JP2007147071A - 樹脂被覆鋼管の接続部保護方法、樹脂被覆鋼管の接続部保護構造、及び楔状工具 - Google Patents

樹脂被覆鋼管の接続部保護方法、樹脂被覆鋼管の接続部保護構造、及び楔状工具 Download PDF

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Abstract

【課題】 管が地中を推進するときに被覆樹脂の剥離が生じることのない樹脂被覆鋼管の接続部保護方法、保護構造、及びこれに用いる楔状治具を提供する。
【解決手段】 樹脂被覆鋼管の接続部保護構造は、原管(鋼管)の外周に防食層と保護層とが2層で形成された樹脂被覆鋼管の接続部保護方法において、樹脂被覆鋼管2a、2bから所定長さの保護層23a、23bおよび防食層22a、22bを除去し、樹脂被覆鋼管2a、2bの端部同士を突き合わせて接合された接続部について、楔状治具3を用いて、推進方向側の樹脂被覆鋼管2aの保護層23aを端部から所定長さで防食層22aから剥離して、保護層23aと防食層22bとの間に環状の間隙26を形成し、この間隙26に一端を挿入するとともに、防食層22aと防食部材4と防食層22bおよび保護層23bとの外周部を保護する保護部材5とからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、道路を開削せずに樹脂被覆鋼管を地中に推進させて埋設する非開削推進工法における樹脂被覆鋼管の接続部保護方法、樹脂被覆鋼管の接続部保護構造、及びこれらに用いられる楔状工具に関する。
ガス管や水道管などの各種配管においては、地中に埋設された後の配管の腐食を防止するために、原管(鋼管)の表面をポリエチレンなどからなる防食層で被覆した樹脂被覆鋼管が使用されている。特に樹脂被覆鋼管が大口径の場合には、取扱時に防食層を保護する目的から防食層の表面をポリエチレンなどからなる保護層で更に被覆した樹脂被覆鋼管が使用されている。樹脂被覆鋼管を地中に埋設(敷設)する場合には、工事費用の低減と工期の短縮を図り、交通遮断による周辺住民等への影響を避けるために、道路を開削せずに、地中を拡径しながら埋設管、例えば樹脂被覆鋼管を連結した連結鋼管を牽引する非開削推進工法が開発され、実用化が検討されている。この連結鋼管は端面が突き合せ溶接され、その溶接部の外周に防食部材を被着することで提供される。
しかるに、樹脂被覆鋼管を地中に牽引推進させると、土圧により接続部を保護する防食部材がめくれるので、その対策が提案されている。例えば特許文献1には、管の外周に継手部を除いて防食用の樹脂層を製造工場で塗装又は被覆された鋼管、所謂工場塗覆装した鋼管の端部に、あらかじめ階段状の段差を形成しておき、現地で溶接後に、段差部に継手塗覆装部を形成(例えば接着型熱収縮性チューブを被せる)し、継手塗覆装部の高さが本管工場塗覆装部より突出させないように現地で施工することが記載されている。
特許文献2には、鋼管防食被膜の前後端部に予め階段状の防食被膜部を形成し、継手部を溶接した後、端部内面を密着型接着材とした複数の密着・粘着型熱収縮チューブを、溶接継手部両側の防食被膜部の最上段の防食被膜階段部を除いた一段目以上の防食被膜階段部に、それらの端部が重なるように、かつ鋼管防食被膜の境界面が防食被膜よりも突出しないように、熱収縮により被覆させることが記載されている。
特許文献3には、熱収縮性チューブにそれを収縮させる通電発熱体と熱収縮性チューブの両端部内面を鋼管のプラスチック被覆層に融着させる通電発熱体とを互いに独立させて設けた熱収縮性保護チューブが記載されている。
特開平9−96378号公報(第3〜4頁、図1) 特開平9−178079号公報(第2〜3頁、図1) 特開平10−281354号公報(第2頁、図1)
特許文献1に記載された施工方法によれば、熱収縮性チューブ(継手塗覆装部)は防食被覆面(本管工場塗覆装部)から突出しないが、防食被覆面の端部と熱収縮性チューブの端部との境界が管の外周に露出するので、礫の多い荒れた地中を推進させると、境界部に礫が引っかかり土圧により熱収縮性チューブが工場塗覆装から剥離することが予想される。
同様に特許文献2に記載された防食被覆方法においても、最上層の熱収縮性チューブの両端面と最上段の防食被膜との境界が管の外周に露出するので、礫の多い荒れた地中を推進させると、境界に礫が引っかかり土圧により熱収縮性チューブが工場塗覆装から剥離することが予想される。
特許文献3に記載された熱収縮性保護チューブは、両端が被覆層に融着されるものの、溶接継手部が被覆層から突出するので、地中を推進させるときに土砂の抵抗が突出した部分に集中して被覆層から剥離するという問題がある。
従って、本発明の目的は、管が地中を推進するときに被覆樹脂の剥離が生じることのない樹脂被覆鋼管の接続部保護方法、樹脂被覆鋼管の接続部保護構造、及びこれに用いられる楔状治具を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の樹脂被覆鋼管の接続部保護方法は、
