(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(「7」、「メロン」、「バナナ」、「チェリー」、「ブドウ」、「スイカ」、「リンゴ」、「レモン」、「モモ」、「イチゴ」、「オレンジ」、ブランク図柄等の飾り図柄)を変動表示する変動表示領域を有する変動表示装置(飾り図柄表示装置44b)を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
複数種類の前記識別情報を所定の表示順序(たとえば、「ブドウ」→ブランク図柄→「チェリー」→ブランク図柄→「バナナ」→ブランク図柄→「メロン」→選択されている演出モードに対応する選択図柄→ブランク図柄の順序)で変動表示させるときに用いる識別情報表示用データ(図柄列画像データ)を記憶する識別情報表示用データ記憶領域(第1〜第4図柄列画像データエリア)を有する表示用データ記憶手段(VRAM138)と、
前記識別情報表示用データの基となる識別情報の画像データを記憶する画像データ記憶手段(キャラROM137)と、
該画像データ記憶手段から読み出した画像データを前記識別情報表示用データ記憶領域に展開することにより前記識別情報表示用データを生成し、該生成した識別情報表示用データに基づき複数種類の前記識別情報を変動表示させる表示制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ、演出制御用マイクロコンピュータ、VDP136)と、
複数種類の遊技演出(宇宙モード、海モード、陸モード、オートモード)から実行する遊技演出を選択する遊技演出選択手段(SN02〜SN03、SR04〜SR05、SV06)とを備え、
複数種類の前記識別情報は、前記遊技演出選択手段により選択された遊技演出の種類に関わらず共通の画像データを用いる共通識別情報(共通図柄、飾り図柄「7」以外の飾り図柄であって、「メロン」、「バナナ」、「チェリー」、「ブドウ」、「スイカ」、「リンゴ」、「レモン」、「モモ」、「イチゴ」、「オレンジ」、その他ブランク図柄)と、前記遊技演出選択手段により選択された遊技演出に応じた種類の画像データを用いる選択識別情報(選択図柄、飾り図柄「7」)とを含み、
前記画像データ記憶手段は、
前記共通識別情報の画像データである共通識別情報用画像データ(図7(a)に示す共通図柄データ)を記憶するとともに、前記選択識別情報の画像データである選択識別情報用画像データ(図7(b)に示す選択図柄データ)を複数種類記憶し(図6の共通図柄画像データエリアおよび選択図柄画像データエリア参照)、
前記表示制御手段は、
前記画像データ記憶手段から読み出した前記共通識別情報用画像データ、および前記画像データ記憶手段から読み出した前記選択識別情報用画像データのうち前記遊技演出選択手段により選択された遊技演出に応じた種類の選択識別情報用画像データ(選択された演出モードが、宇宙モードのとき宇宙用図柄の画像データ、海モードのとき海用図柄の画像データ、陸モードのとき陸用図柄の画像データ)を、前記表示順序にしたがった配列で前記識別情報表示用データ記憶領域に展開する配列展開制御(CPU133による描画処理、VDP136による展開処理)を行なって、前記識別情報表示用データを生成する識別情報表示用データ生成手段(SN05、SR06)と、
前記変動表示領域において複数種類の前記識別情報を変動表示するときに用いる一表示領域分の識別情報の画像データ容量に対応する識別情報表示用データを一表示領域用データとして読み出す読出領域(第1〜第9のスクリーン)を前記識別情報表示用データ記憶領域上で更新する読出領域変更制御(第1〜第9のスクリーンの座標を指定する値を更新)を行なって、読み出した前記一表示領域用データを順次表示させることにより複数種類の前記識別情報を変動表示させる変動表示制御手段(SQ03)とを含む。
このような構成によれば、配列展開制御が行なわれることにより共通識別情報用画像データと遊技演出の種類に応じた選択識別情報用画像データとを用いて、遊技演出の種類に応じて異なる識別情報表示用データを生成することができる。これにより、共通識別情報については、複数種類の共通識別情報用画像データを記憶させる必要がないため、識別情報表示用データ全体を画像データ記憶手段に複数種類記憶させる場合と比較して画像データの記憶容量を削減することができる。また、選択識別情報画像データを変更するだけで異なる識別情報表示用データを生成することができるため、識別情報表示用データ全体を変更する場合と比較して処理負担を軽減することができる。さらに、識別情報の表示順序は一定でありかつ共通識別情報の画像は同一であるため、遊技演出の種類に応じて異なる識別情報表示用データが生成されて変動表示が行なわれても、変動表示させる識別情報の順番を特定しやすいため、視覚的に斬新でありかつ遊技者にとってわかりやすい変動表示演出を提供することができる。
(2) 前記表示用データ記憶手段は、前記画像データ記憶手段に記憶された選択識別情報用画像データのうち、前記遊技演出選択手段により選択されている遊技演出から選択され得る遊技演出に応じた種類の選択識別情報用画像データを記憶する選択可能遊技演出用画像データ記憶領域(VRAM138上に形成された選択図柄画像データエリア)をさらに有し、
前記識別情報表示用データ生成手段は、
少なくとも前記変動表示領域において複数種類の前記識別情報を変動表示させる前に(たとえば、電源投入時)、前記画像データ記憶手段に記憶された選択識別情報用画像データのうち前記遊技演出選択手段により選択されている遊技演出から選択され得る遊技演出に応じた種類の選択識別情報用画像データを前記選択可能遊技演出用画像データ記憶領域に予め展開する事前展開制御(SN04)と、
前記事前展開制御により前記選択可能遊技演出用画像データ記憶領域に展開された前記選択識別情報用画像データのうち前記遊技演出選択手段により選択された遊技演出に応じた種類の選択識別情報用画像データを、前記識別情報表示用データ記憶領域に展開されている前記選択識別情報用画像データに替えて展開する差替展開制御とを行なう(SN05、SR06、SV07、SV12)。
このような構成によれば、遊技演出が変更された際、当該遊技演出に対応する選択識別情報用画像データは、表示用データ記憶手段が有する選択可能遊技演出用画像データ記憶領域から読み出される。これにより、遊技演出の種類に応じた識別情報表示用データを生成するにあたり、画像データ記憶手段から選択識別情報用画像データを読み出す場合と比較し、迅速化を図ることができる。
(3) 前記識別情報表示用データ生成手段は、第1の識別情報表示用データと該第1の識別情報表示用データと異なる第2の識別情報表示用データとを少なくとも含む複数種類の識別情報表示用データ(たとえば、第1〜第4図柄列画像データ)を前記識別情報表示用データ記憶領域に生成し(図6の第1および第3図柄列画像データエリア、第2図柄列画像データエリア、および第4図柄列画像データエリア参照)、
前記変動表示装置は、前記表示制御手段が前記第1の識別情報表示用データ(たとえば、第1および第3図柄列画像データ)を用いて前記選択識別情報を含む複数種類の識別情報を変動表示させる第1の変動表示領域(変動表示領域80a,80c,80g,80i)と、前記表示制御手段が前記第2の識別情報表示用データ(たとえば、第2図柄列画像データ)を用いて前記選択識別情報を含む複数種類の識別情報を変動表示させる第2の変動表示領域(変動表示領域80b,80d,80f,80h)とを少なくとも有し、
前記識別情報表示用データ生成手段は、
前記事前展開制御を行なうことにより、前記遊技演出選択手段により選択されている遊技演出から選択され得る遊技演出に応じた種類毎に一の選択識別情報の選択識別情報用画像データ(飾り図柄「7」の宇宙用図柄、海用図柄、および陸用図柄の画像データ)を前記選択可能遊技演出用画像データ記憶領域に予め展開し(図6の選択図柄画像データエリア参照)、
前記差替展開制御を行なうことにより、前記識別情報表示用データ記憶領域に生成された複数種類の前記識別情報表示用データ各々に展開されている前記選択識別情報用画像データに替えて、前記選択可能遊技演出用画像データ記憶領域に展開された前記選択識別情報用画像データのうち前記遊技演出選択手段により選択された遊技演出に応じた種類の一の選択識別情報の選択識別情報用画像データを展開する(SN05、SR06、SV07、SV12)。
このような構成によれば、変動表示装置が異なる識別情報表示用データを用いて変動表示させる変動表示領域を複数有していても、遊技演出に応じた種類毎に一の選択識別情報の選択識別情報用画像データを予め展開し差替展開制御を行なうことにより、異なる識別情報表示用データを生成することができる。これにより、選択可能遊技演出用画像データ記憶領域に予め記憶させる選択識別情報用画像データの記憶容量を最小限度に抑えることができる。
このような構成によれば、遊技者が選択手段を操作することにより遊技演出を選択することができ、変動表示に用いられる識別情報表示用データを変化させることができるため、長時間遊技を行なった場合に生じるマンネリ化を防止することができる。
