JP2007146874A - ボールねじおよびボールねじ用ナット製造方法 - Google Patents

ボールねじおよびボールねじ用ナット製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ボールねじの作動を滑らかにする。
【解決手段】ナット本体の雌ねじ溝94をゴシックアーク形状、駒部材の連結溝110を半円形状としておく。第1徐変溝切削工程において、エンドミル116の切刃の部分球面である回転軌跡118を、雌ねじ溝94の、その雌ねじ溝94とボールとの接触点と同じ半径方向位置の点Pに接触させる(b),(f)。エンドミル116の雌ねじ溝リード方向への移動に伴って、回転軌跡118を雌ねじ溝94の幅方向に移動させて第1徐変溝120を形成する(c),(g)。続く第2徐変溝切削工程において、回転軌跡118を雌ねじ溝94の幅方向と深さ方向との両成分を有する方向に移動させて第2徐変溝122を形成する(d),(h)。ボールの第1徐変溝120の溝内面および雌ねじ溝94の溝内面との接触点の半径方向位置が同じになり、ボールの公転速度が互いに等しくなって、ボールねじの滑らかな作動が保証される。
【選択図】図7

Description

本発明は、ボールねじに関するものであり、特に、ナットがナット本体と連結路形成部材とを備えるボールねじに関するものである。
ボールねじは、(a)外周面に螺旋状の雄ねじ溝を有するねじ軸と、(b)内周面に螺旋状の雌ねじ溝を有するナット本体とそのナット本体に固定され、ねじ軸と共同して雌ねじ溝の2部分を互いに連結する連結路を形成する連結路形成部材とを備えたナットと、(c)雄ねじ溝および雌ねじ溝により形成される螺旋路と、連結路とにより構成される循環路に収容され、ねじ軸とナットとの相対回転につれてその循環路内を循環する複数のボールとを含む。ナットは、連結路の形成方式によって、駒式,エンドキャップ式,リターンチューブ式,ガイドプレート式等が存在する。駒式は、ナットを半径方向に貫通して形成された嵌合穴に駒部材が嵌合されて固定され、その駒部材とねじ軸との共同により連結路が形成されるものであって、駒部材が連結路形成部材であることになる。エンドキャップ式は、ナットにそれを貫通する貫通孔が形成されるとともに、両端にエンドキャップが固定されるものであり、エンドキャップ内に上記貫通孔と前記螺旋路とを接続する接続通路が形成される。エンドキャップが連結路形成部材であることになる。リターンチューブ式は、ナットの外周の一部が平らに切削され、その平面にC字形に曲げられたチューブが固定されて連結路を形成するものであり、チューブが連結路形成部材であることになる。ガイドプレート式は、上記チューブの代わりに通路形成溝が形成されたプレートが平面に固定されるもので、通路形成溝と平面とにより形成される通路と、前記螺旋路とがピックアップチューブにより接続される。プレートとピックアップチューブとが共同して連結路形成部材を構成することとなる。
いずれにしても、互いに別体のナット本体と連結路形成部材とを結合してナットが構成されるため、循環路のうち、ねじ軸とナット本体とにより形成される部分と、ねじ軸と連結路形成部材とにより形成される部分との境界部をボールが通過する際に振動や騒音が発生したり、作動の滑らかさが損なわれることがある。
そこで、ボールねじにおけるこれらの問題を解消するための対策が種々提案されている。下記特許文献1に記載の発明はその一例である。本文献に記載のナットにおいては、ナット本体に形成される雌ねじ溝と、駒部材に形成される連結溝との段部を除去する加工が施されている。雌ねじ溝はゴシックアーク形状、すなわち半径は互いに同じであるが中心が互いに異なる2つの円弧で規定される形状の横断面を有しており、一方、連結溝は1つの円弧により規定されるほぼ半円形の横断面形状を有している。このナットにおける連結路の中間部は横断面形状がほぼ円であるトンネル状とされ、両端部は、内周側へ開口し、雄ねじ軸と共同して連結路を形成する連結溝とされている。この連結溝の端が雌ねじ溝の端と接合されるのであるが、連結溝がボールの自由な移動を許容するために雌ねじ溝より深くされており、発明に従う加工が施される前は、両者の間には段部が存在する。この段部がボールねじの作動時に振動や騒音の発生原因の一つになるため、本ボールねじにおいては、ボールの半径以上の半径、例えば、連結溝の半径と等しい半径を有するボールエンドミルを、雌ねじ溝の中心線に沿って移動させつつ雌ねじ溝内面を切削加工する面取りが施され、段部が除去される。この加工に当たっては、雌ねじ溝側から段部に向かって徐々に切込みが深くされ、段部の手前で段部の段差を超える深さとされ、その切込み深さを保って段部を通過後、循環溝内において切込みが解消される。このようにして、段差が除去されれば、ボールの段差通過に伴うボールねじの振動,騒音の発生が抑制される。
また、特許文献2には、連結溝の少なくとも雌ねじ溝との接合部の横断面形状を、雌ねじ溝の横断面形状と合同のゴシックアーク形状とすることにより、両溝の接合部における段差を製作上,組付上の誤差のみに抑制することが記載されている。また、連結溝と雌ねじ溝との接合部に面取りを施し、段差を切除して滑らかに接合するとも記載されている。しかし、面取りの詳細については何も記載されていない。
特開2005−121042 特開2004−144239
本発明の発明者は、以上の事情の下に、駒式ボールねじの作動を軽快にするための実験を行ううちに、駒式ボールねじの滑らかな作動を妨げる新たな原因を発見した。本発明は、この発見に基づいて、従来より滑らかに作動するボールねじを得ることを課題としてなされたものである。なお、本発明は、直接には駒式ボールねじの作動を軽快にすることを目的として為されたものであるが、エンドキャップ式,リターンチューブ式,ガイドプレート式等、他の形式のボールねじにも適用可能なものである。
