JP2007147556A - 薄膜及び薄膜の製造方法およびその薄膜を用いた化学センサ - Google Patents

薄膜及び薄膜の製造方法およびその薄膜を用いた化学センサ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、化学センサの感応膜として、検出する化学物質に適した材料の薄膜の表面積を増加させることを目的としている。
【解決手段】本発明は、化学センサの感応膜として用いる薄膜を、微粒子と感応膜材料を混合する工程と、前記微粒子と前記感応膜材料との混合物を薄膜に形成する工程と、前記薄膜を乾燥する工程と、その後、少なくとも前記薄膜の表面に露出する前記微粒子を除去する工程とを有することを特徴とする化学センサ用の薄膜の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学センサの感応膜として用いられる薄膜、その薄膜の製造法および該製造方法を用いて製造された薄膜を用いた化学センサに関する。
気体あるいは液体中に含まれる化学物質を検出するセンサとして、化学センサ(検出する化学物質の性質等から、匂いセンサあるいはガスセンサと称される場合もある)が使われている。
これらのセンサは、振動子、表面弾性波素子等に薄膜を形成すると、薄膜が化学物質を吸着すると特性が変わることを利用して化学物質を検出している。
特許文献1に開示されている化学センサは、水晶振動子を用い、NOx排ガスやダイオキシンを含む環境ホルモンによる環境汚染、建材からのホルムアルデヒド等のガス等の化学物質を、ppm〜pptレベルで検出する高感度の化学センサである。
水晶振動子は表面に物質が付着すると、付着した物質の質量に応じて発信周波数が減少する。図7を用いて、水晶振動子を用いた化学センサについて説明する。化学センサ11は、水晶振動子7の一方の面に、それぞれ1対の参照電極8と検出電極9とを設け、検出電極9の間に感応体10を形成したものである。
参照電極2側の参照側発信周波数frと、検出電極9側の検出側発信周波数fsとを検出し、発信周波数fr、fsの差fdから感応体10に付着した物質の量を計測することで対象ガスの濃度を検出するものである。fdは、感応体10に付着した物質の量に比例する。検出精度を向上するためには、単位面積あたりの感応体10の表面積を大きくする必要がある。特許文献1では、トリメチルメトキシシランを原料ガスとして用い、プラズマCVD法により多孔性の薄膜で形成された感応体10が用いられている。感応体10を多孔性の薄膜にすると、表面積が増大して感応体へ付着する検出対象ガスが多くなり、検出精度が向上し、ppm〜pptレベルで化学物質の量を検出することを可能とすることができる。
特許文献2の匂いセンサも水晶振動子を用いたセンサで、図8に示されるように、水晶板21の両面に蒸着された金などで形成された金属電極22の一方の面に匂い感応膜23を形成し、感応膜23に吸着した匂い分子による匂い感応膜23の重量変化を水晶板21の共振周波数変化として検出していた。
共振周波数変化は、電極の単位面積当たりの質量変化に比例するため、感応膜23を厚くすると、膜表面から膜内部への匂い物質の拡散に時間がかかるため、センサとしての応答速度が遅くなる。金属電極に形成された匂い感応膜23の表面に多数の微小な柱状または錐状の突起部を形成し、電極および突起部の表面を覆うように、匂い感応膜を形成することで膜厚を厚くせずに、電極の単位面積当たりの匂い感応膜体積を大きくとることができる。この結果、応答性を悪化させずに、匂い検出感度を向上させることができるというものである。
薄膜としては、脂質分子のLB膜(Langmuir− Blodgett膜)や塗布膜が用いられている。
特許文献1および2は、検出感度、検出精度等を向上する目的で、検出する化学物質が吸着する薄膜の表面に凹凸を設けることで、薄膜の単位面積あたりの表面積を増大させることを目的としている。
これに対し、金属酸化物半導体膜に化学物質を吸着させ、抵抗値の変化を利用し、CO、CH4、NO、NO2等のガスを検出する化学センサが、特許文献3−5に開示されている。特許文献3、4および5は、化学物質を吸着する金属酸化物半導体膜の表面の物性(粒径(批表面面積))を安定化することを目的とするものである。
金属酸化物半導体膜を用いる化学(ガス)センサは、図9のような構造をしている。図9のガスセンサは、シリコン基板31の一方の面に、シリコン酸化膜32が形成され、このシリコン酸化膜32の上には、AlまたはAl合金等の金属や多結晶シリコン(Poly−Si)等からなる一対の検出電極33が形成されている。シリコン酸化膜20の上には、一対の検出電極33を覆うように、Snの酸化物(SnOx)粒子の焼結体のような、金属または金属酸化物からなる粒子を焼結してなるセンシング膜としてのガス感応膜34が形成されている。
また、ガス感応膜34の下部に位置するシリコン基板31には、例えば、シリコン基板31にp層やn層の領域を形成するなどによって形成された拡散抵抗としてのヒータ35が形成されている。このヒータ35は通電により発熱し、ガス感応膜34を加熱できるようになっている。
