JP2007145059A - 車両の電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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賢二 森
Katsuji Kawai
勝児 河合
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Abstract

【課題】 電動パワーステアリング装置において、温度低下に伴う減速機構内のバックラッシュの不適切な変化を、簡単かつ安価に解消する。
【解決手段】 ECU40は、イグニッションスイッチの投入後に、電動モータ20の温度を測定することにより、減速機構30部分の温度を検出する。そして、検出温度が所定温度よりも低いとき、操舵ハンドル11を回転させないように、短い周期の正負の電流で電動モータ20のコイルを通電して、電動モータ20の温度を上昇させる。電動モータ20の温度上昇は、減速機構30に伝達されて減速機構30を暖めて、温度とは無関係に減速機構30内のウォームギヤのバックラッシュを適切に保つ。操舵トルクセンサ41および車速センサ42によって検出された操舵トルクおよび車速に基づいて、操舵ハンドルの操舵操作時および車両の走行時には前記電動モータのコイルへの通電を停止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動モータの回転力により運転者の操舵ハンドルの操作をアシストする車両の電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、車両のステアリング装置内のステアリングシャフトまたはラックバーに、電動モータの回転を減速機構を介して伝達して、操舵ハンドルの操舵操作にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置はよく知られている。これらの電動パワーステアリング装置においては、減速機構内の高速運動を低速運動に変換する変換器(例えば、ウォームギヤ、一対の異径歯車からなるギヤ機構、ボールねじ機構など)において、運転者による操舵感の悪化を防ぐために、適度な大きさのバックラッシュ、クリアランスなどを設けるようにしている。しかし、変換器内の部材の材質の相違により、例えば金属と樹脂により、通常の温度よりも低い温度下においては、バックラッシュ、クリアランスなどの設定値が変更されて好ましくない。例えば、バックラッシュ、クリアランスなどが常温下にて適切に設定されていても、温度の低下により、バックラッシュ、クリアランスなどの設定値が通常よりも大きくなると、悪路走行時などには、タイヤからの反力によって異音を発生することがある。また、逆に、温度の低下により、バックラッシュ、クリアランスなどの設定値が通常よりも小さくなると、操舵感が悪化するという問題がある。
一方、下記特許文献1には、このようなバックラッシュの変化時にも、ウォームとウォームホイールの回転中心間の距離をスプリングにより自動調整して、バックラッシュを常に適切に保つバックラッシュ自動調性機構を設けることが示されている。しかし、このようなバックラッシュ自動調整機構においては、構成が複雑で、装置の製造コストが高くなるという問題がある。
特公昭63−10002号公報
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、減速機構内の高速運動を低速運動に変換する変換器におけるバックラッシュ、クリアランスなどの温度の低下に伴う変化を、簡単かつ安価に補正できるようにした車両の電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルから操舵輪に操舵力を伝達する操舵力伝達機構内に、電動モータと、電動モータの回転運動を減速する減速機構を設けて、電動モータの回転に応じて操舵ハンドルの操舵操作をアシストする電動パワーステアリング装置において、イグニッションスイッチの投入後に減速機構部分の温度を検出する温度検出手段と、前記検出温度が所定温度より低いとき、減速機構の近傍に設けられて通電によって発熱する発熱体に通電して発熱させる発熱制御手段とを設けたことにある。
この場合、発熱体は、例えば電動モータのコイルであり、発熱制御手段は、操舵ハンドルを回転させない態様でコイルに対する通電を制御する。また、発熱体は、減速機構の近傍に配置した抵抗器であってもよく、この場合、発熱制御手段は、抵抗器に対する通電を制御すればよい。
