JP2007155230A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気調和機において、サイクル効率の向上、2段圧縮機の信頼性の向上、及び空気調和機の運転範囲の拡大を図ること。
【解決手段】空気調和機は、第1の圧縮手段1aで圧縮した冷媒をさらに圧縮する第2の圧縮手段1bを備えた容量可変な2段圧縮機1と、冷媒の凝縮用熱交換器2と、開度が可変な第1の減圧手段3と、内部に流入する気液2相の冷媒をガス冷媒と液冷媒に分けて流出させる機能を有する気液分離器4と、開度が可変な第2の減圧手段5と、冷媒の蒸発用熱交換器6と、を順次配管で接続した冷凍サイクルを備える。気液分離器4と2段圧縮機1中間圧力室10とを接続するインジェクション回路8が備えられている。気液分離器4と蒸発用熱交換器6とを結ぶ配管経路15に、第2の減圧手段5を有する主回路10と第3の減圧手段13を有するバイパス回路11とが並列に接続して設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍サイクルを備えた空気調和機に関する。
冷凍サイクルの効率向上を図る手段の1つとして、例えば特開平11−142001号公報(特許文献1)に開示された従来技術1のように、気液分離器を用いたインジェクションサイクルが知られている。このサイクルは、室外熱交換器と室内熱交換器を結ぶ液配管の途中に気液分離器を介装した構成となっており、例えば冷房運転時には気液分離器で分離された液冷媒を減圧して室内熱交換器で蒸発させてから圧縮機吸入口へ戻す一方、気液分離器で分離されたガス冷媒を圧縮機のインジェクションポートへ戻して圧縮過程にある冷媒ガスと合流させるサイクルである。
この従来技術1では、気液分離器内における液冷媒の液面高さを検出する手段を設け、液面高さが基準高さを超えたときに閉弁方向に作動する制御手段をインジェクション配管途中に設けることにより、液インジェクションを防止するようにしている。
これに対して、例えば特開2005−127167号公報(特許文献2)に示されたような2段圧縮機を用いた場合には、インジェクションポートが、低段側圧縮要素の吐出口と高段側圧縮要素の吸入口を結ぶ中間圧力室へ常に開口されている状態となるので、単段圧縮機を用いる場合に対して、気液分離器からインジェクションされる冷媒流量(以下、インジェクション量という)を増大させることができるという利点がある。
特開平11−142001号公報 特開2005−127167号公報
従来技術1の単段圧縮機を用いたインジェクションサイクルでは、インジェクションポートが圧縮室内へ開口される状態と閉口される状態が繰り返され、インジェクションされる冷媒の流れが周期的に阻害されるので、気液分離器の圧力変化に対してインジェクション量があまり変化せず、結果として図2に示すようにサイクル効率が低くなると共にその変化も小さいという特性を有していた。
また、従来技術1では、気液分離器内の液面高さが高くなると、インジェクション配管の圧力損失を増大させ、液インジェクションを防止できるとしている。しかし、この場合には気液分離器の圧力が高くなるので、気液分離器内の乾き度が減少し、インジェクションされるガス冷媒量を減少させることになるので、サイクル効率が低下する。
一方、従来技術2の2段圧縮機を用いたインジェクションサイクルでは、気液分離器からインジェクションポートへ冷媒が比較的流れやすいため、気液分離器の圧力変化に対してインジェクション量が多くなると共に大きく変動し、図2に示すようにサイクル効率が高くなると共に大きく変化する特性となる。同様の理由により、2段圧縮機を用いた場合には、気液分離器の圧力が少し高くなるだけで多量の液冷媒がインジェクションされ易くなり、圧縮機の信頼性が低下しやすいという課題があった。したがって、2段圧縮機を用いたインジェクションサイクルにおいて、サイクル効率を向上させ、かつ圧縮機の信頼性を確保するためには、気液分離器の圧力を精度良く制御し、インジェクション量を適切に制御することが重要となる。
