JP2007146104A - 耐熱性表面保護テープおよび半導体ウェハの加工方法 - Google Patents

耐熱性表面保護テープおよび半導体ウェハの加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性を向上させると共に、柔軟性を有し十分な圧力吸収ができ、加熱用台へ接着することなく、半導体ウェハの回路面への密着性の良い表面保護テープおよびその表面保護テープを用いた半導体ウェハの加工方法を提供する。
【解決手段】片面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層(2a)を持つ基材フィルム(1)の反対側の面に粘着剤層(3)を設けてなる耐熱性表面保護テープ(4)、及びその耐熱性表面保護テープ(4)を半導体ウェハ(6)の回路パターン(5)面に粘着剤層(3)が貼合面となるように貼合し、半導体ウェハ(6)を研削した後、該耐熱性表面保護テープ(4)の貼合された面を下側にして加熱用台(7)に載せた状態で、研削した面側にダイボンドシート(8)を貼合する工程を有する半導体ウェハの加工方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、耐熱性を持つ表面保護用テープおよびそれを利用した半導体ウェハの裏面研削後、研削面にダイボンドシートを貼合する工程を有する半導体ウェハの加工方法に関する。
最近は、実装部品の小型化のニーズはより一層高まり、半導体パッケージングの小型化技術はますます進化してきている。これに伴い、半導体チップも薄膜化・小チップ化を余儀なくされ、同時に、それら薄膜・小チップの半導体チップをコンパクトにパッケージングするための技術的ニーズは今後も高まる傾向にある。望ましくは半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングされることが求められている。
従来、これらの半導体チップは、半導体ウェハの回路パターン面に表面保護テープを貼合した状態でバックグラインド工程にて所定の厚さになるまで回路パターンの無い裏面側を研削した後、該表面保護テープを剥離し、次いでダイシング工程にてダイシングテープに支持固定した状態にてダイシング装置等にて切断分離されチップ化されることにより得られる。その後、チップ化された半導体チップは、ピックアップダイボンダ等により、連続的に流れるリードフレームにダイボンディングされ、最終的にモールド樹脂にてモールドされパッケージングされることになる。
このリードフレームへのダイボンディングの方法であるが、従来はチップ化された半導体チップを、ピックアップダイボンダ等により液状接着剤が塗布されたリードフレームのダイパッドにダイボンディングする方法が一般的であったが、この場合ダイボンディング毎の必要塗布量の制御が非常に困難であり、更には液状であるため、半導体チップをダイボンディングした際に半導体チップの寸法よりも液状接着剤が若干はみ出すことになる。その結果、半導体チップの寸法よりも幾分大きい寸法でパッケージングする必要があり、これは、前述の通り半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングする必要性から、望ましい方法とは言えない。
一方、ダイボンディング用の接着剤としてシート状の接着剤(ダイボンドシート)を使用する方法がある。このダイボンドシートを使用する方法として、半導体チップと同寸法のダイボンドシートの小片を準備し、リードフレーム上に予め搭載しておく、或いは、チップ裏面に一枚一枚貼り付ける、という方法が広く知られている。しかしながら、この場合、作業が非常に煩雑であり好ましくないのに加え、リードフレーム、或いはチップ裏面にダイボンドシートの小片を貼り付ける際に微小なズレが生じてしまうことがあり、これらの理由によりこれも望ましい方法とは言えない。
そこで最近では、バックグラインド工程にて所定の厚さになるまで半導体ウェハの回路パターンの無い裏面側を研削した後にその裏面側一面にダイボンドシートを貼合し、次いでこれをダイシングテープに貼合支持固定させ、ウェハダイシング装置等にて半導体ウェハとダイボンドシートを同時にフルカットする方式がある。この方式では、ダイシングされたチップとダイボンドシートの小片の寸法は完全に一致し、且つ、両者が全くズレの無い状態で貼り合わされた状態を作ることができる。この場合、半導体ウェハの裏面側にダイボンドシートを貼合する際には、半導体ウェハの回路パターン面を下側にして貼合ロール等にて圧着しながら貼合する必要があるため、回路パターンは貼合ロールの貼合圧により損傷を受ける可能性があり、したがって回路パターン面の保護が必要となる。
こうしたことから、バックグラインド工程後に表面保護テープを剥離せず、そのまま貼合した状態で半導体ウェハの裏面側にダイボンドシートを貼合すれば、該表面保護テープが回路パターンを保護する役目を果たすことになるため、この工程では一般的にこのような方法がとられることになるのである。また、この場合、ダイボンドシートは半導体ウェハへの密着性のためその殆どの種類が加熱した状態で貼合される必要があり、一般的には、半導体ウェハの表面保護テープが貼合された面を下側にして加熱用台に載せ、上側となった裏面一面に貼合ロールにてダイボンドシートを貼合する方法がとられる。加熱用台上では半導体ウェハ自体が高温状態にあり、その状態でダイボンドシートが貼合されるため半導体ウェハへの密着性は良好となる。
しかしながら、貼合の際、表面保護テープは直接加熱用台に接触し加熱されることになるため、この方法に適用される表面保護テープには耐熱性が要求されることになる。具体的には、直接加熱用台に接触している基材フィルムが加熱により軟化し、そのため加熱用台に接着してしまう現象が起こる。特に、加熱用台として加熱吸着テーブルを用いた場合には、加熱吸着テーブルの熱により軟化した基材フィルムが加熱吸着テーブルの吸着力によってより密着度が増し、強固に接着してしまうことになる。その結果、吸着を開放しても、半導体ウェハをその加熱吸着テーブルから取り出すことができなくなってしまい、また、これを無理に引き剥がすとその衝撃によりウェハに損傷を与えてしまう、といった不具合が発生するのである。
この場合において、表面保護テープに必要とされる耐熱レベルはダイボンドシートの貼合の際に必要とされる加熱温度に依るが、汎用のダイボンドシートの場合は100〜180℃程度の貼合温度を必要とする。又、貼合に必要とされる時間としては約3分程度であり、従って、180℃で3分程度の加熱環境において基材フィルムが軟化しない、というレベルの耐熱性が求められるものである。
現在、表面保護テープに用いられる汎用の基材フィルムとしてはポリオレフィン系、エラストマー系、ポリカーボネート系、或いはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン系のものがあるが、最も広く適用されているポリオレフィン系のものは100℃前後で軟化してしまうものが殆どであり、前述の耐熱レベルの要求には合致しない。また、上記の中でも比較的耐熱レベルの高いポリエステル系、ナイロン系についても提案されており(例えば、特許文献1または2参照)、180℃の加熱環境下においてある程度の耐熱性を有するが、完全に耐えうるとは言い難い。特に、特許文献1においては、同時にポリイミド等についても提案されており、ポリイミド系であれば180℃の加熱環境下における耐熱性は十分と言えるが、非常に高価であるというデメリットもある。
一般に、耐熱性が上がると樹脂そのものが硬くなる傾向にあるため、これらと同等又はそれ以上の耐熱性を有する樹脂系統を用いた場合も同様に、成形された基材フィルムは柔軟性に欠けるものである。