本発明に係るボールねじは、(a)外周面に、横断面形状がゴシックアーク形である螺旋状の雄ねじ溝を有するねじ軸と、(b)内周面に、横断面形状がゴシックアーク形である螺旋状の雌ねじ溝を有するナット本体と、そのナット本体に固定され、前記ねじ軸と共同して前記雌ねじ溝の2部分を互いに連結する連結路を形成する連結路生成部材とを備えたナットと、(c)前記雄ねじ溝と前記雌ねじ溝とにより形成される螺旋路と、前記連結路とにより構成される循環路に収容され、前記ねじ軸と前記ナットとの相対回転につれてその転動路内を循環する複数のボールとを含み、かつ、前記螺旋路を形成する雌ねじ溝と、前記連結路の少なくとも端部を前記ねじ軸との共同で形成するために前記連結路形成部材に形成される連結溝との境界近傍部分の横断面積が前記雌ねじ溝に近い部分ほど小さくなる横断面積徐変部とされるとともに、その横断面積徐変部の少なくとも前記雌ねじ溝側の部分の横断面形状が、その横断面積徐変部に対する前記ボールの各々の接触点の、前記ナットの半径方向における位置である半径方向位置が、各ボールの前記雌ねじ溝に対する接触点の半径方向位置と同じになる形状とされたことを特徴とする。
なお、ここにおいて「接触点」とは、ボールがねじ軸側の溝内面とナット側の溝内面との間に強く挟まれる状態における接触点を意味し、ボールが自由に移動できる状態において接触する点は含まない。
雄ねじ溝と雌ねじ溝との横断面形状が共にゴシックアーク形状である場合には、これらねじ溝の溝内面と複数のボールの各々との接触点の半径方向位置、すなわちナットあるいはねじ軸の軸線から接触点までの距離が明確に定まる。それに対して、従来のボールねじにおいては、雌ねじ溝と連結溝との境界近傍部において横断面積が徐変させられる横断面積徐変部の、溝面の形状に関心が払われていなかったために、各ボールの、横断面積徐変部における溝内面との接触点の半径方向位置と、雌ねじ溝の溝内面との接触点の半径方向位置とが不一致となっており、それがボールねじの滑らかな作動を妨げる原因の一因となっていた。
例えば、前記特許文献1に記載の駒式ボールねじにおいては、後に詳細に説明する理由によって、横断面積徐変部として雌ねじ溝の端部に形成される面取り部における接触点までの半径が、雌ねじ溝の通常部分(面取りが施されていない部分であり、特に必要がない限り単に雌ねじ溝と称する)における半径より大きくなっており、それが滑らかな作動を妨げることが判明した。ナットとねじ軸とが相対回転する際、ボールは面取り部内の途中において、雄ねじ溝との接触点と、面取り部の溝内面との接触点とにおける摩擦力を受けて、換言すれば、それら接触点近傍の雄ねじ溝内面と面取り部内面とに挟まれて、転動させられる状態となる。したがって、これら接触点の半径方向位置が異なれば、ナットとねじ軸との同じ相対回転速度に対するボールの公転速度(移動速度)が異なることとなる。例えば、雌ねじ溝側から連結溝側へボールが移動する場合に、面取り部内における移動速度の方が小さければ、雌ねじ溝内のボールが面取り部内のボールに追いつく。後方のボールが前方のボールに追いつくのであり、後方のボールが前方のボールに接触した後は前方のボールを押すこととなるが、前方のボールは面取り部の溝内面と雄ねじ溝の溝内面との間に強く挟まれているため、移動速度を容易に速めることはできず、両ボールが互いに強く押し付けられた状態で転動することとなって、ボールねじが滑らかに作動しない事態が生じるのである。
それに対し、本発明に従って、横断面積徐変部の横断面積が雌ねじ溝に近い部分ほど小さくされているため、ねじ軸とナットとの相対回転に伴って雌ねじ溝内を強制的に転動させられてきたボールが、横断面積徐変部へ入ってもしばらくは強制的に転動し続けさせられ、やがて横断面積徐変部の溝内面と雄ねじ溝の溝内面との間に強く挟まれない状態となって、自由に移動可能となる。あるいは、当初は連結溝内を雌ねじ溝に向かって自由に移動する各ボールがやがて横断面積徐変部の溝内面と雄ねじ溝の溝内面との間に強く挟まれる状態となり、それ以後は各ボールが強制的に転動させられ、雌ねじ溝に向かって強制的に移動させられることとなる。この横断面積徐変部の横断面形状を、その横断面積徐変部に対するボールの接触点の、ナットの半径方向における位置である半径方向位置が各ボールの雌ねじ溝に対する接触点の半径方向位置と同じになる形状にしておけば、各ボールの他方の接触点はいずれも雄ねじ溝内面に対する接触点で同じであるから、ボールが横断面積徐変部側に位置する状態と雌ねじ溝側に位置する状態とで2つずつの接触点の半径方向位置が共に変わらないこととなり、ボールの公転速度(移動速度)が同じになる。そのため、後方のボールが前方のボールに強く押し付けられて転動する事態の発生が良好に回避され、駒式ボールねじの軽快な作動が保証される。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(6)項が請求項4に、(9)項が請求項5にそれぞれ相当する。
(1)外周面に、横断面形状がゴシックアーク形である螺旋状の雄ねじ溝を有するねじ軸と、
内周面に、横断面形状がゴシックアーク形である螺旋状の雌ねじ溝を有するナット本体と、
そのナット本体に固定され、前記ねじ軸と共同して前記雌ねじ溝の2部分を互いに連結する連結路を形成する連結路形成部材とを備えたナットと、
前記雄ねじ溝と前記雌ねじ溝とにより形成される螺旋路と、前記連結路とにより構成される循環路に収容され、前記ねじ軸と前記ナットとの相対回転につれてその循環路内を循環する複数のボールと
を含み、かつ、前記螺旋路を形成する雌ねじ溝と、前記連結路の少なくとも端部を前記ねじ軸との共同で形成するために前記連結路形成部材に形成される連結溝との境界近傍部分の横断面積が前記雌ねじ溝に近い部分ほど小さくなる横断面積徐変部とされるとともに、その横断面積徐変部の少なくとも前記雌ねじ溝側の部分の横断面形状が、その横断面積徐変部に対する前記ボールの各々の接触点の、前記ナットの半径方向における位置である半径方向位置が、各ボールの前記雌ねじ溝に対する接触点の半径方向位置と同じになる形状とされたことを特徴とするボールねじ。
連結路形成部材は、雄ねじ軸と共同して雄ねじ溝の一部からねじ軸の山を越えて雄ねじ溝の他の一部へ移動させる連結路を形成するものであることが必要である。エンドキャップ式,リターンチューブ式,ガイドプレート式等においては、連結路がねじ軸の複数の山を越えて形成されることが多く、駒式においては1つの山を越えて形成されることが多い。1つの山を越えて形成される連結路は、連結路全体がナットの内周側へ開いた連結溝と雄ねじ軸との共同により形成される場合と、連結路の中央部が閉じたトンネル部として連結路形成部材(多くの場合駒部材)単独で形成される場合とがあるが、後者の場合でも連結路のトンネル部以外はナットの内周側へ開いた連結溝とねじ軸との共同で形成される。エンドキャップ式,リターンチューブ式,ガイドプレート式等においても事情は同じである。
