JP2007150777A - 音声処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スクリーンスピーカに映し出された映像の対象物からあたかも音声が発せられたかのような臨場感あふれる音声を得ること。
【解決手段】投影機にて映像を投射されるスクリーン12を有するスクリーンスピーカ11から放射される音声の音圧を調整するための音声処理装置26であって、スクリーン12から放射される音声に対応する信号である音声信号と、当該音声信号が放射される際のスクリーン12上の音圧の分布に関する信号である音圧信号とを入力する信号処理部32と、信号処理部32から入力された音圧信号に基づいてスクリーン12上の音圧の分布に関する係数としての音圧分布係数を算出する音声処理部10と、音声処理部10によって算出された音圧分布係数と、信号処理部32から入力された音声信号とに基づいて、スクリーンスピーカ11を駆動するための駆動信号を生成する音声処理部10とを有するものとする。
【選択図】 図3
【解決手段】投影機にて映像を投射されるスクリーン12を有するスクリーンスピーカ11から放射される音声の音圧を調整するための音声処理装置26であって、スクリーン12から放射される音声に対応する信号である音声信号と、当該音声信号が放射される際のスクリーン12上の音圧の分布に関する信号である音圧信号とを入力する信号処理部32と、信号処理部32から入力された音圧信号に基づいてスクリーン12上の音圧の分布に関する係数としての音圧分布係数を算出する音声処理部10と、音声処理部10によって算出された音圧分布係数と、信号処理部32から入力された音声信号とに基づいて、スクリーンスピーカ11を駆動するための駆動信号を生成する音声処理部10とを有するものとする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、音声処理装置、および、スクリーンスピーカに関する。
従来から、スクリーンにおける左、中央、右の3つの領域にそれぞれチャンネルを設け、各領域にそれぞれのチャンネル用の信号を加えて、スクリーンの前方より音を放出させる3チャンネルのスクリーンスピーカシステムが存在する。このようなタイプのスクリーンスピーカシステムとしては、例えば、特許文献1に開示されているものが知られている。
特許文献1に開示されているスクリーンスピーカでは、振動板となるハニカムパネルの一方の面にスクリーンフィルムが接着され、ハニカムパネルの他方の面に3つのエキサイターが取り付けられている。そして、各エキサイターをそれぞれのチャンネルに対応させると共に、各エキサイターに各チャンネル用の信号を加えてハニカムパネルの左、中央、右の領域を振動させている。
近年、より迫力ある映像を提供するために、ホームシアターシステムにおいて、当該映像を映し出すためのスクリーンの大型化が要求されており、スクリーンスピーカにおいても更なる画面の大型化が要求される。また、スクリーンスピーカシステムの大型化を図る場合、それに伴う臨場感あふれる音響システムも要求される。
しかしながら、特許文献1記載のスクリーンスピーカでは、スクリーン全体に映し出される映像のうち最も高い音声出力レベルが求められる音源位置から高いレベルの音声を出力することができない。そのため、特許文献1記載のスクリーンスピーカを大型化した場合、大型化されたスクリーンスピーカからは、大型化する前のスクリーンスピーカから放たれる音声と同程度の臨場感あふれる音声を聞くことができないといった問題を有する。
本発明は、上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、スクリーンスピーカに映し出された映像の対象物(音源)からあたかも音声が発せられたかのような臨場感あふれる音声を得るための音声処理装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、投影機にて映像を投射されるスクリーンを有するスクリーンスピーカから放射される音声の音圧を調整するための音声処理装置であって、スクリーンから放射される音声に対応する信号である音声信号と、当該音声信号が放射される際のスクリーン上の音圧の分布に関する信号である音圧信号とを入力する入力手段と、入力手段から入力された音圧信号に基づいてスクリーン上の音圧の分布に関する係数としての音圧分布係数を算出する算出手段と、算出手段によって算出された音圧分布係数と、入力手段から入力された音声信号とに基づいて、スクリーンスピーカを駆動するための駆動信号を生成する生成手段と、を有するものである。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、音圧分布係数は、スクリーンにおいて複数に分割される領域となる分割領域のそれぞれを単位として割り当てられているものである。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、分割領域のそれぞれには音圧分布係数が割り当てられており、生成手段は、音圧分布係数と音圧信号とに基づいて、それぞれの分割領域を駆動するための駆動信号を生成するものである。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、スクリーンは駆動体によって駆動され、かつ当該駆動体は各分割領域にそれぞれ配置されており、駆動信号によって各駆動体が駆動されるものである。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、音圧分布係数は、スクリーンスピーカのスクリーンに投影される映像において、音源が位置する分割領域に大きな値が割り当てられ、音源が位置する分割領域から離れるに従って小さな値が割り当てられているものである。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、分割領域は、スクリーンにおいてマトリックス状に設けられており、各分割領域に割り当てられる音圧分布係数は、スクリーンにおいて規定される縦軸および横軸にそれぞれ割り当てられた音圧分布係数素の積として与えられるものである。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、分割領域のうち複数の分割領域を1つのユニットとし、ユニット毎に音圧信号のチャンネルが割り当てられているものである。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、チャンネルは、スクリーンの左側に形成されたユニットに対応する左チャンネルと、スクリーンの中央に形成されたユニットに対応する中央チャンネルと、スクリーンの右側に形成されたユニットに対応する右チャンネルの3つのチャンネルである。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、音声信号に音圧信号が付加された状態で音圧信号が入力手段に入力されるものである。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、音圧信号は、音声信号と独立して入力手段に入力されるものである。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、音圧信号と音声信号は、複数のチャンネルに対応する信号をそれぞれ有し、いずれかの信号を選択するための選択信号に基づいて、これら複数のチャンネルのいずれかが選択されるものである。
