JP2007152778A - インクジェット記録材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、生産性に優れ、フォトライクな高い光沢と高いインク吸収性を有し、塗布乾燥時にひび割れが生じず、再資源化の適性を有するインクジェット記録材料を提供することにある。
【解決手段】支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記支持体の透気度が200秒以上であり、かつ前記支持体が基紙にコロイダルシリカとバインダーとを合わせて含有している下塗り層を設けたものであり、かつ該インク受容層が樹脂バインダーとその架橋剤とを含有し、該架橋剤の少なくとも1つがホウ素化合物であることを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記支持体の透気度が200秒以上であり、かつ前記支持体が基紙にコロイダルシリカとバインダーとを合わせて含有している下塗り層を設けたものであり、かつ該インク受容層が樹脂バインダーとその架橋剤とを含有し、該架橋剤の少なくとも1つがホウ素化合物であることを特徴とするインクジェット記録材料。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録材料に関し、更に詳しくは、生産性に優れ、インク受容層の塗布乾燥時にひび割れがなく、フォトライクな高い光沢を有し、かつインク吸収性に優れ、再資源化の適性を有するインクジェット記録材料に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、紙、塗布紙、樹脂がラミネートされた紙、樹脂フィルム等の支持体上にインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
紙、塗布紙にインク受容層を設ける記録材料は、光沢を付与するために受容層をキャスト処理したインクジェット記録材料が提案されている。キャスト塗被紙はカレンダー処理された印刷用塗被紙に比較して、高い光沢と平滑性を有し、優れた印刷品質が得られることから、高級印刷物等の用途に利用されているが、インクジェット記録材料に利用した場合、種々の問題を抱えている。即ち、一般にキャスト塗被紙は、その塗被層を構成する組成物中の成膜性物質がキャストコーターの鏡面ドラム表面形状を転写することにより高い光沢を得る。他方、この成膜性物質が成膜の際に塗被層の多孔性が失われ、インクジェット記録時のインクの吸収を極端に低下させる等の問題を抱えている。このインク吸収性を改善するには、キャスト塗被層がインクを容易に吸収できるようなポーラスな構造にしてやることが重要であり、そのためには成膜性物質である樹脂バインダーの量を減ずることが必須となる。成膜性物質の量を減らすと結果として白紙光沢が低下してしまい、インクジェット記録材料としての印字品質を低下することになる。以上のことから受容層をキャスト処理したインクジェット記録材料の光沢とインクジェット記録(印字)適性の両方を同時に満足させることが極めて困難である。
上記課題を解決すべく種々検討がなされている。例えば特開2005−225070号(特許文献1)、同2005−035277号(特許文献2)、同2004−195795号(特許文献3)特許第03375198号(特許文献4)公報等には印字濃度やインク吸収速度を高めたりコックリングを極力抑えるための提案などがなされている。しかしながら紙支持体にインクを吸収させるという手法を用いる記録材料ではインク吸収容量を良化させることはできてもコックリングを解消することは困難であり、印字濃度を非吸水性支持体を使用したインクジェット記録材料並みに高めることは更に困難である。これは、インクの色剤がインクの溶剤とともにどうしても紙の中に浸透してしまい印字濃度に寄与しないインク色剤の割合が高くなってしまうためである。また、コックリングを抑制するためにも画像記録時にインクの吐出量を制限する必要がある場合もあり、その場合には記録材料中に存在するインク色剤の絶対量も少なくなってしまう。従って印字濃度を非吸水性支持体を使用したインクジェット記録材料並み高めることは極めて困難であり、近年需要が高まっているフォトライクなインクジェット記録材料という用途ではまだ見劣りするのが現状である。
樹脂がラミネートされた紙や樹脂フィルム等の耐水性支持体上にインク受容層を設ける記録材料は、樹脂がインク受容層の塗布の際に塗布液を吸収し変形することがないため、インク受容層の塗布後に、キャスト処理などの表面処理を施すことなく、十分な光沢性および平滑性を得ることができる。インクの受容層には種々の構成が提案されているがインク受容層は2つのタイプに大別される。1つのタイプは水溶性ポリマーを主成分とするインク受容層であり、もう1つのタイプは無機顔料と樹脂バインダーを主成分とするインク受容層である。
前者のタイプのインク受容層は水溶性ポリマーが膨潤することによってインクを吸収するもので、膨潤タイプ(あるいはポリマータイプ)と呼ばれる。ポリマータイプのインク受容層は連続的な均一な被膜となるので光沢に優れるがインク吸収性(インク吸収速度;印字後の乾燥速度)が劣る。かかる欠点は近年のインクジェットプリンターの高速化・高画質化に伴い、時間あたり、あるいは面積あたりのインク量の増加に対して致命的な問題となっており対応することが難しい。
無機顔料と樹脂バインダーを主成分とするインク受容層は、空隙タイプと呼ばれインク吸収性は優れるが光沢が劣る傾向にある。近年、インク吸収性と光沢の両方に優れる記録材料が要望されており、顔料として極微細な無機微粒子を使用した空隙タイプの記録材料が提案されている。例えば、平均二次粒子径が500nm以下まで粉砕・分散した乾式法シリカや湿式法シリカ等をインク受容層の顔料として用いることが提案されている。例えば、特公平3−56552号公報に例示されるように乾式法シリカの使用例が挙げられ、特開平9−286165号公報には粉砕した沈降法シリカの使用例が特開2001−277712号公報には粉砕したゲル法シリカの使用例が開示されている。また、特開昭62−174183号公報にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。
しかし、上記したような無機微粒子を使用すると高い光沢が得られる反面、塗布乾燥時に風紋(乾燥ムラ)やひび割れ等の表面欠陥が発生しやすくなる。特に、耐水性支持体上にインク受容層を設けた場合、インク受容層以外がインクを吸収できないためインク受容層のインク吸収性が重要である。従って、インク受容層の空隙率及び空隙容量を高めるために、インク受容層は多量の顔料と低比率のバインダーで構成する必要があり、その結果インク受容層の塗布・乾燥時に風紋及びひび割れが益々発生しやすくなる問題を有する。
このような表面欠陥を防止するために、架橋剤を含む塗布液を支持体に塗布した後、乾燥を比較的穏やかな条件で行う方法が知られている。例えば、特開平10−119423号、特開2000−27093号、特開2001−96900号(特許文献5)公報等では、ポリビニルアルコールの架橋剤としてホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂等のホウ素化合物を用い、塗布液を塗布し一度冷却して塗布液の粘度を上昇させた後、比較的低温で乾燥する方法が開示されている。また、アルデヒド系化合物やエポキシ化合物、イソシアナート類等も検討されているが、架橋性とインクジェット用記録材料としての諸特性を両立することが難しく、現在まで、ホウ素化合物を凌駕する架橋剤は見出されていないのが実状である。しかし、ホウ素化合物を架橋剤として用いても、塗布・乾燥時の条件によってはしばしば塗膜に欠陥を生じ、わずかな乾燥温度変化で塗布故障が顕著になる場合があった。
一方で紙のような吸収性支持体に上記ホウ素化合物を架橋剤として含有する塗布した場合にひび割れといった塗布欠陥が生じる場合があり問題となっている。この原因として下記の2つを推測している。
吸水性の紙ベースでは、塗布直後に塗布液の水を吸収しその体積が大きくなる。この支持体中に吸収された水は乾燥時に蒸発していくため、支持体の体積はドライヤー内で縮小する。上記のような体積変化に比較的脆弱な塗層の強度が持ちこたえられなくなりひび割れが生じてしまうことが推測される。ホウ素化合物を架橋剤として用いた記録材料では塗膜が剛直になるため、脆弱になりやすいためである。
また一方で、上記塗布欠陥は乾燥温度だけではなく、塗布された塗布液から水が乾燥により除去されていくいわゆる乾燥速度によっても生じる場合がある。比較的低温でもドライヤー内の風量を極端に増加させた場合などにはひび割れといった塗布欠陥が生じる場合がある。紙のような吸収性支持体に塗布した場合には、支持体中に塗布直後から塗布液中の水が浸透してしまい、塗布液層から水が除去される速度が速くなりひび割れることも推測される。
これら吸水性支持体上に塗布されたインクジェット記録材料でも普通紙ライクな低光沢なものでは上記塗布欠陥が目立ちにくく問題にならない場合もあるが、フォトライクな高い光沢を有したインクジェット記録材料の場合には上記塗布欠陥は極めて目立ちやすく致命的な欠陥となる。
近年、環境負荷の観点で廃棄物の再資源化が製品に関しても重要な特性となっている。耐水性支持体上にインク受容層を設ける記録材料の場合、積層構成の塗布層間の剥離は事実上不可能である。つまり、フィルムあるいは樹脂のラミネート層は紙としての再資源化工程において資源として利用することも除去することも困難であり、再資源化が不可能な材料となり、環境負荷に関して好ましい構成とは言えない。
特開2005−225070号公報
特開2005−035277号公報
特開2004−195795号公報
特許第03375198号公報
特開2001−96900号公報
本発明の目的は、フォトライクな高い光沢と高いインク吸収性を有し、塗布乾燥時にひび割れが生じず、再資源化の適性を有するインクジェット記録材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
(1)支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記支持体の透気度が200秒以上であり、かつ前記支持体が基紙にコロイダルシリカとバインダーとを合わせて含有している下塗り層を設けたものであり、かつ該インク受容層が樹脂バインダーとホウ素化合物とを含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
(2) 前記コロイダルシリカ(A)とバインダー(B)との質量比A/Bが0.1〜5であることを特徴とする前記(1)記載のインクジェット記録材料。
(3)前記バインダーが高分子ラテックスであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のインクジェット記録材料。