したがって、連結路の雌ねじ溝と連なる端部の形状を考える場合には、連結路がトンネル部を含むトンネル式、あるいはエンドキャップ式,リターンチューブ式,ガイドプレート式等であるか否かを問わず、ナットの内周側へ開いた状態で形成される連結溝の形状を考えればよいことになる。
そして、本発明においては、連結溝と雌ねじ溝との境界近傍部分が横断面積徐変部とされるとともに、その横断面積徐変部の少なくとも雌ねじ溝側の部分の横断面形状が、その横断面積徐変部の溝内面に対するボールの各々の接触点の、ナットの半径方向における位置である半径方向位置が、各ボールの雌ねじ溝に対する接触点の半径方向位置と同じになる形状とされる。横断面積徐変部は、雌ねじ溝側のみに設けられても、連結溝側のみに設けられても、雌ねじ溝側と連結溝側とに跨って設けられてもよい。
いずれにしても、横断面積徐変部との関係においては、連結溝あるいは雌ねじ溝の横断面積徐変部とされた部分はもはや連結溝あるいは雌ねじ溝ではなくなったものとみなし、横断面積徐変部とされていない部分をそれぞれ連結溝および雌ねじ溝と称することとする。
(2)前記横断面積徐変部が、横断面形状が前記雌ねじ溝と同じ寸法のゴシックアーク形状である最端部と、横断面積がその最端部のそれより大きく、前記ボールを隙間を残して収容し得る連結路を前記ねじ軸との共同により形成する深溝部とを滑らかにつなぐものであり、その横断面積徐変部の少なくとも前記最端部に隣接する部分の横断面形状が、前記各ボールのその最端部に隣接する部分への接触点の半径方向位置が前記雌ねじ溝への接触点の半径方向位置と同じになる横断面形状とされた(1)項に記載のボールねじ。
横断面積徐変部の全体を(1)項の条件を満たすものとすることも可能であるが、少なくとも雌ねじ溝に隣接する部分を(1)項の条件を満たすものとすれば本発明の効果が得られる。
(3)前記横断面積徐変部が、前記最端部と同一形状の溝の溝内面に、最端部から前記深溝部に向かうに従って前記最端部と同一形状の溝の幅方向に徐々に深くなる徐変溝が形成された徐変部を含み、前記徐変溝の溝内面の横断面形状の曲率半径が前記各ボールの半径より大きく、かつその徐変溝の溝内面と前記各ボールとの接触点が各ボールの前記雌ねじ溝への接触点と同一の半径方向位置にある(2)項に記載のボールねじ。
最端部と同一形状の溝の溝内面に、最端部から深溝部に向かうに従って最端部と同一形状の溝の幅方向に徐々に深くなる徐変溝を形成すれば、徐変溝の深さが最端部に近づくにつれて徐々に浅くなっても、すなわち徐変部の幅が最端部に近づくにつれて徐々に狭くなっても、その徐変部と各ボールとの接触点の半径方向位置は変わらず、雌ねじ溝とボールとの接触点の半径方向位置と同じに保たれる。
(4)前記徐変溝の溝内面が曲率半径が一定の円弧の集合である(3)項に記載のボールねじ。
徐変溝の溝内面を、曲率半径が徐々に変化する曲線の集合とすることも可能であるが、円弧の集合とすれば形成が容易である。
(5)前記深溝部が、前記徐変溝の溝内面を構成する前記円弧と曲率半径が同じ1つの円弧の集合により溝内面が構成されるものである(4)項に記載のボールねじ。
深溝部を、徐変溝の溝内面を構成する円弧と曲率半径が同じ円弧で構成されるものとすれば、連結溝と横断面積徐変部との接続が容易である。
(6)前記横断面積徐変部が、前記深溝部と前記最端部との間に、それら深溝部と最端部とをつなぐ、前記徐変部としての第1徐変部とは異なる第2徐変部を含み、その第2徐変部が、深さが前記最端部と同一形状の溝の幅方向の成分と深さ方向の成分とを有する方向に深くなる第2徐変溝を有する(4)項または(5)項に記載のボールねじ。
各ボールが横断面積徐変部内を雌ねじ溝に向かって移動するにつれて、まず第2徐変部により第1徐変部へ案内され、第1徐変部内を移動する間に第1徐変部の溝内面と雄ねじ溝の溝内面との間に強く挟まれる状態となり、以後雌ねじ溝に向かって強制的に転動させられる。あるいは逆に、雌ねじ溝内を強制的に転動させられてきた各ボールが、横断面積徐変部に入ってもしばらくは強制的に転動させられ、やがて横断面積徐変部の溝内面と雄ねじ溝の溝内面との間に強く挟まれない状態となる。
(7)前記第2徐変溝が、前記深溝部の溝内面を構成する円弧と曲率半径を同じくする円弧の集合により形成された(6)項に記載のボールねじ。
(8)(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のボールねじを含み、さらに、
車体にその車体の幅方向に平行な軸方向に移動可能に保持され、前記ねじ軸を含む転舵ロッドと、
前記車体に保持され、前記ナットを回転駆動する電動モータと
を含むパワーステアリング装置。
本形態のパワーステアリング装置においては、ボールねじが滑らかに作動しない場合に、その円滑ではない回転がステアリングホイール等の操作部に伝達され、運転者に不快感を与える。したがって、パワーステアリング装置用のボールねじは特に円滑に作動することが要求されるが、本発明に従ったボールねじはその要求を満たし得る。
(9)(a)外周面に、横断面形状がゴシックアーク形である螺旋状の雄ねじ溝を有するねじ軸と、(b)内周面に、横断面形状がゴシックアーク形である螺旋状の雌ねじ溝を有するナット本体、およびそのナット本体に固定され、前記ねじ軸と共同して前記雌ねじ溝の2部分を互いに連結する連結路を形成する連結路形成部材を備えたナットと、(c)前記雄ねじ溝と前記雌ねじ溝とにより形成される螺旋路と前記連結路とにより構成される循環路に収容され、前記ねじ軸と前記ナットとの相対回転につれてその循環路内を循環する複数のボールとを含むボールねじの前記ナットを製造する方法であって、
前記連結路の前記螺旋路との境界近傍部分を前記雄ねじ軸と共同して形成する連結溝であって横断面積が前記雌ねじ溝の横断面積より大きくされたもの備えた前記連結路形成部材が、前記ナット本体に固定されたナット素材を準備する工程と、