特許文献3に開示されている感応膜は、ナノメータオーダの粒子、該粒子の凝集を防止する分散剤および焼結時に該分散剤を捕捉する捕捉剤を溶剤に混合させたペースト体を作製し、このペースト体を基材の上に塗布し、粒子を焼成することにより、粒界を持ちつつ、従来よりも薄い膜厚のセンシング膜を形成するものである。
特許文献6は、酸化スズ(金属酸化物半導体)膜からなる感応膜を、
(イ)上層は微粒子構造で、下層は柱状構造の二層構造、
(ロ)上層は連続膜構造で、下層は微粒子構造の二層構造、
(ハ)上層は連続膜構造で、下層は柱状構造の二層構造、
(ニ)連続膜構造をした上層と微粒子構造をした中層と柱状構造をした下層よりなる三層構造、をしている。
上層の連続膜が、酸化スズ半導体薄膜よりなるガス検知膜で、SnO2の結晶構造が主として正方晶であり、他の結晶構造(立方晶、斜方晶)の含有率が1/10以下であることが開示されている。
特許文献7で開示されている、感応膜は、ガス感応物質の層である金属酸化物半導体の層を、その形態を異にする複層構造とするというものである。
特開2004−69661号公報 特許第3646165号 特開2002−363501号 特開平5−296907号公報 特開2003−270184号公報 特開平7−198648号公報 特開平4−212048号公報
特許文献1では、感応膜となる薄膜を、トリメチルメトキシシランを原料ガスとして用い、プラズマCVD法により多孔性の薄膜を形成することで薄膜の単位面積あたりの表面積を増大させている。
特許文献2は、凹凸が形成された面に薄膜を形成することで薄膜の単位面積あたりの表面積を増大させている。
特許文献1の方法では、プラズマCVD法によって形成可能な膜であれば効果的である。検出を行なう化学物質に対応する薄膜によっては、プラズマCVD法によって形成できない場合がある。更に、多孔性の薄膜の場合、薄膜を貫通する孔があるとセンサの電極が短絡を生じてしまう場合がある。
これに対し、特許文献2の方法は、薄膜の表面積を増大させることは可能であるが、例えば、振動子上に薄膜とは異なる材料で凹凸を形成する必要がある。振動子や表面弾性波素子のように下地の振動や表面弾性波を用いるセンサの場合、薄膜とは別に凹凸部を形成すると、振動に対する負荷の一部となってセンサの感度の低下やバラツキを発生させる等の問題がある。
特許文献3〜5は、金属酸化物半導体膜が焼結膜であり、金属酸化物の粒径との表面物性を安定かするものであるので説明は省略する。
本発明は、化学センサの感応膜として、検出する化学物質に適した材料の薄膜の表面積を増加させることを目的としている。
本発明は、薄膜化学センサの感度向上と応答速度向上を実現するものである。手段として少なくとも微粒子と化学物質を吸着する感応膜材料とを混合する工程と、微粒子と感応膜材料との混合物を薄膜に形成する工程と、薄膜を乾燥する工程と、その後、少なくとも薄膜の表面に露出する微粒子を除去する工程とを有することを特徴とする化学センサ用の薄膜の製造方法である。
又、化学物質を吸着する感応膜材料からなる薄膜の表面が、薄膜の表面状態である平坦部と開孔部の面積が1μm2以下の凹部とからなることを特徴とする化学センサ用の薄膜およびこの薄膜に化学物質を吸着させ、化学物質の量を検出する化学センサである。
本発明では、表面積が大きくて薄い感応薄膜を用いる。このような膜は、測定対象の化合物の溶解量が多く、溶解速度が速い。このような膜を被覆した水晶振動子などの周波数変換素子や表面弾性波素子などの圧電素子またはカンチレバーを用いる。これによって、化学物質検出が高感度かつ高応答速度に実現できる方法及び装置が提供される。更に、薄膜が多孔質であることから、撥水性があり、使用環境の湿度や水滴の影響が減少する。
本発明は、薄膜は、薄膜となる溶媒中に微粒子を含有させた後、薄膜を形成し、その後、微粒子を溶解させることで薄膜の表面に微細な凹部を形成することで薄膜の表面積を増大させるものである。薄膜は、塗布法等で形成することができる。
微粒子の大きさは、目的とする表面積の増加を達成することができる粒径であれば良いが、微粒子を除去する際の操作性および時間等を勘案すると粒径がナノオーダであることが好ましい。
薄膜の材料は溶かさず、微粒子を溶かす溶剤を選択することで実施することができる。例えば、薄膜として、有機高分子を使用し、微粒子として、炭酸カルシウムを使用した場合、該溶剤は、水または希酸が適当である。
薄膜の製造方法を、図1を用いて詳細に説明する。薄膜形成原料中に微粒子110を混合し、その後、混合状態で基材100に塗布し、その後、乾燥させ薄膜120を形成する(図1(a)参照)。最後に、微粒子と感応膜材料の溶解度または蒸気圧または昇華温度または沸点または融点または分解温度または分子量の差を利用して微粒子のみを溶解または揮発または融解または分解によって除去することで表面に微粒子の粒径で律則された開口を持った凹部130が形成された薄膜が形成される(図1(b)参照)。
粒径がナノオーダの微粒子としては、膠質炭酸カルシウム、膠質炭酸マグネシウムおよび酸化スズコロイド等があり、酸化物系やその他の各種無機コロイド微粒子でもよい。
更に、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カゼイン,ポリアクリル酸塩,ポリビニルメチルエーテル、でんぷん誘導体、表面改質コロイダルシリカ、水溶性アクリルオリゴマー等でもよく、更に、他の水溶性高分子微粒子や各種有機コロイド微粒子でもよい。
