JP2007143635A - 穿刺器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚層に対して、安定かつ確実に穿刺針を穿刺することができる穿刺器具を提供すること。
【解決手段】穿刺器具1は、皮膚(真皮D)を穿刺針5により穿刺するものである。この穿刺器具1は、穿刺針を保持するスライド部材4と、スライド部材4を移動可能に支持するベース部材2と、ベース部材2に回動可能に取り付けられる第1の平板部31とベース部材2に案内されて摺動する第2の平板部32と第1の平板部31と第2の平板部32とを連結する連結部33とを有すると共に体表面Fに接着される皮膚変形部材3と、を備え、皮膚変形部材3を回動させて第2の平板部32の上方に変位させることにより皮膚を隆起させ、穿刺針保持部材4を移動させることで、ベース部材2に設けられた開口窓23及び連結部33に設けられた貫通穴331を介して隆起させた皮膚に穿刺針5を穿刺するよう構成したことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、穿刺器具に関し、皮膚の表面より穿刺して所定部位(例えば真皮)に対して用いられる穿刺器具に関する。
真皮は、表皮や皮下組織と比較すると毛細血管の密度が高く、またリンパ末端が存在するため、特に直接注入された薬剤は、血管あるいはリンパ管に移行し、体液中に吸収される吸収速度が速いことが知られている。特に、真皮では、ホルモン、抗体医薬品、サイトカインなどの高分子物質を用いた薬剤を効率よく血液に吸収させることができる。また、真皮は効率の良い免疫の場であることが知られており、ワクチンの投与量を節約したり、弱いワクチンの感作を増強することができる。
また、真皮は、成人の人間では体表面(角質層の表面)から略一定の深さに存在することが知られている。このことは、言い換えれば、真皮に薬剤を注入する場合には、これらの人間に対しては、同じ長さ(深さ)の穿刺針を用いることができることを意味している。
一般に、真皮の幅は、体表面に対して垂直方向を基準とすると、1mm〜4mm(平均値は1mm〜2mm)程度であり、また、図14の一般的な皮膚構造の断面図に示すように、真皮Dは、角質層SCを含んだ幅0.06mm〜0.1mm程度の表皮Eと、皮下組織Sとの間に挟まれるようにして皮膚内に存在する。
従って、表皮と皮下組織の間にする存在する真皮に、穿刺器具の先端部、例えば穿刺針の針先を正確に挿入することは難しく、誤って針先が皮下組織等に挿入されてしまうと、薬剤を効率よく吸収させることができないという問題が生じる。
近年、例えば、前述した高分子医薬品を持続的に若しくはワンショットで真皮をターゲットとして投与することが試みられているが、このような場合、特に上述した問題が顕著になる。
ここで、体内の真皮に薬剤を注入するために、体内に挿入される穿刺針の長さを規定した皮下注射装置が知られている(特許文献1)。また、皮膚内に存在する特定の層に薬剤を注入するために、皮膚内に挿入される穿刺針の深さ(挿入深さ)を所定の長さに規定し、体表面に対して垂直方向から穿刺針を皮膚内に挿入する薬液注入装置も知られている(特許文献2)。
特開2001−137343号公報 特開2005−87519号公報
しかし、これらの装置では、体表面に対して垂直方向から穿刺針が皮膚内に挿入される構成が採用されている。この場合、穿刺針を穿刺しようとすると、皮膚全体が弾性的に窪んで穿刺されず、また穿刺されても針先が真皮まで達しないことがある。
また、真皮に対して垂直に穿刺針が挿入されると、真皮内における穿刺針の深さ(挿入深さ)が短くなり、例えば外部から何らかの衝撃等が加えられたような場合には、薬剤注入中の穿刺針が真皮から抜けてしまうという問題が生じてしまう。
更に、これらの装置を用いた場合には、真皮において、真皮の表面(表皮と真皮の境目)に形成された穿刺針の挿入口から、穿刺針の先端にある薬剤放出口までの距離が短くなり、薬剤放出口から真皮に注入された薬剤が、挿入口から真皮の外(表皮)へ漏れてしまうという問題も生じてしまう。
本発明の目的は、上述の問題点を考慮し、穿刺針によって安定かつ確実に薬剤を投入することができる穿刺器具を提供することにある。更に、誰もが皮膚の所定の部位に穿刺針を穿刺することができ、一定の位置(深さ)に針先を挿入、留置できる穿刺器具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
前記穿刺針を保持する穿刺針保持部材と、
前記穿刺針保持部材を移動可能に支持すると共に体表面に接着される皮膚変形部材と、を備え、
前記皮膚変形部材は、第1の平板部と、第2の平板部と、前記第1の平板部と前記第2の平板部とを連結する連結部とを有し、
前記第2の平板部を前記第1の平板部側に押圧することにより、前記第1の平板部を上方に変位させて前記皮膚を隆起させ、前記穿刺針保持部材を移動させることで、前記連結部に設けられた貫通穴を介して前記隆起させた皮膚に前記穿刺針を穿刺するよう構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
(2)前記皮膚変形部材の前記第2の平板部に押圧操作するための操作部を設け、前記第1の平板部と前記連結部との連結箇所に下方に開放するV字溝を設けると共に、前記第2の平板部と前記連結部との連結箇所に上方に開放するV字溝を設け、前記皮膚変形部材の前記第1の平板部を前記第2の平板部の上方に変位させること
を特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
(3)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
前記穿刺針を保持する穿刺針保持部材と、
前記穿刺針保持部材を移動可能に支持するベース部材と、
