以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
まず最初に、本発明に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラについて、図1および図2を用いて説明する。
図1は、デジタルカメラの外観模式図で、図1(a)は正面図、図1(b)は背面図である。
図1(a)において、デジタルカメラ1のボディ10の正面には、交換レンズ20が取り付けれられている。ボディ10の上面には、撮像のための操作部材であるレリーズボタン101が設置されており、ボディ10の内部でレリーズボタン101の下部には、レリーズボタン101の押し込みの1段目で動作するAFスイッチ101aと、レリーズボタンの押し込みの2段目で動作するレリーズスイッチ101bを構成する2段スイッチが配置されている。また、ボディ10の上部には、フラッシュ102が内蔵され、デジタルカメラ1の動作モードを設定するモード設定ダイアル112が配置されている。
図1(b)で、ボディ10の背面には、デジタルカメラ1の電源をオン/オフするための電源スイッチ111、カメラの各種設定条件を変更する変更ダイアル113、上下左右と中央の5つのスイッチから成り、デジタルカメラ1の各動作モードでの各種設定を行うためのジョグダイアル115、ファインダ接眼レンズ121a、記録された画像や各種情報等を表示するための画像表示手段131が配置されている。
図2は、図1に示したデジタルカメラ1の回路の一例を示すブロック図である。図中、図1と同じ部分には同じ番号を付与した。
デジタルカメラ1の制御を行うカメラ制御手段150は、CPU(中央処理装置)151、ワークメモリ152、記憶部153、データメモリ154等から構成され、記憶部153に記憶されているプログラムをワークメモリ152に読み出し、当該プログラムに従ってデジタルカメラ1の各部を集中制御する。
また、カメラ制御手段150は、電源スイッチ111、モード設定ダイアル112、変更ダイアル113、ジョグダイアル115、AFスイッチ101a、レリーズスイッチ101b等からの入力を受信し、光学ファインダ121上の測光モジュール122と交信することで測光動作を制御し、AFモジュール144と交信することでAF動作を制御し、ミラー駆動手段143を介してレフレックスミラー141及びサブミラー142を駆動し、シャッタ駆動手段146を介してシャッタ145を制御し、フラッシュ102を制御し、撮像制御手段161と交信することで撮像動作を制御すると共に、撮像された画像や各種情報を画像表示手段131に表示し、インファインダ表示手段132に各種情報を表示する。
また、カメラ制御手段150は、外部インターフェース(I/F)185を介して、デジタルカメラ1の外部に設けられたパーソナルコンピュータや携帯情報端末と、撮像された画像データやデジタルカメラ1の制御信号等をやり取りする。
さらに、カメラ制御手段150は、ボディ10と交換レンズ20の間の交信を行う、マウント(ボディ側)171上に設けられたBL交信手段(ボディ側)172と、マウント(レンズ側)271上に設けられたBL交信手段(レンズ側)272を介して、交換レンズ20のレンズインターフェース251経由で、レンズ211のフォーカスとズームの制御を行うレンズ制御手段241、絞り221の制御を行う絞り制御手段222、交換レンズ20の固有情報を格納しているレンズ情報記憶手段231と交信を行うことで、交換レンズ20全体を制御する。
交換レンズ20のレンズ211によって撮像素子162の図3で後述する撮像面162a上に結像される画像は、撮像素子162で光電変換された後、アンプ163で増幅され、アナログ/デジタル(A/D)変換手段164でデジタルデータに変換され、画像処理手段165で既定の画像処理を施したデジタル撮像データに変換され、一旦画像メモリ181に記録された後、最終的にはメモリカード182に記録される。これらの動作は、カメラ制御手段150の制御下で、撮像制御手段161によって制御される。撮像制御手段161、アンプ163、A/D変換器164および画像処理部165は、撮像回路160を構成する。
次に、本発明における撮像素子の実施の形態と、その撮像動作について、図3乃至図20を用いて説明する。
図3は、撮像素子162を構成する各構成要素の配置の一例を示す模式図である。
撮像素子162は、撮像面162a上に、水平と垂直に配列された複数の画素162bと、垂直走査回路162c、サンプルホールド回路162d、出力回路162e、水平走査回路162f、出力アンプ162g、タイミングジェネレータ162h等の構成要素を備え、画素162bの各水平行毎の並びと垂直走査回路162cとは行選択線162iで結ばれ、画素162bの各垂直列毎の並びとサンプルホールド回路162dとは垂直信号線162jで結ばれている。
撮像素子162の撮像動作は、撮像制御手段161からの撮像制御信号161aに従って、タイミングジェネレータ162hによって制御され、撮像素子162の出力である撮像データ162kは、アンプ163に入力される。