しかしながら、従来技術2では、運転範囲を広げようとすると、インジェクション量が制御できなくなる場合があることについて考慮されていなかった。
気液分離器を用いたインジェクションサイクルでは、気液分離器の上流側と下流側の両方に備えた膨張弁で2回に分けて減圧させる必要があるため、1つの膨張弁における減圧幅を小さくする必要がある。容量が可変な圧縮機を用いた場合には、冷媒流量が大きく変動するので、大流量時に合わせて流量係数の大きな膨張弁を用いると、特に小流量時には開度変化に対するインジェクション量の変化が大きくなるので、膨張弁の制御性が低下し、効率の良い運転ができなくなるだけでなく、液インジェクションを招いて圧縮機の信頼性を損なう可能性もある。逆に、小流量時に合わせて流量係数の小さな膨張弁を用いると、大流量時には減圧幅が過剰となり、運転範囲を制限する必要が生じるという問題がある。
ところで、インジェクションポートの圧力は低段側圧縮要素と高段側圧縮要素と、インジェクション量のバランスで定まり、図3に示すように高段側圧縮要素の吐出圧力Pdを一定とした条件で、低段側圧縮要素の吸入圧力Psが低下するとインジェクションポートの圧力Pmも低下し、PmとPsの差圧は次第に小さくなる特性を有している。したがって、前述のように減圧幅が過剰となるという問題は、蒸発圧力が低下する場合、すなわち蒸発用熱交換器で熱交換する空気の温度が低い場合に、気液分離器の下流側膨張弁で発生しやすいことになる。また、PdとPsの差圧が小さくなる場合であっても、PmとPsの差圧が小さくなることになるので、同様の問題が生じる可能性がある。このような場合には、蒸発圧力が低下するので冷暖房能力が低下するだけでなく、気液分離器の圧力が高まり圧縮機への液戻りが増大することによって、圧縮機信頼性を損なう可能性が生じる。
本発明の目的は、サイクル効率の向上、2段圧縮機の信頼性の向上、及び空気調和機の運転範囲の拡大を図ることが可能な空気調和機を提供することにある。
前述の目的を達成するために、本発明は、第1の圧縮手段で圧縮した冷媒をさらに圧縮する第2の圧縮手段を備えた容量可変な2段圧縮機と、冷媒の凝縮用熱交換器と、開度が可変な第1の減圧手段と、内部に流入する気液2相の冷媒をガス冷媒と液冷媒に分けて流出させる機能を有する気液分離器と、開度が可変な第2の減圧手段と、冷媒の蒸発用熱交換器と、を順次配管で接続した冷凍サイクルと、前記気液分離器と、2段圧縮機の第1の圧縮手段と第2の圧縮手段とをつなぐ中間圧力室と、を接続するインジェクション回路と、を備えた空気調和機において、前記気液分離器と前記蒸発用熱交換器とを結ぶ配管経路に、前記第2の減圧手段を有する主回路と第3の減圧手段を有するバイパス回路とを並列に接続して設けたことにある。
係る本発明のより好ましい具体的な構成例は次の通りである。
(1)前記第3の減圧手段は前記第2の減圧手段で最大開度とした時の流量係数よりも小さい流量係数を有するものであること。
(2)前記気液分離器と前記蒸発用熱交換器とを結ぶ配管経路の冷媒流量が増大した場合に前記主回路及び前記バイパス回路に並列に冷媒を流すように制御する制御装置を備えたこと。
(3)前記気液分離器と前記蒸発用熱交換器とを結ぶ配管経路の冷媒流量が増大した場合を、前記第2の減圧手段の開度、外気温度及び圧縮機容量のうちの少なくとも1つを用いて検出すること。
(4)前記第2の減圧手段はオリフィス部の流路断面積を変化させるニードル弁を備えたニードル式膨張弁で構成され、前記第3の減圧手段は流量係数が前記第2の減圧手段で最大開度とした時の流量係数よりも小さいキャピラリチューブで構成されていること。