また、本発明は、投影機にて映像を投射されるスクリーンを有するスクリーンスピーカにおいて、スクリーンから放射される音声に対応する信号である音声信号と、当該音声信号が放射される際のスクリーン上の音圧の分布に関する信号である音圧信号とを入力する入力手段と、入力手段から入力された音圧信号に基づいてスクリーン上の音圧の分布に関する係数としての音圧分布係数を算出する算出手段と、算出手段によって算出された音圧分布係数と、入力手段から入力された音声信号とに基づいて、スクリーンスピーカを駆動するための駆動信号を生成する生成手段と、生成手段によって生成された駆動信号によってスクリーンを駆動する駆動手段と、を有するものである。
本発明によると、スクリーンスピーカに映し出された映像の対象物からあたかも音声が発せられたかのような臨場感あふれる音声を得ることができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る音声処理装置26および当該音声処理装置26を用いたスクリーンスピーカ11について、図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る音声処理装置26および当該音声処理装置26を用いたスクリーンスピーカ11について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る音声処理装置26を用いて音圧レベルの調整が行われるスクリーンスピーカ11の斜視図である。
音声処理装置26は、スクリーンスピーカ11とは別体として構成され、スクリーンスピーカ11から放たれる音声に対する音圧レベルの調整を行う。スクリーンスピーカ11は、約150インチの大きさを有する大型のスクリーンスピーカであり、図1に示すように、後述するプロジェクタからの映像を映し出すスクリーン12と、スクリーン12を保持する筐体14と、後述する、スクリーン12を振動させる複数の駆動手段としての駆動体15と、を有している。また、スクリーンスピーカ11は、図1において左側上方の領域となる左チャンネル領域16と、右側下方の領域となる右チャンネル領域17と、左チャンネル領域16と右チャンネル領域17の間の領域となる中央チャンネル領域18の3つの領域に大きく分かれている。左チャンネル領域16、右チャンネル領域17および中央チャンネル領域18のそれぞれには、左チャンネル(図中においてLと表記する。)、右チャンネル(図中においてRと表記する。)および中央チャンネル(図中についてCと表記する。)のそれぞれから信号が加えられえる。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る音声処理装置26を用いたスクリーンスピーカ11の左チャンネル領域16における分割領域anの構成を示す図である。
図2に示すように、左チャンネル領域16は、4行4列のマトリックス状をした16個の分割領域aL11〜aL44に分割されている。なお、図2における記号X1,X2,X3,X4中の数字を行番号とし、記号Y1,Y2,Y3,Y4中の数字を列番号として左チャンネル領域16中の分割領域aL11〜aL44の位置を規定する。なお、以下の説明において、任意の分割領域を示す場合には、単に、分割領域anと表記する。また、分割領域aL11〜aL44中に用いられている記号Lは、分割領域aL11〜aL44が左チャンネル領域16に設けられている旨を表している。例えば、左チャンネル領域16において、図2中の記号X1と記号Y2とによって規定される分割領域anは、分割領域aL12となる。分割領域aL11〜aL44には、スクリーン12を駆動するための駆動体15がそれぞれ配置されている。右チャンネル領域17および中央チャンネル領域18のそれぞれにも、左チャンネル領域16に設けられた分割領域aL11〜aL44と同様の分割領域aR11〜aR44および分割領域aC11〜aC44がそれぞれ設けられている。なお、分割領域aR11〜aR44および分割領域aC11〜aC44に用いられている記号Rおよび記号Cは、分割領域aR11〜aR44および分割領域aC11〜aC44のそれぞれが、右チャンネル領域17および中央チャンネル領域18のにそれぞれ設けられている旨を表している。また、各チャンネル領域16,17,18における任意の分割領域を示す場合には、それぞれ、分割領域aL,aR,aCと表記する。
図3は、スクリーンスピーカ11の駆動システム24の構成を示す図である。図4は、図3に示す音声処理部10の構成を示す図である。図5は、チャンネル毎の音声信号、音圧信号、および、その他の信号を示す図であり、(a)は、LRクロックの状態変化を経時的に示す図であり、(b)は、音声音圧クロックの状態変化を経時的に示す図であり、(c)は、LR音声音圧信号の様子を経時的に示す図であり、(d)は、CS音声音圧信号の様子を経時的に示す図である。図6は、左チャンネル領域16における音圧分布の一例を示す図である。
駆動システム24は、図3に示すように、スクリーンスピーカ11と接続される音声処理装置26と、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ28と、プロジェクタ30と、操作部40とから、主に構成されている。
DVDプレーヤ28は、記録媒体であるDVDに記録されている情報を光学的に読み出し、音声処理装置26に供給する。なお、本実施の形態では、DVDプレーヤ28によって再生される信号には、通常の映像信号および音声信号の他に、スクリーン12上における音圧の分布を示す音圧信号が含まれている。
すなわち、本実施の形態では、スクリーンスピーカ11の各駆動体15から発せられる音声が、スクリーン12に映し出される映像の対象物(音源)から発せられたような音響効果を得るために、DVD等の記録媒体に映像信号および音声信号に加えて、音圧信号が記録されている。この音圧信号により、対象物(音源)に近い分割領域anほど、出力音圧レベルが高くなるように駆動されるため、あたかも映像の対象物から音声が発せられているような効果を得る。
