JPH11181751A - スラグを用いた軟弱地盤の強化方法 - Google Patents

スラグを用いた軟弱地盤の強化方法

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JPH11181751A
JPH11181751A JP34814497A JP34814497A JPH11181751A JP H11181751 A JPH11181751 A JP H11181751A JP 34814497 A JP34814497 A JP 34814497A JP 34814497 A JP34814497 A JP 34814497A JP H11181751 A JPH11181751 A JP H11181751A
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋立地などの間隙水が混在する軟弱地盤を対
象として、従来の技術によって圧密硬化した地盤よりも
さらに強化され、基礎工事の工期短縮、工事費の低減
化、地震による液状化現象による被害の軽減が可能な圧
密地盤が得られる軟弱地盤の強化方法を提供する。 【解決手段】 軟弱地盤に導水孔を穿孔し、この導水孔
に、導水管または導水膜を挿入し、あるいは砂状スラグ
を充填して砂状スラグ柱を形成し、軟弱地盤の地表に砂
状スラグ層を敷設し、この層の上に盛土を載荷して、軟
弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤中の間隙水を導
水管または導水膜あるいは砂状スラグ柱から砂状スラグ
層を経て地表側に排出し、排出後に盛り土を除去して、
砂状スラグ層または砂状スラグ柱をアルカリ刺激剤で固
結・硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、間隙水が混在する
軟弱地盤の改良に関するもので、詳しくは、軟弱地盤の
表面に圧下力を加えることにより、軟弱地盤中の間隙水
を排出して、その軟弱地盤を圧密硬化させる方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】我が国には、沖積層からなる軟弱地盤や
臨海部の埋め立てに起因する軟弱地盤が数多く存在して
いる。これらの軟弱地盤や臨海部の埋立地(以下「軟弱
地盤」という。)では、1995年1月17日に発生し
た阪神・淡路大震災に見られるように、地震による液状
化現象によって地盤が広範囲に変形したことから、その
脆弱さは深刻な問題になっている。
【0003】このような軟弱地盤を強化するための工法
として、テライ(Teraghi)の圧密理論に基づい
た、圧密硬化工法が知られている。この工法は、主とし
て間隙水が混在する軟弱地盤(以下「軟弱地盤」とい
う。)に適用されるものであり、概念的には、軟弱地盤
に、適当な間隔で適当な深さの孔を穿孔して、これらの
孔に砂を充填した後、軟弱地盤の表面に砂層を設け、そ
の砂層の上面に盛土を載荷することにより、軟弱地盤中
の間隙水を、載荷による圧力で孔内に導水し、この孔内
の砂の粒間の微小間隙を毛細管現象によって上昇させ
て、盛土と軟弱地盤の地表との間に所在している砂層を
介して毛細管現象により盛土下から流出させて排出する
ことを特徴とするものである。
【0004】この圧密硬化工法を用いることによって、
軟弱地盤中の間隙水を減少させ軟弱地盤を圧密硬化して
圧密地盤(以下「圧密地盤」という。)を得ることがで
きる。しかし、このテライの圧密理論に基づいた圧密硬
化工法では、十分な地盤強度が得られないため、特開昭
53−53108号公報や特開昭52−132510号
公報等に開示されるような圧密硬化工法が開発されてい
る。
【0005】特開昭53−53108号公報に開示され
ている技術では、前記の穿孔した孔に粒状の石膏を充填
し、その石膏粒の間隙を通って軟弱地盤中の間隙水を地
表に溢出させることを特徴とするものである。この技術
は、排水性に優れているが、間隙水の溢出が終了した後
も、地盤中(および孔内の石膏粒間)に間隙水が残存し
ているため、得られた圧密地盤は圧密硬化されたものと
はいえども、その強度は十分ではない。
【0006】特開昭52−132510号公報に開示さ
れている技術は、胴中にくびれ部を有する配水管を地中
に鉛直に埋設することにより、一次圧密を施した後、そ
の配水管内にセメントミルク或いはモルタル等を投入す
ることにより排水機能を除去し、かつ、そのくびれ部に
より泥土の剪断変形に対抗させることによって、二次圧
密を阻止することを特徴とするものである。この技術で
は、埋設された配水管は、砂、セメントミルク或いはモ
ルタル注入によって強化されているため、前述の特開昭
53−53108号公報に開示されている従来技術より
も、軟弱地盤が強化されているが、得られた圧密地盤中
に間隙水が残存しているため、この圧密地盤は圧密硬化
されたものとはいえども、その強度は十分ではない。
【0007】一方、テライの圧密理論によらないで、軟
弱地盤を強化する工法として、特開昭59−13861
1号公報に開示されたものがある。これは、前述の穿孔
した孔内に生石灰、石膏、ドロマイトクリンカ、膨脹セ
メント等からなる構成物を充填し、その構成物に軟弱地
盤中の間隙水を吸収させることによって生じる圧密作用
と、その構成物の吸水固化による体積膨脹によって生じ
る圧密作用とで軟弱地盤を硬化させようとするものであ
る。しかし、構成物は、含浸してくる間隙水と十分に混
練されるわけではないから、吸水できる量に限界がある
ため、軟弱地盤の硬化の程度は小さなものとなってい
る。
【0008】前述の従来の圧密硬化方法による圧密地盤
は、圧密硬化されたものとはいえども、いずれも強度が
十分でないため、特に集中的な荷重を受けるような構造
物を設置した場合、地盤が沈下して、その構造物が沈下
したり、傾いたりするという問題が生じる。そのため、
従来の圧密硬化工法による圧密地盤に構造物を設置する
場合は、その基礎工事が大掛かりなものになり、建設工
事費が嵩むという問題があった。また、前記従来技術に
よる圧密地盤は、いずれも間隙水が残存しているため、
地震によって液状化現象が生じやすいという問題も有す
るものである。
【0009】このような事情から、圧密硬化工法が採用
される軟弱地盤においては、構造物の基礎工事の工期短
縮、工事費の低減化、地震による液状化現象の発生の抑
制が可能な強固な圧密硬化工法が、関係者の間で熱望さ
れていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軟弱地盤を
対象として、前記従来の技術によって得られた圧密地盤
よりも基礎工事がの工期短縮、工事費の低減化、地震に
よる液状化現象の発生の抑制が可能な強固な圧密地盤が
得られる軟弱地盤の強化方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決する、下記 (1) 〜 (9) のスラグを用いた軟弱地
盤の強化方法である。 (1) 軟弱地盤の強化対象領域に、側壁に多数の小孔を
有する複数の導水管を、適当な間隔をおいて、その上端
を軟弱地盤の地表から突出させて垂直方向に埋設し、該
強化対象領域の地表上に砂状スラグを層状に敷設した
後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さの盛土をして軟弱
地盤を押圧することにより、軟弱地盤中の間隙水を押し
出して導水管に集め、導水管から砂状スラグ層を経て地
表側に排出後、盛土を除去してから、砂状スラグ層にポ
ルトランドセメント混合水または/および消石灰混合水
からなるアルカリ刺激剤を浸透させ砂状スラグ層を固結
・硬化させることを特徴とするスラグを用いた軟弱地盤
の強化方法。
【0012】(2) 軟弱地盤の強化対象領域に、上端部
に拡径部がある複数の導水孔を適当間隔で形成し、この
導水孔に、側壁に多数の小孔を有する導水管を、その上
端部を導水孔の拡径部の底部から上方に突出させて垂直
方向に埋設し、導水孔の拡径部と前記強化対象領域の地
表上に砂状スラグを層状に敷設した後、該砂状スラグ層
の上に適当な厚さの盛土をして軟弱地盤を押圧すること
により、軟弱地盤中の間隙水を押し出して導水管に集
め、導水管から砂状スラグ層を経て地表側に排出後、盛
土を除去してから、砂状スラグ層および該導水孔の拡径
部内の砂状スラグにポルトランドセメント混合水または
/および消石灰混合水からなるアルカリ刺激剤を浸透さ
せ砂状スラグ層と拡径部内の砂状スラグを一体に固結・
硬化させることを特徴とするスラグを用いた軟弱地盤の
強化方法。
【0013】(3) 軟弱地盤の強化対象領域に、複数の
導水孔を適当間隔で垂直方向に穿孔し、この導水孔の中
央部に、側壁に多数の小孔を有する導水管を、上端部を
地表から突出させて立設した後、導水孔内面と導水管の
外周面間に形成した充填間隙に砂状スラグを充填して、
導水管の外周に砂状スラグ柱を形成し、次いで、該砂状
スラグ柱と連続して前記強化対象領域の地表に砂状スラ
グを層状に敷設した後、該砂状スラグ層の上に適当な厚
さの盛土をして軟弱地盤を押圧することにより、軟弱地
盤中の間隙水を押し出して砂状スラグ柱および導水管に
集め、砂状スラグ柱および導水管から砂状スラグ層を経
て地表側に排出後、盛土を除去してから、砂状スラグ層
と砂状スラグ柱にポルトランドセメント混合水または/
および消石灰混合水からなるアルカリ刺激剤を浸透さ
せ、砂状スラグ層と砂状スラグ柱を固結することを特徴
とするスラグを用いた軟弱地盤の強化方法。