そのナット素材の前記ナット本体の前記ゴシックアーク溝の溝内面を、加工面が前記ボールの半径より大きい曲率半径の凸局面である加工工具により機械加工する工程と
を含み、その加工工具による機械加工工程が、
(i)前記加工工具を回転させつつ、前記凸曲面を、前記ゴシックアーク溝の、前記連結路と前記螺旋路との境界から設定距離離れた部分の、前記ボールの前記雌ねじ溝への接触点と半径方向位置が同じである点に接触させ、その後、それらナット素材と加工工具とに、加工工具が概して前記ゴシックアーク溝の延びる方向に移動しつつゴシックアーク溝の幅方向に徐々に移動する結果となる相対運動を付与して、ゴシックアーク溝の溝内面に、深さがそのゴシックアーク溝の幅方向に徐々に深くなる第1徐変溝を機械加工により形成する正第1徐変溝加工工程、または(ii)その正第1徐変溝加工工程と加工の進行方向を逆にした逆第1徐変溝加工工程を含むことを特徴とするボールねじ用ナットの製造方法。
上記機械加工は切削加工と研削加工との少なくとも一方を含む。切削加工には、例えば、切刃の回転軌跡がボールの半径より大きい曲率半径の凸局面となるエンドミルを使用することができ、切刃の回転軌跡が加工面となる。研削加工には、例えば、凸曲面にダイヤモンド砥粒やCBN(立方晶窒化ホウ素)砥粒を固着したダイヤモンド砥石やCBN砥石を使用することができ、砥粒の回転軌跡の集合が加工面となる。
本項の製造方法において、正第1徐変溝加工工程を採用することも、逆徐変溝加工工程を採用することも共に可能である。ただし、徐変溝加工(切削加工の場合特に)の最後にバリが生じることがあり、逆徐変溝加工工程による場合はこのバリが第1徐変溝の溝内面と雌ねじ溝の溝内面との境界に生じてボールの軽快な転動の妨げになる可能性があるのに対し、正第1徐変溝加工工程によれば、バリが生じても、第1徐変溝の溝内面の雌ねじ溝から遠い側の端に生じ、この端においてはボールと溝内面との間に十分な隙間があるため、ボールの軽快な転動が妨げられることはない。この観点からすれば、正第1徐変溝加工工程の方が有利である。
本項の製造方法によれば、前記(3)項に記載のボールねじ用のナットが得られる。
(10)(iii)前記正第1徐変溝加工工程の終了後、前記ナット素材と前記加工工具とに、加工工具が概して前記ゴシックアーク溝の延びる方向に移動しつつゴシックアーク溝の幅方向および深さ方向に徐々に移動する結果となる相対運動を付与して、ゴシックアーク溝の溝内面に、深さがゴシックアーク溝の幅方向と深さ方向との両方に徐々に深くなる第2徐変溝を機械加工により形成する正第2徐変溝加工工程、または(iv)前記逆第1徐変溝加工工程の実行前に、前記正第2徐変溝加工工程とは加工の進行方向を逆にした逆第2徐変溝加工工程を含む(9)項に記載のボールねじ用ナットの製造方法。
本項の製造方法においても、(9)項に関連して説明したのと同じ理由で正第2徐変溝加工工程の方が望ましい。
本項の製造方法によれば前記(6)項に記載のボールねじ用のナットが得られる。
(11)前記加工工具として、前記凸曲面が、前記曲率半径が一定の球面であるものを使用する(9)項または(10)項に記載のボールねじ用ナットの製造方法。
以下、本発明の実施例を、図を参照しつつ説明する。
図1に、車両用ステアリングシステムを概略的に示す。本システムは、操作部10と転舵部12とを備えている。操作部10は、操舵操作部材としてのステアリングホイール14,ステアリングシャフト16,センサ18等を備え、転舵部12は、転舵ロッド22,タイロッド24,ステアリングナックル26,転舵アクチュエータ28等を備えている。センサ18はステアリングECU(電子制御装置)32の入力部に接続され、そのステアリングECU32の出力部に転舵アクチュエータ28が接続されている。ステアリングシャフト16は、インタミディエイトシャフト34を介して転舵アクチュエータ28の入力軸36に連結されている。
転舵アクチュエータ28は図2に示すように、ステアリングギヤ38とアシスト装置40とを備えており、ステアリングギヤ38はラック42とピニオン44とにより、上記入力軸36の回転、すなわちステアリングシャフト16の回転を転舵ロッド22の軸方向の運動に変換する。また、アシスト装置は40は、電動モータ46およびボールねじ48を備え、電動モータ46の回転トルクをボールねじ48により転舵ロッド22の軸方向のアシスト力に変換して出力する。
センサ18が、ステアリングホイール14に加えられている操作力を検出し、ステアリングECU32が、その操作力に基づいて目標アシスト力を決定するとともに、その目標アシスト力を発生させるようにアシスト装置40を制御する。
ボールねじ48は、前記ラック42と同軸かつ一体的に設けられたねじ軸62と、ナット64と、複数のボール66とから成っており、電動モータ46はロータ68とステータ70とを備えている。ナット64は、電動モータ46のロータ68に固定されており、ロータ68と一体的に回転する。ロータ68は軸受71を介してハウジング72により回転可能かつ軸方向には移動不能に保持されており、一方、ステータ70はハウジング72に固定されている。ロータ68は永久磁石82を備え、ステータ70はコイル84を備えており、電動モータ48は、コイル84に供給される電流の大きさに応じた回転トルクを発生させる。
ボールねじ48のねじ軸62の外周面には、図3に示すように、螺旋状の雄ねじ溝92が形成されている。一方、ナット64は、内周面に螺旋状の雌ねじ溝94が形成されたナット本体96と、そのナット本体96とは別体に製造されてナット本体96に固定された複数個の駒部材98とから成っている。この駒部材98は、ねじ軸62と共同して連結路102形成し、この連結路102が、雄ねじ溝92と雌ねじ溝94とにより形成される螺旋路104の、互いに近接した2部分を連結して無端の循環路106を形成する。この循環路106に複数のボール66が収容されることにより、ねじ軸62とナット64とがボール66を介して連携させられ、両者は相対回転に伴って必然的に軸方向に相対移動する。