薄膜構成材料と溶解度または蒸気圧または昇華温度または沸点または融点または分解温度または分子量の差が大きいものであれば、どのような物質でもよく、これの例としては、低分子の合成高分子物質などが挙げられる。
後述するように、微粒子の径と膜厚とはほぼ同じ寸法であるので、溶解度を利用する場合は、溶解度の差が10倍以上であれば、微粒子を溶解する際に膜べりは10分の1程度であるので実用に供することができるが、微粒子を溶解する際、時間を増やす方が完全に除去することができるので、50倍以上であるほうがより好ましく、100倍以上であることが更に好ましい。
溶解度の差が100倍以上あれば、微粒子を溶解する際に膜が溶解されても、膜厚はほとんど変化しない。同様に、蒸気圧の差を利用する場合は、微粒子を蒸発させる温度での蒸気圧の差が10倍以上であることが好ましく、50倍以上であることがより好ましく、100倍以上であることが更に好ましい。
溶解度および蒸気圧の差を用いる場合、上限は特に設ける必要はなく、上限は実際に選択される材料によってのみ決まるものであるが、1000倍を越える材料の組み合わせはほとんどないといえる。
昇華温度の差を利用する場合、恒温状態を維持する空間で、微粒子を除去するが、この際の空間内での温度差を小さくすることで昇華温度の差の小さな材料を用いることができるが、温度差の小さい材料の組み合わせる場合、温度制御等を精密に行なう必要が生じるので、微粒子を構成する材料よりも膜を構成する材料の昇華温度が10℃以上高いことが好ましく、20℃以上高いことがより好ましい。
昇華温度の場合も溶解度・蒸気圧の差を用いる場合と同様に、上限は、組み合わせる材料により限定されるもので特に上限を設ける必要がないことは自明である。
更に、沸点の差を利用する場合、沸点は蒸気圧とも関係するので、沸点の差が20℃以上ないと膜を構成する材料も蒸気圧が大きくなるので、膜べりを生じてしまうので20℃以上であることが好ましい。
融点の差を利用する場合は、融点の差が10℃以上であることが好ましい。
又、分子量の差を利用して前記微粒子を蒸発または溶解または分解または溶融または昇華させることで除去する場合、分子量の差が4倍以上であれば、上述した場合と同様に、微粒子を蒸発または溶解または分解または溶融または昇華させることで除去することができる。
粒径は、顕微鏡による目視で粒子除去を確認する必要上、150nm付近が好ましい。100nmより小さくして粒子数をふやすことで同じ表面積にする方法があるが、目視による除去確認操作が困難となり、好ましくない。また、200nm付近より大きいと、細孔径が大きくなり、表面積増加効果が低下するため、好ましくない。また、微粒子と薄膜材料との比は、約1:4、約1:1、約4:1で比較した結果、約1:1付近が表面積増加の目的に好ましいことがわかった。
膠質炭酸カルシウム微粒子の場合、カタログの電子顕微鏡写真によると最小粒径約100nm,最大粒径約300nmである(球形でない場合は、SEM写真から粒子の最大の径と最小の径の和の1/2を粒径とした)。
BET比表面積は、カタログ値で、10〜14m2/gである。薄膜の厚さは、微粒子径の最小値よりも薄い、100nmにすると電極の露出が起きるため薄膜表面積が低下した。たとえピンホール的露出に過ぎない場合であっても、電気的短絡現象となるため好ましくない。膜厚は、微粒子の最小径よりも厚くすることが好ましい。
又、膜厚が、最大微粒子径の350nmよりも厚いと微粒子が薄膜に沈み、埋め込まれるようになり、平坦部が増加して表面積増加の効果が小さく、好ましくない。更に、薄膜の厚さは、センサとしての応答速度に影響があり、特に、高濃度から低濃度に移行する場合には、厚さの増加は応答速度低下に大きく影響するため、350nm以下であることが好ましい。
微粒子径と膜厚とは相関関係があり、膜厚は、使用する微粒子径の最小寸法よりも厚く、使用する微粒子の最大寸法よりも薄いことが好ましい。更に、膜厚が350nmを越えると応答速度が低下するので、膜厚は350nmよりも薄いことが好ましく、微粒子の最大径は、350nm以下であることが好ましい。
凹部の個数は、10〜80個/μm2が好ましい。約10個以下では、表面積増加の効果が小さく、約80個以上では、電極の露出が生じ、短絡が起こるため好ましくない。
薄膜材料と微粒子と材料の組み合わせは、薄膜材料として、有機溶剤可溶性かつ水不溶性で、微粒子が有機溶剤不溶性かつ水溶性の構成、薄膜材料が有機溶剤不溶性かつ水溶性で、微粒子が有機溶剤可溶性かつ水不溶性の構成がある。
更に、有機溶剤と水の組合せに限らず、極性有機溶剤と非極性有機溶剤との組合せでもよい。また、強極性有機溶剤と弱極性有機溶剤との組合せでもよい。有機溶剤と酸との組合せでもよい。あるいは、薄膜材料と微粒子の溶剤が同じ溶剤であっても溶解温度、溶解度、混合溶剤の混合比の違いを利用することによって選択溶解を実現する方法であってもよい。
化学物質を検出するセンサに用いられる薄膜の材料は、従来、気液または気固ガスクロマトグラフィー用固定相としても用いられてきたポリアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエーテル、ポリイミン、シリコーン系高分子、などの合成高分子物質、脂質、リン脂質、などの天然高分子物質、シリカ系無機化合物、アルミナ系無機化合物、などの無機物質、等を用いることができる。これらの材料は、単独であっても、これら化合物の混合物でもよい。混合物の例としては、合成高分子物質と微粉状シリカ系無機化合物、合成高分子物質と微粉状アルミナ系無機化合物、などが上げられる。こうした混合によって、表面積増大効果を生じる。く、これら化合物に無機化合物を組み合わせることも可能である。
