギーの更なる低減、解凍時間の更なる短縮、濃縮汁の更なる品質劣化の防止が図られる。
予備解凍工程から解凍工程を経てストレーナー30の流出側36に流出した破砕物21は、通常、5〜10容量%の破砕氷塊21aと、90〜95容量%の解凍濃縮汁21bとから成る。破砕物21の温度は、2〜10℃である。また、破砕氷塊21aの大きさは、6mm以下である。
破砕工程から解凍工程を経て、又は、破砕工程、予備解凍工程から解凍工程を経てストレーナーの流出側に流出した破砕物は、次いで、他の搾汁液との混合工程、滅菌工程、瓶詰め工程等に搬送され、最終的に野菜ジュースや果物ジュースが製造される。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明に係る第2発明について下記実施例1、2及び比較例1、2に基づいて、第1発明について下記実施例3及び比較例3に基づいて説明する。
実施例1
原料の人参を洗浄、切断、破砕した後にこれを搾汁して人参搾汁液を得た。この人参搾汁液を殺菌後、蒸発濃縮法によって5倍に濃縮して濃縮汁を得た。この濃縮汁を180リットルの容量のドラム缶に充填し、冷凍庫で保存した。次いで、ドラム缶を冷凍庫から出して大気雰囲気中(25℃、大気圧)で半解凍状態になるまで放置した。次いで、この半解凍状態の凍結濃縮汁をアイスクラッシャーによって破砕した。アイスクラッシャーは、図3に示す二軸回転方式のものを用いた。まず、半解凍状態の凍結濃縮汁から成る氷塊20を破砕室11内に搬入し、幅54mm、高さ7mmの破砕刃13を外周部に備えた一対の破砕ドラム12、12を回転軸14の周りに互いに相手側に向かって回転させて氷塊20を破砕した。破砕ドラム12、12の回転速度は共に180rpmであった。回転破砕ドラム12、12の間で氷塊20が掻き取られるようにして破砕され、破砕室11の下部に破砕氷塊21aと解凍濃縮汁21bから成る破砕物21を生成した。破砕氷塊21aの大きさは、5〜15mmであり、破砕物21は85容量%の破砕氷塊21aと、15容量%の解凍濃縮汁21bの混合物で、温度は−1℃であった。
破砕工程によって生成された破砕物21は破砕室11の底部に滞留することなく、生成すると直ちに次工程の解凍工程に送注された。送注には、解凍工程の後に配置したロータリーポンプ60を用いた。なお、ポンプを用いないで、アイスクラッシャー10の直下にストレーナー30を配置し、重力によって破砕物21をストレーナー30内に落下して供給するようにしてもよい。ストレーナーは、図4に示すものを用いた。濾過部材32に設けられた複数の円形孔33の直径は7mmであった。破砕工程において破砕された破砕物21を、ストレーナー30の流入側35に流入した。
ストレーナー30に設けた加熱部材40には、内径が5mm、直線部分が50cm、湾曲部分が18cmのステンレス製U字管41、ならびに、加熱媒体である水42を用いた。なお、循環部材43は図2に示すものを用いた。80℃の水を50リットル/分でステンレス製U字管41内を流通循環させた。破砕工程において破砕された破砕物21のうち、解凍濃縮汁21b、ならびに、孔33の直径である7mmより小さい破砕氷塊21aは、孔33を直ちに通過して流出側36に流出した。一方、破砕工程において破砕された破砕物21のうち7mm以上の大きな破砕氷塊21aは、ストレーナー30の流入側35に滞留したが、U字管41を通って循環する水42によってU字管41を介して加熱されて解凍されてその大きさが次第に小さくなり、孔33の直径よりも小さくなった時点で孔33を通過してストレーナー30の流出側36に流出した。このようにして流出した流出物の温度は5℃で、7容量%の破砕氷塊21aと、93容量%の解凍濃縮汁21bの混合物であった。破砕氷塊21aの大きさは、6mm以下であった。
