JP2007146428A - 衛生設備室の床構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価な材料で構成された衛生設備室の床構造を提供することを目的とするものである。そして、本発明の他の目的は、リサイクル可能な衛生設備室の床構造を提供する。
【解決手段】室内で流体が使用される衛生設備室の床構造において、上記衛生設備室自体の荷重及び室内に積載される荷重を支持する床ベース部と、上記室内で使用された流体が上記床ベース部を介して外部に漏出することを防止する防水層と、上記床ベース部上に直接及び上記防水層を介してのいずれかにより載置され該室内に露出して該床面の意匠を構成する表面意匠床とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】室内で流体が使用される衛生設備室の床構造において、上記衛生設備室自体の荷重及び室内に積載される荷重を支持する床ベース部と、上記室内で使用された流体が上記床ベース部を介して外部に漏出することを防止する防水層と、上記床ベース部上に直接及び上記防水層を介してのいずれかにより載置され該室内に露出して該床面の意匠を構成する表面意匠床とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は浴室等の衛生設備室に使用される床パネルの構造に関する。
浴室等の衛生設備室の床構造に要求されるものとして、この床上にかかる荷重を支持できる構造上の強度、及び衛生設備室で使用された水が外部へ漏出することを防ぐ水密性が挙げられる。そして、使用者に心地よさを与える表面の意匠性や、長期の使用に耐える耐久性、更には、施工時の取り扱い易さの点で軽量であること等も求められる。
これらの要件を満足するものとして、従来FRPが単一材料として用いられてきた。しかしながら、このFRPは、高度な複合材料であり、また成形に長時間を要し、また広い作業スペースを必要とすることから高価であり、現状では大幅なコストダウンは見込めない状況にある。
また、環境保全のために産業廃棄物削減・再資源化が叫ばれている中、FRPは熱硬化性樹脂であり、さらにガラス繊維も配合されていることから、処分が困難であるという欠点がある。
この点、熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂に比べて安価であり、また、加熱により溶融するため、処分が容易かつ再生樹脂として再利用が可能であるという長所がある。
斯かる熱可塑性樹脂を用いた防水パンの構造として、外縁の一部または全周が縦壁を形成し、床板部分が傾斜した集水構造を有する箱状防水パンであって、基材が熱可塑性樹脂からなり、床板裏面にリブ状補強体が設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この提案では、ガラス繊維等で補強されない熱可塑性樹脂自体では強度不足よるクラック等で水密上の信頼性に欠ける点が顧慮されていないので、実用性に問題がある。また、基材よりも硬度の高い表面層が積層されたり、或いは熱可塑性樹脂が長繊維で強化されていたりするものも提案されているが、熱可塑性樹脂に長繊維が配合されると、リサイクルが困難となる。
また、熱可塑性樹脂からなる基材に、発泡樹脂材、金属材、木質材のいずれかで形成されている別部材の補強材が基材の裏面に付着されて成形されている防水パンの構造も提案されているが(例えば、特許文献2参照。)、別部材の補強材を追加するのでは追加のコストがかかり、折角安価な熱可塑性樹脂を採用した趣旨が没却される。また、FRPより柔らかいため耐摩耗性で劣り、そのまま床表面に露出させることは経年劣化の点で問題がある点には何等言及されていない。
特開平11−210039号公報
特開2001−248198号公報
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、安価な材料で構成された衛生設備室の床構造を提供することを目的とするものである。そして、本発明の他の目的は、リサイクル可能な衛生設備室の床構造を提供することにある。
本発明に係る衛生設備室の床構造は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、室内で流体が使用される衛生設備室の床構造において、上記衛生設備室自体の荷重及び室内に積載される荷重を支持する床ベース部と、上記室内で使用された流体が上記床ベース部を介して外部に漏出することを防止する防水層と、上記床ベース部上に直接及び上記防水層を介してのいずれかにより載置され該室内に露出して該床面の意匠を構成する表面意匠床とを備えるものである。