薄膜材料が、有機溶剤可溶性かつ水不溶性で、微粒子が有機溶剤不溶性かつ水溶性の構成の場合、薄膜材料として、有機高分子化合物が、微粒子の材料として、膠質炭酸カルシウム、膠質炭酸マグネシウムなどが、有機溶剤として酢酸エステル系、ケトン系、ハロゲン化脂肪族系、芳香族系、などを用いることができる。
有機溶剤としては、複数を組み合わせる、または、極性を調整する目的で、非極性溶剤、極性溶剤を希釈剤として使用することで、適した溶解性を実現してもよい。
この場合、有機溶剤と水以外に、有機溶剤として、非極性有機溶剤である、脂肪族系の溶剤を、水に変えて極性有機溶剤であるアルコール系の溶剤を用いることができる。極性有機溶剤に、メタノールのような強極性有機溶剤、酢酸エステル系のような弱極性有機溶剤を用いても良い。
また、薄膜材料が有機溶剤不溶性かつ水溶性で、微粒子が有機溶剤可溶性かつ水不溶性の構成の場合、薄膜材料として、ポリビニールアルコールを、微粒子の材料として、表面改質コロダルシリカを、有機溶剤として脂肪族系の溶剤を用いることができる。
この場合も、有機溶剤と水以外に、有機溶剤として、非極性有機溶剤である、脂肪族系、芳香族系溶剤を、水に変えて極性有機溶剤であるアルコール系溶剤を用いることができる。極性有機溶剤に、メタノールのような強極性有機溶剤、酢酸エステル系溶剤のような弱極性有機溶剤を用いても良い。このような有機溶剤と水以外の組み合わせは、膜の選択の幅が広くなる長所がある。即ち、センサの用途を広くする長所がある。
上述の製造方法により形成された薄膜は、水晶振動子や表面弾性波素子等の圧電体を用いたセンサやシリコンウェハなどでできた電子材料素子に適用することができる。
微粒子と感応膜材料の内、微粒子のみを溶解または揮発または融解または分解によって除去する。溶解の場合は、前述のとおりである。揮発または融解または分解の場合は、蒸気圧または昇華温度または沸点または融点または分解温度または分子量の差を利用する。これらの例としては、分子量の大きく違う2種類の有機高分子化合物、蒸気圧または昇華温度または沸点または融点または分解温度の大きく違う2種類の高分子化合物を混合した塗布液を使用する方法などがある。また、製造過程で、温度を上げ下げして、溶解度を変え、不飽和状態と過飽和状態を順次作って溶解、析出させる手段も用いることができる。
圧電体を用いたセンサとして、水晶振動子のような圧電体である水晶の結晶を2枚の電極で挟み、電圧を印加することで生じる圧電体の変形による固有振動数を測定するセンサがある。水晶素板表面仕上げとしては、ポリッシュとエッチングがある。この2つを比較するとエッチングの方が表面積が広いためセンサ感度が良いので好ましい。
また、圧電体表面にエネルギを集中して伝搬する表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)が、伝搬面に接する媒質の特性変化や伝搬面上への物質の吸脱着により伝搬特性(速度と振幅)の変化を検出することによりセンサがある。
更に、シリコンウェハなどでできた電子材料素子、などがあげられる。
化学センサの感応膜の材料に上述の材料を用いた場合、検知される化合物は、感応膜の材料に特異的かつ選択的に溶解または吸着される一般の化学物質を検知することができる。
検出可能な化学物質の具体例として、有機塩素化合物、有機溶剤、石油燃料、悪臭物質、その他の匂い物質などがある。
<実施例>
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1)
実施例1では、薄膜材料としてポリスチレンを用いた、感応膜となる薄膜の製造方法を詳細に説明する。
ポリスチレンの溶解溶剤として酢酸エチルを用いた。ナカライテスク社製の商品名ポリスチレン0.02gに対しナカライテスク社製の酢酸エチル100mlgを用いてポリスチレンを酢酸エチルに溶解させた。
その後、平均粒径が150nmの白石工業社製の商品名Brilliant−1500の膠質炭酸カルシウム微粒子を酢酸エチルに溶解されたポリスチレン中に膠質炭酸カルシウム微粒子対ポリスチレンの重量比として1:1の割合で混合した。膠質炭酸カルシウム微粒子のカタログの電子顕微鏡写真によると最小粒径約100nm,最大粒径約300nmである。BET比表面積は、カタログ値で、10〜14m2/gである。
その後、乾燥後の膜厚が150〜300nmとなるように、塗布法を用いて薄膜を形成し、乾燥温度室温℃、乾燥時間数10分で乾燥を行なった。次に、薄膜を微粒子の溶解溶剤として、1規定塩酸水を用い、温度室温℃の水に1分浸漬し、膠質炭酸カルシウム微粒子を溶解し、表面に凹部が形成された薄膜を形成し、水洗後風乾することで薄膜の水分を除去した。