(4)前記高分子ラテックスがスチレン−ブタジエン系共重合体またはスチレン−アクリル系共重合体、酢ビ−アクリル系共重合体、アクリル系共重合体、アクリル系重合体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録材料。
(5)前記ホウ素化合物が前記基紙上の下塗り層中にあらかじめ塗布されていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録材料の製造方法。
(6)前記基紙上の下塗り層を塗布し乾燥する際にバインダーである高分子ラテックスの最低造膜温度以上で乾燥させることを特徴とする前記(4)または(5)記載のインクジェット記録材料の製造方法。
(1)支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記支持体の透気度が200秒以上であり、かつ前記支持体が基紙にコロイダルシリカとバインダーとを合わせて含有している下塗り層を設けたものであり、かつ該インク受容層が樹脂バインダーとホウ素化合物とを含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
(2) 前記コロイダルシリカ(A)とバインダー(B)との質量比A/Bが0.1〜5であることを特徴とする前記(1)記載のインクジェット記録材料。
(3)前記バインダーが高分子ラテックスであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のインクジェット記録材料。
(4)前記高分子ラテックスがスチレン−ブタジエン系共重合体またはスチレン−アクリル系共重合体、酢ビ−アクリル系共重合体、アクリル系共重合体、アクリル系重合体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録材料。
(5)前記ホウ素化合物が前記基紙上の下塗り層中にあらかじめ塗布されていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録材料の製造方法。
(6)前記基紙上の下塗り層を塗布し乾燥する際にバインダーである高分子ラテックスの最低造膜温度以上で乾燥させることを特徴とする前記(4)または(5)記載のインクジェット記録材料の製造方法。
本発明によれば、フォトライクな高い光沢と高いインク吸収性を有し、かつインク受容層の塗布乾燥時にひび割れが生じず、再資源化の適性を有するインクジェット記録材料を得ることができる。
本発明は、支持体として基紙に下塗り層を設けた下塗り塗布紙(以降、単に支持体という)を用いる。本発明の支持体は、その透気度が200秒以上であり、好ましくは500〜3000秒であり、より好ましくは700〜2500秒である。
本発明における透気度は、紙パルプ技術協会規格のJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.5−2:2000(紙及び板紙 ―平滑度及び透気度試験方法― 第2部:王研法)に規定されている試験機を用いて測定した値(秒)を指す。
本発明の支持体は基紙に下塗り層を設けたものであり、ポリオレフィン樹脂被覆紙のような耐水性支持体と違って水が容易に浸透することから、塗布乾燥中に体積変化を生じやすくインク受容層のひび割れの原因となる場合がある。また、水が支持対中に容易に浸透することによりインク受容層から水が除去される速度が速くなり見かけの乾燥速度が速くなりひび割れを発生させる可能性がある。また、インク受容層の架橋剤やバインダーといった成分が水とともに支持体中に浸透する場合もありひび割れの原因となることも推測される。この課題は、支持体の透気度を200秒以上にすることによって解決することを見いだした。
本発明において、支持体の透気度を200秒以上にすることの作用効果について詳細に述べる。透気度とは、基材における空気の通過しやすさを表すものであり、空気に関わらず、流体一般の通過しやすさの指標となる。支持体の透気性を高くする(本発明の透気度においては、数値を小さくする)と支持体上に塗布された塗布液の支持体への浸透が起こりやすくなり、かかる場合架橋剤の浸透及びインク受容層のバインダー成分の浸透が起こるため、インク受容層にひび割れが発生しやすくなる。支持体の透気性を低くした場合(透気度の数値が高くなる)、インク受容層塗布液あるいは中間層塗布液の浸透が抑制され、かかる塗布液中のバインダー成分や架橋剤が支持体に浸透することなくインク受容層でひび割れの発生を防ぐことができる。
本発明において、支持体の透気度を200秒以上とする手段については、(1)下塗り層の塗布液の主成分を樹脂バインダーとしてかかる塗布液を基紙に含浸させる方法、(2)下塗り層の塗布液の主成分を樹脂バインダーあるいは樹脂バインダーと顔料とし、かかる塗布液を基紙に塗布する方法がある。また、含浸・塗布操作に加えて、カレンダー処理、キャスト処理により、下塗り層の空隙を減じる手段を併用することもできる。
基紙にバインダーを含浸させる方法としては、インクラインサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、トランスファーロールサイズプレス、シムサイズプレス、ビルブレードサイズプレスなどのサイズプレスマシン、ダブルロール、タブ、ロール−ロッドなどの含浸装置で、基紙に比較的に低粘度のバインダー溶解液やエマルションを塗布・浸透させる方法を挙げることができる。バインダーあるいは顔料とバインダーの混合物を塗布する方法としては、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、マイクログラビアコーター、スリーロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、エクストルージョンバーコーター、ボックスブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、ダイコーターなどを挙げることができる。
下塗り層として含浸あるいは塗布するバインダーとしては、水溶性ポリマーもしくは親水性コロイド、高分子ラテックスが適している。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマー、ザンサンガム等の多糖類、カゼインなどを挙げることができ、高分子ラテックスとして、石油樹脂エマルション、特開昭55−4027号公報、特開平1−180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルションもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体の高分子ラテックスを挙げることができる。
下塗り層として含浸あるいは塗布するバインダーとしては、上記の中でも高分子ラテックスを好ましく用いることができる。中でも最低造膜温度が40℃以下である高分子ラテックスをより好ましく用いることができる。最低造膜温度とは最低成膜温度ともいわれ、MFTの略号で記される場合もある。高分子ラテックスを乾燥させる際に、MFT未満の温度下で乾燥させた場合にはフィルムは形成されず粉末のみが生成する。一方MFT以上の温度で乾燥された高分子ラテックスは透明な連続膜が形成される。この最低造膜温度は各高分子ラテックスの重要な物性の一つである。一方ガラス転移温度も高分子ラテックスの性質を示す重要な数値であるが、これは高分子ラテックスを構成する分子鎖の運動の自由度を表している。これら分子鎖の配列がガラス状からゴム状(もしくはその逆)に変化する温度がガラス転移温度であり、厳密に言えば連続膜を形成する温度ではない。しかしながら分子鎖の移動度が大きく変化する温度であるため、ガラス転移温度はMFTに大きな影響を与える。
この膜が上記透気度200秒以上を達せさせるために必要であり、下塗り層を含浸あるいは塗布後乾燥する工程で最低造膜温度以上に加熱する必要がある。しかしながら下塗り液が乾燥する際には下塗り液中の水等の溶媒成分が気化乾燥するにあたり気化熱を必要とする。従って乾燥中に該高分子ラテックスの膜をあわせて形成させるためには乾燥中の紙面温度を最低造膜温度以上にする必要がある。その観点から最低造膜温度が40℃以下である高分子ラテックスを使用することは、比較的低温で十分な膜を得られることから本発明ではより好ましく用いられる。
本発明における基紙上の下塗り層はコロイダルシリカを含有している。これは、上記基紙上の下塗り層に含有されているバインダーは水分や巻き取り時の圧力(巻き取りテンション)の影響によりブロッキングを起こす場合があり、そのブロッキングを抑制するためである。特にエマルション、ラテックスをバインダーとして使用した場合には上記ブロッキングが起こりやすく、更に、ホウ酸等の架橋剤を該下塗り層へ添加した場合にはインク受容層中への架橋剤の拡散が起こりにくくなり、ひび割れの原因となる。
このようなブロッキングを抑制させる手法としては、数ミクロン以上の大粒径粒子を添加させ、基紙の下塗り層の面とその裏面との接触面積を減少させることが一般的であるが、ブロッキング抑制効果を得るためにはある程度の添加量が必要であり、その添加量では支持体としての光沢が低下してしまうため好ましくない。またその後のインク受容層の塗布工程を勘案した際に、上記大粒径粒子の欠落が起こる可能性があり好ましくない。また、巻き取りテンションを低下させることによりブロッキングを回避することは可能であるが、低テンションのために巻き姿が乱れる巻きゆるみが容易に発生する。巻き姿が崩れていない場合には巻き取りは円筒状の形状をしているが、乱れた場合にはタケノコを横向きに置いたような姿となる。巻き取りは通常、そのままの形で次工程に移るが、乱れた巻き姿では再度の塗布や裁断工程はもとより運搬でさえ容易に行えなくなり、生産性が著しく低下する。
それに対してコロイダルシリカを基紙上の下塗り層に含有させた際には、下塗り層の膜自体が再度軟化しにくくなりブロッキングを抑制することができる。また、前述した下塗り層中の架橋剤のインク受容層への拡散も容易となり好ましい。一般にコロイダルシリカは数十〜数百nm程度の粒子径を有しており、支持体としての光沢を低下させることはなく上記ブロッキング及び架橋剤の拡散という課題には有効である。
本発明における基紙上の下塗り層に含有されるコロイダルシリカはゾル法シリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。コロイダルシリカには、アニオン性のものとカチオン変性させたものとがある。本発明には、いずれのコロイダルシリカも用いることができるが、基紙上の下塗り層のバインダーのイオン性と同一であることが好ましい。該バインダーがノニオン性の場合にはいずれの電荷を有したコロイダルシリカも用いることができる。また、該コロイダルシリカのpHに関しては、負の表面電位を有してアルカリ性であるもの、負の表面電位を有して酸性であるもの、正の表面電位を有して酸性であるものなどがあるが、バインダーとの組み合わせ次第でいずれのものも使用することができる。またコロイダルシリカは種々の凝集形態を有したものが市販されている。例えば日産化学工業(株)からスノーテックスUPとして市販されている、一次粒子が直鎖状に配列した凝集構造を有するものやスノーテックスPSシリーズのように一次粒子が数珠状の凝集構造を有するものなどが挙げられる。これら二次粒子として安定状態を持つコロイダルシリカも本発明は使用することができる。
