JP4413551B2 - 半導体ウエハ面保護用粘着テープ - Google Patents

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本発明は、ICカードやスマートカード等に適用される半導体ウエハの薄膜化研削加工における、半導体ウエハの薄膜化研削および薄膜化したウエハの搬送等に用いる半導体ウエハ面保護用粘着テープに関するものである。
半導体ウエハとしては、シリコンおよびガリウム−砒素等の化合物半導体が一般的に良く知られており、なかでもシリコンが多用されている。このシリコンウエハは、単結晶引き上げ法によって得られた高純度シリコンのインゴットから500〜1000μm程度の厚さにスライスされ製造されている。このように製造されたシリコンウエハを、種々の方法により加工することで多数の集積回路パターンがウエハ上に形成される。次いで、この回路パターンが形成されたウエハは、各種デバイスに適応した或いは各種実装方式に適応したパッケージに封止されるに当たり、先ず所定の厚さに薄くする為、ウエハ裏面をバックサイドグラインダーと呼ばれる装置により研削加工し薄膜化する。更には、必要に応じて研削加工時の破砕層など研削歪を除去する目的で、ケミカルエッチング、CMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)等に代表されるストレスリリーフ処理を行う場合もある。
その際、研削加工およびストレスリリーフ処理における研削ダスト或いはケミカルによる汚染から防ぐことおよび研削加工時の衝撃によりウエハ自体の破損を防ぐことを目的に、回路パターンが形成された半導体ウエハの表面に保護用粘着テープを貼り合わせる。ウエハ裏面の研削加工終了後は、当該ウエハ表面に貼り合わされた保護用粘着テープを、紫外線硬化型粘着テープの場合は予め紫外線照射を行った後に、それ以外の保護用粘着テープは特別な後処理を行なわず、剥離してウエハカセットに収納し、ダイシング工程に搬送される。
ところで、これら従来のウエハ裏面研削加工方式では、裏面研削後のウエハ厚さが300μm以上と厚い場合には、当該ウエハの研削加工によるウエハ自体の反り或いは撓みが生じ難い。そのため、研削加工後のウエハは研削加工を施さないウエハ同様に平坦な形状のウエハであることから、研削加工後のウエハ形状のまま次工程への搬送ができると共にこれをウエハカセットに収納することも可能であった。
一方、近年のモバイル機器への実装用途拡大に伴い、スタック型CSP(チップ・サイズ・パッケージ)に代表される様な、三次元高密度実装型パッケージが急速に普及している。これに応じてチップ面積とパッケージ投影面積の同一化とパッケージ厚さの薄膜化に伴い、実装されるチップ自体の薄膜化、即ち半導体ウエハ自体の厚さを、25〜100μmと極端に薄くしなければならなくなった。しかし、この様に薄膜化したウエハは、そのままでは研削加工後に、研削加工前の平坦な形状を保持することが難しい。すなわち、研削加工後に著しい反り・撓みが発生し、所謂ポテトチップ形状にウエハの端部が反り上がる等の変形が発生し易くなる。このような変形により、次工程へウエハを搬送する為の吸着アームでの真空吸着エラーが生じ易い、また、ウエハカセットへの収納時ウエハが撓んでいるので収納自体ができないなどの問題が発生していた。
さらに、バンプの形成が形成され、その凹凸が100μm以上になることがある半導体ウエハの裏面を研削しようとする場合は、凹凸部分に応力が集中し、ウエハがいっそう破損しやすい。
そこで、特許文献1には半導体ウエハ表面に加熱して貼り付け、半導体ウエハを保持保護するためのホットメルトシートを用いる方法が開示されている。この方法によると、加熱手段によってホットメルト層を流動させることに伴って半導体ウエハのパターン面に貼り付けることができ、流動したホットメルト材がパターン面の凹凸の隅々にまで追従して行き渡るので、凹凸が大きくてもその段差をよく吸収し表面形状に追従できるとある。
また、特許文献2には、粘着層として、基材フィルム側から放射線硬化性の第一粘着層、次いで第一粘着層上に非放射線硬化性の第二粘着層が積層されていることを特徴とする半導体ウエハ加工用保護シートが開示されている。
特開2000−038556号公報 特開2002−201442号公報