このような構成によれば、第1の順序に従って遊技演出が切替えられたときより、第2の順序に従って遊技演出が切替えられたときの方が、高い割合で特定遊技状態に制御されるため、いずれの順序で遊技演出が切替えられるかについて遊技者の期待感を向上させることができる。
このような構成によれば、選択されている遊技演出に応じた種類の選択識別情報と異なる選択識別情報が変動表示される場合があるため、意外性のある変動表示演出を提供することができる。また、選択されている遊技演出に応じた種類の選択識別情報が変動表示されたときより、選択されている遊技演出に応じた種類の選択識別情報と異なる選択識別情報が変動表示されたときの方が、高い割合で特定遊技状態に制御されるため、意外性のある変動表示演出が行なわれることについて遊技者の期待感を向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態においては、パチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、たとえば、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示する変動表示領域を有する変動表示装置を備えた遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、該外枠2の一側に開閉自在に軸支され且つパチンコ遊技機1の主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる前面枠3と、該前面枠3の前面上部に開閉自在に設けられる前面扉枠(ガラス枠)4と、前面枠3の前面下部に開閉自在に設けられる上皿開閉枠11と、から構成されている。また、前面枠3に設けられる主要構成部としては、上記した前面扉枠4、遊技盤40、下皿27、灰皿ユニット29、操作ハンドル30、機構板140、打球発射装置130がある。なお、図示はしていないが、パチンコ遊技機1の側方に遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのカードユニット装置が付設されるものであってもよい。
前面扉枠4には、後述する遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視し得る遊技開口としての円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面から複層ガラス板が装着されるようになっている。この円形透視窓5および複層ガラス板は、いずれも縦長な円形状に形成されるものである。前面扉枠4の周縁には、後方に向かって補強周枠リブ(図示しない)が立設され、さらに、補強周枠リブに沿って補強金具を取付ネジで取り付けることにより、前面扉枠4の強度の向上を図っている。また、前面扉枠4の前面側には、円形透視窓5の外周に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23が、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24が、下部に前面構成部材としての下部装飾ユニット25がそれぞれ設けられている。上部装飾ユニット22の内部に、発光部材としての遊技効果LED13,14a,14cおよび遊技効果ランプ14b,14dが臨むように前面扉枠4の前面側に備えられ、左装飾ユニット23および右装飾ユニット24の内部に、それぞれ発光部材としての遊技効果ランプ16a,16bおよび遊技効果ランプ17a,17bが臨むように前面扉枠4の前面側に備えられている。この遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ14b,14d,16a,16b,17a,17bは、遊技状態に応じて点灯又は点滅されるものであり、特定遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知すると共に遊技の雰囲気を盛り上げるものである。なお、本実施の形態における特定遊技状態とは、後述する大当り状態をいうが、これに限らず、後述する確率変動状態、リーチ状態等の遊技状態であってもよい。
また、上部装飾ユニット22の左右に、遊技の進行に応じた効果音(音声なども含む)を発生するスピーカ12a,12bが前面扉枠4に設けられている。なお、スピーカ12a,12bは、玉の貸出異常が生じたとき、あるいは玉の貸出時(たとえば、100円相当の玉が払い出される毎)に、その旨を報知する報知音も発生するようにしてもよい。また、左装飾ユニット23の上部右側方に、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払い出されたことを報知する遊技関連情報発光部材としての賞球LED10(なお、賞球未払出分がある場合に報知するものでもよい。具体的には、賞球未払出があるときは点灯し、賞球未払出がないときは消灯するなど)が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられ、右装飾ユニット24の上部左側方に、払い出すべく賞球が不足したことを報知する遊技関連情報発光部材としての球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。この賞球LED10および球切れLED9は、パチンコ遊技機1において行なわれる遊技演出とは別に遊技に関する情報に関連して発光する遊技関連情報発光部材であり、遊技効果LEDや遊技効果ランプとは別に設けられるものであり、前面枠3の前面側に設けられている。また、左装飾ユニット23および右装飾ユニット24のそれぞれ左側および右側には、装飾するための前面装飾部6が設けられている。更に、下部装飾ユニット25の両側方には、遊技盤40に貼付される証紙を視認するための透視窓18が設けられている。
上記した遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ14b,14d,16a,16b,17a,17bは、それぞれプリント配線基板(図示しない)に実装されて前面枠3の前面側に取り付けられる。なお、遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ16a,16b,17a,17bは、各プリント基板にそれぞれ複数個ずつ実装され、遊技効果ランプ14b,14dは、各プリント基板にそれぞれ1個ずつ実装されている。そして、各基板およびスピーカ12a,12bは、後述する音声枠ランプ基板92に接続されている。一方、球切れLED9、賞球LED10は、各プリント基板にそれぞれ複数個ずつ実装されており、後述する払出制御基板98に接続されている。
次に、前面扉枠4の透視窓5の下方に位置する上皿開閉枠11に形成された上皿19の構成について説明すると、上皿19は、複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。上皿19の開放側の上方には、玉抜き操作レバー21が設けられている。この玉抜き操作レバー21は、左右方向に移動可能に設けられ、スプリングの付勢力に抗して一方向に移動させることにより、上皿19に貯留されていた球を裏面側に形成される玉抜き路(図示しない)および玉抜き穴(図示しない)を流下させて下皿27に誘導するものである。
上記した上皿19について、さらに詳細に説明すると、上皿19は、その上流側に形成される賞球払出口20から払い出された賞球を貯留し、且つ発射位置に球を供給するものである。また、上皿19には、パチンコ遊技機1に隣接して設けられるカードユニット装置を介して玉を借り受ける際に操作する操作部(残高表示部)が設けられている。この操作部は、球貸スイッチと返却スイッチと各表示LED(いずれも図示しない)が実装される残高表示基板104からなり、該残高表示基板104が上皿19の上面に臨むように設けられている。また、上皿19の右側方には、前面扉枠4を前面枠3に対して施錠し且つ前面枠3を外枠2に対して施錠する施錠装置を操作するためのシリンダー錠26が臨んでいる。
また、前面枠3の下部に取り付けられる下皿27は、前記上皿19から溢れた余剰球を貯留する余剰球貯留皿(余剰球受皿)であり、その下皿27の下方には、玉抜き操作レバー28がスライド可能に取り付けられるようになっている。この玉抜き操作レバー28を操作することにより、下皿27に貯留されていた玉(賞球)を下方に玉抜きして持ち運び可能な球箱に移し替えることができる。また、下皿27の左側には、操作手段としての操作ボタン31と灰皿ユニット29とが設けられ、右側には、操作ハンドル30が設けられている。操作ボタン31は、遊技者によって押圧操作されることにより、検出信号を出力する。飾り図柄表示装置44bにおいて飾り図柄の変動表示が行なわれていないときに、遊技者が操作ボタン31を押圧操作することにより、後述する演出モードを選択することができる。操作ハンドル30は、後述する打球発射装置130の発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチおよびタッチリング(タッチセンサ)に接続されるタッチ配線(図示しない)が組み付けられていると共に、弾発力を調節するものである。
