JP2007153575A - エレベータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、地震により戸開可能位置に停止されたかごの救出運転をより早期に実行することができるエレベータの制御装置を得ることを目的とするものである。
【解決手段】地震時運転制御部7は、地震時のかご1の停止位置が戸開不能区間(階床間)であった場合、地震の揺れが治まった後、振動センサ5からの情報を監視しながら、定格速度よりも低速で、かご1を最寄り階まで自動的に走行させる。さらに、地震時運転制御部7は、戸開可能位置への走行中にかご1の振動が所定レベルを超えると、かご1の運転を中止する。
【選択図】図1

Description

この発明は、地震感知器からの信号に応じてかごを停止させるエレベータの制御装置に関するものである。
従来のエレベータの制御装置では、高レベルの地震により階床間にかごが停止されると、その情報が管制センタに送信される。階間停止の情報が管制センタで受信されると、管制センタに常駐する管制員により、地震時低速運転が許可され、かごが最寄り階まで走行される(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−359405号公報
上記のような従来のエレベータの制御装置では、管制センタからの許可を待って地震時低速運転が開始されるが、地震は広い範囲で発生するため、所定震度以上の地震が発生した場合には、多数のエレベータからの情報が管制センタに集中し、全てのエレベータに個別に許可を出すのに長時間かかる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、地震により戸開可能位置に停止されたかごの救出運転をより早期に実行することができるエレベータの制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの制御装置は、地震によりかごを戸開不能区間に停止させた場合に、かごの振動情報を監視しながら、かごを戸開可能位置まで自動的に走行させるとともに、かごの振動が所定レベルを超えるとかごの運転を中止する地震時運転制御部を備えている。
この発明のエレベータの制御装置は、地震によりかごを戸開不能区間に停止させた場合に、地震時運転制御部が、かごの振動情報を監視しながら、かごを戸開可能位置まで自動的に走行させるとともに、かごの振動が所定レベルを超えるとかごの運転を中止するので、地震により戸開可能位置に停止されたかごの救出運転をより早期に実行することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータを示す構成図である。かご1及び釣合おもり2は、主索3により昇降路内に吊り下げられ、巻上機4の駆動力により昇降される。かご1には、かご1の振動を検出する振動センサ5が設けられている。
エレベータの運転は、制御盤6により制御される。制御盤6には、所定の震度以上の地震が発生したときのエレベータの運転を制御する地震時運転制御部7が設けられている。地震時運転制御部7は、所定の震度以上の地震が発生すると、かご1を緊急停止させる。
また、地震時運転制御部7は、地震時のかご1の停止位置が戸開不能区間(階床間)であった場合、地震の揺れが治まった後、振動センサ5からの情報を監視しながら、定格速度よりも低速で、かご1を戸開可能位置(例えば最寄り階)まで自動的に走行させる。さらに、地震時運転制御部7は、戸開可能位置への走行中にかご1の振動が第1の所定レベルを超えると、かご1の運転を中止する。
地震時運転制御部7は、振動判定手段8、低速運転要求手段9及び通報手段10を有している。振動判定手段8には、建物に設けられた地震感知器11からの信号と、振動センサ5からの信号とが入力される。振動判定手段8は、高レベルの震度の地震が感知された後に、戸開不能区間にかご1が停止された場合に、かご1の振動レベルが正常であるかどうかを判定し、正常であれば低速運転要求手段9に走行許可を送る。
ここで、第1の所定レベルは、例えばエレベータが正常な状態で低速運転を実施した際の振動レベルと同等の範囲に設定される。また、第1の所定レベルは、エレベータ調整中等、実際に低速運転を実施する際に、振動センサ5からの信号を取得することにより地震時運転制御部7に予め登録される。
低速運転要求手段9は、エレベータの安全回路が正常な場合に、振動判定手段8から走行許可を受けると、かご1を釣合おもり2から離れる方向へ低速走行させ、最寄り階に着床させる。
通報手段10は、自動救出運転の結果を通報装置12に自動通報する。また、振動レベルが第1の所定レベルを超えたことにより自動救出運転に失敗した場合、通報手段10は、地震発生前の運転状態に応じた救出要請レベル情報を、自動救出運転の結果情報に付加して通報装置12に送信する。救出要請レベル情報とは、予め設定された救出の緊急度に関する情報であり、例えば次のように設定される。
レベル1:病院運転中>レベル2:視覚障害エレベータ運転中>レベル3:車椅子運転中>レベル4:乗車負荷
また、レベル4の中で、乗車負荷の大きい順にレベル分けをすることも可能である。
制御盤6は、演算処理部(CPU)、記憶部(ROM、RAM及びハードディスク等)及び信号入出力部を持ったコンピュータ(図示せず)を有している。地震時運転制御部7の機能、即ち振動判定手段8、低速運転要求手段9及び通報手段10の機能は、コンピュータにより実現される。即ち、コンピュータの記憶部には、地震時運転制御部7の機能を実現するためのプログラムが格納されている。
通報装置12は、電話回線等の通信回線13を介して管制センタ14に接続されている。自動救出運転の結果情報及び救出要請レベル情報は、通報装置12から管制センタ14に送信される。管制センタ14には、救出運転中の様々な運転状態情報も送られる。
地震時運転制御部7は、管制センタ14からの走行許可も受け付ける。また、地震時運転制御部7は、かご1が戸開不能区間に停止しているとき、管制センタ14からの走行許可を受けると、かご1を戸開可能位置まで低速で走行させる。このとき、地震時運転制御部7は、かご1の振動を監視し、かご1の振動が第1の所定レベルよりも高い第2の所定レベル(例えば第1の所定レベルの1.2倍レベル)を超えると、かご1の運転を中止し、その情報を通報装置12に通報する。
次に、動作について説明する。図2は図1の地震時運転制御部7の高レベル地震発生時の動作を示すフローチャートである。高レベル地震が発生すると、地震時運転制御部7は、かご1が戸開不能区間に停止されたかどうかを判断する(ステップS1)。かご1が戸開不能区間に停止していない場合、即ち戸開可能位置に停止していた場合、戸開動作によりかご1内の乗客を降ろした後、かご1の運転を休止させる(ステップS7)。
かご1が戸開不能区間に停止した場合、所定時間(例えば1分:地震の揺れが治まるとされている時間)経過するのを待ってから(ステップS2)、低速での自動救出運転を開始する(ステップS3)。
自動救出運転中は、かご1の振動が第1の所定レベル以下であるかどうかを監視するとともに(ステップS4)、かご1が最寄り階に到着したかどうかを監視する(ステップS5)。かご1の振動が第1の所定レベルを超えた場合、かご1を停止させるとともに、自動救出運転失敗の情報に救出要請レベル情報を付加して通報装置12に通報する(ステップS6)。かご1の振動が正常なままかご1が最寄り階に到着すると、戸開動作によりかご1内の乗客を降ろした後、かご1の運転を休止させる(ステップS7)。
自動救出運転失敗の情報が管制センタ14で受信されると、管制センタ14の管制員は、救出要請レベル情報に応じた順番で管制センタ14からの遠隔救出運転を試みる。このとき、自動救出運転失敗の情報に救出要請レベル情報が付加されているので、管制員は、遠隔救出運転の順番を速やかに決定することができる。
図3は図1の地震時運転制御部7の遠隔救出運転時の動作を示すフローチャートである。かご1が戸開不能区間に停止しているとき、管制センタ14からの走行許可を受けると、低速での救出運転を開始する(ステップS11)。
遠隔救出運転中は、地震時運転制御部7は、かご1の振動が第2の所定レベル以下であるかどうかを監視するとともに(ステップS12)、かご1が最寄り階に到着したかどうかを監視する(ステップS13)。かご1の振動が第2の所定レベルを超えた場合、かご1を停止させる(ステップS14)。このような場合は、自動での救出も遠隔からの救出も困難であるため、救助員が現場へ移動して救出を行うことになる。
かご1の振動が第2の所定レベル以下のままかご1が最寄り階に到着すると、戸開動作によりかご1内の乗客を降ろした後、かご1の運転を休止させる(ステップS15)。
このようなエレベータの制御装置では、地震によりかご1を戸開不能区間に停止させた場合に、振動センサ5からの情報を監視しながら、かご1を戸開可能位置まで自動的に走行させるとともに、かご1の振動が所定レベルを超えるとかご1の運転を中止するので、かご1の救出運転をより早期に実行することができる。
また、地震時運転制御部7には、かご1の振動について、第1の所定レベルと、第1の所定レベルよりも高い第2の所定レベルとが設定されている。そして、地震時運転制御部7は、自動救出運転を行う際には、かご1の振動が第1の所定レベルを超えるとかご1の運転を中止し、管制センタ14からの走行許可による遠隔救出運転を行う際には、かご1の振動が第1の所定レベルを超えてもかご1を走行させ、第2の所定レベルを超えるとかご1の運転を中止する。従って、自動救出運転に失敗したエレベータについて、速やかに遠隔救出運転を行うことができる。
なお、上記の例では、かご1に設けた振動センサ5から振動情報を受けたが、これに限定されるものではなく、例えばモータトルクの変動から振動情報を求めてもよい。
この発明の実施の形態1によるエレベータを示す構成図である。 図1の地震時運転制御部の高レベル地震発生時の動作を示すフローチャートである。 図1の地震時運転制御部の遠隔救出運転時の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 かご、7 地震時運転制御部、14 管制センタ。