操作部40は、例えば、複数の操作ボタンによって構成され、音声処理装置26の各種設定(音量の設定等)を行う際に操作される。プロジェクタ30は、DVDプレーヤ28から供給された映像信号に基づく映像を、スクリーン12上に投影する投影装置である。音声処理装置26は、DVDプレーヤ28から供給された音声信号および音圧信号に基づいて、スクリーンスピーカ11を駆動するための処理を行う。駆動体15は、例えば、ボイスコイルおよび磁気ユニットによって構成され、分割領域anのそれぞれに対して1つずつ設けられており、分割領域anを音声処理装置26からの駆動信号に基づいて駆動する。
音声処理装置26は、図3に示すように、信号処理部32と、ビデオデコーダ34と、音声処理部10と、制御部38と、アンプbL11〜bL44と、アンプbR11〜bR44と、アンプbC11〜bC44と、から主に構成されている。なお、以下の説明において、任意のアンプを示す場合には、単に、アンプbnと表記する。また、上記のアンプbnに用いられている記号nは、上述した場合と同様、各チャンネルおよび上記各分割領域anを表す記号nに対応している。
入力手段としての信号処理部32は、DVDプレーヤ28から送信される再生信号から映像信号、音声信号、および、音圧信号を分離抽出し、音声信号および音圧信号については音声処理部10に供給し、映像信号についてはビデオデコーダ34に供給する。
ビデオデコーダ34は、信号処理部32から供給された映像信号をデコードし、得られた映像信号(例えば、NTSC信号等)をプロジェクタ30に供給する部分である。
算出手段および生成手段としての音声処理部10は、信号処理部32から供給された音圧信号から、スクリーン12上における音圧の分布状態を決定する係数である音圧分布係数を算出し、当該音圧分布係数と、音声信号とに基づいて、各駆動体15の駆動信号を生成し、アンプbnにそれぞれ供給する。
より具体的には、音声処理部10は、図4に示すように、入力回路36aと、演算回路36bと、信号処理回路36cと、を有している。ここで、入力回路36aは、各チャンネルに対する音声信号および音圧信号の抽出を行う信号抽出回路36dと、その抽出された音声信号および音圧信号をチャンネル毎に格納する記憶回路36eと、を有している。演算回路36bは、入力回路36aによって抽出された音圧信号に基づいて音圧分布係数を算出するとともに、当該音圧分布係数と音声信号とに基づいて駆動信号を生成するための演算を行う部分である。信号処理回路36cは、入力された駆動信号(デジタル信号)を、アナログ信号に変換し、アンプbnに供給する。
アンプbL11〜bL44、アンプbR11〜bR44およびアンプbC11〜bC44は、信号処理回路36cから供給された駆動信号を所定のゲインで増幅し、各分割領域anに設けられている駆動体15を駆動する。なお、アンプbL11〜bL44、アンプbR11〜bR44およびアンプbC11〜bC44は、図4に示すように、左チャンネル(L)、右チャンネル(R)および中央チャンネル(C)の各チャンネルに対応するように設けられている。
次に、本発明の第1の形態の動作について説明する。
まず、操作者が、映像信号、音声信号および音圧信号が記録された所望のDVDをDVDプレーヤ28にセットし、DVDプレーヤ28の再生を開始する。すると、DVDプレーヤ28は、DVDに記憶されている映像信号、音声信号、および、音圧信号を光学的に読み出し、再生信号として音声処理装置26に供給する。
ところで、音圧信号は、後述するように音圧分布係数を算出する目的で使用される。このような音圧分布係数は、映像を撮影する際に、チャンネル毎に複数のマイクロフォンを設け、これら複数のマイクロフォンの音圧分布に基づいて生成することができる。あるいは、DVDの製造者が、撮影された映像信号および音声信号をパーソナルコンピュータに取り込み、映像信号を画面上に再生しながら音源の位置を画面上で指定し、指定された音源の位置に基づいて、所定の演算処理(例えば、音源を中心として音圧がなめらかに減少するようにする演算処理(フィルタリング処理))を施すことにより、生成することができる。あるいは、複数の連続するフレームを比較し、フレーム間で変化が生じている部分(例えば、話者の唇、移動する自動車等)については、音源となる可能性が高いことから、前述の場合と同様の処理により、生成することができる。
音声処理装置26の信号処理部32は、DVDプレーヤ28から供給された再生信号から映像信号を分離抽出し、ビデオデコーダ34に供給する。また、信号処理部32は、再生信号から音声信号と音圧信号とを分離抽出し、音声処理部10に供給する。
ビデオデコーダ34は、信号処理部32から供給された映像信号(MPEG方式の映像信号)に対してデコード処理を施し、得られた映像信号(例えば、NTSC信号等)を、プロジェクタ30に供給する。プロジェクタ30は、ビデオデコーダ34から供給された映像信号に対応する映像を、スクリーン12に投影する。その結果、スクリーン12には、DVDに記録されている映像が投影される。
一方、音声信号および音圧信号については、音声処理部10に供給され、そこで処理が施される。具体的には、音声信号および音圧信号は、音声信号内に音圧信号が付加された形の音声音圧信号として音声処理部10に供給される。この音声音圧信号は、図5(c),(d)に示すように、左チャンネル(L)および右チャンネル(R)用のLR音声音圧信号並びに中央チャンネル(C)およびサブウーハ(S)用のCS音声音圧信号として音声処理部10に供給される。なお、サブウーハから放出される音声は、低域成分であり、指向性が低いため、音声音圧分布を形成する必要はない。このため、CS音声音圧信号においてサブウーハの音圧形成に対応する信号は含まれていない(図5(d)参照)。以下、LR音声音圧信号とCS音声音圧信号とをまとめて表す場合には、単に、音声音圧信号と表記する。
音声処理部10の信号抽出回路36dは、供給された音声音圧信号からチャンネル毎の音声信号および音圧信号を分離抽出し、記憶回路36eに格納する。すなわち、信号抽出回路36dには、音声信号または音圧信号右のいずれかを抽出するための音声音圧クロックが供給されている(図5(b)参照)。さらに、信号抽出回路36dには、音声音圧クロックで抽出された音声信号または音圧信号が左チャンネルまたは右チャンネルのいずれに該当するかを決定するためのLRクロックが供給されている(図5(a)参照)。また、信号抽出回路36dは、LRクロックに基づいて、音声音圧クロックによってCS音声音圧信号から抽出された音声信号または音圧信号が中央チャンネルまたはサブウーハのいずれに該当するかを決定する。
