JP2007145382A - バルク包装方法及びバルク包装に使用する外装用布 - Google Patents

バルク包装方法及びバルク包装に使用する外装用布 Download PDF

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Abstract

【課題】使用済みのフィルムの発生、フィルムの通気性の悪さによる壜の外周面の悪化、結露によるカビ発生、パネル状包装用板の在庫処理に手間がかかるなどの課題を解決した多段積みバルク包装方法を提供する。
【解決手段】パレットと、その上に壜または液体中実缶からなる積載物がセパレータ板を段間に挿入しながら複数段に積載され、該積載物の最上段の上には一枚の板が載せられた積載物を、伸縮が自在で且つ通気性がある外装用布によって、パレットの一部を含むように、且つパレット最上段の上の板が部分的に覆われるように且つ、積載物全体が覆われるように張設し、全体的に緊張状態を保つように包囲したバルク包装方法。および通気性布の中腹から上方において、積載物の上段を周方向に緊張させる、緊張帯を設けるとともに、該緊張帯より下方において1本の開閉ファスナーを設けたことを特徴とするバルク包装方法に使用する外装用布。
【選択図】 図1

Description

本発明はパレット上に多段積みした積載物に対する包装方法、ならびにその方法に用いる外装用布に関する。特に、対象とする積載物が空壜または液体状の内容物が封入済になっている壜(以下液体中実壜と呼ぶ)などを対象とし、これら多段積みの積載物が荷崩れせず、且つ輸送時または搬入時における寒暖差による結露防止または結露で生じた湿気を外気に逃がすことができ、積載する商品の商品価値を最終的に失い難くすることを目的としている。
現状において、この種の多段積みのバルク包装方法は、積載物に対してストレッチフィルムまたはシュリンクフィルムなどを巻き、最終的に荷崩れし難い状態まで締付け加工がなされ、さらにそのフィルムが破けないように、段ボール等で形成されたパネル状の包装用板で囲うことによって、バルク包装がなされていた。
特開昭51-52074号公開公報
ところで、以上の様な多段積み用のバルク包装では、
a…使用済みのフィルムが発生すること、
b…フィルムの通気性の悪さによって、積載物の結露が逃げずに、内容物の外周の湿度が著しく高くなり、内容物の外皮に塗っている割れ防止用の塗布剤(主として界面活性材)が想定外の湿度を含むことにより、割れ防止機能が働かなくなり、壜同士の摩擦が大きくなり、カスレや、割れを起こしやすくなること、
c…上記結露が逃げずに積載物のフィルム内部で湿気が回り、最終的に外装を不良にしたり、カビなどの発生による品質悪化をまねくこと、
d…上述の通り段ボール等で形成されたパネル状の包装用板で囲うことがフィルムを保護するためにも、必要とされている。また、多段積み包装では通常パレット幅よりも高く積み上げられることが多々あり、そのパレットの段数の違いに適合するだけの種類の比較的硬質素材からなるパネルを多種揃える必要があること、
e…上記パネルは搬送後において、横積みで倉庫に置かれ、その横幅は通常のパレットよりも長いために、特殊なパレットを用意しなければならないこと、
f…上記パネルは倉庫において、通常のパレット幅よりも大きな場所を占めて、スペースファクタを著しく悪化させていたこと、
g…フィルム包装とパネル包装の複数の包装が必要となり、包装の素材コストならびに工数が増えることによるコストがかかり、最終的に搬送コストを押し上げていること、
以上a〜gの課題が存在していた。
本発明では、以上のような課題を解決したパレット上に多段積みした積載物に対する、バルク包装の方法、ならびにその方法に用いる外装用布に関する。
上記の課題を解決するために、請求項1で定義されるバルク包装方法は、パレットと、該パレット上に壜または液体中実缶からなる積載物がセパレータ板を段間に挿入しながら複数段に積載され、該積載物の最上段の上には少なくとも一枚の板が載せられた積載物を、伸縮が自在で且つ通気性がある外装用布によって、少なくともパレットの一部を含むように、且つパレット最上段の上の板が少なくとも部分的に覆われるように且つ、積載物全体が覆われるように張設し、全体的に緊張状態を保つように包囲したことを特徴とするものである。
上記の課題を解決するために、請求項2で定義されるバルク包装方法に使用する外装用布は、請求項1の特徴に加えて上記通気性布の中腹から上方において、積載物の上段を周方向に緊張させる、緊張帯を設けるとともに、該緊張帯より下方において少なくとも1本の開閉ファスナーを設けたことを特徴とするものである。
