JP2007117617A - 穿刺器具 - Google Patents

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雄太郎 園田
Tetsuaki Kawanishi
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Abstract

【課題】皮膚層に対して、安定かつ確実に穿刺針を穿刺することができる穿刺器具を提供すること。
【解決手段】穿刺器具1は、皮膚(真皮D)を穿刺針411により穿刺するものである。この穿刺器具1は、穿刺針411を移動可能に保持する穿刺針移動手段4と、体表面Fに接着される皮膚接着部材32と、皮膚接着部材32を付勢するコイルばね33とを有して体表面Fに対して垂直方向に皮膚を隆起させる皮膚変形手段3と、を備え、穿刺針移動手段4によって穿刺針411を移動させて、皮膚変形手段3により隆起させた皮膚に穿刺針411を穿刺するよう構成したことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、穿刺器具に関し、皮膚の表面より穿刺して所定部位(例えば真皮)に対して用いられる穿刺器具に関する。
真皮は、表皮や皮下組織と比較すると毛細血管の密度が高く、またリンパ末端が存在するため、特に直接注入された薬剤は、血管あるいはリンパ管に移行し、体液中に吸収される吸収速度が速いことが知られている。特に、真皮では、ホルモン、抗体医薬品、サイトカインなどの高分子物質を用いた薬剤を効率よく血液に吸収させることができる。また、真皮は効率の良い免疫の場であることが知られており、ワクチンの投与量を節約したり、弱いワクチンの感作を増強することができる。
また、真皮は、成人の人間では体表面(角質層の表面)から略一定の深さに存在することが知られている。このことは、言い換えれば、真皮に薬剤を注入する場合には、これらの人間に対しては、同じ長さ(深さ)の穿刺針を用いることができることを意味している。
一般に、真皮の幅は、体表面に対して垂直方向を基準とすると、1mm〜4mm(平均値は1mm〜2mm)程度であり、また、図6の一般的な皮膚構造の断面図に示すように、真皮Dは、角質層SCを含んだ幅0.06mm〜0.1mm程度の表皮Eと、皮下組織Sとの間に挟まれるようにして皮膚内に存在する。
従って、表皮と皮下組織の間にする存在する真皮に、穿刺器具の先端部、例えば穿刺針の針先を正確に挿入することは難しく、誤って針先が皮下組織等に挿入されてしまうと、薬剤を効率よく吸収させることができないという問題が生じる。
近年、例えば、前述した高分子医薬品を持続的に若しくはワンショットで真皮をターゲットとして投与することが試みられているが、このような場合、特に上述した問題が顕著になる。
ここで、体内の真皮に薬剤を注入するために、体内に挿入される穿刺針の長さを規定した皮下注射装置が知られている(特許文献1)。また、皮膚内に存在する特定の層に薬剤を注入するために、皮膚内に挿入される穿刺針の深さ(挿入深さ)を所定の長さに規定し、体表面に対して垂直方向から穿刺針を皮膚内に挿入する薬液注入装置も知られている(特許文献2)。
特開2001−137343号公報 特開2005−87519号公報
しかし、これらの装置では、体表面に対して垂直方向から穿刺針が皮膚内に挿入される構成が採用されている。この場合、穿刺針を穿刺しようとすると、皮膚全体が弾性的に窪んで穿刺されず、また穿刺されても針先が真皮まで達しないことがある。
また、真皮に対して垂直に穿刺針が挿入されると、真皮内における穿刺針の深さ(挿入深さ)が短くなり、例えば外部から何らかの衝撃等が加えられたような場合には、薬剤注入中の穿刺針が真皮から抜けてしまうという問題が生じてしまう。
更に、これらの装置を用いた場合には、真皮において、真皮の表面(表皮と真皮の境目)に形成された穿刺針の挿入口から、穿刺針の先端にある薬剤放出口までの距離が短くなり、薬剤放出口から真皮に注入された薬剤が、挿入口から真皮の外(表皮)へ漏れてしまうという問題も生じてしまう。
本発明の目的は、上述の問題点を考慮し、穿刺針を確実に皮膚の所定の部位に穿刺することができる穿刺器具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
穿刺針を移動可能に保持する穿刺針移動手段と、
体表面に接着される皮膚接着部材と、前記皮膚接着部材を付勢する付勢部材とを有し、前記体表面に対して垂直方向に皮膚を隆起させる皮膚変形手段と、を備え、
