JP2007146212A - 高強度かつ耐ねじり折損性に優れた工具鋼 - Google Patents
高強度かつ耐ねじり折損性に優れた工具鋼 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】質量%で(以下、同じ)、C:0.5〜0.7%、Si:1.5〜2.5%、Mn:0.2〜1.0%、Ni:0.05〜0.5%、Cr:0.5〜1.5%、V:0.01〜0.5%、Al:0.1%以下(0%を含まない)、N:0.01%以下(0%を含まない)を満たし、残部鉄および不可避不純物からなり、圧延材の中心部のC、Si、Mnの濃度をそれぞれCC、SiC、MnC(いずれも単位は質量%)、圧延材の直径/4部位のC、Si、Mnの濃度をそれぞれC0、Si0、Mn0(いずれも単位は質量%)としたときに、CC/C0=0.90〜1.10、SiC/Si0=0.80〜1.30、およびMnC/Mn0=0.80〜1.30を満たすことを特徴とする工具鋼。
【選択図】なし
Description
C :0.5〜0.7%、
Si:1.5〜2.5%、
Mn:0.2〜1.0%、
Ni:0.05〜0.5%、
Cr:0.5〜1.5%、
V :0.01〜0.5%、
Al:0.1%以下(0%を含まない)、
N :0.01%以下(0%を含まない)
を満たし、残部鉄および不可避不純物からなり、
圧延材中心部のC、Si、Mnの濃度をそれぞれCC、SiC、MnC(いずれも単位は質量%)、圧延材の直径/4部位のC、Si、Mnの濃度をそれぞれC0、Si0、Mn0(いずれも単位は質量%)としたときに、
CC/C0=0.90〜1.10、
SiC/Si0=0.80〜1.30、および
MnC/Mn0=0.80〜1.30
を満たすところに特徴を有する。
CC/C0=0.90〜1.10、
SiC/Si0=0.80〜1.30、および
MnC/Mn0=0.80〜1.30
を満たすよう制御すれば良いことが分かった。
Cは、マトリックス中に固溶し、鋼を強化する為に必須の元素である。更にCは、Cr、V等の炭化物形成元素と結合して炭化物を形成し、工具の耐摩耗性を向上させるのに極めて重要な役割を果たす元素でもある。この様な作用を有効に発揮させるには、C量を0.5%以上とする必要がある。好ましくは0.55%以上である。しかし、C量が過剰であると、耐ねじり折損性が著しく低下する為、その上限を0.7%に定めた。好ましくは0.68%以下である。
Mnは、製鋼時の脱酸に有効な元素であり、また、焼入性を高めて強度向上に寄与する元素でもある。これらの効果を有効に発揮させるには、0.2%以上(好ましくは0.4%以上)の添加が必要である。しかし過剰に添加すると、加工性や靭性が低下する為、その上限を1.0%に定めた。好ましくは0.9%以下である。
Niは、マトリックスに固溶し、焼入性の向上や、焼入れ・焼戻し段階でマトリックスの強度及び耐ねじり折損性を向上させるのに有効な元素である。これらの効果を発揮させるには、0.05%以上の添加が必要である。しかし多過ぎると、圧延においてベイナイトまたはマルテンサイト組織が生成し、靭延性の低下を招くため、その上限を0.5%に定めた。好ましくは0.4%以下である。
Crは、焼入性を向上させると共に、焼戻し軟化抵抗を向上させて耐ねじり折損性を高めるのに有用な元素である。また、Cと結合して複合炭化物を形成し、耐摩耗性の向上に寄与する元素でもある。これらの効果を発揮させるには、Cr量を0.5%以上(好ましくは0.7%以上)とする必要がある。しかしCr量が過剰であると、上記作用が飽和しコスト上昇を招くだけであることに加え、過剰のCrはセメンタイト中に固溶して焼入れ加熱時におけるセメンタイト分解を阻害するおそれがある。よって本発明では、Cr量の上限を1.5%に定めた。好ましくは1.2%以下である。
Vは、焼入れ・焼戻し等の熱処理時に結晶粒を微細化し、耐ねじり折損性を向上させる効果がある。本発明では、該効果を発揮させるためVを0.01%以上(好ましくは0.05%以上)含有させる。但し、V量が過剰であると、一次炭化物量が増大して耐ねじり折損性が低下するため、その上限を0.5%に定めた。好ましくは0.3%以下である。
Alは、微細な窒化物を形成し、焼入れ時の結晶粒粗大化防止作用を発揮して優れた耐ねじり折損性の確保に寄与するため、本発明の如く工具鋼として使用する場合には極めて有用な元素である。該効果を発揮させるには、0.001%以上含有させることが好ましい。しかしながら、Alが過剰に含まれていると酸化物等の非金属介在物が増大し、却って耐ねじり折損性が劣化するため、その上限を0.1%に定めた。好ましくは0.05%以下である。
