JP2007146708A - 内燃機関及び内燃機関の吸気弁制御装置 - Google Patents

内燃機関及び内燃機関の吸気弁制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 1気筒あたりに3つの吸気弁を備えるとともに、さらに可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構のうち少なくともいずれか一方を有する内燃機関で、吸気流量の確保と強度の高い旋回気流の生成とを両立させて、燃費性能や出力性能を向上させることが可能な内燃機関の吸気弁制御装置を提供する。
【解決手段】 吸気弁1、2及び3を備え、さらに可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を有する内燃機関50Dでこれらの機構を制御する制御装置100Cであって、中央に位置する第2の吸気弁2のほうが両側に位置する第1及び第3の吸気弁1、3よりも、差L3分だけバルブリフト量が大きくなるように可変バルブリフト機構を制御するとともに、第2の吸気弁2のほうが第1及び第3の吸気弁1、3よりも、差T3分だけ早いタイミングで開き、且つ差T4分だけ遅いタイミングで閉じるようにバルブタイミング機構を制御する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、内燃機関及び内燃機関の吸気弁制御装置に関し、特に1気筒あたりに3つの吸気弁を備えた内燃機関、及び1気筒あたりに3つの吸気弁を備えるとともに、さらに可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構のうち少なくともいずれか一方を有する内燃機関の吸気弁制御装置に関する。
近年、吸気ポート面積を拡大して吸気充填効率を高めるという観点から、吸気弁を1気筒あたりに3つ備える内燃機関が実用化されており、また、係る内燃機関の吸気系に関し、燃費性能や出力性能を向上させる等のために種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、以下に示すエンジンのバルブタイミング制御装置(以下、単に特許文献1の制御装置と称す)が提案されている。この制御装置は、第1、第2、第3吸気弁の順に隣り合うように配列された3つの吸気弁を備える吸気3弁式のエンジンに適用され、エンジン低回転時に第2、第3吸気弁を常時閉弁し、第1吸気弁のみを小リフト量で駆動する。これにより、第1吸気弁に対応する第1吸気ポートから流入するエアで燃焼室内に強いスワールが生成され、着火性が高められる。また、この制御装置は、エンジン中回転時には、第1、第2及び第3吸気弁を小リフト量で駆動し、エンジン高回転時には、第1、第2及び第3吸気弁を大リフト量で駆動する。これによって、中回転時には、スワールと吸気充填効率の向上とが両立し、着火性の向上が図られるとともに充分なエンジン出力が確保され、高回転時には、吸気充填効率が高められてエンジンが高出力化される。
また、特許文献2では、以下に示すエンジンの吸気装置(以下、単に特許文献2の吸気装置と称す)が提案されている。この吸気装置は、1気筒当り少なくとも2弁以上の吸気弁を備えるとともに、吸気弁が配設された各吸気ポートに分岐する前の上流側の連通路に、この各吸気ポートを共通に閉じることが可能な吸気制御弁を備える多気筒エンジンに適用される。特許文献2の吸気装置は、吸気制御弁をエンジン低回転時に閉弁制御する一方で、この吸気制御弁に対応する吸気弁をエンジン高回転時に早開き且つ遅閉じに制御する。特許文献2の吸気装置によれば、吸気制御弁でスワールを生成するだけでなく、さらに、高回転時に上述の吸気弁制御により吸気弁と排気弁とが同時に開弁しているバルブオーバーラップ期間を長くすることができ、その結果、燃焼室内の既燃ガスの掃気を促進して、吸気充填効率を高めることが可能である。このようにして特許文献2の吸気装置では、低回転、低負荷時の燃焼性能及び燃費性能の向上と高回転時の出力アップの両立を比較的簡単な構造で容易に実現している。
また、特許文献3では、以下に示す吸気3弁エンジンを提案している。この吸気3弁エンジンは、3つの吸気ポートのうち主として両端の吸気ポートから燃焼室への燃料供給を行い、中央の吸気ポートからは希薄混合気または空気を供給するようにしたものである。さらにこのエンジンでは、上述の吸気ポートそれぞれに設けられた各吸気弁のうち、両端の吸気弁よりも中央の吸気弁のほうが、開タイミングが早くなるように設定されている。この吸気3弁エンジンによれば、中央の吸気弁近傍の燃焼室内に未燃ガスが溜まりエンドガスゾーンとなることを上述の燃料供給方法や各吸気弁の開タイミングの設定により抑制可能であり、これにより排気エミッションの増大を抑制可能にしている。
特開平7−102920号公報 特開平3−156123号公報 特開平3−15623号公報
ここで、上述の各特許文献が提案する技術は1気筒あたりに3つ(特許文献2においては少なくとも2つ以上)の吸気弁を備える内燃機関を対象として、吸気弁のバルブリフト量或いはバルブタイミングを変更する点で共通している。しかしながら、バルブリフト量或いはバルブタイミングの変更態様については、異なる変更態様が異なる効果或いは異なる度合いの効果を奏することから、係る態様は上述の各特許文献が開示する態様に限られるものではなく、解決しようとする課題や求める効果の度合いに応じて種々の変更態様の実現が考えられる。
ここで、特許文献1または2が提案する技術は、いずれもエンジン低回転時に第1吸気弁または吸気制御弁を閉じ側に駆動することで、より強度の高い旋回気流(ここではスワール流)を生成して内燃機関の燃費性能向上を図ろうとするものである。しかしながら、特許文献1または2が提案する技術では上述のように弁を閉じ側に駆動することで吸気流量が制限されるため、エンジン回転数或いは負荷の上昇に伴い早期に吸気流量が不足し、大幅に燃費性能の向上を図ることが可能な希薄燃焼状態をより高いエンジン回転数或いは負荷まで維持できない虞がある。