薄膜の厚さは、100〜300nmにおいて比較した結果、感度の違いがあまりないため、この範囲で作成した。100nmより厚ければ膠質炭酸カルシウム微粒子とポリスチレンの両者が占める面積が狭くなり、電極や水晶の露出が起きるために表面積縮小による感度低下や電気的短絡を起こすことがない。350nmよりも薄ければ膠質炭酸カルシウム微粒子がポリスチレンに沈み、埋め込まれるようになり、表面積増加の効果が小さくなることがない。
粒径は、光学顕微鏡を用いた目視で希塩酸による粒子除去を確認する必要上、150nm付近が好ましい。100nmより小さくして粒子数をふやすことで同じ表面積にする方法があるが、目視による除去確認操作が困難となり、好ましくない。また、表面積増加効果は、150〜200nm付近で最大となるが、100〜350nmの大きさであれば十分な表面積増加効果が得られる。また、微粒子とポリスチレンとの比は、1:1付近が表面積増加の目的に好ましい。
土壌等を汚染するトリクロロエチレンなどの有機塩素化合物の汚染分布調査では、土壌等を汚染した有機塩素化合物が、拡散し、また、気化して、移動するため、その濃度は、希薄であるので、センサの感度向上と、感度向上と相反することが多い応答速度の向上が必須であるが、本発明の薄膜をセンサの感応膜に用いると、センサの感度と応答速度が向上した化学物質センサを構築することができる。
図4は、薄膜形成後(微粒子除去前、左側)と薄膜の表面から微粒子を除去した後(右側)の薄膜の表面を示す倍率30,000倍のSEM写真である。
図4の右側のSEM写真の矢印で示す部分が薄膜の表面に露出する微粒子(膠質炭酸カルシウム微粒子)71で、右側のSEM写真の矢印が微粒子を除去した後の凹部72である。表面に微粒子の形状を持った凹部が形成されていることがわかる。
尚、右側のSEM写真に、つけた■は、一辺が100nmである。
薄膜の表面は、微粒子が露出した面を除けば、微粒子を含有しない状態で形成した薄膜と同等の平坦部が形成されている。
これに対して、薄膜の表面から露出している微粒子が除去された部分は、微粒子の寸法で規定された開口部を持った凹部となっている。
(実施例2)
本発明の薄膜を用いたトリクロロエチレン検出用のセンサを、図2を用いて詳細に説明する。
図2(a)は、実施例2のセンサを示す模式的断面図で、共振周波数9MHzの水晶振動子(電極直径5mm)200の互いに対向する1対の面に、金属材料として膜厚100nmの金とクロムを用いた電極201を形成し、一方の電極を感応薄膜203で被覆した。感応薄膜203は、実施例1で作成したトリクロロエチレン吸着溶解材料である膜厚約150〜300nmのポリスチレ薄膜を用いた。
大気中のトリクロロエチレンを検出する場合は、図2(a)の構成で問題ないが、水土壌中のトリクロロエチレンを検出する場合は、他方の電極が露出していると短絡する場合があるので、図2(b)に示すように、トリクロロエチレンを吸着しない、膜厚約150nmのビニール薄膜202で被覆している。
図2(b)のセンサを用い、土壌:320gに水:60mlが入った小型土壌槽に、5mlの700ppmトリクロロエチレン溶液を注入し、土壌中でトリクロロエチレンを拡散させた、土壌中にセンサの水晶振動子部分を挿入し計測を行った。
感応薄膜作製時に微粒子を混合していない、即ち、薄膜表面に凹部が形成されていないポリスチレ薄膜で電極を被覆した水晶振動子と実施例1で製造した表面に凹部が形成されたポリスチレ薄膜で電極が被覆された水晶振動子を用いて、土壌中のトリクロロエチレンの検出を行なった。
(実施例3)
本発明の薄膜を用いた土壌用のセンサを説明する。
共振周波数9MHzの水晶振動子(電極直径5mm)の互いに対向する1対の面に、金属材料として膜厚100nmの金とクロムを用いた電極を形成し、一方の電極を感応薄膜で被覆した。感応薄膜203は、実施例1で作成したトリクロロエチレン吸着溶解材料である膜厚約150〜300nmのポリスチレ薄膜を用いた。
水中のトリクロロエチレンを検出する場合は、図2(b)の構成で問題ないが、土壌中のトリクロロエチレンを検出する場合は、土壌の粒が接触して、水晶の振動を妨害するので、図2(c)に示すように、センサ全体を金属製ジャケット204に収納した。ジャケットには、被検空気や被検地下水の浸入用の細孔が作られている。細孔径は、土壌の粒が浸入しない程度の寸法とした。約0.1〜0.2mm程度とした。細孔の数は、約50〜60個とした。地下水が泥水の場合には、細孔部に更に、ろ紙を貼りつけて、細かい土壌の粒をろ過する構造とした。図では省略したが、ジャケットには、地上に通じる空気抜きのパイプを接続した。
(実施例4)
本発明の薄膜を用いた空気用の表面弾性波センサを説明する。
図5は、弾性表面波伝搬面上に実施例1と同じように表面積を増大したポリスチレン膜を持つセンサを示している。但し、周波数発生装置、周波数測定装置、リード線回路、絶縁膜などは、図では、省略した。
(実施例5)
本発明の薄膜を用いた空気用のMEMSセンサを説明する。
図6は、シリコン基板31上に形成されたシリコンカンチレバー206を持ったセンサである。シリコンカンチレバー206は、シリコン基板31と対向する面に電極膜と圧電体膜からなる駆動膜207が、他方の面に実施例1と同じように表面積を増大したポリスチレン膜203が形成されている。尚、周波数発生装置、周波数測定装置、リード線回路、絶縁膜などは、図では、省略した。
(実施例6)