本発明における基紙上の下塗り層に含有されるコロイダルシリカの好ましい平均粒子径は、10〜300nmであり、より好ましくは10〜120nmである。
本発明における基紙上の下塗り層に含有されるコロイダルシリカ(A)とバインダー(B)との比A/Bは0.1〜5の範囲である。0.1よりも小さい場合にはブロッキング抑制効果が得られない。また、5よりも大きい場合には透気度が低下してしまう場合があるのでいずれも好ましくない。該バインダーとコロイダルシリカとの比は0.2〜4.0の範囲が好ましく、0.4〜2.0の範囲がより好ましい。
本発明における基紙上の下塗り層にはコロイダルシリカの他に炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、活性白土、カオリン、タルク、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、水酸化アルミニウムなどといった顔料をあわせて用いることができる。
下塗り層において、バインダーと上記顔料の比率に関し、コロイダルシリカと他の顔料(A)のバインダー(B)に対する質量比率A/Bは、好ましくは0〜3の範囲であり、より好ましくは、0〜2.5であり、特に好ましくは0〜2の範囲である。
下塗り層の塗布量は、好ましくは0.6〜30g/m2の範囲であり、より好ましくは、1〜20g/m2の範囲であり、特に好ましくは、2〜15g/m2の範囲である。
本発明のインク受容層に用いられる平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、インク吸収性と生産性の点で非晶質合成シリカ、アルミナ又はアルミナ水和物が好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、乾式法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソーシリカ(株)からニップジェルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販さている。
乾式法シリカは、気相法シリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明には、特に気相法シリカが好ましく使用できる。本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、15nm以下が好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いることである。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均粒子径を求めたものであり、本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散するのが好ましい。分散された気相法シリカの平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは10〜300nm、更に好ましくは20〜200nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡で観察することにより、観察される分散された凝集粒子の粒子径の平均値を求めたものである。
本発明では、平均二次粒子径500nm以下に粉砕した湿式法シリカも好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均凝集粒子径が5〜50μmである湿式法シリカ粒子が好ましく、これをカチオン性化合物の存在下で平均二次粒子径500nm以下、好ましくは20〜200nm程度まで微粉砕した湿式法シリカ微粒子を使用することが好ましい。
通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均凝集粒子径を有するため、これを微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。この際、分散液の初期粘度上昇が抑制され、高濃度分散が可能となり、粉砕・分散効率が上昇してより微粒子に粉砕することができることから、吸油量が210ml/100g以下、平均凝集粒子径5μm以上の沈降法シリカを使用することが好ましい。高濃度分散液を使用することによって、記録用紙の生産性も向上する。吸油量は、JIS K−5101の記載に基づき測定される。
本発明における平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子を得る具体的な方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕し、平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、特開昭59−33176号、特開昭59−33177号、特開昭59−155088号、特開昭60−11389号、特開昭60−49990号、特開昭60−83882号、特開昭60−109894号、特開昭2−198493号、特開昭63−49478号、特開昭63−115780号、特開昭63−280681号、特開平1−40371号、特開平6−234268号、特開平7−125411号、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオンポリマーの分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。
本発明に使用するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで粉砕したものが使用できる。
本発明のアルミナ水和物はAl2O3・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸、塩酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明のインク受容層において、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子の含有量は、インク受容層の全固形分に対して50質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上がより好ましく、特に65〜92質量%の範囲が好ましい。
本発明におけるインク受容層は、皮膜としての特性を維持するために樹脂バインダーを有している必要がある。この樹脂バインダーとしては、公知の各種バインダーを用いることができるが、インクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用にあたっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したもので、皮膜形成性及び皮膜脆弱性を改良する観点から平均重合度200〜5000、好ましくは500〜4000のものが用いられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
本発明のインク受容層には上記樹脂バインダーに加えて、更に他の公知の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイド、エマルション、ラテックス等を使用しても良い。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマー、ザンサンガム等の多糖類、カゼイン、キトサンなどを挙げることができ、エマルション、ラテックスとして、石油樹脂エマルション、特開昭55−4027号公報、特開平1−180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルションもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルションもしくはラテックスを挙げることができる。これらバインダーの添加量はポリビニルアルコールに対して20重量%以下であることが好ましい。インク受容層中の樹脂バインダーの合計使用量としてはインク受容層中の無機微粒子の固形分に対して、50重量%以下、好ましくは1〜30重量%の範囲である。
本発明において、インク受容層のひび割れを抑制する目的でインク受容層中の樹脂バインダーを架橋剤で架橋する必要がある。塗布乾燥中に生じるひび割れを抑制するためには、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸塩等のホウ素化合物が適している。該ホウ素化合物はインク受容層中の樹脂バインダー及び無機微粒子と相互作用を持つ。上記3つの要素を含有する混合液を冷却すると速やかに粘度が上昇しドライヤー内で風が当たっても塗布面が乱れないようになる。また、その後比較的低温で乾燥するとひび割れのない塗布面を得ることができる。またインク受容層の乾燥後はインクジェット記録材料としては十分満足できる耐水性を有している。このような温度−粘度の特性を有し、かつ十分な耐水性を有していることから本発明におけるインク受容層中の樹脂バインダーの架橋剤の少なくとも一種はホウ素化合物である必要がある。
本発明において使用される樹脂バインダーの架橋剤は、製造時には塗布層中のいずれの層に含まれていてもよい。しかしインク受容層中の樹脂バインダーを架橋するためにインク受容層中に含まれているか、拡散して含有されるようになる必要がある。従ってインク受容層中もしくは基紙上の下塗り層中に含有されていることが好ましい。一方で、架橋剤層を新たに設けて塗布することもできる。その際には基紙上の下塗り層よりも上にある必要があり、該下塗り層とインク受容層との間もしくはインク受容層の上に塗布されることが好ましい。該架橋剤層の塗布のタイミングは、ひび割れ防止の観点からインク受容層塗布液が塗布される前〜塗布されたインク受容層がドライヤー内で減率乾燥域に入る前までのタイミングである必要がある。減率乾燥域に入ってしまうとひび割れが生じ始めてしまうためである。また、インク受容層塗布液が塗布される前〜塗布されたインク受容層がドライヤーに入る前であることが好ましい。
架橋剤を含有する架橋剤層を支持体上に設ける態様については、支持体上に架橋剤層を塗布し乾燥した後にインク受容層を塗布する方法、または架橋剤層を塗布した後に架橋剤層が未乾燥の状態でインク受容層をタンデム塗布(塗布と塗布の間にウェブの巻き取り工程は含まず、同一ライン上で連続して2つの塗布をする方式)する方法がある。