また、近年、内燃機関では、バルブリフト量或いはバルブタイミングのうちいずれか一方のみならず、これら双方を可変にする機構が実用化されている。しかしながら、上述の各特許文献では係る機構と吸気3弁構造とを備える内燃機関に関しては特に言及されておらず、また係る内燃機関の特徴に着目して、燃費性能や出力性能をより好適に向上させる技術についても特に開示されていない。
そこで本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、1気筒あたりに3つ備えた吸気弁で、吸気流量の確保と強度の高い旋回気流の生成とを両立することで燃費性能や出力性能を好適に向上させることが可能な内燃機関、及び1気筒あたりに3つの吸気弁を備えるとともに、さらに可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を有する内燃機関で、吸気流量の確保と強度の高い旋回気流の生成とを両立することで燃費性能や出力性能を好適に向上させることが可能な内燃機関の吸気弁制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、1気筒あたりに3つの吸気弁を備えた内燃機関であって、前記3つの吸気弁のうち中央に位置する第2の吸気弁のほうが、両側に位置する第1及び第3の吸気弁よりも、バルブリフト量が大きいことを特徴とする。本発明では、燃焼室中央部に向かおうとする吸気流が燃焼室内で強度の高い旋回気流に生成されることと、内燃機関の吸気3弁構造という特徴とに着目し、強度の高い旋回気流を生成する場合でもより多くの吸気流量を確保することを目的としてバルブリフト量を上述のようにしている。
本発明によれば、弁を閉じ側に駆動することで強度の高い旋回気流を生成しようとする技術とは異なり、吸気流量を減少させることなく、すなわち吸気流量を確保しながらも燃焼室中央部への指向性が高い吸気流を生成することが可能である。そして、この吸気流は特にバルブリフト小中領域で吸気弁の傘形状に沿ってスムースに燃焼室内に流入するため、これにより、燃焼室内に強度が高い旋回気流を生成することが可能である。また、本発明によれば、このようにして吸気流量の確保と強度の高い旋回気流の生成とを両立させることにより、希薄燃焼状態の安定化や希薄燃焼領域の拡大、また混合気のミキシング性や火炎の伝播性の向上を図ることが可能であり、これにより内燃機関の燃費性能や出力性能を向上させることが可能である。
また、本発明は、1気筒あたりに3つの吸気弁を備えるとともに、該3つの吸気弁のうち少なくとも1つの吸気弁のバルブリフト量を可変にする可変バルブリフト機構を有する内燃機関で、該可変バルブリフト機構を制御する内燃機関の吸気弁制御装置であって、前記3つの吸気弁のうち中央に位置する第2の吸気弁のほうが、両側に位置する第1及び第3の吸気弁よりも、バルブリフト量が大きくなるように前記可変バルブリフト機構を制御することを特徴とする。本発明によれば、上述の発明と同様に吸気流量の確保と強度が高い旋回気流の生成とを両立させることが可能であるのみならず、さらにすべての吸気弁或いは個々の吸気弁のバルブリフト量を必要に応じて異なる量に変更することが可能である。これによって、例えば上述のようにして旋回気流を生成しつつも必要に応じて吸気流量をさらに増大させて内燃機関の吸気充填効率の向上を図ることが可能になり、その結果、より好適に内燃機関の燃費性能や出力性能を向上させることが可能である。なお、バルブリフト量を可変にする機構については公知のものであってよい。
また、本発明は、1気筒あたりに3つの吸気弁を備えるとともに、該3つの吸気弁のうち少なくとも1つの吸気弁のバルブタイミングを可変にする可変バルブタイミング機構を有する内燃機関で、該可変バルブタイミング機構を制御する内燃機関の吸気弁制御装置であって、前記3つの吸気弁のうち中央に位置する第2の吸気弁のほうが、両側に位置する第1及び第3の吸気弁よりも、早いタイミングで開き、且つ遅いタイミングで閉じるように前記バルブタイミング機構を制御することを特徴とする。本発明によれば、バルブタイミングの変更によって、上述の発明と同様に吸気流量の確保と強度が高い旋回気流の生成とを両立させることが可能である。さらに、本発明によれば、すべての吸気弁或いは個々の吸気弁のバルブリフトタイミングを必要に応じて異なるタイミングに変更することが可能である。これによって、旋回気流を生成しつつも燃焼室内に吸気を導くタイミングを必要に応じて変更することが可能であり、その結果、より好適に内燃機関の燃費性能や出力性能を向上させることが可能である。なお、バルブリフトタイミングを可変にする機構は公知のものでよい。
また、本発明は、前記内燃機関が前記3つの吸気弁のうち少なくとも1つの吸気弁のバルブリフト量を可変にする可変バルブリフト機構をさらに有し、前記第2の吸気弁のほうが、前記第1及び第3の吸気弁よりも、バルブリフト量が大きくなるように前記可変バルブリフト機構をさらに制御してもよい。本発明によれば、バルブタイミングとバルブリフト量とをともに上述のように変更することで、吸気流量の確保と強度の高い旋回気流の生成とをさらに好適に両立させることが可能である。また、本発明によれば、このようにして旋回気流を生成しつつも燃焼室内に導く吸気の流量と吸気を導くタイミングとを必要に応じてともに変更することが可能であり、その結果、さらに好適に内燃機関の燃費性能や出力性能を向上させることが可能である。
また、本発明は、前記第1の吸気弁のほうが、前記第3の吸気弁よりも、バルブリフト量が大きくなるように前記可変バルブリフト機構をさらに制御してもよい。本発明によれば、燃焼室内に意図的に適度な大きさのスワール成分を有する旋回気流を生成して旋回気流の安定化を図ることが可能であり、その結果、希薄燃焼状態がより安定するとともに希薄燃焼領域が拡大されるため、さらに内燃機関の燃費性能を向上させることが可能である。
また、本発明は、前記第1の吸気弁のほうが、前記第3の吸気弁よりも、早いタイミングで開き、且つ遅いタイミングで閉じるように前記可変バルブタイミング機構をさらに制御してもよい。本発明のように、バルブタイミングの変更によっても、燃焼室内に意図的に適度な大きさのスワール成分を有する旋回気流を生成することが可能であり、バルブリフト量の変更と組み合わせて係る旋回気流を生成することで、より好適に安定した旋回気流を生成することも可能である。