【0014】(4) 軟弱地盤の強化対象領域に、上端部
に拡径部がある複数の導水孔を適当間隔で垂直方向に穿
孔し、この導水孔の中央部に、側壁に多数の小孔を有す
る導水管を、導水孔の拡径部の底部から上方に突出させ
て立設した後、導水孔内面と導水管の外周面間に形成し
た充填間隙に砂状スラグを充填して、導水管の外周に砂
状スラグ柱を形成し、次いで、該砂状スラグ柱と連続し
て前記強化対象領域の地表に砂状スラグを層状に敷設し
た後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さの盛土をして軟
弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤中の間隙水を押
し出して砂状スラグ柱および導水管に集め、砂状スラグ
柱および導水管から砂状スラグ層を経て地表側に排出
後、盛土を除去してから、砂状スラグ層と砂状スラグ柱
にポルトランドセメント混合水または/および消石灰混
合水からなるアルカリ刺激剤を浸透させ、砂状スラグ層
と砂状スラグ柱を固結・硬化させることを特徴とするス
ラグを用いた軟弱地盤の強化方法。
【0015】(5) 軟弱地盤の強化対象領域に、側壁が
多孔質で透水性を有する材料で形成されスペーサーによ
り複数に区分された通水孔を有する複数の導水膜を、適
当な間隔をおいて、その上端を軟弱地盤の地表から突出
させて垂直方向に埋設し、該強化領域の地表上に砂状ス
ラグを層状に敷設した後、該砂状スラグ層の上に適当な
厚さの盛土をして軟弱地盤を押圧することにより、軟弱
地盤中の間隙水を押し出して導水膜に集め、この導水膜
から砂状スラグ層を経て地表側に排出後、盛土を除去し
てから、砂状スラグ層にポルトランドセメント混合水ま
たは/および消石灰混合水からなるアルカリ刺激剤を浸
透させ、砂状スラグ層を固結・硬化させることを特徴と
するスラグを用いた軟弱地盤の強化方法。
【0016】(6) 軟弱地盤の強化対象領域に上端部に
拡径部がある複数の導水孔を適当間隔で形成し、この導
水孔に、側壁が多孔質で透水性を有する材料で形成され
スペーサーにより複数に区分された通水孔を有する複数
の導水膜を、その上端部を導水孔の拡径部の底部から上
方に突出させて垂直方向に埋設し、導水孔の拡径部と前
記強化対象領域の地表上に砂状スラグを層状に敷設した
後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さの盛土をして軟弱
地盤を押圧することにより、軟弱地盤中の間隙水を押し
出して導水膜に集め、この導水膜から砂状スラグ層を経
て地表側に排出後、盛土を除去してから、砂状スラグ層
および導水孔の拡径部内の砂状スラグにポルトランドセ
メント混合水または/および消石灰混合水からなるアル
カリ刺激剤を浸透させ、砂状スラグ層とその拡径部の砂
状スラグとを一体に固結・硬化させることを特徴とする
スラグを用いた軟弱地盤の強化方法。
【0017】(7) (3) または (4) において、間隙
水を、導水管と導水管の外周の砂状スラグ柱から砂状ス
ラグ層を経て地表側に排出した後、導水管内にポルトラ
ンドセメント混合水または/および消石灰混合水を残留
させたまま、または導水管から排出してから、この導水
管内にモルタルセメントを充填することを特徴とするス
ラグを用いた軟弱地盤の強化方法。
【0018】(8) 軟弱地盤の強化対象領域に、複数の
導水孔を適当な間隔をおいて垂直方向に穿孔し、この導
水孔に砂状スラグを充填して軟弱地盤中に砂状スラグ柱
を形成し、次いで、該砂状スラグ柱と連続して前記強化
対象領域の地表上に砂状スラグを層状に敷設した後、該
砂状スラグ層の上に適当な厚さの盛土をして軟弱地盤を
押圧することにより、軟弱地盤中の間隙水を押し出して
砂状スラグ柱に集め、この砂状スラグ柱から砂状スラグ
層を経て地表側に排出後、盛土を除去してから、砂状ス
ラグ層および砂状スラグ柱にポルトランドセメント混合
水または/および消石灰混合水からなるアルカリ刺激剤
を浸透させ、砂状スラグ層と砂状スラグ柱を一体に固結
・硬化させることを特徴とするスラグを用いた軟弱地盤
の強化方法。
【0019】(9) (8) において、軟弱地盤の強化対
象領域に適当間隔で垂直方向に穿孔した複数の導水孔を
上端部に拡径部があるものとし、この導水孔に砂状スラ
グを充填して得られる砂状スラグ柱の外径を、砂状スラ
グ層に連続する上端部で拡径することを特徴とするスラ
グを用いた軟弱地盤の強化方法。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば埋立地などの間
隙水が混在する軟弱地盤を対象として、強化対象領域の
軟弱地盤に導水孔を穿孔し、この導水孔に導水管または
導水膜を挿入または砂状スラグを充填して、軟弱地盤の
地表に砂状スラグを層状に敷設し、この層の上に盛土を
載荷して軟弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤中の
間隙水を導水管または導水膜、砂状スラグ層を経て地表
側に排出して軟弱地盤中の間隙水の両を現象させた後
に、盛土を除去した後、砂状スラグをアルカリ刺激剤で
固結・硬化させて、圧密地盤を強化するものである。
【0021】本発明でいう軟弱地盤とは、概念的には、
間隙水が混在しており、例えば構造物を構築した際に、
構造物の傾斜や、沈下の可能性があり、地震による液状
化現象で地盤が陥没したり横移動する可能性がある地盤
である。
【0022】地盤が軟弱地盤かどうかは、例えばボーリ
ングやサウンディングにより地盤の成層状態(軟弱層の
位置と広がり、基盤層の位置と傾斜、透水性の高い砂層
の連続性、地下水位など)、各層の工学的性質(主とし
て圧密特性、剪断強度特性)を調査し、地盤上に構築す
る構造物の種類、機能、許容される変形、安定に対する
安全率、影響を与える地震の有無、工期、その他を考慮
して相対的に判断し、、前記の不都合現象が生じないよ
うに、本発明による強化対象領域と強化強度が決めら
れ、本発明による強化条件が決められる。
【0023】本発明では、砂状スラグとして、鉄鉱石を
還元して銑鉄を製造する際に、副産される溶融スラグを
急水冷して粒状化した高炉水砕スラグや、鋼を製造する
場合に副産されるスラグを粒状化して、蒸気エージング
を施して体積膨脹が発現しないようにした、粒径が0.
5〜2.5mmの水砕スラグを用いることができる。
【0024】この水砕スラグは、比較的単粒度で粒子間
の間隙が大きいため、良質の砂と同等の透水性を有する
ものであり、そのスラグ中にCaO,CaCO3 等の水
溶液を浸透させればその水溶液の有するアルカリ性によ
って容易に固結・硬化する性質を有するものである。
【0025】また、本発明では、アルカリ刺激剤とし
て、ポルトランドセメント混合水、消石灰混合水又はこ
れらの混合液を用いる他、水酸化ナトリウム等の可溶性
アルカリ金属化合物の混合水や硫酸カルシウムの混合水
を用いることができる。
【0026】ここにいうポルトランドセメント混合水と
は、ポルトランドセメントと水の混合液をいい、正確に
はコロイド状液である。消石灰混合水は、消石灰と水の
混合液をいい、正確にはコロイド状液である。硫酸カル
シウムの混合水も硫酸カルシウムが難水溶性であるた
め、硫酸カルシウムと水の混合液でコロイド状液であ
る。例えば、ポルトランドセメントによるアルカリ刺激
反応によって砂状スラグ(層)を固結・硬化させる場
合、砂状スラグ(層)に添加するポルトランドセメント
の量は、スラグの重量の2%から固結・硬化し、増加す
る程に固着力が強く作用し、砂状スラグ層の硬化が強化
される。
【0027】砂状スラグ層の上面からポルトランドセメ
ント混合水を散布すれば、ポルトランドセメント混合水
は、コロイド状であるため、ポルトランドセメントが砂
状スラグ表面に付着しながら、砂状スラグ間隙を通っ
て、ポルトランドセメントの濃度を降下しながら下方に
浸透していく。
【0028】砂状スラグへのポルトランドセメントの付
着量は、下方になる程少ないので、砂状スラグ層はスラ
グ重量の2%のポルトランドセメントが付着している深
さから上方に位置する部分は固結・硬化する。
【0029】スラグ重量の2%のポルトランドセメント
が付着している部分は、アルカリ刺激反応によって固結
・硬化するが、その部分より浅くなるにつれてアルカリ
刺激反応による固結・硬化の他にポルトランドセメント
自体の水和反応による固結・硬化が加わって強度が向上
する。
【0030】砂状スラグ層の砂状スラグ間がポルトラン
ドセメントで目詰まりした状態の部分にあっては、固結
・硬化によってコンクリート化する。均一な所望の固結
・硬化した強度を望む場合には、砂状スラグ層の砂状ス
ラグと適量のポルトランドセメントを混練して、固結・
硬化させればよい。
【0031】以下に本発明による軟弱地盤の強化方法例
について図1〜図18に基づいて具体的に説明する。 (1)第1例 図1および図3は、本発明による軟弱地盤の強化方法の
第1例での各部の構成例を示す断面説明図である。図1
(a)は、強化対象領域の軟弱地盤1に穿孔した導水孔
に、側壁に多数の小孔3,3eを有する導水管4を挿入
して埋設し、地表1a上に砂状スラグ層8を敷設し、こ
の上に盛土9を載荷した状態を示し、図1(b)は、埋
設した導水管4の配置例を図1(a)図のAa−Ab矢
視断面で示している。
【0032】図2は、図1(a)の状態で、盛土9と砂
状スラグ層8によりで軟弱地盤1を矢印Aの方向に押圧
して、軟弱地盤1中の間隙水6を導水管4に集め、導水