前記床ベース部は、好適には、請求項2に記載したように、熱可塑性を有する部材から成形されるものであり、前記熱可塑性を有する部材は、例えば請求項3に記載したように、熱可塑性樹脂であり、或いは請求項5に記載したように、接着剤を塗布され加熱硬化された木チップから形成される。また、前記熱可塑性樹脂は、より好適には、請求項3に記載したように、再生樹脂であることが望ましい。
他方、前記防水層は、好適には、請求項6に記載したように、前記表面意匠床と前記床ベース部との間に挟設されるものであるが、請求項7及び8に記載したように、前記表面意匠床又は前記床ベース部は、防水機能を備え、前記防水層の役割を兼ね備えるものであってもよい。
本発明に係る衛生設備室の床構造によれば、安価な材料で構成された衛生設備室の床構造を得ることができる。また本発明は、衛生設備室の床構造をリサイクル可能なものとすることができる効果が得られる。
本発明に係る衛生設備室の床構造の一実施形態について、浴室の洗い場床を例にとって、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る衛生設備室の床構造の実施形態の全体的な概要を示す分解斜視図である。この実施形態に示された衛生設備室としての浴室の床は、入浴者が洗髪、洗体等を行う洗い場床1と、浴槽が載置される浴槽側床2とから構成され、本実施形態に係る洗い場床1は、下から床ベース部3、防水層4及び表面意匠床5の3層から成る。
床ベース部3は、洗い場の床を形成するベース本体3aと、その周囲を囲繞する壁パネル載置部3b及び土手部3cとを備える。ベース本体3aには、最もレベルが高い外周部から、土手部中央に設けられた排水トラップ6(図2参照。)に向かって下る水勾配が設けられ、洗い場で使用された水は、このトラップ6に導出され、ここを経由して外部に放出される。
壁パネル載置部3bは、ベース本体3aの浴槽側床2に隣接する縁部以外の三方に、ベース本体3aより一段高く形成され、この上に浴室の壁面を構成する壁パネル(図示せず)が立設される。
土手部3cは、ベース本体の浴槽側床2と隣接する縁部に、やはりベース本体3aより一段高く形成され、この上には浴槽側面を掩蔽するバスエプロン(図示せず)が載置される。
この床ベース部3は、ポリプロピレン、ABS、ポリエチレン、PVC等の熱可塑性樹脂が圧縮成形等により一体に形成されたものであり、石油等から新たに生成されたものであってもよいが、廃プラスティック等から再生された再生樹脂であってもよい。また、使用されなくなったときに、資源として再利用可能なように、ガラス繊維等の補強剤は配合されない。
なお、この床ベース部3に使用可能な素材は多岐にわたり、加熱圧縮成形ができ、ある程度の強度を有し、安価であれば、熱可塑性樹脂のみならず何でも利用可能である。例えば、住宅の解体時に発生する廃木材を中心とする建設廃木材や間伐材等から生産される木チップに接着剤等のバインダーを塗布して積層マット化したものを加熱圧縮成型により得られたものを使用することもできる。
このように形成された床ベース部3は、浴室の壁パネルやその上に載置された天井パネル及び自身の重量、並びに洗い場を使用する入浴者の体重等のすべての荷重を支持し、下に位置する建築床へと伝達する。
防水層4は、床ベース部3上に敷設されたシート防水層、床ベース部上面に塗布された塗膜防水層、ベース床部3の表面に樹脂含浸されたものである。或いは他の防水材を用いてもよい。
表面意匠床5は、ポリプロピレンやポリエチレン等の汎用樹脂や、一般建築で用いられるクッションフロア材や軟質シート材のような樹脂化粧シート、及びその他水に強く、意匠性に優れ、浴室床の表面部の機能を満足させることができる性能を持った安価な仕上げ素材が用いられる。この表面意匠床5は、防水層4の保護層をも兼ねる。
排水トラップ6は、図2に示すように、床ベース部3に設けられた開口7周りに下方から当接し、この開口7及び表面意匠床5に設けられた開口8を連挿するフランジ9に螺嵌される。
従来のFRP製床パンが、構造上の強度、水密性、意匠性の全ての機能を一身に担っているのに対し、本実施の形態に係る衛生設備室の床構造は上記のように、それぞれの機能が別々の素材により役割分担して果たされている。
このように、高価な単一材を使わなくても、それぞれの機能に対し、最適な素材・製法・構造を採用して組み合わせて複数の構成部材からなる複合床パネル構成することにより、安価な床構造を得ることが可能となる。