具体的には、図5に示す音声音圧信号が入力されるとすると、図5(c)において最も左側に位置するLR音声音圧信号は、音声音圧クロック(図5(b)参照)により音声信号が抽出され、当該音声信号がLRクロック(図5(a)参照)によって左チャンネルに該当すると判定される。その次に入力された信号(左から2番目の信号)は、音声音圧クロックにより音声信号が抽出され、当該音声信号がLRクロックによって右チャンネルに該当すると判定される。その次に付加された信号(左から3番目の信号)は、音声音圧クロックにより音圧信号が抽出され、当該音圧信号がLRクロックによって左チャンネルに該当すると判定される。さらに、次に付加された信号(左から4番目の信号)は、音声音圧クロックにより音圧信号が抽出され、当該音圧信号がLRクロックによって右チャンネルに該当すると判定される。以下、同様に、左チャンネルおよび右チャンネル用の音声信号および音圧信号もそれぞれ抽出される。
また、図5(d)において最も左側に位置するCS音声音圧信号は、音声音圧クロックにより音声信号が抽出され、当該音声信号がLRクロックによって中央チャンネルに該当すると判定される。その次に入力された信号(左から2番目の信号)は、音声音圧クロックにより音声信号が抽出され、当該音声信号がLRクロックによってサブウーハチャンネルに該当すると判定される。その次に入力された信号(左から3番目の信号)は、音声音圧クロックにより音圧信号が抽出され、当該音圧信号がLRクロックによって中央チャンネルに該当すると判定される。以下、同様に、音声信号が中央チャンネルおよびサブウーハチャンネルのそれぞれに順次割り当てられ、音圧信号が中央チャンネルに割り当てられる。
以上のようにして抽出された各チャンネルの音声信号および音圧信号は、記憶回路36eに順次格納されていく。そして、全てのチャンネルの音声信号と音圧信号の格納が終了すると、演算回路36bによって読み出され、後述するような処理が実行される。
すなわち、演算回路36bは、まず、記憶回路36eに格納されている音圧信号をチャンネル毎に読み出し、チャンネル毎に音圧分布係数を算出する。図6は、左チャンネル領域16における音圧分布係数を示している。この図に示すように、音圧分布係数は、各分割領域aLに対して割り当てられた0〜9の間の数値であり、各分割領域aLから出力される音圧レベルを規定する数値である。音圧分布係数は、スクリーン12上において音源が存在する位置に近いほど、大きな値となり、音源から離れるに従って小さな値となる。図6の例では、音源は分割領域aL11に存在しているので、分割領域aL11に関連付けされた音圧分布係数が“9”で最大となっており、これから離れるに従って小さな値となっている。なお、図6の例では、最小値は“1”となっているが、“0”が含まれるようにしてもよい。
ところで、音圧信号には、音圧分布係数自体ではなく、当該音圧分布係数を行列成分の積として表した音圧分布係数の素となる成分である音圧分布係数素が格納されている。すなわち、図6において、分割領域aL11に対応する音圧分布係数“9”は、列成分である音圧分布係数素“3”と、行成分の音圧分布係数素“3”の積として表される。同様にして、分割領域aL12に対応する音圧分布係数“3”は、列成分である音圧分布係数素“1”と、行成分の音圧分布係数素“3”の積として表される。従って、演算回路36bは、記憶回路36eに格納されている音圧信号に含まれているチャンネル毎の音圧分布係数素を読み出し、行成分と列成分とをそれぞれ乗算することにより、図6に示すような音圧分布係数を得る。なお、この例では、音圧分布係数素は、0〜3までの数値であるので、各音圧分布素は2ビットの信号によって表現される。また、音圧分布係数素は、全部で8個であるので、これら全てに必要なビット数は16ビットとなる。
演算回路36bは、記憶回路36eに格納されているチャンネル毎の音圧分布係数素を乗算することにより、左チャンネル領域16、右チャンネル領域、および、中央チャンネル領域18のそれぞれに対する音圧分布係数を算出する。
続いて、演算回路36bは、記憶回路36eに格納されている音声信号をチャンネル単位で読み出し、先に求めた音圧分布係数との間で乗算処理を実行する。例えば、左チャンネルの音声信号に含まれている音声データが“10”である場合には、当該値と図6に示すそれぞれの音圧分布係数とが乗算され、行列成分の音圧分布係数が10倍された値が得られる。なお、音声信号は、例えば、16ビットで表現される信号であり、0〜65536の値をとる。したがって、音声信号と音圧分布係数とを単純に乗算した場合には、桁あふれ(オーバーフロー)を起こす場合も想定されるので、例えば、音声信号を1/9倍した後に、音圧分布係数を乗算すればよい。
演算回路36bは、チャンネル毎に前述のような処理(音圧分布係数と音声信号とを乗算する処理)を実行し、得られた4行4列の行列要素を、信号処理回路36cに供給する。
信号処理回路36cは、演算回路36bから供給された行列要素のそれぞれに対して、操作部40によって設定された音量に関する係数(全体の音量に関する係数および左右のバランスに関する係数等であり、例えば、0〜1の間の数)を乗算した後、デジタルからアナログ信号に変換し、アンプbnに出力する。左チャンネル領域16の場合では、図6に示す16個の音圧分布係数と、音声信号の値が乗算され、得られた16個の値に対して、音量に関する係数が乗算された後、アナログ信号に変換されて各チャンネルに対応するアンプbL11〜bL44に駆動信号として供給される。右チャンネル領域17および中央チャンネル領域18についても同様の処理が行われ、得られた信号がアンプbR11〜bR44およびアンプbC11〜bC44に駆動信号としてそれぞれ出力される。
アンプbL11〜bL44、アンプbR11〜bR44およびアンプbC11〜bC44は、信号処理回路36cから供給された駆動信号を所定のゲインで増幅した後、図3に示す分割領域anに配置されている駆動体15のそれぞれに出力する。
各駆動体15は、アンプbnから供給された駆動信号に応じた振幅で振動し、音声を出力する。
次に、音源が左チャンネル領域における分割領域aL11から分割領域aL22を経て分割領域aL33に移動する場合の動作について説明する。
図7は、音源が移動した場合の左チャンネル領域16における音圧分布係数の変化を示す図であり、(a)は、音源が移動する前の状態であり、分割領域aL11に音源が存在する場合の音圧分布係数を示す図であり、(b)は、分割領域aL22に音源が存在する場合の音圧分布係数を示す図であり、(c)は、分割領域aL33に音源が存在する場合の音圧分布係数を示す図である。
まず、音源が分割領域aL11に存在する場合は、上述したように、各行および各列に対して割り当てられた音圧分布係数素を各行列ごとに乗ずることで、図7(a)に示すような、音圧分布係数が算出される。図7(a)に示すように、音圧分布係数は、音源となる分割領域aL11が最も大きな値(=9)となっており、その下の分割領域aL21の数値が次に大きな値(=6)となっている。このように、分割領域aL11から離れるにつれて音圧分布係数は、徐々に小さな値となっている(図7(a)参照)。ここで、各分割領域anから出力される音声の音圧レベルは、各分割領域に割り当てられている音圧分布係数に略比例するので、図7(a)の例では、分割領域aL11から出力される音声の音圧レベルが最も高くなる。