図4は、撮像素子162を構成する画素162bの回路の第1の実施の形態を示す回路図である。画素162bは、埋め込み型フォトダイオードPD(以下、PDという)、NチャンネルMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ:以下、トランジスタという)Q1乃至Q8から構成されている。トランジスタQ1のドレインとトランジスタQ2のソースの接続部およびトランジスタQ3のドレインとトランジスタQ4のソースの接続部は、フローティングディフュージョン(以下、FD1およびFD2という)で構成されている。
リセット電位RSB、リセット信号RX1およびRX2、転送信号TX1およびTX2、切換信号SW1およびSW2、読み出し信号SXは、各トランジスタに対する信号(電位)を示し、VDDは電源、GNDは接地を示している。
PDは本発明における光電変換手段として機能し、被写体からの入射光量に応じた光電流Ipdを発生し、光電流Ipdは、信号電荷QpdとしてPDの寄生容量Cpdに蓄積される。PDは、ノイズ低減のために埋め込み型構造となっており、光電変換された光電流Ipdを直接取り出せないため、本発明における転送手段として機能する転送ゲートと呼ばれるトランジスタQ1およびQ3(以下、TG1およびTG2と言う)を介してFD1およびFD2に接続されている。
FD1は、PDに蓄積された信号電荷を、TG1を介して完全転送して読み出すための容量性の読み出し部であり、その容量値をCfd1とする。同じくFD2は、PDに蓄積可能な飽和電荷以上の溢れた信号電荷を、TG2を介して蓄積するための蓄積部および読み出し部であり、その容量値をCfd2とする。ここに、FD1およびFD2は、本発明における容量性蓄積手段として機能する。
このような構成とすることによって、PDの飽和電荷以上の電荷をPDと並列に配置された容量性蓄積手段に蓄積でき、信号電荷として利用することができるので、撮像素子のダイナミックレンジを拡大することができる。
FD1およびFD2の容量Cfd1およびCfd2は、その構造から、小さな表面積でPDの容量Cpdに比べて大きな容量にすることが容易である。また、PDから信号電荷が溢れる場合は、入射光量が多い場合、すなわち光電流Ipdが大きい場合であるので、特にFD2の容量は大きくする必要がある。そのため、ここではCfd2>Cfd1>Cpdとする。
トランジスタQ2およびQ4はリセットゲートと呼ばれ(以下、RG1およびRG2と言う)、オンすることによってFD1およびFD2を既定のリセット電位RSBにリセットする。
トランジスタQ5およびQ6は、本発明における接続手段として機能し、FD1およびFD2をトランジスタQ7のゲートに接続するための切換スイッチであり、各々切換信号SW1およびSW2によって制御される。
トランジスタQ7は、ソースフォロワ増幅回路を構成するものであり、切換信号SW1またはSW2を介してゲートに接続されるFD1またはFD2の電位に対する電流増幅を行うことで、出力インピーダンスを下げる働きをする。
トランジスタQ8は、信号読み出し用のトランジスタであり、ゲートは、行選択線162iに接続されており、垂直走査回路162cによって印加される読み出し信号SXに応じてオン、オフされるスイッチとして動作する。トランジスタQ8のソースは、垂直信号線162jに接続されており、トランジスタQ8がオンされると、トランジスタQ7で低インピーダンス化されたFD1またはFD2の電位が、画素出力VOUTとして、垂直信号線162jへ導出される。
なお、トランジスタQ1からQ8は、NチャンネルMOSFETとして説明したが、PチャンネルMOSFETで回路を構成することも可能である。
図5は、撮像素子を構成するサンプルホールド回路162dの1例を示す回路図である。図5に示した回路は画素の垂直1列分であり、水平画素数分同じ回路が並べられてサンプルホールド回路162dが構成される。
各画素162bの画素出力VOUTは、垂直信号線162jに出力される。垂直信号線162jは、定電流駆動型として例示している。画素出力VOUTは、4つのサンプルホールドスイッチ(Ssh1、Ssh2、Ssh3、Ssh4)を介して、各タイミングで4つのサンプルホールド容量(Csh1、Csh2、Csh3、Csh4)に接続されて、4つの信号(V1、V2、V3、V4)として保持される。
4つのサンプルホールド容量(Csh1、Csh2、Csh3、Csh4)に保持された4つの信号(V1、V2、V3、V4)は、4つのバッファアンプ(BA1、BA2、BA3、BA4)と4つの列選択スイッチ(Sc1、Sc2、Sc3、Sc4)を介して出力され、V1とV2は差動アンプLnAMPに、V3とV4は差動アンプKneeAMPに入力されて差分がとられ、差動アンプLnAMPの出力VLnと差動アンプKneeAMPの出力VKneeが出力される。
差動アンプLnAMPの出力VLnと差動アンプKneeAMPの出力VKneeとは、加算器ADDで加算され、出力アンプ162gを介して、撮像素子162から撮像データ162kとして出力される。