原管の外周に熱可塑性樹脂からなる防食層が形成されかつ前記防食層の外周に熱可塑性樹脂からなる保護層が形成された樹脂被覆鋼管の接続部保護方法において、
前記樹脂被覆鋼管の端部から所定長さの前記保護層および前記防食層を除去して被覆層除去部を形成し、前記樹脂被覆鋼管の端部同士を突き合わせて接合する接合工程と、
一方の樹脂被覆鋼管の保護層をその端部から所定長さで防食層から剥離して、前記保護層と前記防食層との間の円周方向に環状の間隙を形成する間隙形成工程と、
前記被覆層除去部の少なくとも鋼管露出部を防食部材を用いて防食する防食工程と、
前記間隙の内径側に位置する防食層と、前記防食部材と、他方の樹脂被覆鋼管の防食層および保護層との外周部を保護部材を用いて保護する保護工程と、
により構成されている。
また、本発明の樹脂被覆鋼管の接続部保護方法は、原管の外周に熱可塑性樹脂からなる防食層が形成されかつ前記防食層の外周に熱可塑性樹脂からなる保護層が形成された樹脂被覆鋼管の接続部保護方法において、
前記樹脂被覆鋼管の端部から所定長さの前記保護層および前記防食層を除去して被覆層除去部を形成し、前記樹脂被覆鋼管の端部同士を突き合わせて接合する接合工程と、
一方の樹脂被覆鋼管の保護層をその端部から所定長さで防食層から剥離して、前記保護層と前記防食層との間の円周方向に環状の間隙を形成する間隙形成工程と、
前記被覆層除去部の少なくとも鋼管露出部を防食部材を用いて防食する防食工程と、
前記間隙の内径側に位置する防食層と、前記防食部材と、他方の樹脂被覆鋼管の防食層および保護層との外周部を保護部材を用いて保護する保護工程と、
前記保護部材の内面の少なくとも一方の端部と、前記防食層の外周部とを保護部材接合手段を用いて接合する保護部材接合工程と、により構成されている。
また、本発明において、前記保護部材は、少なくとも熱可塑性を有する内層と、熱収縮性を有する外層とすることができる。
本発明において、前記保護部材接合手段は、圧力が加わると破裂するマイクロカプセルに注入され、前記マイクロカプセルが破裂すると流出する接着剤とすることができる。
又は、本発明において、前記保護部材接合手段は、前記保護部材の外周側から照射され、前記保護部材の内面と前記内面が接触する部分を溶融接合するレーザー光とすることができる。
本発明において、前記間隙形成工程は、工具の端部に向かって縮径する外周テーパー部と、前記外周テーパー部と連続する外周ストレート部とを有する複数の楔状工具を円周方向に環状に配置し、前記楔状工具を前記外周テーパー部側端部から前記防食層と前記保護層の境界に挿入して間隙を形成することにより構成することができる。
本発明において、前記保護工程は、前記樹脂被覆鋼管の外周に装着され、熱収縮性を有する樹脂で形成された、前記樹脂被覆鋼管の外径より大なる内径を有する円筒形の保護部材の一方の端部を、前記防食層の外面の軸方向に向かってスライド可能に熱収縮させ、前記防食層の外面上を軸方向にスライドさせて前記間隙に前記保護部材の一方の端部を収容し、前記保護部材全体を熱収縮させて前記間隙の内径側の防食層と、前記防食部材と、他方の樹脂被覆鋼管の防食層および保護層との外周を覆うことにより構成することができる。
また、原管の外周に熱可塑性樹脂からなる防食層が形成されかつ前記防食層の外周に熱可塑性樹脂からなる保護層が形成された樹脂被覆鋼管の接続部保護構造であって、
前記樹脂被覆鋼管の端部から所定長さの前記保護層および前記防食層を除去した被覆層除去部と、
一方の樹脂被覆鋼管の保護層をその端部から所定長さで防食層から剥離して、前記保護層と前記防食層との間に形成した円周方向の環状の間隙と、
前記被覆層除去部の少なくとも鋼管露出部を覆う防食部材と、
一端が前記間隙に収容されるとともに、前記間隙の内径側の防食層と、前記防食部材と、他方の樹脂被覆鋼管の防食層および保護層との外周を覆う保護部材と、からなる樹脂被覆鋼管の接続部保護構造である。
また、本発明において、前記保護部材は、少なくとも熱可塑性を有する内層と、熱収縮性を有する外層とすることができる。
更に、本発明は、原管の外周に熱可塑性樹脂からなる防食層が形成されかつ前記防食層の外周に熱可塑性樹脂からなる保護層が形成された樹脂被覆鋼管の前記保護層と前記防食層とを剥離して、前記保護層と前記防食層との間に環状の間隙を形成する楔状工具であって、該楔状工具の端部に向かって縮径する外周テーパー部と、前記外周テーパー部と連続する外周ストレート部と、前記外周ストレート部の他端に前記外周ストレート部より大径となるように形成した鍔部とを有する楔状工具である。
本発明の樹脂被覆鋼管の接続部保護方法又はその接続部保護構造によれば、一方(推進方向側)の樹脂被覆鋼管の保護層と防食層の間に間隙を形成し、その間隙に保護部材を挿入することにより、保護部材の推進方向側の端部が常に樹脂被覆鋼管の保護層に覆われるので、管が地中を推進するときにあっても保護部材の端部が直接土砂の抵抗を受けて剥離することが防止され、樹脂被覆鋼管の接続部において、その防食性を確実に確保することができる。