次に、音源が分割領域aL11から分割領域aL22に移動すると、図7(b)に示すような音圧分布係数となる。この場合、X1=2,X2=3,X3=2,X4=1,Y1=2,Y2=3,Y3=1,Y4=1のような音圧分布係数素が各行および各列に対して割り当てられる。そして、これら各行および各列に対して割り当てられた音圧分布係数素を各行列ごとに乗ずることで、図7(b)に示すような、音圧分布係数が算出される。図7(b)に示すように、音圧分布係数は、音源となる分割領域aL22が最も大きな値(=9)となっており、その上下および左の分割領域aL12,aL32,aL21の値がそれぞれ次に大きな値(=6)となっている。このように、分割領域aL22から離れるに従って音圧分布係数が、徐々に小さな値となっている(図7(b)参照)。
次に、音源が分割領域aL22から分割領域aL33に移動すると、図7(c)に示すような音圧分布係数となる。この場合、X1=1,X2=2,X3=3,X4=2,Y1=1,Y2=2,Y3=3,Y4=1のような音圧分布係数素が各行および各列に対して割り当てられる。そして、これら各行および各列に対して割り当てられた音圧分布係数素を各行列ごとに乗ずることで、図7(c)に示すような、音圧分布係数が算出される。図7(c)に示すように、音圧分布係数を表す値は、音源となる分割領域aL33が最も大きな値(=9)となっており、その上下および左の分割領域aL23,aL43,aL32の数値がそれぞれ次に大きな値(=6)となっている。このように、分割領域aL33から離れるにつれて音圧分布係数を表す数値は、徐々に小さな値となっている(図7(c)参照)。なお、図7には示されていないが、右チャンネル領域17および中央チャンネル領域18における音圧分布係数を表す値もチャンネル毎の各分割領域aR,aCに割り当てられるものとする。
以上のように構成された、音声処理装置26を採用したスクリーンスピーカ11では、各チャンネルに形成された16個の分割領域anに対して音圧分布係数を割り当て、当該音圧分布係数に応じて各駆動体15を駆動するようにしたので、スクリーン12に映し出された映像において対象物の位置する分割領域anを音源としてスクリーン12から音声を放出することができる。したがって、対象物に伴って音源の位置を変化させることで、対象物からあたかも音声が発せられたように音声を調節することができる。また、対象物がスクリ−ン中を移動した場合でも、対象物の位置と音源の位置とを一致させることができるため、視聴者に、あたかも対象物から音声が発せられたような臨場感あふれる音声を提供することが可能となる。
また、音声処理装置26を採用したスクリーンスピーカ11では、16個の各分割領域anに駆動体15が配置されているため、スクリーンスピーカ11が大型である場合でも、音源の位置に合わせて音声の音圧レベルを効率的に調節することができる。また、画面が大型化するほど音源位置の影響は顕著になるため、音圧レベルの調節がより効果的に音声に反映される。したがって、スクリーンスピーカ11では、通常の大きさのスクリーンスピーカと比較して、視聴者により迫力ある音声を提供することができる。
また、音声処理装置26では、1つのチャンネル内において音圧分布係数を変化させ、各分割領域anから出力される音声の音圧レベルを変化させている。一般的に、音源の時間的な移動量は、音声の時間的な変化量に比較すると小さい。すなわち、音源である人間またはその他の物体は、一定の質量を有していることから、その移動速度は音声の時間的な変化に比較すると緩やかである。従って、音圧分布係数の変化は、音声の変化に比較すると緩やかであり、情報量としては少ない。また、本実施の形態では、16個の分割領域anに対応して16個の音圧分布係数を用いている。このため、チャンネル数を増加させて音圧レベルの調整をする場合(例えば、左、右、中央をそれぞれ16チャンネルずつとした場合)と比較して、DVD等の記録媒体に格納するデータ量を少なくすることができる。また、格納するデータ量が少ないため、音圧レベルの調整を単純な形式で行うことが可能となり、その結果、コストの削減を図ることが可能となる。
また、音声処理装置26を採用したスクリーンスピーカ11では、各分割領域anに割り当てられる音圧分布係数を、行および列の要素として与えられる音圧分布係数素の積として表すようにしている。そのため、音圧分布を制御するためのパラメータの数を少なくできると共に、音圧分布の算出に用いるデータ量を少なくできる。
また、信号処理部32では、LRクロックと音声音圧クロックの2つの信号を用いてチャンネル毎の音声信号と音圧信号を分離しているため、複数の信号をひとつのビットストリームにまとめることができるので、装置の構成を簡略化することができる。
また、音声処理装置26を採用したスクリーンスピーカ11では、各分割領域anにそれぞれ駆動体15が配置されており、駆動体15のそれぞれに音圧分布信号が割り当て割り当てられている。したがって、各分割領域anから異なった音圧レベルを有する音声を簡易に発生させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る音声処理装置41および当該音声処理装置41を用いたスクリーンスピーカ11について、図面を参照しながら説明する。本発明の第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の部材、同一の部分には同一の符号を付すと共にその説明を省略または簡略化する。なお、第2の実施の形態では、音声処理装置41におけるチャンネル毎の音声信号および音圧信号の生成方法のみが異なるため、その相違部分について述べる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る音声処理装置41および当該音声処理装置41を用いたスクリーンスピーカ11について、図面を参照しながら説明する。本発明の第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の部材、同一の部分には同一の符号を付すと共にその説明を省略または簡略化する。なお、第2の実施の形態では、音声処理装置41におけるチャンネル毎の音声信号および音圧信号の生成方法のみが異なるため、その相違部分について述べる。
図8は、チャンネル毎の音声データおよび音圧データを生成するための構成を示す図であり、(a)は、LRクロックの状態変化を経時的に示す図であり、(b)は、LR音声信号の様子を経時的に示す図であり、(c)は、LR音圧信号の様子を経時的に示す図であり、(d)は、CS音声信号の様子を経時的に示す図であり、(e)は、CS音圧信号の様子を経時的に示す図である。