更に、これら比較的耐熱性の高い樹脂系統を用いた基材フィルムの表面保護テープは、以下のような問題点も持ち合わせている。ここでいう表面保護テープはバックグラインディング工程においても表面保護テープとして使用されるため、ウェハ裏面研削における適用性も同時に要求されることになる。ウェハ裏面研削時には砥石の研削圧により相当な圧力がウェハ、特に回路パターン面にかかることになるが、回路パターン面に貼合された表面保護テープはその研削時の圧力を吸収することで回路パターン面の保護の役割を果たすものである。従って、表面保護テープ自体にはある程度の柔軟性が必要とされる。ところが、前述の様な比較的耐熱性の高い樹脂系統を用いた基材フィルムの表面保護テープは、非常に硬く、柔軟性が低く上記のような理由で研削性は良いとは言えない。
特開2002−246345号公報 特開2003−176464号公報
このようなある程度の耐熱性は有するが柔軟性に欠けた基材フィルムを適用した表面保護テープを裏面研削に用いた場合、研削圧は粘着剤層でしか吸収することができないため十分な圧力吸収を果たせない。その結果、ウェハの回路パターン面に損傷を与えてしまったり、或いは回路パターン面の段差がウェハ裏面の研削面に転写される現象、すなわちディンプルが発生したり、はたまた研削の仕上げ厚が薄い場合などにおいてはウェハ自体の割れを引き起こしてしまうこともある。
また、基材フィルムが加熱により軟化し加熱用台に接着してしまう問題があるだけでなく、同時に薄ウェハの場合には加熱用台から開放後のウェハに反りが生ずることがある。
したがって本発明の目的は、上記のような問題点に鑑み、耐熱性を向上させると共に、柔軟性を有し十分な圧力吸収ができ、加熱用台へ接着することなく、さらには、研削後のウェハの割れや反りの発生の少ない、半導体ウェハの回路面への密着性の良い表面保護テープおよびその表面保護テープを用いた半導体ウェハの加工方法を提供することにある。
本発明は、前記のような問題点を次の手段によって解決するものである。
すなわち本発明は、
[1]片面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを持つ基材フィルム1の反対側の面に粘着剤層3を設けてなる耐熱性表面保護テープ4、
[2]前記放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aの厚さが5〜80μmであることを特徴とする[1]に記載の耐熱性表面保護用テープ4、
[3]前記粘着剤層3が放射線硬化型粘着剤層であることを特徴とする[1]または[2]に記載の耐熱性表面保護テープ4、
[4]片面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを持つ基材フィルム1の反対側の面に粘着剤層3を設けてなる耐熱性表面保護テープ4を、半導体ウェハ6の回路パターン5面に粘着剤層3が貼合面となるように貼合する工程、半導体ウェハ6の厚さが所定の厚さになるまで半導体ウェハ6の回路パターン5の無い面側を研削する工程、該耐熱性表面保護テープ4の貼合された面を下側にして加熱用台7に載せる工程およびその載せた状態で研削した回路パターン5の無い面側にダイボンドシート8を貼合する工程をこの順序で有することを特徴とする半導体ウェハの加工方法、
[5]前記放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aの厚さが5〜80μmであることを特徴とする[4]に記載の半導体ウェハの加工方法、
[6]前記粘着剤層3が放射線硬化型粘着剤層であることを特徴とする[4]または[5]に記載の半導体ウェハの加工方法、
[7]片面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを持つ基材フィルム1の反対側の面にも放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bを設け、反対側面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの上に粘着剤層3を設けてなる耐熱性表面保護テープ11、
[8]片面側の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aと反対側面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚みの関係が、反対側面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚み≧片面側の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aの厚み、であることを特徴とする[7]に記載の耐熱性表面保護テープ11、
[9]片面側の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2a及び反対側面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚さが各々5〜75μmであり、且つ、片面側の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aと反対側面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚みの合計が80μm以下であることを特徴とする[7]または[8]に記載の耐熱性表面保護用テープ11、
[10]前記粘着剤層3が放射線硬化型粘着剤層であることを特徴とする[7]〜[9]項のいずれか1項に記載の耐熱性表面保護テープ11、および、
[11]前記[7]〜[10]のいずれか1項に記載の耐熱性表面保護テープ11を、半導体ウェハの回路パターン5面に粘着剤層3が貼合面となるように貼合する工程、半導体ウェハの厚さが所定の厚さになるまで半導体ウェハの回路パターンの無い面側を研削する工程、該耐熱性表面保護テープ11の貼合された面を下側にして加熱用台に載せる工程およびその載せた状態で研削した回路パターンの無い面側にダイボンドシート8を貼合する工程をこの順序で有することを特徴とする半導体ウェハの加工方法、
を提供するものである。
本発明によれば、半導体ウェハ裏面研削時において耐熱性表面保護テープが十分に研削圧を吸収するためディンプルの発生、ウェハの損傷・割れを防止する。更には、研削した回路パターンの無い面側に加熱環境下でダイボンドシートを貼合する工程においても、表面保護テープの加熱用台に接触した面が十分な耐熱性を有するため、基材フィルムが加熱により軟化してしまうことはなく、表面保護テープが加熱用台に接着してしまうようなことも防止できる。さらに、基材フィルムの両面に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層を設けたものである場合には、加熱用台から開放した後もウェハの反りがさらに少ない。
このように、ウェハの加工工程において、ウェハ裏面研削性及び耐熱性の両方に優れ、回路面への密着性の良好な耐熱性表面保護テープであり、これを用いた半導体ウェハの加工方法は、優れた品質の半導体チップを提供することができる。
本発明の耐熱性表面保護テープおよび半導体ウェハの加工方法の好ましい実施の態様について、図面を参照してさらに詳細に説明する。尚、各図において同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1に示すように、本発明の耐熱性表面保護テープ4は、片面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを持つ基材フィルム1の反対側の面に粘着剤層3を設けてなる構成である。すなわち、通常の基材フィルム1と粘着剤層3を持つ粘着テープの粘着剤層3の無い面、つまり基材フィルム1の背面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを有する構成を持つものである。