管4から砂状スラグ層8を経て地表1a側に排出してい
る状態を、図1(a)の砂状スラグ層8付近の部分拡大
図で示している。図2の矢印Bは間隙水6の移動方向を
示している。
【0033】第1例では、まず、軟弱地盤1に、アース
オーガ等を用いて多数の導水孔2を、軟弱地盤1の性状
を考慮し、適当な間隙をおいて地表1aから軟弱地盤1
の底部まで垂直方向に穿孔する。この導水孔2は、通常
の場合、円形断面の場合では、直径10〜50cmの大き
さのものであり、1.5〜2.0mの間隔で配置され
る。この導水孔2の配置は、ここでは、規則配置にして
いるが、軟弱地盤1の条件に応じて、千鳥配置や不規則
配置にすることもある。
【0034】この導水孔2には、それぞれ、側壁に多数
の貫通する小孔3を有する導水管4を挿入し、この導水
管4の下端が導水孔2の底部に達したとき、上端が地表
1aから突出し砂状スラグ層8内に位置にするように埋
設する。この導水管4の頂部は開閉できる蓋5で閉じら
れ、地表1aの上方に位置する部分には小孔3eが設け
られており、導水管4に集められた間隙水6を、この小
孔3eから地表1a側に排出できるようにしている。
【0035】導水孔2に導水管4を挿入(埋設)した
後、地表1aに砂状スラグ7からなる砂状スラグ層8を
0.5〜1.0m程度の厚さで敷設する。この際、ここ
では、導水管4の上端を蓋5で閉じ砂状スラグ7が導水
管3内に直接落ち込まないようにしている。
【0036】砂状スラグ層8を敷設した後に、この砂状
スラグ層8の上に、強化対象領域の軟弱地盤1を矢印A
方向に押圧する盛土9を載荷する。この盛土9は、厚く
する程、軟弱地盤1の押圧力を大きくして間隙水6の排
出性を高めることができるが、この盛土9は、後で除去
する必要があるので、経済性の観点も考慮してその厚さ
を決める。通常の場合には、2m程度の高さに載荷すれ
ば概ね十分である。盛土9を載荷する際、間隙水6の排
出が盛土9により阻害されないように、砂状スラグ層8
の端部が盛土9で覆われないようにする。
【0037】盛土9を載荷すると、軟弱地盤1は砂状ス
ラグ層8を介して矢印A方向に押圧されることになり、
軟弱地盤1内に混在している間隙水6は、導水管4の小
孔3を通過して導水管4内に集められ上昇して、その頂
部付近の小孔3eから砂状スラグ層8内に入り、毛細管
現象により盛土9下の砂状スラグ層8を経て、その端部
(露出部)から地表1a側に排出される。
【0038】なお、砂状スラグ7が導水管4の頂部付近
の小孔3eから落ち導水管4内に溜まり小孔3が塞がれ
ることがあっても、間隙水6は閉塞している砂状スラグ
7の粒間を毛細管現象で上昇するので、間隙水6の排出
に支障はない。また、導水孔2に埋設された導水管4
は、地上にある場合に比較して腐食され難いので、この
導水管4として鋼管を用い埋設したままにしても圧密硬
化した地盤を弱体化させることはない。
【0039】前記軟弱地盤1中に混在していた間隙水6
の排出は、通常、盛土9の載荷後、約6か月程度で止ま
るが、その段階では、図3に示すように、盛土9の下の
地表1aが沈下するため、砂状スラグ層8の上面は、盛
土9をする前の軟弱地盤1の地表1aの高さ位置に近づ
くことになる。
【0040】沈下後の砂状スラグ層8の上面高さ位置
を、盛土8をする前の軟弱地盤1の地表8の高さ位置に
合わせたい場合は、前記テライの圧密理論に基づいて算
出した沈下深さyに相当する高さに砂状スラグ層8を予
め敷設しておけばよい。
【0041】前記間隙水7の排出が止まったら、盛土9
を除去し、露出した砂状スラグ層8の表面から、ポルト
ランドセメント混合水または/および消石灰混合水から
なるアルカリ刺激剤を散布して、これを砂状スラグ層8
の内部に浸透させ、砂状スラグ8を固結・硬化させる。
【0042】このポルトランドセメントの量を増加させ
れば、固結力が強く作用し、砂状スラグ層の硬化が強化
され、強度をコンクリート並みの強度まで上げることが
できる。したがって、このポルトランドセメントの量を
調整することによって、砂状スラグ層8の強度を所望の
硬化強度に調整することができる。
【0043】均一に硬化した砂状スラグ層8を得たい場
合は、その一方法として、例えばブルトーザで盛土9下
の砂状スラグ層8を排除した後、薄砂状スラグ層を敷設
し、その薄砂状スラグ層の表面からアルカリ刺激剤を散
布して浸透させた後、その上層に薄砂状スラグ層を重ね
て敷設し、その薄砂状スラグ層の表面からポルトランド
セメント混合水或いは消石灰混合水からなるアルカリ刺
激剤を散布する作業を繰り返して所定の厚さで均一に硬
化した砂状スラグ層を得る方法がある。
【0044】その他の方法としては、例えばパワーショ
ベルで砂状スラグ層8を掘り起こし均してから、アルカ
リ刺激剤を散布する方法や、混練機で砂状スラグ層8か
ら掘り出した砂状スラグ7とアルカリ刺激剤とを混練し
て埋め戻す方法等がある。上記のように、砂状スラグ層
8を厚さ方向に均一に硬化させることにより、広範囲な
砂状スラグ層8による一体基礎をより均一に形成するこ
とができる。
【0045】添加するアルカリ刺激剤として例えばポル
トランドセメント混合水を用い、そのポルトランドセメ
ントを砂状スラグ層8中に浸透させて添加することによ
り、圧密地盤10の地表1aの上面にある固結・硬化し
た砂状スラグ層8を、通常方法の杭打ちで貫通できる程
度の強度にでき、通常の掘削機で掘削が可能な強度にす
ることができる。
【0046】このように強度を調整した砂状スラグ層8
においては、砂状スラグ層8を基礎代わりに活用して、
その上に比較的軽量な建造物を設置することができ、ま
た、杭打ちが可能であるから重構造物の基礎を築造する
こともできる。
【0047】導水管4の頂部付近の小孔3eは、固結・
硬化して一枚岩と化した砂状スラグ層8によって閉塞さ
れて、間隙水の排出機能が喪失しているため、砂状スラ
グ層8が硬化後に地盤がさらに圧密化され、圧密地盤1
0の地表1aが、さらに沈下することはない。
【0048】また、圧密地盤10には、埋設されている
導水管4が密に樹立しており、この導水管4の上端部
は、強化されて一枚岩と化した砂状スラグ層8を支持し
ているから、地盤に地震により液状化現象を生じても、
導水管4が液状化した土壌の側方移動を妨げる受動杭の
役割をし、地震による被害を小さくすることができる。
【0049】さらに、導水管4にモルタルセメントを充
填して硬化させることにより、導水管4の強度を改善す
ることができる。導水管4にモルタルセメントを充填す
る場合には、導水管4内に間隙水6を充填するモルタル
セメントで溢れ出させながらモルタルセメントを充填し
てもよい。
【0050】このように、モルタルセメントを導水管4
に充填する場合には、例えば、盛土9を除去してから、
この導水管4の上端部付近の砂状スラグ層を掘って、蓋
5部を露出させ、蓋5を開けてモルタルセメントを充填
し、その後、砂状スラグ7を埋め戻して均す方法、或い
は、導水管4を、蓋5部が、砂状スラグ層8を敷設した
ときに、その上面に達するように埋設して、盛土9を除
去してから、この蓋5を開けてモルタルセメントを充填
する方法などを採用することができる。
【0051】(2)第2例 図4および図5は、本発明による軟弱地盤の強化方法の
第2例での各部の構成例を示す断面説明図である。図4
(a)は、軟弱地盤1を強化する際に、軟弱地盤1に適
当な間隔で、上端部に鉢状の穴部11(拡径部)を形成
した導水孔2を穿孔し、この導水孔2に、側壁に多数の
小孔3,3eを有する複数の導水管4を、その頂部をす
り鉢状の穴11部の底部11aから上方に突出させて埋
設した後、このすり鉢状の穴部11内を含む地表1a上
に砂状スラグ7を敷設して連続する砂状スラグ層8を敷
設し、この砂状スラグ層8の上に盛土9を載荷した状態
を示し、図4(b)は、埋設した導水管4の配置例を図
4(a)のAa−Ab矢視断面で示している。
【0052】図5は、図4(a)の状態で、盛土9と砂
状スラグ層8によりで軟弱地盤1を矢印Aの方向に押圧
して、軟弱地盤1中の間隙水6を導水管4に集め、導水
管4から砂状スラグ層8(鉢状の穴11内を含む)を経
て地表1a側に排出している状態を、図4(a)の砂状
スラグ層8付近の部分拡大図で示している。図5の矢印
Bは間隙水6の移動方向を示している。
【0053】この第2例では、第1例の場合において、
軟弱地盤1に埋設の導水管4の先端部と圧密硬化後の砂
状スラグ層8との結合部の強度を強化するとともに、地
震によって液状化現象が生じ、液状化した土壌の側方移
動が生じた場合、砂状スラグ層8を、すり鉢状の穴部1
1(拡径部)で、液状化しない圧密地盤10に食い込ま
せることにより、側方移動によって引きずられないよう
にすることを特徴とするものである。
【0054】そのために、軟弱地盤1に、適当な間隔
で、上端部に拡径部として例えばすり鉢状の穴部11を
形成した導水孔2を穿孔し、この導水孔2に、側壁に多
数の小孔3,3eを有する複数の導水管4を、その頂部
をすり鉢状の穴部11の底部11aから上方に突出させ
て埋設した後、このすり鉢状の穴部11内とその上部を
含む地表1a上に砂状スラグ7を敷設して連続する砂状
スラグ層8を敷設し、間隙水6を導水管4から砂状スラ
グ層8を経て地表1a側に排出後、アルカリ刺激剤で砂
状スラグ層8を硬化した際に、すり鉢状状穴部11の砂
状スラグ層8と導水管4が、広い範囲で一体的に結合で
きるようにしている。
【0055】すなわち、間隙水6の排出が止まった後
に、すり鉢状の穴部11の砂状スラグ層8にアルカリ刺