また、本発明の楔状工具によれば、樹脂被覆鋼管の保護層と防食層との間に、保護部材を挿入するための間隙を容易に形成することができる。
以下本発明の詳細を添付図面により説明する。図1は、本発明の一実施例を示す樹脂被覆鋼管の接続部保護構造の断面図である。図2〜図5は樹脂被覆鋼管に保護部材を装着する手順を模式的に示す断面図、図6は楔状工具の第1の形態を示す正面図、図7はその半断面側面図、図8は、楔状工具の第2の形態を示す平面図、図9は楔状工具の第2の形態を円状に6ピース配置した正面図である。また、図10は本発明に用いるシリコンラバーヒータ(加熱手段)を示している。また、図11はシリコンラバーヒータを用いた間隙形成工程を模式的に示す断面図である。
また、図12は他の保護部材を使用して、接合部を保護した状態を示す断面図、図13は他の保護部材を使用して、更に熱収縮を進行させた状態を示す断面図である。また、図14は本発明が適用される非開削工法の途中の状態を示す概略断面図、図15は本発明が適用される非開削工法の別の途中の状態を示す概略断面図である。
まず、図1を用いて本発明の樹脂被覆鋼管の接続部保護構造を詳細に説明する。
図1に示すように、一対の樹脂被覆鋼管2a、2bは、原管21a、21bの外周面に被着された防食層22a、22bとその外周面に被着された保護層23a、23bが設けられており、保護層23a、23bの端部が所定長さだけ剥離され、また、防食層22a、22bの端部が所定の長さだけ剥離除去され、被覆層除去部24(L2)と鋼管露出部24a(L1)とが形成されている。
原管21a、21bの端部は、シール性を備えるように、例えば全周が溶接接続され、溶接部25が形成されている。
そして、略円筒状の熱収縮性チューブ4(防食部材)が溶接部25及び防食層22a、22bの端面を覆うように被せられ、鋼管露出部24a、溶接部25および防食層22a、22bに密着されている。
一方、一対の樹脂被覆鋼管の内、推進方向A側に位置する樹脂被覆鋼管2aは、防食層22aから保護層23aの端部23a1が拡径されるように剥離され、防食層22aと保護層23aとの間に間隙26が形成されている。
更に、略円筒状の保護部材5は、その一端部51が、間隙26に挿入されるとともに、防食層22a、防食部材4、防食層22bおよび保護層23bの外面を覆うように密着させるように設けられている。
上記の防食部材4には、熱収縮性チューブ以外にも各種防食用テープ等を用いることができる。また、熱収縮性チューブや各種防食用テープの材質は例えば塩化ビニル、ポリオレフィン(架橋PE、PP等)、フッ素系樹脂(PFA、PTFE等)あるいは熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系、PVC系等)からなる高分子材料を用いることができる。
上記の保護部材5(熱収縮性チューブ)は熱収縮をさせるために、例えば架橋ポリエチレンで形成される。また、後述する外層71と内層72とからなる保護部材7を用いることもできる。(図12参照)この場合、内層72が熱可塑性樹脂で構成されるので、図1の状態から更に保護部材7を加熱させると、内層72が一部溶融し、防食部材4との凹凸部Xを埋めるので密着性を向上させることができるので、より好ましい。(図13参照)
保護部材5は上記の保護部材以外に、保護部材の内面に接着剤が注入されたマイクロカプセルが塗布されているものでもよい。この保護部材によればマイクロカプセルは保護部材が熱収縮することによって圧力が加わると破裂して、その内部に注入された接着剤が流出し、保護部材と防食層を強固に接着することができる。マイクロカプセルに注入する接着剤には、例えばシアノアクリレート系接着剤、スチレンイソプレンゴム系接着剤、スチレンブタンジエンゴム系接着剤を用い得る。また、事前に別途プライマーを塗布し、表面を改質させることもできる。
図1に示した樹脂被覆鋼管の接続部保護構造において、推進方向A側の樹脂被覆鋼管2aの保護層23aの端部23a1を拡径するように間隙26を形成し、保護層23aの端部23a1の内側に保護部材5の一端部51を挿入し、保護部材5の他端部52は、他方の樹脂被覆鋼管2bの保護層23bの端部の外周面を覆っている。そのため非開削推進工法において、樹脂被覆鋼管の接続部保護構造を推進方向Aへ推進させると、地中に礫があった場合でも、保護層23aの端部23a1は、保護部材5の一端部51を圧縮するように荷重が加わり、また、保護部材5の他端部52は保護層23bの端部23b1を圧縮するように荷重が加わるために、保護層23a、23b及び保護部材5が剥離することがない。また、これらの内部に備えられた、防食層22a、22b及び防食部材4を保護し、樹脂被覆鋼管の接続部において、その防食性を確実に確保することができる。
次に、本発明の樹脂被覆鋼管の保護方法(以下、保護方法という)の手順を図2〜図5により工程ごとに説明する。
(接続工程)