また、本発明は、内燃機関の運転状態に基づき前記可変バルブリフト機構、または前記バルブタイミング機構のうち、少なくともいずれか一方を制御してもよい。より具体的には例えば内燃機関の負荷及び回転数に基づいて上述してきたように可変バルブリフト機構、または可変バルブタイミング機構を制御することで、内燃機関の運転状態により適した流量及びタイミングで燃焼室内に吸気を導くことが可能になり、その結果、より好適に燃費性能や出力性能を向上させることが可能である。
本発明によれば、1気筒あたりに3つ備えた吸気弁で、吸気流量の確保と強度の高い旋回気流の生成とを両立させることで燃費性能や出力性能を好適に向上させることが可能な内燃機関、及び1気筒あたりに3つの吸気弁を備えるとともに、さらに可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構のうち少なくともいずれか一方を有する内燃機関で、吸気流量の確保と強度の高い旋回気流の生成とを両立させることで燃費性能や出力性能を好適に向上させることが可能な内燃機関の吸気弁制御装置を提供可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関50Aの要部を示す図である。図1(a)は内燃機関50Aの鉛直断面視であり、図1(b)は、燃焼室53とともに、第1の吸気弁1、第2の吸気弁2及び第3の吸気弁3を、内燃機関50Aの水平断面視で示す図である。本実施例に係る内燃機関50Aは直噴ガソリン機関である。但し、内燃機関50Aは例えば所謂リーンバーンエンジンであってもよい。また、内燃機関50Aは、混合気を燃焼させるにあたって旋回気流の強度向上に基づく混合気のミキシング性や火炎の伝播性向上により出力向上等の効果が得られる内燃機関であれば、その他のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等であってもよい。また、内燃機関50Aは直列4気筒の内燃機関であるが、これに限られず、適宜の気筒配列及び気筒数であってよい。
図1(a)または(b)に示すように、内燃機関50Aは、シリンダブロック51、シリンダヘッド52等を有して構成されている。シリンダブロック51には、略円筒状のシリンダ51aが形成されており、このシリンダ51aの内周面には図示しないピストンが収容されている。ピストンがシリンダ51a内で往復運動すると、コネクティングロッド(図示省略)を介してクランクシャフト(図示省略)に動力が伝達され、さらにクランクシャフトによって往復運動が回転運動に変換される。
シリンダブロック51の上面にはシリンダヘッド52が固定されており、燃焼室53は、シリンダブロック51、シリンダヘッド52及びピストンによって囲われた空間として形成されている。シリンダヘッド52には、吸気を燃焼室53に導くための構成である第1、第2及び第3の吸気ポート61、62及び63が形成されている。図1(b)に示すように、これら吸気ポート61、62及び63の燃焼室53側の開口部は第1の吸気ポート61、第2の吸気ポート62、第3の吸気ポート63の順に燃焼室53の周縁に沿って隣り合うようにして形成されている。なお、これら吸気ポート61、62及び63は、上流側で1つの流路が途中で分岐して燃焼室53に連通するサイアミーズポートの分岐後の流路を形成するものであってもよく、また、シリンダヘッド52内で互いに独立した流路を有する独立ポートであってもよい。
さらに、シリンダヘッド52には、第1の吸気ポート61に対応させて第1の吸気弁1が、同様に第2、第3の吸気ポート62、63に対応させて第2、第3の吸気弁2、3がそれぞれ配設されている。これら吸気弁1、2及び3は、吸気ポート61、62及び63の流路をそれぞれ開閉するための構成である。これら吸気ポート61、62及び63のほか、シリンダヘッド52には燃焼したガスを燃焼室53から排気するための排気ポート54が形成され、さらにこの排気ポート54の流路を開閉するための排気弁55が配設されている。
また、シリンダヘッド52にはロッカーアーム、カム、カムシャフト等を有して構成される動弁機構(図示省略)が配設されている。なお、この動弁機構は公知のものでよい。吸気弁61、62及び63はステム部上端部でロッカーアームと当接し、さらにロッカーアームはカムと当接している。カムは、ロッカーアームを介して吸気弁を偏心部で押し下げるための構成であり、クランクシャフトと同期して回転するカムシャフトに配設されている。バルブリフト量は偏心部の偏心量の大きさにより設定され、内燃機関50Aでは、第2の吸気弁2に対応するカムの偏心部のほうが、第1、第3の吸気弁1、3に対応するカムの偏心部よりも偏心量が大きくなるように形成することで、第2の吸気弁2のバルブリフト量が他よりも大きくなるようにしている。
上述の構成で、次に、燃焼室53内にタンブル流(旋回気流)が生成される過程について、図1を用いて詳述する。図1(a)に示すように、吸気行程で吸気弁54が開くと、燃焼室53に発生した負圧で吸気ポート61、62及び63内に吸気流が発生する。この際、第2の吸気弁2のほうが第1、第3の吸気弁1、3よりも大きくリフトする。図2は、吸気弁1、2及び3それぞれのバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。図2に示すように、バルブリフト量は、第2の吸気弁2のほうが第1及び第3の吸気弁1、3よりも差L1で示す量だけ大きいことがわかる。内燃機関50Aでは、この差L1により、吸気流量を確保しつつ燃焼室53中央部に積極的に向かおうとする吸気流を生成している。
図3は、燃焼室53内に生成されるタンブル流のタンブル強度とバルブリフト量との関係を、内燃機関50Aと吸気弁1、2及び3のバルブリフト量を同一にした内燃機関50Xとについてそれぞれ示す図である。なお、内燃機関50Xは、吸気弁1及び3に対応するカムと同一のカムを吸気弁2に対応させて備えている以外、内燃機関50Aと同一の構成である。図3に示すように、内燃機関50Xと比較して内燃機関50Aでは、特にバルブリフト量小中領域でタンブル強度が向上していることがわかる。これは、燃焼室53中央部に積極的に向かおうとする吸気流が、バルブリフト量小中領域では吸気弁1、2及び3の傘形状に沿った流れとなり、スムースに燃焼室53内に流入することを示している。なお、図1(b)に示す矢印はこのときの吸気流量の大きさ及び流れの強さをその長さで模式的に示したものである。