さらに、上記の課題を解決するために、請求項3で定義されるバルク包装方法に使用する外装用布は、請求項1の特徴に加えて上記通気性布の最上部において、周方向に緊張の程度を可変できる緊張可変帯を設け、該積載物の段数違いによって、上下方向に余る布を該、緊張可変帯による緊張可変を行うことによって、該通気性布の下端がパレットの上部で止まるように包囲できるようにしたことを特徴とするものである。
請求項1で定義される本発明の効果は、
a…同一目的のバルク包装で発生していた使用済みのフィルムが発生しない。
b…外装用布によって積載物のほぼ全面が通気性布によって包囲されるために、通気性が格段に優れ、万が一積載物が結露した場合でも速やかに湿気が外に逃げ、例えば、内容物の外皮に塗っている割れ防止用の塗布剤も想定される湿度の範囲内に保つことができ、従って、割れ防止機能も失わず、壜同士の摩擦によるカスレや、割れを起こすこともない。
c…外装用布によって積載物のほぼ全面が通気性布によって包囲されるために、通気性が格段に優れ、上記結露が万一発生しても速やかに湿気が逃げるために、従来のように積載物の周囲で湿気が回り、結果として外装不良、カビ発生等による、といった品質悪化をもたらす問題が解消される。
d…従来の段ボール等で形成されたパネル状の包装用板で囲うことは、フィルムを保護するために必要とされていたが、本発明の場合には外装用布だけで、従来の上記パネル状の包装用板およびフィルムの双方の働きを満たすために、該パネル状の包装用板も不要となり、結果として通常のパレット幅よりも長い、扱い難いパネル状の包装用板が無くなる。本発明においても、従来と変わらぬ高さまで積み上げられた積載物を覆うことが可能であるが、伸縮性のある布を利用しているために、小さく形状を変えてしまうことが可能となり、結果として、従来の上記問題が解消される。
e…上記の通り包装用板が不要となったため、特殊なサイズのパレットに横積みとしていた上記包装用板が不要となるため、保存用スペースが空くことになり、倉庫のスペースファクタを改善することができる。
f…従来では、フィルム包装とパネル包装の複数の包装が必要であり、包装の素材コストを押し上げ、工数も多く必要としていたが、本発明のパレット上に多段積みした積載物に対する方法、ならびにその方法に用いる外装用布では、フィルムならびに外装用のパネルの双方をかねて1枚の布で包装が完成し、かつ布性の包装はまるめて保存、輸送、および管理ができるために、保存コストも低減できるようになった。
請求項2で定義される本発明の効果は、
積載物の上段を周方向に緊張させる、緊張帯によって、比較的荷崩れがしやすい上段の引き締めを行うことができ、該緊張帯より下側の開閉ファスナーを設けたことにより、包装作業に費やす時間を短縮することが可能となった。
請求項3で定義される本発明の効果は、
外装用布の最上部において、周方向に緊張の程度を可変できる緊張可変帯を設け、該積載物の段数違いによって、上下方向に余る布を該緊張可変帯による緊張可変を行うことによって、該通気性布の下端がパレットの上部で止まるように包囲できるようにした。従って、従来のように段数違いに応じた包装用板を複数種類用意する必要がなく、単一種類で様々な高さの積載物の外装を包装処理することが可能となった。
以下、添付図面に示した一実施例を参照しながら本発明に係る多段積みした積載物に対する包装方法、ならびにその方法に用いる外装用布を説明する。
図1は、多段積みした積載物の一例と、その積載物を包むべき外装用布の、包む前の状態ならびに包装後の状態を表す斜視図である。
図中において、1aは包装前の状態の外装用布、2は積載物全体、1bは包装後の状態の外装用布であり、積載物は説明のために省略している。なお、2aは積載物の頂部に載せる押さえ蓋であり、3はパレット、4は積載物の一例である空壜、5はセパレータである。なお、1bは緊張状態の外装用布である。
まず、積載物の一例を説明すると、パレット3に対して、空壜4が整然と隙間なく配列され、その上にセパレータ5が載る、この繰り返しにより、数段から十数段の壜が積載される。また最上部には、セパレータ5に加えて、押さえ蓋2aが載置される。この押さえ蓋はセパレータ5に比較して同一サイズ以下とすることができる。
一方、上記に示した積載物を包装するための外装用布は、同1図において、包装前の状態として図示している。この外装用布1aは、図示した通り、まだ、緊張された状態でないために、外装用布の外形的特徴が分かりやすい状態にある。即ち、1cは緊張帯、1dは開閉ファスナー、1eは緊張可変帯である。
