JP2007151836A - 生体電極の表面処理方法 - Google Patents

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祇章 宮▲崎▼
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Abstract

【課題】繰り返しの使用においても、生体電極の電極面に表面処理された黒色皮膜の剥がれや欠落を生じることなく、長期に亘って安定した測定精度を保持することができる生体電極の表面処理方法を提供する。
【解決手段】塩化金酸を含有したエタノール中に銀製電極5を浸し、これを陰極として陽極との間に電流を流す第1の工程を行った後に、尿素を含有したエタノール中に上記銀製電極5を浸漬する第2の工程に移行し、更に、塩化金酸を含有したエタノール中に再度上記銀製電極5を浸し、これを陰極として陽極との間に電流を流す第3の工程を経て、銀製電極5の電極面5aに黒色の表面処理を施すようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、脳波あるいは心電図等を測定する場合に人体に装着する銀を基材とした生体電極に係り、詳しくは、人体に装着した際の表面処理部分における剥がれ、欠落を可及的に抑制して、経時的な接触抵抗変化の少ない精度の高い計測を長期に亘って保持することができる生体電極の表面処理方法に関するものである。
従来、脳波、心電図等の測定においては、人体表面に複数の生体電極を接触配置して非常に微弱な生体信号を忠実に取り出すことが肝要であり、そのためには電極構造を含めた電極材料の選定および形状には細心の注意が払われている。
そして現在では、存在する金属中で電気抵抗が最小であり、優れた加工性と防腐、殺菌作用を有する銀を好適な基材とした生体電極が知られているが、この銀製生体電極は、その電極面を人体の皮膚に貼着した際の電気的な接触抵抗を最小限に留める特性を有してはいるものの、銀は空気中の硫化ガス(硫黄ガス)と容易に化学反応(硫化反応)を起こして、その表面に硫化銀皮膜が生成され易く、この硫化銀皮膜の存在に加えて、人体の皮膚に電極面を貼着した際に、その皮脂や汗に含まれる酸化物や塩化物の影響を受けることにより、電極表面の接触抵抗が経時的に変化してしまい、脳波、心電図等の測定精度が低下する、という問題があった。
一方、貴金属アクセサリーや銀製調度品の分野では、古くから指輪やブローチ、銀食器などの銀製品に硫化物を塗布して硫化させることにより、製品表面に黒色の硫化皮膜を定着させる、いわゆる「古美(ふるび)」といわれるアンティークな雰囲気を醸し出すための表面処理方法が知られている。
そこで、上述した「古美」の表面処理方法を利用して、前記銀製の生体電極の電極面を意図的に硫化させて所要の硫化皮膜を予め形成させておけば、この硫化皮膜の存在による接触抵抗を前提とした測定条件により脳波、心電図等の測定を行うことで、安定した精度を保持した測定が可能になるが、この表面処理方法では、電極面に生成された黒色硫化皮膜の定着が悪く、生体電極の繰り返しの使用により皮膜の剥がれや欠落を生じて、長期に亘って安定した測定精度を依然として保持する事ができない、という改善の余地を残すものであった。
ここで、生体電極に関する技術としては、人体の皮膚への貼着性改善や接触抵抗の低減化を図るための種々の提案がなされている。
特開平9−24030号公報 登録実用新案第3004517号公報
上記特許文献1の提案では、主に電極と皮膚間のインピーダンスを低減することを目的としたゲル状の組成物が開示されており、また特許文献2の提案は、鬱血などの不具合を発生することなく長時間の使用を可能にした生体電極が開示されているが、生体電極自体における電極面の表面処理に関する提案は、提示されていないのが現状であった。
本発明は、上記のような実状に鑑み生体電極における表面処理に関する研究、開発の過程で創案されたものであって、その意図するところは、繰り返しの使用においても、生体電極の電極面に表面処理された黒色皮膜の剥がれや欠落を生じることなく、長期に亘って安定した測定精度を保持することができる生体電極の表面処理方法を提供しようとするものである。