Nは、VやAlと微細窒化物を生成し、結晶粒の微細化を図るのに有効な元素であり、該効果を発揮させるには、0.002%以上含有させることが好ましい。しかしNが過剰に含まれていると、大型の窒化物が生成し易くなり、耐ねじり折損性を劣化させるため、上限を0.01%とした。好ましくは0.008%以下である。
Nb、Tiは、結晶粒微細化による耐ねじり折損性の向上に有効な元素であり、該効果を発揮させるには、Nbの場合、0.005%以上含有させることが好ましく、Tiの場合は、0.001%以上含有させることが好ましい。しかし、これらの元素が過剰であると、粗大な窒化物を形成し、耐ねじり折損性を低下させるため、Nb、Tiは、それぞれ0.05%以下の範囲で含有させることが好ましい。
によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
圧延材の中心部、およびD/4部からサンプル[中心部からは1鋼種につきサンプル数(n)=1、上記D/4部からは1鋼種につきn=4]を採取し、それぞれの部位におけるC、Si、Mn量を測定した。そして中心部の各成分量をCC、SiC、MnCとし、D/4部の各成分量平均値(4サンプルの平均値)をC0、Si0、Mn0として、各成分の偏析度(CC/C0、SiC/Si0、MnC/Mn0)を求めた。
圧延材を球状化焼鈍後、伸線してφ8mmの鋼線を作製した。得られた鋼線に焼入れ(900℃に加熱後70℃まで油冷)・焼戻し(焼戻し温度は表2に示す通り)処理を行い、表2に示す硬さとした。その後、ねじり試験(ねじり速度:360°/minで捻回)を行い、トルク(強度)と破断角度(耐ねじり折損性)を測定した。
Claims (2)
- 質量%で(以下、同じ)、
C :0.5〜0.7%、
Si:1.5〜2.5%、
Mn:0.2〜1.0%、
Ni:0.05〜0.5%、
Cr:0.5〜1.5%、
V :0.01〜0.5%、
Al:0.1%以下(0%を含まない)、
N :0.01%以下(0%を含まない)
を満たし、残部鉄および不可避不純物からなり、
圧延材中心部のC、Si、Mnの濃度をそれぞれCC、SiC、MnC(いずれも単位は質量%)、圧延材の直径/4部位のC、Si、Mnの濃度をそれぞれC0、Si0、Mn0(いずれも単位は質量%)としたときに、
CC/C0=0.90〜1.10、
SiC/Si0=0.80〜1.30、および
MnC/Mn0=0.80〜1.30
を満たすことを特徴とする高強度かつ耐ねじり折損性に優れた工具鋼。 - 更に他の元素として、
Nb:0.05%以下、及び/又は
Ti:0.05%以下
を含む請求項1に記載の工具鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005340903A JP2007146212A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | 高強度かつ耐ねじり折損性に優れた工具鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005340903A JP2007146212A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | 高強度かつ耐ねじり折損性に優れた工具鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007146212A true JP2007146212A (ja) | 2007-06-14 |
Family
ID=38207972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005340903A Pending JP2007146212A (ja) | 2005-11-25 | 2005-11-25 | 高強度かつ耐ねじり折損性に優れた工具鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007146212A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108913999A (zh) * | 2018-07-20 | 2018-11-30 | 首钢水城钢铁(集团)有限责任公司 | 一种φ36~40mm HRB500E螺纹钢筋的生产方法 |
-
2005
- 2005-11-25 JP JP2005340903A patent/JP2007146212A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108913999A (zh) * | 2018-07-20 | 2018-11-30 | 首钢水城钢铁(集团)有限责任公司 | 一种φ36~40mm HRB500E螺纹钢筋的生产方法 |
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