しかしながら、特許文献1記載のものでは、加熱手段によってホットメルト層を流動させることにより、半導体ウエハのパターン面にシートを貼り付ける際、メルト層が完全に溶融し流動するまで時間がかかり、また、流動したホットメルト材がパターン面の凹凸部の隅々にまで追従して行き渡るまで時間がかかるという問題があった。そのため、スループットが大幅に低下する。また、常温でのメルト材の弾性率がそれほど高くないため半導体ウエハが薄い場合には搬送時にメルト材がウエハの応力に負け、ウエハの反り・撓みなどが発生するという問題があった。
また、特許文献2の半導体ウエハ加工用保護シートでは工程の途中で紫外線照射という追加工程を入れ、シートを硬化させなければならないため、やはりスループットの低下につながるという問題があった。
本発明は、集積回路及びバンプ等により表面段差の大きい半導体ウエハに対する良好な研削性を維持するとともに、薄膜化したウエハの形状保持および搬送が可能であり、なおかつ薄膜研削後のウエハを破損することなくテープが剥離できる、半導体ウエハ薄膜化研削加工時の表面保護用粘着テープを提供することを目的とする。
本発明に係る半導体ウエハ面保護用粘着テープは、請求項1、請求項2及び請求項3の発明からなる。
請求項1の半導体ウエハ面保護用粘着テープは、基材フィルムと粘着剤層を有する半導体ウエハ面保護用粘着テープにおいて、前記基材フィルムと前記粘着剤層の間に中間層を有し、前記中間層の50℃での貯蔵弾性率が3.0×10 [Pa]以下で、23℃での貯蔵弾性率が2.0×10 [Pa]以上であり、前記中間層の材料は第一次溶融転移温度が室温(23℃)よりも高い側鎖結晶性ポリマーを有することを特徴とする。
請求項2の半導体ウエハ面保護用粘着テープは、前記側鎖結晶性ポリマーが、炭素数10以上の直鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エステルを主成分とするポリマーであることを特徴とする。
請求項3の半導体ウエハ面保護用粘着テープは、前記中間層が軟化を始める温度が、30〜100℃であることを特徴とする。
本発明は以下のような効果がある。
まず、請求項1の半導体ウエハ面保護用粘着テープは、中間層の50℃(軟化時)の貯蔵弾性率が適切に低く設定されているため、中間層が、半導体ウエハ面の凹凸に追従しやすく、また、薄膜化した半導体ウエハを半導体ウエハ面保護用粘着テープから剥がしやすい。さらに、中間層の23℃(硬化時)の貯蔵弾性率が適切に高く設定されているため、薄膜化した半導体ウエハの保持においても、ウエハの反り・撓みなどが発生しにくい。また、中間層の材料の第一次溶融転移温度、すなわち硬化する温度が室温(23℃)よりも低い。そのため、中間層を軟化させるときにのみ、熱を加えるだけで済むようになり、スループットが向上する。
そして、請求項3の半導体ウエハ面保護用粘着テープは、中間層が軟化を始める温度が、30〜100℃である。そのため、中間層を軟化させるときにのみ、熱を加えるだけで済むようになり、スループットが向上する
本発明に係る半導体ウエハ面保護用粘着テープは、図1に示すように基材フィルム1上に粘着剤層3を有し、基材フィルム1と粘着剤層3の間に中間層2が形成されている。なお、中間層2の層数は一層に限らず、図2のように複数層あっても良い。図2の保護用粘着テープにおいては、基材フィルム1で挟まれた中間層2を複数有する。
中間層2は、加熱或いは冷却と言った温度差を与えることにより、可逆的に硬度が変化する、すなわち柔軟に軟化した状態から薄膜化したウエハ形状を平坦に保持し得る硬度に硬化する性質を有する。また、その変化は即時的に行なわれる。
ここで、軟化した状態の中間層2は、その状態において、粘着剤層3に貼り付けられた半導体ウエハに形成されたバンプの凹凸に追従しうる程度に低い貯蔵弾性率を持たなければならない。この値は3.0×105[Pa]以下であることが好ましい。これにより、薄膜化した半導体ウエハを半導体ウエハ面保護用粘着テープから剥がしやすくもなる。なお、軟化した状態の中間層2は軟らかければ軟らかいほどバンプに追従しやすくベターになるので、貯蔵弾性率は上記値よりもいくら低くても良い。
また、硬化した状態の中間層2は、その状態において、粘着剤層3に貼り付けられ薄膜化された半導体ウエハの応力により半導体ウエハ面保護用粘着テープが変形しない程度に高い貯蔵弾性率を持たなければならない。この値は2.0×106[Pa]以上であることが好ましい。なお、硬化した状態の中間層2は硬ければ硬いほど薄膜化された半導体ウエハの応力に対抗することができベターになるので、貯蔵弾性率は上記値よりもいくら高くても良い。