パチンコ遊技機1の正面構造は、概ね上記した通りであるが、パチンコ遊技機1にカードユニット装置が隣接されている場合について説明する。このカードユニット装置は、前記上皿19の上面に設けられる前述した球貸スイッチや返却スイッチ等の操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置の表面側には、使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器(図示しない)と、当該カードユニット装置がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているか否かを表示する連結台方向表示器(図示しない)と、記録媒体としての磁気カードを挿入するカード挿入口(図示しない)とが設けられている。そして、このように構成されるカードユニット装置は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、カードユニット配線を介して、後述する払出制御基板98に接続されている。なお、カードユニット装置をパチンコ遊技機1に内蔵しても良いし、カードユニット装置を付設せず、カードによる球貸し機能を有しない弾球遊技機でもよい。また、本実施形態においては、遊技者に玉を貸し出す(球貸しする)ためのユニット装置としてカードユニット装置を例示したが、たとえば、紙幣等を挿入し得るユニット装置であってもよい。
以上で、パチンコ遊技機1の正面の概略構成を説明したが、以下、パチンコ遊技機1を構成する要素のうち、図2を参照して遊技盤40の詳細な構成について説明する。図2は、遊技盤40の拡大正面図である。
遊技盤40は、前面枠3の裏面側に一体的に形成される遊技盤収納枠部に収容固定されるべく、ほぼ正方形状の合板により形成されている。遊技盤40の表面には、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42a,42bが取り付けられている。これにより、打球発射装置130から発射された金属製の玉は、該誘導レール42a,42b各々により形成される円形状の遊技領域41内に導かれる。なお、誘導レール42aは、遊技領域41の左下部分から右上部分までを区画形成し、誘導レール42bは、遊技領域41の右上部分から左上部分までを区画形成する。
遊技領域41には、図示の場合、特別図柄表示装置44a、変動表示装置としての飾り図柄表示装置44b、特別可変入賞球装置48、普通可変入賞球装置58、普通図柄表示装置63等が設けられると共に、単に打球を入賞とする入賞口、打球の流下方向,速度を変化せしめる風車又は多数の障害釘(図示しない)が設けられ、また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない打球が取り込まれるアウト口69が設けられている。
遊技領域41の構成をより詳細に説明すると、飾り図柄表示装置44bの左側方には、ゲートスイッチ62が内蔵された通過ゲート61が設けられている。このゲートスイッチ62は、該ゲートスイッチ62内を通過する打球を検出すると、その検出信号に基づいて特別可変入賞球装置48の右側方に備えられた普通図柄表示装置63で普通図柄を変動表示(具体的には上下2箇所で「○」「×」を交互に点灯させる)して表示結果を導出する(上下2箇所でそれぞれ「○」「×」のいずれか一方を点灯させる)。即ち、普通図柄表示装置63で「×」が点灯した場合には、普通図柄表示装置63がはずれの表示結果を導出したことになる。一方、普通図柄表示装置63で「○」が点灯した場合には、普通図柄表示装置63が当りの表示結果を導出したことになり、普通可変入賞球装置58が所定時間開放される。また、普通図柄表示装置63の変動時間は、特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動状態のときに相対的に短く(たとえば、3〜5秒)、確率変動状態のときと比較し特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が低くなる通常遊技状態のときに相対的に長く(たとえば、30秒)設定されている。
また、特別可変入賞球装置48の左側方には、普通図柄表示装置63の変動表示中にゲートスイッチ62を通過した打球数を記憶表示する普通図柄始動記憶LED64(最高4個まで記憶表示する)が設けられている。この普通図柄始動記憶LED64は、4個のLEDから構成されている。
また、特別図柄始動記憶LED46には、特別図柄の変動動作中に後述する始動口スイッチ60によって検出された球数を記憶表示する(最高4個まで記憶表示する)。この特別図柄始動記憶LED46は、4個のLEDから構成されている。なお、特別図柄始動記憶LED46においては、始動記憶数の上限値を一定の4個としているが、これに限らず、予め定めた所定条件の成立に伴って始動記憶数の上限値を変更可能(たとえば、確変大当りした場合には、20個に増加する等)に構成してもよい。
普通可変入賞球装置58は、遊技領域41のほぼ中央に配置される飾り図柄表示装置44bと、アウト口69の上方に配置される特別可変入賞球装置48との間に配置され、ソレノイド59によって開閉駆動される電動チューリップタイプの可変入賞球装置である。そして、普通可変入賞球装置58には、始動口スイッチ60が内蔵され、開放中又は閉成中に受け入れた入賞球を検出するようになっている。しかして、打球が始動口スイッチ60によって検出されると特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄が、飾り図柄表示装置44bにおいて飾り図柄が変動開始する。このように、始動口スイッチ60は、特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bにおいて変動表示をさせるための始動機能を兼用している。なお、普通可変入賞球装置58の開放時間は、通常遊技状態のときに相対的に短く(たとえば、0.5秒)、確率変動状態のときに相対的に長く(たとえば、2秒)設定されている。また、普通可変入賞球装置58が開放していない場合でも、普通可変入賞球装置58の上部に設けられている始動口58aから打球を受け入れるようになっている。
特別図柄表示装置44aは、「0」,「3」,「7」の特別図柄を変動表示する7セグメントLEDを備えた表示器である。そして、特別図柄表示装置44aの変動停止時における特別図柄が予め定めた大当り図柄(たとえば、「3」または「7」)である場合に、所定の遊技価値の付与として特定遊技状態(以下、大当りという)を発生して、特別可変入賞球装置48を次に説明する所定の表示態様で開閉駆動するものである。但し、大当り図柄の一部(たとえば、「7」)は、確率変動図柄として設定され、この確率変動図柄で大当りとなったときには、その大当り終了後における前記普通図柄表示装置63での普通図柄の変動時間の短縮や当り(当りの点灯)の出現確率や特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動状態となるように設定されている。
飾り図柄表示装置44bは、後述するような飾り図柄を個々に変動表示する変動表示領域を複数有する表示領域80が形成された液晶表示器(Liquid Crystal Display)である。飾り図柄表示装置44bの表示領域80には、画像によって表示領域80中央に変動表示領域80eが形成され、該変動表示領域80eを中心に放射状に配列された8つの変動表示領域80a〜80d,80f〜80iが形成され、各変動表示領域80a〜80iにおいて所定の飾り図柄を順次変動表示する。
飾り図柄表示装置44bに形成された変動表示領域80a〜80iのうち、3つの変動表示領域の組合せにより、ラインが形成される。具体的には、飾り図柄表示装置44bに形成された変動表示領域80a〜80iにより、変動表示領域80eを含む水平方向のラインと、変動表示領域80eを含む垂直方向のラインと、変動表示領域80eを含む斜め方向の2本のラインと、変動表示領域80a,80b,および80cを含む円弧上のラインと、変動表示領域80b,80c,および80fを含む円弧上のラインと、変動表示領域80c,80f,および80iを含む円弧上のラインと、変動表示領域80f,80i,および80hを含む円弧上のラインと、変動表示領域80i,80h,および80gを含む円弧上のラインと、変動表示領域80h,80g,および80dを含む円弧上のラインと、変動表示領域80g,80d,および80aを含む円弧上のラインと、変動表示領域80d,80a,および80bを含む円弧上のラインとを含む合計12本のラインが形成される。
