JP2007154528A - 補強埋戻し地盤及びその造成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 既存建物の地下部分を撤去して区画形成された土留め空間を一般埋戻し土によって埋戻しする際に、埋戻し地盤の地盤強度の向上を図る。
【解決手段】 土留め壁2で区画された埋戻し空間に、埋戻し材料を充填して造成する埋戻し地盤1内に地盤補強構造体10を設けて地盤強度を確保するようにした補強埋戻し地盤であって、地盤補強構造体10は、粗粒材料と、水硬性固化材と、水とを混合して固化させた改良地盤材料からなり、この改良地盤材料を埋戻し空間に埋め戻された一般埋戻し土層4中において、当初の埋戻し空間に配置された切梁位置に相当する深さ付近に所定層厚で介在するように、敷設し、土留め壁2の埋戻し地盤側への変形を抑止することようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は補強埋戻し地盤及びその造成方法に係り、所定の粗粒材料に対してセメント系固化材を添加して固化させた埋戻し材料を用いた地盤補強構造体を埋戻し地盤内に敷設して、埋戻し地盤の周辺地盤の沈下等の変位を防止するようにした補強埋戻し地盤及びその造成方法に関する。
建設工事において、地下階のある既存建物を解体し、敷地を更地にするような原地盤復旧工事のみを行う場合がある。この背景には、将来その敷地に新設の建物を建設するまでに一定の据え置き期間があったり、既存建物を解体した事業体とその敷地を活用する事業体が異なり、土地資産として再評価が行われる場合など様々な状況がある。
一定容積の地下空間を構成していた既存建物の地下部分を解体し、建物部分の解体コンクリートや既存杭部を完全に撤去するためには、たとえば図7(a)〜同図(f)に示したように、現場周辺の地盤変状を防止するために、既存建物70の地下階部分71の周囲に仮設土留め壁72を構築し、地上部からの建物解体に伴い、順次所定深度に複数段の切梁73、73を設置していき、仮設土留め壁72の変状を防止しながら、建物底版ないしは所定の既存杭までを完全に解体除去する(図7(a)〜同図(c))。そして、その土留め空間74を埋戻し土75で埋戻し、埋戻し深さに応じた位置の所定段の切梁73を撤去していき、最終的に地上部までの埋戻しを行い、原地盤復旧を行っている(図7(d)〜同図(f))。
ところで、上述したような埋戻し作業に利用される埋戻し土としては、近隣で発生した現場発生土等を転用して使用できるが、この場合、一旦、掘削され、再度埋戻しに用いられるような土砂(以下、一般埋戻し土と呼ぶ。)は、掘削時に掘削機械等により撹乱されているため、埋め戻しに利用した場合、十分に締め固められず緩詰め状態となるおそれがある。このような一般埋戻し土で埋め戻した埋戻し地盤としての強度や剛性は、原地盤の1/2〜1/10に低下することが知られている。そのため、埋戻し作業工程において、既存建物の地下部分を埋め戻して造成された地盤が、仮設時に設置された切梁が負担していた土圧(背面側(周辺地盤側)からの主働土圧)を支え切れず、土留め壁が内側方向に過大に変形する結果、背面側に位置する周辺地盤の沈下等を生じさせ、たとえば隣接している家屋等に被害を与えることがある。
このため、埋戻し土として、上述した一般埋戻し土に代えて購入砂、砕石や解体コンクリートのコンクリート廃材を破砕装置によって破砕して再生破砕物(再生砕石)が単独で使用されたり、供用後の地盤の変形や沈下を最小限にするため、セメント系固化材などを混合して改質した、いわゆる改良地盤材料が用いられることも多い。
一般的な改良地盤材料は、製造過程および打設時には湿潤した土砂の状態または水分量の多いスラリー状態をしており、そして、埋戻しあるいは充填作業の後、一定の養生期間を経て所定の強度に達し、各種用途に応じた地盤や仮設の構造物として供用される。
この種の既往の粗粒材を用いた地盤材料の先行技術例として、盛土材料として小割りしない採土したままの粗粒材料を撒き出し、所定配合で混練りされたソイルモルタルを粗粒材料間の空隙に充填し、堅固な盛土を構築する方法が提案されている(特許文献1)。
特開平5−3116627号公報