前記穿刺針移動手段によって前記穿刺針を移動させて、前記皮膚変形手段により隆起させた皮膚に前記穿刺針を穿刺するよう構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
(2)前記穿刺針移動手段は、体表面に固定される平面を有する固定部に設けられて、前記穿刺針は前記固定部の平面に沿って移動させること
を特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
(3)前記皮膚変形手段に、前記付勢部材を支持する支持台を設け、当該支持台は、前記固定部の材質よりも硬い材質で構成されること
を特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
(4)前記皮膚変形手段に、前記付勢部材による前記皮膚接着部材の付勢を係止する係止部材を設けたこと
を特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
(5)前記皮膚接着部材は、前記体表面に固定するための平面を有し、この平面に前記体表面に固定するための接着手段を設けたこと
を特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
(6)前記穿刺針移動手段は、前記皮膚接着部材の前記体表面に接着される平面に対して略平行に移動されると共に、前記穿刺針は、当該穿刺針の軸心が延在される方向を前記穿刺針移動手段の移動方向に一致させて保持されること
を特徴とする上記(5)に記載の穿刺器具。
(7)前記皮膚接着部材は、前記固定部の材質よりも硬い材質で構成されていること
を特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
(8)前記付勢部材は、ばねであること
を特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
(9)前記固定部は、粘着面を有していること
を特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
(10)前記固定部に、前記皮膚接着部材を前記体表面に接触させるための開口窓を設けたこと
を特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
本発明によれば、穿刺針を皮膚に穿刺して所定部位に確実に到達させることができる。また、皮膚の所定部位に対して、薬剤を確実に注入することができる。
以下、本発明の穿刺器具を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の穿刺器具の第1の実施の形態を示す斜視図である。図2は、図1中のA−A線の断面図である。また、図3(a)〜(c)及び図4(a)〜(c)は、図1に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(断面図)である。更に、図5(a),(b)は、本発明の穿刺器具の第2の実施の形態を示す断面図である。なお、以下では、図2〜図5の右側を「基端」、左側を「先端」として説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の穿刺器具の第1の実施の形態を示す穿刺器具1は、固定部である粘着パッド2と、皮膚を変形して隆起させる皮膚変形手段3と、穿刺針411を移動可能に保持する穿刺針移動手段4等を備えて構成されている。
粘着パッド2は、大きさの異なる2つの楕円形の板体を横方向に連続して形成したような、いわゆる翼状形状をなす板体とされている。
粘着パッド2の上面には、小さい楕円側に皮膚変形手段3が配置されており、大きい楕円側に穿刺針移動手段4が配置されている。このように、穿刺針移動手段4が配置される側の面積を大きく構成することで、体表面Fに対する安定性を増して、穿刺針移動手段4による穿刺針411の移動を安定した状態で行うことができる。
粘着パッド2の皮膚変形手段3に対応する位置には、皮膚変形手段3の後述する皮膚接着部材32を体表面Fに接触させるための開口窓21が設けられている。
粘着パッド2の下面は、体表面Fに密着して粘着パッド2を固定するための平面2aとされている。この平面2aには、粘着手段が設けられており、粘着手段としては、平面2aに接着剤を層状に塗布してもよいし、両面テープの粘着フィルムを貼付するようにしてもよい。なお、支持台31の下側に該当する位置の平面2aには、接着手段は設けられていない。これは、皮膚が隆起しやすいようにするためである。