前記ベース部材に回動可能に取り付けられる第1の平板部と、前記ベース部材に案内されて摺動する第2の平板部と、前記第1の平板部と前記第2の平板部とを連結する連結部とを有すると共に体表面に接着される皮膚変形部材と、を備え、
前記皮膚変形部材を回動させて前記第2の平板部の上方に変位させることにより前記皮膚を隆起させ、前記穿刺針保持部材を移動させることで、前記ベース部材に設けられた開口窓及び前記連結部に設けられた貫通穴を介して前記隆起させた皮膚に前記穿刺針を穿刺するよう構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
(4)前記皮膚変形部材の前記第2の平板部を前記第1の平板部側に押圧することにより、前記第1の平板部を回動させて前記第2の平板部の上方に変位させること
を特徴とする上記(3)に記載の穿刺器具。
(5)前記皮膚変形部材の前記第1の平板部をばね部材によって付勢することにより、前記第1の平板部を回動させて前記第2の平板部の上方に変位させること
を特徴とする上記(3)に記載の穿刺器具。
(6)前記皮膚変形部材の前記第1の平板部を磁力により回動させて前記第2の平板部の上方に変位させること
を特徴とする上記(3)に記載の穿刺器具。
(7)前記皮膚変形部材の前記第1の平板部と前記ベース部材とのどちらか一方に磁石部を設け、他方に前記磁石部に引き合う磁性部を設けたこと
を特徴とする上記(6)に記載の穿刺器具。
(8)前記ベース部材に前記第1の平板部の回動を係止する係止部を設けたこと
を特徴とする上記(3)に記載の穿刺器具。
(9)前記皮膚変形部材は、粘着部材によって前記体表面に接着固定されること
を特徴とする上記(3)に記載の穿刺器具。
(10)前記穿刺針移動手段は、回動された前記第1の平板部の平面に対して略平行に移動されると共に、当該穿刺針移動手段の移動する方向と前記穿刺針の軸心が一致するように構成したこと
を特徴とする上記(3)に記載の穿刺器具。
本発明によれば、穿刺針を皮膚に穿刺して所定部位に確実に到達させることができる。また、皮膚の所定部位に対して、薬剤を確実に注入することができる。
以下、本発明の穿刺器具を実施するための最良の形態について、図1〜図13を参照して説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
図1〜図6は本発明の穿刺器具の第1の実施の形態を示すものであり、図1は外観斜視図、図2は分解斜視図、図3は図2に示すベース部材のA−A線断面図、図4は皮膚変形部材を折り曲げ変形させた状態を示す説明図、図5は皮膚変形部材に取り付ける粘着部材を示す説明図、図6(a)〜6(c)は図1に示す穿刺器具の使用方法を説明するための断面図である。また、図7は図1に示す穿刺器具の変形例を表す外観斜視図である。
図8〜図10及び図12は本発明の穿刺器具の第2の実施の形態を示すものであり、図8は外観斜視図、図9は分解斜視図、図10はばね部材を示す説明図、図12(a)〜(c)は図8に示す穿刺器具の使用方法を説明するための説明図である。更に、図11はばね部材の他の例を示す断面図である。また、図13(a)〜(c)は本発明の穿刺器具の第3の実施の形態を示すものであり、使用方法を説明するための断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の穿刺器具の第1の実施の形態を示す穿刺器具1は、ベース部材2と、ベース部材2に回動可能に取り付けられる皮膚変形部材3と、ベース部材2にスライド移動可能に支持されるスライド部材4と、スライド部材4に取り付けられた穿刺針5等を備えて構成されている。なお、皮膚変形部材3が接着される体表面Fの下方には、角質層SC、角質層SCを含む表皮E、真皮D、皮下組織Sが、層状に配列されている(図6(a)〜(c)等を参照)。
穿刺器具1のベース部材2は、全体的に細長の筐体をなしており、皮膚変形部材3が回動可能に取り付けられる回動規制部21と、この回動規制部21に連続してスライド部材4を移動可能に支持する支持台部22等から構成されている。このベース部材2には、回動規制部21と支持台部22とに連続して長手方向に延在された収納部2aが設けられており、この収納部2aは下面側に開口されている。
ベース部材2の回動規制部21は、横長の筐体をなしており、短辺の一方の側面21aが支持台部22に連続されている。この回動規制部21の長辺の両側面には、水平方向に貫通する軸受孔211,211(図2等において片方のみを示す)が設けられている。回動規制部21の軸受孔211,211は、皮膚変形部材3と反対側の下部に互いに対向するように配置されており、この軸受孔211にはヒンジ軸61が挿通される。
図3に示すように、収納部2aの一部を構成する回動規制部21の内部には、皮膚変形部材3の後述する第1の平板部31の回動を係止する係止部の一具体例を示す係止斜面212が設けられている。また、回動規制部21の支持台部22に連続する側面21aは、係止斜面212に対して直交するように傾斜されており、この側面21aにはスライド部材4が当接される。
図2等に示すように、ベース部材2の支持台部22は、回動規制部21と同様に横長の筐体をなしており、上面22aが回動規制部21の係止斜面212に平行な斜面とされている。この支持台部22の上面22aは、回動規制部21の側面21aに直交して連続されている。そして、回動規制部21の側面21aから支持台部22の上面22aにかけて開口窓23が設けられており、この開口窓23には、スライド部材4に取り付けられた穿刺針5が貫通される。
支持台部22の長辺の両側面には、スライド部材4の移動を案内するための第1のガイド溝221,221(図2等において片方のみを示す)が設けられている。この第1のガイド溝221は、支持台部22の上面22aに平行となるように傾斜して延在されており、スライド部材4を支持台部22の上面22aに沿って案内するようになっている。