本発明の薄膜として、分子量の大きく違う混合有機高分子及び微粉状シリカから作成された場合を説明する。高分子量のポリエステル、低分子量のパラフィン、微粉状シリカを混合した。これらを酢酸エチルに溶解及び懸濁させた。塗布後、酢酸エチルを室温乾燥により除去した。次に約120℃に加熱し、パラフィンを大部分揮発させて除去した。この結果、表面積が広い薄膜が作成された。
(比較例)
本発明の微粒子として、平均粒子径が、実施例1の場合よりも小さい80nmと大きい500nmで実施した場合を比較例として説明する。80nmでは、除去確認の操作が不確かになった。1500nmでは、電極の露出が起こり、短絡が起きた。
Figure 2007147556
表1に示されるように、薄膜表面に凹部が形成されていないポリスチレ薄膜を感応膜として用いたセンサに比べて、薄膜表面に凹部が形成されたポリスチレン薄膜を感応膜として用いたセンサは、感度が4倍、応答速度が2倍改善されている。
図3は、実施例2のセンサの変形例で、図7のセンサを土壌中のトリクロロエチレンの検出用に改造した例である。
図7と異なる点は、参照電極8および検出電極9をビニール膜12で覆って絶縁している点である。
以上説明したように本発明は、水晶振動子などの周波数変換素子、表面弾性波素子などの圧電素子、カンチレバーを用いた薄膜化学センサを用いるものである。これによって、気中または水中または土中の測定対象化合物を低濃度域まで応答性よく検知する方法と装置を提供する。
本発明によって検知される化合物は、センサの電極被覆に使用される感応薄膜に特異的かつ選択的に溶解または吸着される限り特に制限ない。つまり、一般の化学物質を包含することができる。例えば、有機塩素化合物、有機溶剤、石油燃料、悪臭物質、その他の匂い物質などがあげられる。
感応薄膜の製作工程を示す図である。 水晶振動子を用いた化学センサの模式的断面図。 水晶振動子を用いた化学センサの模式的断面図。 感応薄膜の表面のSEM写真。 表面弾性波素子を用いた化学センサの図。 シリコンカンチレバーを使ったMEMS化学センサの図。 従来の化学センサの構成を示す模式図。 従来の化学センサの構成を示す模式図。 従来の化学センサの構成を示す模式図。
符号の説明
7 水晶振動子
8 参照電極
9 検出電極
10 感応体
11 化学センサ
12 ビニール膜
21 水晶板21
22 金属電極
23 感応膜23
31 シリコン基板
32 シリコン酸化膜
33 検出電極
34 ガス感応膜
35 ヒータ
71 微粒子
72 凹部
100 基材
110 微粒子
120 薄膜
130 凹部
200 水晶振動子
201 電極
203 感応薄膜
202 ビニール薄膜
204 金属製ジャケット
205 交差指状電極(すだれ状電極)
206 シリコンカンチレバー
207 駆動膜(電極膜と圧電膜とから構成される)

Claims (31)

  1. 少なくとも微粒子と化学物質を吸着する感応膜材料とを混合する工程と、
    前記微粒子と前記感応膜材料との混合物を薄膜に形成する工程と、
    前記薄膜を乾燥する工程と、
    その後、少なくとも前記薄膜の表面に露出する前記微粒子を除去する工程とを有することを特徴とする化学センサ用の薄膜の製造方法。
  2. 前記除去する工程が、前記微粒子と前記感応膜材料との溶解度の差を利用して前記微粒子を溶解させることによって除去することを特徴とする請求項1に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  3. 前記微粒子と前記感応膜材料との溶解度の差が100倍以上であることを特徴とする請求項2に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  4. 前記微粒子が、膠質炭酸カルシウム、膠質炭酸マグネシウムおよび酸化スズコロイド、酸化物系やその他の各種無機コロイド微粒子、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カゼイン,ポリアクリル酸塩,ポリビニルメチルエーテル、でんぷん誘導体、表面改質コロイダルシリカ、水溶性アクリルオリゴマー、水溶性高分子微粒子および各種有機コロイド微粒子からなる群から選ばれる1以上の材料から構成され、前記感応材料がポリアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエーテル、ポリイミン、シリコーン系高分子、などの合成高分子物質、脂質、リン脂質、などの天然高分子物質、シリカ系無機化合物およびアルミナ系無機化合物、などの無機物質からなる群から選ばれる1以上の材料から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  5. 前記除去する工程が、前記微粒子と前記感応膜材料との蒸気圧の差を利用して前記微粒子を揮発させることによって除去することを特徴とする請求項1に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  6. 前記微粒子と前記感応膜材料との蒸気圧の差が100倍以上であることを特徴とする請求項5に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  7. 