4つのサンプルホールドスイッチ(Ssh1、Ssh2、Ssh3、Ssh4)は、各々制御信号(SHN−Ln、SHS−Ln、SHN−Knee、SHS−Knee)により制御され、4つの列選択スイッチ(Sc1、Sc2、Sc3、Sc4)は、列選択信号HSRにより制御される。各制御動作については、図6で説明する。
図6は、図4に示した画素から成る撮像素子162の撮像時の動作を示すタイミングチャートであり、図6(a)は全画素同時に行われる撮像動作のタイミングチャート、図6(b)は水平各行毎に順次行われるノイズデータと撮像データとの垂直および水平転送動作のタイミングチャートである。本実施の形態では、撮像素子162の露光量制御は、絞り221とシャッタ145で行われる。
図6(a)において、シャッタ145が閉じられた状態で、タイミングT1(初期リセット)で、リセット信号RX1およびRX2、転送信号TX1およびTX2、切換信号SW1およびSW2が高電位(H)にされることで、RG1およびRG2、TG1およびTG2、切換スイッチQ5およびQ6がオンされ、FD1、FD2およびトランジスタQ7のゲートが既定のリセット電位RSBにリセット(初期化)されるとともに、PDの残存電荷が排出されてリセットされる。図7で、この状態を後述する。
タイミングT1の最後でリセット信号RX1およびRX2、切換信号SW1およびSW2が低電位(L)に戻されることでRG1およびRG2、切換スイッチQ5およびQ6がオフされ、転送信号TX1およびTX2が中間電位VM1およびVM2に設定されることで撮像が可能となる。図8で、この状態を後述する。本例ではVM1=VM2=VMとして説明し、中間電位VM1とVM2の値が異なる場合については、図22から図36で説明する。この時、FD1およびFD2にはリセットノイズによる電荷Q(N−Ln1)およびQ(N−Knee1)が発生する。
以後、撮像による信号成分をS、ノイズ成分をNで示し、図21および図36で後述する光電変換特性の入射光量の少ない側の線形特性(以下、Ln特性と呼ぶ)部分をLn、入射光量の多い側の線形特性(以下、Knee(膝)特性と呼ぶ)をKneeで示す。例えば(N−Knee1)は、Knee特性部の1番目のノイズ成分という意味である。
タイミングT1終了後、絞り221が測光モジュール122による測光結果から決定される所定の絞り値に絞り込まれ、タイミングT2(撮像)の初めでシャッタ145が開かれて撮像が開始され、被写体からの光がPDで光電変換されて、PDに信号電荷Q(S−Ln)が蓄積される。図9で、この状態を後述する。
タイミングT2で、入射光量が多く、信号電荷Q(S−Ln)がPDに蓄積可能な最大電荷量Qpdmaxを超えると、信号電荷はオーバーフローしてFD1およびFD2に流れ込み、前述したリセットノイズによる電荷Q(N−Ln1)およびQ(N−Knee1)に重畳されて蓄積される。オーバーフローしてFD1およびFD2に流れ込む信号電荷をQ(S−Knee1)およびQ(S−Knee2)とすると、FD1に蓄積される電荷は(Q(S−Knee1)+Q(N−Ln1))、FD2に蓄積される電荷は(Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1))となる。図10で、この状態を後述する。
転送信号TX1およびTX2の中間電位VMの設定を変える、すなわちTG1およびTG2のポテンシャルを変えることで、PDに蓄積可能な最大電荷量Qpdmaxを変えることが可能である。これは、上述したLn特性とKnee特性の切り替わり点(以下、変曲点と言う)を変更することであり、それによって撮像素子162のダイナミックレンジを可変にすることができる。
タイミングT2の終わりでシャッタ145が閉じられることで撮像が終了され、転送信号TX1およびTX2が低電位(L)に設定されて、TG1およびTG2がオフされる。その後、絞り221が開放に戻される。以上が全画素同時に行われる撮像動作である。
図6(b)において、タイミングT3(FD1リセット)で、水平n行目のリセット信号RX1(RX1n)と切換信号SW1(SW1n)が高電位(H)にされることで、RG1と切換スイッチQ5がオンされてFD1とトランジスタQ7のゲートが既定のリセット電位RSBにリセットされる。従って、入射光量が多くてPDからFD1およびFD2に流れ込む信号電荷があった場合でも、FD1に蓄積された電荷(Q(S−Knee1)+Q(N−Ln1))はタイミングT3でリセットされる。図11で、この状態を後述する。
切換信号SW1(SW1n)は、タイミングT7の終わりまで高電位(H)のまま保持される。タイミングT3の終了時点で、FD1にはリセットノイズによる電荷Q(N−Ln2)が発生する。