この放射線硬化型粘着剤は、例えば通常のアクリル系粘着剤と放射線重合性化合物を混合してなる構成、或いは放射線重合性化合物単独でなる構成を持つのが一般的であり、このうち放射線重合性化合物の場合は、放射線の照射によって三次元網状の構造を形成、すなわち一種の架橋構造を形成するものである。分子構造が架橋構造をとる場合、通常は加熱状態にあっても熱可塑化する性質はなく、従って加熱により軟化もしない。
すなわち、本発明の耐熱性表面保護テープ4は、加熱しても熱軟化しない層を基材フィルム背面側に有する構造を持つことになる。
次に、本発明の耐熱性表面保護テープを用いる半導体ウェハの加工方法について記載する。
本発明の半導体ウェハの加工方法は、先ず図2aに示すように、半導体ウェハ6の回路パターン5面に耐熱性表面保護テープ4の粘着剤層3が貼合面となるように、この耐熱性表面保護テープ4を貼合する。次に、図3に示すように半導体ウェハ6の回路パターン5の無い面側を半導体ウェハ6の厚さが所定の厚さになるまで研削する。その後、図4、図5に示すように、この耐熱性表面保護テープ4の貼合された面を下側にして加熱用台7に載せ、その状態で、回路パターン5の無い研削した面側に貼合用ロール9を使用してダイボンドシート8を貼合する工程からなる。これらの工程おいては前述の通り、貼合の際に表面保護テープ4の基材フィルム背面側は直接、高温の加熱用台7に接触し加熱されることになる。しかしながら、上記の通り、本発明の耐熱性表面保護テープ4は、加熱しても熱軟化しない層、即ち放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを基材フィルム1の背面側に有する構造を持つため、加熱用台の熱により軟化した基材フィルム1が加熱用台7に接着してしまうような不具合は発生しないのである。
したがって、図6に示すように加熱用台7の例えば、吸着機構を開放すれば、耐熱性表面保護テープおよびダイボンドシート付のウェハを割れやクラックの発生なく容易に取り出すことができ、加熱用台を汚すこともほとんど無い。
以上のように、本発明の耐熱性表面保護テープ4の場合は上記不具合を防止するため、基材フィルム1の背面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを設ければ良く、従って、基材フィルム1そのものの選定については、ウェハ裏面研削時における適用性のみを考慮して選定することが可能である。前述した通り、従来であれば、基材フィルムそのものに耐熱性を付与する必要性から結果的に基材フィルムが硬くなり柔軟性に欠け、ウェハ裏面研削時の回路パターン面の保護において十分な性能が発揮できなかったわけであるが、本発明においてはそのような制限は無く、耐熱性・ウェハ裏面研削時のパターン保護性の両立を可能とするものである。更に、耐熱性を持つ材料は比較的コスト高であるがその点からも本発明は利点がある。
このように基材フィルムそのものについてはウェハ裏面研削時のパターン保護性の観点から選定すればその他特に制限は無いが、好ましく用いられるのがポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン系、エラストマー系等、比較的柔軟性を有するものである。この基材フィルムの厚さとしては特に制限は無いが、一般的には50〜300μmの範囲にあるのが通常である。
放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aの厚さは、5〜80μm、好ましくは10〜70μmの範囲である。放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層自体は三次元網状の架橋構造であるため柔軟性は持たない。従って、あまり厚くなると、この耐熱性表面保護テープ自体が幾分か柔軟性に乏しくなりウェハ裏面研削時の保護性に影響してしまう可能性がある。特に、ウェハの研削仕上げ厚が100μm以下の領域になると、前述のディンプル発生の可能性も出てくる。
また、通常の基材フィルムは粘着剤が塗布される以前もやはり巻き形状にて保管されるのが一般的であるが、巻き状態で保管することによりフィルムとフィルムが密着しブロッキング状態となってしまう。これを防止するため基材フィルム背面側は、図8に示すようにエンボス加工やマット加工の様な粗面化処理が施されているケースが多い。粗さRaとしては3〜5μm程度であり、これのほとんどを放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aで覆うためには、図9に示すように5μm以上の厚さが必要となる。この厚さを下回ると、図10のように基材フィルムの凸部が幾分か露出してしまい、その露出部が熱により軟化してしまうこともあり得る。この場合もウェハの研削仕上げ厚が100μm以下の領域になると、多少の衝撃により損傷を受けてしまうため望ましくは厚さを5μm以上とし、凸部を殆ど覆う形状とした方が望ましい。
以上のように、本発明における耐熱性表面保護テープ4は、基材フィルムの片面側(背面側)に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを有する構成を持つため、加熱軟化を防止する効果をもたらすわけであるが、一方で、この放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aは架橋構造を持つため、加熱されると収縮しようとする特性を有する。
本発明の一態様である耐熱性表面保護テープ4は、前述の通り、半導体ウェハの裏面一面に貼合ロールにてダイボンドシート8を貼合する際、直接加熱用台7に接触し加熱されることになる。この際、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aには加熱により収縮しようとする力が働き、その収縮の力は半導体ウェハを耐熱性表面保護テープ4が貼合された側に反らせる力として作用することになる。半導体ウェハの研削後の仕上げ厚さが十分に厚い場合には特に問題とはならないが、研削後の仕上げ厚さが100μm以下のような薄ウェハである場合は、ウェハ自体の剛性が非常に小さいため、図11に示すように、耐熱性表面保護テープ4が貼合された側にウェハを反らせる力の方がウェハ自体の剛性を上回る。例えば、加熱用台として加熱吸着テーブル12を用いた場合、吸着を開放した途端にウェハが大きな反りを生じてしまう。その結果、加熱吸着テーブル12からの取り出しのため、或いは装置内での次工程のユニットへの搬送のために搬送用のアーム等で吸着しようとしても、反りを生じているためうまく吸着できない等の問題が生じる。
本発明の耐熱表面保護テープはこの問題をも解決するために、前述した構成とは別の形態をも提案するものである。
基材フィルムが加熱により軟化し加熱用台に接着してしまう問題を防止するだけでなく、同時に薄ウェハの場合における加熱用台から開放後のウェハ反りを低減することも可能とする。
本発明における別の形態は、図12に示すように、片面側(背面側)に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを持つ基材フィルム1の反対側の面にも放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bを設け、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの上に粘着剤層3を設けてなる構成を持つ耐熱性表面保護テープ11で、基材フィルム1の両面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層が存在するものである。