これにより、吸気流量の確保と強度の高いタンブル流の生成とを両立させて、希薄燃焼状態の安定化や希薄燃焼領域の拡大、また混合気のミキシング性や火炎の伝播性の向上を図ることが可能になり、その結果、内燃機関50Aの燃費性能や出力性能を向上させることが可能である。なお、内燃機関50Aでは第2の吸気弁2に対応するカムの偏心部のほうが、他のカムの偏心部よりも偏心量が大きくなるように形成することで第1及び第3の吸気弁1、3よりも第2の吸気弁2のほうが、バルブリフト量が大きくなるようにしているが、これに限られず、適宜の手段によって第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりもバルブリフト量が大きくなるようにしてよい。以上により、1気筒あたりに3つ備えた吸気弁1、2及び3で、吸気流量の確保と強度の高いタンブル流の生成とを両立させて、燃費性能や出力性能を向上させることが可能な内燃機関50Aを実現可能である。
本実施例に示す内燃機関50Bは、動弁機構に可変バルブリフト機構(図示省略)を備える以外、実施例1に係る内燃機関50Aと同一の構成である。また、内燃機関50Bには本実施例に係る内燃機関の吸気弁制御装置(以下、単に制御装置と称す)100Aが適用されている。本実施例では、主として内燃機関50Bを制御するための構成であるECU(electronic control unit:電子制御装置)で制御装置100Aを実現している。なお、制御装置100Aの構成は、以下に示すバルブリフト制御プログラムを除き一般的なECUの構成で実現可能であるためここでは図示省略する。また、本実施例以外の他の実施例で示す制御装置100B、100C、100D及び100Eの構成についても、後述するバルブタイミング制御プログラム等を有する以外、一般的なECUの構成で実現可能であるため図示省略する。
制御装置100Aは、より具体的にはCPU(central processing unit:中央演算処理装置)とROM(read only memory)とを有して構成されている。CPUはROMに格納された制御プログラムに基づき、主として内燃機関50Bを制御するための種々の処理を実行する。また、ROMは可変バルブリフト機構を制御するためのバルブリフト制御プログラムを格納しており、CPUはこのプログラムに基づき可変バルブリフト機構を制御するための種々の処理を実行する。上述のようにして制御装置100Aは可変バルブリフト機構を制御する。
可変バルブリフト機構はバルブリフト量を変更するための構成である。例えば可変バルブリフト機構には1つの吸気弁に対して高速用カムと低速用カムとを備え、さらにアクチュエータによって切替自在な動力伝達機構を備えて一方のカムからの力のみを吸気弁に伝えるようにするものなどがある。なお、可変バルブリフト機構は上述の機構と同様な機能を有する動力伝達機構を備えてアクチュエータによって複数段階に、または連続的にバルブリフト量を変更することが可能なものであってもよく、その他の機構で複数段階に、または連続的にバルブリフト量を変更することが可能なものであってもよく、これらの可変バルブリフト機構は公知のものであってよい。また、バルブリフト量を変更するために用いられるアクチュエータも油圧や電気等、適宜の動力源を利用するものであってよい。
上述の構成で、次に本実施例に係る制御装置100Aが実行する制御について詳述する。制御装置100Aは、第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりもバルブリフト量が大きくなるように可変バルブリフト機構を制御する。すなわち、ROMが格納するバルブリフト制御プログラムに基づき上述のように可変バルブリフト機構を制御するための処理をCPUが実行する。より具体的には、上述の処理は例えば可変バルブリフト機構のアクチュエータが油圧を動力源としている場合、アクチュエータの油圧系統に介在する所定の電磁弁に制御信号を出力するための処理などである。
図4は、制御装置100Aが可変バルブリフト機構を制御する前後それぞれについて、吸気弁1、2及び3それぞれのバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。図4(a)に示すように、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量が同一である状態から、制御装置100Aが可変バルブリフト機構を上述のように制御することによって、図4(b)に示すように、第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりもバルブリフト量が差L2で示す分だけ大きくなることがわかる。これによって、吸気流量を確保するとともに、実施例1で前述したように特にバルブリフト量小中領域で燃焼室53内に強度の高いタンブル流を生成することが可能になり、その結果、内燃機関50Bの燃費性能や出力性能を向上させることが可能になる。以上により、1気筒当たりに3つ備えた吸気弁1、2及び3で、吸気流量の確保と強度の高いタンブル流の生成とを両立させることで、内燃機関50Bの燃費性能や出力性能を向上させることが可能な制御装置100Aを実現可能である。
本実施例に示す内燃機関50Cは、動弁機構に可変バルブタイミング機構(図示省略)を備える以外、実施例1に係る内燃機関50Aと同一の構成である。また、本実施例に係る制御装置100Bは、ROMがバルブリフト制御プログラムの代わりに可変バルブタイミング機構を制御するためのバルブタイミング制御プログラムを格納する以外、実施例2に係る制御装置100Aと同一である。可変バルブタイミング機構は、バルブタイミングを変更するための構成である。可変バルブタイミング機構には、例えば1つの吸気弁に対して位相が異なるカムを並べて配設したカムシャフトと、このカムシャフトを軸方向に駆動して一方のカムからの力のみを吸気弁に伝えるように切り替えるアクチュエータとを備えたものなどがある。なお、可変バルブタイミング機構は例えば上述の機構と同様にカムシャフトを軸方向に駆動する機能を備えた機構でバルブタイミングを数段階、或いは連続的に変更することが可能なものであっても、その他の機構でバルブタイミングを数段階、或いは連続的に変更可能なものであってもよく、これらの可変バルブタイミング機構は公知のものであってよい。また、可変バルブタイミング機構に用いられるアクチュエータも油圧や電気等、適宜の動力源を利用するものであってよい。