(5)前記冷凍サイクルにおける冷媒の流れを切り替えて冷房運転と暖房運転とを可能とする四方弁を備え、前記バイパス回路における前記気液分離器から前記蒸発用熱交換器への流れのみを可能とする逆止弁を備えていること。
(6)前記バイパス回路に前記制御装置からの電気信号によって開閉動作が可能なバイパス弁を備えていること。
(7)前記第3の減圧手段は開度が可変な膨張弁で構成されていること、を特徴とする空気調和機。
(8)前記制御装置は、前記バイパス回路に冷媒を流すように切り替えた際に、前記バイパス回路に冷媒を流す前の前記第2の減圧手段の圧力損失と前記バイパス回路に冷媒を流した後の前記第2の減圧手段及び前記第3の減圧手段の合計の圧力損失とが同等となるように前記第2の減圧手段の開度を制御すること。
本発明によれば、容量可変な2段圧縮機にインジェクションサイクルを用いてサイクル効率を向上しつつ、第2の減圧手段を有する主回路に第3減圧手段を有するバイパス回路を並列に接続することにより、第2の減圧手段の制御精度を低下させることなくサイクル効率のよい運転を可能とすると共に、2段圧縮機の信頼性の向上及び空気調和機の運転範囲の拡大を図ることが可能な空気調和機を実現できる。
以下、本発明の複数の実施形態について図を用いて説明する。各実施形態の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の空気調和機を図1から図5を用いて説明する。
まず、本実施形態の空気調和機の全体に関して図1を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る空気調和機の構成図である。
容量が可変な2段圧縮機1は、吸入された冷媒を圧縮する第1の圧縮手段1aと、第1の圧縮手段1aで圧縮された冷媒をさらに圧縮する第2の圧縮手段1bと、これらの圧縮手段を接続する中間圧力室1cとを備えている。この2段圧縮機1を備えた冷凍サイクルには、冷媒と室外空気との熱交換を行う室外熱交換器6と、開度が可変なニードル式膨張弁5と、内部に流入する気液2相の冷媒をガス冷媒と液冷媒に分けて流出させる機能を有する気液分離器4と、開度が可変なニードル式膨張弁3と、冷媒と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器2とが順次冷媒配管で環状に接続されており、四方弁7により冷媒の流れを切り替えて、冷房運転と暖房運転ともに運転可能な構成となっている。
制御装置30は、膨張弁3の開度、室内温度、外気温度、及び圧縮機容量などの検出結果に基づいて、2段圧縮機1の容量、四方弁7の切り替え、ニードル式膨張弁5の開度、バイパス弁12の開閉、ニードル式膨張弁3の開度などを制御するものである。バイパス弁12は電磁開閉弁で構成されている。
また、気液分離器4には、分離したガス冷媒を2段圧縮機1の中間圧力室1cに設けられたインジェクションポート9に導くためのインジェクション配管8が接続され、インジェクション回路が構成されている。そして、気液分離器4と室外熱交換器6とを接続する配管15の途中に、膨張弁5を通る主配管10に対して並列なバイパス回路11を設け、バイパス回路11にはバイパス弁12、逆止弁14、そして適切な絞り量となるキャピラリチューブ13を備えている。
次に、本実施形態における動作を、冷房運転、暖房運転に対して順に説明する。