前述したとおり、架橋構造を持つ放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aには、加熱により収縮しようとする力が発生するが、この場合、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aが存在する側に基材フィルム1を反らせようとする力が働く。よって、基材フィルム1の背面側のみに放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aが存在する場合には、加熱により基材フィルム1の背面側に反る結果となる(図11)。
これに対して、基材フィルム1の両面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2a及び2bが存在する場合、図13に示すように両面の放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層は加熱により基材フィルム1を中心としてお互いの側に反る力が働くことになる。つまり、片面側の放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2aの反る力が、反対側面の放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの反る力により幾分か相殺され抑えられることになる。
従って、図14に示すように、上記の片面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを持つ基材フィルム1の反対側の面にも放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bを設けその上に粘着剤層3を設けてなる構成の耐熱表面保護テープ11を、半導体ウェハ6の回路パターン面5側に貼合し該耐熱表面保護テープ11側を加熱吸着テーブル12にて吸着して加熱した場合、該耐熱表面保護テープ12の背面側にあたる放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2aが背面側に反ろうとする力は、反対側の面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bがウェハ6側に反ろうとする力により幾分か制御されることになる。これにより、加熱によって半導体ウェハ6が耐熱表面保護テープ12貼合側に反る量は低減することになり、搬送用のアーム等で吸着出来ない等の問題が生じる可能性も激減することとなる。
一般的に、加熱によって放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層に発生する反りの力は、放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層の厚みが厚いほど大きくなるもので、基材フィルムの両側の放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2aと2bの厚みが等しければ、加熱により反る力はお互い完全に相殺されゼロとなり、厚みが異なる場合は相殺されない分のみ厚い方の側に反ることになる。従って、該耐熱表面保護テープの背面側にあたる放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2aと、それとは反対側の面の放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚みの関係が、放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚み=放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2aの厚みである場合、加熱吸着テーブル11にて加熱された場合の反りはゼロとなり、本問題の解決において更に有効である。
また、放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚み>放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2aの厚みである場合は、放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの側、つまり半導体ウェハ6側に反ることになる。通常、半導体ウェハの回路パターン面には、各種の金属配線や保護のためのポリイミド等の樹脂の膜が形成されているが、デバイスの種類によっては非常に高密度実装されていたり、ポリイミド膜厚が厚い場合も多く、これによって半導体ウェハにはパターン面側に反ろうとする力が働いている。この場合のパターン面側とは耐熱表面保護テープをパターン面に貼合した状態における背面側に等しく、よって、半導体ウェハが上記の高密度実装タイプやポリイミド膜が厚いウェハである場合においては、ウェハそのものがテープの背面側に反ろうとする力を有していることになる。この場合においては、耐熱表面保護テープを放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚み>放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層2aの厚みの構成にすることにより、加熱によってウェハ側に反る力を発生させ、ウェハそのもののテープ背面側に反る力と相殺させ反りを低減させることが望ましい。
この形態において、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2a、及び放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚さは各々5〜75μmが好ましく、且つ、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aと放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚みの合計が80μm以下、好ましくは70μm以下の範囲であるのが良い。
5μm以上が好ましい理由は、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aの場合は前述と同様の理由であるが、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚さの場合、5μmを下回ると加熱により収縮する力は殆ど無く、テープ背面側の反りを低減させるための効果が殆ど出ないためである。また、75μm以下である理由は、前述のとおり、放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層が80μmを超えると柔軟性に乏しくなるためであり、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aと放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bの厚みの合計が80μm以下となる必要がある。両者とも5μm以上の厚みが必要であることから厚みの合計を80μm以下とするためには上限は75μmとなる。
本発明の耐熱性表面保護テープ4の粘着剤層3には、通常の粘着剤組成物が適用可能であるが、放射線硬化型粘着剤層であるとより望ましい場合がある。この耐熱性表面保護テープ4は、ダイボンドシート8貼合後、図7に示すように半導体ウェハ6の回路パターン5面から剥離されることになるが、放射線硬化型である場合は放射線照射により粘着力が低減するため半導体ウェハにストレスを与えずに剥離することが可能となる。この場合も、ウェハの研削仕上げ厚が100μm以下の領域になると、ウェハが剥離時のストレスにより損傷を受け易くなるため、粘着剤層3は放射線硬化型である方が望ましい。また、この粘着剤層3の厚さとしては特に制限は無いが、一般的には3〜50μmの厚さである場合が好ましい。