ところで、特許文献1等で開示されたような改良地盤材料は、配合に応じて固化後の一軸圧縮強さquは、通常400〜2000kN/m2程度に達し、上述したような一般的な用途の改良地盤としては必要以上に堅固な強度に達する場合も多い。さらにこれらソイルモルタル固化体は、構成材料として粒径2mm以下の細粒分(ローム、シルト、粘土)を多く含んでいるため、骨材間の結合力が十分発揮される結果、完成した盛土等は、粗粒材料が非常に密実で一体化した塊状体となる。
これらの改良地盤材料は「堅い地盤」としては有用であるが、上述のように、その埋戻し地盤に新たな建築物等を構築するような場合、すでに構築されたこの堅固な既存改良地盤が、後の工事(杭工事、掘削工事)の支障となるおそれがある。そして再掘削され、掘り出された堅固なセメント系改良地盤塊は、細粒分が含まれる場合や、セメント系固化材の量が多い場合などには、モルタル塊が多量に存在するので、大部分が建設産業廃棄物として取り扱わなければならない。
また、地盤中に堅固な塊が存在すること自体、その土地の価値評価に悪影響を与える可能性もある。このように、現在、埋め戻し工事においては、比較的安易に従来の地盤改良材料が埋め戻され、手間をかけて再工事が行われ、あるいはそのまま放置されているが、これらは施工的にも環境保全的にも健全な状態とは言い難い。地盤変形を極力抑える支保工機能を果たしつつ再掘削が容易で、かつ産業廃棄物とならない改良地盤材料を用いて埋戻し地盤の地盤強度を高めることが求められている。
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術を踏まえ、以上の問題点を解消すべく、一般埋戻し土によって埋戻し地盤を造成する際に、既存建物の地下部分を撤去して区画形成された土留め空間の埋戻し工程において、循環再利用可能な粗粒材料あるいは再生砕石を利用して構築した地盤補強構造体を、一般埋戻しで埋め戻すのと同時に土留め空間の深さ方向の所定位置に構築し、埋戻し地盤の地盤強度の向上を図るとともに、この埋戻し地盤を再掘削する場合に、その地盤補強構造体を構成する使用地盤材料を、ほぼもとの粗粒材料近くまで再生できるようにした補強埋戻し地盤及びその造成方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は土留め壁で区画された埋戻し空間に、埋戻し材料を充填して造成する埋戻し地盤内に地盤補強構造体を設けて地盤強度を確保するようにした補強埋戻し地盤であって、前記地盤補強構造体は、粗粒材料と、水硬性固化材と、水とを混合して固化させた改良地盤材料からなり、該改良地盤材料を前記埋戻し空間に埋め戻された一般埋戻し土層中の所定深さに介在するように敷設して前記土留め壁の埋戻し地盤側への変形を抑止するようにしたことを特徴とする。
このとき前記地盤補強構造体は、前記埋戻し空間に配置された切梁位置に相当する深さ付近に所定層厚で敷設されるようにすることが好ましい。
また、前記改良地盤材料は、前記粗粒材料同士の噛み合い部が前記水硬性固化材で、ほぼ点ないしごく小範囲の接触部位の結合部で接着して固化して地盤補強構造体を構成する一方、前記地盤補強構造体が破砕された際に、前記粗粒材料の結合部での接着が切断され、前記粗粒材料とほぼ近い寸法からなる再生粗粒材料が得られるようにすることが好ましい。
上記補強埋戻し地盤の造成方法として、切梁で支保された土留め壁で区画された埋戻し空間を埋め戻す際に、一般埋戻し土で前記切梁の設置された直下の深さまで埋め戻し、該切梁の下側に所定層厚をなす地盤補強構造体を敷設して前記切梁を撤去し、再度該地盤補強構造体を一般埋戻し土で埋戻しする埋戻し作業を地表面まで繰り返し、埋戻し地盤内の所定深さに前記地盤補強構造体を介在させることにより、前記土留め壁の埋戻し地盤側への変形を抑止するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、土留め空間を埋め戻す際、一般埋戻し土による埋戻し作業に加え、粗粒材料あるいは再生砕石を利用した改良地盤材料を用いて埋戻し地盤の、所定深さごとに層状に補強する地盤補強構造体を構築することで、埋戻し部の地盤強度を確実に高めることができるという効果を奏する。その後、埋戻し部を再掘削するような場合において、使用地盤材料は、もとの粗粒材料にほぼ近い再生粗粒材料を生産することができるため、一般埋戻し土とともに取り扱うことができるという効果も期待できる。