課題を解決するため、本発明が採用した技術的手段は、裏面にシリコン樹脂を貼着した銀製電極の導出部に、複数の銀箔糸を芯線として樹脂製絶縁体を被覆してなる誘導コード線を接続し、当該誘導コード線を接続した銀製電極の電極面に表面処理を施すにあたり、まず、塩化金酸を含有したエタノール中に銀製電極を浸し、これを陰極として陽極との間に電流を流す第1の工程を行い、次いで、尿素を含有したエタノール中に上記銀製電極を浸漬する第2の工程に移行し、更に、塩化金酸を含有したエタノール中に再度上記銀製電極を浸し、これを陰極として陽極との間に電流を流す第3の工程を経て、銀製電極の電極面に黒色の表面処理を施すようにしたことを特徴とするものである。
したがって本発明によれば、以下の効果を奏する。
・塩化金酸と尿素による相互作用を有効に利用して、定着の良い黒色の酸化皮膜を銀表面に形成することができる。
・前後の洗浄処理を含めて、一貫してエタノールを主剤とする工程により表面処理を行えるので、ワークとしての銀製電極の脱脂、乾燥を短時間で行うことができ、スムーズで効率の良い表面処理を行うことができると共に、樹脂部分に化学的な影響を与えないエタノールを主剤としているので、裏面にシリコン樹脂を貼着した銀製電極と、誘導コード線とを接続した半完成状態で、当該銀製電極の電極面に黒色の表面処理を施すことができ、生体電極の製造工程において、その最終工程に当該表面処理工程を位置し得て製造効率の向上を図ることが可能となる。
塩化金酸を含有したエタノール中に銀製電極を浸し、これを陰極として陽極との間に電流を流す第1の工程を行った後に、尿素を含有したエタノール中に上記銀製電極を浸し、これを陰極として陽極との間に電流を流す第2の工程に移行し、更に、塩化金酸を含有したエタノール中に再度上記銀製電極を浸し、これを陰極として陽極との間に電流を流す第3の工程を経て、銀製電極の電極面に黒色の表面処理を施すようにした。
本発明の実施の形態について詳細に説明する。 図1〜図2において、1は複数本の誘導コード線2、2…の各先端側に生体電極3、3…をそれぞれ接続してなる頭部測定用の電極セットであり、各誘導コード線2、2…の他端側に設けたコネクタ4、4…を介して図示しない測定装置に電極セット1を接続するように構成されている。
上記各生体電極3、3…は、皿状に電極面5aを形成した銀製電極5の裏面にシリコン樹脂製のキャップ部6を貼着して構成されると共に、上記銀製電極5の導出部5bには、「かしめ」または半田付け等の溶着手段により、5芯の銀箔糸を樹脂製絶縁体で被覆した誘導コード線2が接続されており、その接続部位7をシリコン樹脂製のカバーチューブ8で密着被覆することにより、当該部位7に水密性を付与する構成となっている。
そして本発明では特に、上述のように電極セット1として既に構成された各生体電極3、3…の電極面5aに対する表面処理に特徴を有しており、次にこの表面処理方法に係る第1〜第3の工程順序に基づいて説明する。
まず、表1に示す設備条件に基づき、各工程での電解処理槽を各別に準備するが、第1の工程の前と第3の工程の後には、エタノールのみの洗浄工程がある。しかしながら、一般に金属製品の表面処理やメッキ処理では洗浄工程は必須のこととして認知されているため、これに関しての説明は行わない。
Figure 2007151836
ここで、プラスティック槽(PVC)は、従来から電解メッキ処理を行う課程で採用される槽構成をそのまま流用するものとし、電源装置は表示のような陰極条件で設定変更可能な構成を有するものとする。
次に、第1の工程における処理条件を表2に示す。
Figure 2007151836
この工程では、プラスティック槽(PVC)にエタノール1リットルにつき5gの塩化金酸(III)(Aucl:中央化学産業株式会社製)を投入して溶解する。この場合に、塩化金酸は陰極電解処理における酸化剤として機能するものであるが、他の酸化剤、たとえば塩酸(Hcl)を採用することも可能である。実験によれば表面処理における黒色酸化銀皮膜の定着に関して、上述の塩化金酸(III)を酸化剤として採用した場合に、銀製電極5と酸化銀皮膜との硬度差が適正となって最良の定着性を持つことが知見された。 なお、塩酸(Hcl)を酸化剤として採用した場合には、塩化金酸(III)を採用した場合に比して銀製電極5の表面酸化の進行が早いものの、当該銀製電極5と酸化銀皮膜との硬度差が大となって皮膜の剥がれ、脱落による酸化皮膜のムラが生じることが実験により確認されている。