上述の構成で、次に本実施例に係る制御装置100Bが実行する制御について詳述する。制御装置100Bは、第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりも早いタイミングで開き、且つ遅いタイミングで閉じるように可変バルブタイミング機構を制御する。すなわち、ROMが格納するバルブタイミング制御プログラムに基づき、上述のように可変バルブタイミング機構を制御するための処理をCPUが実行する。より具体的には、例えば可変バルブタイミング機構のアクチュエータが油圧を動力源としている場合、アクチュエータの油圧系統に介在する所定の電磁弁に制御信号を出力するための処理などが、上述の処理に該当する。
図5は、制御装置100Bが可変バルブタイミング機構を制御する前後それぞれについて、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。図5(a)に示すように、吸気弁1、2及び3のバルブタイミングが同一である状態から、制御装置100Bが可変バルブタイミング機構を上述のように制御することによって、図5(b)に示すように、第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりも差T1で示す分だけ開くタイミングが早くなり、且つ差T2で示す分だけ閉じるタイミングが遅くなることがわかる。
これによって、差T1及びT2で示すタイミング差の分だけ、より多く吸気流量を確保するとともに燃焼室53中央部に積極的に向かおうとする吸気流が生成されることにより、特にバルブリフト量小中領域で燃焼室53内に強度の高いタンブル流を生成することが可能になり、その結果、内燃機関50Cの燃費性能や出力性能を向上させることが可能になる。なお、差T1とT2とは同一であってもよく、また必要に応じて第2の吸気弁2のほうが第1及び第3の吸気弁1、3よりも、開くタイミングのみバルブタイミングを早くしたり、逆に閉じるタイミングのみバルブタイミングを遅くしたりすることも可能である。以上により、1気筒あたりに3つ備えた吸気弁1、2及び3で、吸気流量の確保と強度の高いタンブル流の生成とを両立させることで、内燃機関50Cの燃費性能や出力性能を向上させることが可能な制御装置100Bを実現可能である。
本実施例に示す内燃機関50Dは、動弁機構に可変バルブリフト機構と可変バルブタイミング機構とをともに備える以外、実施例1に係る内燃機関50Aと同一の構成である。また、本実施例に係る制御装置100Cは、ROMがバルブリフト制御プログラムとともにバルブタイミング制御プログラムを格納する以外、実施例2に係る制御装置100Aと同一である。また、内燃機関50Dが備える可変バルブタイミング機構及び可変バルブタイミング機構については、実施例2及び3と同様、公知のものでよい。
上述の構成で、次に本実施例に係る制御装置100Cが実行する制御について詳述する。制御装置100Cは、第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりも早いタイミングで開き、且つ遅いタイミングで閉じるように可変バルブタイミング機構を制御する。さらに制御装置100Cは、第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりもバルブリフト量が大きくなるように可変バルブリフト機構を制御する。すなわち、ROMが格納するバルブリフト及びバルブタイミング制御プログラムに基づき、上述のように可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御するための処理をCPUが実行する。
図6は、制御装置100Cが可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御する前後それぞれについて、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。図6(a)に示すように、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量及びバルブタイミングが同一である状態から、制御装置100Cが可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を上述のように制御することによって、図6(b)に示すように、第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりもバルブリフト量が差L3で示す分だけ大きくなり、また、差T3で示す分だけ開くタイミングが早くなり、且つ差T4で示す分だけ閉じるタイミングが遅くなることがわかる。
これによって、さらに多くの吸気流量を確保するとともに、特にバルブリフト量小中領域で燃焼室53内にさらに強度の高いタンブル流を生成することが可能である。なお、差T3とT4とは同一であってもよく、また必要に応じて第2の吸気弁2のほうが第1及び第3の吸気弁1、3よりも、開くタイミングのみバルブタイミングを早くしたり、逆に閉じるタイミングのみバルブタイミングを遅くしたりすることも可能である。以上により、1気筒あたりに3つ備えた吸気弁1、2及び3で、さらに多くの吸気流量の確保とさらに強度の高いタンブル流の生成とを両立させることで、内燃機関50Dの燃費性能や出力性能を向上させることが可能な制御装置100Cを実現可能である。
本実施例に係る制御装置100Dは、バルブリフト制御プログラムがさらに第1及び第3の吸気弁1、3のバルブリフト量を後述するように変更するために可変バルブリフト機構を制御するためのプログラムを含み、またバルブタイミング制御プログラムがさらに第1及び第3の吸気弁1、3のバルブタイミングを後述するように変更するために可変バルブタイミング機構を制御するためのプログラムを含む以外、実施例4に係る制御装置100Cと同一である。また、本実施例に係る制御装置100Dは、実施例4で示した内燃機関50Dに適用されている。