本発明で言う放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2a、2bを形成する放射線硬化型粘着剤は特に限定されるものではなく、一般的には、通常のアクリル系粘着剤と放射線重合性化合物とを主成分としてなるものである。又、本発明の、片面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aを持つ基材フィルムの反対側の面にも放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bを設け、その上に粘着剤層を設けてなる構成の形態において、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2aと放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層2bは同じ組成であっても、異なる組成であっても良い。また、粘着剤層3を形成する粘着剤も特に限定されるものではなく、通常のアクリル系粘着剤等が適用可能であり、さらに放射線硬化型である場合は上記と同じようにアクリル系粘着剤と放射線重合性化合物とを主成分としてなる組成のものが適用される。これらアクリル系粘着剤、及び放射線重合性化合物については具体的には以下のものが適用可能である。
アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル系共重合体及び硬化剤を成分とするものである。(メタ)アクリル系共重合体は、例えば(メタ)アクリル酸エステルを重合体構成単位とする重合体、及び(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の(メタ)アクリル系重合体、或いは官能性単量体との共重合体、及びこれらの重合体の混合物等が挙げられる。これらの重合体の分子量としては重量平均分子量が50万〜100万程度の高分子量のものが一般的に適用される。
また、硬化剤は、(メタ)アクリル系共重合体が有する官能基と反応させて粘着力及び凝集力を調整するために用いられるものである。例えば、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンなどの分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートなどの分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物、テトラメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネートなどの分子中に2個以上のアジリジニル基を有するアジリジン系化合物等が挙げられる。硬化剤の添加量は、所望の粘着力に応じて調整すればよく、(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して0.1〜5.0質量部が適当である。
放射線硬化型粘着剤は、前記のアクリル系粘着剤と放射線重合性化合物とを主成分としてなるのが一般的である。放射線重合性化合物とは、例えば紫外線の照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられる。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が広く適用可能である。
また、アクリル系粘着剤として、上記の様なアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
放射線硬化型粘着剤中のアクリル系粘着剤と放射線重合性化合物との配合比としては、アクリル系粘着剤100質量部に対して放射線重合性化合物を50〜200質量部、好ましくは50〜150質量部の範囲で配合されるのが望ましい。この配合比の範囲である場合、放射線照射後に粘着剤層の粘着力は大きく低下する。
更には、放射線硬化型粘着剤は、上記のようにアクリル系粘着剤に放射線重合性化合物を配合する替わりに、アクリル系粘着剤自体を放射線重合性アクリル酸エステル共重合体とすることも可能である。
また、放射線により粘着剤層を重合させる場合には、光重合性開始剤、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ベンジルメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を併用することができる。これらのうち少なくとも1種類を粘着剤層に添加することにより、効率よく重合反応を進行させることができる。尚、ここで言う放射線とは、紫外線のような光線、または電子線のような電離性放射線のことをさす。
本発明の耐熱性表面保護テープは、前述の通り基材フィルムと粘着剤層からなる粘着テープの基材フィルム背面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層を有する構成を持つものである。一般的には基材フィルムを成形した後、その基材フィルムの片側の面に放射線硬化型粘着剤を塗布し、該放射線硬化型粘着剤層に放射線を照射して硬化させ、次いで放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層とは反対側の面に粘着剤を塗布することで得られる。その順序として、得られた基材フィルムに粘着剤を塗布した後に、反対側の面に放射線硬化型粘着剤を塗布し、放射線を照射して硬化させる順序でも良いが、粘着剤が放射線硬化型である場合には、放射線硬化型粘着剤層に放射線を照射する際に粘着剤層も同時に硬化してしまうことになるため、基本的には前者の順序で得るのが望ましい方法と言える。
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでなく、種々に改変可能なものである。
[耐熱性表面保護テープの作製]
実施例1〜10及び比較例1、2の各耐熱性表面保護テープの作製について記載する。
(実施例1〜4)
住友化学製エチレンメチルメタアクリレート(EMMA)樹脂「アクリフトWD201(商品名)」を用いて、Tダイ法により厚さ100μmの基材フィルムを成形した。成形時に、一方の面に粗面処理を施し、表面粗さとしてはRa=5.0μmに調整した。基材フィルムの粗さ調整における測定については、ミツトヨ社製「サーフテストSJ-301(商品名)」を使用した。得られた基材フィルムの粗面処理した面(背面側)に、後記する紫外線硬化型粘着剤Aを表1−1に記載の所定の厚さにて塗布し、紫外線硬化型粘着剤Aに紫外線を照射して硬化させた。更に、基材フィルムの紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤Aが設けられた面とは反対側の面に、後記するアクリル系粘着剤a又は紫外線硬化型粘着剤Bを30μmの厚さで塗布した。
(実施例5)
東洋紡製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム「エステルフィルムE5100−100(商品名)」の片面側に、紫外線硬化型粘着剤Aを表1−1に記載の所定の厚さにて塗布し、紫外線硬化型粘着剤Aに紫外線を照射して硬化させた。更に、基材フィルムの紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤Aが設けられた面とは反対側の面に紫外線硬化型粘着剤Bを30μmの厚さで塗布した。
(実施例6〜10)