図2に示すように、粘着パッド2の平面2aは、粘着剤により、体表面Fに固定されている。なお、体表面Fの下方には、角質層SC、角質層SCを含む表皮E、真皮D、皮下組織Sが、層状に配列されている。
このような粘着パッド2の構成材料としては、例えば、軟質ポリウレタン等の軟質ポリマーが挙げられる。
皮膚変形手段3は、粘着パッド2の上面に固定される支持台31と、支持台31に対向される皮膚接着部材32と、支持台31と皮膚接着部材32との間に介在されて皮膚接着部材32を付勢する付勢部材の一具体例を示す複数のコイルばね33等を備えて構成されている。
皮膚変形手段3の支持台31は、略四角形の枠体をなしており、開口部31aが粘着パッド2の開口窓21に対向されている。支持台31の一辺には、上面に連続して上方に突出する側面片311が設けられている。この側面片311は、穿刺針移動手段4の後述する支持部材43に連続されている。
皮膚接着部材32は、略四角形の板体をなす本体板321と、支持台31の開口部31a及び粘着パッド2の開口窓21に挿通される接着突部322とから構成されている。皮膚接着部材32の接着突部322は、本体板331の下面に連続して略垂直に突出しており、体表面Fに固定するための平面である接着面322aを有している。
接着突部322の接着面322aには、粘着手段の一具体例を示す粘着フィルム34が設けられており、この粘着フィルム34によって、皮膚接着部材32の接着面322aが体表面Fに接着される。粘着手段としては、例えば両面テープの粘着フィルム等が用いられる。
複数のコイルばね33は、本実施の形態では、4つ(図1において3つを示す)設けられており、支持台31の四隅と皮膚接着部材32の四隅とをそれぞれ接続するように配置されている。即ち、コイルばね33は、全て同じ長さに設定され、それぞれ一端が支持台31の上面に固定され、他端が皮膚接着部材32の本体板321の下面に固定されている。これにより、4つのコイルばね33が、支持台31の上方に皮膚接着部材32を支持する状態となっている。
また、コイルばね33は、コイルの中心軸の方向に圧縮荷重を受ける、いわゆる、圧縮コイルばねとされている。そのため、これらコイルばね33により、皮膚接着部材32は、支持台31の上面から略垂直方向に離反されるように付勢された状態となっている。
本実施の形態では、コイルばね33を4つ設ける構成としたが、コイルばね33の数は4つに限定されるものではなく、3つ以下であってもよく、また、5つ以上であってもよい。また、本実施の形態では、付勢部材として圧縮コイルばねを用いる構成としたが、本発明に係る付勢部材としては、これに限定されるものではなく、例えば、板ばね、引張ばね、ゴム状弾性体等を適用することができるものである。
本発明に係る皮膚変形手段に引張ばねを適用するには、例えば、支持台31を粘着パッド2の上方に配置するための脚部を設け、支持台の下面に引張ばねを吊るすように固定すると共に、引張ばねの他端を皮膚接着部材に固定して支持する構成を挙げることができる。
穿刺針移動手段4は、穿刺針411が取り付けられる注射具41と、注射具41を載置固定する載置部材42と、載置部材42を移動可能に支持する支持部材43とから構成される。
注射具41は、穿刺針411と、固定外筒412と、固定外筒412内で摺動し得る内部外筒413と、内部外筒413内で摺動し得るガスケット414と、ガスケット414を移動操作するプランジャ415とを備えている。
固定外筒412は、有底筒状の形状を有しており、接着剤等により、載置部材42上に載置固定されている。また、固定外筒412の底部の中央部付近には、穿刺針411の挿通を行うための挿通孔412aが形成されている。
内部外筒413は、有底筒状の形状を有している。また、底部の中央部付近には、穿刺針411が取り付けられている。
穿刺針411の針先411aは、固体外筒412に設けられた挿通孔412aから突出しないように設けられている。即ち、穿刺針411は、その針先411aが、挿通孔412aが設けられている固定外筒412の底面よりも内側かつ挿通孔412aの近傍に位置するように、固定外筒412に対して設置されている。