本実施の形態においては、この12本のラインのいずれも組合せ有効列(有効ライン)とされており、このライン上に予め定めた大当りの組合せが停止表示(本実施の形態の場合には、飾り図柄「7」がラインに揃う組合せが停止表示、または、9つの変動表示領域80a〜80iにおいてフルーツの図柄(以下、オールフルーツともいう)が停止表示)されれば、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。
ここで、本実施の形態における飾り図柄表示装置44bにおける飾り図柄の変動表示態様の一例について説明する。図3は、飾り図柄表示装置44bにおける飾り図柄の変動表示態様の一例を説明するための画面図である。
図3(a)は、飾り図柄表示装置44bにおいて飾り図柄の変動表示が開始されたときの画面図である。図3(a)では、変動表示領域80a〜80i各々において一斉に飾り図柄が上方向から下方向へスクロールすることにより変動表示が開始される。なお、図中の矢印は、飾り図柄がスクロールしている様子を示している。
図3(b)は、第1のタイミングが経過し、予め定められた第1図柄領域において飾り図柄が停止表示されたときの画面図である。第1図柄領域とは、変動表示領域80aと、当該変動表示領域80aと対角線上に位置する変動表示領域80iとを示す。図3(b)では、変動表示領域80a,80i各々において「7」の飾り図柄が停止表示されている。ここでは、変動表示領域80a,80eおよび80iを含む斜め方向のラインにおいて、後述するリーチが発生した状態を示している。
図3(c)は、第2のタイミングが経過し、予め定められた第2図柄領域において飾り図柄が停止表示されたときの画面図である。第2図柄領域とは、変動表示領域80b,80dと、当該変動表示領域80b,80d各々と対角線上に位置する変動表示領域80f,80hとを示す。図3(c)では、変動表示領域80b,80f,80h各々においてブランク図柄が、変動表示領域80dにおいて「イチゴ」の飾り図柄が停止表示されている。
図3(d)は、第3のタイミングが経過し、予め定められた第3図柄領域において飾り図柄が停止表示されたときの画面図である。第3図柄領域とは、変動表示領域80cと、当該変動表示領域80cと対角線上に位置する変動表示領域80gとを示す。図3(d)では、変動表示領域80cにおいて「メロン」の飾り図柄が、変動表示領域80gにおいて「バナナ」の飾り図柄が停止表示されている。
図3(e)は、第4のタイミングが経過し、予め定められた第4図柄領域において飾り図柄が停止表示されたときの画面図である。第4図柄領域とは、変動表示領域80eを示す。図3(e)では、変動表示領域80eにおいて「7」の飾り図柄が停止表示されている。ここでは、変動表示領域80a,80eおよび80iを含む斜め方向のラインにおいて大当りの組合せが停止表示されて、大当りが発生した状態を示している。
このように本実施の形態においては、飾り図柄表示装置44bにおいて飾り図柄の変動表示が開始した後、所定のタイミングが経過するごとに段階的に、第1図柄領域、第2図柄領域、第3図柄領域の順で図柄が停止し、最後に、第4図柄領域において飾り図柄を停止表示する。
飾り図柄表示装置44bで変動表示される飾り図柄とは、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係や、特別図柄の変動表示が終了し表示結果と飾り図柄の変動表示が終了し表示結果とが同時に停止表示される関係や、飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が停止表示された後に特別図柄の変動表示が終了し表示結果が停止表示される関係等が含まれる。特別図柄表示装置44aの表示結果が大当り図柄の場合には、飾り図柄表示装置44bの表示結果として、飾り図柄が予め定めた大当りの組合せ(飾り図柄「7」が当りラインに揃う組合せ)となるように制御され、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。また、特別図柄表示装置44aの表示結果が確率変動図柄の場合には、飾り図柄表示装置44bの表示結果として、予め定めた確率大当りの組合せ(2ライン以上で大当りの組合せ、またはオールフルーツ等)となるように制御される。
次に、飾り図柄表示装置44bにおけるリーチ状態について説明する。本実施形態におけるリーチ状態とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
本実施形態では、たとえば、飾り図柄表示装置44bにおけるリーチ状態とは、前述した12本のラインのうち少なくともひとつのライン上の一部の変動表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない当該ライン上の変動表示領域において変動表示が行なわれている状態、および当該ライン上の変動表示領域の全てまたは一部の図柄が大当りの組合せの全てを構成しながら同期して変動表示している状態をリーチ状態またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、飾り図柄表示装置44bにキャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)等を表示させたり、飾り図柄表示装置44bの背景の表示態様(たとえば、表示色等)等を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
本実施の形態において、特別図柄始動記憶LED46、特別図柄表示装置44a、および、飾り図柄表示装置44bを含む外周には、装飾部材66が設けられる。また、装飾部材66の上端から右側端に亘る部分には、飾り図柄表示装置44b側への玉の侵入を防止する規制フランジ部75が延設されており、該規制フランジ部75と遊技領域41の右上端から右側端を区画形成する誘導レール42bとの間には、誘導通路76が形成されている。また、遊技領域41の右上部分には、緩衝部材70(たとえば、ゴム等)が設けられており、該緩衝部材70への玉の衝突によって誘導通路76内を通過する玉の勢いを弱めるようになっている。
大当りとなったときに駆動制御される特別可変入賞球装置48は、ソレノイド65によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49に受け入れられた打球を検出する入賞個数検出器52が設けられている。また、特別可変入賞球装置48内(開閉板49の内側)には、打球の検出(V入賞検出)に伴って大当りの継続権を成立させる特定球検出器51が設けられており、該特定球検出器51の上方には、一旦V入賞検出があると次に開閉板49を開放するまでは打球が特定球検出器51を通過しないようにするVシャッター(図示しない)が設けられている。このVシャッターは、ソレノイド50によって開閉駆動が行なわれる。しかして、大当りとなった場合には、一定時間(たとえば、28秒)が経過するまで又はその一定時間内に所定個数(たとえば、10個)の入賞球が入賞するまで開閉板25を開放(以下、この開放を開放サイクルという)し、その開放サイクル中に受け入れられた打球が特定球検出器51によって検出されたときに継続権が成立して、再度上記した開放サイクルが実行され、各開放サイクルにおいて継続権が成立していることを条件に最高16回の開放サイクルを繰り返すことができるようになっている。
なお、本発明の大当りは、上記に限らず以下に示す(1)〜(5)の制御のうちいずれか1つの制御又は組合せた制御を実行する状態であればよい。
(1) 打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第1の状態にする制御
(2) 特定の入賞又は通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第2の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第1の状態にする制御
(3) 打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
(4) 有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
(5) 得点があることに基づいて遊技可能な遊技機に対して得点を付与する制御
また、特別可変入賞球装置48の左右には、入賞球検出器56a,56bを内蔵する通常入賞口54a,54bが設けられ、該通常入賞口54a,54b各々の外側上方には、それぞれ入賞球検出器55a,55bを内蔵する通常入賞口53a,53bが設けられている。