タイミングT4(Ln部ノイズ読み出し)で、水平n行目の読み出し信号SX(SXn)とサンプルホールド回路162dの制御信号(SHN−Ln)が高電位(H)にされることで、FD1に残存するリセットノイズによる電荷Q(N−Ln2)がノイズ電位V1として垂直信号線162jに導出され、サンプルホールドスイッチSsh1を介して、ノイズ電位V1としてサンプルホールド容量Csh1に保持される。図12で、この状態を後述する。
タイミングT5(Ln部信号転送)で、水平n行目の転送信号TX1(TX1n)が高電位(H)にされることで水平n行目の全画素のTG1がオンされ、PDに蓄積された信号電荷Q(S−Ln)がFD1に完全転送され、FD1に残存するリセットノイズによる電荷Q(N−Ln2)に重畳されて保持される(Q(S−Ln)+Q(N−Ln2))。図13で、この状態を後述する。
タイミングT6(Ln部信号読み出し)で、水平n行目の読み出し信号SX(SXn)とサンプルホールド回路162dの制御信号(SHS−Ln)が高電位(H)にされることで、FD1に保持された電荷(Q(S−Ln)+Q(N−Ln2))が信号電位V2として垂直信号線162jに導出され、サンプルホールドスイッチSsh2を介して、信号V2としてサンプルホールド容量Csh2に保持される。図14で、この状態を後述する。
タイミングT7(FD1リセット)で、水平n行目のリセット信号RX1(RX1n)が高電位(H)にされることで、RG1がオンされてFD1とトランジスタQ7のゲートが既定のリセット電位RSBにリセットされる。図15で、この状態を後述する。
図6(b)に戻って、タイミングT7の終わりで切換信号SW1(SW1n)が低電位(L)にされることで切換スイッチQ5がオフされて、FD1とトランジスタQ7のゲートが切り離される。また、タイミングT7の終了時点で、FD1にはリセットノイズによる電荷Q(N−Ln3)が発生する。
タイミングT8(Knee部信号読み出し)で、水平n行目の切換信号SW2(SW2n)、読み出し信号SX(SXn)およびサンプルホールド回路162dの制御信号(SHS−Knee)が高電位(H)にされることで、切換スイッチQ6がオンされてFD2とトランジスタQ7のゲートが接続され、FD2に蓄積された電荷(Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1))が信号電位V4として垂直信号線162jに導出され、サンプルホールドスイッチSsh4を介して、信号電位V4としてサンプルホールド容量Csh4に保持される。切換信号SW2(SW2n)は、タイミングT10の終わりまで高電位(H)のまま保持される。図16で、この状態を後述する。
タイミングT9(FD2リセット)で、水平n行目のリセット信号RX2(RX2n)が高電位(H)にされることで、RG2がオンされてFD2とトランジスタQ7のゲートが既定のリセット電位RSBにリセットされる。図17で、この状態を後述する。
タイミングT9の終了時点で、FD2にはリセットノイズによる電荷Q(N−Knee2)が発生する。タイミングT10(Knee部ノイズ読み出し)で、水平n行目の読み出し信号SX(SXn)およびサンプルホールド回路162dの制御信号(SHN−Knee)が高電位(H)にされることで、FD2に残存するリセットノイズによる電荷Q(N−Knee2)がノイズ電位V3として垂直信号線162jに導出され、サンプルホールドスイッチSsh3を介して、信号電位V3としてサンプルホールド容量Csh3に保持される。図18で、この状態を後述する。
タイミングT10の終わりで切換信号SW2(SW2n)が低電位(L)にされることで切換スイッチQ6がオフされて、FD2とトランジスタQ7のゲートが切り離される。タイミングT11(撮像データ出力)で、水平n行目の各列の列選択信号HSRが高電位(H)にされることで4つの列選択スイッチ(Sc1、Sc2、Sc3、Sc4)がオンされ、4つのサンプルホールド容量(Csh1、Csh2、Csh3、Csh4)に保持された4つの信号(V1、V2、V3、V4)が後段に出力され、信号V1とV2は差動アンプLnAMPに、信号V3とV4は差動アンプKneeAMPに入力されて差分がとられる。所謂ノイズ除去のためのCDS(相関二重サンプリング)動作である。
よって、差動アンプLnAMPの出力VLnは、
VLn=V2−V1
=((Q(S−Ln)+Q(N−Ln2))/Cfd1)−(Q(N−Ln2)/Cfd1)
=Q(S−Ln)/Cfd1 ・・・(式1)
となって、リセットノイズによる電荷Q(N−Ln2)が完全に除去されて、PDに蓄積された信号電荷Q(S−Ln)のみからなる撮像データとなる。
一方差動アンプKneeAMPの出力VKneeは、
VKnee=V4−V3
=((Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1))/Cfd2)−(Q(N−Knee2)/Cfd2)
=(Q(S−Knee2)+(Q(N−Knee1)−Q(N−Knee2)))/Cfd2 ・・・(式2)
となって、PDからオーバーフローした信号電荷Q(S−Knee2)に、タイミングT1(初期リセット)とタイミングT9(FD2リセット)のリセットノイズの差分(Q(N−Knee1)−Q(N−Knee2))が重畳された電荷からなる撮像データとなり、リセットノイズを完全に除去することはできない。