まず、冷房運転時には、四方弁7を実線で示す配管経路へ切り替えることにより、2段圧縮機1において、第1の圧縮手段1aと第2の圧縮手段1bとで順次圧縮された冷媒は、四方弁7を実線で示したように通り、凝縮器となる室外熱交換器6へ流入する。ここで、冷媒は室外空気へ放熱することによって凝縮・液化することになる。その後は主管10の途中に配された減圧手段として作用する膨張弁5において、所定の圧力まで減圧され、気液2相の状態で気液分離器4へ流入する。このとき、逆止弁14の作用により、バイパス回路11へ冷媒が流れることはない。気液分離器4の中では、ガス冷媒と液冷媒が上下に分離され、液冷媒は減圧手段として作用する膨張弁3でさらに減圧された後、蒸発器となる室内熱交換器2へ流れる。ここで、冷媒は室内空気との熱交換により蒸発し、ガス冷媒となって四方弁7から圧縮機1へ戻る。一方、気液分離器4で分離されたガス冷媒は、インジェクション配管8を通ってインジェクションポート9から中間圧力室1cへ流入する。このように、インジェクションされた冷媒は第1の圧縮手段1aは通らずに第2の圧縮手段1bでのみ圧縮されることになる。したがって、第1の圧縮手段1aにおける圧縮動力を低減することができ、冷凍サイクルの効率を向上させることができる。
暖房運転時は、四方弁7を破線で示す配管経路へ切り替える。この場合、2段圧縮機1で冷房時と同様に圧縮された冷媒は、四方弁7を破線のように通って、凝縮器となる室内熱交換器2へと流入する。そこで室内空気へ放熱して、凝縮・液化し、その後、第1の減圧手段として作用する膨張弁3で減圧される。減圧されて気液2相となった冷媒は、気液分離器4へ流入し、分離されたガス冷媒は2段圧縮機のインジェクションポート9へインジェクションされる。このように、インジェクションされた冷媒は第1の圧縮手段1aは通らずに第2の圧縮手段1bでのみ圧縮されることになる。したがって、第1の圧縮手段1aにおける圧縮動力を低減することができ、冷凍サイクルの効率を向上させることができる。一方、気液分離器4で分離された液冷媒は、配管15へ流出し、第2の減圧手段としての膨張弁5でさらに減圧された後、蒸発器となる室外熱交換器6で蒸発し、四方弁7を介して圧縮機1へ戻る。
ここで、外気温度が低下し蒸発圧力が低下すると、図3に示した如くPmとPsの差は小さくなり、第2の減圧手段5における減圧幅を小さくする必要が生じるので、2段圧縮機1の容量を増加させて高暖房力を得ようとすると、減圧幅が過剰となる可能性がある。しかし、本実施形態では、バイパス回路11に設けたバイパス弁12を開くことによって、主回路5とバイパス回路11の両方へ冷媒を流すことができるので、減圧幅を抑制することができ、空気調和機の運転範囲を拡大させることができる。この場合には、バイパス回路11を通る冷媒は第3の減圧手段であるキャピラリチューブ13で減圧された後、主回路10を流れた冷媒と合流して室外熱交換器6へと流入することになる。
図4にニードル式膨張弁5の構成概略図を示す。ニードル式膨張弁3はこの図4に示すニードル式膨張弁5の構成と基本的に同じであるので、重複する説明を省略する。
膨張弁5では、冷媒が配管23から配管24の方向へ流れる場合、冷媒は膨張弁本体25内部へ流入し、その後、流路断面積が配管23部の断面積よりも小さいオリフィス部22を通ることで減圧され、配管24へと流出する。このとき、ニードル弁21を上下方向に動作させることによって、オリフィス22部の流路断面積を変化させ、減圧幅を可変とすることができる。このときの、ニードル弁21の高さ、すなわち膨張弁5の開度に対して所定の冷媒流量を流した場合の減圧幅は図5に実線で示す傾向となる。このように最大開度とした場合、すなわちニードル弁21とオリフィス部22との距離を最も離した場合であっても、オリフィス部22の径は配管23及び配管24の径より小さく一定であるため、圧力損失を所定の値より小さくすることはできない。そこで、本実施形態では膨張弁5を含む主回路10に対して並列なバイパス回路11を設けた。このため、大流量時にはバイパス回路11へ冷媒を流し、膨張弁5を流れる流量を減少させて、圧力損失の低減を図ることができる。