架橋剤層には必要に応じてバインダーを含有させていてもよい。該架橋剤層のバインダーとしては親水性バインダーであることが好ましい。かかる親水性バインダーとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スチレンと無水マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、多糖類等が挙げられる。
また本発明には、耐水性、ドット再現性を向上させる目的で適当な第2の架橋剤を更に使用することもできる。第2の架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンのようなケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載のような反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載のような反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載のようなN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載のようなイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載のようなアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載のようなカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載のようなエポキシ化合物、ムコクロル酸のようなハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンのようなジオキサン誘導体、クロム明ばん、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウムのようなジルコニウム化合物、乳酸チタンのようなチタン化合物、のような無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。架橋剤の添加量はインク受容層中の樹脂バインダーに対して0.01〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜40重量%である。
更に、皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有していてもよいが、そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)などが挙げられる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して3〜50重量%の範囲で用いることができる。
またインク受容層中にはインク中の色材の定着性を上げ、発色性を更に向上させるために、カチオン性物質を含有させることが好ましい。カチオン性物質としては、例えばカチオン性ポリマーや水溶性金属化合物が挙げられる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、特開昭59−33176号、特開昭59−33177号、特開昭59−155088号、特開昭60−11389号、特開昭60−49990号、特開昭60−83882号、特開昭60−109894号、特開昭62−198493号、特開昭63−49478号、特開昭63−115780号、特開昭63−280681号、特開平1−40371号、特開平6−234268号、特開平7−125411号、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらカチオン性ポリマーの分子量は5,000以上が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。
これらのカチオン性ポリマーの使用量は気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物等の無機微粒子に対して1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%である。
本発明に用いられる水溶性金属化合物として、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられる。カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、蟻酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、蟻酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、フェノールスルフォン酸ニッケル、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、フェノールスルフォン酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、リンタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリン酸n水和物等が挙げられる。これらの中にはpHが不適当に低いものもあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明において水溶性とは、常温常圧下で水に1重量%以上溶解することを目安とする。
本発明において、上記水溶性金属化合物のインク受容層中の含有量は、無機微粒子に対して0.1〜10重量%が好ましく、更に好ましくは1〜7重量%である。
本発明のインク受容層には、表面張力の調整のために界面活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はカチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいずれのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のものでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク受理層塗液中に添加するが、界面活性剤の添加量はインク受容層塗液に対して0.001〜10重量%が好ましい。
本発明において、インク受容層には、更に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
インク受容層の乾燥塗布量は、12〜55g/m2の範囲が好ましく、15〜50g/m2の範囲がより好ましく、特に20〜45g/m2の範囲が好ましい。インク受容層には更に、カチオン性ポリマー、防腐剤、界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などを添加することもできる。
本発明のインクジェット記録材料を得るための製造方法について説明する。本発明の一つの態様である、支持体を構成する下塗り層に架橋剤を含有させる場合は、架橋剤を含有する下塗り層を基紙に含浸もしくは塗布し、乾燥して支持体を作製し、該支持体上にインク受容層を塗布する。
架橋剤を含有する架橋剤層を支持体上に設ける態様については、支持体上に中間層を塗布し乾燥した後にインク受容層を塗布する方法、または架橋剤層を塗布した後に架橋剤層が未乾燥の状態でインク受容層をタンデム塗布(塗布と塗布の間にウェブの巻き取り工程は含まず、同一ライン上で連続して2つの塗布をする方式)する方法がある。
塗布方式に関しては、インク受容層、架橋剤層ともに、スライドビードコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、エアナイフコーター、グラビアロールコーター、スリーロールコーター、ブレードコーター、リップコーター、ボックスブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター等を用いることができる。
本発明において、下塗り層もしくは架橋剤層に含有する架橋剤は、インク受容層の塗布乾燥時にインク受容層に拡散する。従って、下塗り層あるいは架橋剤層における架橋剤の上述した添加量は、塗布液の製造時における添加量を意味するものであって、塗布乾燥して出来上がったインクジェット記録材料における含有量を意味するものではない。
本発明に用いられる基紙は、通常の天然パルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましい。また、天然パルプと合成パルプ、合成繊維とからなる混抄紙でもよい。それらの天然パルプとしては、特開昭58−37642号公報、特開昭60−67940号公報、特開昭60−69649号公報、特開昭61−35442号公報等に記載もしくは例示してあるような適切に選択された天然パルプを用いるのが有利である。天然パルプは塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理並びにアルカリ抽出もしくはアルカリ処理および必要に応じて過酸化水素、酸素などによる酸化漂白処理など、およびそれらの組み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが有利に用いられ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなどの各種のものを用いることができる。これらの基紙の坪量は、50〜250g/m2の範囲のものが好ましく使用される。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部は固形分換算における質量部を、%は質量%をそれぞれ示す。
《記録シート1の作製》
<支持体1の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をカナディアン スタンダード フリーネスで320mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.35%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ0.8%、カチオン化澱粉を対パルプ1.7%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.35%添加し、水で希釈して1.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量150g/m2になるように抄造し、乾燥調湿して基紙とした。
<支持体1の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をカナディアン スタンダード フリーネスで320mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.35%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ0.8%、カチオン化澱粉を対パルプ1.7%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.35%添加し、水で希釈して1.2%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量150g/m2になるように抄造し、乾燥調湿して基紙とした。