図2に示すように、一対の樹脂被覆鋼管2a、2bの原管21a、21bの外周面に被着された防食層22a、22bとその外周面に被着された保護層23a、23bの樹脂被覆鋼管端部が所定長さL1だけ剥離された後、保護層23a、23bの樹脂被覆鋼管端部が、所定長さL2(但し、L2>L1)だけ剥離され被覆層除去部24と鋼管露出部24aとが形成される。或いは、一対の樹脂被覆鋼管2a、2bの保護層23a、23bの樹脂被覆鋼管端部が所定長さL2だけ剥離され、続いて防食層22a、22bの樹脂被覆鋼管端部が所定長さL1だけ剥離されて被覆層除去部24と鋼管露出部24aとが形成されてもよい。
その後、原管21aの端面と原管21bの端面が突き合わされ、例えば溶接により接合されて、溶接部25が形成される。上記の連結鋼管1は、3本以上の樹脂被覆鋼管を軸方向に接続したものでもよい。この連結鋼管1の推進方向は矢印A方向であり、以後の説明においても図に向かって左方向が連結鋼管の推進方向である。
この状態においては、原管21aと原管21bとは溶接接合されるものの、その外周面が鋼管露出部24aにおいて露出しているので、このまま埋設すると耐食性に問題がある。
(間隙形成工程)
次いで、図3に示すように楔状工具3をその先端が保護層23aと防食層22aの境界27に接触するように防食層22aの外周部に装着する。楔状工具3は、図6および図7に示すように、端部に向って縮径する外周テーパー部31と、外周テーパー部31に連続する外周ストレート部32と、外周ストレート部の他端に前記外周ストレート部より大径となるように形成した鍔部33とを有し、かつ防食層22aの外周の曲率より若干大きな曲率半径を有する円弧状の内面34を有する半割形状の部材である。後述するように、楔状工具3は保護層23aと防食層22aの境界27に保護層を拡径しながら圧入されるので、先端の角度αが大きすぎると圧入に過大な力を要し、また急激に保護層23aが拡径され保護層23aが破れる等の問題を生じる虞がある。したがって、先端の角度αは10°〜30°であることが望ましい。
図8及び図9は、楔状工具の第2の形態を示している。図8は一つの楔状工具の斜視図、図9は6つのピースを環状に配した状況を示す正面図である。
図8に示した楔状工具30は、端部に向って縮径する外周テーパー部301と、外周テーパー部301に連続する外周ストレート部302と、外周ストレート部の他端に前記外周ストレート部より大径となるように形成した鍔部303とを有し、かつ防食層22aの外周の曲率より若干大きな曲率半径を有する円弧状の内面304を有する円周の6分割形状の部材である。更に、外周テーパー部301の先端は、円周方向において先窄み部305を形成している。
また、図9に示すように、楔状工具30は6つのピースを環状に配している。環状に配する楔状工具の数は、樹脂被覆鋼管の口径によって楔状工具の圧入に必要な荷重を考慮しながら、適宜増減されても良い。(例えば、口径が小さい場合には数を少なくし、口径が大きくなれば数を増加させる。)また、図においては6つのピースが独立して環状に配し、それぞれが独立して圧入可能に設けているが、取扱が容易なように連結されて設けることもできる。また、保護層23aと防食層22aとの境界27に楔状工具を圧入したときに、保護層23aを傷つけないように角R307が、保護層22aを傷つけないように角R306が、例えばR1.5で設けられている。
保護層23aと防食層22aとの境界27に保護層を拡径しながら楔状工具30を圧入するときに、先窄み部305が境界27に当接する個所から拡径されていくので、楔状工具30は、防食層22aと保護層23aとの境界への圧入をより容易にすることができる。本例では、外周テーパー部301の先端を先窄み部305としたが、これに限らず、先窄み部305を複数設けたり、例えば鋸刃状に設けたりして、外周テーパー面301の先端が一様に境界27に当接しないように凹凸を設けていればよい。
次いで、保護層23aがバーナー等の加熱手段(不図示)によりその軟化温度(例えばポリエチレンでは75°C〜150°C)まで加熱された後、図4に破線で示すように楔状工具3を防食層22aの外面上を軸方向にスライドさせ、鍔部33が保護層23aの端部に突き当たるまで防食層22aと保護層23aの境界27に圧入する。その後、5〜20分の冷却時間を経て楔状工具3が取り除かれると、保護層23aと防食層22aの間に環状の間隙26が形成される。
このとき、外周ストレート部の他端に前記外周ストレート部より大径となるように形成した鍔部33、303を設けているので、間隙26の内周ストレート奥端部26aと内周ストレート入口端部26bとの寸法が正確となり、後述する保護部材5の一端部51の挿入を容易にかつ確実にすることができる。
また、鍔部33、303は楔状工具3、30の取外しにおいても作業を容易にすることができる。
更に、上記保護層23aの加熱手段としては、例えば図10に示すようにシリコンラバーヒータ8とすることができる。図10(a)は、シリコンラバーヒータの平面図を、図10(b)は、シリコンラバーヒータの側面図を示している。図10に示したシリコンラバーヒータ8は、抵抗線等の発熱体を板状のシリコンラバー81内に設けたもので、この板状シリコンラバー81を円筒状に丸められている。また、シリコンラバー81の一端側にはイヤリング82が引張りコイルバネ83を介して連結され、他端側にはパチン錠84が配置され、イヤリング82とパチン錠84とは着脱自在に連結され、円筒形状を維持できるようになっている。従って、イヤリング82とパチン錠84との連結を外し、保護層23aの外周に巻きつけた後、再びイヤリング82とパチン錠84とを連結すれば、容易に保護層23aへ設置することができる。