激剤を散布して、浸透または混練により含浸させ、第1
例と同様にして、すり鉢状状の穴部11の上部を含む地
表1a上の砂状スラグ層8にアルカリ刺激剤を散布し
て、すり鉢状状の穴部11内の砂状スラグ層8と同時的
に一体的に固結・硬化させる。
【0056】この場合、、すり鉢状の穴部11内の砂状
スラグ層8と、すり鉢状の穴部11の上部を含む地表1
a上の砂状スラグ層8を強固に一体化させるために、地
表1a上の砂状スラグ層8の下層と、すり鉢状の穴部1
1内の砂状スラグ層8に同時にアルカリ刺激剤を添加す
ることがより好ましい。
【0057】こうすることにより、すり鉢状の穴部11
内の砂状スラグ層8は、地表1a上の砂状スラグ層8の
下面と一体化して固結・硬化し、広範に形成された砂状
スラグ層8は、鉢状の穴部11において圧密地盤10に
食い込んだ地形構造が形成される。
【0058】この砂状スラグ層8は、すり鉢状の穴部1
1内の砂状スラグ層8と連続した一枚岩になっているた
め、地震によって液状化現象が生じ、液状化した土壌の
側方移動が生じた場合、液状化しなかった圧密地盤に食
い込んだ部分が側方移動によって引きずられないように
抵抗する。
【0059】また、導水管4の先端部は、ここでは、す
り鉢状の穴部11内で固結・硬化した砂状スラグ層8の
底部から地表1a上の砂状スラグ層8の中間部までの広
い範囲の砂状スラグ層8と強固に結合されており、一枚
岩になった砂状スラグ層8は、導水管4によって頑丈に
支えられることになる。
【0060】したがって、この圧密地盤地盤において
は、図1〜図3に示した本発明の第1例によって強化さ
れた圧密地盤よりも頑丈にできる。さらに、第1例の場
合と同様にして、導水管4にモルタルセメントを充填し
て硬化させれば、導水管4の強度を改善することができ
る。
【0061】(3)第3例 図6および図7は、本発明による軟弱地盤の強化方法の
第3例での各部の構成例を示す断面説明図である。図6
(a)は、本発明の方法によって軟弱地盤1を強化する
際、強化対象領域の軟弱地盤1に、複数の導水孔2を適
当間隔で垂直方向に穿孔し、この導水孔2の中央部に、
側壁に多数の小孔3,3eを有する導水管4を、上端部
を地表1aから若干突出させて立設し、この導水孔2内
面と導水管4の外周面間に形成した間隙に、砂状スラグ
7を充填して、導水管4の外周に砂状スラグ柱12を形
成し、該砂状スラグ柱12と連続して地表1aに砂状ス
ラグ7を層状に敷設し、該砂状スラグ層8の上に適当な
厚さの盛土9を載荷した状態を示し、図6(b)は、砂
状スラグ柱12と導水管4の配置例を示している。
【0062】図7は、図6(a)の状態で、盛土9と砂
状スラグ層8により軟弱地盤1を矢印Aの方向に押圧し
て、軟弱地盤1中の間隙水7を砂状スラグ柱12および
導水管4に集め、砂状スラグ柱12および導水管4から
砂状スラグ層8を経て地表1a側に排出している状態を
示している。なお、図7中の矢印Bは間隙水6の移動方
向を示している。
【0063】この第3例では、前記第1例において、軟
弱地盤1に穿孔した導水孔2に埋設の導水管4の外周面
に砂状スラグ柱12を形成して、この砂状スラグ柱12
を、導水管4を芯材として砂状スラグ層8と一体に固結
・硬化させることにより、砂状スラグ層8と砂状スラグ
柱12と導水管4の結合を強化することを特徴としてい
る。
【0064】この例では、図7に示すように、軟弱地盤
1を盛土9と砂状スラグ層8で矢印Aの方向に押圧し
て、軟弱地盤1中に混在する間隙水6を、砂状スラグ柱
12および導水管4に集め、砂状スラグ柱12および導
水管4から砂状スラグ層8を経て地表1a側に排出す
る。
【0065】間隙水6の排出が止んだ後、盛土9を除去
し、導水管4の上端部付近の砂状スラグ層8を掘って凹
部を形成して導水管4の上端の蓋5部を露出させ、蓋5
を開けて導水管4の露出した側面にある小孔3eを塞
ぎ、導水管4内に間隙水6を残留させたまま、導水管4
の頂部からアルカリ刺激剤を注入する。
【0066】導水管4内に注入したアルカリ刺激剤は、
残留していた間隙水6を導水管4の小孔3eから導水管
4の外へ押し出した後、その小孔3eから流出して砂状
スラグ柱12に浸透するため、砂状スラグ柱12は固結
・硬化する。そして、導水管4に残留しているアルカリ
刺激剤を溢れ出させながら、またはアルカリ刺激剤を排
出してから、導水管4にモルタルセメントを充填する。
【0067】次いで、導水管4の上端を蓋5部を露出さ
せる際に生じた砂状スラグ層8の凹部に砂状スラグ7を
充填する。その後、砂状スラグ層8にアルカリ刺激剤を
散布して固結・硬化させて、この砂状スラグ8と砂状ス
ラグ柱12を一体構造とする。
【0068】この圧密地盤10においては、砂状スラグ
柱12は、モルタルセメントを充填して硬化させた導水
管4を芯金とする受動杭としても機能する。この場合、
砂状スラグ柱12は、内部摩擦角が大きい砂状スラグで
形成されているので、地震により液状化した土壌の流動
に対する抵抗が大きく、側方移動を生じにくくなる。
【0069】なお、埋設された導水管4は、砂状スラグ
柱12と砂状スラグ層8で覆われ腐食し難いので、鋼管
を用い圧密地盤10中に砂状スラグ柱12の芯金として
残存させて、圧密地盤の強化に寄与させることができ
る。
【0070】したがって、前記の第1例、第2例の場合
より、圧密地盤10をさらに強化し、地震による被害も
さらに小さくすることができる。また、導水管4内への
モルタルセメントの充填は、その強度を改善するために
有効であるが、これは不可欠ではなく、要求される強度
に応じて行うことができる。
【0071】(4)第4例 図8および図9は、本発明による軟弱地盤の強化方法の
第4例での各部の構成例を示す断面説明図である。図8
(a)は、軟弱地盤1を強化する際に、強化対象領域の
軟弱地盤1に、適当な間隔で、拡径部としてすり鉢状の
穴部11を形成した導水孔2を穿孔し、この導水孔2に
側壁に多数の小孔3,3eを有し、導水孔2径より小さ
い外径を有する導水管4を、その上端部をすり鉢状の穴
部11の底部11aより上方に突出させて立設し、導水
管4の外周面と導水孔2の内面との間隙およびすり鉢状
の穴部11に砂状スラグ7を充填することにより、導水
管4の外周に砂状スラグ柱12を形成した後、すり鉢状
の穴部11の上部を含む地表1aに、砂状スラグ7を層
状に敷設し、この砂状スラグ層8の上に盛土9を載荷し
た状態を示し、図8(b)は、立設(埋設)した導水管
4および砂状スラグ柱12の配置例を、図8(a)のA
a−Ab矢視断面で示している。
【0072】図9は、図8(a)の状態で、この盛土9
により砂状スラグ層8により軟弱地盤1を矢印A方向に
押圧して、軟弱地盤中に混在している間隙水6を砂状ス
ラグ柱12と導水管4に集め、砂状スラグ柱12と導水
管4から、砂状スラグ層8を経て地表1a側に排出して
いる状態を、図8(a)の砂状スラグ層8付近の部分拡
大図で示している。なお、図8中の矢印Bは間隙水6の
移動方向を示している。
【0073】この第4例では、前記第3例の場合におい
て、軟弱地盤1に立設(埋設)した導水管4の先端部と
圧密硬化後の砂状スラグ層8と砂状スラグ柱12の結合
部の強度を強化するとともに、地震によって液状化した
土壌の側方移動が生じた場合、砂状スラグ層4を、すり
鉢状の穴部11で、液状化しない圧密地盤10に食い込
ませることにより、土壌の側方移動によって引きずられ
ないようにすることを特徴とするものである。
【0074】この例では、図9に示すように、導水孔2
の上端部にすり鉢状の穴部11を形成し、このすり鉢状
の穴部11を含む導水孔2の内面と導水管4の外周面間
に、砂状スラグ7を充填して、すり鉢状の穴部11内で
上端部が拡径した砂状スラグ柱12を形成するととも
に、この砂状スラグ柱12の上部を含む地表1a上に砂
状スラグ層8を形成し、その上に盛土9を載荷して、軟
弱地盤1を押圧して、軟弱地盤1中に混在する間隙水6
を、砂状スラグ柱12および導水管4に集め、砂状スラ
グ柱12および導水管4から砂状スラグ層8を経て地表
1a側に排出する。
【0075】間隙水6の排出が止んだ後、盛土9を除去
し、導水管4の上端部付近の砂状スラグ層8を掘って凹
部を形成して導水管4の上端の蓋5部を露出させ、蓋5
を開けて導水管4の露出した側面にある小孔3eを塞
ぎ、導水管4内に間隙水6を残留させたまま、導水管4
の頂部からアルカリ刺激剤を注入する。
【0076】導水管4内に注入したアルカリ刺激剤は、
残留していた間隙水6を導水管4の小孔3eから導水管
4の外へ押し出した後、その小孔3eから流出して砂状
スラグ柱12に浸透するため、砂状スラグ柱12は固結
・硬化する。そして、導水管4に残留しているアルカリ
刺激剤を溢れ出させながら、またはアルカリ刺激剤を排
出してから、導水管4にモルタルセメントを充填する。
【0077】次いで、導水管4の上端を蓋5部を露出さ
せる際に生じた砂状スラグ層8の凹部に砂状スラグ7を
充填する。その後、砂状スラグ層8にアルカリ刺激剤を
散布して固結・硬化させて、この砂状スラグ8と砂状ス
ラグ柱12を一体構造とする。
【0078】この例では、砂状スラグ柱12はモルタル
セメントを充填・硬化させた導水管4を芯金とする受動
杭として機能し、砂状スラグ層8と強固に結合して一体
構造となり、砂状スラグ柱12の上端部の拡径部におい
て圧密地盤10に食い込んだ地盤構造を形成する。
【0079】この圧密地盤10においては、砂状スラグ
層8と、モルタルセメントで強化された導水管4を芯金
とする砂状スラグ柱12がより強固に一体形成し、この