このように構成することにより、穿刺針411の針先411aが保護される。そのため、穿刺針411の針先411aに指等が触れたり、誤って穿刺針411を指等に刺してしまうことを防止することができ、穿刺針4を清潔な状態に保つことができる。また、穿刺針411は、外部からの衝撃を直接受けることがなく、その衝撃により穿刺針411が変形することを防止することができる。
穿刺針411の外径は、穿刺器具1の用途等によっても若干異なるが、0.05〜2mm程度であるのが好ましく、特に0.1〜1.5mm程度であるのが好ましい。
穿刺針411の構成材料としては、例えば、ステレンス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の金属材料が挙げられる。また、穿刺針411は、例えば、塑性加工によって製造される。
内部外筒413は、プランジャ415の操作により、固定外筒412内を、内部外筒413の長手方向に摺動することができ、内部外筒413が摺動する際には、内部外筒413に固着された穿刺針411が、挿通孔412aを通じて、固定外筒412から出し入れされる。
固定外筒412及び内部外筒413の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンのような各種樹脂が挙げられる。なお、固定外筒412及び内部外筒413の構成材料は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明であることが望ましい。
内部外筒413内には、弾性材料で構成されたガスケット414が収納されている。
ガスケット414の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、スチレン系等の各種熱可塑性エストラマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
ガスケット414と内部外筒413とで囲まれる空間内には、液室417が形成されており、この液室417には、予め液体が液密に収納されている。
液体としては、例えば、注射用治療薬、あるいはホルモン、抗体医薬品、サイトカイン、ワクチンなどの高分子物質を用いた薬液が挙げられる。
ガスケット414には、ガスケット414を内部外筒413内で長手方向に移動操作するプランジャ415が連結されている。
プランジャ415の基端には、板状のフランジ416が一体的に形成されている。このフランジ416を指等で押圧することにより、プランジャ415を操作する。
載置部材42は、長方形の板体をなしており、長辺の両側面には、係合部421,421が設けられている。これら係合部421,421は、支持部材43の後述する係合凸部431,431に摺動可能に係合される。そして、載置部材42の上面部42aには、注射具41の固定外筒412が固定される。
支持部材43は、載置部材42よりも厚く設定された長方形の板体をなしており、先端側の端部が、支持台31の側面片311に連続されている。これにより、皮膚変形手段3と穿刺針移動手段4とが一体的に構成されている。支持部材43の下面部43bには、接着剤等の固着手段が取り付けられており、図2に示すように、粘着パッド2の上面に接着固定されている。
支持部材43の長辺の両側面には、係合凸部431,431が設けられている。そして、これら係合凸部431,431に載置部材42の係合部421,421が摺動可能に係合されることにより、載置部材42が支持部材43に移動可能に支持されている。
支持部材43の上面部43aは、粘着パッド2の平面及び皮膚接着部材33の接着面332aに対して平行とされている。そのため、支持部材43の上面部43aに沿って移動される載置部材42は、粘着パッド2の平面及び皮膚接着部材33の接着面332aに対して平行に移動される。また、注射具41に取り付けた穿刺針411の軸心線は、載置部材42の移動方向に一致されている。
穿刺針移動手段4の載置部材42及び支持部材43と、皮膚変形手段3の支持台31及び皮膚接着部材32の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ABS樹脂等の適当な強度を有する各種合成樹脂を挙げることができるが、これに限定されるものではなく、アルミニウム合金等の金属を用いることもできる。
なお、穿刺針移動手段4としては、載置部材42上に、穿刺針とシリンジとを一体にした構成の注射具を固定保持するような構成としてもよい。この場合には、載置部材42が皮膚変形手段3に最も近づくように移動したときに、穿刺針411の針先411aが、皮膚変形手段3により隆起された皮膚に穿刺できるように、穿刺針411の長さを調整する。