住友化学製 エチレンメチルメタアクリレート(EMMA)樹脂「アクリフトWD201(商品名)」を用いて、Tダイ法により厚さ100μmの基材フィルムを成形した。成形時に、一方の面に粗面処理を施し、表面粗さとしてはRa=5.0μmに調整した。基材フィルムの粗さ調整における測定については、ミツトヨ社製「サーフテストSJ-301(商品名)」を使用した。得られた基材フィルムの粗面処理した面(図12で基材フィルム1の上側、表中では背面側と記載)に、後記する紫外線硬化型粘着剤Aを表1−2に記載の所定の厚さにて塗布し、反対側の面(図12で基材フィルム1の下側、表1−2で粘着剤層側と記載)にも紫外線硬化型粘着剤A、または後記する紫外線硬化型粘着剤Cを表1−2に記載の所定の厚さにて塗布し、更に、これら基材フィルムの両側面の紫外線硬化型粘着剤Aまたは紫外線硬化型粘着剤Cを紫外線照射により硬化させた。更に、前記反対側面の紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層面の上に、紫外線硬化型粘着剤Bを30μmの厚さで塗布した。
(比較例1)
住友化学製EMMA樹脂「アクリフトWD201(商品名)」を用いて、実施例1〜4と同様にTダイ法によりフィルムを成形した。得られた基材フィルムの片面側に紫外線硬化型粘着剤Bを30μmの厚さで塗布した。
(比較例2)
実施例5と同様の東洋紡製PETフィルム「エステルフィルムE5100−100(商品名)」の片面側に紫外線硬化型粘着剤Bを30μmの厚さで塗布した。
ここで用いた紫外線硬化型粘着剤A、紫外線硬化型粘着剤B、アクリル系粘着剤aの構成は以下の通りである。
(1)紫外線硬化型粘着剤A
アクリル酸エステル共重合体 100質量部
硬化剤(日本ポリウレタン社製「コロネートL」)(商品名)」 2質量部
放射線重合性化合物 150質量部
光重合開始剤(日本チバガイギー社製「イルガキュアー184(商品名)」
2質量部
(2)紫外線硬化型粘着剤B
アクリル酸エステル共重合体 100質量部
硬化剤(日本ポリウレタン社製「コロネートL」) 2質量部
放射線重合性化合物 100質量部
光重合開始剤(日本チバガイギー社製「イルガキュアー184(商品名)」
2質量部
(3)紫外線硬化型粘着剤C
アクリル酸エステル共重合体 100質量部
硬化剤(日本ポリウレタン社製「コロネートL」)(商品名)」 2質量部
放射線重合性化合物 120質量部
光重合開始剤(日本チバガイギー社製「イルガキュアー184(商品名)」
2質量部
(4)アクリル系粘着剤a
アクリル酸エステル共重合体 100質量部
硬化剤(日本ポリウレタン社製「コロネートL」) 2質量部
前記のアクリル酸エステル共重合体および放射線重合性化合物は、次のものである。
アクリル酸エステル共重合体:
2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートを共重合して得られた、重量平均分子量=50万、ガラス転移点=−30℃の共重合体。
放射線重合性化合物:
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートを共重合して得られるポリマー100質量部に対して、放射線重合性炭素−炭素二重結合を一つ以上有する化合物として2−イソシアネートエチルメタクリレートを5質量部付加して得られた、重量平均分子量1.7万、ガラス転移点=75℃の放射線重合性化合物。
実施例1〜10、比較例1、2の詳細については、表1−1、表1−2(実施例)および表2(比較例)にも記載した通りである。
[ウェハ裏面研削,ダイボンドシート貼合,加熱吸着テーブルの吸着開放後の反り,表面保護テープ剥離の評価]
上記の方法にて得られた各実施例および比較例の耐熱性表面保護テープを厚さ650μmの8インチシリコンウェハ及び25μm厚のポリイミド膜がパターン面に付いた8インチパターンウェハの表面にそれぞれ貼合し、ディスコ製グラインダー「DFG8560(商品名)」で研削を行った。8インチシリコンウェハの場合は、面粗さ#2000で最終仕上げ厚さ(ア)150μm及び(イ)75μmになるように、また、25μm厚のポリイミド膜がパターン面に付いた8インチパターンウェハの場合は、面粗さ#2000で最終仕上げ厚さ75μmになるようウェハ裏面研削を行った。
更に、研削後、150℃に設定された加熱機構付の吸着テーブルに、基材フィルム背面側に設けられた紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤Aを下側(比較例1、2については、基材フィルムを下側)にして置き、吸着固定した状態で研削されたウェハ裏面にダイボンドシートとして日立化成製「DF−470(商品名)」を貼合用ロールを使用して貼合した。貼合後、加熱吸着テーブルの吸着を開放して表面保護テープおよびダイボンドシート(DF−470)付きのウェハを取り出した。その後、8インチシリコンウェハの場合のみ、表面保護テープをウェハから剥離した。表面保護テープの粘着剤層が紫外線硬化型粘着剤Bである場合は、剥離する前に紫外線を照射し粘着力を低減させてから剥離を行った。
以上の工程を実施し、次の点について評価を行った。
1)ディンプルの発生
ウェハ裏面研削後にウェハの研削面にディンプルが発生しているか否かを観察した。
2)ウェハ裏面研削によるウェハ割れ
ウェハ裏面研削後のウェハ割れやクラックが発生しているか否かを観察した。
3)加熱吸着テーブルへの接着の有無
加熱吸着テーブルの吸着を開放した後、表面保護テープとダイボンドシート付きのウェハを取り出した。その際、表面保護テープが加熱により吸着テーブルに接着しているか否かを観察した。
4)表面保護テープ剥離によるウェハ割れ
表面保護テープをウェハから剥離する際のウェハにかかるストレスによるウェハ割れやクラックの発生の有無について観察した。
5)加熱吸着テーブルの吸着開放後の反り
8インチシリコンウェハの最終仕上げ厚さ(イ)75μmの場合、及び、25μm厚のポリイミド膜がパターン面に付いた8インチウェハの場合(最終仕上げ厚さ75μm)において、「DF−470(商品名)」を貼合後、加熱吸着テーブルの吸着を開放して表面保護テープおよびダイボンドシート(DF−470)付きのウェハを取り出し、反りを測定した。反りは左右両側の反り量を測定し、それらの平均値を求めた。又、反りは基本的に表面保護テープ側に反る場合の反り量を測定したが、ダイボンドシート側に反る場合の反り量はマイナス表示とした。
これらの評価の結果を次の表1−1〜表2に示す。
Figure 2007146104
Figure 2007146104
Figure 2007146104
各実施例および比較例の評価の結果について記載する。
実施例1について
基材フィルムに柔軟性があるためウェハ裏面研削によるディンプルの発生、ウェハ割れは発生しなかった。又、基材フィルム背面側に紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が設けられているため加熱吸着テーブルによる基材フィルムの軟化も無く、加熱吸着テーブルに接着することも無かった。又、粘着剤層も紫外線硬化型であるため剥離力も小さく、剥離時のウェハ割れは発生しなかった。但し、紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が表面保護テープの背面側にしか無いため、加熱吸着テーブルの吸着を開放した後のウェハの背面側への反りがやゝ大きかった。
実施例2について
基材フィルムに柔軟性があるためウェハ裏面研削によるディンプルの発生、ウェハ割れは発生しなかった。又、基材フィルム背面側に紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が設けられているが、厚さが薄いため基材フィルムの凹凸を完全に覆うことができず、一部むき出しになった基材フィルム部が軟化し、その部分のみ加熱吸着テーブルに接着してしまった。その結果、最終仕上げ厚さ75μm厚の場合において吸着テーブルからの取り出しの際にウェハ端部に一部クラックが入った。又、粘着剤層も紫外線硬化型であるため剥離力も小さく、剥離時のウェハ割れは発生しなかった。紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層は表面保護テープの背面側にしか無いが、薄いために加熱吸着テーブルの吸着を開放した後の背面側への反りは比較的小さかった。但し、ポリイミド膜の付いたパターンウェハでは比較的大きな反りを生じた。