以下、本発明の補強埋戻し地盤及びその造成方法の実施するための最良の形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
[埋戻し地盤の構成]
図1(a)は、本発明の補強埋戻し地盤の造成方法で施工された埋戻し地盤の構成を示した断面図である。同図に示した埋戻し地盤は、従来例としての図7(c)に示した切梁で支保された土留め空間内を埋め戻して構成されたもので、一般埋戻し土で埋め戻された土留め空間の所定深さ(図7(c)に示した2段の切梁位置例と同じ(設置深度2m,6m))には、後述する改良地盤材料を用いた地盤補強構造体が対向する土留め壁2,2間を連結するように設けられている。このように地表面7まで一般埋戻し土4と地盤補強構造体10とで埋め戻された埋戻し地盤1が造成されている。同図(a)は上側の地盤補強構造体10から地表面7までを一般埋戻し土4で埋め戻した標準タイプの埋戻し地盤1の断面構成を示している。これに対して、同図(b)は、将来、この埋戻し地盤1の敷地内にクレーン車、杭打ち機等の重機が走行する仮設道路等の施設や作業領域でのトラフィカビリティの向上を図る必要がある場合を想定して、上側の地盤補強構造体10から地表面7までをさらに改良地盤材料5を用いて埋戻ししている。
ここで、上述した上段地盤補強構造体10の構築に用いられる改良地盤材料5の特徴について、図2各図を参照して簡単に説明する。この改良地盤材料5は、細粒分を除いた粗粒材料に所定配合からなる水およびセメント系固化材等の結合材を混合して製造した、粗粒材料間に比較的弱い結合力を付与した混合材料からなる。この混合材料は、たとえば図2(a)に示したように、粒状の粗粒材料50間に分布する点接触A1ないし小範囲A2での各接触部分の一体化が図られ、埋め戻し締固め作業によって粗粒材料間のかみ合いと固化材51によるかみ合い部の接着作用によって地盤体としての一体化が図られている。このため、所定の地盤強度を発揮できる程度に改良された地盤補強構造体10等の一体とした改良地盤体が提供できる。このとき粗粒材料50は砕石表面の固化材51により粗粒材料間の点接触部A1あるいは小範囲A2での接触部分のみが一体化され、また粒径2mm以下の細粒分を含んでいないため、後に粗粒材料間を分離させるのが困難となるモルタル状体(セメントと細粒分の混合体)が形成されていない。
ところで、上述した埋戻し地盤1を再掘削するような場合、改良地盤材料5が所定強度で塊状体として結合した地盤補強構造体10を破砕する必要があるが、この地盤補強構造体10を構成する粗粒材料間の結合が比較的弱いため、掘削重機等により塊状体を押しつぶす程度の軽い押圧を付与することで、図2(b)に示したように、固化材51部分が切断され、容易に小径の塊状ないしはもとの粗粒材料50(図2(a))の粒径にほぼ等しい再生粗粒材料50Rとして分離された状態で回収される。
この改良地盤材料5を構成する粗粒材料50としては、バージン砕石の他、再生砕石(解体コンクリートを破砕して製造した砕石)、現場発生土や焼却灰等にセメント系固化材などの固化材を混合し造粒した人工造粒物、高炉スラグ砕石、鉱滓スラグ砕石等を使用することができる。これらのうち、砕石の規格としては砕石、高炉スラグに関してはJIS A5005,A5011に準拠し、再生砕石に関しては、JIS規格の再生骨材Mないし再生骨材Lを想定し、また再生クラッシャーラン(再生路盤材)(RC−40)程度の材料を用いる。その際、粒径分布として2〜40mmの範囲とし、粒径2mm以下の粉粒状体を取り除くことで、セメント系固化材と一体化して得られるモルタル分の形成を押さえ、点接触した状態の砕石間の接着強度を低くにおさえるようにしている。
固化材51としては基本的に水硬性固化材としてのポルトランドセメント、高炉セメントあるいは、改良地盤材として製品化された公知の各種セメント系固化材を使用することができる。セメント系固化材は、添加材の効果による土中の余剰水の固定、有機物の影響を受けない水和物の生成等が期待できるので、対象地盤に応じた製品を適用することが好ましい。