前記微粒子が、膠質炭酸カルシウム、膠質炭酸マグネシウムおよび酸化スズコロイド、酸化物系やその他の各種無機コロイド微粒子、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カゼイン,ポリアクリル酸塩,ポリビニルメチルエーテル、でんぷん誘導体、表面改質コロイダルシリカ、水溶性アクリルオリゴマー、水溶性高分子微粒子、各種有機コロイド微粒子からなる群から選ばれる1以上の材料から構成され、前記感応材料がポリアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエーテル、ポリイミン、シリコーン系高分子、などの合成高分子物質、脂質、リン脂質、などの天然高分子物質、シリカ系無機化合物、アルミナ系無機化合物、などの無機物質からなる群から選ばれる1以上の材料から構成されていることを特徴とする請求項6に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  8. 前記除去する工程が、前記微粒子と前記感応膜材料との昇華温度の差を利用して前記微粒子を揮発させることによって除去することを特徴とする請求項1に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  9. 前記微粒子と前記感応膜材料との昇華温度の差が20℃以上であることを特徴とする請求項8に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  10. 前記微粒子が、膠質炭酸カルシウム、膠質炭酸マグネシウムおよび酸化スズコロイド、酸化物系やその他の各種無機コロイド微粒子、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カゼイン,ポリアクリル酸塩,ポリビニルメチルエーテル、でんぷん誘導体、表面改質コロイダルシリカ、水溶性アクリルオリゴマー、水溶性高分子微粒子、各種有機コロイド微粒子からなる群から選ばれる1以上の材料から構成され、前記感応材料がポリアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエーテル、ポリイミン、シリコーン系高分子、などの合成高分子物質、脂質、リン脂質、などの天然高分子物質、シリカ系無機化合物、アルミナ系無機化合物、などの無機物質からなる群から選ばれる1以上の材料から構成されていることを特徴とする請求項9に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  11. 前記除去する工程が、前記微粒子と前記感応膜材料との沸点の差を利用して前記微粒子を揮発させることによって除去することを特徴とする請求項1に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  12. 前記微粒子と前記感応膜材料との沸点の差が20℃以上であることを特徴とする請求項11に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  13. 前記微粒子が、膠質炭酸カルシウム、膠質炭酸マグネシウムおよび酸化スズコロイド、酸化物系やその他の各種無機コロイド微粒子、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カゼイン,ポリアクリル酸塩,ポリビニルメチルエーテル、でんぷん誘導体、表面改質コロイダルシリカ、水溶性アクリルオリゴマー、水溶性高分子微粒子、各種有機コロイド微粒子からなる群から選ばれる1以上の材料から構成され、前記感応材料がポリアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエーテル、ポリイミン、シリコーン系高分子、などの合成高分子物質、脂質、リン脂質、などの天然高分子物質、シリカ系無機化合物、アルミナ系無機化合物、などの無機物質からなる群から選ばれる1以上の材料から構成されていることを特徴とする請求項12に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  14. 前記除去する工程が、前記微粒子と前記感応膜材料との融点の差を利用して前記微粒子を融解することによって除去することを特徴とする請求項1に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  15. 前記微粒子と前記感応膜材料との融点の差が10℃以上であることを特徴とする請求項14に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  16. 前記微粒子が、膠質炭酸カルシウム、膠質炭酸マグネシウムおよび酸化スズコロイド、酸化物系やその他の各種無機コロイド微粒子、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カゼイン,ポリアクリル酸塩,ポリビニルメチルエーテル、でんぷん誘導体、表面改質コロイダルシリカ、水溶性アクリルオリゴマー、水溶性高分子微粒子、各種有機コロイド微粒子からなる群から選ばれる1以上の材料から構成され、前記感応材料がポリアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエーテル、ポリイミン、シリコーン系高分子、などの合成高分子物質、脂質、リン脂質、などの天然高分子物質、シリカ系無機化合物、アルミナ系無機化合物、などの無機物質からなる群から選ばれる1以上の材料から構成されていることを特徴とする請求項15に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  17. 