また、本実施の形態では、穿刺針移動手段4に注射具41を設け、その注射具に穿刺針411を取り付ける構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、穿刺針411の針先411aと反対側に連通させるチューブを設け、そのチューブの他端を送液ポンプ等の注入器具に連通させる構成としてもよい。
次に、第1実施形態の穿刺器具1の使用方法(作用)について説明する。
まず、図3(a)に示すように、穿刺器具1を体表面Fの所定の位置に載置する。このとき、粘着パッド2の下面である平面2aに設けられた粘着フィルムにより、穿刺器具1が体表面Fに接着固定される。
次に、図3(b)に示すように、皮膚接着部材32を指で下方に押圧し、4つのコイルばね33を圧縮する。これにより、皮膚接着部材32の接着突部522が支持台31の開口部31a及び粘着パッド2の開口窓21に挿通され、接着突部522の接着面322aが粘着フィルム34により体表面Fに接着される。なお、本発明の穿刺器具としては、コイルばね33を圧縮した状態で係止し、予め皮膚接着部材32を開口窓21に挿通させる構成としてもよい。この場合、皮膚接着部材32は、穿刺器具1を体表面Fの所定の位置に接着固定する時に、同時に体表面に接着される。
次に、図3(c)に示すように、皮膚接着部材32を押圧している指を離す。これにより、皮膚接着部材32が4つのコイルばね33のばね力によって付勢され、上方に移動する。
これと同時に、皮膚接着部材32の接着面322aに接着された皮膚が上方へ引き上げられる。即ち、角質層SCを含む表皮E、真皮D、皮下組織Sが、それぞれ上方へ引き上げられて、皮膚が体表面Fに対して垂直方向に隆起される。このとき、隆起された皮膚の真皮D等は、皮膚接着部材32の接着面322aと略平行な状態となっている。
更に、4つのコイルばね33を所定の長さに設定しているため、皮膚接着部材32によって引き上げられた皮膚の真皮Dの高さと、穿刺針移動手段4の穿刺針411が設置された高さとが一致した状態となる。
次に、注射具41が固定保持されている載置部材41を、先端方向にスライドさせる。即ち、固定外筒412の底面と隆起させた皮膚の側面とを近接させて、穿刺針411の針先411aを、隆起させた皮膚の側面に近づける。
次に、フランジ416を指等で押圧することにより、プランジャ415を操作して、内部外筒413を、固定外筒412と摺動させながら、先端方向へ移動させる。これにより、内部外筒413に固着された穿刺針411が、挿通孔412aから穿刺部位に挿入され、図4(a)に示すように、穿刺針411の針先411aが、角質層SCを含む表皮Eをバイパスして、真皮Dに対して平行に穿刺される。
この状態から、さらにフランジ416を指等で押圧することにより、プランジャ415を操作して、内部外筒413と摺動させながら、ガスケット414を先端方向へ移動させる。これにより、図4(b)に示すように、液室417に収納されている液体が、穿刺針411の針先411aを通じて、真皮Dへ注入される。
液体を真皮Dに注入した後、載置部材41を基端方向へ移動させて、穿刺針411を隆起させた皮膚から引き抜く。
さらに、プランジャ415を基端方向へ移動させて、穿刺針411を挿通孔421aから固定外筒412内に収納する。
次に、この状態で、注射器具41が固定保持されている載置部材42を、基端方向にスライドさせて、図4(c)の状態とし、最後に、粘着パッド2及び皮膚接着部材32と体表面Fとの接着を解除して、穿刺器具1を体表面Fから剥離する。
図5(a)及び図5(b)は、本発明の穿刺器具の第2の実施の形態を示すものである。この穿刺器具7が、第1の実施の形態を示す穿刺器具1と異なるところは、皮膚を隆起させるための皮膚変形手段8である。この穿刺器具7の構成のうち穿刺器具1と共通する部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
穿刺器具7の皮膚変形手段8は、粘着パッド2の上面に設けられる中空の筐体をなすガイド箱81と、このガイド箱81の内部に配置されて体表面Fに接着される皮膚接着部材82と、皮膚接着部材82の上面に略垂直に突設されると共にガイド箱81を貫通する複数のガイドピン83と、ガイドピン83の皮膚接着部材82と反対側に取り付けられる押し上げ部材84と、各ガイドピン83の押し上げ部材84とガイド箱81との間にそれぞれ介在される付勢部材の他の具体例を示すコイルばね85等を備えて構成されている。