図11は、シリコンラバーヒータ8を用いた間隙形成工程を模式的に示す断面図である。図11に示すように、上記楔状工具を保護層23aに圧入し、保護層23aの外径が大きくなった場合においても、引張りコイルバネ83が、その形状に追従して延びるので、安定した加熱を行うことができる。また、バーナー等の加熱手段により加熱した後、上記楔状治具を保護層23aに圧入する方法を採用した場合、圧入時には保護層23aの温度が徐々に低下し、軟化した保護層23aが硬化はじめるのに対して、シリコンラバーヒータ8を採用した加熱方法によれば、楔状工具を保護層23aに圧入する間も加熱保持を継続することができ、その取扱、安全性、加熱温度制御等において好適である。
また、冬期など環境温度が著しく低くなる場合には、加熱手段として、上記シリコンラバーヒータとバーナー等を併用して使用することも可能で、環境温度に応じて適宜加熱温度や加熱時間、及び冷却時間を変更することによって、最適な間隙形成工程とすることができる。
(防食工程)
間隙26が形成された後に、溶接部25の外周面の研削及び清掃が行われ、図3に示すように、被覆後の長さがL3(但し、L3<L2)となる略円筒状の熱収縮性チューブ4(防食部材)が少なくとも溶接部25及び防食層22a、22bの端面を覆うように被せられ、外周面から例えばガスバーナ(不図示)で焙られることにより、鋼管露出部24a、溶接部25および防食層22a、22bに密着される。
なお、溶接部25の外周面の切削及び清掃の作業は、間隙26が形成される前に行うこともできる。
(保護工程)
続いて、保護工程について説明する。まず、事前に熱収縮性チューブ4にピンホールの無いことを確認し、また管表面を清浄化する。ピンホールの有無は、例えば、ピンホールディテクタを用いて、原管22a、22bと、熱収縮性チューブ4の外表面との間に12から15KVの電圧を印加することで検査することができる。
その後、図4に示すように予め樹脂被覆鋼管2a又は2bの外周に挿入しておいた保護部材5が防食層22aの外面に装着される。保護部材5は、間隙26の内周ストレート奥端部26aから他方(推進方向後方側(図に向かって右側))の保護層23bの端部23b1までの距離L4よりも大なる長さL5を有する略円筒状の熱収縮性チューブである。保護部材5は、防食層22aの外周には円周方向に複数枚のシム板6(例えば、厚さt=0.2mm)が配置された状態で、一方(推進方向側)の一端部51(図中破線部分)を例えばバーナー(不図示)により加熱することにより内径方向(図中矢印方向)に熱収縮させ、その内面と防食層22aの外面でシム板6を挟着する。その後、一定の冷却時間が経過した後にシム板6が取り除かれる。このとき保護部材5の一端部51は、その内径が防食層22aの外径より大なる状態が維持されるので、保護部材5は防食層22aの外面上をスライドすることが可能となる。
次いで、図5に示すように、保護部材5は間隙26に熱収縮させた一端部51が収容されるように、防食層22aの外面上を軸方向にスライド移動させる。その後、保護部材5の全体を例えばバーナー(不図示)により加熱して収縮させて、保護部材5を防食層22a、防食部材4、防食層22bおよび保護層23bの端部23b1の外面を覆うように密着させる。
また、後述する外層71と内層72とからなる保護部材7を用いることもできる。この場合、内層72が熱可塑性樹脂で構成されるので、図5の状態から更に保護部材7を加熱させると、内層72が一部溶融し、防食部材4との凹凸部Xを埋めるので密着性を向上させることができるので、より好ましい。(図13参照)
また保護部材は上記の保護部材以外に、図12に示すように、熱収縮性を有しかつレーザー光を透過しうる材料からなる外層71と、その内周面に固着されたレーザー光を吸収しうる物質を含有する内層72とを有する保護部材7(熱収縮チューブ)であってもよい。この保護部材7を使用した保護方法を図12により説明する。なお、保護工程までは前述した保護方法と同一であるので同一符号を付してその説明を省略する。
(接合工程)
保護部材7を連結鋼管1に密着させた後、保護部材の両端部(図中矢印C、D)の外周部からレーザー光が照射され、レーザートーチ(不図示)を周方向に1周走査することにより内層72と防食層22aの境界(図中E、F)が全周にわたって溶融接合される。したがって、保護部材と防食層をより強固に固着させることができる。なお、保護部材と防食層とが剥離しない程度の必要な強度に固着できればよく、従って溶融接合は全周にわたる必要はなく、その一部を溶融接合させたり、スポット的にポイント溶融接合させたりしても良い。