砂状スラグ柱12が受動杭の機能を強化することによ
り、地震による液状化現象を抑制し、液状化しても杭の
体積分だけ液状化量を少なくすることができる。
【0080】また、液状化した土壌の側方移動が生じた
場合、液状化しなかった圧密地盤10に食い込んだ部分
が側方移動によって引きずられないように抵抗する。し
たがって、第3例の場合より、圧密地盤10をさらに強
化し、地震による被害もさらに小さくすることができ
る。
【0081】なお、この例では、砂状スラグ柱12にア
ルカリ刺激剤を浸透させる場合、アルカリ刺激剤を導水
管4に注入し、導水管4経由で浸透させるようにしてい
るが、上部から浸透させるようにしてもよい。また、導
水管4内へのモルタルセメントの充填は、その強度を改
善することは有効であるが、これは不可欠ではなく、要
求される強度に応じて行うことができる。
【0082】(5)第5例 図10〜図12は、本発明による軟弱地盤の強化方法の
第5例での各部の構成例を示す断面説明図である。図1
0(a)は、軟弱地盤1を強化する際、強化対象領域の
軟弱地盤1に、複数の導水孔2を穿孔し、この導水孔
に、側壁13が多孔質で透水性を有する樹脂や繊維布で
形成されスペーサー14により複数区分された通水孔1
5を有する導水膜16を、その上端部を若干地表1aか
ら突出させて埋設し、地表1aの上に砂状スラグ層8を
敷設し、この砂状スラグ層8の上に盛土9を載荷した状
態を示し、図10(b)は、埋設した導水膜16の配置
例を、図10(a)のAa−Ab矢視断面で示してい
る。
【0083】図11は、導水膜16の構造を立体図で示
している。図12は、図10(a)の状態で、軟弱地盤
1を盛土9とで押圧して軟弱地盤1中に混在している間
隙水6を、導水膜16に集め、この導水膜からスラグ層
8を経て地表1a側に排出している状態を、図10
(a)の砂状スラグ層8付近の部分拡大図で示してい
る。図12中の矢印Aは盛土5と砂状スラグ層8による
軟弱地盤1の押圧方向を示し、図12中の矢印Bは間隙
水6の移動方向を示している。
【0084】前記の第1例〜第4例では、導水孔2に導
水管4を埋設(立設)しているが、この例では、導水管
4の代わりに、側壁13が多孔質で透水性を有する樹脂
や繊維布1で形成されスペーサー14により複数区分さ
れた通水孔15を有する導水膜16を用いることを特徴
としている。
【0085】導水膜16は、図11に示すように、側壁
13は透水性を有する多孔質の樹脂或いは繊維布で構成
され、スペーサー14によって区分された通水孔15を
形成したものであり、水平断面は矩形を基本形とし、適
当な高さh、適当な幅b、適当な厚さaを有するもので
ある。スペーサ14は、樹脂、繊維布或いは鋼材で構成
され、その両側面は前記の多孔質の樹脂或いは繊維布で
形成された側壁13と接着されている。
【0086】この導水膜16は、通常、複数個用意さ
れ、ここでは、図10(b)に示すように、強化対象領
域の軟弱地盤1に、規則配置しているが、軟弱地盤の条
件に応じて、千鳥配置や不規則配置することもある。こ
の導水膜16を、その幅b方向に連続的に並べる場合に
は、導水孔2を長い溝状に形成してもよい。
【0087】導水孔2は、通常、軟弱地盤1底部まで穿
孔し、この導水孔2内に導水膜16を挿入・埋設する。
導水孔2は、導水膜16を挿入・埋設したとき、導水孔
2と導水膜16間に間隙が生じるが、盛土9の載荷によ
って軟弱地盤1に生じる押圧力により地盤が導水膜16
側に寄ることによって消失する。導水孔2に導水膜16
を挿入・埋設して、地表8上に砂状スラグ7を層状に敷
設して砂状スラグ層8を形成するが、この際、導水孔2
と導水膜16間の間隙空間には、砂状スラグ7が落下す
るが、このことが問題になることはない。
【0088】この例では、図12に示すように、軟弱地
盤1を盛土9で押圧して、軟弱地盤1中に混在する間隙
水6を、導水膜16の側壁を形成する樹脂、繊維布を介
して通水孔15内に集め、この通水孔を上昇させ、地表
1a上に敷設した砂状スラグ層8を経て地表1a側に排
出する。この際、軟弱地盤1中の間隙水6は、樹脂或い
は繊維布で濾過作用を受け、清水となって通水孔15に
集められるので、この通水孔から砂状スラグ層8を経て
地表1a側に排出する場合に、目詰まりを生じることが
ないため、間隙水6の排出性が良好である。
【0089】間隙水6の排出が止んだ後、盛り土9を除
去してから、砂状スラグ層8にアルカリ刺激剤を散布し
て、導水膜16の上端部を包んで固結・硬化させる。こ
の導水膜16は、圧密地盤にそのまま埋め込まれるが、
この導水膜自体は、薄厚であり、圧密地盤を補強する効
果の小さいものである。しかし、前記の第1例、第3例
の場合と同様、間隙水6の排出性を確保することにより
圧密地盤10の強化に寄与できる。
【0090】この例では、内部摩擦角が大きい砂状スラ
グ層8の作用もあり、地震による側方移動の抵抗が圧密
地盤のみの場合よりも大きく、地震による液状化現象を
抑制でき、液状化による側方流動量を少なくすることが
できる。したがって、地震による被害も圧密地盤のみの
場合より小さくすることができる。
【0091】(6)第6例 図13および図14は、本発明による軟弱地盤の強化方
法の第6例での各部の構成例を示す断面説明図である。
図13(a)は、軟弱地盤1を強化する際に、その軟弱
地盤1に、適当な間隔で、上端部に拡径部としてすり鉢
状の穴部11を形成した導水孔2を穿孔し、この導水孔
2に導水膜16を、その上端部をすり鉢状の穴部11
(拡径部)の底部11aより上方に突出させて立設し、
すり鉢状の穴部11の上部を含む地表1aに、砂状スラ
グ7を層状に敷設し、この砂状スラグ層8の上に盛土9
を載荷して、この盛土9と砂状スラグ層8により軟弱地
盤1を押圧し、軟弱地盤中に混在している間隙水6を導
水膜16に集め、導水膜16から、砂状スラグ層8を経
て地表1a側に排出している状態を示し、図13(b)
は、埋設した導水膜16の配置例を、図13(a)のA
a−Ab矢視断面で示している。
【0092】図14は、図13(a)の状態で、軟弱地
盤1を盛土9と砂状スラグ層8で押圧して、軟弱地盤1
中に混在している間隙水6を、導水膜16に集め、この
導水膜16からスラグ層8を経て地表1a側に排出して
いる状態を、図13(a)の砂状スラグ層8付近の部分
拡大図で示している。図14中の矢印Aは盛土9と砂状
スラグ層8による軟弱地盤1の押圧方向を示し、矢印B
は間隙水6の移動方向を示している。
【0093】この第6例では、前記第5例の場合におい
て、軟弱地盤1に埋設した導水膜16の先端部と圧密硬
化後の砂状スラグ層8の結合部の強度を強化するととも
に、地震によって液状化した土壌の側方移動が生じた場
合、砂状スラグ層8を、すり鉢状の穴部11(拡径部)
で、液状化しない圧密地盤10に食い込ませることによ
り、土壌の側方移動によって引きずられないようにする
ことを特徴とするものである。
【0094】この例では、図13aに示すように、導水
孔2の上端部に拡径部としてすり鉢状の穴部11を形成
し、このすり鉢状の穴部11を含む地表1a上に砂状ス
ラグ層8を形成し、その上に盛土9を載荷して、図14
に示すように、軟弱地盤1を押圧して、軟弱地盤1中に
混在する間隙水6を、導水膜16に集め、この導水膜か
ら砂状スラグ層8を経て地表1a側に排出し、間隙水6
の排出が止んだ後、盛土9を除去する。ここでは、盛り
土9を除去した後、砂状スラグ層8にアルカリ刺激剤を
散布して導水膜16を包んで固結・硬化させる。
【0095】この例では、砂状スラグ層8は上端部のす
り鉢状の穴部11内の拡径部において圧密地盤10に食
い込んだ地盤構造を形成しており、第5の例の場合の効
果に加えて、地震によって液状化現象が生じ、液状化し
た土壌の側方移動が生じた場合、液状化しなかった圧密
地盤に食い込んだ部分が側方移動によって引きずられな
いように抵抗する効果がある。したがって、地震による
被害も第5の例の場合より小さくすることができる。
【0096】(7)第7例 図15および図16は、本発明による軟弱地盤の強化方
法の第7例での各部の構成例を示す断面説明図である。
図15(a)は、軟弱地盤1を強化する際に、その軟弱
地盤1に、適当な間隔で、複数の導水孔2を穿孔し、こ
の導水孔2に砂状スラグ7を充填して砂状スラグ柱12
を形成するとともに、この砂状スラグ柱12の上部を含
む地表1a上に砂状スラグ7を層状に敷設し、この砂状
スラグ層4の上に、盛土9を載荷した状態を示し、図1
5(b)は、こ導水孔2の配置例を、図14(a)のA
a−Ab矢視断面で示している。
【0097】図16は、図15(a)の状態で、軟弱地
盤1を盛土9と砂状スラグ層8で押圧して、軟弱地盤1
中に混在している間隙水6を、砂状スラグ柱12に集
め、この砂状スラグ柱12からスラグ層8を経て地表1
a側に排出している状態を、図15(a)の砂状スラグ
層8付近の部分拡大図で示している。図16中の矢印A
は盛土9と砂状スラグ層8による軟弱地盤1の押圧方向
を示し、矢印Bは間隙水6の移動方向を示している。
【0098】前記従来の圧密硬化化工法においては、導
水孔2に自然砂や石膏粒が充填されていたが、これらの
ものは、透水性に劣るため、間隙水6の排出期間が長く
なるという問題があった。
【0099】この第7例では、前記従来例で用いられて
いた自然砂や石膏粒に代えて透水性性に優れた砂状スラ
グ7を用い、この砂状スラグを導水孔2に充填して、砂
状スラグ柱12を形成するとともに、その上部を含む地
表1aに砂状スラグ7を層状に敷設することにより、間