さらに本実施形態では、バイパス回路11に設けたキャピラリチューブ13の流量係数を、膨張弁5が最大開度の状態における流量係数よりも小さく設定した。この場合の主回路10の減圧幅は図5に破線で示したような特性になり、バイパス回路11が閉の場合の主回路10の減圧幅とバイパス回路11が開の場合の主回路10及びバイパス回路11の合計の減圧幅とが等しくなる条件が存在するようになるので、バイパス回路11を閉から開に切り替えても減圧幅を連続的に制御することが可能となり、インジェクション量を広い範囲にわたって精度良く制御することが可能となる。
具体的には、例えばバイパス弁12を閉じた状態での運転中に、膨張弁5の開度が90%以上の状態となった場合に、これを検出してバイパス弁12を開とすると同時に、膨張弁5の開度を下げて、バイパス弁12を閉じた状態の圧力損失と開いた状態の圧力損失とを同等となるように制御する。したがって、さらに減圧幅を低減したい場合には膨張弁5の開度をさらに開くことが可能となるので、空気調和機の運転範囲を拡大することができる。
なお、本実施形態では暖房運転時に蒸発器となる室外熱交換器6と気液分離器4の間にバイパス回路11を設ける構成としたが、冷房運転時に蒸発器となる室内熱交換器2と気液分離器4の間にバイパス回路を設けても良い。
また、例えば膨張弁内部にメインとサブの回路を持たせ、条件に応じてサブの回路を利用することによって、本実施形態におけるバイパス回路11の機能と等価の機能を膨張弁5内部に持たせても良い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6及び図7を用いて説明する。図6は本発明の第2実施形態の空気調和機のサイクル構成図、図7は図6の空気調和機における膨張弁5、20の開度と圧力損失の関係を示す図である。この第2実施形態は、次に述べる点で第1実施形態と相違するものであり、その他の点については第1実施形態と基本的には同一であるので、重複する説明を省略する。
この第2実施形態は、バイパス回路11に開度が可変な膨張弁20を設けた点が第1実施形態とは異なっており、冷房時には膨張弁20を常に閉としておき、暖房運転時に膨張弁5の開度が所定の値を超えた場合に、膨張弁20が開となるように制御する。膨張弁20は開度が可変となっているので、バイパス回路11の流量係数を段階的に変化させることができるという特徴がある。したがって、例えばバイパス回路11を開く際に、膨張弁20の開度を小さく設定しておくことで、主回路10における流量の急激な変化を抑制することが可能となる。これはバイパス回路11を閉じる場合も同様であり、サイクルが不安定になることを防止するうえで有用である。一方で、バイパス回路11の開度が不十分であると判断された場合には、さらに開度をあげればよく、インジェクションサイクルの運転範囲を拡大することが可能となる。
なお、膨張弁20の開度を増した場合には、その流量係数が、膨張弁5で最大開度とした場合の流量係数対して大きくなるとしてもよく、この場合には、運転範囲をより広範囲に拡大することが可能となる。
また、図7に示すように、最大開度における流量係数が小さく、小流量域で制御性の良い特性を持つ主回路10の膨張弁5と、最大開度における流量係数が大きく、大流量域で制御性が良好な特性を持つバイパス回路用膨張弁20を組み合わせてもよい。この場合、主回路10の膨張弁5の開度が所定の範囲外となった場合に、膨張弁5を閉として膨張弁20を利用すればよく、主回路10とバイパス回路11の膨張弁を条件に応じて切り替えることによって、運転範囲を拡大することができる。
本発明の第1実施形態に係る空気調和機の構成図である。 単段圧縮機及び2段圧縮機における気液分離器圧力に対するサイクル効率の変化特性を示す図である。 圧縮機の吸入圧力と吐出圧力、インジェクション圧力の関係を示す図である ニードル式膨張弁の構造の概要を示す図である。 図1に用いられる膨張弁の開度と圧力損失との関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態における空気調和機の構成図である。 図6に用いられる膨張弁の開度と圧力損失との関係を示す図である