特に、床ベース部3を廃プラスティックから得られる再生樹脂や廃木材から得られる木チップ等で形成すれば、さらに安価な床構造が得られるばかりでなく、この床構造に用いられた材料もリサイクル可能となり、省資源、環境保護に貢献することができる。
また、この構成では床本体の強度的な性能・要件などは、床ベース部3により担保されており、しかも面状に形成されているので、その上に載置あるいは貼付けられる表面意匠床5の材料に面強度は必要なく、汎用性・生産性の高い安価な素材を薄く使用できるばかりでなく、FRP等の樹脂一体物では得ることのできない、保温性や足ざわり、防音性能などを安価に付加することもできる。
次に、本発明に係る衛生設備室の床構造の第2の実施形態について、図3を参照して説明する。本実施の形態の衛生設備室の床構造は、表面意匠床5Aとして、例えば防水性を有するビニル床シート等の防水性を有する材料を採用する。この点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
このように、表面意匠床5Aとして防水性を有する材料を採用してそれに防水層4の役割を果たさせることにより、別途防水層4を設けなくてもよくなる。
また、これとは逆に、床ベース部3形成時に防水剤を混和して、床ベース部3に防水性を持たせて防水層4の役割を果たさせることによっても、防水層4を省略することができる。
以上に説明した実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
1 洗い場床
2 浴槽側床
3 床ベース部
3a ベース本体
3b 壁パネル載置部
3c 土手部
4 防水層
5,5A 表面意匠床
6 排水トラップ
7,8 開口
9 フランジ
2 浴槽側床
3 床ベース部
3a ベース本体
3b 壁パネル載置部
3c 土手部
4 防水層
5,5A 表面意匠床
6 排水トラップ
7,8 開口
9 フランジ
Claims (8)
- 室内で流体が使用される衛生設備室の床構造において、
上記衛生設備室自体の荷重及び室内に積載される荷重を支持する床ベース部と、
上記室内で使用された流体が上記床ベース部を介して外部に漏出することを防止する防水層と、
上記床ベース部上に直接及び上記防水層を介してのいずれかにより載置され該室内に露出して該床面の意匠を構成する表面意匠床と、
を備えることを特徴とする衛生設備室の床構造。 - 前記床ベース部は、熱可塑性を有する部材から成形されることを特徴とする請求項1記載の衛生設備室の床構造。
- 前記熱可塑性を有する部材は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項2記載の衛生設備室の床構造。
- 前記熱可塑性樹脂は、再生樹脂であることを特徴とする請求項3記載の衛生設備室の床構造。
- 前記熱可塑性を有する部材は、接着剤を塗布され加熱硬化された木チップから形成されることを特徴とする請求項2記載の衛生設備室の床構造。
- 前記防水層は、前記表面意匠床と前記床ベース部との間に挟設されることを特徴とする請求項1記載の衛生設備室の床構造。
- 前記表面意匠床は、防水機能を備え、前記防水層の役割を兼ね備えることを特徴とする請求項1記載の衛生設備室の床構造。
- 前記床ベース部は、防水機能を備え、前記防水層の役割を兼ね備えることを特徴とする請求項1記載の衛生設備室の床構造。
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JP2005340462A JP2007146428A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | 衛生設備室の床構造 |
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JP2010229791A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Toto Ltd | 浴室用洗い場床 |
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2005
- 2005-11-25 JP JP2005340462A patent/JP2007146428A/ja active Pending
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