上記のように構成した本発明においては、イグニッションスイッチの投入後に減速機構部分の温度が所定温度より低ければ、発熱体への通電により、減速機構が熱せられて、減速機構の温度が上昇する。その結果、イグニッションスイッチの投入直後に、減速機構部分の温度が常温よりも低く、減速機構内の高速運動を低速運動に変換する変換器におけるバックラッシュ、クリアランスなどが、常温時のそれらからずれていても、前記ずれが解消され、すなわち温度低下に伴う変換器の状態変化が是正されて、異音の発生または操舵感の悪化が防止される。
また、本発明の他の特徴は、前記発熱体として電動モータのコイルを用いた場合、さらに、車両の停止状態を検出する停止検出手段と、停止検出手段によって車両の停止状態が検出されていることを条件に、発熱制御手段によるコイルに対する通電制御を許容する発熱制御許容手段とを設けたことにある。これによれば、車両が走行を開始した状態では、電動モータによる通常の操舵アシスト動作により、運転者の操舵ハンドルの操舵操作がアシストされ得る。したがって、この本発明の他の特徴によれば、車両走行時における操舵アシストに支障が生じることはない。
また、本発明の他の特徴は、前記発熱体として電動モータのコイルを用いた場合、さらに、操舵ハンドルに付与される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルクが「0」であることを条件に、発熱制御手段によるコイルに対する通電制御を許容する発熱制御許容手段とを設けたことにある。これによれば、運転者が操舵ハンドルを操作した場合には、操舵トルクが「0」でなくなり、電動モータによる通常の操舵アシスト動作により、運転者の操舵ハンドルの操舵操作がアシストされ得る。したがって、この本発明の他の特徴によれば、操舵ハンドルの操作時における操舵アシストに支障が生じることはない。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置を含む車両のステアリング装置の概略図である。
ステアリング装置は、操舵ハンドル11に上端を一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備え、同シャフト12の下端にはピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14の両端には、操舵輪としての左右前輪FW1,FW2が操舵可能に接続されており、左右前輪FW1,FW2はステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に転舵される。ステアリングシャフト12には、操舵アシスト用の電動モータ20が組み付けられている。電動モータ20の回転は、減速機構30によって減速されてステアリングシャフト12に伝達される。
電動モータ20は、直流モータまたは交流モータで構成され、図2に示すように、減速機構30のハウジング31に固定されている。電動モータ20の回転軸21は、ハウジング31に軸線周りに回転可能に支持されたウォームシャフト32に一体回転するように接続されている。ウォームシャフト32の外周上には、ウォーム32aが一体的に形成されている。ウォーム32aには、ステアリングシャフト12の外周上に一体回転するように固定されたウォームホイール33が噛み合っている。例えば、ウォーム32aは金属材料で構成され、ウォームホイール33は樹脂材料で構成されている。この場合、温度が低くなるに従って、ウォームホイール33が収縮して、ウォーム32aとの間のバックラッシュが大きくなり、異音発生の原因となる。なお、ウォーム32aおよびウォームホイール33は、電動モータ20の高速の回転運動を低速の回転運動に変換する変換器を構成している。
次に、電動モータ20の作動を制御する電気制御装置について説明する。この電気制御装置は、電動モータ20に接続された電子制御ユニット(以下、ECUという)40を備えている。ECU40は、CPU、ROM、RAMなどからなるコンピュータ本体部と、電動モータ20を駆動するための駆動回路を備えており、図3のプログラムの実行によって電動モータ20を制御する。このECU40には、操舵トルクセンサ41および車速センサ42が接続されている。操舵トルクセンサ41は、ステアリングシャフト12の上部に組み付けられていて、操舵ハンドル11の回動操作によってステアリングシャフト12に作用する操舵トルクTrを検出する。車速センサ42は、車速Vを検出する。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。図示しないイグニッションスイッチの投入により、ECU40は、図3のプログラムの実行を開始する。このプログラムの実行はステップS10にて開始され、ECU40は、ステップS11にて電動モータ20の温度Tmを検出する。この温度Tmの検出においては、電動モータ20のコイルに所定の電圧を印加し、コイルに流れる電流を検出する。具体的には、操舵ハンドル11およびステアリングシャフト12を回転させないように、電動モータ20のコイルに短時間だけ直流電圧を印加する。そして、検出した電流で印加電圧を除算することにより、コイルの抵抗を検出する。コイルの抵抗値は、温度によって変化するものであるので、温度とコイルの抵抗値の関係を表すテーブルまたは関数を予めECU40内に用意しておき、このテーブルを参照することにより、または関数を用いることにより、コイルの温度すなわち電動モータ20の温度Tmをコイルの抵抗値に基づいて計算する。なお、このような電動モータ20の温度Tmの検出は、近接配置された減速機構30部分の温度、特にウォーム32aおよびウォームホイール33からなるウォームギヤ(変換器)部分の温度を検出することに相当する。