前記除去する工程が、前記微粒子と前記感応膜材料との分解温度の差を利用して前記微粒子を分解させることで除去することを特徴とする請求項1に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  18. 前記微粒子と前記感応膜材料との分解温度の差が20℃以上であることを特徴とする請求項17に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  19. 前記微粒子が、膠質炭酸カルシウム、膠質炭酸マグネシウムおよび酸化スズコロイド、酸化物系やその他の各種無機コロイド微粒子、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カゼイン,ポリアクリル酸塩,ポリビニルメチルエーテル、でんぷん誘導体、表面改質コロイダルシリカ、水溶性アクリルオリゴマー、水溶性高分子微粒子、各種有機コロイド微粒子からなる群から選ばれる1以上の材料から構成され、前記感応材料がポリアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエーテル、ポリイミン、シリコーン系高分子、などの合成高分子物質、脂質、リン脂質、などの天然高分子物質、シリカ系無機化合物、アルミナ系無機化合物、などの無機物質からなる群から選ばれる1以上の材料から構成されていることを特徴とする請求項18に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  20. 前記除去する工程が、前記微粒子と前記感応膜材料の分子量の差を利用して前記微粒子を蒸発または溶解または分解または溶融または昇華させることで除去することを特徴とする請求項1に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  21. 前記微粒子と前記感応膜材料の分子量の差が4倍以上であることを特徴とする請求項20に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  22. 前記微粒子が、膠質炭酸カルシウム、膠質炭酸マグネシウムおよび酸化スズコロイド、酸化物系やその他の各種無機コロイド微粒子、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カゼイン,ポリアクリル酸塩,ポリビニルメチルエーテル、でんぷん誘導体、表面改質コロイダルシリカ、水溶性アクリルオリゴマー、水溶性高分子微粒子、各種有機コロイド微粒子からなる群から選ばれる1以上の材料から構成され、前記感応材料がポリアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエーテル、ポリイミン、シリコーン系高分子、などの合成高分子物質、脂質、リン脂質、などの天然高分子物質、シリカ系無機化合物、アルミナ系無機化合物、などの無機物質からなる群から選ばれる1以上の材料から構成されていることを特徴とする請求項21に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  23. 前記薄膜を形成する工程が塗布法であることを特徴とする請求項1記載の化学センサ用薄膜の製造方法。
  24. 前記微粒子の粒径が、50〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  25. 前記感応膜材料が、溶解溶剤により希釈されていることを特徴とする請求項1に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  26. 前記感応膜材料が、有機溶剤可溶性かつ水不溶性で、微粒子が有機溶剤不溶性かつ水溶性である、あるいは、前記感応膜材料が有機溶剤不溶性かつ水溶性で、微粒子が有機溶剤可溶性かつ水不溶性であることを特徴とする請求項2に記載の化学センサ用の薄膜の製造方法。
  27. 化学物質を吸着する感応膜材料からなる薄膜の表面が、前記薄膜の表面状態である平坦部と開孔部の面積が1μm2以下の凹部とからなることを特徴とする化学センサ用の薄膜。
  28. 前記薄膜が微粒子を含有し、前記薄膜の表面には前記微粒子が露出していないことを特徴とする請求項27に記載の化学センサ用の薄膜。
  29. 前記凹部が薄膜の表面に、10〜80個/μm2形成されていることを特徴とする請求項27に記載の化学センサ用の薄膜。
  30. 薄膜に化学物質を吸着させ、前記化学物質の量を検出する化学センサであって、前記薄膜が請求項27に記載の薄膜からなることを特徴とする化学センサ。
  31. 前記化学センサが、前記薄膜に吸着した前記化学物質の量を、振動子の共振周波数の変化から検出することを特徴とする化学センサ。
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