JP2007145060A - インホイールモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車輪(1)とともに回転する環状のロータ(42)と、当該ロータの内周側に配設され車体側に固定されているステータ(22)とから構成されるインホイールモータにおいて、ステータの車幅方向外側端に、半径方向外側に突出し表面にメタル軸受け用のコーティングを施したコーティング部(26)が形成された突出部(22a)を設ける。
【選択図】図3
Description
当該インホイールモータは種々の構造のものがあり、その1つとして、車体の非回転部に固定された環状のステータと、該ステータの外周側に配設され車輪と連結された環状のロータとから構成された所謂アウターロータ型のインホイールモータが開発されている(特許文献1参照)。
特にアウターロータ型のインホイールモータは支持部分から比較的離れた位置にロータ及びステータが配設されるため支持部で生じたガタによるロータの変位は大きなものとなる。このようにロータの変位が大きい場合には、ステータとロータとが接触しロータ及びステータを損傷するという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、
ステータに対するロータの変位や振動を抑制し性能の悪化を防止することのできるインホイールモータを提供することにある。
請求項2のインホイールモータでは、請求項1において、前記当て止め部は少なくとも前記ロータ及びステータのいずれか一方に全周に亘り設けられていることを特徴としている。
請求項4のインホイールモータでは、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記ステータまたは前記ロータの一端部分及び該ステータまたは該ロータの他端部分には、該ステータと該ロータとによって形成される隙間の開口をシールする一対のシール部材が設けられており、前記当て止め部は、前記ステータと前記ロータとによって形成されるとともに前記一対のシール部材によって開口をシールされる隙間内に設けられていることを特徴としている。
このように、ロータの変位や振動を抑制し、インホイールモータの性能の悪化を防止することができる。
請求項3のインホイールモータによれば、当て止め部がロータまたはステータと接触する際の食いつきを防止することができるとともに、車輪の回転に対しての抵抗の増加を低減させることができる。
図1には本発明に係るインホイールモータの分解斜視図が、図2には本発明に係るインホイールモータの断面図が示されており、図3には図2の要部拡大図が示されている。
車輪1は車両に設けられている4輪の内の1つであり、内部にインホイールモータ2が設けられている。なお、他の車輪についてもほぼ同様の構成を有している。
ナックル4は車両のサスペンションを構成するストラット6の下端とロアアーム8の外端との間に連結されている。また、ナックル4にはナックル孔4aが穿設されており、当該ナックル孔4aにハブユニット10が配設されている。
ハブユニット10は略筒状のアウタハブ12とインナハブ14との間に球状のベアリング16を複数個介装して構成されており、アウタハブ12に対してインナハブ14が回転自在に設けられている。
一方、インナハブ14はアウタハブ12よりも車幅方向外側に向けて延設されており、当該延設部分の外周にはフランジ状のハブ部14aが形成されている。当該ハブ部14aには車幅方向外側に突出した状態で複数のホイールボルト18が固定されている。ハブ部14aにはブレーキロータ30の中心部、及び略円盤状のロータブラケット40の中心部、車輪1の中心部が重ねられ、それぞれをホイールボルト18が貫通し当該ホイールボルト18の先端がナット19により締結されて固定されている。このようにインナハブ14のハブ部14aに車輪1、ブレーキロータ30、及びロータブラケット40が固定され、車体に対して回転自在に設けられている。なお、ロータブラケット40には複数の通気孔40aが周方向に列設されている。
また、車両はインホイールモータ2に加えて図示しないエンジンによっても車輪1を駆動可能であり、車両に搭載されたエンジンと連結されているドライブシャフト52の先端がインナハブ14のシャフト孔14b内に挿通されている。そして、車幅方向外側に突出したドライブシャフト52の先端のねじ部52aがナット54により締結されてインナハブ14とドライブシャフト52が連結されている。こうしてインホイールモータ2により車輪1が駆動されている時はエンジン側のクラッチ遮断によりドライブシャフト52の空転が許容され、エンジンによりドライブシャフト52が回転駆動されると、インナハブ14と共にブレーキロータ30、ロータブラケット40、及び車輪1が一体となって回転駆動される。
ステータ22の外周面の車幅方向中央部分には周方向に多数のコイル24が列設され、ロータ42の内周面の車幅方向中央部分には周方向に多数のマグネット44が列設されている。
車両の旋回時等に車輪1に横力が作用したとき、車輪1を支持しているハブユニット10のベアリング16の取付状態に応じて若干のガタが生じた場合、インナハブ14に固定されている車輪1及びロータブラケット40に当該ガタの分傾きが生じ、それに伴いロータブラケット40に固定されているロータ42の位置も変位する。
このように、ステータ22に対するロータ42の変位をステータ22の略全周に亘って形成された突出部22aによって当て止めし規制することで、ロータ42の傾きや、ステータ22とロータ42との位置関係を容易に一定の範囲内に保つことができる。
また、突出部22aのロータ42との接触面にメタル軸受け用のコーティングが施されたコーティング部26が形成されていることで、ロータ42との接触時における食いつきを防止することができるとともに、ロータの42の回転に対する抵抗の増加を抑制させることができる。
なお、ステータ22とロータ42とのいずれか一方に設けられステータ22とロータ42との他方に接触する一対のシール部材28,46は、ステータ22の突出部22aとロータ42の延出部42bとの間隔分の変位を許容することができるような構成となっている。
例えば、上記実施形態では、ステータ22の車幅方向外側端に突出部22aを形成して当て止め部としているが、当て止め部の位置はこれに限られるものではなく、ステータ22の車幅方向内側端や、ロータ42に形成してもよい。さらに、ステータ22とロータ42の両方に当て止め部を形成しても構わない。
また、上記実施形態では、インホイールモータ2に加えエンジンによっても車輪1を駆動可能な構成であるが、インホイールモータ2のみで車輪1を駆動する構成であっても構わない。
2 インホイールモータ
4 ナックル
10 ハブユニット
12 アウタハブ
14 インナハブ
16 ベアリング
20 ステータブラケット
22 ステータ
22a 突出部(当て止め部)
26 コーティング部
28、46 シール部材
30 ブレーキロータ
40 ロータブラケット
42 ロータ
42b 延出部
Claims (4)
- 車体に対してハブユニットを介して回転自在に支持された車輪と、
該車輪内に配設され、該車輪と同期回転するよう該車輪と連結された環状のロータと、
該ロータの内周側に所定の隙間を有して配設され、車体側の非回転部に固定された環状のステータとを備え、
少なくとも前記ロータ及び前記ステータのいずれか一方に、前記ステータに対して前記ロータが変位した場合に該変位を規制する当て止め部が形成されていることを特徴とするインホイールモータ。 - 前記当て止め部は少なくとも前記ロータ及びステータのいずれか一方に全周に亘り設けられていることを特徴とする請求項1記載のインホイールモータ。
- 前記当て止め部は、前記ロータまたは前記ステータと接触する部分に、メタル軸受け用のコーティングが施されていることを特徴とする請求項1または2記載のインホイールモータ。
- 前記ステータまたは前記ロータの一端部分及び該ステータまたは該ロータの他端部分には、該ステータと該ロータとによって形成される隙間の開口をシールする一対のシール部材が設けられており、
前記当て止め部は、前記ステータと前記ロータとによって形成されるとともに前記一対のシール部材によって開口をシールされる隙間内に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のインホイールモータ。
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