上述の構成で、次に本実施例に係る制御装置100Dが実行する制御について詳述する。制御装置100Dは、第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりもバルブリフト量が大きくなるように可変バルブリフト機構を制御する。さらに、制御装置100Dは、第1の吸気弁1のほうが、第3の吸気弁3よりもバルブリフト量が大きくなるように可変バルブリフト機構を制御する。すなわち、ROMが格納するバルブリフト制御プログラムに基づき、上述のように可変バルブリフト機構を制御するための処理をCPUが実行する。
図7は、制御装置100Dが可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御する前後それぞれについて、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。図7(a)に示すように、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量及びバルブタイミングが同一である状態から、制御装置100Dが可変バルブリフト機構を上述のように制御することによって、図7(b)に示すように、第2の吸気弁2のほうが第1の吸気弁1よりもバルブリフト量が差L4で示す分だけ大きくなり、さらに、第1の吸気弁1のほうが第3の吸気弁3よりもバルブリフト量が差L5で示す分だけ大きくなることがわかる。これによって、吸気流量を確保し、特にバルブリフト量小中領域で燃焼室53内に強度の高いタンブル流を生成するとともに、さらにこのタンブル流に適度な大きさのスワール成分を与えて、タンブル流の安定化を図ることが可能である。
また、上述のように可変バルブリフト機構を制御する場合に、制御装置100Dでは、第2の吸気弁2のほうが第1及び第3の吸気弁1、3よりも開くタイミングが早く、且つ閉じるタイミングが遅くなるように可変バルブタイミング機構を制御することが可能である。さらに、制御装置100Dでは、第1の吸気弁1のほうが第3の吸気弁3よりも開くタイミングが早く、且つ閉じるタイミングが遅くなるように可変バルブタイミング機構を制御することが可能である。すなわち、ROMが格納するバルブタイミング制御プログラムに基づき、上述のように可変バルブタイミング機構を制御するための処理を、CPUはさらに実行することが可能である。
この場合には、図7(b)に示す状態に加えて、さらに図7(c)に示すように、第2の吸気弁2のほうが、第1の吸気弁1よりも開くタイミングが差T5で示す分だけ早くなり、さらに第1の吸気弁1のほうが第3の吸気弁3よりも開くタイミングが差T6で示す分だけ早くなることがわかる。また、第1の吸気弁1のほうが、第3の吸気弁3よりも閉じるタイミングが差T7で示す分だけ遅くなり、さらに第2の吸気弁2のほうが、第1の吸気弁1よりも閉じるタイミングが差T8で示す分だけ遅くなることがわかる。これによって、図7(b)に示す状態と比較して、タンブル流により大きく且つ適度なスワール成分を与えて、タンブル流の更なる安定化を図ることが可能である。このように安定性が向上したタンブル流によれば、希薄燃焼状態の安定化とともに希薄燃焼領域の拡大を図ることが可能であり、このタンブル流を利用することで、内燃機関50Dの出力性能や特に燃費性能の向上を図ることが可能である。
なお、差L4と差L5とは同一であってもよく、また差T5から差T8までは互いに同一であってもよく、さらに必要に応じて差T5からT8のいずれかが生じないように可変バルブタイミング機構を制御することも可能である。以上により、1気筒あたりに3つ備えた吸気弁1、2及び3で、吸気流量の確保と強度の高いタンブル流の生成とを両立させ、さらにはタンブル流の安定化を図ることによって、内燃機関50Dの出力性能や特に燃費性能を向上させることが可能な制御装置100Dを実現可能である。
本実施例では、実施例4で示した内燃機関50Dの運転状態に基づいて、制御装置100Eで可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御する一例を詳述する。なお、制御装置100Eは、内燃機関50Dの運転状態に基づいて可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御できるようにするためのプログラム(以下、単に組合せプログラムと称す)を、バルブリフト制御プログラムまたはバルブタイミング制御プログラムに組み合わせてROMに格納している以外、実施例4に係る制御装置100Cと同一である。
図8は、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量及びバルブタイミングを、内燃機関50Dの回転数と負荷との関係で示すマップデータを模式的に示す図である。図8に示すように、このマップデータでは低回転数及び低負荷(以下、単に低運転状態と称す)の場合、中回転数で小中負荷、または小中回転数で中負荷(以下、単に中運転状態と称す)の場合、及び高回転数または高負荷(以下、単に高運転状態と称す)の場合の3つの領域に分けて、吸気弁1、2及び3に対してそれぞれ異なるバルブリフト量及びバルブタイミングを設定している。図9は、図8に示すマップデータの3つの領域に対応する吸気弁1、2及び3のバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。図9(a)では、低運転状態の場合のバルブリフト量を示しており、図9(b)では、中運転状態の場合のバルブリフト量を示しており、図9(c)では、高運転状態の場合のバルブリフト量をそれぞれ示している。なお、このマップデータはROMに格納されている。