本実施の形態では、音声信号と音圧信号は独立的に付加され、LRクロックを用いて各チャンネル用の音声信号と音圧信号が抽出される。信号抽出回路36fには、図8(b),(c),(d),(e)に示すように、左チャンネル(L)および右チャンネル(R)用のLR音声信号およびLR音圧信号と、中央チャンネル(C)およびサブウーハ(S)用のCS音声信号と、中央チャンネル用(C)のCS音声音圧信号とが入力される。なお、前述のように、サブウーハにおいては音圧分布を形成する必要はないため、CS音圧信号にはサブウーハチャンネル用の音圧信号は含まれていない(図8(e)参照)。
本実施の形態では、信号抽出回路36fには、入力された音声信号または音圧信号を左チャンネルおよび右チャンネルのいずれかに振り分けるLRクロックが入力されている(図8(a)参照)。また、このLRクロックは、CS音声信号またはCS音圧信号のそれぞれを中央チャンネルおよびサブウーハのいずれかに振り分ける用途にも使用される。
具体的には、LR音声信号が抽出回路36fに入力された場合、当該LR音声信号は、LRクロックに基づいて左チャンネルまたは右チャンネルのいずれに該当するかが判定され、その結果、左チャンネル用および右チャンネル用の音声信号がそれぞれ抽出される。また、LR音圧信号も同様に、LRクロックに基づいて左チャンネルまたは右チャンネルのいずれに該当するかが判定され、その結果、左チャンネル用および右チャンネル用の音圧信号がそれぞれされる。さらに、CS音声信号がについては、LRクロックに基づいて中央チャンネルまたはサブウーハのいずれに該当するかが判定され、その結果、中央チャンネル用およびサブウーハ用の音声信号がそれぞれ生成される。また、CS音圧信号については、LRクロックによって中央チャンネルに割り当てられる音圧信号のみが抽出される(サブウーハに対応する音圧信号は付加されないためサブウーハ用の音圧データは生成されない。)。
以上のようにして生成された各チャンネル用の音声データおよび音圧データは、第1の実施の形態の場合と同様、演算回路36bに入力され、チャンネル毎の音圧分布係数が算出される。そして、音圧分布係数と音声信号とが乗算され、得られた信号が信号処理回路36cに供給され、アナログ信号に変換された後、対応するアンプbnに供給される。アンプbnは、信号処理回路36cから供給された信号に基づいて各チャンネル領域16,17,18における分割領域anのそれぞれに配置されている駆動体15を駆動する。
以上のようにして構成された、音声処理装置41では、チャンネル毎の音声信号および音圧信号を生成するために入力される信号をそれぞれLR音声信号、LR音圧信号、CS音声信号およびCS音圧信号とパラレルに付加することで、これら各信号の内容を単純にでき、当該各信号の生成および分離が容易となる。また、チャンネル毎に生成された音声信号と音圧信号が音声処理装置41に入力されるため、音声処理装置41内で各チャンネルに対する音声信号と音圧信号の生成をする必要がなくなる。したがって、音声処理装置41の構成を単純化できると共に、音声処理装置41での信号処理の迅速化を図ることが可能となる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る音声処理装置42について説明する。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と、同じ作用・効果についてもその説明を省略する。また、第1の実施の形態と同一の部材、同一の部分には同一の符号を付すと共にその説明を省略または簡略化する。なお、第3の実施の形態では、音圧分布係数素のビット数と、分割領域の分割数およびそれに付随する部分が異なるため、その相違部分を中心に説明する。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る音声処理装置42について説明する。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と、同じ作用・効果についてもその説明を省略する。また、第1の実施の形態と同一の部材、同一の部分には同一の符号を付すと共にその説明を省略または簡略化する。なお、第3の実施の形態では、音圧分布係数素のビット数と、分割領域の分割数およびそれに付随する部分が異なるため、その相違部分を中心に説明する。
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る左チャンネル領域16における分割領域および音圧分布係数を示す図である。
図9に示すように、本実施の形態では、左チャンネル領域16は、6行4列のマトリックス状をした24個の分割領域aL11〜aL64に分割されている。なお、図9における記号X1,X2,X3,X4,X5,X6中の数字を行番号とし、記号Y1,Y2,Y3,Y4中の数字を列番号として左チャンネル領域16中の分割領域aL11〜aL64の位置を規定する。また、分割領域aL11〜aL44中に用いられている記号Lは、分割領域aL11〜aL44が左チャンネル領域16に設けられている旨を表している。また、分割領域aL11〜aL64のそれぞれには、スクリーン12を駆動させるための駆動体15がそれぞれ配置されている。右チャンネル領域17および中央チャンネル領域18のそれぞれにも、左チャンネル領域16に設けられた分割領域aL11〜aL64と同様の分割領域aR11〜aR64および分割領域aC11〜aC64がそれぞれ設けられている。なお、分割領域aR11〜aR64および分割領域aC11〜aC64に用いられている記号Rおよび記号Cは、分割領域aR11〜aR64および分割領域aC11〜aC64のそれぞれが、右チャンネル領域17および中央チャンネル領域18のにそれぞれ設けられている旨を表している。また、任意の分割領域を示す場合には、単に、分割領域anと表記する。また、各チャンネル領域16,17,18における任意の分割領域を示す場合には、それぞれ、分割領域aL,aR,aCと表記する。
図9に示すように、例えば、分割領域aL32に音源がある場合、X1=2,X2=4,X3=7,X4=6,X5=3,X6=1,Y1=3,Y2=5,Y3=1,Y4=4のような音圧分布係数素が各行および各列に対して割り当てられる。本実施の形態では、上記音圧分布係数素を3bitの値により、0〜7の間の値として表している。そして、これら各行および各列に対して割り当てられた音圧分布係数素を各行列ごとに乗ずることで、図9に示すように、分割領域aLにおける音圧分布係数が算出される。図9に示すように、音圧レベルを表す値は、音源となる分割領域aL32が最も大きな値(=23(16進法))となっており、分割領域aL32から離れるにつれて徐々に小さな値となっている。右チャンネル領域17および中央チャンネル領域18に関しても、音圧分布を算出するために同様の演算が行われる。なお、図9中で使用されているアルファベットA,C,E,Fは、それぞれ10進法で表す数字の10,12,14,15を表している。