ただし、出力VKneeに出力が発生するのは、入射光量が多く、信号電荷がPDに蓄積可能な量を超える非常に明るい場合であり、この場合はリセットノイズはあまり問題とはならない。また、図4で説明したように、FD2の容量Cfd2>FD1の容量Cfd1>PDの容量Cpdであるので、FD2はリセットノイズの影響を受けにくくなっている。
撮像データ162kはVLn+VKneeであるから、
162k=Q(S−Ln)/Cfd1+(Q(S−Knee2)+(Q(N−Knee1)−Q(N−Knee2)))/Cfd2 ・・・(式3)
となる。
さらに、上述した例では、切換信号SW1はタイミングT7の最後で低電位(L)に戻されたが、これをタイミングT10の最後まで高電位(H)に保つと(図6のSW1に細かい破線で示した部分)切換スイッチQ5がオンのままとなり、タイミングT8で切換信号SW2(SW2n)が高電位(H)にされて切換スイッチQ6がオンされた時点で、切換スイッチQ5とQ6とを介してFD1とFD2とが接続されるので、FD2に蓄積された電荷(Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1))がFD1とFD2の容量比に比例して按分され、タイミングT8で出力される信号出力V4がさらに低く、つまり、Knee特性の傾きが小さくなる。ここに、信号電位V4は、以下の(式4)で表される。
V4=(Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1)+Q(N−Ln3))/(Cfd1+Cfd2) ・・・(式4)
これによって、PDの飽和電荷以上の信号電荷をPDと並列に配置された容量性蓄積手段に蓄積して信号電荷として利用することができるので、撮像素子のダイナミックレンジを拡大することができる。図19で、この状態を後述する。
次に、タイミングT9(FD2リセット)で、水平n行目のリセット信号RX2(RX2n)が高電位(H)にされることで、RG2がオンされて、FD1、FD2とトランジスタQ7のゲートが既定のリセット電位RSBにリセットされる。タイミングT9の終了時点で、FD1とFD2にはリセットノイズによる電荷Q(N−Knee2)が発生し、FD1とFD2の容量比に従って按分される。
タイミングT10(Knee部ノイズ読み出し)で、水平n行目の読み出し信号SX(SXn)およびサンプルホールド回路162dの制御信号(SHN−Knee)が高電位(H)にされることで、FD1とFD2に残存するリセットノイズによる電荷Q(N−Knee2)がノイズ電位V3として垂直信号線162jに導出され、サンプルホールドスイッチSsh3を介して、信号電位V3としてサンプルホールド容量Csh3に保持される。図20で、この状態を後述する。
よって、差動アンプKneeAMPの出力VKneeは、
VKnee=V4−V3
=((Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1)+Q(N−Ln3))/(Cfd1+Cfd2))−(Q(N−Knee2)/(Cfd1+Cfd2))
=(Q(S−Knee2)+(Q(N−Knee1)+Q(N−Ln3)−Q(N−Knee2)))/(Cfd1+Cfd2) ・・・(式5)
となり、PDからオーバーフローした信号電荷Q(S−Knee2)に、タイミングT1(初期リセット)とタイミングT7(FD1リセット)のリセットノイズによる電荷(Q(N−Knee1)+(N−Ln3))と、タイミングT9(FD2リセット)のリセットノイズによる電荷Q(N−Knee2)の差分が重畳されたものとなり、リセットノイズを完全に除去することはできない。また、分母にFD1の容量値Cfd1が加算されているので、(式2)に比べて出力の傾きが低くなる。
撮像データ162kはVLn+VKneeであるから、
162k=Q(S−Ln)/Cfd1+(Q(S−Knee2)+(Q(N−Knee1)+Q(N−Ln3)−Q(N−Knee2)))/(Cfd1+Cfd2) ・・・(式6)
となる。
次に、図6で示した各タイミングでの画素162b内部の動作を、図7から図20のポテンシャル図で説明する。図7から図35は、図6のタイミングT1からT10の各タイミングでの、フォトダイオードPD、転送ゲートTG1およびTG2、フローティングディフュージョンFD1およびFD2、リセットゲートRG1およびRG2、リセット電位RSBの各部のポテンシャルと切換スイッチQ5およびQ6のオン/オフ状態を示す模式図である。
図7は、図6(a)のタイミングT1の状態を示し、リセット信号RX1およびRX2、転送信号TX1およびTX2、切換信号SW1およびSW2が高電位(H)にされることで、RG1、RG2、TG1およびTG2、切換スイッチQ5およびQ6がオンされて、FD1、FD2およびトランジスタQ7のゲートがリセット電位RSBにリセット(初期化)されるとともに、PDの残存電荷がFD1およびFD2に完全転送されて排出され、リセットされる。