更に、図13に示すように図12の状態から更に保護部材7を加熱させると、内層72が一部溶融し、防食部材4との凹凸部Xを埋めるので密着性を向上させることができるので、より好ましい。
保護部材7を構成する外層71は、熱収縮性を有しており赤外領域(好ましくは近赤外領域)乃至可視領域にある波長を有するレーザー光が透過し得る材料であればよく、例えば塩化ビニル、ポリオレフィン(架橋PE、PP等)、フッ素系樹脂(PFA、PTFE等)あるいは熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系、PVC系等)からなる高分子材料で形成することができる。
また、内層72は、防食層22a及び保護層23bと溶着が可能な熱可塑性樹脂であればよく、例えば塩化ビニル、ポリオレフィン(PE、PP等)、フッ素系樹脂(PFA、PTFE等)あるいは熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系、PVC系等)からなる高分子材料で形成することができる。また、内層32は、レーザーを吸収する物質を含有することが好ましい。レーザー光を吸収する物質としては、可視領域(波長:380〜780nm)に波長をもつ光を選択的に吸収し得る化合物(染料及び顔料)、あるいは近赤外領域(波長:780〜3000nm)に波長をもつ光を選択的に吸収する性質を有する機能性色素を使用することができる。具体的には、熱可塑性樹脂中に以下の顔料、あるいは色素を添加することが好ましい。可視領域に波長をもつ光を吸収するためには、濃色系の顔料、例えば、セラミックブラック、酸化鉄(無機顔料)、カーボンブラック、ボーンブラック(有機顔料)等の黒色顔料、クロムイエロー、セラミックイエロー、ジンククロメートイエロー(無機顔料)、ニッケルアゾグリーンイエロー(有機顔料)等の黄色顔料、ハイドロクロムオキサイドグリーン、クロムグリーン(無機顔料)、クロミウムオキサイドダルグリーン、フタロシアニングリーン(有機顔料)等の緑色顔料を用い得る。また、近赤外線領域に波長を持つ光を吸収するためには、例えば、黒色顔料系色素、シアニン系色素の他、フタロシアニン系、チオールニッケル錯体系、インドフェノール金属錯体系、ナフトキノン系、アゾ系、トリアゾールメタン系、分子間型CT色素等の色素を使用することができる。
従って、上記外層71と内層72とを有する保護部材7は、熱収縮性の外層71と熱可塑性の内層72とで構成されているので、レーザー光を照射して内層72と防食層22aとを溶融接合させるために好適である。また、上述のようにバーナー等により保護部材7を収縮させて、防食層22a、防食部材4、防食層22bおよび保護層23bの端部23b1の外面を覆うように密着させるときにおいても、内層72の一部が溶融し、防食層22a、防食部材4、防食層22bおよび保護層23bの端部23b1の外面の凹凸Xを埋めるように形状を変え、それぞれと強固に接合することができる。
本発明の保護方法により接合部が保護された連結鋼管を使用した場合の非開削推進工法の各工程を図14及び図15により説明する。図14に示すように、道路10の工事区間の一方の側に貫入立坑11と発進立坑12を掘削し、道路10の工事区間の反対側に到達立坑13を掘削した後、貫入立坑11の後方にドリルマシーン14を設置する。ドリルマシーン14を駆動することにより、先端にドリル18が装着された推進ロッド15を貫入立坑11から地中に送り込み、推進ロッド15のドリル18を到達立坑13まで推進させ、引き込み用トンネルを形成する。到達立坑13の前方に位置するバックヤード17には、複数の樹脂被覆鋼管2からなる連結鋼管1が準備されている。次いで、先端のドリルをバックリーマー(引き込み用トンネルの拡径工具)16に交換し、図15に示すように、バックリーマー16に連結鋼管1に連結してから、推進ロッド15を到達立坑13から発進立坑12に向って引き抜くことにより、連結鋼管1が地中に引き込まれる。連結鋼管1の全てが工事区間の地中に引き込まれた後、連結鋼管1の両端部が例えば元管及び分岐管(何れも不図示)に接続され、貫入立坑11、発進立坑12及び到達立坑13が埋め戻されて配管施工が完了する。図14及び図15において、矢印は推進ロッド15の移動方向を示す。
また、樹脂被覆鋼管に被覆された樹脂の種類、口径、また施工する現場の土質等の状況に応じて、バックリーマー16に連続鋼管1を接続せずに、推進ロッド15を到達立坑13から発進立坑12に向って引き抜く作業(プレリーミング)を数回行い、引き込み用トンネルをより拡径させてから連結鋼管を地中に引き込むことも可能である。
本発明の保護方法で保護された連結鋼管1によれば、樹脂被覆鋼管2a、2bの溶接部25に密着された防食部材4を覆う保護部材5の推進方向側の端部が保護層23aに覆われているので直接土砂に接触することがない。したがって、樹脂被覆鋼管2a、2bが地中に引き込まれても、保護部材5の端部が直接土圧を受けることがないので、土圧により保護部材5が防食層22a、22bから剥離することが防止される。
(実施例)