アイスクラッシャー10によって破砕した破砕物21をストレーナー30の流入側35に搬入し始めてから、破砕物21のほぼ全てをストレーナー30の流出側36に流出させるのに、すなわち解凍工程に30分を要した。ストレーナー30における解凍工程で消費した熱エネルギーは、後述の評価方法によって算出した。また、得られた解凍濃縮汁の風味変化についても後述の官能評価試験により測定した。
実施例2
図5に示すように、アイスクラッシャー10による破砕工程とストレーナー30における解凍工程の間に予備解凍工程を設けた以外、実施例1と同様の破砕、解凍を行った。予備解凍工程では、アイスクラッシャー10とストレーナー30との間に設けた予備解凍タンク50(容量が300リットル)に、アイスクラッシャー10によって破砕された破砕物21を収容した。
破砕工程によって生成された破砕物21は破砕室11の底部に滞留することなく、生成すると直ちにアイスクラッシャー10の直下に配置された予備解凍タンク50に重力によって落下供給されて全量を収容され、更に解凍工程に送注された。
予備解凍工程から解凍工程への送注は、解凍工程の後に配置したロータリーポンプ60を用いた。
なお、予備解凍工程から解凍工程への送注には、ポンプを用いないで、予備解凍タンク50の直下にストレーナー30を配して、予備解凍後にストレーナー30内に重力によって落下供給するようにしてもよい。
アイスクラッシャー10で破砕された破砕物21を、予備解凍タンク50内において、30分の間そのままの状態(25℃、大気圧)で放置した。
アイスクラッシャー10で破砕された破砕物における破砕氷塊21aと解凍濃縮汁21bの容量%、ならびに、破砕氷塊21aの大きさは、実施例1と同じであった。
予備解凍工程により、破砕物21中の破砕氷塊21aの含有量が75容量%に低減した。また、破砕氷塊21aの粒径は3〜12mmに減少していた。また、予備解凍工程後の破砕物21の温度は0℃であった。
解凍工程においてストレーナー30の流出側36に流出した流出物の温度は5℃で、6容量%の破砕氷塊21aと、94容量%の解凍濃縮汁21bの混合物であった。破砕氷塊21aの大きさは、5mm以下であった。
予備解凍タンク50によって予備解凍した破砕物21をストレーナー30の流入側35に搬入し始めてから、破砕物21のほぼ全てをストレーナー30の流出側36に流出させるのに、すなわち解凍工程に25分を要した。ストレーナー30における解凍工程で消費した熱エネルギーは、後述する評価方法により算出した。また、得られた解凍濃縮汁の風味変化についても後述の官能評価試験により測定した。
比較例1
実施例1と同様の破砕工程を用い、実施例2の予備解凍工程に代えて、同工程で用いたのと同じタンクを、加熱媒体である60℃の水を循環したジャケット(図5の51、水の容量が80リットル)内に収容して加熱することにより解凍工程とし、実施例1で用いたストレーナーにおいて加熱手段を取り外したものを用いて、次工程で支障となるような大きな破砕氷塊を除去した。この例における解凍工程に要した時間は、実施例1の解凍時間と同じ30分とした。
アイスクラッシャー10で破砕された破砕物における破砕氷塊21aと解凍濃縮汁21bの容量%、ならびに、破砕氷塊21aの大きさは、実施例1と同じであった。
大きな破砕氷塊の除去工程において、ストレーナー30の流入側35に7mm以上の大径の破砕氷塊が滞留、蓄積してしまい、ストレーナー30が閉塞して流出側に全流出物を得ることができなかった。
破砕物の一部が流出側に流出したが、その温度は0℃であり、その中の破砕氷塊21aの含有量は45容量%、粒径は2〜10mmであった。
比較例2
比較例1において、解凍工程における解凍時間を60分間に増加した以外は比較例1と同様にして解凍した。
アイスクラッシャー10で破砕された破砕物における破砕氷塊21aと解凍濃縮汁21bの容量%、ならびに、破砕氷塊21aの大きさは、実施例1と同じであった。
解凍工程により、破砕物21中の破砕氷塊21aの含有量が5容量%に低減した。また、破砕氷塊21aの粒径は3mm以下に減少した。解凍工程後の破砕物21の温度は30℃であった。解凍工程で消費した熱エネルギーは、後述する評価方法により算出した。得られた解凍濃縮汁の風味変化についても後述の官能評価試験により測定した。