図9(a)に示すように低運転状態の場合には、制御装置100Eはマップデータに基づき、第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりも、バルブリフト量が差L6で示す分だけ大きくなるように、可変バルブリフト機構を制御する。また、制御装置100Eはマップデータに基づき、第2の吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりも、開くタイミングが差T9で示す分だけ早くなり、且つ閉じるタイミングが差T10で示す分だけ遅くなるように可変バルブタイミング機構を制御する。すなわち、ROMが格納する組合せプログラムに基づき、内燃機関50Dの運転状態を判定する処理と、運転状態が低運転状態であると判定した場合に、ROMが格納するバルブリフト制御プログラム及びバルブタイミング制御プログラムに基づき、上述のように可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御するための処理をCPUが実行する。
また、このとき制御装置100Eは、第2の吸気弁2のバルブリフト量は「最大」になるように、また、第1及び第3の吸気弁1、3のバルブリフト量は「小」になるように可変バルブリフト機構を制御している。これにより第1及び第3の吸気弁1、3のバルブリフト量が「小」である分だけ、すなわち、第1及び第3の吸気弁1、3に対応する第1及び第3の吸気ポート61、63を少量しか開かない分、第2の吸気弁2に対応する第2の吸気ポート62を流れる吸気の流速を増大させることが可能である。
ここで、内燃機関50Dの運転状態が低運転状態の場合には大きな出力が必要とされないため、吸気流量も大きくは必要とされない。一方、低運転状態の場合には、希薄燃焼を行い燃費性能を向上させるためには燃焼室53内により強度の高いタンブル流を生成する必要がある。これに対して、制御装置100Eはマップデータに基づき、燃焼室53中央部への指向性が高い吸気流を生成すべく上述のように可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御するので、燃焼室53内により強度の高いタンブル流を生成することが可能である。また、差L6を生じさせて吸気流量の減少を伴わずにより強度の高いタンブル流を生成していることから、すなわち吸気流量の確保とより強度の高いタンブル流の生成との両立を実現していることから、低運転状態で容易に希薄燃焼を維持して、燃費性能の向上を図ることが可能である。
次に、内燃機関50Dの運転状態が中運転状態の場合について詳述する。この場合、図9(b)に示すように、制御装置100Eはマップデータに基づき、第2吸気弁2のほうが、第1及び第3の吸気弁1、3よりも、バルブリフト量が差L7で示す分だけ大きくなるように可変バルブリフト機構を制御する。また、このとき制御装置100Eはバルブタイミングについては、マップデータに基づき低運転状態の場合と同様に可変バルブタイミング機構を制御する。すなわち、ROMが格納する組合せプログラムに基づき、内燃機関50Dの運転状態を判定する処理と、運転状態が中運転状態であると判定した場合に、ROMが格納するバルブリフト制御プログラム及びバルブタイミング制御プログラムに基づき、上述のように可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御するための処理をCPUが実行する。また、このとき制御装置100Eは、第2の吸気弁2のバルブリフト量は「最大」になるように、第1及び第3のバルブリフト量は「中」になるように可変バルブリフト機構を制御している。
ここで、内燃機関50Dの運転状態が中運転状態の場合には、希薄燃焼で燃費性能を向上させるために強度の高いタンブル流の生成を維持しつつも、出力性能を向上させるために中運転状態に見合った流量に吸気流量を増大させる必要がある。これに対して、制御装置100Eはマップデータに基づき上述のように可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御するので、強度の高いタンブル流の生成を維持するとともに、内燃機関50Dの吸気充填効率を向上させることが可能である。さらに、制御装置100Eでは、差L6よりは小さいものの、差L7を生じさせて吸気流量の減少を伴わずに強度の高いタンブル流の生成を維持していることから、この中運転状態で希薄燃焼領域が拡大され、より一層燃費性能を向上させることが可能である。また、中運転状態で燃焼態様を希薄燃焼から均質燃焼に切り替えた場合でも、吸気流量の確保と強度の高いタンブル流の生成との両立により、混合気のミキシング性や火炎の伝播性が向上するため、内燃機関50Dの出力性能をより向上させることが可能である。
次に、内燃機関50Dの運転状態が高運転状態である場合について詳述する。この場合、図9(c)に示すように、制御装置100Eはマップデータに基づき、吸気弁1、2及び3すべてのバルブリフト量が「最大」になるように可変バルブリフト機構を制御する。また、このとき制御装置100Eは吸気弁1、2及び3すべてのバルブタイミングが同一になるように可変バルブタイミング機構を制御する。すなわち、ROMが格納する組合せプログラムに基づき、内燃機関50Dの運転状態を判定する処理と、運転状態が高運転状態であると判定した場合に、ROMが格納するバルブリフト制御プログラム及びバルブタイミング制御プログラムに基づき、上述のように可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御するための処理をCPUが実行する。ここで、内燃機関50Dの運転状態が高運転状態である場合には、内燃機関50Dは出力性能を発揮するために大流量の吸気流量を必要とする。
これに対して、制御装置100Eはマップデータに基づき上述のように可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御するので、これにより内燃機関50Dの吸気充填効率を向上させることが可能である。なお、上述の例では、バルブリフト量を「小」、「中」、「最大」の三段階にしているが、さらに複数段階或いは連続的にバルブリフト量を変更してもよい。また、バルブタイミングについても同様に、さらに複数段階或いは連続的にバルブタイミングを変更してもよい。この場合、さらに内燃機関50Dの運転状態に適した流量及びタイミングで吸気を燃焼室53内に導入することが可能になり、これによってさらに燃費性能や出力性能を向上させることが可能である。また、本実施例ではマップデータで各運転状態のバルブリフト量及びバルブタイミングを設定しているが、これに限られず、例えば内燃機関50Dの回転数及び負荷のしきい値を設定して、しきい値で区分される領域にバルブリフト量及びバルブタイミングを設定することも可能である。以上により、1気筒あたりに3つ備えた吸気弁1、2及び3で、吸気流量の確保と強度が高いタンブル流の生成とを両立させて、さらに内燃機関50Dの運転状態に基づいて燃費性能や出力性能を向上させることが可能な制御装置100Eを実現可能である。