また、支持台部22の回動規制部21と反対側の側面には、第2の平板部32の移動を係止するロックピン222が設けられている。このロックピン222は略L字をなしており、軸部222aと、この軸部222aに連続する係止アーム222bとから形成されている。
ロックピン222の軸部222aは、支持台部22に回転可能に取り付けられていると共に、任意の位置で固定可能とされている。この軸部222aを回転させて係止アーム222bの先端を下方に向けることにより、係止アーム222bが皮膚変形部材3の後述する第2の平板部32に係合される。
図3等に示すように、収納部2aの一部を構成する支持台部22の内部には、第2の平板部32の移動を案内するための第2のガイド溝223,223(図3等において片方のみを示す)が設けられている。この第2のガイド溝223は、水平方向と平行に延在されており、皮膚変形部材3の第2の平板部32を水平方向に案内するようになっている。
ベース部材2の収納部2aに配置される皮膚変形部材3は、細長の長方形をなす板体とされていて、回動規制部21に回動可能に取り付けられる第1の平板部31と、支持台部22の第2のガイド溝223,223に案内される第2の平板部32と、第1の平板部31と第2の平板部32とを連結する連結部33等から構成されている。
第1の平板部31の連結部33と反対側の端部には、一対の軸受片311,311が設けられており、これら軸受片311,311には、水平方向に貫通される軸受孔312,312が設けられている。そして、第1の平板部31の各軸受孔312及び回動規制部21の各軸受孔211にヒンジ軸61を挿通させることにより、第1の平板部31と回動規制部21とがヒンジ結合され、第1の平板部31が回動規制部21に回動可能に取り付けられている。
第2の平板部32の長辺の両側面の連結部33側には、ガイドピン321,321が設けられており、各ガイドピン321,321は、ベース部材2の支持台部22に設けた第2のガイド溝223,223にそれぞれ摺動可能に係合される。これにより、第2の平板部32は、第2のガイド溝223,223に案内されて水平方向に移動可能とされている。
なお、ガイドピン321を、その軸心を中心に回転可能に構成してもよい。この場合、ガイドピン321と第2のガイド溝223との摩擦抵抗を軽減させることができ、第2の平板部32をより円滑に移動させることができる。
また、第2の平板部32の連結部33と反対側の端部には、操作片322が設けられている。この操作片322は、第2の平板部32を水平方向に移動させる際、指を引っ掛けて操作し易くするために設けられたものであり、第2の平板部32の短辺に連続して上方に突出するように形成されている。更に、操作片322は、第2の平板部32が回動規制部31側に移動された際に、ベース部材2に設けたロックピン222の係止アーム222bに係合され、これにより、第2の平板部32の移動が係止される。
第1の平板部31と連結部33との連結部分には、下方に開放するV字溝34が設けられており、これにより第1のヒンジ部35が形成されている。また、第2の平板部32と連結部33との連結部分には、上方に開放するV字溝36が設けられており、これにより第2のヒンジ部37が形成されている。
第1のヒンジ部35及び第2のヒンジ部37は、各平板部31,32よりも剛性が低く設定されており、その結果、皮膚変形部材3は折り曲げ変形可能とされている。即ち、皮膚変形部材3は、図4に示すように、第2の平板部32を基準として、連結部33が立ち上がるように変位すると共に、第1の平板部31の連結部33側が上方に変位するように折り曲げ変形されるようになっている。この際、連結部33は、その平面(上面及び下面)が回動規制部21の側面21aと平行となるように傾斜される共に、第1の平板部31は、その平面(上面及び下面)が回動規制部21の係止斜面212と平行となるように傾斜される。
また、連結部33には、上下面を貫通する貫通穴331が設けられており、この貫通穴331には、スライド部材4に取り付けられた穿刺針5が貫通される。
図5に示すように、皮膚変形部材3の下面には、皮膚変形部材3を体表面Fに接着するための粘着部材の一具体例を示す粘着フィルム7が貼り付けられている。この粘着フィルム7は、細長の長方形をなす貼付部71と、この貼付部71の長辺に連続する羽根部72,72とから形成されている。
粘着フィルム7の貼付部71は、幅方向の長さが皮膚変形部材3の幅方向の長さよりも短く設定されており、長手方向の長さが皮膚変形部材3の第1の平板部31側の先端部から連結部33を経て第2の平板部32の中途部まで対応する長さに設定されている。また、羽根部72,72は、それぞれ略半円状をなしており、連結部33の両側に配置されるように設けられている。
この粘着フィルム7は、貼付部71の全面において皮膚変形部材3に貼り付けられると共に、貼付部71及び羽根部72,72の全面において体表面Fに接着されるようになっている。即ち、粘着フィルム7は、羽根部72,72の皮膚変形部材3側の面に接着面を設けない構成となっている。
粘着フィルム7の材質としては、伸縮しないポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレン等を挙げることができるが、これに限定されるもではなく、ポリウレタンその他この種の粘着フィルムとして使用される各種の材質を用いることができるものである。また、粘着フィルム5の厚みとしては、1ミクロン〜30ミクロン程度が好ましいが、30ミクロンよりも厚い粘着フィルムであっても適用できるものである。
穿刺針5を保持する穿刺針保持部材の一具体例を示すスライド部材4は、略四角形の中空の筐体をなしており、穿刺針5が取り付けられる正面4aと、正面から見て右側の側面を形成する右側面4bと、左側の側面を形成する左側面4cと、上面4dと、下面及び背面から構成されている。