各ボール66は、図4に示すように、螺旋路104の始端104aからねじ軸62を1周近くして螺旋路104の末端104bに到り、この末端104bから連結路102を通過する間にねじ山を越え、上記始端104aに戻る。その結果、図3に実線と破線とで概略的に示す無端の循環路106をボール66が循環することとなる。実線の矢印で示す部分が、循環路106の、ねじ軸62の手前側における部分であり、破線の矢印で示す部分がねじ軸62の向こう側における部分である。また、螺旋路104の始端104aと末端104bとはナット64とねじ軸62との相対回転方向が逆になるのに応じて反転する。
本実施例においては、連結路102の中央部が、駒部材98に形成された貫通孔108により形成されており、いわゆるトンネル式となっている。連結路102の両端部は、駒部材98に内周側に開いて形成された連結溝110と、雄ねじ溝92との共同で形成される。駒部材98は、図5に示す形状を有する2つの部材98a,98bを合わせて、ナット本体96に形成された嵌合穴に嵌合され、固定される。固定後は一体の駒部材98として機能するため、以後は一体の部材として説明する。
上記のように、ナット64はナット本体96と駒部材98との結合体であり、そのナット64とねじ軸62との共同により形成される連結路102は、螺旋路104に比較して横断面積が大きくされる。螺旋路104内においては、ボール66が雄ねじ溝92の溝内面と雌ねじ溝94の溝内面とに強く挟まれた状態で転動させられるのに対し、連結路102内においては自由に移動する必要があるからである。したがって、連結路102の螺旋路104との接合部近傍においては、連通路の横断面積が徐々に減少させられ、滑らかに螺旋路104に連なるようにされることが、ボール66の移動を滑らかにする上で望ましい。
以下、上記螺旋路104および連結路102を形成する雄ねじ溝92,雌ねじ溝94,貫通孔108および連結溝110の形状について詳細に説明する。
図6に螺旋路104および連結路102におけるボール66と溝内面との関係を概念的に示す。螺旋路104内においては、図の左上に示すように、ボール66が雄ねじ溝92の溝内面と雌ねじ溝94の溝内面との、互いにボール66の直径方向に隔たった2部分によって強く挟まれ、それら2部分とボールとの接触点近傍の部分が僅かに弾性変形して、それら2部分とほぼ90度離れた部分においては溝内面とボール66との間に僅かな隙間が生じた状態となる。これら弾性変形する側と隙間が生じる側とは、ねじ軸62とナット64との加えられる軸方向の力の向きが反転すれば逆になる。
一方、連結路102の連結溝110は、雌ねじ溝94に比較して深くされているため、図6に誇張して示すように、連結溝110および雌ねじ溝94の溝内面とボール66との間には隙間が存在し、ボール66は連結溝110の延びる方向に自由に移動することができる。駒部材98がナット本体96に固定されたままの状態においては、図6に誇張して示すように、連結溝94と雌ねじ溝94との境界に二点鎖線で示す段差部112が生じている。この段差部112を消滅させるべく雌ねじ溝94の連結溝110との境界に隣接した部分に面取りを施して面取り部114を形成するのであるが、本ボールねじ48においては、この面取りが第1徐変溝切削工程と第2徐変溝切削工程とにより行われる。
この第1徐変溝切削工程と第2徐変溝切削工程との実施状況を図7に示す。図7の(a)に雌ねじ溝94の横断面形状を実線で示し、連結溝110の横断面形状を二点鎖線で、エンドミル116の先端部の切刃の回転軌跡118を破線でそれぞれ示す。雌ねじ溝94は、半径が同一である2つの円弧を、それらの中心を互いにすらして交差させた曲線で規定されるいわゆるゴシックアーク形状を有しており、連結溝110は上記円弧と半径が同一であるほぼ半円で規定されるほぼ半円形状を有している。切刃の回転軌跡118は、ゴシックアーク形状を規定する円弧の半径よりは小さい半径を有する部分球面をなす。
第1徐変溝切削工程の最初は、エンドミル116を回転させた状態で、図7の(b)に示すように、雌ねじ溝94の上記2つの円弧の一方で規定される溝内面に回転軌跡118を接触させる切削開始工程である。この際、回転軌跡118と溝内面との接触点Pの半径方向位置、すなわちナット64の中心線からの距離が、雌ねじ溝94の溝内面に対するボール66の接触点の半径方向位置と同じになるように、エンドミル116とナット64とを位置決めする。切削開始の後は、エンドミル116とナット64とを、図7の(c)に矢印A示すように、エンドミル114が雌ねじ溝92のリード方向に進むにつれてナット64の中心線に平行な方向(すなわち軸方向)に移動するように相対移動させて、雌ねじ溝94の溝内面に、雌ねじ溝94の幅方向に深さが漸増する第1徐変溝120を形成する。この第1徐変溝形成工程は、第1徐変溝120の深さが、予定されている軸方向負荷のうち最大のものがねじ軸62とナット64とに加えられた場合の前記螺旋路104における雄ねじ溝92および雌ねじ溝94の溝内面とボール66との接触点近傍部の弾性変形量の和よりも大きくなるまで行う。
以上で第1徐変溝切削工程が終了し、続いて第2徐変溝切削工程が実施される。この工程は、エンドミル116とナット64とを、図7の(d)に矢印B示すように、エンドミル116が雌ねじ溝92のリード方向に進むにつれてナット64の軸方向と半径方向との両成分を含む方向に移動させつつ雌ねじ溝94の溝内面を切削する工程である。本実施例においては特に、回転軌跡118が連結溝110を規定する円弧と一致する結果となるようにエンドミル116とナット64とを相対移動させつつ切削加工が行われ、それによって第2徐変溝122が形成される。この切削は、回転軌跡118の球心が段差部112に対応する位置に達する前に、回転軌跡118が連結溝110を規定する円弧と一致する状態を越えて僅かに連結溝110の溝内面に食い込んだ状態になるように行われる。第1徐変溝切削工程の最初において回転軌跡118が雌ねじ溝94の溝内面に接触させられる位置、および第1徐変溝切削工程および第2徐変溝切削工程におけるエンドミル116とナット64とのリード方向の単位移動距離に対する切込み量がそのように設定されるのである。