埋め込み型フォトダイオードであるPDのポテンシャルは、PDとその周辺の不純物の濃度プロファイル等から決まる。PDのポテンシャルは、完全転送を実現するために、転送信号TX1およびTX2が高電位(H)に設定された時の転送ゲートTGのポテンシャル<PDの空乏層化された状態でのポテンシャル(Vptとする)となるように設定される。
図8は図6(a)のタイミングT1直後の状態を示し、転送信号TX1=TX2=中間電位VMに設定されているため、TG1およびTG2のポテンシャルがRG1およびRG2よりも少し低い状態になっている。また、FD1にはリセットノイズによる電荷Q(N−Ln1)が発生し、FD2にはリセットノイズによる電荷Q(N−Knee1)が発生している。
図9は、図6(a)のタイミングT2の状態を示し、被写体からの光がPDで光電変換されて、PDに信号電荷Q(S−Ln)が蓄積されている。
図10は、図6(a)のタイミングT2の状態を示し、特に入射光量が多い状態を示す。PDには信号電荷Q(S−Ln)が、その蓄積可能な最大電荷量Qpdmaxまで蓄積されており、オーバーフローした信号電荷が、FD1およびFD2に、リセットノイズによる電荷に重畳されて蓄積されている。
図11は、図6(b)のタイミングT3の状態を示し、RG1がオンされており、FD1とトランジスタQ7のゲートがリセット電位RSBにリセットされている。また、TG1およびTG2がオフされて、そのポテンシャルが高くなることで、PDに蓄積された信号電荷Q(S−Ln)を保持している。
図12は、図6(b)のタイミングT4の状態を示し、FD1に残存するリセットノイズによる電荷Q(N−Ln2)が、切換スイッチQ5を介してノイズ電位V1(=Q(N−Ln2)/Cfd1)として出力される。
図13は、図6(b)のタイミングT5の状態を示し、転送信号TX1が高電位(H)にされることでTG1がオンされ、PDに保持されていた信号電荷Q(S−Ln)がFD1に完全転送されている。
図14は、図6(b)のタイミングT6の状態を示し、FD1に保持された電荷(Q(S−Ln)+Q(N−Ln2))が、切換スイッチQ5を介して信号電位V2(=(Q(S−Ln)+Q(N−Ln2))/Cfd1)として出力される。
図15は、図6(b)のタイミングT7の状態を示し、RG1がオンされており、FD1とトランジスタQ7のゲートがリセット電位RSBにリセットされている。
図16は、図6(b)のタイミングT8の状態を示す。本例では、切換スイッチQ5はタイミングT7の終わりでオフされている。FD1にはリセットノイズによる電荷Q(N−Ln3)が発生しており、切換スイッチQ6がオンされて信号電位V4(=(Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1))/Cfd2)として出力される。
図17は、図6(b)のタイミングT9の状態を示し、RG2がオンされており、FD2とトランジスタQ7のゲートがリセット電位RSBにリセットされている。
図18は、図6(b)のタイミングT10の状態を示す。FD2にはリセットノイズによる電荷Q(N−Knee2)が発生しており、切換スイッチQ6を介して信号電位V3(=Q(N−Knee2)/Cfd2)として出力される。
図19は、図6(b)のタイミングT8の第2の例の状態を示す。FD2に蓄積された電荷(Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1))と、タイミングT7の最後でFD1に発生したリセットノイズによる電荷Q(N−Ln3)が加算されて、FD1とFD2の容量比に比例して按分されている。
図20は、図6(b)のタイミングT10の第2の例の状態を示し、FD1とFD2にはリセットノイズによる電荷Q(N−Knee2)が発生しており、切換スイッチQ6を介して信号電位V3(=Q(N−Knee2)/(Cfd1+Cfd2))として出力される。
図21に、上述した撮像素子162の光電変換特性を示す。図21は、横軸に撮像素子162への入射光量を、縦軸に撮像データ162k(=VLn+VKnee)をとった光電変換特性のグラフである。入射光量の少ない側の線形特性がLn特性、入射光量の多い側の線形特性がKnee特性で、フォトダイオードPDの飽和出力まではLn特性、それ以上の光量ではLn特性よりも傾きが低いKnee特性となる。これは、図4で説明したように、FD2の容量Cfd2>FD1の容量Cfd1となっているために、FD1での電荷−電圧変換よりもFD2の電荷−電圧変換の方が出力の傾きが低くなるからである。
図6(a)で説明したように、PDの飽和出力、つまりPDに蓄積可能な最大電荷量Qpdmaxは、転送信号TX1およびTX2の中間電位VM1およびVM2(本例では、VM1=VM2=VM)を制御することで可変であり、中間電位VM1およびVM2を制御することで、光電変換特性の変曲点を自由に設定することができる。それによって、撮像素子162のダイナミックレンジを可変にすることができる。