スライド部材4には、左右の側面4b,4cにそれぞれ連続して下方に突出する一対のガイドレール41,41が設けられている。これらガイドレール41,41がベース部材2の第1のガイド溝221,221にそれぞれ摺動可能に係合されることにより、スライド部材4がベース部材2の支持台部22にスライド移動可能に支持されている。即ち、スライド部材4は、支持台部22の上面22a上をスライド移動するようになっている。
また、スライド部材4は、図示しないロック手段により、正面4aが回動規制部21の側面21aに当接する位置と回動規制部21に最も離れた位置とでスライド移動がロックされるようになっている。このようなロック手段としては、例えば、スライド部材4の下面と支持台部22の上面22aとの互いに対応する位置において、一方に凹部を設けると共に他方に凸部を設け、これら凹部と凸部を係合させることによりなすことができる。
更に、スライド部材4の上面4dには、正面側の長辺に連続して上方に突出する操作突部42が設けられている。この操作突部42は、スライド部材3をスライド操作する際に、指を引っ掛けて操作し易くするために設けたものである。
スライド部材4の正面4aに取り付けられた穿刺針5は、中空針をなしており、その軸心が、スライド部材4のスライド移動する方向と一致するように配置されている。この穿刺針5の直径及び長さは、特に限定されるものではないが、直径としては0.1mm〜3mm程度が好ましく、長さとしては2mm〜20mm程度が好ましい。
また、穿刺針5の材料としては、例えば、ステンレス鋼を挙げることができるが、これに限定されるものではなく、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金その他の金属を用いることができるものである。
更に、スライド部材4の右側面4bには、チューブ43が取り付けられている。チューブ43の一端は、スライド部材4の右側面4bに設けた貫通穴から内部に挿入されており、その内部において正面4aに取り付けた穿刺針5に連通されている。また、チューブ43の他端は、図示しないが、注射器や送液ポンプ等の注入器具に連通されている。
このような穿刺器具1のベース部材2、皮膚変形部材3及びスライド部材4の材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ABS樹脂等の適当な強度を有する各種合成樹脂を挙げることができるが、これに限定されるものではなく、アルミニウム合金等の金属を用いることもできる。
次に、第1実施形態の穿刺器具1の使用方法(作用)について説明する。
まず、図6(a)に示すように、穿刺器具1を体表面Fの所定の位置に載置して圧着する。これにより、皮膚変形部材3が粘着フィルム7によって体表面Fに接着固定される。
次に、皮膚変形手段3の第2の平板部32を第1の平板部31側に押圧する。このとき、ベース部材2に取り付けたロックピン222の係止アーム222bが第2の平板部32の操作片322に干渉しないように、軸部222aを回転させて係止アーム222bの先端を水平方向又は上方に向けておく。
これにより、押圧された第2の平板部32は、ベース部材2の第2のガイド溝223,223に案内されて移動され、皮膚変形部材3が第1のヒンジ部35及び第2のヒンジ部37により折り曲げ変形される。即ち、第1の平板部31がヒンジ軸61を中心に上方へ回動されると共に、連結部33が立ち上がるように変位される。
かくして、第1の平板部31の上面がベース部材2の係止斜面212に当接した状態で皮膚変形部材3の折り曲げ変形が完了し、皮膚変形部材3は図6(b)に示すような状態となる。このとき、皮膚変形部材3の連結部33は、回動規制部21の側面21a側の開口窓23に対応する位置に変位され、その上面(体表面Fに接着された面と反対側の面)が、回動規制部21の側面21aと同一平面となる。
これと同時に、皮膚変形部材3の第1の平板部31及び連結部33に接着された皮膚が上方へ引き上げられる。即ち、角質層SCを含む表皮E、真皮D、皮下組織Sが、それぞれ上方へ引き上げられて隆起される。
このとき、粘着フィルム7の貼付部71の幅方向の長さを皮膚変形部材3の幅方向の長さよりも短く設定したため、粘着フィルム7に接着される体表面Fと回動規制部21の長辺の両側面との間に所定の間隔を形成することができ、皮膚を無理なく隆起させることができる。更に、粘着フィルム7に羽根部72,72を設ける構成としたため、隆起された皮膚の体表面Fに対して略放物線状に接着面を形成することができ、粘着フィルム7が体表面Fから簡単に剥がれることを防止することができる。
また、隆起された皮膚の真皮D等は、第1の平板部31及び連結部33の接着面と略平行な状態となっている。更に、第1の平板部31に接着された皮膚の真皮Dは、スライド部材4に取り付けた穿刺針5に対向する状態となっている。即ち、穿刺針5は、第1の平板部31に接着されて隆起された皮膚の真皮Dに対向するように、予めスライド部材4に取り付けられている。
次に、ベース部材2に取り付けたロックピン222の軸部222aを回転させ、係止アーム222bの先端を下方に向ける。これにより、第2の平板部32の操作片322にロックピン222の係止アーム222bが係合され、第2の平板部32の回動規制部21から離れる方向への移動が係止される。その結果、第1の平板部31及び連結部33に接着されて隆起された皮膚の状態を確実に固定することができる。
続いて、スライド部材4を回動規制部21側に押圧する。これにより、図示しないロック手段によるロックが解除されてスライド部材3を回動規制部21側へスライドさせることができる。