続いて、樹脂被覆鋼管の接続部保護構造の実施例について述べる。ここで対象とする樹脂被覆鋼管は、JIS G 3469:2002に規定するポリエチレン被覆鋼管で、呼び径200Aを例にして説明する。
前記ポリエチレン被覆鋼管は、外径216.3mm、肉厚5.8mmの原管と、この外表面に1.1mm厚さのポリエチレン製防食層と、1.5mm厚さのポリエチレン製保護層とを2層に被覆したものである。
保護部材は、外層と内層との2層構造とし、前記外層は、架橋ポリエチレン(リンクロンXHE650N(三菱化学株式会社製)と、リンクロンHZ065(三菱化学株式会社製)とを20:1の比率で混練させたもの)とし、内層は、熱可塑性ポリエチレン(ノバテックHDHE121(日本ポリエチレン株式会社製))とした。
そして、保護部材は、収縮前の内径245mm、肉厚1.5mm、長さ760mmとし、外層と内層との肉厚の比は、2:1としている。
また、防食部材は、防食用熱収縮カバー1150(日東電工株式会社製)で、収縮前の内径255mm、肉厚1.2mm、長さ450mmである。
まず、前記ポリエチレン被覆鋼管の端面から100から150mm防食層と保護層とを除去し、続いて保護層のみを更に200mm程度除去して、ポリエチレン被覆鋼管同士を溶接接合させ、600から700mmの被覆除去部と200から300mmの鋼管露出部とを形成させる。
防食部材を前記鋼管露出部に位置させ、バーナーで加熱し熱収縮させることで、防食部材は、鋼管露出部に密着させることができる。
更に、図10に示したシリコンラバーヒータにて推進方向側のポリエチレン被覆鋼管の保護層を160℃×5分間の加熱を行った後、推進方向側のポリエチレン被覆鋼管の防食層と保護層との界面に、図9に示した6ピースの楔状工具を配置させ、楔状工具を圧入させた。
保護層が冷却固化した後、楔状工具を取り除くと、厚さ約3mm、奥行約40mmの間隙が、防食層と保護層との間に環状に形成される。
続いて、保護部材を所定の位置に配置し、一端を熱収縮させ、先に形成した間隙に挿入するとともに、保護部材の全体を加熱、熱収縮させることにより、樹脂被覆鋼管の接続部保護構造を得ることができる。
この接続部保護構造を、図14及び図15に示した非開削工法に適用したところ、保護部材の外表面には土砂や瓦礫による擦り傷が生じるものの、ピンホール検査による印加電圧を加えても異常は発見されず、保護部材の肉厚方向に貫通する損傷を受けることはなかった。従って、保護部材の内部に配置される防食部材はダメージを受けることなく、長期に亘って樹脂被覆鋼管の接続部を防食保護することができる。
本発明の一実施例を示す樹脂被覆鋼管の接続部保護構造の断面図である。 接合工程を模式的に示す断面図である。 間隙成形工程において、楔状時具が樹脂被覆鋼管に装着された状態と、防食工程を模式的に示す断面図である。 保護工程において、保護部材の端部を熱収縮させた状態を模式的に示す断面図である。 保護工程において、保護部材の全体を熱収縮させた状態を模式的に示す断面図である。 本発明における楔状工具の第1の形態を示す正面図である。 本発明における楔状工具の第1の形態を示す半断面側面図である。 本発明における楔状工具の第2の形態を示す斜視図である。 本発明における楔状工具の第2の形態を円状に6ピース配置した正面図である。 本発明に用いるシリコンラバーヒータ(加熱手段)である。 シリコンラバーヒータを用いた間隙形成工程を模式的に示す断面図である。 他の保護部材を使用して、接合部を保護した状態を示す断面図である。 他の保護部材を使用して、更に熱収縮を進行させた状態を示す断面図である。 非開削工法の途中の状態を示す概略断面図である。 非開削工法の別の途中の状態を示す概略断面図である。
符号の説明
1:連結鋼管、
2a、2b:樹脂被覆鋼管、21a、21b:原管、22a、22b:防食層、23a、23b:保護層、23a1、23b1:端部、24:被覆層除去部、24a:鋼管露出部、25:溶接部、26:間隙、27:境界
3、30:楔状工具、31、301:外周テーパー部、32、302:外周ストレート部、33、303:鍔部、34、304:内面、305:先窄み部(凹凸)
4:防食部材、
5:保護部材、51:一端部、52:他端部、
7:保護部材、71:外層、72:内層、
8:シリコンラバーヒータ、81:シリコンラバー、82:イヤリング、83:引張りコイルバネ、84:パチン錠
11:貫入立坑、12:発進立坑、13:到達立坑、14:ドリルマシーン、15:推進ロッド、16:バックリーマー、17:バックヤード、18:ドリル

Claims (10)

  1. 原管の外周に熱可塑性樹脂からなる防食層が形成されかつ前記防食層の外周に熱可塑性樹脂からなる保護層が形成された樹脂被覆鋼管の接続部保護方法において、
    前記樹脂被覆鋼管の端部から所定長さの前記保護層および前記防食層を除去して被覆層除去部を形成し、前記樹脂被覆鋼管の端部同士を突き合わせて接合する接合工程と、
    一方の樹脂被覆鋼管の保護層をその端部から所定長さで防食層から剥離して、前記保護層と前記防食層との間の円周方向に環状の間隙を形成する間隙形成工程と、