皮膚変形手段8の皮膚接着部材82の下面は、体表面Fに接着するための平面である接着面82aとされており、この接着面82aには、粘着手段の一具体例を示す粘着フィルム87が設けられている。皮膚接着部材82の上面に取り付けられる複数のコイルばね85は、本実施の形態では4つ設けられており、それぞれ皮膚接着部材82の四隅に配置されている。また、係止部材の一具体例を示すガイド箱81の一側面には、穿刺針411を貫通させるための穿刺針孔811が設けられている。
皮膚変形手段8のコイルばね85は、圧縮コイルばねであり、図5(a)に示す状態では、圧縮された状態となっている。また、押し上げ部材84の上面には、コイルばね85の圧縮状態を解除するためのロック解除ボタン841が設けられている。即ち、押し上げ部材84は、図示しないロック機構によってコイルばね85を圧縮する位置に固定されており、ロック解除ボタン841を押圧することでロックが解除され、コイルばね85により上方に付勢されるようになっている。
上述したような構成を有する皮膚変形手段8によれば、例えば、次のようにして皮膚を隆起させることができる。まず、押し上げ部材84のロック解除ボタン841を指で押圧する。これにより、皮膚接着部材82の接着面82aが、粘着フィルム87によって体表面Fに接着されると共に、図示しないロック機構が解除される。
次に、ロック解除ボタン841を押圧している指を離す。これにより、皮膚接着部材82が、4つのコイルばね85のばね力によって付勢されて上方に移動し、ガイド箱81の天井面81aに当接する。
これと同時に、皮膚接着部材82の接着面82aに接着された皮膚が上方へ引き上げられる。即ち、角質層SCを含む表皮E、真皮D、皮下組織Sが、それぞれ上方へ引き上げられて、皮膚が体表面Fに対して垂直方向に隆起される。このとき、隆起された皮膚の真皮D等は、皮膚接着部材82の接着面82aと略平行な状態となっている。
更に、体表面Fからガイド箱81の天井面81aまでの高さを所定の高さに設定しているため、皮膚接着部材82により引き上げられた皮膚の真皮Dの高さと、穿刺針移動手段4の穿刺針411が設置された高さとが一致した状態となっている。
上述したように、第2の実施の形態を示す穿刺器具7によれば、皮膚接着部材82の上方への移動をガイド箱81により係止する構成としたため、第1の実施の形態を示す穿刺器具1よりも隆起させる皮膚の高さを正確に制御するができ、より確実に真皮Dに穿刺針411を穿刺することができる。
以上説明したように、本発明の穿刺器具によれば、例えば、真皮Dに穿刺する場合、皮膚変形手段によって皮膚を隆起させることにより、皮膚の真皮Dを穿刺針と同等の高さに引き上げることができると共に、その穿刺針の軸心線と真皮Dの層が延在される方向とを略平行にすることができる。その結果、穿刺針を真皮D内に確実に且つ深く挿入することができ、外部から衝撃等が加えられた場合であっても、薬剤注入中の穿刺針が真皮Dから簡単に抜けてしまうことを防止することができる。
更に、穿刺針を真皮D内に深く挿入することが可能なため、穿刺針の針先にある薬剤放出口から、表皮E及び体表面Fまでの距離を長くすることができ、薬剤放出口から真皮Dに注入された薬剤が、逆流して表皮Eに浸透したり、体表面Fの外部へ漏れてしまったりすることを防止することができる。従って、真皮Dに確実に薬剤を注入することができる。
また、皮膚変形手段と穿刺針移動手段とを連続させて一体的に構成したため、組立作業を行う際に、皮膚変形手段に対する穿刺針移動手段の位置調整等の作業を省くことができ、組立時の作業性を向上させることができる。更に、隆起される皮膚に対する穿刺針の位置を正確に設定することができ、穿刺針を真皮Dに確実に穿刺することができる。
本発明の穿刺器具は、これまでに述べてきた薬剤を単回注射する目的の他、カニューレを埋設するために用いることができる。この場合、穿刺針にカニューレを保持させ、穿刺後カニューレを残して穿刺針のみ抜き取ることによって皮内にカニューレを埋設する。埋設部に孔を有する中空のカニューレを埋設することにより、薬剤の連続投与や体液成分のサンプリング目的で用いることができる。また、埋設部分にセンサを有するカテーテルを埋設することによって、体内成分の測定を行うことも可能である。
なお、上記実施形態は、いずれも真皮に穿刺針を穿刺する例で説明したが、本発明の穿刺器具は、真皮の他に皮内や皮下組織、更には筋肉に穿刺する場合にも用いることができるものである。