実施例3について
基材フィルム背面側に紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層の厚さが厚すぎることによりテープ自体の柔軟性が若干低下し、8インチパターンウェハにおいてディンプルの発生が観られ、8インチシリコンウェハにおいても最終仕上げ厚さ75μmの場合に若干ディンプルの発生が観られた。又、基材フィルムの軟化は無く、加熱吸着テーブルへの接着は無かった。又、粘着剤層が紫外線硬化型であるため剥離時のウェハ割れは発生しなかった。加熱吸着テーブルの吸着を開放した後の背面側への反りについては、紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が表面保護テープの背面側にしか無く厚さも厚いため、かなり大きかった。
実施例4について
基材フィルムに柔軟性があるためウェハ裏面研削によるディンプルの発生、ウェハ割れは発生しなかった。又、基材フィルム背面側に紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が設けられているため基材フィルムが軟化することも無く、加熱吸着テーブルへの接着は無かった。但し、粘着剤層は紫外線硬化型ではなく、最終仕上げ厚さ75μmの場合においてウェハ破損はないものの、他の実施例に比べて剥離力が高かった。又、紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が表面保護テープの背面側にしか無いため、加熱吸着テーブルの吸着を開放した後の背面側への反りが大きかった。
実施例5について
基材フィルムに柔軟性が無く、8インチパターンウェハにおいてディンプルの発生が観られ、8インチシリコンウェハにおいても最終仕上げ厚さ150μm、75μmの両方においてディンプルの発生が若干観られた。又、8インチパターンウェハ、及び8インチシリコンウェハの最終仕上げ厚75μmの場合においてはウェハ割れが少し発生した。基材フィルムの軟化は無く、加熱吸着テーブルへの接着は無かった。粘着剤層は紫外線硬化型であるため剥離時のウェハ割れは発生しなかった。加熱吸着テーブルの吸着を開放した後の背面側への反りについては、紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が表面保護テープの背面側にしか無いためやゝ大きかった。
実施例6について
基材フィルムに柔軟性があるためウェハ裏面研削によるディンプルの発生、ウェハ割れは発生しなかった。又、基材フィルム背面側に紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が設けられているため加熱吸着テーブルによる基材フィルムの軟化も無く、加熱吸着テーブルに接着することも無かった。又、粘着剤層も紫外線硬化型であるため剥離力も小さく、剥離時のウェハ割れは発生しなかった。又、紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が基材フィルムの両面側に存在するため、加熱吸着テーブルの吸着を開放した後の背面側への反りは比較的小さかった。
実施例7について
基材フィルムに柔軟性があるためウェハ裏面研削によるディンプルの発生、ウェハ割れは発生しなかった。又、基材フィルム背面側に紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が設けられているため加熱吸着テーブルによる基材フィルムの軟化も無く、加熱吸着テーブルに接着することも無かった。又、粘着剤層も紫外線硬化型であるため剥離力も小さく、剥離時のウェハ割れは発生しなかった。又、紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が基材フィルムの両面側に存在し、且つ同じ厚みであるため、加熱吸着テーブルの吸着を開放した後の背面側への反りは、8インチシリコンウェハの最終仕上げ厚さ75μmでは殆ど発生せず、8インチパターンウェハにおいても比較的小さかった。
実施例8について
基材フィルムに柔軟性があるためウェハ裏面研削によるディンプルの発生、ウェハ割れは発生しなかった。又、基材フィルム背面側に紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が設けられているため加熱吸着テーブルによる基材フィルムの軟化も無く、加熱吸着テーブルに接着することも無かった。又、粘着剤層も紫外線硬化型であるため剥離力も小さく、剥離時のウェハ割れは発生しなかった。又、紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が基材フィルムの両面側に存在し、且つ背面側の紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層の厚みよりも粘着剤層側の紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層の厚みの方が厚いため、加熱吸着テーブルの吸着を開放した後の背面側への反りは、8インチパターンウェハで非常に小さく、8インチシリコンウェハの最終仕上げ厚さ75μmではダイボンドシート側に反った。
実施例9について
基材フィルムに柔軟性があるためウェハ裏面研削によるディンプルの発生、ウェハ割れは発生しなかった。又、基材フィルム背面側に紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が設けられているため加熱吸着テーブルによる基材フィルムの軟化も無く、加熱吸着テーブルに接着することも無かった。又、粘着剤層も紫外線硬化型であるため剥離力も小さく、剥離時のウェハ割れは発生しなかった。又、紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が基材フィルムの両面側に存在するが、粘着剤層側の紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が薄く、加熱吸着テーブルの吸着を開放した後の背面側への反りは比較的大きかった。
実施例10について
基材フィルムに柔軟性があるためウェハ裏面研削によるディンプルの発生、ウェハ割れは発生しなかった。又、基材フィルム背面側に紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が設けられているため加熱吸着テーブルによる基材フィルムの軟化も無く、加熱吸着テーブルに接着することも無かった。又、粘着剤層も紫外線硬化型であるため剥離力も小さく、剥離時のウェハ割れは発生しなかった。又、紫外線により硬化された紫外線硬化型粘着剤層が基材フィルムの両面側に存在し、異なる組成ではあるが、両者が同じ厚みであるため、加熱吸着テーブルの吸着を開放した後の背面側への反りは、8インチシリコンウェハの最終仕上げ厚さ75μmでは殆ど発生せず、8インチパターンウェハにおいても比較的小さかった。
比較例1について
基材フィルムに柔軟性があるためウェハ裏面研削によるディンプルの発生、ウェハ割れは発生しなかった。但し、加熱吸着テーブル置いた際に基材フィルムが軟化してしまい、軟化した基材フィルムが吸着により、加熱吸着テーブルに強固に接着してしまい、吸着開放後も加熱吸着テーブルからウェハを取り出すことすらできなかった。よって、その後の加熱吸着テーブルの吸着解放後の反り、及び表面保護テープの剥離評価はできなかった。
比較例2について