上記したように、打球が入賞するすべての入賞口および入賞装置には、入賞球を検出する入賞球検出器としての各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,60が設けられているが、これは、これらの検出信号に基づいて所定個数の賞球を払い出すために使用されるものである。なお、入賞球を検出するが、賞球を払い出さないスイッチ62も設けられている。スイッチ(特定球検出器)51は、継続権の成立を検出する機能を兼用しており、スイッチ(入賞球個数検出器)52は、開閉板49の開放を規制するための計数機能を兼用している。また、遊技盤40には、遊技領域41の左右周辺に、装飾効果を高めるための装飾LED・ランプ32が複数備えられている。
遊技盤40には、上記したようにスイッチやソレノイド、あるいは装飾ランプや装飾LED等が多数設けられるが、これらは、後述する音声枠ランプ基板92および演出制御基板90や、あるいはスイッチ中継基板95を介して主基板120に接続されるようになっている。即ち、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62および各ソレノイド50,59,65は、スイッチ中継基板95を介して主基板120に接続され、遊技盤40の左右側方に設けられる装飾LED・ランプ32は、音声枠ランプ基板92および演出制御基板90を介して主基板120に接続されている。
次に、配線接続される回路構成について、図4を参照して説明する。図4は、主基板120と各種制御基板および電気部品との関係を示すブロック図である。
主基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ99が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM100、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM111、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU112、および演出制御基板90等に制御信号(コマンド)を送信するI/Oポート部114を含む。この実施の形態では、ROM100,RAM111はCPU112に内蔵されている。すなわち、CPU112は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU112はROM100に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU112が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU112がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板120以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ99とは、主基板120に搭載されるCPU112、ROM100、RAM111、I/Oポート部114、等の周辺回路のことである。
主基板120には、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62からの信号がスイッチ中継基板95を介して入力され、また満タンスイッチ158および球切れスイッチ157からの信号が払出制御基板98を介して入力される。なお、球切れスイッチ157からの信号は、主基板120に入力されないように構成してもよい。また、満タンスイッチ158からの信号についても同様に、主基板120に入力されないように構成してもよい。更に、主基板120には、払出制御基板98を介して玉払出装置154に搭載されている払出個数カウントスイッチ(図示しない)からの信号が入力される。
また、主基板120には、始動口スイッチ60からの信号も入力される。さらに、主基板120には、図10を用いて後述するR1を構成する乱数発生回路60aが接続されている。乱数発生回路60aは、始動口スイッチ60からの信号が入力されると、その時点におけるカウント値を主基板120に入力する。主基板120は、乱数発生回路60aから入力されたカウント値を、RAM111に設けられている記憶バッファにラッチし、始動入賞があったと判断したときに、当該ラッチしているカウント値を読み出す処理を行なう。なお、この処理内容については、後述する。
上記した入力信号のうち、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62からの入力信号に基づいて主基板120は、遊技盤40に設けられるソレノイド50,59,65を駆動制御すると共に、遊技状態に応じた電飾信号および効果音信号を周辺コマンド中継基板57および演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92に出力し、更に、飾り図柄表示装置44bの表示状態を制御するための演出制御コマンドを図柄中継基板84および演出制御基板90に出力し、盤用外部端子板96に各種の遊技情報を出力する。演出制御基板90は、飾り図柄表示装置44bの変動表示動作を主基板120からの情報信号の種類に応じて駆動制御するものであり、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行なうものである。周辺コマンド中継基板57は、演出制御基板90へ出力する情報信号を中継するものである。
音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される電飾信号の種類に応じて、前面扉枠4に取り付けられている前述した遊技効果LED13,14a,14cおよび遊技効果ランプ14b,14d,16a,16b,17a,17bの点灯制御を行なう。また、音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される効果音信号の種類に応じて、スピーカ12a,12bを制御する。さらに、音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される電飾信号の種類に応じて、ランプドライバ基板93を介して、遊技盤40に取り付けられている各種装飾LED・ランプ32の点灯制御を行なう。音声枠ランプ基板92は、遊技状態(変動パターン、通常遊技状態または確率変動状態であるか、変動表示中であるか等の遊技状態に応じて、各種遊技効果LED、遊技効果ランプ、および各種装飾LED・ランプの点灯制御を行なうとともに、スピーカからの遊技音の駆動制御を行なう。ランプドライバ基板93は、遊技盤40に設けられる装飾LEDの点灯状態を制御するための音声枠ランプ基板92との接続を中継するものである。
主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、特別図柄表示装置44aおよび特別図柄始動記憶LED46が搭載された特別図柄及び特別図柄記憶基板85に入力し、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の表示制御を行なうとともに、特別図柄始動記憶LED46の点灯制御を行なう。これにより、主基板120と特別図柄表示装置44aとの間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示装置用の制御基板等を設け、主基板120からの表示制御信号(駆動信号)に基づき制御基板等により特別図柄表示装置44aの表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄表示装置63が搭載された普通図柄基板86に入力し、普通図柄表示装置63における普通図柄の表示制御を行なう。さらに、主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄始動記憶LED64が搭載された普通図柄記憶基板87に入力し、普通図柄始動記憶LED64の点灯制御を行なう。
次に、演出制御基板90について説明する。図5は、演出制御基板90の構成例を示す図である。図5に示すように、演出制御基板90は、発振回路131と、リセット回路132と、表示制御用のCPU133と、制御ROM134と、RAM135と、ビデオディスプレイプロセッサ(以下、VDP:Video Display Processor)136と、キャラクタROM(以下、キャラROMという)137と、VRAM(Video Ram)138と、LCD駆動回路139とを備えている。この実施の形態では、CPU133、制御用ROM134、およびRAM135が各々別個独立に構成されている。しかし、これに限らず、CPU133は、制御用ROM134およびRAM135を内蔵したもの、すなわち、1チップマイクロコンピュータ(演出制御用マイクロコンピュータ)であってもよい。