得られた基紙に、下記の下塗り層塗布液1(固形分濃度29.4%)を、乾燥後の塗布量が3.6g/m2になるように、ブレードコーターを用いて塗布し、160℃にて乾燥し支持体1を得た。得られた支持体の透気度は表1に記した。
<下塗り層塗布液1>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
上記で作製した支持体1に、下記のインク受容層塗布液1を固形分の塗布量が25g/m2になるようにスライドビード塗布方式により塗布し、すぐに3℃で20秒間冷却して塗布液をゲル化させ、次いで30℃、及び40℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、記録シート1を得た。
<シリカ分散液1の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し予備分散液1を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液1を作製した。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し予備分散液1を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液1を作製した。
<インク受容層塗布液1>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
エタノール (塗液の総質量に対して) 5%
ホウ酸 4部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニウム 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
エタノール (塗液の総質量に対して) 5%
ホウ酸 4部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニウム 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
シリカ分散液1と水に溶解した他の薬品を40℃で混合して、固形分濃度が12%のインク受容層塗布液1を作製した。
《記録シート2の作製》
<支持体2の作製>
上記下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液2(固形分濃度24.7%)とし、乾燥後のバインダーとコロイダルシリカとの塗布量が3.6g/m2となるようにした以外は支持体1と同様にして支持体2を作製した。
<支持体2の作製>
上記下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液2(固形分濃度24.7%)とし、乾燥後のバインダーとコロイダルシリカとの塗布量が3.6g/m2となるようにした以外は支持体1と同様にして支持体2を作製した。
<下塗り層塗布液2>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
ホウ酸 80部
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
ホウ酸 80部
上記記録シート1において、支持体1を支持体2に変更し、インク受容層塗布液1を下記インク受容層塗布液2に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート2を作製した。
<インク受容層塗布液2>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
エタノール (塗液の総質量に対して) 5%
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニウム 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
エタノール (塗液の総質量に対して) 5%
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニウム 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
《記録シート3の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液3(固形分濃度33.9%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート3を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液3(固形分濃度33.9%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート3を作製した。
<下塗り層塗布液3>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 50部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 50部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
《記録シート4の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液4(固形分濃度23.9%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート4を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液4(固形分濃度23.9%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート4を作製した。
<下塗り層塗布液4>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 300部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 300部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
《記録シート5の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液5(固形分濃度45.1%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート5を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液5(固形分濃度45.1%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート5を作製した。
<下塗り層塗布液5>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径40〜50nm、固形分濃度40.5%)
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径40〜50nm、固形分濃度40.5%)
《記録シート6の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液6(固形分濃度28.8%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート6を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液6(固形分濃度28.8%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート6を作製した。
<下塗り層塗布液6>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+20℃、固形分濃度49.6%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+20℃、固形分濃度49.6%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
《記録シート7の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液7(固形分濃度28.9%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート7を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液7(固形分濃度28.9%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート7を作製した。
<下塗り層塗布液7>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+31℃、固形分濃度50.3%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+31℃、固形分濃度50.3%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
《記録シート8の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液8(固形分濃度28.5)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート8を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液8(固形分濃度28.5)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート8を作製した。
<下塗り層塗布液8>
スチレン−アクリルラテックス 100部
(アニオン性、最低造膜温度+25℃、固形分濃度48%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
スチレン−アクリルラテックス 100部
(アニオン性、最低造膜温度+25℃、固形分濃度48%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