その後、スライド部材4を支持台部22の上面22aに沿ってスライド移動させて、図6(c)に示すように、スライド部材4の正面4aを回動規制部21の側面21aに当接させる。これにより、穿刺針5が、ベース部材2の開口窓23及び皮膚変形部材3の連結部33に設けた貫通穴331を貫通し、その貫通穴331に対向する体表面Fから真皮Dに穿刺される。
このとき、穿刺針5は、貫通穴331に対向する体表面Fに対して略垂直に穿刺されるため、刃先の進入方向が皮膚の深さ方向(表皮E、真皮D及び皮下組織S等の積層方向)にずれることがなく、確実に真皮Dに穿刺することができる。また、刃先が真皮D内を平行に進入するので、比較的深く穿刺針5を穿刺することができる。更に、貫通穴331に対向する体表面Fにも、粘着フィルム7が貼り付けられているため、穿刺針5を穿刺する際に皮膚全体が弾性的に窪むことを防止又は抑制することができ、穿刺針5を皮膚に容易に穿刺することができる。
また、スライド部材4の正面4aが回動規制部21の側面21aに当接すると、図示しないロック手段によってスライド部材4の回動規制部21と反対側へのスライド移動がロックされる。これにより、穿刺器具1は、スライド部材4を押圧していた指を離しても、隆起させた皮膚の真皮Dに穿刺針5が穿刺された状態(図6(c)に示す状態)を保持することができ、穿刺針5が不意に抜けてしまうことを防止することができる。
穿刺器具1による穿刺作業が終了すると、図示しない注射器や送液ポンプ等の注入器具から薬液等の液体がチューブ39に送られ、穿刺針5を介して真皮Dに注入される。その後、穿刺器具1を取り外すには、まず、スライド部材4を回動規制部21と反対側に押圧する。これにより、図示しないロック手段によるロックが解除され、スライド部材4は、回動規制部21と反対側へスライド移動可能となる。
次に、スライド部材4を回動規制部21と反対側へスライド移動させて、穿刺針5を皮膚から引き抜く。そして、スライド部材4のガイドレール41,41を第1のガイド溝221,221の回動規制部21と反対側の端部にそれぞれ当接させると、図示しないロック手段によりスライド部材4のスライド移動がロックされる。
次に、ロックピン222の軸部222aを回転させてロックアーム223bの先端を上方に向け、第2の平板部32の操作片322とロックアーム223bとの係合を外す。これにより、第2の平板部32は、回動規制部21と反対側に移動可能となる。
続いて、皮膚変形部材3の第2の平板部32を回動規制部21と反対側にスライド移動させ、皮膚変形部材3を図6(a)に示すような平板状に戻す。その後、皮膚変形部材3を体表面Fから剥離し、穿刺器具1の取り外しが完了する。しかしながら、本発明に係る穿刺器具1としては、皮膚変形部材3を平板状に戻さずに折り曲げ変形させた状態で体表面Fから剥離することもできるものである。
なお、第2の平板部22の操作突部321を指で摘まんで持ち上げると、皮膚変形部材3を体表面Fから簡単に剥離することができる。また、穿刺針5を保持するスライド部材4のスライド移動がロックされているため、皮膚変形部材3を体表面Fから剥離する際の誤刺やその誤刺による感染等を防止することができる。
本実施の形態では、皮膚変形部材3の第1の平板部31が回動可能に取り付けられるベース部材2を設ける構成としたが、本発明に係る穿刺器具としては、ベース部材2を設けない構成とすることもできるものである。
この場合、穿刺器具は、皮膚変形部材3と、この皮膚変形部材3に移動可能に支持される穿刺針保持部材の一具体例を示すスライド部材4と、スライド部材4に保持される穿刺針5等を備えて構成される。このような穿刺器具によれば、皮膚変形部材3を体表面Fに接着させた後、第2の平板部32を第1の平板部31側に押圧することにより、その皮膚変形部材3を折り曲げ変形させて接着された皮膚を隆起させ、その隆起させた皮膚に穿刺針5を穿刺することができる。
図7に示す穿刺器具1Aは、図1に示す穿刺器具1に穿刺針5を覆うカバー部材25を設けたものである。この穿刺器具1Aの構成のうち穿刺器具1と共通する部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
穿刺器具1Aのカバー部材25は、ベース部材2に設けられており、回動規制部21の側面21a側の開口窓23の周囲から略垂直に突出するように形成されている。このカバー部材25の回動規制部21と反対側は、スライド部材4Aに設けた図示しないカバー部材用溝に摺動可能に嵌合されている。即ち、スライド部材4Aを回動規制部21側にスライド移動させると、カバー部材25がスライド部材4Aのカバー部材用溝内に収納されるようになっている。
このような穿刺器具1Aによれば、穿刺針5がカバー部材25によって覆われているため、穿刺器具1Aを把持する指が穿刺針5に触れたり、誤って穿刺針5を指に刺してしまうことを防止することができ、穿刺針5を清潔な状態に保つことができる。
図8〜10及び図12は、本発明の穿刺器具の第2の実施の形態を示すものである。この穿刺器具11が、第1の実施の形態を示す穿刺器具1と異なるところは、皮膚変形部材13を回動させるためにばね部材を用いた点である。この穿刺器具11の構成のうち穿刺器具1と共通する部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8及び図9に示すように、本発明の穿刺器具の第2の実施の形態を示す穿刺器具11は、ベース部材12と、ベース部材12に回動可能に取り付けられる皮膚変形部材13と、ベース部材12にスライド移動可能に支持されるスライド部材4と、スライド部材4に取り付けられた穿刺針5等を備えて構成されている。
穿刺器具11のベース部材12は、回動規制部121と、支持台部122とから形成されている。また、穿刺器具11の皮膚変形部材13は、第1の平板部31と、連結部33と、第2の平板部132とから構成されている。