Claims (5)

  1. 地震によりかごを戸開不能区間に停止させた場合に、上記かごの振動情報を監視しながら、上記かごを戸開可能位置まで自動的に走行させるとともに、上記かごの振動が所定レベルを超えると上記かごの運転を中止する地震時運転制御部
    を備えていることを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 上記地震時運転制御部は、定格速度よりも低速の低速運転により上記かごを戸開可能位置まで走行させることを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  3. 上記地震時運転制御部は、上記かごの振動が所定レベルを超えたことにより上記かごの運転を中止した場合、上記かごの振動が所定レベルを超えた旨の情報と、予め設定された救出の緊急度に関する情報とを出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの制御装置。
  4. 上記地震時運転制御部は、上記かごの振動が所定レベルを超えたことにより上記かごの運転を中止した場合であっても、管制センタからの走行許可を受けると、上記かごの戸開可能位置までの走行を再開させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエレベータの制御装置。
  5. 上記地震時運転制御部には、上記かごの振動について、第1の所定レベルと、上記第1の所定レベルよりも高い第2の所定レベルとが設定されており、
    上記地震時運転制御部は、上記かごを戸開可能位置まで自動的に走行させる際には、上記かごの振動が第1の所定レベルを超えると上記かごの運転を中止し、上記管制センタからの走行許可により上記かごを戸開可能位置まで走行させる際には、上記かごの振動が上記第1の所定レベルを超えても上記かごを走行させ、上記第2の所定レベルを超えると上記かごの運転を中止することを特徴とする請求項4記載のエレベータの制御装置。
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