    前記被覆層除去部の少なくとも鋼管露出部を防食部材を用いて防食する防食工程と、
    前記間隙の内径側に位置する防食層と、前記防食部材と、他方の樹脂被覆鋼管の防食層および保護層との外周部を保護部材を用いて保護する保護工程と、
    を有することを特徴とする樹脂被覆鋼管の接続部保護方法。
  2. 原管の外周に熱可塑性樹脂からなる防食層が形成されかつ前記防食層の外周に熱可塑性樹脂からなる保護層が形成された樹脂被覆鋼管の接続部保護方法において、
    前記樹脂被覆鋼管の端部から所定長さの前記保護層および前記防食層を除去して被覆層除去部を形成し、前記樹脂被覆鋼管の端部同士を突き合わせて接合する接合工程と、
    一方の樹脂被覆鋼管の保護層をその端部から所定長さで防食層から剥離して、前記保護層と前記防食層との間の円周方向に環状の間隙を形成する間隙形成工程と、
    前記被覆層除去部の少なくとも鋼管露出部を防食部材を用いて防食する防食工程と、
    前記間隙の内径側に位置する防食層と、前記防食部材と、他方の樹脂被覆鋼管の防食層および保護層との外周部を保護部材を用いて保護する保護工程と、
    前記保護部材の内面の少なくとも一方の端部と、前記防食層の外周部とを保護部材接合手段を用いて接合する保護部材接合工程と、
    を有することを特徴とする樹脂被覆鋼管の接続部保護方法。
  3. 前記保護部材は、少なくとも熱可塑性を有する内層と、熱収縮性を有する外層とからなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の樹脂被覆鋼管の接続部保護方法。
  4. 前記保護部材接合手段は、圧力が加わると破裂するマイクロカプセルに注入され、前記マイクロカプセルが破裂すると流出する接着剤であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂被覆鋼管の接続部保護方法。
  5. 前記保護部材接合手段は、前記保護部材の外周側から照射され、前記保護部材の内面と前記内面が接触する部分を溶融接合するレーザー光であることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の樹脂被覆鋼管の接続部保護方法。
  6. 前記間隙形成工程は、
    工具の端部に向かって縮径する外周テーパー部と、前記外周テーパー部と連続する外周ストレート部とを有する複数の楔状工具を円周方向に環状に配置し、前記楔状工具を前記外周テーパー部側端部から前記防食層と前記保護層の境界に挿入して間隙を形成することにより構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂被覆鋼管の接続部保護方法。
  7. 前記保護工程は、
    前記樹脂被覆鋼管の外周に装着され、熱収縮性を有する樹脂で形成された、前記樹脂被覆鋼管の外径より大なる内径を有する円筒形の保護部材の一方の端部を、前記防食層の外面の軸方向に向かってスライド可能に熱収縮させ、
    前記防食層の外面上を軸方向にスライドさせて前記間隙に前記保護部材の一方の端部を収容し、
    前記保護部材全体を熱収縮させて前記間隙の内径側の防食層と、前記防食部材と、他方の樹脂被覆鋼管の防食層および保護層との外周を覆うことにより構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の樹脂被覆鋼管の接続部保護方法。
  8. 原管の外周に熱可塑性樹脂からなる防食層が形成されかつ前記防食層の外周に熱可塑性樹脂からなる保護層が形成された樹脂被覆鋼管の接続部保護構造であって、
    前記樹脂被覆鋼管の端部から所定長さの前記保護層および前記防食層を除去した被覆層除去部と、
    一方の樹脂被覆鋼管の保護層をその端部から所定長さで防食層から剥離して、前記保護層と前記防食層との間に形成した円周方向の環状の間隙と、
    前記被覆層除去部の少なくとも鋼管露出部を覆う防食部材と、
    一端が前記間隙に収容されるとともに、前記間隙の内径側の防食層と、前記防食部材と、他方の樹脂被覆鋼管の防食層および保護層との外周を覆う保護部材と、からなることを特徴とする樹脂被覆鋼管の接続部保護構造。
  9. 前記保護部材は、少なくとも熱可塑性を有する内層と、熱収縮性を有する外層とからなることを特徴とする請求項8に記載の樹脂被覆鋼管の接続部保護構造。
  10. 原管の外周に熱可塑性樹脂からなる防食層が形成されかつ前記防食層の外周に熱可塑性樹脂からなる保護層が形成された樹脂被覆鋼管の前記保護層と前記防食層とを剥離して、前記保護層と前記防食層との間に環状の間隙を形成する楔状工具であって、
    該楔状工具の端部に向かって縮径する外周テーパー部と、前記外周テーパー部と連続する外周ストレート部と、前記外周ストレート部の他端に前記外周ストレート部より大径となるように形成した鍔部とを有することを特徴とする楔状工具。
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