皮膚変形部材13の第2の平板部132は、第1の平板部31側に延在される長さが第1の実施の形態を示す穿刺器具1の第2の平板部32よりも短く設定されている。これにより、第2の平板部32を軽量化することができ、後述する皮膚変形部材13の折り曲げ変形に必要な力を小さくすることができる。
このような皮膚変形部材13は、第1の平板部31の一対の軸受片311,311間にねじりコイルばね62を介在さると共に、回動規制部121の各軸受孔211及び一対の軸受片311,311の各軸受孔312にヒンジ軸61を挿通させることで回動規制部121にヒンジ結合されている。
図10に示すように、ねじりコイルばね62の一方のばね片62aは、回動規制部121のばね受け台215に固定されており、他方のバネ片62bは第1の平板部31に固定されている。これにより、第1の平板部31は、ねじりコイルばね62のばね力によってヒンジ軸61を中心に上方へ回動するように付勢されている。
図8及び図9等に示すように、ベース部材12の回動規制部121には、第1の平板部31の回動をロックするロック部材81が取り付けられている。このロック部材81は、回動規制部121の上面を貫通するように配置されており、一端が回動規制部121の上面から突出する操作ボタン81aとされ、他端が第1の平板部31の上面に接している係止部81bとされている。
図8及び図9等に示すように、ベース部材12の回動規制部121には、第1の平板部31の回動をロックするロック部材81が取り付けられている。このロック部材81は、略半球状の操作ボタン81aと、操作ボタン81aの平面に連続して略垂直に延在される係止部92b等から形成されている。
このようなロック部材81は、係止部81bが回動規制部121の上面に設けられた貫通穴に摺動可能に挿通されており、その係止部81bの先端は第1の平板部31の上面に接している。更に、ロック部材81は、図示しないロック機構によって固定されており、これにより、第1の平板部31の上方への回動を係止している。
即ち、ロック機構により固定されたロック部材81の係止部81bが、第1の平板部31の上面に当接することで、第1の平板部31は、その平面(上面及び下面)が水平方向に平行な状態で上方への回動を係止されている。そして、ロック部材81の操作ボタン81aを下方に押圧することにより、図示しないロック機構が解除され、第1の平板部31が上方への回動するようになっている。
更に、ベース部材12の支持台部122に設けた第2のガイド溝223,223(図9において片方のみを示す)には、第1の平板部31の回動により回動規制部121側に移動した第2の平板部132を固定する図示しないロック部がそれぞれ設けられている。即ち、図示しないロック部に第2の平板部132の一対のガイドピン321,321がそれぞれ係合されることにより、第2の平板部132の回動規制部121から離れる方向への移動を係止している。
なお、本実施の形態では、ばね部材としてねじりコイルばね62を用いる構成としたが、例えば、図11に示すような板ばね64を用いる構成とすることもできる。この板ばね64は、略円筒状をなす本体部64aと、この本体部64aの側面に連続する一対の腕部64b,64bから構成されていて、開く方向にばね力が働くようになっている。
この場合、第1の平板部91には、板ばね64の本体部64aが嵌合される嵌合部911と、この嵌合部911に連続する回動軸912と、嵌合部911の周縁を切り欠くことによって形成されるばね受け部913を設けると共に、回動規制部92にばね受け台921を設ける。
そして、板ばね64の一方の腕部64bを第1の平板部91のばね受け部913に固定すると共に、他方の腕部64bを回動規制部92のばね受け凸部921に固定することにより、第1の平板部91が回動軸912中心に上方へ回動するように付勢される。
次に、第2実施形態の穿刺器具11の使用方法(作用)について説明する。
まず、図12(a)に示すように、穿刺器具11を体表面Fの所定の位置に載置して圧着する。これにより、皮膚変形部材13が粘着フィルム7によって体表面Fに接着固定される。
次に、ロック部材81の操作ボタン81aを下方に押圧する。これにより、図示しないロック機構が解除され、ロック部材81が上方に移動可能となる。その結果、第1の平板部31は、ねじりコイルばね62のばね力によりヒンジ軸61を中心に上方へ回動される。これと同時に、連結部33が立ち上がるように変位され、皮膚変形部材17が第1のヒンジ部35及び第2のヒンジ部37により折り曲げ変形される。
かくして、第1の平板部31の上面がベース部材12の係止斜面212に当接した状態で皮膚変形部材13の折り曲げ変形が完了し、皮膚変形部材13は図12(b)に示すような状態となる。このとき、皮膚変形部材13の連結部33は、回動規制部121の側面21a側の開口窓23に対応する位置に変位され、その上面(体表面Fに接着された面と反対側の面)が、回動規制部121の側面21aと同一平面となる。
これと同時に、皮膚変形部材13の第1の平板部31及び連結部33に接着された皮膚が上方へ引き上げられる。即ち、角質層SCを含む表皮E、真皮D、皮下組織Sが、それぞれ上方へ引き上げられて隆起される。
このとき、隆起された皮膚の真皮D等は、第1の平板部31及び連結部33の接着面と略平行な状態となっている。また、第1の平板部31に接着された皮膚の真皮Dは、スライド部材4に取り付けた穿刺針5に対向する状態となる。
また、皮膚変形部材8の折り曲げ変形が完了された状態において、第2の平板部132の一対のガイドピン321,321が図示しないロック部にそれぞれ係合され、第2の平板部132の回動規制部121から離れる方向への移動が係止される。これにより、第1の平板部31及び連結部33に接着されて隆起された皮膚の状態を確実に固定することができる。