また、これら材料の配合比は、地盤補強構造体10が求められている強度に応じて設定することが好ましい。具体的には粗粒材料(G:粒径2〜40mm)のセメント系固化材(C)の混合比として、乾燥質量比(C/G)=1〜5%とすることが好ましい。これにより、混合水(W)が乾燥質量比(W/G)=3〜7%の範囲で、所定の養生期間後の試験体の一軸圧縮強さquが200〜1000kN/m2程度に調整できる。なお、W/G=3%を下回ると、セメント系固化材の有効な水和反応が行えず、加水量が7%より多いと、セメント系固化材の粘性が小さくなり、粗粒材料の空隙に均等に滞留できないので、上述の範囲とすることが好ましい。
[埋戻し地盤1の造成工程]
ここで、図1(a)に示した埋戻し地盤1の造成工程について、図3各図を参照して説明する。図3(a)は、図7(c)と同じ状態、すなわち図示しない建物の地下部分が底版までが完全に解体撤去され、切梁3(以下、上下段を区別する際、符号31,32とする。)が架設された状態を示している。この状態で土留め空間8の底盤6から同図(b)に示したように、切梁31直下まで一般埋戻し土4による埋戻し作業を行う。このとき一般埋戻し土4は所定層厚ずつ撒き出し、各層ごとに所定の締固め作業を行って造成することが好ましい。そして、同図(c)に示したように、すでに配置されていた切梁3の位置の配置方向(たとえば図5(a)に示した場合は短辺方向に3個所)に沿って地盤補強構造体10Aを敷設する。本実施例では、地盤補強構造体10は層厚1m、幅2mの断面積を有する矩形断面の梁状をなしている。
さらにこの地盤補強構造体10Aを埋めるように、上段切梁32直下1m位あけた深さまで一般埋戻し土4による埋戻しを行う(同図(d)参照)。そして上段切梁32の直下に下段の地盤補強構造体10Aと同様の梁状をなす地盤補強構造体10Bを構築し、上段切梁32を撤去する(同図(e))する。このとき、地盤補強構造体10Bと地盤補強構造体10Aとは切梁31,32のサイズに応じて層厚を変えることができる。たとえば上段切梁32のサイズが下段切梁31より小さい場合には、地盤補強構造体10の層厚を薄くすることが可能である。最終的に、図3(f)に示したように、地盤補強構造体10Bから地表面7までを一般埋戻し土4で埋め戻す。
このように、改良地盤材料5を敷設して塊状に固化させて地盤補強構造体10を構築することにより、一般埋戻し土4に比べ、十分な補強性能を有する埋戻し地盤1を造成することができる。図4は、図1(a)で示した埋戻し地盤1における地盤補強構造体10の地盤補強性能を、地盤解析により求めた結果を示した一覧表及び変位図である。同図に示したように、この地盤解析例では、地下10mの地下構造物を解体し、その空間を、一般埋戻し土4及び地盤補強構造体10とで埋め戻したときの土留め壁2の変位量の算定を行った。解析モデルとして梁ばねモデルを用いた。埋め戻し材料のうち、一般埋戻し土4(図表中、一般埋戻し部と表記してある。)の強度Cと剛性(水平地盤反力係数)khは、過去の現場計測結果を参考に各原地盤(自然状態地盤)の1/10となるように低減した。この解析モデルでは深さ2m,6mの深さ位置に層厚1mの地盤補強構造体10を敷設した例を想定した。このときの地盤補強構造体10(図表中、改良埋戻し部と表記してある。)の強度Cと剛性khは、原地盤(自然状態地盤)の2〜2.5倍まで増加することが確認されており、このモデルでもその値を適用した。同図に示したように、解析結果によれば、埋戻し地盤1において地盤補強構造体10を敷設したことにより、全体を一般埋戻し土4のみで埋め戻した場合に比べ、地表面7での土留め壁頂部の水平変位量を約11cmから約1cmまで低減することができることが確認された。
次に、地盤補強構造体10の平面形状について図5を参照して説明する。地盤補強構造体10は、図1、図2に示したように、埋戻し地盤1を造成する際、所定の層厚で施工される。このとき地盤補強構造体10の平面形状は、それまで設置されていた切梁3が負担していた側圧を、地盤補強構造体10が代わって負担するという考え方に基づいて設定すればよい。たとえば、図5(a)は、土留め空間8の短辺方向に沿って設置されていた3本の切梁3(破線表示)の位置に相当する範囲にそれぞれ所定幅を有する梁状の地盤補強構造体10を構築した実施例を示している。また、切梁3が土留め空間8の長手方向にも設置されていた場合、切梁3は上下に段差をつけて交差させて設置する必要があったが、地盤補強構造体10の場合は、同図(b),(d)に示したように、同一平面上に施工すればよい。この際、所定の区画を残して一般埋戻し土4を先行して所定厚さに埋戻し、その部分を型枠代わりにして改良地盤材料5を、形成された空所部位に充填するだけで所定形状の地盤補強構造体10を簡単に造成することができる。