前記ステップS11の処理後、ECU40は、ステップS12にて、前記検出した電動モータ20の温度Tmが予め決められた所定温度To(例えば、摂氏0度)よりも低いかを判定する。検出温度Tmが所定温度To以上であれば、ステップS12にて「No」と判定して、ステップS16の処理後、ステップS17に進む。なお、ステップS16の処理は、後述する電動モータ20の通電による発熱制御を停止させる処理であり、前記のように後述するステップS15の電動モータ20の通電による発熱制御処理を実行しない場合には、意味のない処理である。
ステップS17において、操舵トルクTrおよび車速Vに応じた目標操舵アシストトルクを計算して、前記目標操舵アシストトルクを発生するように電動モータ20の回転を制御する。具体的には、操舵トルクセンサ41によって検出された操舵トルクTrおよび車速センサ42によって検出された車速Vを入力し、予め用意されたテーブルまたは関数を用いて、操舵トルクTrの増加に従って増加する目標アシストトルクであって、同一の操舵トルクTrに対して車速Vが小さいほど大きくなる目標アシストトルクを計算する。そして、前記目標操舵アシストトルクを発生するように電動モータ20の回転を制御する。電動モータ20の回転は、減速機構30を介してステアリングシャフト12に伝達され、ステアリングシャフト12が電動モータ20の回転により駆動される。その結果、運転者による操舵ハンドル11の回動操作が電動モータ20によりアシストされ、左右前輪FW1,FW2は運転者による操舵力と電動モータ20によるアシスト力によって転舵される。このステップS17のアシスト制御が、通常の操舵アシスト制御である。
一方、気温が低く、イグニッションスイッチの投入直後における減速機構30の温度が低く、電動モータ20の温度Tmが所定温度To(例えば、摂氏0度)よりも低いと、ECU40は、ステップS13,S14の判定処理を実行する。ステップS13においては、操舵トルクセンサ41によって検出された操舵トルクTrを入力して、操舵トルクTrが「0」であるか、すなわち操舵ハンドル11が運転者によって操舵操作されていないかを判定する。ステップS14においては、車速センサ42によって検出された車速Vを入力して、車速Vが「0」であるか、すなわち車両が停止状態にあるかを判定する。
電動モータ20の温度Tmが所定温度Toよりも低く、操舵ハンドル11が操舵操作されていなくて操舵トルクTrが「0」であり、かつ車両が停止状態にあって車速Vが「0」であれば、ステップS12〜S14にてそれぞれ「Yes」と判定して、ステップS15の処理を実行する。そして、前記条件が成立して、ステップS12〜S14にてそれぞれ「Yes」と判定される限り、ステップS11〜S15からなる循環処理を繰り返し実行し続ける。ステップS15においては、操舵ハンドル11およびステアリングシャフト12を回転させない態様で、電動モータ20のコイルに通電することにより、電動モータ20を発熱制御する。具体的には、例えば、電動モータ20が直流モータで構成されていれば、短い周期で正負に大きく変化する電流を電動モータ20のコイルに流す。電動モータ20が交流モータで構成されていれば、大きな直流電流を電動モータ20のコイルに流す。
このような前記ステップS12〜S15からなる循環処理中、前記電動モータ20の発熱制御により、電動モータ20の温度Tmが上昇して所定温度To以上になると、ECU40は、ステップS12にて「No」と判定して、ステップS16の処理後、前述したステップS17の操舵アシスト制御処理を実行する。前記ステップS12〜S15からなる循環処理中、操舵ハンドル11が操舵されて、舵トルクTrが「0」でなくなると、ステップS13にて「No」と判定して、ステップS16の処理後、ステップS17にて操舵アシスト制御処理を実行する。また、前記ステップS12〜S15からなる循環処理中、車両が走行を開始して車速Vが「0」でなくなると、ステップS14にて「No」と判定して、ステップS16の処理後、ステップS17にて操舵アシスト制御処理を実行する。