次に、第1の実施の形態の穿刺器具1と同様に、スライド部材4を移動させて、図12(c)に示すように、穿刺針5を真皮Dに穿刺する。その後、図示しない注射器や送液ポンプ等の注入器具から薬液等の液体がチューブ39に送られ、穿刺針5を介して真皮Dに注入される。
薬液等の液体の注入を終えて穿刺器具11を取り外す場合は、穿刺器具1の場合と同様に、スライド部材4を回動規制部121と反対側へスライド移動させて穿刺針5を皮膚から引き抜き、その後、皮膚変形部材13を体表面Fから剥離することでなされる。
図13(a)〜(c)は、本発明の穿刺器具の第3の実施の形態を示すものである。この穿刺器具15が、第2の実施の形態を示す穿刺器具11と異なるところは、皮膚変形部材17を磁力の作用により回動させる点である。この穿刺器具15の構成のうち穿刺器具11と共通する部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図13(a)〜(c)に示すように、本発明の穿刺器具の第3の実施の形態を示す穿刺器具15は、ベース部材16と、ベース部材16に回動可能に取り付けられる皮膚変形部材17と、ベース部材12にスライド移動可能に支持されるスライド部材4と、スライド部材4に取り付けられた穿刺針5等を備えて構成されている。
穿刺器具15のベース部材16は、回動規制部161と、支持台部122とから形成されている。また、穿刺器具15の皮膚変形部材17は、第1の平板部171と、連結部33と、第2の平板部132とから構成されている。
ベース部材16の回動規制部161には、磁石部66が設けられている。この磁石部66は、回動規制部161の係止斜面212の略全面を占有するように配置されており、ロック部材81に対応する位置には貫通穴が形成されている。
皮膚変形部材17の第1の平板部171には、回動規制部161の磁石部66に対して引き合う力(磁力)が働く磁性体67が設けられている。この磁性体67は、第1の平板部171の上面と同一平面をなすように取り付けられており、その平面は磁石部66の平面と略同一の大きさに設定されている。
このような皮膚変形部材17は、第1の実施の形態を示す穿刺器具1と同様に、第1の平板部171の各軸受孔312及び回動規制部161の各軸受孔211にヒンジ軸61を挿通させることにより、回動規制部161にヒンジ結合されている。そして、回動規制部161の磁石部66と第1の平板部171の磁性体67との間に互いに引き合う力(磁力)が働くことにより、第1の平板部31がヒンジ軸61を中心に上方へ回動されるようになっている。
また、ベース部材16の回動規制部161には、第2の実施の形態を示す穿刺器具11と同様にロック部材81が取り付けられており、このロック部材81の係止部81bが第1の平板部171の上面に係合されて、第1の平板部171は上方への回動を係止されている。
なお、本実施の形態では、ベース部材16の回動規制部161に磁石部66を設け、皮膚変形部材17の第1の平板部171に磁性体67を設ける構成としたが、本発明に係る穿刺器具としては、回動規制部161に磁性体67を設け、第1の平板部171に磁石部66を設ける構成とすることもできるものである。
次に、第3実施形態の穿刺器具11の使用方法(作用)について説明する。
まず、図13(a)に示すように、穿刺器具15を体表面Fの所定の位置に載置して圧着する。これにより、皮膚変形部材17が粘着フィルム7によって体表面Fに接着固定される。
次に、ロック部材81の操作ボタン81aを下方に押圧する。これにより、図示しないロック機構が解除され、ロック部材81が上方に移動可能となる。その結果、第1の平板部171は、磁石部66と磁性体67との間に働く磁力によりヒンジ軸61を中心に上方へ回動される。これと同時に、連結部33が立ち上がるように変位され、皮膚変形部材17が第1のヒンジ部35及び第2のヒンジ部37により折り曲げ変形される。
かくして、皮膚変形部材17は図12(b)に示すような状態となる。このとき、穿刺器具1及び穿刺器具11の場合と同様に、皮膚変形部材17の第1の平板部171及び連結部33に接着された皮膚が上方へ引き上げられる。即ち、角質層SCを含む表皮E、真皮D、皮下組織Sが、それぞれ上方へ引き上げられて隆起される。
その後、第2の実施の形態の穿刺器具11と同様の手順を行うことにより、穿刺針5を真皮Dに穿刺し、薬液等の液体が穿刺針5を介して真皮Dに注入される。穿刺器具15を取り外す場合も、穿刺器具11の場合と同様に、穿刺針5を皮膚から引き抜き、その後、皮膚変形部材17を体表面Fから剥離することでなされる。
以上説明したように、本発明の穿刺器具によれば、位置決め部を体表面Fに接着固定した状態で固定部を回動させて皮膚を隆起させることにより、穿刺針の軸心が延在される方向と真皮Dの層が延在される方向とを略平行にすることができる。
その結果、穿刺針の針先にある薬剤放出口から、表皮E及び体表面Fまでの距離を長くすることができ、薬剤放出口から真皮Dに注入された薬剤が、逆流して表皮Eに浸透したり、体表面Fの外部へ漏れてしまったりすることを防止することができる。従って、真皮Dに確実に薬剤を注入することができる。
なお、上記実施形態は、いずれも真皮に穿刺針を穿刺する例で説明したが、本発明の穿刺器具は、真皮の他に皮内や皮下組織、更には筋肉に穿刺する場合にも用いることができるものである。