発振回路131は、CPU133およびVDP136に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路132は、CPU133およびVDP136をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU133は、主基板120から演出制御コマンドを受信するとRAM135を作業領域として用いながら制御ROM134から表示制御を行なうための制御データを読み出す。たとえば、CPU133は、飾り図柄の変動表示を行なう場合に、演出制御コマンドに基づき飾り変動パターンに応じた表示制御データを読み出す。CPU133は、読み出した表示制御データに基づいて、表示すべき(展開すべき)画像(スプライト画像の場合スプライト番号等;動画の場合、動画番号およびフレーム番号等)や展開レイヤ・位置・サイズ・透明度(画像を半透明にする設定値)・描画順序、施すべきエフェクトの種類(拡大縮小率、回転角度、パレット番号)などを特定した各種設定パラメータであるアトリビュートを含む描画コマンドを作成し、VDP136に送る。本実施の形態においては、CPU133が描画コマンドを作成し、VDP136に送る処理を描画処理という。
制御ROM134は、CPU133によって利用される各種制御プログラムおよび制御データ等を格納する半導体メモリである。制御ROM134は、CPU133が図19〜図27等を参照して説明する処理を実行するための制御プログラムを格納している。具体的に、制御ROM134は、第1〜第4図柄領域各々において変動表示させる飾り図柄および表示順序を特定するための第1〜第4図柄配列用データ、および後述するモード変更演出、および図柄種類変更演出等を実行するためのデータが格納されている。
VDP136は、CPU133による描画処理等により送られてきた描画コマンドに基づき、画像を生成する際に使用するアトリビュートテーブルを作成する。VDP136は、画像表示を行なうための表示装置制御機能、高速描画機能、および後述するスクロール機能等を有し、アトリビュートテーブルのデータに従って、画像データをVRAM138に展開する展開処理を行なう。本実施の形態においては、CPU133による描画処理を行ない、VDP136による展開処理を行なう制御を配列展開制御という。
VRAM138は、VDP136が画像を生成する際に、画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。VDP136は、CPU133から送信される描画コマンドに基づきアトリビュートテーブルを作成し、キャラROM137から必要な画像データを読み出して、VRAM138内に、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じた表示用の画像データを生成し一時的に記憶させる。
RAM135は、CPU133によって作業領域として利用される半導体メモリである。キャラROM137には、飾り図柄表示装置44bに表示するために用いる各種画像の画像データが記憶されている。画像データは、たとえば、人物、動物または文字(数字)、図形もしくは記号等からなる各種画像を表示するためのデータである。なお、各種画像としては、平面な画像であるスプライトであってもよいし、3Dオブジェクトであってもよい。3Dオブジェクトのデータは、仮想三次元空間における、複数の座標データからなる。3Dオブジェクトが、たとえば、5つの頂点を有するピラミッドの形状をしている場合、当該3Dオブジェクトのデータは、5つの頂点の座標データとなる。
演出制御基板90には、遊技者が操作可能な操作ボタン31が接続されている。そして、演出制御用マイクロコンピュータは、操作ボタン31から入力される信号に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータに搭載されている制御ROM134に記憶されているデータを読出し、当該読み出したデータを用いて、飾り図柄表示装置44bを駆動制御する。本実施の形態においては、操作ボタン31を操作することにより演出モードを選択することができる。ここで、演出モードとは、飾り図柄表示装置44bに表示されるキャラクタ、背景画面、演出内容等の種類をいう。
本実施の形態における演出モードは、宇宙モード、海モード、陸モード、およびオートモードから構成されている。演出モードとして宇宙モードが選択されたときには、宇宙に関連するキャラクタ、背景画面、演出内容等が設定される。演出モードとして海モードが選択されたときには、海に関連するキャラクタ、背景画面、演出内容等が設定される。演出モードとして陸モードが決定されたときには、陸に関連するキャラクタ、背景画面、演出内容等が設定される。演出モードとしてオートモードが選択されたときには、宇宙モードが選択された後、所定のタイミングで所定の順序で演出モードを変更される。所定のタイミングとは、後述するランダムカウンタSR3を用いて演出モードを変更すると決定されたときや、後述する変動パターンとしてスーパーリーチはずれCまたはスーパーリーチ大当りCが決定されたとき等をいう。また、所定の順序には、第1の順序と、該第1の順序とは異なる第2の順序とがある。第1の順序とは、宇宙モード→海モード→陸モード→宇宙モード→海モード→・・・の順序をいう。第2の順序とは、第1の順序と異なる順序であって、第1の順序では移行し得ない順序をいう。具体的に第2の順序とは、宇宙モード→陸モード→海モード→宇宙モード→…の順序をいう。なお、第2の順序としては、第1の順序と異なる順序であって第1の順序では移行し得ない順序であればよく、また、一定の順序で変化するものに限らず、次の演出モードをランダムに選択するものであってもよい。たとえば、現在の演出モードから第1の順序では移行し得ない演出モードから次の演出モードをランダムに選択するように構成してもよい。具体的には、ランダムに選択した結果、宇宙モード→宇宙モード→陸モード→宇宙モード→…の順序となるものであってもよい。
演出制御用マイクロコンピュータは、操作ボタン31から入力される信号に基づいて読み出したデータに基づき、選択された演出モードに対応する情報信号を音声枠ランプ基板92に入力する。そして、音声枠ランプ基板92は、当該入力された情報信号に基づき、装飾LED・ランプ、遊技効果LED・ランプ、スピーカ等を駆動制御する。
ここで、図6〜図9を参照して、演出制御基板90に搭載されているキャラROM137およびVRAM138について説明する。図6(a)は、キャラROM137内の記憶領域に設けられている各エリアと、各エリアに記憶されている画像データの内容とを説明するための図であり、図6(b)は、VRAM138内の記憶領域に設けられている各エリアと、各エリアに記憶され得る画像データの内容とを説明するための図である。図7(a)は、キャラROM137内の記憶領域に設けられている共通図柄画像データエリアに格納されている共通図柄を説明するための図であり、図7(b)は、キャラROM137内の記憶領域に設けられている選択図柄画像データエリアに格納されている選択図柄を説明するための図である。また、図8は、キャラROM137内の記憶領域に設けられている背景画像データエリアに格納されている背景画像を説明するための図である。図9は、VRAM138内の記憶領域に設けられている第1〜第4図柄列画像データエリアに記憶される第1〜第4図柄列画像データを説明するための図である。
まず、図6(a)を参照する。画像データ記憶手段としてのキャラROM137内の記憶領域には、共通図柄画像データエリア、選択図柄画像データエリア、および背景画像データエリア等が設けられている。
共通図柄画像データエリアには、飾り図柄のうち選択された演出モードの種類に関わらず同じ表示態様で変動表示等を行なう共通識別情報用画像データとしての共通図柄の画像データ(以下、共通図柄データという)が格納されている。本実施の形態における共通図柄とは、飾り図柄「7」以外の飾り図柄であって、「メロン」、「バナナ」、「チェリー」、「ブドウ」、「スイカ」、「リンゴ」、「レモン」、「モモ」、「イチゴ」、「オレンジ」、その他ブランク図柄が該当する。これら共通図柄は、選択された演出モードの種類に関わらず、図7(a)の(ア)〜(サ)に示す画像が表示され、変動表示等が行なわれる。図7(a)のうち、(ア)は「メロン」の画像を示しており、(イ)は「バナナ」の画像を示しており、(ウ)は「チェリー」の画像を示しており、(エ)は「ブドウ」の画像を示しており、(オ)は「スイカ」の画像を示しており、(カ)は「リンゴ」の画像を示しており、(キ)は「レモン」の画像を示しており、(ク)は「モモ」の画像を示しており、(ケ)は「イチゴ」の画像を示しており、(コ)は「オレンジ」の画像を示しており、(サ)はブランク図柄の画像を示している。
選択図柄画像データエリアには、飾り図柄のうち選択された演出モードの種類に応じた表示態様で変動表示等を行なう選択識別情報用画像データとしての選択図柄の画像データ(以下、選択図柄データという)が格納されている。本実施の形態における選択図柄とは、飾り図柄「7」が該当する。選択図柄データとしては、宇宙モードに対応する宇宙用図柄の画像データ、海モードに対応する海用図柄の画像データ、および陸モードに対応する陸用図柄の画像データを含む。これら選択図柄は、図7(b)の(ア)〜(ウ)に示す画像のうち、選択された演出モードに応じた画像が表示され、変動表示等が行なわれる。図7(b)のうち、(ア)は宇宙用図柄の画像を示しており、(イ)は海用図柄の画像を示しており、(ウ)は陸用図柄の画像を示している。