なお、上述の各実施例では、各制御装置100Aから100Eまでは吸気3弁構造を採用する内燃機関50Aから50Dまでを対象としているが、これに限られず3弁よりも多い多弁吸気構造を採用する内燃機関を対象とすることも可能である。この場合には、中央寄りに配列された吸気弁ほどバルブリフト量が大きく、或いは開くタイミングが早く、且つ閉じるタイミングが遅くなるように可変バルブタイミング機構、または可変バルブリフト機構を制御するためのプログラムを各制御装置100Aから100Eまでに適用すればよい。また、上述の実施例2から6までの各実施例では、各制御装置100Aから100Eまでは、効果を段階的に示すために必要なバルブリフト制御プログラム、バルブタイミング制御プログラムまたは組合わせプログラムのみをROMに格納しているが、これに限られず、他のプログラムを含んでいたり、他のプログラムと組み合わされている状態でこれらのプログラムをROMに格納していてもよい。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
実施例1に係る内燃機関50Aの要部を示す図である。 吸気弁1、2及び3のバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。 燃焼室53内に生成されるタンブル流のタンブル強度とバルブリフト量との関係を、内燃機関50Aと吸気弁1、2及び3のバルブリフト量を同一にした内燃機関50Xとについてそれぞれ示す図である。 制御装置100Aが可変バルブリフト機構を制御する前後それぞれについて、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。 制御装置100Bが可変バルブタイミング機構を制御する前後それぞれについて、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。 制御装置100Cが可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御する前後それぞれについて、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。 制御装置100Dが可変バルブリフト機構及び可変バルブタイミング機構を制御する前後それぞれについて、吸気弁1、2及び3のバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。 吸気弁1、2及び3のバルブリフト量及びバルブタイミングを、内燃機関50Dの回転数と負荷との関係で示すマップデータを模式的に示す図である。 図8に示すマップデータの3つの領域に対応する吸気弁1、2及び3のバルブリフト量をクランク角度との関係で示す図である。
符号の説明
1 第1の吸気弁
2 第2の吸気弁
3 第3の吸気弁
50 内燃機関
100 内燃機関の吸気弁制御装置

Claims (7)

  1. 1気筒あたりに3つの吸気弁を備えた内燃機関であって、
    前記3つの吸気弁のうち中央に位置する第2の吸気弁のほうが、両側に位置する第1及び第3の吸気弁よりも、バルブリフト量が大きいことを特徴とする内燃機関。
  2. 1気筒あたりに3つの吸気弁を備えるとともに、該3つの吸気弁のうち少なくとも1つの吸気弁のバルブリフト量を可変にする可変バルブリフト機構を有する内燃機関で、該可変バルブリフト機構を制御する内燃機関の吸気弁制御装置であって、
    前記3つの吸気弁のうち中央に位置する第2の吸気弁のほうが、両側に位置する第1及び第3の吸気弁よりも、バルブリフト量が大きくなるように前記可変バルブリフト機構を制御することを特徴とする内燃機関の吸気弁制御装置。
  3. 1気筒あたりに3つの吸気弁を備えるとともに、該3つの吸気弁のうち少なくとも1つの吸気弁のバルブタイミングを可変にする可変バルブタイミング機構を有する内燃機関で、該可変バルブタイミング機構を制御する内燃機関の吸気弁制御装置であって、
    前記3つの吸気弁のうち中央に位置する第2の吸気弁のほうが、両側に位置する第1及び第3の吸気弁よりも、早いタイミングで開き、且つ遅いタイミングで閉じるように前記バルブタイミング機構を制御することを特徴とする内燃機関の吸気弁制御装置。
  4. 前記内燃機関が前記3つの吸気弁のうち少なくとも1つの吸気弁のバルブリフト量を可変にする可変バルブリフト機構をさらに有し、
    前記第2の吸気弁のほうが、前記第1及び第3の吸気弁よりも、バルブリフト量が大きくなるように前記可変バルブリフト機構をさらに制御することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の吸気弁制御装置。
  5. 前記第1の吸気弁のほうが、前記第3の吸気弁よりも、バルブリフト量が大きくなるように前記可変バルブリフト機構をさらに制御することを特徴とする請求項2または4記載の内燃機関の吸気弁制御装置。
  6. 前記第1の吸気弁のほうが、前記第3の吸気弁よりも、早いタイミングで開き、且つ遅いタイミングで閉じるように前記可変バルブタイミング機構をさらに制御することを特徴とする請求項3から5いずれか1項記載の内燃機関の吸気弁制御装置。
  7. 内燃機関の運転状態に基づき前記可変バルブリフト機構、または前記バルブタイミング機構のうち、少なくともいずれか一方を制御することを特徴とする請求項2から6いずれか1項記載の内燃機関の吸気弁制御装置。
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