各実施例及び比較例における破砕氷塊と解凍濃縮汁の容量%、破砕氷塊の大きさ、破砕物の温度、予備解凍時間、ならびに、解凍時間を表1に示す。
Figure 2007155290
解凍工程で消費した熱エネルギーの評価、風味変化の官能評価試験を、以下のようにして行った。
<熱エネルギー評価>
ストレーナーによる解凍工程において、加熱媒体である水からステンレス製U字管を介して破砕氷塊に伝達される熱エネルギーのうち、破砕氷塊を融解するための熱エネルギーをH1とし、解凍工程において解凍濃縮汁の温度が上昇するのに要する熱エネルギーをH2とした。H1+H2を、解凍のための消費熱エネルギーとした。
H1については、破砕氷塊の融解熱を0℃における氷の融解熱である1.435kcal/モル(80cal/g)と仮定し、破砕氷塊の密度を1g/cmとして算出した。すなわち、中間原料である凍結濃縮汁の容量は180リットルであり、ストレーナーの流入側に流入する破砕物中の破砕氷塊をm容量%とし、ストレーナーの流出側に流出する破砕物中の破砕氷塊をn容量%とし、1リットル=1000cmとし、熱放散等の熱損失を無視すると、H1は、{180×(m/100)×1000−180×(n/100)×1000}×(80/1000)=144(m−n)[kcal]で表される。
H2については、破砕工程後に存在していた解凍濃縮汁の温度が上昇するのに要する熱エネルギーをH2aとし、解凍工程で融解した解凍濃縮汁の温度が上昇するのに要する熱エネルギーをH2bとすると、H2=H2a+H2bとなる。解凍工程の前後における破砕物中の解凍濃縮汁の温度をそれぞれT1℃、T2℃とし、T1〜T2℃における解凍濃縮汁の比熱と密度を、それぞれ1cal/℃・g、1g/cmとすると、H2a={180×(100−m)/100}×1000×{(T2−T1)/1000}=(180−1.8m)(T2−T1)[kcal]で表される。また、H2bについては、破砕氷塊が0℃で解凍濃縮汁となるとし、解凍濃縮汁の比熱と密度はH2aと同様とすると、H2b={180×(m/100)×1000−180×(n/100)×1000}(T2/1000)=1.8(m−n)T2[kcal]で表される。
<風味の官能評価試験>
搾汁液と、解凍濃縮汁を搾汁液と同じ濃度に希釈した希釈液とを2点比較し、どちらが好ましいかを、50名の官能評価員(男性25名+女性25名)により官能評価した。
官能評価試験において有意差がつかなかった場合を○とし、危険率5%以下で有意差がついた場合を×とした。
上記消費熱エネルギー及び風味変化の官能評価試験の結果を表2に示す。
Figure 2007155290
実施例1では、解凍における消費熱エネルギー(H1+H2)を約12100[kcal]と低エネルギーにできると共に、ストレーナーにおいて破砕氷塊の大きさを次工程で支障にならない程度まで低減することができた。実施例2では、消費熱エネルギー(H1+H2)を約10800[kcal]と実施例1よりも更に低エネルギーにすることができ、ストレーナーにおいて破砕氷塊の大きさを次工程で支障にならない程度まで低減することもできた。
また、実施例1及び2のいずれも、最終的に得られた解凍濃縮汁の温度が5℃と低温であったため、解凍濃縮汁の風味が搾汁液のものと比べて変化せず官能評価試験は合格であった。
これに対して比較例1では、解凍濃縮汁の成分が変性しない程度の解凍条件とした際に、次工程で支障を来たさない程度までに破砕氷塊を解凍できなかった。その結果、破砕氷塊の大きさが十分に小さくならず、ストレーナーの流入側を閉塞してしまいストレーナーの流出側に全流出物を得ることができなかった。したがって、比較例1では、解凍に要する消費熱エネルギー(H1+H2)が算出できなかった。なお、一部得られた解凍濃縮汁の温度は0℃と低温であったため、風味が変化せず官能評価試験は合格であった。