飾り図柄「7」は、第1〜第4図柄領域全てにおいて変動表示される図柄である。前述した制御ROM134に格納されている第1〜第4図柄配列用データは、各々、飾り図柄「7」が変動表示させるための図柄として特定されるように構成されている。
背景画像データエリアには、選択され得る演出モードの種類に応じた背景画像を表示するための背景画像データが格納されている。本実施の形態における背景画像データとしては、宇宙モードに対応する宇宙用背景画像データ、海モードに対応する海用背景画像データ、および陸モードに対応する陸用背景画像データを含む。図8(a)は、宇宙用背景画像データの背景画像を示している。図8(b)は、海用背景画像データの背景画像を示している。図8(c)は、陸用背景画像データの背景画像を示している。
キャラROM137には、その他の画像データとして、変動表示中に出現させるキャラクタ等の画像データ等の各種画像データが格納されている。
次に、図6(b)を参照する。表示用データ記憶手段としてのVRAM138内の記憶領域には、識別情報表示用データ記憶領域および選択可能遊技演出用画像データ記憶領域を有する。識別情報表示用データ記憶領域には、第1および第3図柄列画像データエリア、第2図柄列画像データエリア、および第4図柄列画像データエリアが設けられている。選択可能遊技演出用画像データ記憶領域には、選択図柄画像データエリアが設けられている。
第1および第3図柄列画像データエリアには、制御ROM134に格納されている第1および第3図柄配列用データから、前述した第1図柄領域および第3図柄領域において変動表示させる飾り図柄として特定される飾り図柄の画像データを、特定される表示順序にしたがった配列で展開した第1および第3図柄領域用の識別情報表示用データとしての図柄列画像データが格納されている。第1および第3図柄領域用の図柄列画像データは、CPU133における描画処理により送られた描画コマンド等にしたがって、VDP136により生成される。
本実施の形態における第1および第3図柄領域用の図柄列画像データは、「ブドウ」、「チェリー」、「バナナ」、「メロン」、選択されている演出モードに対応する選択図柄、およびブランク図柄を、「ブドウ」→ブランク図柄→「チェリー」→ブランク図柄→「バナナ」→ブランク図柄→「メロン」→選択されている演出モードに対応する選択図柄→ブランク図柄の順序で変動表示させるデータが該当する。図9(a)は、演出モードとして宇宙モードが選択されているときの、第1および第3図柄列画像データエリアに格納されている第1および第3図柄列画像データの画像を示している。
第2図柄列画像データエリアには、制御ROM134に格納されている第2図柄配列用データから、前述した第2図柄領域において変動表示させる飾り図柄として特定される飾り図柄の画像データを、特定される表示順序にしたがった配列で展開した第2図柄領域用の識別情報表示用データとしての図柄列画像データが格納されている。第2図柄領域用の図柄列画像データは、CPU133における描画処理により送られた描画コマンド等にしたがって、VDP136により生成される。
本実施の形態における第2図柄領域用の図柄列画像データは、「スイカ」、「リンゴ」、「レモン」、「メロン」、選択されている演出モードに対応する選択図柄、およびブランク図柄を、「スイカ」→ブランク図柄→「リンゴ」→ブランク図柄→「レモン」→ブランク図柄→「メロン」→選択されている演出モードに対応する選択図柄→ブランク図柄の順序で変動表示させるデータが該当する。図9(b)は、(a)と同様に、演出モードとして宇宙モードが選択されているときの、第2図柄列画像データエリアに格納されている第2図柄列画像データの画像を示している。
第4図柄列画像データエリアには、制御ROM134に格納されている第4図柄配列用データから、前述した第4図柄領域において変動表示させる飾り図柄として特定される飾り図柄の画像データを、特定される表示順序にしたがった配列で展開した第4図柄領域用の識別情報表示用データとしての図柄列画像データが格納されている。第4図柄領域用の図柄列画像データは、CPU133における描画処理により送られた描画コマンド等にしたがって、VDP136により生成される。
本実施の形態における第4図柄領域用の図柄列画像データは、「モモ」、「イチゴ」、「オレンジ」、「メロン」、選択されている演出モードに対応する選択図柄、およびブランク図柄を、「モモ」→ブランク図柄→「イチゴ」→ブランク図柄→「オレンジ」→ブランク図柄→「メロン」→選択されている演出モードに対応する選択図柄→ブランク図柄の順序で変動表示させるデータが該当する。図9(c)は、(a)等と同様に、演出モードとして宇宙モードが選択されているときの、第4図柄列画像データエリアに格納されている第2図柄列画像データの画像を示している。
ここで、VDP136のスクロール機能について説明する。VDP136は、第1〜第4図柄列画像データエリア上で、変動表示領域に表示させる表示データとして読み出す範囲を指定するスクリーンの位置を更新する。そして、VDP136は、スクリーンにより指定され読み出された表示データを用いて、変動表示領域に図柄を表示させることができる。
スクリーンは、第1〜第4図柄列画像データから、ひとつの変動表示領域分の画像データ容量に対応する表示データを、一変動表示領域用データとして読み出す読出領域である。スクリーンは、変動表示領域80a〜80iのうちいずれかひとつの変動表示領域に対応するように、第1〜第9のスクリーンが設定されている。たとえば、第1のスクリーンは、変動表示領域80aに対応するスクリーンとして設定されている。また、第2のスクリーンは、変動表示領域80bに対応するスクリーンとして設定されている。第3〜第9のスクリーンについても同様に、変動表示領域80c〜80iのいずれかに対応するスクリーンとして設定されている。
たとえば、変動表示領域80aにおいて図柄の変動表示を行なう場合、VDP136は、VRAM138における第1および第3図柄列画像データエリア上で、第1のスクリーンの位置を更新する。これにより、第1および第3図柄列画像データエリアに格納されているデータを読み出す範囲が更新でき、変動表示領域80aにおいて第1のスクリーンの位置の更新に対応させて、図柄の変動表示を行なうことができる。
また、変動表示領域80bにおいて図柄の変動表示を行なう場合、VDP136は、VRAM138における第2図柄列画像データエリア上で、第2のスクリーンの位置を更新する。これにより、第2図柄列画像データエリアに格納されているデータを読み出す範囲が更新でき、変動表示領域80bにおいて第2のスクリーンの位置の更新に対応させて、図柄の変動表示を行なうことができる。
また、変動表示領域80cにおいて図柄の変動表示を行なう場合、VDP136は、VRAM138における第1および第3図柄列画像データエリア上で、第3のスクリーンの位置を更新する。これにより、第1および第3図柄列画像データエリアに格納されているデータを読み出す範囲が更新でき、変動表示領域80cにおいて第3のスクリーンの位置の更新に対応させて、図柄の変動表示を行なうことができる。
また、変動表示領域80eにおいて図柄の変動表示を行なう場合、VDP136は、VRAM138における第4図柄列画像データエリア上で、第5のスクリーンの位置を更新する。これにより、第4図柄列画像データエリアに格納されているデータを読み出す範囲が更新でき、変動表示領域80eにおいて第5のスクリーンの位置の更新に対応させて、図柄の変動表示を行なうことができる。
その他の変動表示領域における図柄の変動表示についても同様である。VDP136は、VRAM138における変動表示領域に対応する図柄列画像データエリア上で、当該変動表示領域に対応するスクリーンの位置を更新する。これにより、当該図柄列画像データエリアに格納されているデータを読み出す範囲が更新でき、当該変動表示領域においてスクリーンの位置の更新に対応させて、図柄の変動表示を行なうことができる。
これをスクロール機能という。このスクロール機能は、スクリーンの座標を指定する値を更新(順次変更)することにより制御する。
また、図9(a)〜(c)で示した第1〜第4図柄列画像データエリア各々に格納されている図柄列画像データの上端部は、下端部と論理的に接続されている。具体的に、図9(a)を参照して、第1および第3図柄列画像データエリアにおいては、上端部に配列されるブランク図柄が、下端部に配列される「ブドウ」と論理的に接続されている。また、図9(b)を参照して、第2図柄列画像データエリアにおいては、上端部に配列されているブランク図柄が、「スイカ」と論理的に接続されている。また、図9(c)を参照して、第4図柄列画像データエリアにおいては、上端部に配列されているブランク図柄が、「モモ」と論理的に接続されている。したがって、スクリーンが上端部に配列された図柄と下端部に配列された図柄とにまたがる位置にセットされた場合には、スクリーンに含まれる領域のうち、第1〜第4図柄列画像データエリアの上端部からはみ出した領域については、下端部から当該はみ出した領域分に相当するデータを表示するようにする。