また、処理時間(1分〜2分)については、電極セット1を接続する測定装置の用途、目的、機能範囲に応じた銀製電極5の形状の大小、板厚に鑑みて酸化皮膜の膜厚調整が必要となるため、全工程における第1の工程での最良の処理時間を実験を通した経験値として採用したものである。
そして銀製電極5側を陰極とし、陽極(SUS304)との間に電流を流すこの第1の工程においては、電極面5aの表面に無数に存在するピンホールの内部に深く浸入する塩化金酸により、黒色酸化銀皮膜の生成が銀製電極5本体との良好な定着性を保持して進行することになる。
次に、第1の工程で表面処理された電極セット1をそのまま第2の工程に移すが、この第2の工程での処理条件を表3に示す。
Figure 2007151836
この工程では、プラスティック槽(PVC)にエタノール1リットルにつき10gの尿素(HNCONH)を投入して、充分な攪拌を行って溶解させる。その後、銀製電極5を上記プラスティック槽内に浸漬させることにより、尿素は塩化金酸の酸化作用を補完する浸透剤として機能し、この浸透作用により黒色の酸化銀皮膜に対する脱色防止を促して黒色保持の安定性を向上させることが知見された。また、この第2の工程は上述のように塩化金酸の酸化作用を補完する浸透工程のみであり、実験によれば処理時間は約1分で表面処理における浸透作用はほぼ飽和状態となることが確認されている。
更に、上記第2の工程完了後には、第1の工程と同内容で処理時間のみ異なる第3の工程に移行する。この第3の工程での処理条件を表4に示す。
Figure 2007151836
この工程では、塩化金酸(III)は陰極電解処理における酸化作用の仕上げ剤として機能する。すなわち、電極面5aの表面に無数に存在するピンホールの内部は、先に浸漬した尿素が既に浸入した状態を保持しており、この残留する尿素の浸透作用の補完を受けて塩化金酸(III)による酸化作用で酸化銀皮膜が生成されることになる。
したがってこの場合に、塩化金酸のみによる酸化作用(第1の工程)に比して、尿素の浸透作用と塩化金酸の酸化作用を、いわば最終工程といえる第3の工程では同時に進行させる必要があり、それ故に処理時間を第1の工程より長い2分〜3分として、より均一で安定した定着性を有する酸化銀皮膜が、電極面5a上に目視可能な仕上げ面としてピンホール内から電極面5aの表面にかけて重層状に形成されることになる。
ここで、上述の第1の工程から第3の工程に至る一連の工程は、それぞれエタノールを主剤とした工程であるので、銀製電極5の裏面に貼着したシリコン樹脂製のキャップ部6や、5芯の銀箔糸を樹脂製絶縁体で被覆した誘導コード線2および接続部位7を密着被覆するシリコン樹脂製のカバーチューブ8を化学反応で劣化させることがなく、電極セット1として製造されたそのままの状態で本発明の表面処理を行うことができると共に、前工程から後工程に移行する際にも乾燥に要する時間が短時間で済み、その後に、洗浄工程を経た電極面5aの酸化銀皮膜に対し、紫外線照射による乾燥、定着を10〜30分行うことで、スムーズな表面処理作業により、電極セット1を効率よく製造することが可能となる。
生成される黒色の酸化銀皮膜は、剥がれや欠落のない定着性に優れた表面処理面となるので、貴金属アクセサリーや銀製調度品に古美調のデザインを施す用途にも充分対応する事ができ、低コストでしかも再現性の良い装飾体に有効に適用することが可能となる。
電極セットの全体平面図である。 (a)は生体電極の要部拡大側面図、(b)は同上要部拡大平面図である。
符号の説明
2 誘導コード線 3 生体電極 5 銀製電極 5a 電極面 5b 導出部 6 キャップ部

Claims (1)

  1. 裏面にシリコン樹脂を貼着した銀製電極の導出部に、複数の銀箔糸を芯線として樹脂製絶縁体を被覆してなる誘導コード線を接続し、当該誘導コード線を接続した銀製電極の電極面に表面処理を施すにあたり、
    まず、塩化金酸を含有したエタノール中に銀製電極を浸し、これを陰極として陽極との間に電流を流す第1の工程を行い、
    次いで、尿素を含有したエタノール中に上記銀製電極を浸漬する第2の工程に移行し、
    更に、塩化金酸を含有したエタノール中に再度上記銀製電極を浸し、これを陰極として陽極との間に電流を流す第3の工程を経て、
    銀製電極の電極面に黒色の表面処理を施すようにしたことを特徴とする生体電極の表面処理方法。
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