隙水6の透水性を改善して、軟弱地盤1からの間隙水6
の排出効率を向上し、圧密期間を短縮可能とするととも
に、間隙水6の排出後のアルカリ刺激剤により容易に固
結・硬化して十分な強度を発現させることにより、この
砂状スラグ柱12と砂状スラグ層8を強固にかつ容易に
一体構造とすることができ、工期短縮にも寄与させるこ
とを特徴とするものである。
【0100】この第7例では、軟弱地盤1中に砂状スラ
グ柱12を密に樹立させ、砂状スラグ層8を一体構造と
するにより、内部摩擦角を大きくして地震による側方移
動に対する抵抗を圧密地盤のみの場合よりも格段に大き
くすることができる。
【0101】この例では、図15(a)に示すように、
導水孔2を形成し、この導水孔2に砂状スラグ7を充填
して砂状スラグ柱12を形成し、この砂状スラグ柱12
の上部を含む地表1a上に砂状スラグ層8を形成して、
その上に盛土9を載荷して、図16に示すように、軟弱
地盤1を押圧して、軟弱地盤1中に混在する間隙水6
を、砂状スラグ柱12に集め、この砂状スラグ柱12か
ら上昇させ、砂状スラグ層8を経て地表1a側に排出す
る。
【0102】間隙水6の排出が止んだ後、盛土9を除去
し、砂状スラグ柱12と砂状スラグ層8にアルカリ刺激
剤を散布して固結させ硬化させて、砂状スラグ層8と砂
状スラグ柱12を一体構造とする。
【0103】このようにして得られた地盤強化構造を有
する圧密地盤10においては、砂状スラグ柱12と砂状
スラグ層8の内部摩擦角が大きいので、地震による側方
移動に対する抵抗を圧密地盤のみの場合よりも大きくす
ることができる。したがって、地震による被害を従来例
による圧密地盤より小さくすることができる。
【0104】なお、前記の導水孔2の配置は、ここで
は、図15(b)に示すように、規則配置にしている
が、軟弱地盤1の条件に応じて、千鳥配置や不規則配置
にすることもある。
【0105】この例による場合には、導水管4や導水膜
16を用いた前記第1例〜第6例の場合に比べ、間隙水
6の排出が十二分ではないので、強度において若干劣る
が、施工が簡易であり、強化の必要の度合いが比較的小
さい軟弱地盤を対象として用いることができる。
【0106】(8)第8例 図17および図18は、本発明による軟弱地盤の強化方
法の第8例での各部の構成例を示す断面説明図である。
図17(a)は、軟弱地盤1を強化する際に、導水孔2
の上端部に鉢状の穴部11(拡径部)を形成し、このす
り鉢状の穴部11に砂状スラグ7を充填して砂状スラグ
柱12を形成し、この砂状スラグ柱12の上部を含む地
表1a上に砂状スラグ層8を形成し、その上に盛土9を
載荷した状態を示し、図17(b)は、こ導水孔2の配
置例を、図17(a)のAa−Ab矢視断面で示してい
る。
【0107】図18は、図17(a)の状態で、軟弱地
盤1を盛土9と砂状スラグ層8で押圧して、軟弱地盤1
中に混在している間隙水6を、導水膜16に集め、この
導水膜16からスラグ層8を経て地表1a側に排出して
いる状態を、図17(a)の砂状スラグ層8付近の部分
拡大図で示している。図18中の矢印Aは盛土9と砂状
スラグ層8による軟弱地盤1の押圧方向を示し、矢印B
は間隙水6の移動方向を示している。
【0108】この第8例は、前記第7例の場合におい
て、軟弱地盤1に形成した砂状スラグ柱12の先端部を
拡径して、砂状スラグ層8のとの結合部の強度を強化す
るとともに、地震によって液状化した土壌の側方移動が
生じた場合、砂状スラグ層8を、すり鉢状の穴部11
(拡径部)内において、液状化しない圧密地盤10に食
い込ませることにより、土壌の側方移動によって引きず
られないようにすることを特徴とするものである。
【0109】この例では、図17(a)に示すように、
導水孔2の上端部に鉢状の穴部11(拡径部)を形成
し、このすり鉢状の穴部11に砂状スラグ7を充填して
砂状スラグ柱12を形成し、この砂状スラグ柱12の上
部を含む地表1a上に砂状スラグ層8を形成し、その上
に盛土9を載荷して、図18に示すように、軟弱地盤1
を押圧して、軟弱地盤1中に混在する間隙水6を、砂状
スラグ柱12に集め、この砂状スラグ柱12から上昇さ
せ、砂状スラグ層8を経て地表1a側に排出する。
【0110】間隙水6の排出が止んだ後、盛土9を除去
し、盛土9を除去した後、砂状スラグ柱12の拡径部と
砂状スラグ層8にアルカリ刺激剤を散布して固結させ硬
化させて、砂状スラグ層8と砂状スラグ柱12を一体構
造とする。こうすることにより、砂状スラグ柱12は、
砂状スラグ層8と強固に結合して一体化し、上端部の拡
径部において圧密地盤10に食い込んだ地盤構造を形成
する。
【0111】この圧密地盤10においては、第7例の場
合の効果に加えて、砂状スラグ柱12と砂状スラグ層8
との結合部がすり鉢状の孔11部内の拡径部で強化され
ており、地震によって液状化現象が生じ、液状化した土
壌の側方移動が生じた場合、液状化しなかった圧密地盤
に食い込んだ部分が側方移動によって引きずられないよ
うに抵抗する効果がある。したがって、地震による被害
を第7例の場合より小さくすることができる。
【0112】なお、前記の本発明による軟弱地盤の強化
方法を実施するための各部の構成は、前記の例に限定す
るものではない。例えば、導水管や砂状スラグ柱の拡径
部を含む形状、構造、配置、大きさ、導水膜の形状、構
造、大きさ、導水孔の形状、大きさ、配置、間隙水の排
出構造、アルカリ刺激剤の浸透、注入(散布、添加)、
排出構造、モルタルセメントの充填構造、各作業の手順
等については、強化対象の軟弱地盤の条件や、要求され
る強化強度に応じて、前記各請求項を満足する範囲内で
変更のあるものである。
【0113】
【発明の効果】本発明においては、圧密硬化後の地表層
を、アルカリ刺激剤で固結・硬化させた砂状スラグ層や
砂状スラグ柱、導水管により強化することができ、比較
的軽い構造物を設けるに際しては、特別な基礎を設ける
ことなく、直接、地表に基礎ボルトを設置して、その構
造物を設置することができる。
【0114】また、地震により液状化現象が生じた場
合、地表が砂状スラグ層により層状に強化され導水管や
砂状スラグ柱などによって強固に支持されるため、地表
の陥没等の被害を小さくできるし、比較的軽い構造物の
場合、強固な広範な盤状基礎に支持した状況にすること
ができ、倒壊しにくい構造物を構築することができる。
また、構造物の基礎工事の工期を短縮し、コストの低減
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による軟弱地盤の強化方法の第
1例での各部の構成例を示す側断面説明図、(b)は
(a)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図2】図1(a)における砂状スラグ層付近の部分拡
大説明図である。
【図3】図1および図2による間隙水の排出後の地盤の
位置変化を示す側断面説明図。
【図4】(a)は本発明による軟弱地盤の強化方法の第
2例での各部の構成例を示す側断面説明図、(b)は
(a)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図5】図4(a)における砂状スラグ層付近の部分拡
大説明図である。
【図6】(a)は本発明による軟弱地盤の強化方法の第
3例での各部の構成例を示す側断面説明図、(b)は
(a)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図7】図6(a)における砂状スラグ層付近の部分拡
大説明図である。
【図8】(a)は本発明による軟弱地盤の強化方法の第
4例での各部の構成例を示す側断面説明図、(b)は
(a)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図9】図8(a)における砂状スラグ層付近の部分拡
大説明図である。
【図10】(a)は本発明による軟弱地盤の強化方法の
第5例での各部の構成例を示す側断面説明図、(b)は
(a)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図11】図10(a)における導水膜の構造例を示す
立体説明図。
【図12】図10(a)における砂状スラグ層付近の部
分拡大説明図である。
【図13】(a)は本発明による軟弱地盤の強化方法の
第6例での各部の構成例を示す側断面説明図、(b)は
(a)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図14】図13(a)における砂状スラグ層付近の部
分拡大説明図である。
【図15】(a)は本発明による軟弱地盤の強化方法の
第7例での各部の構成例を示す側断面説明図、(b)は
(a)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図16】図15(a)における砂状スラグ層付近の部
分拡大説明図である。
【図17】(a)は本発明による軟弱地盤の強化方法の
第8例での各部の構成例を示す側断面説明図、(b)は
(a)のAa−Ab矢視断面説明図。
【図18】図17(a)における砂状スラグ層付近の部
分拡大説明図である。
【符号の説明】
1 軟弱地盤 1a 地表 2 導水孔 3,3e 小孔 4 導水管 5 蓋 6 間隙水 7 砂状スラグ 8 砂状スラグ層 9 盛土 10 圧密地盤 11 すり鉢状の穴部(拡径部) 11a 底部 12 砂状スラグ柱 13 側壁 14 スペーサー 15 通水孔 16 導水膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軟弱地盤を