《記録シート9の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液9(固形分濃度28.6%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート9を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液9(固形分濃度28.6%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート9を作製した。
<下塗り層塗布液9>
アクリルラテックス 100部
(アニオン性、最低造膜温度0℃以下、固形分濃度48.3%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
アクリルラテックス 100部
(アニオン性、最低造膜温度0℃以下、固形分濃度48.3%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
《記録シート10の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液10(固形分濃度28.7%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート10を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液10(固形分濃度28.7%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート10を作製した。
<下塗り層塗布液10>
スチレン−アクリルラテックス 100部
(アニオン性、最低造膜温度+8℃、固形分濃度49.1%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
スチレン−アクリルラテックス 100部
(アニオン性、最低造膜温度+8℃、固形分濃度49.1%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
《記録シート11の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液11(固形分濃度28.8%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート11を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液11(固形分濃度28.8%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート11を作製した。
<下塗り層塗布液11>
酢酸ビニル−アクリルラテックス 100部
(カチオン性、最低造膜温度+2℃、固形分濃度46%)
コロイダルシリカ 100部
(カチオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度21%)
酢酸ビニル−アクリルラテックス 100部
(カチオン性、最低造膜温度+2℃、固形分濃度46%)
コロイダルシリカ 100部
(カチオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度21%)
《記録シート12の作製》
<支持体3の作製>
支持体1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液12(固形分濃度28.8%)に変更した以外は支持体1と同様にして支持体3を作製した。その際、下塗り層塗布終了後の支持体に貼り付きが発生したため、巻き取りテンションを低下させて支持体作製を継続した。低巻き取りテンション下では貼り付きは発生しなかったが、支持体運搬時に巻き姿が乱れ実生産では適応できない状態となった。
<支持体3の作製>
支持体1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液12(固形分濃度28.8%)に変更した以外は支持体1と同様にして支持体3を作製した。その際、下塗り層塗布終了後の支持体に貼り付きが発生したため、巻き取りテンションを低下させて支持体作製を継続した。低巻き取りテンション下では貼り付きは発生しなかったが、支持体運搬時に巻き姿が乱れ実生産では適応できない状態となった。
<下塗り層塗布液12>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
記録シート1において支持体1を支持体3に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート12を作製した。
《記録シート13の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液13(固形分濃度22.1%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート13を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液13(固形分濃度22.1%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート13を作製した。
<下塗り層塗布液13>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 650部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 650部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
《記録シート14の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液14(固形分濃度41.6%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート14を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液14(固形分濃度41.6%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート14を作製した。
<下塗り層塗布液14>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 650部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径40〜50nm、固形分濃度40.5%)
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 650部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径40〜50nm、固形分濃度40.5%)
《記録シート15の作製》
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液15(固形分濃度22%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート15を作製した。
記録シート1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液15(固形分濃度22%)に変更した以外は記録シート1と同様にして記録シート15を作製した。
<下塗り層塗布液15>
スチレン−アクリルラテックス 100部
(アニオン性、最低造膜温度+8℃、固形分濃度49.1%)
コロイダルシリカ 650部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
スチレン−アクリルラテックス 100部
(アニオン性、最低造膜温度+8℃、固形分濃度49.1%)
コロイダルシリカ 650部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
《記録シート16の作製》
<支持体4の作製>
支持体1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液16(固形分濃度49.1%)に変更した以外は支持体1と同様にして支持体4を作製した。その際、下塗り層塗布終了後の支持体に貼り付きが発生したため、巻き取りテンションを低下させて支持体作製を継続した。低巻き取りテンション下では貼り付きは発生しなかったが、支持体運搬時に巻き姿が乱れ実生産では適応できない状態となった。
<支持体4の作製>
支持体1において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液16(固形分濃度49.1%)に変更した以外は支持体1と同様にして支持体4を作製した。その際、下塗り層塗布終了後の支持体に貼り付きが発生したため、巻き取りテンションを低下させて支持体作製を継続した。低巻き取りテンション下では貼り付きは発生しなかったが、支持体運搬時に巻き姿が乱れ実生産では適応できない状態となった。
<下塗り層塗布液16>
スチレン−アクリルラテックス 100部
(アニオン性、最低造膜温度+8℃、固形分濃度49.1%)
スチレン−アクリルラテックス 100部
(アニオン性、最低造膜温度+8℃、固形分濃度49.1%)
得られた各々のインクジェット記録材料について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。尚、インク受容層のシリカ微粒子の平均二次粒子径は、シリカ分散液1を用いたものはいずれも80nmであった。
<ひび割れの評価>
インク受容層の表面を観察し、以下の基準で評価した。
○:ひび割れが全くなく、均一な塗布面である。
△:目視では判別し難いくらいの小さいひび割れが発生している。
×:目視で明らかに判別できる大きなひび割れが発生している。
インク受容層の表面を観察し、以下の基準で評価した。
○:ひび割れが全くなく、均一な塗布面である。
△:目視では判別し難いくらいの小さいひび割れが発生している。
×:目視で明らかに判別できる大きなひび割れが発生している。
<白紙光沢>
記録材料の印字前の白紙部光沢感を斜光で観察し、下記の基準で評価した。
○:高い光沢感がある。
×:光沢感がない。
記録材料の印字前の白紙部光沢感を斜光で観察し、下記の基準で評価した。
○:高い光沢感がある。
×:光沢感がない。
<インク吸収性>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PM−880C)にて、レッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:全く転写しない。
△:印字部全体に薄い転写が観察される。
×:印字部全体に濃い転写が観察される。
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PM−880C)にて、レッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:全く転写しない。
△:印字部全体に薄い転写が観察される。
×:印字部全体に濃い転写が観察される。