また、図5(c)に示したように、土留め壁2で区画された土留め空間8の平面を完全に覆うような版状をなす地盤補強構造体10を造成してもよい。この場合、版状の地盤補強構造体10は十分な厚さの一般埋戻し土4で上下面が完全に拘束され、面外変形が抑えられるので、図5(a),(b)に示した梁形状の地盤補強構造体10に比べて層厚(版厚)を薄くすることができる。
図6各図は、特殊な支持機能を持たせるために地盤補強構造体10を用いた実施例を示した断面図である。たとえば底盤6以深に被圧層がある場合には、図6(a)に示したように、盤ぶくれ対策として底盤6の上面に十分な層厚の地盤補強構造体10を敷設することで、底盤6の安定性を確保することができる。同図にはその上部の埋戻し部の地盤補強構造体を図示していないが、必要に応じて所定深さに地盤補強構造体10を設ければよい。一方、周辺地盤が比較的堅固で、自立土留め壁等で対応できる場合にも、将来的に、クレーン車、杭打ち機等の重機の走行する仮設道路、作業領域となることが予想される土地では、図6(b)に示したように、トラフィカビリティの向上のために、あらかじめ所定の層厚の路盤として地盤補強構造体10を構築しておくことも好ましい。
(地盤補強構造体の撤去)
この埋戻し地盤の敷地内に新たな建物等を建築する場合には、再度土留め掘削が行われる。この場合、上述したように、改良地盤材料5による地盤補強構造体10は、通常の掘削機械で掘削でき、かつ粗粒材料間の結合状態を容易に破砕、切断できる。これにより支持構造体を構成していた改良地盤材料5は、再掘削土として搬出された状態で、直接40mm以下の新たな再生砕石、RC−40材等のリサイクル材料として再利用することができる。
本発明の補強埋戻し地盤の実施例を示した構造断面図。 地盤補強構造体を構成する改良地盤材料の結合状態および破砕時の粗粒材料の切断状態を模式的に示した拡大説明図。 図1に示した補強埋戻し地盤の施工手順を模式的に示した施工順序図。 図1に示した補強埋戻し地盤における土留め壁の変形解析の結果を示した図表。 地盤補強構造体の平面形状の施工例を示した平面図。 地盤補強構造体による特殊な支持構造例を示した構造断面図。 従来の既存建物の解体手順及び埋戻し地盤の施工手順を示した施工順序図。
符号の説明
1 埋戻し地盤
2 土留め壁
3 切梁
4 一般埋戻し土
5 改良地盤材料
6 底盤
7 地表面
8 土留め空間
10 地盤補強構造体
50 粗粒材料
50R 切断により再生された粗粒材料
51 固化材
A1 点接触部
A2 面接触部

Claims (4)

  1. 土留め壁で区画された埋戻し空間に、埋戻し材料を充填して造成する埋戻し地盤内に地盤補強構造体を設けて地盤強度を確保するようにした補強埋戻し地盤であって、前記地盤補強構造体は、粗粒材料と、水硬性固化材と、水とを混合して固化させた改良地盤材料からなり、該改良地盤材料を前記埋戻し空間に埋め戻された一般埋戻し土層中の所定深さに介在するように敷設して前記土留め壁の埋戻し地盤側への変形を抑止するようにしたことを特徴とする補強埋戻し地盤。
  2. 前記地盤補強構造体は、前記埋戻し空間に配置された切梁位置に相当する深さ付近に所定層厚で敷設された請求項1記載の補強埋戻し地盤。
  3. 前記改良地盤材料は、前記粗粒材料同士の噛み合い部が前記水硬性固化材で、ほぼ点ないしごく小範囲の接触部位の結合部で接着して固化して地盤補強構造体を構成する一方、前記地盤補強構造体が破砕された際に、前記粗粒材料の結合部での接着が切断され、前記粗粒材料とほぼ近い寸法からなる再生粗粒材料が得られるようにした請求項1記載の補強埋戻し地盤。
  4. 切梁で支保された土留め壁で区画された埋戻し空間を埋め戻す際に、一般埋戻し土で前記切梁が設置された直下の深さまで埋め戻し、該切梁の下側に所定層厚をなす地盤補強構造体を敷設して前記切梁を撤去し、再度該地盤補強構造体を一般埋戻し土で埋戻しする埋戻し作業を地表面まで繰り返し、埋戻し地盤内の所定深さに前記地盤補強構造体を介在させることにより、前記土留め壁の埋戻し地盤側への変形を抑止するようにしたことを特徴とする補強埋戻し地盤の造成方法。
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