中間層2の厚さは、設定された貯蔵弾性率の兼ね合いにもよるが、軟化したときにバンプの凹凸を平坦に埋めることができ、また、硬化したときに、粘着剤層3に貼り付けられ、薄膜化された半導体ウエハの応力に対抗しうる程度の厚さが必要である。例えば、30〜200μm程度が好ましい。
また、硬化した中間層2が軟化を始める温度は室温以上であることが望ましい。これにより、中間層2を軟化させるときにのみ、熱を加えるだけで済むようになりスループットが向上する。なお、軟化を始める温度はこれに限られることはなく、半導体ウエハ面保護用粘着テープの使用態様により異なってくるが、好ましくは30〜100℃の範囲であり、より好ましくは40〜60℃である。
以上の条件を満たす中間層2の具体的な材料として、第一次溶融転移温度が少なくとも室温よりも高い側鎖結晶性のポリマーを含有してなることが好ましい。なお、第一次溶融転移温度とは、加熱前は秩序ある序列に配合されて硬化しているポリマーが加熱されることによって、無秩序になり軟化する状態になる温度をいう。
本発明の保護用粘着テープに於ける基材フィルム1には、通常プラスチック、ゴム等が好ましく用いられる。さらに、基材フィルム1については、粘着剤層3に放射線硬化型の粘着剤を使用する場合には、放射線透過性のものを、紫外線照射によって硬化させる場合は、光透過性の良いものを選択する。この様な基材フィルム1としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー等のα−オレフィンの単独重合体または共重合体、或いはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテン−もしくはペンテン系共重合体等の熱可塑性エラストマー等があげられ、基材フィルム1の要求特性に応じて任意に選ぶことができる。
これらの基材フィルム1は、従来公知の押出し法を用いて製造できるが、種々の樹脂を積層して得られる基材フィルム1の場合には、共押出し法、ラミネート法などで製造され、この際通常のラミネートフィルムの製法に於いて普通に行われている様に、樹脂と樹脂の間に接着層を設けても良い。この様な基材フィルム1の厚さは、強・伸度特性、放射線透過性の観点から30〜200μmが適当である。また、これらの基材フィルムの熱収縮率は少ないほどよく、好ましくはMD・TD方向とも5%以下である。
中間層2上の粘着剤層3としては、薄膜化研削加工終了後のウエハから保護用粘着テープを剥離する際に、当該ウエハへの破損やウエハ表面への粘着剤残留による汚染などの不具合を生じないものであれば、特に制限は無いが、放射線、好ましくは紫外線硬化により粘着剤が三次元網状化を呈し、粘着力が低下すると共に剥離した後のウエハ表面に粘着剤などの残留物が生じ難い、紫外線硬化型の粘着剤を使用するのが好ましい。この様な紫外線硬化型粘着剤としては、所望の紫外線硬化性を示す限り特に制限は無いが、例えば、2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体から成るアクリル系粘着剤100重量部に対して、紫外線硬化性の炭素−炭素二重結合を有する(メタ)アクリレート化合物5〜200重量部とを含有し、光開始剤および光増感剤、その他従来公知の粘着付与剤、軟化剤、酸化防止剤、等を配合してなる組成をあげることができる。
粘着剤層3の厚さは、中間層2のパターン面への密着性を妨げず、また研削時のダストや研削水などの浸入が発生しないものであれば特に制限はないが、通常5〜100μmが適当である。
本発明に係る半導体ウエハ面保護用粘着テープを用いてICカードやスマートカード等に適用される半導体用ウエハを薄膜化研削加工する場合は、例えば次の工程からなる。
(a)ウエハの裏面研削前に、予めウエハの回路パターン表面に保護用粘着テープを室温(23℃)より高い温度に加熱しながら貼合し、ウエハの段差形状に密着させ、中間層を軟化させて前記半導体ウエハ面の凹凸に追従させて、当該保護用粘着テープをウエハ形状に沿って倣い切りする工程
(b)ウエハを裏面研削により薄膜化する工程
(c)ウエハの裏面研削終了後に研削装置のチャックテーブルからウエハを取り出す前に、当該保護用粘着テープの中間層を研削時の発熱による加熱状態から当該保護用粘着テープを室温(23℃)になるまで冷却することで中間層がウエハの形状を平坦に保持し得る硬度に硬化する工程
(d)当該保護用粘着テープに貼り合わせたままの状態でウエハを搬送する工程
(e)保護用粘着テープを加熱して中間層を軟化させて、ウエハの剥離を行う工程。