符号の説明
1…2段圧縮機、1a…第1の圧縮手段、1b…第2の圧縮手段、1c…中間圧力室、2…室内熱交換器(暖房運転時の凝縮用熱交換器)、3…膨張弁(第1の減圧手段)、4…気液分離器、5…膨張弁(第2の減圧手段)、6…室外熱交換器(暖房運転時の蒸発用熱交換器)、8…インジェクション配管、9…インジェクションポート、10…主配管、11…バイパス回路、12…バイパス弁、13…キャピラリチューブ(第3の減圧手段)、14…逆止弁、20…膨張弁(第3の減圧手段)、30…制御装置。

Claims (9)

  1. 第1の圧縮手段で圧縮した冷媒をさらに圧縮する第2の圧縮手段を備えた容量可変な2段圧縮機と、冷媒の凝縮用熱交換器と、開度が可変な第1の減圧手段と、内部に流入する気液2相の冷媒をガス冷媒と液冷媒に分けて流出させる機能を有する気液分離器と、開度が可変な第2の減圧手段と、冷媒の蒸発用熱交換器と、を順次配管で接続した冷凍サイクルと、
    前記気液分離器と、2段圧縮機の第1の圧縮手段と第2の圧縮手段とをつなぐ中間圧力室と、を接続するインジェクション回路と、を備えた空気調和機において、
    前記気液分離器と前記蒸発用熱交換器とを結ぶ配管経路に、前記第2の減圧手段を有する主回路と第3の減圧手段を有するバイパス回路とを並列に接続して設けたこと、
    を特徴とする空気調和機。
  2. 請求項1記載の空気調和機において、前記第3の減圧手段は前記第2の減圧手段で最大開度とした時の流量係数よりも小さい流量係数を有するものであること、を特徴とする空気調和機。
  3. 請求項1または2記載の空気調和機において、前記気液分離器と前記蒸発用熱交換器とを結ぶ配管経路の冷媒流量が増大した場合に前記主回路及び前記バイパス回路に並列に冷媒を流すように制御する制御装置を備えたこと、を特徴とする空気調和機。
  4. 請求項3記載の空気調和機において、前記気液分離器と前記蒸発用熱交換器とを結ぶ配管経路の冷媒流量が増大した場合を、前記第2の減圧手段の開度、外気温度及び圧縮機容量のうちの少なくとも1つを用いて検出すること、を特徴とする空気調和機。
  5. 請求項1から3の何れかに記載の空気調和機において、前記第2の減圧手段はオリフィス部の流路断面積を変化させるニードル弁を備えたニードル式膨張弁で構成され、前記第3の減圧手段は流量係数が前記第2の減圧手段で最大開度とした時の流量係数よりも小さいキャピラリチューブで構成されていること、を特徴とする空気調和機。
  6. 請求項5記載の空気調和機において、前記冷凍サイクルにおける冷媒の流れを切り替えて冷房運転と暖房運転とを可能とする四方弁を備え、前記バイパス回路における前記気液分離器から前記蒸発用熱交換器への流れのみを可能とする逆止弁を備えていること、を特徴とする空気調和機。
  7. 請求項5記載の空気調和機において、前記バイパス回路に前記制御装置からの電気信号によって開閉動作が可能なバイパス弁を備えていること、を特徴とする空気調和機。
  8. 請求項1から3の何れかに記載の空気調和機において、前記第3の減圧手段は開度が可変な膨張弁で構成されていること、を特徴とする空気調和機。
  9. 請求項3記載の空気調和機において、前記制御装置は、前記バイパス回路に冷媒を流すように切り替えた際に、前記バイパス回路に冷媒を流す前の前記第2の減圧手段の圧力損失と前記バイパス回路に冷媒を流した後の前記第2の減圧手段及び前記第3の減圧手段の合計の圧力損失とが同等となるように前記第2の減圧手段の開度を制御すること、を特徴とする空気調和機。
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