ステップS17の処理後においては、ECU40は、ステップS18〜S21の処理を実行する。ステップS18においては、前記ステップS14の処理と同様に、車速Vが「0」であるかを判定する。ステップS19においては、前記ステップS13の処理と同様に、操舵トルクTrが「0」であるかを判定する。ステップS20,S21においては、前記ステップS11,S12の処理と同様に、電動モータ20の温度Tmが所定温度Toよりも低いかを判定する。そして、車速Vが「0」でなく、操舵トルクTrが「0」でなく、または電動モータ20の温度Tmが所定温度Toよりも低くなければ、ステップS18,S19,S21のいずれかにて「No」と判定して、ステップS17の操舵アシスト制御処理が実行され続ける。
一方、ステップS17の処理により操舵アシスト制御処理が実行され続けている場合にも、車速Vが「0」となり、操舵トルクTrが「0」となり、かつ電動モータ20の温度Tmが所定温度Toよりも低くなれば、ECU40は、ステップS18,S19,S21のそれぞれにて「Yes」と判定して、ステップS15の処理に戻る。この場合には、操舵アシスト制御から、電動モータ20の発熱制御処理に切り換えられる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態においては、イグニッションスイッチの投入後に電動モータ20の温度Tmすなわち減速機構30部分の温度が所定温度Toより低ければ、ステップS15の処理により、電動モータ20は発熱制御される。そして、この電動モータ20の発熱制御により、減速機構30、特にウォーム32aおよびウォームホイール33からなる変換器の温度が熱せられる。したがって、イグニッションスイッチの投入直後に、減速機構30部分の温度が常温よりも低く、ウォーム32aおよびウォームホイール33からなる変換器の温度が低くて、ウォームホイール33の収縮により、ウォーム32aおよびウォームホイール33のバックラッシュが大きい状態であっても、前記電動モータ20の発熱制御によって、ウォーム32aおよびウォームホイール33が暖められて、ウォーム32aとウォームホイール33のバックラッシュが適正になるように変更される。その結果、ウォーム32aとウォームホイール33のバックラッシュによる異音の発生が回避される。
また、前記ステップS15の電動モータ20の発熱制御処理は、ステップS12,S21の判定処理により、電動モータ20の温度Tmが所定温度Toよりも低いこと条件に実行される。言い換えれば、電動モータ20の温度Tmが所定温度To以上であれば、ステップS17の通常のアシスト制御処理が実行される。これにより、不必要に電動モータ20の発熱制御を行わないようにできる。
また、前記ステップS15の電動モータ20の発熱制御処理は、ステップS13,S19の処理により、操舵トルクTrが「0」であることを条件に、すなわち操舵ハンドル11が運転者により操舵されていないことを条件に実行される。言い換えれば、操舵ハンドル11が操舵されて操舵トルクTrが「0」でなくなれば、ステップS17の通常のアシスト制御処理が実行される。さらに、前記ステップS15の電動モータ20の発熱制御処理は、ステップS14,S18の処理により、車速Vが「0」であることを条件に、すなわち車両が停止状態にあることを条件に実行される。言い換えれば、車両が停止状態になくて車速Vが「0」でなくなれば、ステップS17の通常のアシスト制御処理が実行される。これらによれば、操舵ハンドル11の操舵アシスト制御が不必要に制限されることがなくなり、操舵ハンドル11の操作時および車両の走行時には、運転者は、電動モータ20によってアシストされながら、操舵ハンドル11を回動操作することができる。
さらに、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
上記実施形態においては、電動モータ20のコイルの抵抗値を測定することにより、電動モータ20(すなわち減速機構30)の温度を検出するようにした。しかし、これに代えて、電動モータ20または減速機構30に温度センサを組付け、温度センサにより、電動モータ20(すなわち減速機構30)の温度を検出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、電動モータ20のコイルを発熱体として用いて、減速機構30の温度を上昇させるようにした。しかし、これに代えまたは加えて、ECU40の一部または全部を電動モータ20または減速機構30に組み付け、同組み付けられたECU40内に抵抗器で構成した発熱体を配置し、抵抗器に通電することにより、減速機構30の温度を上昇させるようにしてもよい。なお、抵抗器のみを用いた場合には、発熱体の制御(すなわち抵抗器への通電)と、電動モータ20による操舵アシスト制御は独立しているので、上記ステップS13,S14による操舵トルクTrおよび車速Vに関する判定処理とは無関係に、電動モータ20の温度Tmが所定温度Toよりも低い限り、発熱体の制御を実行し続けるようにすればよい。