<塗布欠陥>
記録材料を100m2作製した時に、3mm以上の部分欠陥及び塗布ムラの発生状況を目視にて観察し、下記基準にて比較した。なお、記録材料表面に元々ひび割れが発生しているものについては評価しなかった(表には−で示す)。
○:部分欠陥が1個以下であり、塗布ムラも全くないか、あるいは塗布幅方向に対して5%未満のごくわずかなレベルである。
△:部分欠陥が2〜10個の範囲であるか、または塗布ムラが塗布幅方向に対して5%以上20%未満の幅で確認される。
×:部分欠陥が11個以上であるか、または塗布ムラが塗布幅方向に対して20%以上の幅で確認される。
記録材料を100m2作製した時に、3mm以上の部分欠陥及び塗布ムラの発生状況を目視にて観察し、下記基準にて比較した。なお、記録材料表面に元々ひび割れが発生しているものについては評価しなかった(表には−で示す)。
○:部分欠陥が1個以下であり、塗布ムラも全くないか、あるいは塗布幅方向に対して5%未満のごくわずかなレベルである。
△:部分欠陥が2〜10個の範囲であるか、または塗布ムラが塗布幅方向に対して5%以上20%未満の幅で確認される。
×:部分欠陥が11個以上であるか、または塗布ムラが塗布幅方向に対して20%以上の幅で確認される。
<インク受容層の耐水性>
記録材料表面に水滴を落とし、1分間放置後表面を擦り表面状態を観察した。なお、記録材料表面に元々ひび割れが発生しているものに関しては測定を行わなかった(表には−で示す)。
○:変化なし。
△:インク受容層の一部が削り取られ、光沢が低下した状態となる。
×:インク受容層の大部分が削り取られた状態となる。
記録材料表面に水滴を落とし、1分間放置後表面を擦り表面状態を観察した。なお、記録材料表面に元々ひび割れが発生しているものに関しては測定を行わなかった(表には−で示す)。
○:変化なし。
△:インク受容層の一部が削り取られ、光沢が低下した状態となる。
×:インク受容層の大部分が削り取られた状態となる。
<記録材料の離解性>
記録材料を、記録材料の重量の100倍の水中に浸し、再生紙離解用ミキサーにて、1分間、破砕・混合し、75メッシュのステンレス網にて抄きとって、離解性を観察した。
○:離解が十分で、再利用可能である。
△:部分的に結着セグメントが観察され、再利用のためにはセグメント除去は必要。
×:未離解部分が多く、再利用が困難あるいは不可能。
記録材料を、記録材料の重量の100倍の水中に浸し、再生紙離解用ミキサーにて、1分間、破砕・混合し、75メッシュのステンレス網にて抄きとって、離解性を観察した。
○:離解が十分で、再利用可能である。
△:部分的に結着セグメントが観察され、再利用のためにはセグメント除去は必要。
×:未離解部分が多く、再利用が困難あるいは不可能。
本発明では、ひび割れの発生等の塗布欠陥がなく、白紙光沢の低下を招くことなく、また、良好なインク吸収性を有し、離解性を確保することができる。
《記録シート21の作製》
<シリカ分散液2の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と沈降法シリカ(吸油量200ml/100g、平均一次粒子径16nm、平均凝集粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液2を作製した。次に得られた予備分散液2をビーズミルで処理して、固形分濃度30%のシリカ分散液2を得た。
<シリカ分散液2の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と沈降法シリカ(吸油量200ml/100g、平均一次粒子径16nm、平均凝集粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液2を作製した。次に得られた予備分散液2をビーズミルで処理して、固形分濃度30%のシリカ分散液2を得た。
<インク受容層塗布液3>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 50部
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 50部
エタノール (塗液の総質量に対して) 5%
ホウ酸 4部
ポリビニルアルコール 18部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニウム 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 50部
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 50部
エタノール (塗液の総質量に対して) 5%
ホウ酸 4部
ポリビニルアルコール 18部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニウム 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
シリカ分散液1及び2と水に溶解した他の薬品を40℃で混合して、固形分濃度が18%の上記インク受容層塗布液3を作製した。
上記実施例1で作製した支持体1に、上記のインク受容層塗布液3を固形分の塗布量が28g/m2になるようにスライドビード塗布方式により塗布し、すぐに3℃で20秒間冷却して塗布液をゲル化させ、次いで30℃、及び40℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、記録シート21を得た。
《記録シート22の作製》
記録シート21において下塗り層塗布液1を上記下塗り層塗布液2に変更した、かつインク受容層塗布液3を下記インク受容層塗布液4に変更した以外は記録シート21と同様にして記録シート22を作製した。
記録シート21において下塗り層塗布液1を上記下塗り層塗布液2に変更した、かつインク受容層塗布液3を下記インク受容層塗布液4に変更した以外は記録シート21と同様にして記録シート22を作製した。
<インク受容層塗布液4>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 50部
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 50部
エタノール (塗液の総質量に対して) 5%
ポリビニルアルコール 18部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニウム 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 50部
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 50部
エタノール (塗液の総質量に対して) 5%
ポリビニルアルコール 18部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
酢酸ジルコニウム 3部
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
《記録シート23の作製》
記録シート21において上記下塗り層塗布液1前記下塗り層塗布液8に変更した以外は記録シート21と同様にして記録シート23を作製した。
記録シート21において上記下塗り層塗布液1前記下塗り層塗布液8に変更した以外は記録シート21と同様にして記録シート23を作製した。
《記録シート24の作製》
記録シート21において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液13に変更した以外は記録シート21と同様にして記録シート24を作製した。
記録シート21において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液13に変更した以外は記録シート21と同様にして記録シート24を作製した。
《記録シート25の作製》
記録シート21において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液17に変更した以外は記録シート21と同様にして記録シート25を作製した。
記録シート21において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液17に変更した以外は記録シート21と同様にして記録シート25を作製した。
<下塗り層塗布液17>
スチレン−アクリルラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+25℃、固形分濃度48%)
コロイダルシリカ 650部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
スチレン−アクリルラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+25℃、固形分濃度48%)
コロイダルシリカ 650部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
得られた各々のインクジェット記録材料について実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。尚、シリカ分散液2の平均二次粒子径は、100nmであった。
本発明では、無機微粒子を変更しても、ひび割れの発生等の塗布欠陥がなく、白紙光沢の低下を招くことなく、また、良好なインク吸収性を有し、離解性を確保することができる。
《記録シート31の作製》
<アルミナ水和物分散液の作製>
水に硝酸(1.5部)と擬ベーマイト(平均一次粒子径14nm)とを添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を使用して、固形分濃度32%のアルミナ水和物分散液を作製した。
<アルミナ水和物分散液の作製>
水に硝酸(1.5部)と擬ベーマイト(平均一次粒子径14nm)とを添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を使用して、固形分濃度32%のアルミナ水和物分散液を作製した。
<インク受容層塗布液5>
アルミナ水和物分散液 (アルミナ水和物として) 100部
酢酸 0.3部
エタノール (塗液の総質量に対して) 1%
ホウ酸 0.2部
ポリビニルアルコール 10部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
アルミナ水和物分散液 (アルミナ水和物として) 100部
酢酸 0.3部
エタノール (塗液の総質量に対して) 1%
ホウ酸 0.2部
ポリビニルアルコール 10部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
アルミナ水和物分散液と水に溶解した他の薬品を40℃で混合して、固形分濃度が22%の上記インク受容層塗布液5を作製した。