基材フィルムに柔軟性が無く、8インチシリコンウェハの最終仕上げ厚さ150μm、75μm、8インチパターンウェハにおいてディンプルの発生が観られた。又、8インチシリコンウェハの75μm、及び8インチパターンウェハの場合においてウェハ割れが発生した。又、加熱吸着テーブル置いた際に基材フィルムが一部軟化してしまい、加熱吸着テーブルから取り出し難く、8インチシリコンウェハの最終仕上げ厚75μm、及び8インチパターンウェハにおいてはウェハが更に割れてしまった。8インチシリコンウェハの最終仕上げ厚75μm、及び8インチパターンウェハの場合は、ウェハが割れてしまったため、加熱吸着テーブルの吸着解放後の反り、及び表面保護テープの剥離評価はできなかった。粘着剤層は紫外線硬化型であるため最終仕上げ厚150μmにおいては剥離時のウェハ割れは発生しなかった。
本発明の耐熱性表面保護テープの一例の概略断面図である。 半導体ウェハの回路パターン面に耐熱性表面保護テープを貼合した状態を示す概略断面図である。 半導体ウェハの回路パターンの無い面側を所定の厚さになるまで研削した後の状態を示す概略断面図である。 耐熱性表面保護テープの貼合された面を下側にして半導体ウェハを加熱用台に載せた状態を示す概略断面図である。 半導体ウェハの研削した面側にダイボンドシートを貼合ローラーで貼合する状態を示す概略断面図である。 半導体ウェハの研削した面側にダイボンドシートを貼合した後、加熱用台から耐熱性表面保護テープとダイボンドシート付の半導体ウェハを取り出した状態を示す概略断面図である。 半導体ウェハの回路パターン面から耐熱性表面保護テープを剥離する状態を示す斜視図である。 基材フィルムの背面側が粗面化処理された状態にあることを示す概略断面図である。 粗面化処理された基材フィルムの背面側の凹凸が、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層で完全に覆われている状態を示す概略断面図である。 粗面化処理された基材フィルムの背面側の凹凸が、放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層で完全覆われていない状態を示す概略断面図である。 基材フィルムの片面側のみに放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層を有する耐熱表面保護テープを加熱吸着テーブルから開放した後に、基材フィルムの背面側に反る状態を示した概略断面図である。 本発明の耐熱表面保護テープの他の一例の概略断面図である。 両側に放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層を持つ基材フィルムにおいて、加熱により基材フィルムを中心としてお互いの側に反る力が働き、両側の反る力が幾分か相殺される状態を表す概略断面図である。 耐熱表面保護テープを半導体ウェハの回路パターン面側に貼合した状態で加熱吸着テーブルにて吸着し、所定の工程終了後に吸着開放しても、両側の放射線により硬化された放射線硬化型粘着剤層の反ろうとする力がお互いに相殺され、反りを殆ど生じない状態を表す概略断面図である。
符号の説明
1 基材フィルム
2a、2b 放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層
3 粘着剤層
4 耐熱性表面保護テープ
5 回路パターン
6 半導体ウェハ
7 加熱用台
8 ダイボンドシート
9 貼合用ロール
10 基材フィルムの粗面化処理された面
11 両面に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層を有する耐熱性表面保護テープ
12 加熱吸着テーブル

Claims (11)

  1. 片面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層を持つ基材フィルムの反対側の面に粘着剤層を設けてなる耐熱性表面保護テープ。
  2. 前記放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層の厚さが5〜80μmであることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性表面保護用テープ。
  3. 前記粘着剤層が放射線硬化型粘着剤層であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐熱性表面保護テープ。
  4. 片面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層を持つ基材フィルムの反対側の面に粘着剤層を設けてなる耐熱性表面保護テープを、半導体ウェハの回路パターン面に粘着剤層が貼合面となるように貼合する工程、半導体ウェハの厚さが所定の厚さになるまで半導体ウェハの回路パターンの無い面側を研削する工程、該耐熱性表面保護テープの貼合された面を下側にして加熱用台に載せる工程およびその載せた状態で研削した回路パターンの無い面側にダイボンドシートを貼合する工程をこの順序で有することを特徴とする半導体ウェハの加工方法。
  5. 前記放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層の厚さが5〜80μmであることを特徴とする請求項4に記載の半導体ウェハの加工方法。
  6. 前記粘着剤層が放射線硬化型粘着剤層であることを特徴とする請求項4または5に記載の半導体ウェハの加工方法。
  7. 片面側に放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層を持つ基材フィルムの反対側の面にも放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層を設け、反対側面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層の上に粘着剤層を設けてなる耐熱性表面保護テープ。
  8. 片面側の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層と反対側面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層の厚みの関係が、反対側面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層の厚みが片面側の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層の厚みと同じかまたはより厚いものであることを特徴とする請求項7に記載の耐熱性表面保護テープ。
  9. 片面側の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層及び反対側面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層の厚さが各々5〜75μmであり、且つ、片面側の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層と反対側面の放射線で硬化された放射線硬化型粘着剤層の厚みの合計が80μm以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の耐熱性表面保護用テープ。
  10. 前記粘着剤層が放射線硬化型粘着剤層であることを特徴とする請求項7〜9項のいずれか1項に記載の耐熱性表面保護テープ。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の耐熱性表面保護テープを、半導体ウェハの回路パターン面に粘着剤層が貼合面となるように貼合する工程、半導体ウェハの厚さが所定の厚さになるまで半導体ウェハの回路パターンの無い面側を研削する工程、該耐熱性表面保護テープの貼合された面を下側にして加熱用台に載せる工程およびその載せた状態で研削した回路パターンの無い面側にダイボンドシートを貼合する工程をこの順序で有することを特徴とする半導体ウェハの加工方法。
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