回転軌跡118が連結溝110の溝内面に僅かに食い込んだ状態になった後は、切込みが一定に保たれた状態で、エンドミル116が、それの球心が段差部112に対応する位置を過ぎ、連結溝110の溝内面を浅く切削しつつ設定距離リード方向に前進するように、エンドミル116とナット64とが相対移動させられる。これにより、段差部112が完全に消滅させられる。その後、連結溝110への切込みが解消されるが、エンドミル116がリード方向に前進させられつつ切込みが減少させられても、リード方向の前進が停止させられた状態で切込みが減少させられてもよい。後者の場合でも、連結溝110のエンドミル116により切削された部分と切削されていない部分との間には、回転軌跡118の曲率に対応する傾斜面(厳密には傾斜した凹球面)が形成され、段部が生じることはないからである。
以上によって、雌ねじ溝94の片側の溝内面に第1徐変溝120と第2徐変溝122とが互いに連続して形成され、続いて、図7の(e)〜(h)の工程が(a)〜(d)の工程と同様に実施されて、雌ねじ溝94の反対側の溝内面に別の第1徐変溝120と第2徐変溝122とが形成される。ただし、これら第1徐変溝120および第2徐変溝122が形成される際のエンドミル116の移動方向はそれぞれ矢印A′および矢印B′で表される方向である。図7の(e)〜(h)の工程と(a)〜(d)の工程とで形成される2つの第2徐変溝122は、最終的には、すなわち切込みの停止時期には完全に合流し、その後は連結溝110の溝内面全体を僅かに切削し、連結溝110を僅かに深くする加工となる。
このようにして形成された第1徐変溝120の溝内面および第2徐変溝122の溝内面から成る面取り部114は以下の機能を果たす。
先に説明した特許文献1に記載のボールねじにおいて「後方のボールが前方のボールに追いついて両ボールが互いに強く押し付けられた状態で転動する」という現象が生じるのは、主として、ボールが連結溝側から雌ねじ溝側へ移動する場合である。逆の場合には、面取り部内のボールの移動速度が雌ねじ溝内のボールの移動速度より小さい場合に同様の現象が生じることとなるが、実際にこのような状況になることは少ないのである。したがって、ここでは、ボール66が連結溝110側から雌ねじ溝94側へ移動する場合について説明する。また、雌ねじ溝94の2つの第2徐変溝122が形成された部分を第2徐変部、2つの第1徐変溝120が形成された部分を第1徐変部と総称し、これら徐変溝120,122が形成されていない部分を、これまで通り雌ねじ溝94と称する。また、第1徐変部と第2徐変部とを徐変部と総称する。
ねじ軸とナット64との相対回転につれてボール66が連結溝110側から雌ねじ溝94側へ移動する際、まず、第2徐変部に入り、第2徐変溝122の溝内面の傾斜により第1徐変部に導かれる。このとき、ボール66は雄ねじ溝92と第2徐変部の溝内面との間に強く挟まれず、自由に移動可能であるため、2つの第2徐変溝122のいずれの側に入るかは一義的には定まらないが、いずれの側に入ってもボール66は一方の側から他方の側へ自由に移動できるための支障はない。やがてボール66は第1徐変部へ入り、2つの第1徐変溝120のいずれかの溝内面の傾斜により雌ねじ溝94に導かれる。この際も、当初、ボール66は2つの第1徐変溝120のいずれに入るか一義的には定まらないが、やがて雄ねじ溝92の溝内面に押されて2つの第1徐変溝120の一方の溝内面に押し付けられる。
第2徐変部においては勿論、第1徐変部においても、溝幅は雌ねじ溝94より広くされているのであるが、螺旋路104においては、前述したように、ねじ軸62とナット64とに加えられる軸力と反力とにより、ボール66が雄ねじ溝92の片側の溝内面と雌ねじ溝94の反対側の溝内面との間に強く挟まれ、それらボール66と溝内面との接触点近傍部が弾性変形して、雄ねじ溝92と雌ねじ溝94との中心が互いにずれている。そのため、第1徐変部では雌ねじ溝94の溝幅が第1徐変溝120の形成により拡げられているにもかかわらず、第1徐変部の途中からボール66が雄ねじ溝92の溝内面により第1徐変溝120の溝内面に押し付けられることとなるのである。
上記のようにして、ボール66が雄ねじ溝92と第1徐変溝120との溝内面に挟まれた状態となった後は、ボール66は強制的に転動させられることとなるが、その公転速度(移動速度)は、雄ねじ溝92と雌ねじ溝94との溝内面に挟まれて転動する場合と同じになる。
ボール66が雄ねじ溝92と雌ねじ溝94との溝内面に挟まれて転動する場合の、雌ねじ溝94のボール66との接触点におけるナット64の周速V1は、図8(a)から明らかなように、次式で表される。
V1=ω・(R+H)・・・・(1)
ただし
ω:ねじ軸62とナット64との相対回転角速度
R:ねじ軸62の軸線とボール66の球心との距離
H:ボール66と雌ねじ溝94の溝内面との接触点とボール66の球心との、ねじ軸62の半径方向における距離
また、ボール66が雄ねじ溝92と雌ねじ溝94との溝内面に挟まれて転動する場合には、図6の左上部分あるいは図9(a)に誇張して示すように、ボール66と両溝内面との2つの接触点間の距離はボール66の直径に等しいため、図8(b)に示すように、ボール66の球心の移動速度V2は次式で表される。
V2=(1/2)・V1・・・・(2)
それに対し、前記特許文献1に記載のボールねじにおいては、エンドミルとナットとの雌ねじ溝のリード方向における相対移動に伴ってエンドミルの切込みが半径方向に増加させられるようになっているため、ボールと徐変部の溝内面とが図10に示すように点P′において接触することとなる。したがって、ねじ軸62とナット64との相対回転角速度が上記の場合と同じくωである場合に、徐変部溝内面の点P′における周速V3は次式で表される。
V3=ω・(R+H′)・・・・(3)
ただし
H′:ボールと徐変部の溝内面との接触点P′とボールの球心との、ねじ軸の軸線に直角な平面内における距離
そして、ボールと徐変部の溝内面との接触点P′が図10の位置になる場合には、ボールは雄ねじ溝の両側の溝内面に強く押し付けられることとなるため、ボールは両側の溝内面との接触点である2点を結ぶ直線L(図10参照。図8(c)においては点Qにおいて図の面と直交する直線)を中心として回転することとなり、図8(d)から明らかなように、ボールの球心の移動速度V4は次式で表される。
V4=V3・H/(H+H′)・・・・(4)