また、上記実施形態においては、イグニッションスイッチの投入後、電動モータ20の温度Tmが所定温度To以上になるまで、電動モータ20の温度Tmを繰り返し検出して、電動モータ20に対する通電を制御するようにした。しかし、これに代えて、電動モータ20の温度Tmに応じて電動モータ20への通電時間を制御して、電動モータ20の温度Tmを上昇させるようにしてもよい。この場合、ECU40は図3のプログラム代えて、図4のプログラムを実行するとよい。
このプログラムの実行においては、ステップS11,S12の処理によって電動モータ20の温度Tmが所定温度Toよりも低いと判定されたとき、上述したステップS15の処理により電動モータ20のコイルを温度上昇のために通電制御する。このステップS15の処理後、ステップS31にて、電動モータ20の温度Tmに応じて電動モータ20に対する温度上昇のための通電時間を計算する。具体的には、予め用意されたテーブルまたは関数を用いて、電動モータ20の温度Tmが低くなるに従って長くなる通電時間であって、減速機構30が適切な温度に達するのに必要な通電時間を計算する。その後、ステップS32の判定処理により、前記計算した通電時間が経過するまで「No」と判定し、上述したステップS13,S14の判定処理により「Yes」すなわち操舵トルクTrおよび車速Vが「0」であると判定される限り、ステップS32,S13,S14からなる循環処理を実行し続けて、電動モータ20に温度上昇のために通電し続ける。
前記計算した通電時間が経過すると、ステップS32にて「Yes」と判定して、上述したステップS16の処理によって電動モータ20に対する温度上昇のための通電制御を停止して、ステップS17にて操舵アシスト制御の実行を開始する。その後、イグニッションスイッチの投入が解除されるまで、ステップS17の操舵アシスト制御処理を実行し続ける。また、前記ステップS32,S13,S14からなる循環処理中であっても、操舵ハンドル11の操舵操作が開始され、または車両が走行し始めると、ステップS13またはステップS14にて「No」すなわち操舵トルクTrまたは車速Vが「0」でないと判定される。そして、上述したステップS16の処理によって電動モータ20に対する温度上昇のための通電制御を停止して、ステップS17にて操舵アシスト制御の実行を開始する。この変形例によれば、電動モータ20の温度Tmを計算する処理を1回だけ行えばよく、処理を簡素化できる。
なお、前記ステップS31の通電時間の計算処理においては、電動モータ20の温度Tmに応じて通電時間だけを決定するようにした。しかし、このステップS31にて、電動モータ20の温度Tmに応じて、通電時間に加えて、電動モータ20のコイルに通電する電流の大きさ(すなわちコイルに印加する電圧の大きさ)も決定するようにしてもよい。この場合、温度Tmが低くなるに従って前記電流(すなわち電圧)の大きさを大きくするとともに、この電流(電圧)の大きさに応じた電動モータ20の発熱量に合わせて通電時間を決定するようにすればよい。この場合、ステップS31にて電動モータ20のコイルに通電する電流(すなわち電圧)の大きさを決定する関係上、ステップS31の処理をステップS15の処理の前に実行するようにする必要がある。さらに、この変形例においても、前述したように、コイルへの通電によって電動モータ20の温度Tmを上昇させるのに代えまたは加えて、電動モータ20または減速機構30に組み付けた抵抗器を発熱体として利用するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、温度低下に伴ってウォーム32aおよびウォームホイール33の材料の相違によりバックラッシュが大きくなることを回避するようにした。しかし、材料ばかりか、構造上の問題に起因してウォーム32aとウォームホイール33とのバックラッシュが温度低下に伴い大きくなることをも防止できる。逆に、ウォーム32aとウォームホイール33とのバックラッシュが温度低下に伴い適度な値から小さくなって、ウォーム32aとウォームホイール33との間の摩擦力が大きくなり過ぎる場合にも、上記実施形態の制御により、摩擦力を適度に保つことができる。
また、減速機構30として、ウォーム32aおよびウォームホイール33を採用するのに代えて、小径の平歯車および大径の平歯車を採用する場合にも本発明は適用できる。すなわち、減速機構30を構成する小径の平歯車および大径の平歯車の材料、構造などの問題により、両平歯車のバックラッシュが温度低下により不適切になる場合にも、上記実施形態のように、減速機構30の温度を上昇させることにより、不適切なバックラッシュを適切なものとすることができる。