図21には、PDの飽和出力を、例えばPD飽和出力1〜3のように制御して、ダイナミックレンジを可変にした例を3通り示した。特に、PDの飽和出力を高く設定すると(例えばPD飽和出力1)、ダイナミックレンジは狭くなり(例えばDレンジ1)、PDの飽和出力を低く設定すると(例えばPD飽和出力3)、ダイナミックレンジは広くなる(例えばDレンジ3)。
また、切換スイッチQ5のオン/オフによるKnee特性の違いを、Knee(Q5オン)特性とKnee(Q5オフ)特性として示す。Knee(Q5オン)特性の方が傾きが低く、つまりダイナミックレンジが広くなっているのが分かる。
次に、撮像素子162を構成する画素162bの回路の第2の実施の形態を、図22を用いて説明する。図22は、画素162bの回路の第2の実施の形態を示す回路図で、図4に示した第1の実施の形態を示す回路図から、トランジスタQ4(リセットゲートRG2)とトランジスタQ5(切換スイッチQ5)を省略したものである。
RG2が省略されているため、FD2のリセット時は、トランジスタQ6(切換スイッチQ6)とトランジスタQ2(リセットゲートRG1)を両方オンさせて、FD1と同時にリセットする。また、切換スイッチQ5が省略されているため、FD1は常にトランジスタQ7のゲートに接続されている。その他の素子の構成と機能については図4と同じであるので、説明は省略する。図22に示す画素162bの回路の後段に接続されるサンプルホールド回路162dは、図5に示す回路と同じでよい。
図23は、図22に示した画素162bの回路の駆動方法を示すタイミングチャートである。上述したトランジスタQ4とQ5の省略に対応して、図6に示したタイミングチャートから、リセット信号RX2と切換信号SW1が削除されている。ここでは、図6に示した動作と異なる部分のみ説明する。
シャッタ145が閉じられた状態で、タイミングT1(初期リセット)で、リセット信号RX1、転送信号TX1およびTX2、切換信号SW2が高電位(H)にされることで、RG1、TG1およびTG2、切換スイッチQ6がオンされ、FD1、FD2およびトランジスタQ7のゲートが既定のリセット電位RSBにリセット(初期化)されるとともに、PDの残存電荷が排出されてリセットされる。図24で、この状態を後述する。
タイミングT1の終わりで、リセット信号RX1、転送信号TX1が低電位(L)に設定され、転送信号TX2が中間電位VM2に設定されることで、PDの両側にあるTG1とTG2のポテンシャルに差がつけられた状態で撮像が可能となる。この時、FD1およびFD2にはリセットノイズによる電荷Q(N−Ln1)およびQ(N−Knee1)が発生する。図25で、この状態を後述する。
タイミングT1終了後、絞り221が測光モジュール122による測光結果から決定される所定の絞り値に絞り込まれ、タイミングT2(撮像)の初めでシャッタ145が開かれて撮像が開始され、被写体からの光がPDで光電変換されて、PDに信号電荷Q(S−Ln)が蓄積される。図26で、この状態を後述する。
タイミングT2で、入射光量が多く、信号電荷Q(S−Ln)がPDに蓄積可能な最大電荷量Qpdmaxを超えると、オーバーフローした信号電荷はFD2に流れ込み、前述したリセットノイズによる電荷Q(N−Knee1)に重畳されて蓄積される。オーバーフローしてFD2に流れ込む信号電荷をQ(S−Knee2)とすると、FD2に蓄積される電荷は(Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1))となる。図27で、この状態を後述する。PDに蓄積可能な最大電荷量Qpdmaxは、転送信号TX2の中間電位VM2の設定によって変化させることが可能である。
タイミングT2の終わりでシャッタ145が閉じられることで撮像が終了され、TX2が低電位(L)に設定されて、TG2がオフされる。その後、絞り221が開放に戻される。以上が全画素同時に行われる撮像動作である。
図23(b)において、タイミングT3(FD1リセット)からタイミングT7(FD1リセット)までの動作は図6と同じである。タイミングT3の動作を図28に、タイミングT4の動作を図29に、タイミングT5の動作を図30に、タイミングT6の動作を図31に、タイミングT7の動作を図32に、それぞれポテンシャル図として示す。
図23(b)において、タイミングT7の終了時点で、FD1にはリセットノイズによる電荷(N−Ln3)が発生する。
タイミングT8(Knee部信号読み出し)で、水平n行目の切換信号SW2(SW2n)、読み出し信号SX(SXn)およびサンプルホールド回路162dの制御信号(SHS−Knee)が高電位(H)にされることで、切換スイッチQ6がオンされてFD2とFD1およびトランジスタQ7のゲートが接続され、FD2に蓄積された電荷(Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1))と、タイミングT7の最後でFD1に発生したリセットノイズによる電荷(N−Ln3)が加算されて、FD1とFD2の容量比に比例して按分された信号電位V4として垂直信号線162jに導出され、サンプルホールドスイッチSsh4を介して、信号電位V4としてサンプルホールド容量Csh4に保持される図33で、この状態を後述する。切換信号SW2(SW2n)は、タイミングT10の終わりまで高電位(H)のまま保持される。