上記式(1)ないし(4)より
V2−V4=(1/2)・V1−V3・H/(H+H′)=ω・(H′−H)・(R−H)/2(H+H′)
ここにおいて、ω>0,H>0,H′>0,H′>H,R>Hであるから(V2−V4)は正であり、V2>V4である。ボール66が雄ねじ溝92と雌ねじ溝94との溝内面に挟まれて転動する場合にの球心の移動速度(公転速度)V2の方が、徐変溝と雄ねじ溝との溝内面に挟まれて転動する場合の球心の移動速度(公転速度)V4より大きいのである。
したがって、前記特許文献1に記載のボールねじにおいては、ねじ軸とナットとの相対回転に伴って、ボールが雌ねじ溝側から連結溝側へ、すなわちナット本体側から駒部材側へ移動する際、雌ねじ溝内のボールが徐変部内のボールに追いつく場合があった。両ボールが強く押し付けられた状態で転動する事態が発生する場合があったのであり、これが、ボールねじの滑らかな作動を妨げる一因になっていた。
それに対して、本実施例のボールねじにおいては、第1徐変部における第1徐変溝120の溝内面とボール66との接触点の半径方向位置と、雌ねじ溝94の溝内面とボール66との接触点の半径方向位置とが同じにされているため、第1徐変部において強制的に転動させられているボール66と雌ねじ溝94内において転動させられているボール66との移動速度(公転速度)が同一であり、後者が前者に追いついて2つのボール66が押しつけられつつ転動するという事態の発生が良好に回避され、ボールねじの滑らかな作動が保証される。
ボールねじの使用時にねじ軸62とナット64との一方に加えられる軸方向負荷は、螺旋路104内に存在するボール66を介して他方により受けられるが、その際、雄ねじ溝92および雌ねじ溝94の溝内面とボール66との接触部がそれぞれ図9(a)に誇張して示すように弾性変形し(図においては、理解を容易にするために、溝内面とボールとを示す円弧が互いに交差した状態で示されている)、その変形に伴ってねじ軸62とナット64との間に微小な軸方向の相対変位が生じる。その結果、図9(b)に誇張して示すように、雄ねじ溝92に対して第1徐変部(第1徐変溝120)が軸方向に変位する。第1徐変部内において、当初、ボール66は第1徐変溝120の溝内面と雄ねじ溝92の溝内面との間に挟まれてはいないが、やがて図9(b)に示すように、雄ねじ溝92の両側の溝内面により位置決めされたボール66と第1徐変溝120の溝内面とが接触を開始し、以後はボール66が雄ねじ溝92と第1徐変溝120との溝内面により強く挟まれた状態で転動することとなる。上記ボール66と第1徐変溝120の溝内面とが接触を開始する点を接触開始点と称することとするが、接触開始点の第1徐変部の延びる方向の位置(リード角は一般に小さいため無視すれば、周方向の位置)は、雄ねじ溝92および雌ねじ溝94の溝内面とボール66との接触部の弾性変形量、換言すればねじ軸62とナット64とに加えられる軸方向負荷の大きさによって変わる。
しかしながら、本実施例においては、第1徐変溝120の深さが第1徐変部の幅方向に増大するようにされているため、接触開始点の周方向位置がいかに変わろうとも、半径方向位置は変わらず、雌ねじ溝92とボール66との接触点の半径方向位置と一致する。換言すれば、ボール66と第1徐変溝120との接触点の半径方向位置は、常に、ボール66と雌ねじ溝92との接触点の半径方向位置と同じに保たれるのであり、第1徐変部内のボール66の転動速度と螺旋路104内のボール66の転動速度とは同じであり、従来のボールねじにおいて発生することがあった前後のボール66の押しつけに起因する作動の滑らかさの低下が、軸方向負荷の大小にかかわらず良好に回避される。第1徐変溝120の長さおよび深さが、それを可能とする大きさ、すなわち徐変部におけるボール66の接触開始点が、軸方向負荷の大きさを問わず、必ず第1徐変溝120の溝内面上となるように選定されているのである。
なお、ボールねじの使用時において、ねじ軸62とナット64との相対回転方向のいかんを問わず、両者に作用する軸力の向きが常に一定であれば、雌ねじ溝94および第1徐変溝120においてボール66と強く接触する溝内面が一義的に決まるため、断面形状がゴシックアーク形状である雌ねじ溝94の両側の溝内面のうち、第1徐変溝120および第2徐変溝122を形成すべきものが一義的に決まる。したがって、特定用途のボールねじとしては、この態様も発明の一実施例たり得る。
しかし、汎用のボールねじにおいては、ねじ軸62とナット64とにいかなる向きの軸力が作用する状態で使用されるかが不明であり、むしろ状況によって軸力の作用方向が変わることが多い。本実施例の車両用ステアリングシステムにおけるボールねじは正にその例であって、ゴシックアーク形状の雌ねじ溝94の両側の溝内面にそれぞれ第1徐変溝120および第2徐変溝122を形成すべきであり、この態様が本発明の特に望ましい実施例となる。
また、前記実施例においては、第1,第2徐変溝120,122を備えた横断面積徐変部がナット本体96の雌ねじ溝94の溝内面の切削加工により形成されていたが、横断面積徐変部の少なくとも一部を駒部材98側に形成することも可能である。例えば、前記特許文献2に記載されているように、駒部材98の連結溝の少なくとも端部を、ナット本体96の雌ねじ溝と同一形状,寸法のゴシックアーク形状の横断面を有するものとしておき、その連結溝の溝内面を前記実施例におけると同様に切削加工して第1,第2徐変溝120,122を形成してもよいのである。
また、ナット本体96と駒部材98とに跨って形成されたゴシックアーク形状の横断面を有する雌ねじ溝および連結溝の両方に跨って第1,第2徐変溝120,122を形成してもよい。
さらに、第2徐変溝122は第1徐変溝120に比較すれば精度が低くても差し支えないため、予め駒部材98に形成しておき、駒部材98をナット本体96に固定した後に第1徐変溝120のみをナット本体側と駒部材側とに跨る切削加工により形成してもよく、ナット本体側のみ、あるいは駒部材側のみに形成してもよい。
以上、本発明のいくつかの実施例を詳細に説明したが、これらは文字通り例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