以上のように構成された、音声処理装置42を採用したスクリーンスピーカ11では、チャンネル毎に24個の分割領域anが形成されているため、より細分化された領域の音圧を変化させることが可能となる。このため、スクリーンに映し出された映像において対象物の位置する分割領域anを音源としてスクリーン12から音声を放出することができる。また、各チャンネル領域16,17,18は、24個と多くの分割領域anを有しているため、音源の位置をさらに細分化された位置とすることができる。また、分割領域anにおける各行および各列に割り当てる音圧分布係数素を3bitによって表現することで、さらに広範囲の音圧分布係数を設定することが可能となる。そのため、音源の位置および音圧レベルをさらに多様に調節することができ、その結果、より臨場感あふれる音声を提供することが可能となる。
また、音声処理装置42を採用したスクリーンスピーカ11では、24個の各分割領域anに駆動体15がそれぞれ配置されると共に、分割領域anにおける各行および各列に割り当てる音圧分布係数素を3bitによって表現しているため、より細かい音圧分布係数を形成することができる共に、当該音源の位置に合わせてより広い範囲で音圧レベルを調節することができる。そのため、スクリーンスピーカ11が大型化した場合でも、その大型化に追従することができ、その結果、視聴者により迫力ある音声を提供することができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
上述の各実施の形態では、スクリーンスピーカ11をマトリックス状に分割して分割領域anを設けたが、この形状に限定することなく、各分割領域anを異なる大きさを有する四角形で形成するようにしても良いし、各分割領域anを多角形等の他の形状としても良い。
また、上述の第1および第2の実施の形態並びに第3の実施の形態では、それぞれ、分割領域anの数を16個並びに24個としたが、これに限定されることなく、25個以上としても良いし、15個以下としても良い。また、17個以上23個以下の範囲の個数としても良い。
また、上述の第1および第2の実施の形態並びに第3の実施の形態では、それぞれ、分割領域anの各行および各列に割り当てられる音圧分布係数素を2bit並びに3bitの値としたが、これらの値に限定されず、4bit以上の値としても良い。
また、上述の各実施の形態では、音圧分布係数の値を音圧レベルの差として、そのまま適用しているが、これに限定することなく、音圧分布信号をデシベル変換し、当該デシベル値に応じて駆動信号を生成するようにしてもよい。あるいは、この音圧レベルを相対値として用いるのではなく、ある基本音圧レベルに対して加算・減算するような方式を用いても良い。但し、減算方式を用いる場合は、音圧が大きい領域ほど音圧分布係数は小さくなるか、あるいは小さくなるように減算処理される。また、音圧分布の演算方法を単なる算出用数値の行列の積とせず、係数演算を行っても良いし、他の演算式を用いるようにしても良い。
また、上述の各実施の形態では、音圧分布係数素を乗算することにより、音圧分布係数を生成するようにしているが、音圧分布係数そのものを記録媒体に記録し、これを用いることも可能である。そのような方法によれば、情報量は増えるものの、より詳細な音圧分布係数を得ることができる。
また、上述の各実施の形態では、音圧信号を音声信号と同じ頻度で入力するようにしたが、前述したように音圧分布係数の変化は、音声信号の変化と比較すると非常に緩やかにであることから、例えば、音声信号が10に対して、音圧信号が1の割合で入力するようにしてもよい。なお、これ以外の割合でもよいことはもちろんである。
また、上述の各実施の形態では、音圧分布係数素を一定の割合で入力するようにしたが、前述のように音圧分布係数は変化が緩やかであるため、例えば、同じ話者がスクリーン12上の同じ位置で発話を続けているような場合には、音圧分布係数が同じ状態で継続されることになる。そのような場合には、音圧分布係数素を全て入力するのではなく、前回の音圧分布係数と同じであることを示す所定の信号(例えば、数ビットの信号)を入力し、前回と同じ音圧分布係数を用いることにより、音圧信号の情報量を有効に減らすことができる。
また、上述の各実施の形態では、DVD等の記録媒体に記録されている音圧信号に基づいて、音圧分布係数を算出するようにしたが、映像信号から音圧分布係数を算出することも可能である。例えば、映像信号の数フレームを比較し、これらのフレームにおいて、変化が生じている領域(対象物が動いている領域)には、音源が存在する可能性が高いので、当該部分の値が高くなるように音圧分布係数を生成し、当該音圧分布係数を用いるようにしてもよい。そのような構成によれば、音圧信号が記録されていない記録媒体を用いた場合でも、臨場感がある音声を再生することができる。
また、上述の各実施の形態では、音源が1つの場合を例に挙げて説明したが、音源が2つ以上存在する場合には、図6において、ピークとなる領域が2つ以上存在するようにすればよい。
また、上述の各実施の形態では、演算回路36bによるデジタル演算によって、音圧分布係数に応じた駆動信号を生成するようにしたが、例えば、音圧分布係数に応じてアンプbnのゲインを調整することで、所望の音圧分布を得るようにしてもよい。
また、上述の各実施の形態では、記録媒体としては、DVDを例に挙げて説明を行ったが、それ以外の記録媒体(例えば、HDD(Hard Disk Drive)等)に記録された情報に基づいて映像および音声を再生するようにしてもよい。さらに、ネットワーク等を通じて情報を取得し、取得した当該情報に基づいて、前述の場合と同様の処理を行うことも可能である。
また、上述の各実施の形態では、音声処理装置26,41,42は、スクリーンスピーカ11とは独立した構成としたが、これらを一体化して構成するようにしてもよい。また、音声処理装置26,41,42からアンプbnを除外し、当該部分のみをスクリーンスピーカ11と一体化することも可能である。
また、上述の各実施の形態では、チャンネル数を3つとしているが、4つ以上としても良いし、2つ以下としても良い。
また、上述の各実施の形態では、各チャンネル領域16,17,18における分割領域anの数を同数としているが、それぞれ異なった数としても良い。また、各チャンネルにおける音圧レベルの範囲をそれぞれ異なった範囲に設定するようにしても良い。
また、上述の各実施の形態では、信号処理部32,52においてチャンネル毎の音声信号および音圧信号の生成が行われているが、これに限定することなく、音声処理装置26,41,42で行うようにしても良い。
また、上述の各実施の形態では、各分割領域anにそれぞれ1つずつの駆動体15が配置されているが、各分割領域anに2つ以上配置しても良いし、ある分割領域anには駆動体15を配置しないようにしても良い。