緊張帯1cは、外装用布に対して周方向に伸縮する素材を縫いつけて構成したものであり、開閉ファスナー1dは、上方で常時閉じ、下端で開閉するように構成した開閉ファスナーである。該開閉ファスナーが開いた状態において、外装用布の下方に向かってスカート状に広くなり、対象とする積載物2に対して覆うことをたやすくする。なお、別の実施の考えとして該開閉ファスナーを使用せずとも外装用布の伸縮の程度と対象とする積載物の大きさを限定することで、請求項1の発明を達成することはできる。しかしながら、包装時における作業者の体力を相当必要とするために、最善の実施例としては該開閉ファスナーが必要である。緊張可変帯1eは、外装用布の上端の開口1fの縁部に設けられたもので、巾着式による緊張可変帯とすることができる(図4参照)、あるいは、伸縮する素材を縫いつけて可変帯とすること等、複数の形態が取り得る。 図2は、図1をそのまま下方から見た状態を示している。
図3は、包装後の状態の外装用布であり、同図では積載物が入った状態を示している。また、開閉ファスナーの上側ならびに下側の部分拡大図を同図の下側に図示した。
図4は、10段積みの積載物を外装用布1bで包んだ状態を示す斜視図である。高さが短くなったために、図3に比較すると、開閉ファスナーの上側の状態に変化が見られる。すなわち、頂部のエリアに開閉ファスナーが届いている。さらに、上端の開口部1fが小さくなるように、形態を変化させている。この形態変化は、同4図の下側に部分拡大(点線で囲われた図面)で示した巾着構造の紐1gを引くことにより得ている。なお、この紐1gは、ゴムなどの伸縮性のある紐状部材とすることもできる。
図5は、空壜4から成る積載物が見える程度に外装用布1aを部分的に破断した様子を示している。
以上に説明してきた外装用布は、通気性に優れていることが必須の特性としているが、好ましくは、吸湿性を備え、吸湿後においても重くならずかつ湿気の放出が速やかに行われる生地、例えば80重量%以上のポリエステルの糸にて作られていることが好ましい。また、伸縮性を十分に得るために、三段スムス、さらに好ましくは上記生地に対して丸編み機で編みたてた、四段のスムス編み構造とすることが好ましい。このポリエステルによる編み込み生地は耐光性、耐摩擦に強く、堅牢度に勝るもので、本発明の生地として望ましい特性を備えている。また、積載物の引き締め効果を高め且つ裾位置のずれが少なくなるように、縦方向の伸縮能力に対して、横方向の伸縮能力を高めるように、生地の性質(編み込み方)を決定することが好ましい。
これら、構造的な特徴に加えて、加えて、防カビ処理ならびに抗菌処理がなされていることが望ましい。さらに、積載物への紫外線に関する配慮として、十分な紫外線吸収能力を得られる、暗調の色目とすることが好ましい。
上述の実施例においては、積載物を空壜を主体として説明してきたが、液体の内容物が封入される液体中実壜からなる積載物を対象とすることが可能であり、その場合空壜よりも、さらに寒暖の変化に対して、結露が生じる可能性が高くなる点において、利用価値が高まるものである。
多段積みした積載物の一例と、その積載物を包むべき外装用布の、包む前の状態ならびに包装後の状態を表す斜視図。 図1をそのまま下方から見た状態を示す斜視図。 包装後の状態の外装用布を示す斜視図であり、下側には開閉ファスナーの部分拡大図を描いた。 10段積みの積載物を外装用布1bで包んだ状態を示す斜視図であり、下側には巾着構造の拡大図を描いた。 空壜4から成る積載物が見える程度に外装用布1aを部分的に破断した様子を示した部分断面斜視図。

Claims (3)

  1. パレットと、該パレット上に空壜または液体中実壜からなる積載物がセパレータ板を段間に挿入しながら複数段に積載され、該積載物の最上段の上には少なくとも一枚の板が載せられた積載物を、伸縮が自在で且つ通気性がある外装用布によって、少なくともパレットの一部を含むように、且つパレット最上段の上の板が少なくとも部分的に覆われるように且つ、積載物全体が覆われるように張設し、全体的に緊張状態を保つように包囲したことを特徴とする、バルク包装方法。
  2. 上記通気性布の中腹から上方において、積載物の上段を周方向に緊張させる、緊張帯を設けるとともに、該緊張帯より下方において少なくとも1本の開閉ファスナーを設けたことを特徴とする、請求項1に記載のバルク包装方法に使用する外装用布。
  3. 上記通気性布の最上部において、開口部の大きさを可変できるようにした、開口部可変帯を設け、該積載物の段数違いによって、上下方向に余る布を該開口部可変帯の形状を可変させることによって、該最上部で調節させることにより、該通気性布の下端がパレットの上部で納まるように包装可能とした、請求項1に記載のバルク包装に使用する外装用布。
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