さらに、上記実施形態においては、ステアリングシャフト12に組み付けた電動モータ20および減速機構30を用いた電動パワーステアリング装置に本発明を適用した。しかし、これに代えて、本発明は、ラックバー14に電動モータおよび減速機構を組み付けた電動パワーステアリング装置にも適用できる。この場合、減速機構は、通常ボールねじ機構などの電動モータの高速回転をラックバー14の低速の直線運動に変換する機構で構成される。しかし、この場合にも、ボールねじ機構のボール部およびねじ部には、材料、構造などの問題で、ボール部とねじ部との間のクリアランスが温度低下によって大きくまたは小さくなり過ぎ、上述した場合と同様に、温度低下による異音の発生または摩擦力の増大の問題が発生することがある。しかし、上記実施形態のように、この場合もボールねじ機構である減速機構を温度上昇させることにより、前記温度低下に伴う異音の発生又は摩擦力の増大を回避できる。
本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置を含む車両のステアリング装置の概略図である。 図1の電動モータおよび減速機構を詳細に示す部分破断図である。 図1のECUによって実行されるプログラムのフローチャートである。 図3のプログラムを変形した変形プログラムのフローチャートである。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…ステアリングシャフト、13…ピニオンギヤ、14…ラックバー、20…電動モータ、30…減速機構、40…電子制御ユニット(ECU)、41…操舵トルクセンサ、42…車速センサ。

Claims (5)

  1. 操舵ハンドルから操舵輪に操舵力を伝達する操舵力伝達機構内に、電動モータと、前記電動モータの回転運動を減速する減速機構を設けて、前記電動モータの回転に応じて操舵ハンドルの操舵操作をアシストする電動パワーステアリング装置において、
    イグニッションスイッチの投入後に前記減速機構部分の温度を検出する温度検出手段と、
    前記検出温度が所定温度より低いとき、前記減速機構の近傍に設けられて通電によって発熱する発熱体に通電して発熱させる発熱制御手段と
    を設けたことを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  2. 前記発熱体は前記電動モータのコイルであり、
    前記発熱制御手段は、操舵ハンドルを回転させない態様で前記コイルに対する通電を制御する請求項1に記載した車両の電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項2に記載した車両の電動パワーステアリング装置において、さらに、
    車両の停止状態を検出する停止状態検出手段と、
    前記停止状態検出手段によって車両の停止状態が検出されていることを条件に、前記発熱制御手段によるコイルに対する通電制御を許容する発熱制御許容手段と
    を設けたことを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項2に記載した車両の電動パワーステアリング装置において、さらに、
    操舵ハンドルに付与される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    前記操舵トルク検出手段によって検出された操舵トルクが「0」であることを条件に、前記発熱制御手段によるコイルに対する通電制御を許容する発熱制御許容手段と
    を設けたことを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記発熱体は前記減速機構の近傍に配置した抵抗器であり、
    前記発熱制御手段は、前記抵抗器に対する通電を制御する請求項1に記載した車両の電動パワーステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108001521A (zh) * 2016-10-28 2018-05-08 株式会社捷太格特 转向控制装置
US11608876B2 (en) * 2020-08-31 2023-03-21 Nabtesco Corporation Speed reducer and drive device

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CN108001521A (zh) * 2016-10-28 2018-05-08 株式会社捷太格特 转向控制装置
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