また、上述の各実施の形態では、チャンネル切り替え用のクロックとしては1つのLRクロックのみを用いて各チャンネル用の音声信号および音圧信号を生成しているが、複数のチャンネル切り替え用のクロックを併用して音声信号および音圧信号を生成するようにしても良い。
本発明の音声処理装置は、スクリーンに映像を投射させて音声を放出させるスクリーンスピーカ等の音響機器において利用することができる。
26,41,42…音声処理装置
10 音声処理部(算出手段、生成手段)
11…スクリーンスピーカ
12…スクリーン
15…駆動体(駆動手段)
32 信号処理部(入力手段)
10 音声処理部(算出手段、生成手段)
11…スクリーンスピーカ
12…スクリーン
15…駆動体(駆動手段)
32 信号処理部(入力手段)
Claims (12)
- 投影機にて映像を投射されるスクリーンを有するスクリーンスピーカから放射される音声の音圧を調整するための音声処理装置であって、
上記スクリーンから放射される音声に対応する信号である音声信号と、当該音声信号が放射される際の上記スクリーン上の音圧の分布に関する信号である音圧信号とを入力する入力手段と、
上記入力手段から入力された上記音圧信号に基づいて上記スクリーン上の音圧の分布に関する係数としての音圧分布係数を算出する算出手段と、
上記算出手段によって算出された音圧分布係数と、上記入力手段から入力された音声信号とに基づいて、上記スクリーンスピーカを駆動するための駆動信号を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする音声処理装置。 - 前記音圧分布係数は、前記スクリーンにおいて複数に分割される領域となる分割領域のそれぞれを単位として割り当てられていることを特徴とする請求項1記載の音声処理装置。
- 前記分割領域のそれぞれには前記音圧分布係数が割り当てられており、前記生成手段は、前記音圧分布係数と前記音圧信号とに基づいて、それぞれの分割領域を駆動するための前記駆動信号を生成することを特徴とする請求項2記載の音声処理装置。
- 前記スクリーンは駆動体によって駆動され、かつ当該駆動体は前記各分割領域にそれぞれ配置されており、前記駆動信号によって上記各駆動体が駆動されることを特徴とする請求項3記載の音声処理装置。
- 前記音圧分布係数は、前記スクリーンスピーカの前記スクリーンに投影される映像において、音源が位置する前記分割領域に大きな値が割り当てられ、音源が位置する前記分割領域から離れるに従って小さな値が割り当てられていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の音声処理装置。
- 前記分割領域は、前記スクリーンにおいてマトリックス状に設けられており、前記各分割領域に割り当てられる前記音圧分布係数は、前記スクリーンにおいて規定される縦軸および横軸にそれぞれ割り当てられた前記音圧分布係数素の積として与えられることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の音声処理装置。
- 前記分割領域のうち複数の前記分割領域を1つのユニットとし、上記ユニット毎に前記音圧信号のチャンネルが割り当てられていることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項記載の音声処理装置。
- 前記チャンネルは、前記スクリーンの左側に形成された前記ユニットに対応する左チャンネルと、前記スクリーンの中央に形成された前記ユニットに対応する中央チャンネルと、前記スクリーンの右側に形成された前記ユニットに対応する右チャンネルの3つのチャンネルであることを特徴とする請求項7記載の音声処理装置。
- 前記音声信号に前記音圧信号が付加された状態で前記音圧信号が前記入力手段に入力されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の音声処理装置。
- 前記音圧信号は、前記音声信号と独立して前記入力手段に入力されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の音声処理装置。
- 前記音圧信号と前記音声信号は、前記複数のチャンネルに対応する信号をそれぞれ有し、いずれかの信号を選択するための選択信号に基づいて、これら前記複数のチャンネルのいずれかが選択されることを特徴とする請求項9または10記載の音声処理装置。
- 投影機にて映像を投射されるスクリーンを有するスクリーンスピーカにおいて、
上記スクリーンから放射される音声に対応する信号である音声信号と、当該音声信号が放射される際の上記スクリーン上の音圧の分布に関する信号である音圧信号とを入力する入力手段と、
上記入力手段から入力された上記音圧信号に基づいて上記スクリーン上の音圧の分布に関する係数としての音圧分布係数を算出する算出手段と、
上記算出手段によって算出された上記音圧分布係数と、上記入力手段から入力された上記音声信号とに基づいて、上記スクリーンスピーカを駆動するための駆動信号を生成する生成手段と、
上記生成手段によって生成された上記駆動信号によって上記スクリーンを駆動する駆動手段と、
を有することを特徴とするスクリーンスピーカ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005343152A JP2007150777A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | 音声処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005343152A JP2007150777A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | 音声処理装置 |
Publications (1)
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JP2005343152A Withdrawn JP2007150777A (ja) | 2005-11-29 | 2005-11-29 | 音声処理装置 |
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JP (1) | JP2007150777A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021000730A1 (zh) * | 2019-07-02 | 2021-01-07 | 中兴通讯股份有限公司 | 移动终端及移动终端的发声控制方法 |
-
2005
- 2005-11-29 JP JP2005343152A patent/JP2007150777A/ja not_active Withdrawn
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