本発明の一実施例であるボールねじを含む車両用ステアリングシステムを示す斜視図である。 上記車両用ステアリングシステムの転舵アクチュエータ28の正面断面図である。 前記ボールねじを概念的に示す正面断面図である。 上記ボールねじのナットを概念的に示す正面断面図である。 上記ナットの駒部材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図、(d)は底面図における(d)−(d)断面図である。 上記ボールねじの作動を説明するための図である。 上記ボールねじのナットを製造する際における第1,第2徐変溝の加工方法を説明する図である。 上記ボールねじと従来のボールねじとにおけるボールの公転速度の違いを説明するための図である。 上記ボールねじにおける第1徐変溝120の利点の1つを説明するための図である。 従来のボールねじにおけるボールと徐変部の溝内面との接触点を示す図である。
符号の説明
10:操作部 12:転舵部 14:ステアリングホイール 22:転舵ロッド 28:転舵アクチュエータ 32:ステアリングECU 40:アシスト装置 42:ラック 46:電動モータ 48:ボールねじ 62:ねじ軸 64:ナット 66:ボール 68:ロータ 70:ステータ 92:雄ねじ溝 94:雌ねじ溝 96:ナット本体 98:駒部材 102:連結路 104:螺旋路 106:循環路 108:貫通孔 110:連結溝 112:段差部 114:面取り部 116:エンドミル 118:回転軌跡 120:第1徐変溝 122:第2徐変溝

Claims (5)

  1. 外周面に、横断面形状がゴシックアーク形である螺旋状の雄ねじ溝を有するねじ軸と、
    内周面に、横断面形状がゴシックアーク形である螺旋状の雌ねじ溝を有するナット本体と、
    そのナット本体に固定され、前記ねじ軸と共同して前記雌ねじ溝の2部分を互いに連結する連結路を形成する連結路形成部材とを備えたナットと、
    前記雄ねじ溝と前記雌ねじ溝とにより形成される螺旋路と、前記連結路とにより構成される循環路に収容され、前記ねじ軸と前記ナットとの相対回転につれてその循環路内を循環する複数のボールと
    を含み、かつ、前記螺旋路を形成する雌ねじ溝と、前記連結路の少なくとも端部を前記ねじ軸との共同で形成するために前記連結路形成部材に形成される連結溝との境界近傍部分の横断面積が前記雌ねじ溝に近い部分ほど小さくなる横断面積徐変部とされるとともに、その横断面積徐変部の少なくとも前記雌ねじ溝側の部分の横断面形状が、その横断面積徐変部に対する前記ボールの各々の接触点の、前記ナットの半径方向における位置である半径方向位置が、各ボールの前記雌ねじ溝に対する接触点の半径方向位置と同じになる形状とされたことを特徴とするボールねじ。
  2. 前記横断面積徐変部が、横断面形状が前記雌ねじ溝と同じ寸法のゴシックアーク形状であるに最端部と、横断面積がその最端部のそれより大きく、前記ボールを隙間を残して収容し得る連結路を前記ねじ軸との共同により形成する深溝部とを滑らかにつなぐものであり、その横断面積徐変部の少なくとも前記最端部に隣接する部分の横断面形状が、前記各ボールのその最端部に隣接する部分への接触点の半径方向位置が前記雌ねじ溝への接触点の半径方向位置と同じになる横断面形状とされた請求項1に記載のボールねじ。
  3. 前記横断面積徐変部が、前記最端部と同一形状の溝の溝内面に、最端部から前記深溝部に向かうに従って前記最端部と同一形状の溝の幅方向に徐々に深くなる徐変溝が形成された幅方向徐変部を含み、前記徐変溝の溝内面の横断面形状の曲率半径が前記各ボールの半径より大きく、かつその徐変溝の溝内面と前記各ボールとの接触点が各ボールの前記雌ねじ溝への接触点と同一の半径方向位置にある請求項2に記載のボールねじ。
  4. 前記徐変溝の溝内面が曲率半径が一定の円弧の集合であり、かつ、前記横断面積徐変部が、前記深溝部と前記最端部との間に、それら深溝部と最端部とをつなぐ、第1徐変部としての前記幅方向徐変部とは異なる第2徐変部を含み、その第2徐変部が、深さが前記最端部と同一形状の溝の幅方向の成分と深さ方向の成分とを有する方向に深くなる第2徐変溝を有する請求項3に記載のボールねじ。
  5. (a)外周面に、横断面形状がゴシックアーク形である螺旋状の雄ねじ溝を有するねじ軸と、(b)内周面に、横断面形状がゴシックアーク形である螺旋状の雌ねじ溝を有するナット本体、およびそのナット本体に固定され、前記ねじ軸と共同して前記雌ねじ溝の2部分を互いに連結する連結路を形成する連結路形成部材を備えたナットと、(c)前記雄ねじ溝と前記雌ねじ溝とにより形成される螺旋路と前記連結路とにより構成される循環路に収容され、前記ねじ軸と前記ナットとの相対回転につれてその循環路内を循環する複数のボールとを含むボールねじの前記ナットを製造する方法であって、
    前記連結路の前記螺旋路との境界近傍部分を前記雄ねじ軸と共同して形成する連結溝であって横断面積が前記雌ねじ溝の横断面積より大きくされたものを備えた前記連結路形成部材が、前記ナット本体に固定されたナット素材を準備する工程と、
    そのナット素材の前記ナット本体の前記ゴシックアーク溝の溝内面を、加工面が前記ボールの半径より大きい曲率半径の凸局面である加工工具により機械加工する工程と
    を含み、その加工工具による機械加工工程が、
    (i)前記加工工具を回転させつつ、前記凸曲面を、前記ゴシックアーク溝の、前記連結路と前記螺旋路との境界から設定距離離れた部分の、前記ボールの前記雌ねじ溝への接触点と半径方向位置が同じである点に接触させ、その後、それらナット素材と加工工具とに、加工工具が概して前記ゴシックアーク溝の延びる方向に移動しつつゴシックアーク溝の幅方向に徐々に移動する結果となる相対運動を付与して、ゴシックアーク溝の溝内面に、深さがそのゴシックアーク溝の幅方向に徐々に深くなる第1徐変溝を機械加工により形成する正第1徐変溝加工工程、または(ii)その正第1徐変溝加工工程と加工の進行方向を逆にした逆第1徐変溝加工工程を含むことを特徴とするボールねじ用ナットの製造方法。
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