対象として、前記従来の技術によって得られた圧密地盤
よりも基礎工事工期短縮、工事費の低減化、地震によ
る液状化現象の発生の抑制が可能な強固な圧密地盤が
得られる軟弱地盤の強化方法を提供するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決する手段】本発明は、前記課題を解決す
る、下記(1)〜(9)のスラグを用いた軟弱地盤の強
化方法である。 (1)盛土による圧下力を軟弱地盤の表面に加えること
により軟弱地盤中の間隙水を排出して軟弱地盤を圧密硬
化させる方法において、軟弱地盤の強化対象領域に、側
壁に多数の小孔を有する複数の導水管を、適当な間隔を
おいて、その上端を軟弱地盤の地表から突出させて垂直
方向に埋設し、該強化対象領域の地表上に砂状スラグを
層状に敷設した後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さの
盛土をして軟弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤中
の間隙水を押し出して導水管に集め、導水管から砂状ス
ラグ層を経て地表側に排出後、盛土を除去してから、砂
状スラグ層にポルトランドセメント混合水または/およ
び消石灰混合水からなるアルカリ刺激剤を浸透させ
状スラグ層を固結・硬化させることを特徴とするスラグ
を用いた軟弱地盤の強化方法。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】(2)盛土による圧下力を軟弱地盤の表面
に加えることにより軟弱地盤中の間隙水を排出して軟弱
地盤を圧密硬化させる方法において、軟弱地盤の強化対
象領域に、上端部に拡径部がある複数の導水孔を適当間
隔で形成し、この導水孔に、側壁に多数の小孔を有する
導水管を、その上端部を導水孔の拡径部の底部から上方
に突出させて垂直方向に埋設し、導水孔の拡径部と前記
強化対象領域の地表上に砂状スラグを層状に敷設した
後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さの盛土をして軟弱
地盤を押圧することにより、軟弱地盤中の間隙水を押し
出して導水管に集め、導水管から砂状スラグ層を経て地
表側に排出後、盛土を除去してから、砂状スラグ層およ
び該導水孔の拡径部内の砂状スラグにポルトランドセメ
ント混合水または/および消石灰混合水からなるアルカ
リ刺激剤を浸透させ砂状スラグ層と拡径部内の砂状ス
ラグを一体に固結・硬化させることを特徴とするスラグ
を用いた軟弱地盤の強化方法。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】(3)盛土による圧下力を軟弱地盤の表面
に加えることにより軟弱地盤中の間隙水を排出して軟弱
地盤を圧密硬化させる方法において、軟弱地盤の強化対
象領域に、複数の導水孔を適当間隔で垂直方向に穿孔
し、この導水孔の中央部に、側壁に多数の小孔を有する
導水管を、上端部を地表から突出させて立設した後、導
水孔内面と導水管の外周面間に形成した充填間隙に砂状
スラグを充填して、導水管の外周に砂状スラグ柱を形成
し、次いで、該砂状スラグ柱と連続して前記強化対象領
域の地表に砂状スラグを層状に敷設した後、該砂状スラ
グ層の上に適当な厚さの盛土をして軟弱地盤を押圧する
ことにより、軟弱地盤中の間隙水を押し出して砂状スラ
グ柱および導水管に集め、砂状スラグ柱および導水管か
ら砂状スラグ層を経て地表側に排出後、盛土を除去して
から、砂状スラグ層と砂状スラグ柱にポルトランドセメ
ント混合水または/および消石灰混合水からなるアルカ
リ刺激剤を浸透させ、砂状スラグ層と砂状スラグ柱を固
・硬化させることを特徴とするスラグを用いた軟弱地
盤の強化方法。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】(4)盛土による圧下力を軟弱地盤の表面
に加えることにより軟弱地盤中の間隙水を排出して軟弱
地盤を圧密硬化させる方法において、軟弱地盤の強化対
象領域に、上端部に拡径部がある複数の導水孔を適当間
隔で垂直方向に穿孔し、この導水孔の中央部に、側壁に
多数の小孔を有する導水管を、導水孔の拡径部の底部か
ら上方に突出せて立設した後、導水孔内面と導水管の外
周面間に形成した充填間隙に砂状スラグを充填して、導
水管の外周に砂状スラグ柱を形成し、次いで、該砂状ス
ラグ柱と連続して前記強化対象領域の地表に砂状スラグ
を層状に敷設した後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さ
の盛土をして軟弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤
中の間隙水を押し出して砂状スラグ柱および導水管に集
め、砂状スラグ柱および導水管から砂状スラグ層を経て
地表側に排出後、盛土を除去してから、砂状スラグ層と
砂状スラグ柱にポルトランドセメント混合水または/お
よび消石灰混合水からなるアルカリ刺激剤を浸透させ、
砂状スラグ層と砂状スラグ柱を固結・硬化させることを
特徴とするスラグを用いた軟弱地盤の強化方法。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】(5)盛土による圧下力を軟弱地盤の表面
に加えることにより軟弱地盤中の間隙水を排出して軟弱
地盤を圧密硬化させる方法において、軟弱地盤の強化対
象領域に、側壁が多孔質で透水性を有する材料で形成さ
れスペーサーにより複数に区分された通水孔を有する複
数の導水膜を、適当間隔をおいて、その上端を軟弱地盤
の地表から突出せて垂直方向に埋設し、強化対象領域の
地表上に砂状スラグを層状に敷設した後、該砂状スラグ
層の上に適当な厚さの盛土をして軟弱地盤を押圧するこ
とにより、軟弱地盤中の間隙水を押し出して導水膜に集
め、この導水膜から砂状スラグ層を経て地表側に排出
後、盛土を除去してから、砂状スラグ層にポルトランド
セメント混合水または/および消石灰混合水からなるア
ルカリ刺激剤を浸透させ、砂状スラグ層を固結・硬化さ
せることを特徴とするスラグを用いた軟弱地盤の強化方
法。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】(6)盛土による圧下力を軟弱地盤の表面
に加えることにより軟弱地盤中の間隙水を排出して軟弱
地盤を圧密硬化させる方法において、軟弱地盤の強化対
象領域に上端部に拡径部がある複数の導水孔を適当間隔
で形成し、この導水孔に、側壁が多孔質で透水性を有す
る材料で形成されスペーサーにより複数に区分された通
水孔を有する複数の導水膜を、その上端部を導水孔の拡
径部の底部から上方に突出せて垂直方向に埋設し、導水
孔の拡径部と前記強化対象領域の地表上に砂状スラグを
層状に敷設した後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さの
盛土をして軟弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤中
の間隙水を押し出して導水膜に集め、この導水膜から砂
状スラグ層を経て地表側に排出後、盛土を除去してか
ら、砂状スラグ層および導水孔の拡径部内の砂状スラグ
にポルトランドセメント混合水または/および消石灰混
合水からなるアルカリ刺激剤を浸透させ、砂状スラグ層
とその拡径部の砂状スラグとを一体に固結・硬化させる
ことを特徴とするスラグを用いた軟弱地盤の強化方法。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】(8)盛土による圧下力を軟弱地盤の表面
に加えることにより軟弱地盤中の間隙水を排出して軟弱
地盤を圧密硬化させる方法において、軟弱地盤の強化対
象領域に、複数の導水孔を適当な間隔をおいて垂直方向
に穿孔し、この導水孔に砂状スラグを充填して軟弱地盤
中に砂状スラグ柱を形成し、次いで、該砂状スラグ柱と
連続して前記強化対象領域の地表上に砂状スラグを層状
に敷設した後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さの盛土
をして軟弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤中の間
隙水を押し出して砂状スラグ柱に集め、この砂状スラグ
柱から砂状スラグ層を経て地表側に排出後、盛土を除去
してから、砂状スラグ層および砂状スラグ柱にポルトラ
ンドセメント混合水または/および消石灰混合水からな
るアルカリ刺激剤を浸透させ、砂状スラグ層と砂状スラ
グ柱を一体に固結・硬化させることを特徴とするスラグ
を用いた軟弱地盤の強化方法。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば埋立地などの間
隙水が混在する軟弱地盤を対象として、強化対象領域の
軟弱地盤に導水孔を穿孔し、この導水孔に、導水管また
は導水膜を挿入あるいは砂状スラグを充填して砂状スラ
グ柱を形成すると共に、軟弱地盤の地表に砂状スラグを
層状に敷設し、この砂状スラグ層の上に盛り土を載荷し
て軟弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤中の間隙水
を導水管または導水膜や砂状スラグ柱、砂状スラグ層を
経て地表側に排出して軟弱地盤中の間隙水の量を減少