比較例2では、破砕氷塊と解凍濃縮汁から成る破砕物全体を加熱する必要があり、次工程で支障を来たさない程度までに破砕氷塊を解凍するには、消費熱エネルギー(H1+H2)=約16700[kcal]と高熱エネルギーを要した。更に、解凍時間も60分と長時間を要した。そして、このような高熱エネルギー及び長解凍時間により、得られる解凍濃縮汁の温度も30℃に上昇して、解凍濃縮汁の風味が搾汁液のものと比べて大きく変化してしまい官能評価試験は不合格であった。
実施例3
原料のリンゴを、洗浄、切断、破砕した後にこれを搾汁してリンゴ搾汁残渣を得た。このリンゴ搾汁残渣にその8倍容量の水を加えて、リンゴ搾汁残渣分散液を得た。この分散液を穏やかに攪拌しながら30℃で15分間保持し、リンゴ搾汁残渣が含有する自家酵素により酵素反応させて、リンゴフレーバーを生成させた。この酵素反応物を減圧下に蒸留し、得られた蒸留物を逆浸透濃縮法により30倍に濃縮して濃縮香料液を得た。この濃縮香料液を180リットルの容量のドラム缶に充填し、冷凍庫で保存した。人参搾汁液の濃縮汁に代えてこの濃縮香料液を用いた以外、実施例2と同様にして破砕工程、予備解凍工程及び解凍工程を経て、解凍濃縮香料液を得た。
凍結濃縮香料液を破砕して得られる氷塊23の大きさは、5〜15mmであり、流体物22は、88容量%の氷塊23と、12容量%の解凍濃縮香料液24の混合物で、その温度は−1℃であった。
また、予備解凍工程により、流体物22中の氷塊23の含有量が78容量%に低減した。また、氷塊23の粒径は3〜12mmに減少していた。また、予備解凍工程後の流体物22の温度は0℃であった。
解凍工程においてストレーナー30の流出側36に流出した流体物22の温度は4℃で、7容量%の氷塊23と、93容量%の解凍濃縮香料液24の混合物であった。氷塊23の大きさは、5mm以下であった。
予備解凍タンク50によって予備解凍した流体物22をストレーナー30の流入側35に搬入し始めてから、流体物22のほぼ全てをストレーナー30の流出側36に流出させるのに、すなわち解凍工程に25分を要した。
搾汁残渣溶液と、解凍濃縮香料液を搾汁残渣溶液と同じ濃度に希釈した希釈液とを調製し、フレーバー変化を実施例2と同様にして官能評価試験により測定した。
比較例3
実施例3と同様の破砕工程を用い、実施例3の予備解凍工程に代えて、同工程で用いたのと同じタンクを、加熱媒体である60℃の水を循環したジャケット(図6の51、水の容量が80リットル)内に収容して加熱することにより解凍工程とし、実施例3で用いたストレーナーにおいて加熱手段を取り外したものを用いて、大きな破砕氷塊を除去した。この例における解凍工程に要した時間は、60分間であった。
アイスクラッシャー10で破砕された流体物22における氷塊23と解凍濃縮香料液24の容量%、ならびに、氷塊23の大きさは、実施例3と同じであった。
解凍工程により、流体物22中の氷塊23の含有量が6容量%に低減した。また、氷塊23の粒径は3mm以下に減少した。解凍工程後の流体物22の温度は30℃であった。得られた解凍濃縮香料液のフレーバー変化を、実施例3と同様にして官能評価試験により測定した。
実施例3及び比較例3における氷塊と解凍濃縮香料液の容量%、氷塊の大きさ、流体物の温度、予備解凍時間、ならびに、解凍時間を表3に示す。
Figure 2007155290
また、フレーバー変化の官能評価試験の結果を表4に示す。
Figure 2007155290
実施例3では、ストレーナーにおいて氷塊の大きさを孔を通過できるまで低減することができた。また、最終的に得られた解凍濃縮香料液の温度が4℃と低温であったため、解凍濃縮香料液のフレーバーが搾汁残渣溶液のものと比べて変化せず官能評価試験は合格であった。これに対して比較例3では、得られる解凍濃縮香料液の温度が30℃と高温となってしまい、フレーバーが変化して官能評価試験は不合格であった。