本発明に係る半導体ウエハ面保護用粘着テープを用いて、上記(a)〜(e)の工程に対応する、半導体ウエハ表面への保護用粘着テープへの貼合せ、ウエハの裏面研削加工、運搬、保護用粘着テープからの剥離を行う場合は、貼合時には中間層を十分に軟化させることができるので、半導体ウエハの表面段差に十分追従させることができ、また、運搬時には、保護用粘着テープを硬化させることができるので、ウエハの研削加工後のウエハの剛性が低下した場合であっても、その反りを防止することができる。
その利点と共に、半導体ウエハをウエハ面保護用粘着テープからの剥離を行うときは中間層を再び軟化させることができるので、既存の保護用粘着テープ剥離装置にてウエハを吸着した状態で保護用粘着テープを180度方向に屈曲させた状態で剥離することができる。
また、本発明に係る半導体ウエハ面保護用粘着テープは、基材フィルムと粘着剤層の間の中間層が半導体ウエハ面の凹凸に追従するように軟化する変化と、半導体ウエハ形状を保持しうる硬度にまで硬化する変化が即時的であるため、スループットの低下を防ぐことができる。また、その変化が可逆的であるため、半導体ウエハ形状を保持しうる硬度にまで一旦硬化した中間層を再び軟化させることができる。そのため、薄膜化した半導体ウエハを保持、搬送後、当該半導体ウエハを半導体ウエハ面保護用粘着テープから剥がしやすい。
以下に本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1のような、基材フィルム1として、厚さ100μmのエチレン酢酸ビニル共重合体のフィルム上に、中間層2として厚さ100μmの約50℃に第一次溶融転移温度(第一次溶融転移温度:加熱前は秩序ある序列に配列に整合されているポリマーの特定の部分が加熱されることによって無秩序な状態となる温度)を有する側鎖結晶性のポリマーから成る樹脂層(炭素数10以上の直鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エステルを主成分とするポリマー)を塗布したのち、これに粘着剤層3として、厚さ20μmの紫外線硬化性の粘着剤を塗布し、保護用粘着テープを調製した。なお、この中間層2に用いた樹脂層の硬度は、常温(23℃)で2.0×107[Pa]、軟化後(50℃)で3.2×104[Pa]であった。
試験方法として、この保護用粘着テープを回路パターンの形成された直径8インチ、段差形状が100μmの半導体ウエハ表面に、既存の保護用粘着テープ貼合装置(日東電工社製 DR8500II)を用いて50℃に加熱し中間層2を軟化させた状態で貼合せ、貼合状態の良否を確認した。また、光学顕微鏡を使用して、表面段差への密着性を評価した。
次いで、バックサイドグラインダー(ディスコ社製 DFG850)を使用してウエハ裏面側を研削することにより、当該ウエハ厚さを50μmに仕上げ、その後、バックサイドグラインダーのウエハ吸着固定ステージ上に於いて第一時溶融転移温度以下となる室温(23℃)まで冷却し、中間層2を薄膜化したウエハ形状を保持し得る硬度に硬化させた後、研削性の良否と次工程への搬送性としてウエハカセットへの収納可否とウエハの破損有無を確認した。更に、既存の保護用テープ剥離装置(日東電工社製 HR8500II)を用いて、貼着した保護用粘着テープに紫外線を500mJ/cm2照射した後、50℃に加熱し中間層2を軟化させた状態で薄膜化したウエハから保護用粘着テープを剥離し、その剥離性として剥離のし易さおよび薄膜化したウエハの破損などの有無を試験した。なお、中間層2として、約50℃に第一次溶融転移温度を有する側鎖結晶性のポリマーであって炭素数10以上の直鎖状アルキル基を側鎖とするメタ−アクリル酸エステルを主成分とするポリマーを用いたこと以外は上記と同様の試験を行ったところ、同様の結果が得られた。
図1のような、基材フィルム1として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、中間層2として約50℃に第一次溶融転移温度を有する側鎖結晶性のポリマーから成る実施例1と同様の樹脂層を150μmの厚さに塗布し、粘着剤層3として厚さ20μmの2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体から成るアクリル系粘着剤を塗布し、保護用粘着テープを調製した。この保護用粘着テープを実施例1と同様に半導体ウエハ表面に貼合したのち、実施例1と同様に段差形状密着性、研削性および薄膜研削加工処理後のウエハ搬送性と剥離性を試験した。