タイミングT9(FD2リセット)で、水平n行目のリセット信号RX1(RX1n)が高電位(H)にされることで、RG1がオンされてFD2とFD1およびトランジスタQ7のゲートが既定のリセット電位RSBにリセットされる。図34で、この状態を後述する。
タイミングT9の終了時点で、FD1およびFD2にはリセットノイズによる電荷Q(N−Knee2)が発生する。FD1とFD2とは切換スイッチQ6を介して接続されているので、発生するノイズはFD1とFD2の容量比に比例して按分される。
タイミングT10(Knee部ノイズ読み出し)で、水平n行目の読み出し信号SX(SXn)およびサンプルホールド回路162dの制御信号(SHN−Knee)が高電位(H)にされることで、FD1およびFD2に残存するリセットノイズによる電荷Q(N−Knee2)がノイズ電位V3として垂直信号線162jに導出され、サンプルホールドスイッチSsh3を介して、信号電位V3としてサンプルホールド容量Csh3に保持される。図35で、この状態を後述する。
タイミングT11(撮像データ出力)での動作は、図6と同じである。撮像データ162kも上述した(式6)と同じである。
次に、図23で示した各タイミングでの画素162b内部の動作を、図24から図35のポテンシャル図で説明する。図24から図35は、図23のタイミングT1からT10の各タイミングでの、フォトダイオードPD、転送ゲートTG1およびTG2、フローティングディフュージョンFD1およびFD2、リセットゲートRG1、リセット電位RSBの各部のポテンシャルと切換スイッチQ6のオン/オフ状態を示す模式図である。
図24は、図23(a)のタイミングT1の状態を示し、FD1およびFD2がリセット電位RSBにリセットされ、PDの残存電荷が排出されてPDがリセットされている。
図25は、図23(a)のタイミングT1直後の状態を示し、TG1とTG2のポテンシャルに差ΔVpdがつけられて、撮像可能な状態となっている。また、FD1およびFD2にはリセットノイズによる電荷Q(N−Ln1)およびQ(N−Knee1)が発生している。
図26は、図23(a)のタイミングT2の状態を示し、被写体からの光がPDで光電変換されて、PDに信号電荷Q(S−Ln)が蓄積されている。信号電荷Q(S−Ln)のPDでの蓄積動作は、信号電荷Q(S−Ln)がTG2のポテンシャルを超えるまで続く。
図27は、図23(a)のタイミングT2の状態を示し、特に入射光量が多い状態を示す。PDには信号電荷Q(S−Ln)がその蓄積可能な最大電荷量Qpdmaxまで蓄積されており、オーバーフローした信号電荷が、FD2に、リセットノイズによる電荷に重畳されて蓄積されている。
図28から図32までの各部のポテンシャルの状態は、図11から図15と同じである。
図33は、図23(b)のタイミングT8の状態を示す。本第2の実施の形態では切換スイッチQ5が省略されているので、図33の状態は図19と同じで、FD2に蓄積された電荷(Q(S−Knee2)+Q(N−Knee1))と、タイミングT7の最後でFD1に発生したリセットノイズによる電荷Q(N−Ln3)が加算されて、FD1とFD2の容量比に比例して按分されている。ここに、信号電位V4は、上述した(式4)と同じある。
図34は図23(b)のタイミングT9の状態を示し、RG1がオンされており、FD2とFD1およびトランジスタQ7のゲートがリセット電位RSBにリセットされている。
図35は、図23(b)のタイミングT10の状態を示し、FD1およびFD2にはリセットノイズによる電荷Q(N−Knee2)が発生しており、切換スイッチQ6を介して信号電位V3(=Q(N−Knee2)/(Cfd1+Cfd2))として出力される。
次に、図22および図23で示した撮像素子162の光電変換特性を図36に示す。図36は、図21と同じく、横軸に撮像素子162への入射光量を、縦軸に撮像データ162kをとった光電変換特性のグラフである。Knee特性は、図21のKnee(Q5オン)特性と同じである。
以上に述べたように、本発明によれば、フォトダイオードの飽和電荷以上の電荷をフォトダイオードと並列に配置された容量性蓄積手段に蓄積することにより、フォトダイオードの飽和電荷以上の電荷も信号電荷として利用することで、真の意味でダイナミックレンジを拡大し、もって高画質化に寄与することのできる撮像素子および該撮像素子を搭載した撮像装置を提供することができる。
尚、本発明に係る撮像素子および該撮像素子を搭載した撮像装置を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。