本発明により、流入側に設けた配管部材と加熱媒体を含む加熱手段によって、氷塊が流入側に滞留して閉塞するのを防止可能なストレーナーを提供できる。
本発明により、解凍に要する熱エネルギーの低減、解凍時間の短縮、ならびに、破砕物の低温保持による濃縮汁の品質劣化を防止できる凍結濃縮汁の解凍システム及びその解凍方法を提供できる。
図1は、本発明に係るストレーナーの断面図を示す。 図2は、本発明に係る凍結濃縮汁の解凍システムの正面図を示す。 図3は、本発明に係る凍結濃縮汁の解凍システムに用いるアイスクラッシャーの断面図を示す。 図4は、本発明に係る凍結濃縮汁の解凍システムに用いるストレーナーの断面図を示す。 図5は、本発明に係る他の実施態様にける凍結濃縮汁の解凍システムの正面図を示す。 図6は、従来の凍結濃縮汁の解凍システムの正面図を示す。
符号の説明
10 アイスクラッシャー
11 破砕室
12 破砕ドラム
13 破砕刃
14 回転軸
20 解凍濃縮汁の氷塊
21 破砕物
21a 破砕氷塊
21b 解凍濃縮汁
22 流体物
23 氷塊
24 液体
30 ストレーナー
31 ケーシング
32 濾過部材
33 孔
34 流入口
35 流入側
36 流出側
37 流出口
38 長手軸
40 加熱手段
41 配管部材、ステンレス製U字管
42 加熱媒体、水
43 循環部材
50 解凍タンク、予備解凍タンク
51 ジャケット
60 ポンプ

Claims (9)

  1. ケーシングと、当該ケーシング内部に収容されこの内部を流体物の流入側と流出側に区分すると共に前記流入側の流体物を流出側に濾過する複数の孔を有する濾過部材と、前記ケーシングの外部から前記流入側に流体物を流入させる流入口と、前記流入側から前記孔を通過して前記流出側に流出する流体物を外部に取り出す流出口と、を備えたストレーナーであって、
    前記流体物が氷塊を含有し、
    前記流入側に出し入れ可能に配設され、前記流入側に滞留する氷塊を解凍する加熱手段を備えることを特徴とするストレーナー。
  2. 前記ケーシング及び前記濾過部材が同軸の円筒状であり、
    前記孔が円形孔であり、
    前記加熱手段が配管部材と当該配管部材の内部を循環する加熱媒体とを含み、前記ケーシングの一端側から流入側に出し入れ可能となっている、請求項1に記載のストレーナー。
  3. 前記配管部材がステンレス製U字管であり、かつ、前記加熱媒体が水である、請求項2に記載のストレーナー。
  4. 凍結した濃縮汁の氷塊を破砕するアイスクラッシャーと、前記アイスクラッシャーによって破砕された破砕物中の氷塊を解凍するストレーナーと、を備えた凍結濃縮汁の解凍システムであって、
    前記ストレーナーが、その流入側に滞留する前記氷塊を解凍する加熱手段を備えることを特徴とする凍結濃縮汁の解凍システム。
  5. 前記加熱手段が、前記ストレーナーの流入側に設けた配管部材と当該配管部材の内部を循環する加熱媒体とを含む、請求項4に記載の凍結濃縮汁の解凍システム。
  6. 前記配管部材がステンレス製U字管であり、かつ、前記加熱媒体が水である、請求項5に記載の凍結濃縮汁の解凍システム。
  7. 凍結した濃縮汁の氷塊をアイスクラッシャーによって破砕する工程と、前記アイスクラッシャーによって破砕された破砕物中の氷塊をストレーナーにおいて解凍する工程と、を備える凍結濃縮汁の解凍方法であって、
    前記破砕物中の氷塊をストレーナーにおいて解凍する工程が、前記ストレーナーに設けた加熱手段によって、当該ストレーナーの流入側に滞留する前記氷塊を解凍することを特徴とする凍結濃縮汁の解凍方法。
  8. 前記加熱手段が、前記ストレーナーの流入側に設けた配管部材と当該配管部材の内部を循環する加熱媒体とを含む、請求項7に記載の凍結濃縮汁の解凍方法。
  9. 前記配管部材がステンレス製U字管であり、かつ、前記加熱媒体が水である、請求項8に記載の凍結濃縮汁の解凍方法。
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