(比較例1)
実施例1に於いて、中間層2として融点65℃、厚さ100μmのエチレン−アクリル酸エチル共重合体フィルム(EEA)を貼着し、粘着剤層3として厚さ20μmの紫外線硬化性の粘着剤を塗布し、保護用粘着テープを調製した。これについて、ウエハ貼合時の加熱温度を70℃にした以外は実施例1と同様の試験を行った。
(比較例2)
実施例1に於いて、中間層2として側鎖結晶性のポリマーから成る樹脂層の代わりに2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとの共重合体から成るアクリル系粘着剤(貯蔵弾性率は常温(23℃)で1.8×104[Pa]、50℃で9.1×10[Pa]であった。)を用いた以外は、実施例1と同様の保護用粘着テープを調製し、上記と同様の試験を行った。
(比較例3)
実施例1に於いて、中間層2として約50℃に第一次溶融転移温度を有し、常温(23℃)の貯蔵弾性率が1.1×107[Pa]、軟化後(50℃)の貯蔵弾性率が8.4×105[Pa]である、側鎖結晶性のポリマーから成る樹脂層を用いた以外は実施例1と同様の保護用粘着テープを調製し、上記と同様の試験を行った。
なお、以下の各試験の評価基準は次の通りである。
(1)段差形状密着性
○: 段差形状に隙間なく密着している。
×: 段差との間に隙間があり、密着していない。
(2)50μm薄膜研削性
○: ウエハの破損及びマイクロクラックの発生が無い。
×: ウエハの破損或いはマイクロクラックの発生が有る。
(3)研削後ウエハ裏面状態
○: 平滑でディンプルの発生がない。
×: ディンプルの発生あり。
(4)ウエハカセット収納性
○: 良好に収納ができ、且つ上下段のウエハに接触しない。
×: 良好に収納ができない、或いは収納後ウエハの撓みにより
上下段のウエハに接触する。
(5)既存剥離装置適合性
○: ウエハにダメージ無く剥離ができる。
×: ウエハからの剥離ができない、或いは剥離後のウエハにダメ
ージあり。
上記の実施例・比較例における試験結果を下記表1に示した。
Figure 0004413551
上記表1の比較例1では中間層2として使用したEEAフィルムが溶融するまでの時間が長いため、通常の条件で貼合を行った場合、樹脂が完全に溶融する前に貼合する状態となってしまい、表面段差への密着性は不充分であった。比較例2では、中間層2の代わりに通常の粘着剤を適用した場合、テープの表面段差への密着性は十分であったが、テープが柔らかいため裏面研削によって薄膜化した後のウエハ保持性が不充分であり、ウエハの撓みにより下段のウエハに接触してしまった。比較例3については、加熱により軟化した後の中間層2の弾性率が高いため、やはり表面段差への密着性は不充分であった。また、剥離の際に、薄膜化したウエハの破損が生じた。
これに対し、本発明の方法による実施例1及び実施例2では、段差形状密着性、薄膜研削性、裏面状態、ウエハカセット収納性、既存剥離装置適合性のいずれも良好であり、薄膜化半導体ウエハの製造が効率的に実現できた。
本発明に係る半導体ウエハ面保護用粘着テープの断面図である。 本発明に係る半導体ウエハ面保護用粘着テープの断面図である。
符号の説明
1 基材フィルム
2 中間層
3 粘着剤層

Claims (3)

  1. 基材フィルムと粘着剤層を有する半導体ウエハ面保護用粘着テープにおいて、
    前記基材フィルムと前記粘着剤層の間に中間層を有し、
    前記中間層の50℃での貯蔵弾性率が3.0×10 [Pa]以下で、23℃での貯蔵弾性率が2.0×10 [Pa]以上であり、
    前記中間層の材料は第一次溶融転移温度が室温(23℃)よりも高い側鎖結晶性ポリマーを有することを特徴とする半導体ウエハ面保護用粘着テープ。
  2. 前記側鎖結晶性ポリマーが、炭素数10以上の直鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エステルを主成分とするポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハ面保護用粘着テープ。
  3. 前記中間層が軟化を始める温度が、30〜100℃であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体ウエハ面保護用粘着テープ。
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