せた後に、盛り土を除去した後、砂状スラグをアルカリ
刺激剤で固結・硬化させて圧密地盤を強化するものであ
る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】沈下後の砂状スラグ層8の上面高さ位置
を、盛土をする前の軟弱地盤1の地表1aの高さ位置
に合わせたい場合は、前記テライの圧密理論に基づいて
算出した沈下深さyに相当する高さに砂状スラグ層8を
予め敷設しておけばよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】こうすることにより、すり鉢状の穴部11
内の砂状スラグ層8は、地表1a上の砂状スラグ層8の
下面と一体化して固結・硬化し、広範の形成された砂
状スラグ層8は、すり鉢状の穴部11において圧密地盤
10に食い込んだ地形構造が形成される。
フロントページの続き (72)発明者 横尾 正義 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 清水 開悟 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 波多野 泉 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟弱地盤の強化対象領域に、側壁に多数
    の小孔を有する複数の導水管を、適当な間隔をおいて、
    その上端を軟弱地盤の地表から突出させて垂直方向に埋
    設し、該強化対象領域の地表上に砂状スラグを層状に敷
    設した後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さの盛土をし
    て軟弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤中の間隙水
    を押し出して導水管に集め、導水管から砂状スラグ層を
    経て地表側に排出後、盛土を除去してから、砂状スラグ
    層にポルトランドセメント混合水または/および消石灰
    混合水からなるアルカリ刺激剤を浸透させ砂状スラグ層
    を固結・硬化させることを特徴とするスラグを用いた軟
    弱地盤の強化方法。
  2. 【請求項2】 軟弱地盤の強化対象領域に、上端部に拡
    径部がある複数の導水孔を適当間隔で形成し、この導水
    孔に、側壁に多数の小孔を有する導水管を、その上端部
    を導水孔の拡径部の底部から上方に突出させて垂直方向
    に埋設し、導水孔の拡径部と前記強化対象領域の地表上
    に砂状スラグを層状に敷設した後、該砂状スラグ層の上
    に適当な厚さの盛土をして軟弱地盤を押圧することによ
    り、軟弱地盤中の間隙水を押し出して導水管に集め、導
    水管から砂状スラグ層を経て地表側に排出後、盛土を除
    去してから、砂状スラグ層および該導水孔の拡径部内の
    砂状スラグにポルトランドセメント混合水または/およ
    び消石灰混合水からなるアルカリ刺激剤を浸透させ砂状
    スラグ層と拡径部内の砂状スラグを一体に固結・硬化さ
    せることを特徴とするスラグを用いた軟弱地盤の強化方
    法。
  3. 【請求項3】 軟弱地盤の強化対象領域に、複数の導水
    孔を適当間隔で垂直方向に穿孔し、この導水孔の中央部
    に、側壁に多数の小孔を有する導水管を、上端部を地表
    から突出させて立設した後、導水孔内面と導水管の外周
    面間に形成した充填間隙に砂状スラグを充填して、導水
    管の外周に砂状スラグ柱を形成し、次いで、該砂状スラ
    グ柱と連続して前記強化対象領域の地表に砂状スラグを
    層状に敷設した後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さの
    盛土をして軟弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤中
    の間隙水を押し出して砂状スラグ柱および導水管に集
    め、砂状スラグ柱および導水管から砂状スラグ層を経て
    地表側に排出後、盛土を除去してから、砂状スラグ層と
    砂状スラグ柱にポルトランドセメント混合水または/お
    よび消石灰混合水からなるアルカリ刺激剤を浸透させ、
    砂状スラグ層と砂状スラグ柱を固結することを特徴とす
    るスラグを用いた軟弱地盤の強化方法。
  4. 【請求項4】 軟弱地盤の強化対象領域に、上端部に拡
    径部がある複数の導水孔を適当間隔で垂直方向に穿孔
    し、この導水孔の中央部に、側壁に多数の小孔を有する
    導水管を、導水孔の拡径部の底部から上方に突出させて
    立設した後、導水孔内面と導水管の外周面間に形成した
    充填間隙に砂状スラグを充填して、導水管の外周に砂状
    スラグ柱を形成し、次いで、該砂状スラグ柱と連続して
    前記強化対象領域の地表に砂状スラグを層状に敷設した
    後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さの盛土をして軟弱
    地盤を押圧することにより、軟弱地盤中の間隙水を押し
    出して砂状スラグ柱および導水管に集め、砂状スラグ柱
    および導水管から砂状スラグ層を経て地表側に排出後、
    盛土を除去してから、砂状スラグ層と砂状スラグ柱にポ
    ルトランドセメント混合水または/および消石灰混合水
    からなるアルカリ刺激剤を浸透させ、砂状スラグ層と砂
    状スラグ柱を固結・硬化させることを特徴とするスラグ
    を用いた軟弱地盤の強化方法。
  5. 【請求項5】 軟弱地盤の強化対象領域に、側壁が多孔
    質で透水性を有する材料で形成されスペーサーにより複
    数に区分された通水孔を有する複数の導水膜を、適当な
    間隔をおいて、その上端を軟弱地盤の地表から突出させ
    て垂直方向に埋設し、該強化領域の地表上に砂状スラグ
    を層状に敷設した後、該砂状スラグ層の上に適当な厚さ
    の盛土をして軟弱地盤を押圧することにより、軟弱地盤
    中の間隙水を押し出して導水膜に集め、この導水膜から
    砂状スラグ層を経て地表側に排出後、盛土を除去してか
    ら、砂状スラグ層にポルトランドセメント混合水または
    /および消石灰混合水からなるアルカリ刺激剤を浸透さ
    せ、砂状スラグ層を固結・硬化させることを特徴とする
    スラグを用いた軟弱地盤の強化方法。
  6. 【請求項6】 軟弱地盤の強化対象領域に上端部に拡径
    部がある複数の導水孔を適当間隔で形成し、この導水孔
    に、側壁が多孔質で透水性を有する材料で形成されスペ
    ーサーにより複数に区分された通水孔を有する複数の導
    水膜を、その上端部を導水孔の拡径部の底部から上方に
    突出させて垂直方向に埋設し、導水孔の拡径部と前記強
    化対象領域の地表上に砂状スラグを層状に敷設した後、
    該砂状スラグ層の上に適当な厚さの盛土をして軟弱地盤
    を押圧することにより、軟弱地盤中の間隙水を押し出し
    て導水膜に集め、この導水膜から砂状スラグ層を経て地
    表側に排出後、盛土を除去してから、砂状スラグ層およ
    び導水孔の拡径部内の砂状スラグにポルトランドセメン
    ト混合水または/および消石灰混合水からなるアルカリ
    刺激剤を浸透させ、砂状スラグ層とその拡径部の砂状ス
    ラグとを一体に固結・硬化させることを特徴とするスラ
    グを用いた軟弱地盤の強化方法。
  7. 【請求項7】 間隙水を、導水管と導水管の外周の砂状
    スラグ柱から砂状スラグ層を経て地表側に排出した後、
    導水管内にポルトランドセメント混合水または/および
    消石灰混合水を残留させたまま、または導水管から排出
    してから、この導水管内にモルタルセメントを充填する
    ことを特徴とする請求項3または請求項4記載のスラグ
    を用いた軟弱地盤の強化方法。
  8. 【請求項8】 軟弱地盤の強化対象領域に、複数の導水
    孔を適当な間隔をおいて垂直方向に穿孔し、この導水孔
    に砂状スラグを充填して軟弱地盤中に砂状スラグ柱を形
    成し、次いで、該砂状スラグ柱と連続して前記強化対象
    領域の地表上に砂状スラグを層状に敷設した後、該砂状
    スラグ層の上に適当な厚さの盛土をして軟弱地盤を押圧
    することにより、軟弱地盤中の間隙水を押し出して砂状
    スラグ柱に集め、この砂状スラグ柱から砂状スラグ層を
    経て地表側に排出後、盛土を除去してから、砂状スラグ
    層および砂状スラグ柱にポルトランドセメント混合水ま
    たは/および消石灰混合水からなるアルカリ刺激剤を浸
    透させ、砂状スラグ層と砂状スラグ柱を一体に固結・硬
    化させることを特徴とするスラグを用いた軟弱地盤の強
    化方法。
  9. 【請求項9】 軟弱地盤の強化対象領域に適当間隔で垂
    直方向に穿孔した複数の導水孔を上端部に拡径部がある
    ものとし、この導水孔に砂状スラグを充填して得られる
    砂状スラグ柱の外径を、砂状スラグ層に連続する上端部
    で拡径することを特徴とする請求項8記載のスラグを用
    いた軟弱地盤の強化方法。
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