上記実施例1で作製した支持体1に、前記のインク受容層塗布液5を固形分の塗布量が35g/m2になるようにスライドビード塗布方式により塗布し、すぐに3℃で20秒間冷却して塗布液をゲル化させ、次いで30℃、及び40℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、記録シート31を得た。
《記録シート32の作製》
記録シート31において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液18に変更し、インク受容層塗布液5を下記インク受容層塗布液6に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート32を作製した。
記録シート31において下塗り層塗布液1を下記下塗り層塗布液18に変更し、インク受容層塗布液5を下記インク受容層塗布液6に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート32を作製した。
<下塗り層塗布液18>
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
ホウ酸 10部
スチレン−ブタジエンラテックス 100部
(ノニオン性、最低造膜温度+10℃、固形分濃度51%)
コロイダルシリカ 100部
(アニオン性、酸性タイプ、一次粒子径10〜20nm、固形分濃度20.3%)
ホウ酸 10部
<インク受容層塗布液6>
アルミナ水和物分散液 (アルミナ水和物として) 100部
酢酸 0.3部
エタノール (塗液の総質量に対して) 1%
ポリビニルアルコール 10部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
アルミナ水和物分散液 (アルミナ水和物として) 100部
酢酸 0.3部
エタノール (塗液の総質量に対して) 1%
ポリビニルアルコール 10部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
ベタイン性界面活性剤 0.4部
《記録シート33の作製》
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液5に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート33を作製した。
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液5に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート33を作製した。
《記録シート34の作製》
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液7に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート34を作製した。
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液7に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート34を作製した。
《記録シート35の作製》
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液8に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート35を作製した。
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液8に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート35を作製した。
《記録シート36の作製》
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液10に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート36を作製した。
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液10に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート36を作製した。
《記録シート37の作製》
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液11に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート37を作製した。
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液11に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート37を作製した。
《記録シート38の作製》
記録シート31においてインク受容層塗布液5を前記インク受容層塗布液6に変更し、かつ該インク受容層塗布液を塗布する前に下記架橋剤層塗布液1をロッドバーコーターにて支持体上に塗布後、乾燥させずに直ちにインク受容層塗布液6をスロットダイコーターにて塗布した以外は記録シート31と同様にして記録シート38を作製した。
記録シート31においてインク受容層塗布液5を前記インク受容層塗布液6に変更し、かつ該インク受容層塗布液を塗布する前に下記架橋剤層塗布液1をロッドバーコーターにて支持体上に塗布後、乾燥させずに直ちにインク受容層塗布液6をスロットダイコーターにて塗布した以外は記録シート31と同様にして記録シート38を作製した。
<架橋剤層塗布液1>
ホウ酸 100部
ベタイン性界面活性剤 0.2部
ホウ酸 100部
ベタイン性界面活性剤 0.2部
上記薬品の固形分濃度が0.5%となるように調整し架橋剤層塗布液1を作製した。そしてホウ酸の固形分塗布量が0.06g/m2となるように塗布した。
《記録シート39の作製》
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液13に変更した以外は記録シート31と同様にして、記録シート39を作製した。
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液13に変更した以外は記録シート31と同様にして、記録シート39を作製した。
《記録シート40の作製》
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液16に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート40を得た。
記録シート31において下塗り層塗布液1を前記下塗り層塗布液16に変更した以外は記録シート31と同様にして記録シート40を得た。
《記録シート41の作製》
記録シート31において下塗り層塗布液1を塗布せず、基紙をそのまま支持体として使用した以外は記録シート31と同様にして記録シート41を作製した。
記録シート31において下塗り層塗布液1を塗布せず、基紙をそのまま支持体として使用した以外は記録シート31と同様にして記録シート41を作製した。
《記録シート42の作製》
記録シート38において下塗り層塗布液1を塗布せず、基紙をそのまま支持体として使用した以外は記録シート38と同様にして記録シート42を作製したところドライヤーの中でインク受容層の大部分が剥がれ落ちてしまった。
記録シート38において下塗り層塗布液1を塗布せず、基紙をそのまま支持体として使用した以外は記録シート38と同様にして記録シート42を作製したところドライヤーの中でインク受容層の大部分が剥がれ落ちてしまった。
得られた各々のインクジェット記録材料について実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。尚、インク受容層のアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は、いずれも100nmであった。
本発明では、無機微粒子としてアルミナを使用しても、ひび割れの発生等の塗布欠陥がなく、白紙光沢の低下を招くことなく、また、良好なインク吸収性を有し、離解性を確保することができる。
Claims (6)
- 支持体上に、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記支持体の透気度が200秒以上であり、かつ前記支持体が基紙にコロイダルシリカとバインダーとを合わせて含有している下塗り層を設けたものであり、かつ該インク受容層が樹脂バインダーとホウ素化合物とを含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
- 前記コロイダルシリカ(A)とバインダー(B)との質量比A/Bが0.1〜5であることを特徴とする前記請求項1に記載のインクジェット記録材料。
- 前記バインダーが高分子ラテックスであることを特徴とする前記請求項1または2に記載のインクジェット記録材料。
- 前記高分子ラテックスがスチレン−ブタジエン系共重合体またはスチレン−アクリル系共重合体、酢ビ−アクリル系共重合体、アクリル系共重合体、アクリル系重合体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記請求項3に記載のインクジェット記録材料。
- 前記ホウ素化合物が前記基紙上の下塗り層中にあらかじめ塗布されていることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録材料の製造方法。
- 前記基紙上の下塗り層を塗布し乾燥する際にバインダーである高分子ラテックスの最低造膜温度以上で乾燥させることを特徴とする前記請求項4または5記載のインクジェット記録材料の製造方法。
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JP2005352176A JP2007152778A (ja) | 2005-12-06 | 2005-12-06 | インクジェット記録材料及びその製造方法 |
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JP2009178881A (ja) * | 2008-01-30 | 2009-08-13 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | インクジェット記録媒体 |
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-
2005
- 2005-12-06 JP JP2005352176A patent/JP2007152778A/ja active Pending
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