また、本発明の穿刺器具は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、その他材料、構成等において本発明の構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の穿刺器具の第1の実施の形態を示すもので、外観斜視図である。 図1に示す穿刺器具の分解斜視図である。 図2に示すベース部材のA−A線断面図である。 図1に示す穿刺器具の皮膚変形部材を折り曲げ変形させた状態で、軸受部311側を正面として右側面から見た説明図である。 図1に示す穿刺器具の皮膚変形部材に取り付ける粘着部材を示す説明図である。 図1に示す穿刺器具の使用方法を説明するための断面図である。 図1に示す穿刺器具に穿刺針を覆うカバー部材を設けた例を表す外観斜視図である。 本発明の穿刺器具の第2の実施の形態を示すもので、外観斜視図である。 図8に示す穿刺器具の分解斜視図である。 図8に示す穿刺器具のばね部材の取り付け状態を表す説明図である。 ばね部材の他の例を示す説明図である。 図8に示す穿刺器具の使用方法を説明するための断面図である。 本発明の穿刺器具の第3の実施の形態を示すもので、使用方法を説明するための断面図である。 一般的な皮膚構造を示す断面図である。
符号の説明
1,1A,11,15・・穿刺器具
2,12,16・・ベース部材
21,121,161・・回動規制部
21a・・側面
211・・軸受孔
212・・係止斜面
213・・ばね受け台
22,122・・支持台部
22a・・上面
221・・第1のガイド溝
222・・ロックピン
222a・・軸部
222b・・係止アーム
223・・第2のガイド溝
23・・開口窓
25・・カバー部材
3,13,17・・皮膚変形部材
31,171・・第1の平板部
311・・軸受部
312・・軸受孔
32,132・・第2の平板部
321・・ガイドピン
322・・操作片
33・・連結部
331・・貫通穴
34,36・・V字溝
35・・第1のヒンジ部
37・・第2のヒンジ部
4,4A・・スライド部材(穿刺針保持部材)
41・・ガイドレール
42・・操作突部
43・・チューブ
5・・穿刺針
61・・ヒンジ軸
62・・ねじりコイルばね
64・・板ばね
64a・・本体部
61b・・腕部
66・・磁石部
67・・磁性体
7・・粘着フィルム(粘着部材)
71・・貼付部
72・・羽根部
81・・ロック部材
81a・・操作ボタン
81b・・係止部
91・・第1の平板部
911・・嵌合部
912・・回動軸部
913・・ばね受け部
92・・回動規制部
921・・ばね受け台
F・・体表面
SC・・角質層
E・・表皮
D・・真皮
S・・皮下組織

Claims (10)

  1. 皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
    前記穿刺針を保持する穿刺針保持部材と、
    前記穿刺針保持部材を移動可能に支持すると共に体表面に接着される皮膚変形部材と、を備え、
    前記皮膚変形部材は、第1の平板部と、第2の平板部と、前記第1の平板部と前記第2の平板部とを連結する連結部とを有し、
    前記第2の平板部を前記第1の平板部側に押圧することにより、前記第1の平板部を上方に変位させて前記皮膚を隆起させ、前記穿刺針保持部材を移動させることで、前記連結部に設けられた貫通穴を介して前記隆起させた皮膚に前記穿刺針を穿刺するよう構成したこと
    を特徴とする穿刺器具。
  2. 前記皮膚変形部材の前記第2の平板部に押圧操作するための操作部を設け、前記第1の平板部と前記連結部との連結箇所に下方に開放するV字溝を設けると共に、前記第2の平板部と前記連結部との連結箇所に上方に開放するV字溝を設け、前記皮膚変形部材の前記第1の平板部を前記第2の平板部の上方に変位させること
    を特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
  3. 皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
    前記穿刺針を保持する穿刺針保持部材と、
    前記穿刺針保持部材を移動可能に支持するベース部材と、
    前記ベース部材に回動可能に取り付けられる第1の平板部と、前記ベース部材に案内されて摺動する第2の平板部と、前記第1の平板部と前記第2の平板部とを連結する連結部とを有すると共に体表面に接着される皮膚変形部材と、を備え、
    前記皮膚変形部材を回動させて前記第2の平板部の上方に変位させることにより前記皮膚を隆起させ、前記穿刺針保持部材を移動させることで、前記ベース部材に設けられた開口窓及び前記連結部に設けられた貫通穴を介して前記隆起させた皮膚に前記穿刺針を穿刺するよう構成したこと
    を特徴とする穿刺器具。
  4. 前記皮膚変形部材の前記第2の平板部を前記第1の平板部側に押圧することにより、前記第1の平板部を回動させて前記第2の平板部の上方に変位させること
    を特徴とする請求項3に記載の穿刺器具。
  5. 前記皮膚変形部材の前記第1の平板部をばね部材によって付勢することにより、前記第1の平板部を回動させて前記第2の平板部の上方に変位させること
    を特徴とする請求項3に記載の穿刺器具。
  6. 前記皮膚変形部材の前記第1の平板部を磁力により回動させて前記第2の平板部の上方に変位させること
    を特徴とする請求項3に記載の穿刺器具。
  7. 前記皮膚変形部材の前記第1の平板部と前記ベース部材とのどちらか一方に磁石部を設け、他方に前記磁石部に引き合う磁性部を設けたこと
    を特徴とする請求項6に記載の穿刺器具。
  8. 前記ベース部材に前記第1の平板部の回動を係止する係止部を設けたこと
    を特徴とする請求項3に記載の穿刺器具。
  9. 前記皮膚変形部材は、粘着部材によって前記体表面に接着固定されること
    を特徴とする請求項3記載の穿刺器具。
  10. 前記穿刺針移動手段は、回動された前記第1の平板部の平面に対して略平行に移動されると共に、当該穿刺針移動手段の移動する方向と前記穿刺針の軸心が一致するように構成したこと
    を特徴とする請求項3記載の穿刺器具。
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