また、本発明の穿刺器具は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、その他材料、構成等において本発明の構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の穿刺器具の第1の実施の形態を示す斜視図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1に示す穿刺器具の使用方法を説明するための第1の図(断面図)である。 図1に示す穿刺器具の使用方法を説明するための第2の図(断面図)である。 本発明の穿刺器具の第2の実施の形態を示す断面図である。 一般的な皮膚構造を示す断面図である。
符号の説明
1,7・・穿刺器具
2・・粘着パッド
2a・・平面
21・・開口窓
3,8・・皮膚変形手段
31・・支持台
31a・・開口部
311・・側面片
32,82・・皮膚接着部材
33,85・・コイルばね
34,87・・粘着フィルム
4・・穿刺針移動手段
41・・注射具
411・・穿刺針
411a・・針先
412・・固定外筒
412a・・挿通孔
413・・内部外筒
414・・ガスケット
415・・プランジャ
416・・フランジ
417・・液室
42・・載置部材
42a・・上面部
421・・係合部
43・・支持部材
43a・・上面部
43b・・下面部
431・・係合凸部
81・・ガイド箱
811・・穿刺針孔
83・・ガイドピン
84・・押し上げ部材
841・・ロック解除ボタン
F・・体表面
SC・・角質層
E・・表皮
D・・真皮
S・・皮下組織

Claims (10)

  1. 皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
    前記穿刺針を移動可能に保持する穿刺針移動手段と、
    体表面に接着される皮膚接着部材と、前記皮膚接着部材を付勢する付勢部材とを有し、前記体表面に対して垂直方向に皮膚を隆起させる皮膚変形手段と、を備え、
    前記穿刺針移動手段によって前記穿刺針を移動させて、前記皮膚変形手段により隆起させた皮膚に前記穿刺針を穿刺するよう構成したこと
    を特徴とする穿刺器具。
  2. 前記穿刺針移動手段は、前記体表面に固定される平面を有する固定部に設けられて、前記穿刺針は前記固定部の平面に沿って移動させること
    を特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
  3. 前記皮膚変形手段に、前記付勢部材を支持する支持台を設け、当該支持台は、前記固定部の材質よりも硬い材質で構成されること
    を特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
  4. 前記皮膚変形手段に、前記付勢部材による前記皮膚接着部材の付勢を係止する係止部材を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
  5. 前記皮膚接着部材は、前記体表面に固定するための平面を有し、この平面に前記体表面に固定するための接着手段を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
  6. 前記穿刺針移動手段は、前記皮膚接着部材の前記体表面に接着される平面に対して略平行に移動されると共に、前記穿刺針は、当該穿刺針の軸心が延在される方向を前記穿刺針移動手段の移動方向に一致させて保持されること
    を特徴とする請求項5に記載の穿刺器具。
  7. 前記皮膚接着部材は、前記固定部の材質よりも硬い材質で構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
  8. 前記付勢部材は、ばねであること
    を特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
  9. 前記固定部は、粘着面を有していること
    を特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
  10. 前記固定部に、前記皮膚接着部材を前記体表面に接触させるための開口窓を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
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