これにより、スクロール用のスクリーンを第1〜第4図柄列画像データエリア上で移動させて、第1〜第4図柄列画像データエリアが無限に連なっているようにスクロール表示することが可能となる。
次に、選択図柄画像データエリアには、キャラROM137から読み出した全種類の選択図柄データが格納されている。これにより、演出モードが変更されたとき、第1および第3図柄列画像データエリア、第2図柄画像データエリア、および第4図柄画像データエリアに格納されている図柄列画像データに含まれる選択図柄データに替えて、VRAM138内に設けられている選択図柄画像データエリアに格納されている変更後の演出モードに対応する種類の選択図柄データを展開し、演出モードに対応する図柄列画像データを生成することができる。よって、キャラROM137から対応する選択図柄データを読み出すことなく演出モードに対応する図柄列画像データを生成することができるため、図柄列画像データ生成にあたり迅速化を図ることができる。
VRAM138には、その他の画像データとして、飾り図柄表示装置44bに表示させる背景やキャラクタ等の各種画像データが生成され格納される。
図4に戻り、払出制御基板98は、満タンスイッチ158からの満タン信号に基づいて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータの駆動を停止させる。また、満タンスイッチ158からの満タン信号は、払出制御基板98を介して主基板120に入力される。なお、満タンスイッチ158からの満タン信号が主基板120に入力されたときには、主基板120から音声枠ランプ基板92に満タン信号を出力して所定のランプ又はLEDを表示駆動してその旨を報知するようにしてもよい。また、満タンスイッチ158からの満タン信号を払出制御基板98に出力するので、たとえば、該払出制御基板98上のエラー表示器等でその旨を報知するようにしてもよい。
また、遊技盤40に設けられるゲートスイッチ62を除く各スイッチ51,52,55a,55b,60,56a,56bからの入力信号に基づいて主基板120は、払出制御基板98に賞球個数信号を出力する。払出制御基板98は、その賞球個数信号の入力に基づいて、払出中継基板113を介して、払出モータ115を駆動して所定個数の賞球を払い出す。また、払出個数カウントスイッチ116からの入力信号に基づいて主基板120は、未払出数があるか否かを判定する。また、払出個数カウントスイッチ116からの入力信号に基づいて主基板120は、枠用外部端子板(図示しない)に賞球個数情報(10個で1パルス)を出力し、この信号を枠用外部端子板から外部のホール用管理コンピュータに出力する。また、払出制御基板98は、その賞球個数信号の入力に基づいて、賞球LED10を表示駆動してその旨を報知する。
更に、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号に基づいて払出制御基板98は、払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータ115の駆動を停止させる。払出制御基板98は、球切れLED9を所定の態様で表示駆動する。
なお、満タンスイッチ158又は球切れスイッチ157のいずれかがONすることで賞球停止信号(払出停止コマンド)を主基板120から払出制御基板98に出力して賞球しないようにし、いずれのスイッチ158,157ともOFFであれば賞球可能信号(払出停止解除コマンド)を出力するというものでもよい。また、賞球LED10に換えて未払出がある場合、点灯する未払出報知ランプなどを設けてもよい。
主基板120には、遊技動作を制御するためのスイッチ入力、賞球の払出動作を制御するためのスイッチ入力しか入力されず、主基板120と払出制御基板98を除く他の制御基板との関係においては、主基板120から他の制御基板に向かって一方向の通信関係となる。このため、他の制御基板に不法な処理プログラムを組み込んで主基板120で不正な処理を施そうとしても実行することができないという利点があり、また、主基板120の制御の一部を他の制御基板で担当しているので、主基板120の負担が軽減されると共に、主基板120の検査の容易化を図ることも可能である。
また、払出制御基板98には、玉払出装置154に搭載されたモータ位置センサおよび払出個数カウントスイッチからの信号や、前述したように満タンスイッチ158からの満タン信号や、球切れスイッチ157からの球切れ信号が入力されている。さらに、払出制御基板98には、カードユニット装置および残高表示基板104からの信号を中継する遊技球等貸出装置接続端子板103が接続されており、残高表示基板104に搭載されている球貸スイッチおよび返却スイッチからの信号およびカードユニット装置から各種の情報が入力されている。更に、前述したように、払出制御基板98には、主基板120から賞球個数信号が入力される。上記した入力信号のうち、モータ位置センサからの入力信号に基づいて払出制御基板98は、貸球および賞球の払出動作において払出モータの停止位置、即ち玉払出装置154の玉払出部材の停止位置を正確に制御すると共に玉払出部材が動作しているか否かを検出できる。また、払出個数カウントスイッチからの入力信号に基づいて払出制御基板98は、貸球および賞球の正確な払出数を払い出すように払出モータを駆動制御すると共に、枠用外部端子板に貸球数情報(100円分の球25個で1パルス)を出力する。なお、賞球数情報を主基板120から出力するようにしてもよい。
払出制御基板98は、遊技球等貸出装置接続端子板103を経由してカードユニット装置から貸球要求信号が入力されると払出モータを駆動する制御を行なう。また、返却スイッチからの信号は、遊技球等貸出装置接続端子板103を経由してカードユニット装置に伝達される。また、カードユニット装置からの各種の情報信号も遊技球等貸出装置接続端子板103を経由して残高表示基板104の度数表示LED(図示しない)に伝達される。更に、主基板120からの賞球個数信号や、スイッチから直接入力される球切れ信号および満タン信号等に基づいて払出制御基板98は、賞球の払出動作を実行せしめたり、発射制御基板107に発射モータの停止信号を出力したりする。なお、枠用外部端子板に接続される球切れスイッチ157および満タンスイッチ158からの入力信号は、球切れ情報または満タン情報として外部のホール用管理コンピュータ等に出力される。
電源基板97は、一次電源として電源コードを介して、AC24Vの交流電源を受ける。そして、電源基板97は、主基板120と、払出制御基板98とに、二次電源としての電力を供給する。主基板120は、電源基板97から供給された電力に基づき、各種制御処理を行なうとともに、各種遊技効果LED,遊技効果ランプ,装飾ランプ、およびスピーカ等を駆動させるための電力を、周辺電源中継基板47を介して、音声枠ランプ基板92に供給する。周辺電源中継基板47は、主基板120から音声枠ランプ基板92へ供給する電力を中継するものである。音声枠ランプ基板92は、主基板120から供給された電力に基づき、各種遊技効果LED,遊技効果ランプ,および、装飾ランプを点灯させるとともに、演出制御基板90に飾り図柄表示装置44bに画像を表示するための電力を供給する。払出制御基板98は、電源基板97から供給された電力に基づき、払出モータおよび発射モータを駆動させる処理を含む各種制御処理を行なう。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数値(カウント値ともいう)を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ99が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図10には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R4の4種類のランダムカウンタが示されている。
R1は、特別図柄表示装置44aの変動表示について大当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「65535」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、遊技制御用マイクロコンピュータ99のクロック制御(たとえば、後述する割込み処理)と無関係に超高速(10MHz)で加算更新する乱数発生回路60a(図4参照)である。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、始動口スイッチ60からの入力信号がオン状態となった時点のR1のカウント値を記憶バッファにラッチ(一時的に保持)し、ソフトウェアにより始動入賞があったと判断したとき(たとえば、2回割込み処理が行なわれる間入力信号がオン状態であったとき)に、記憶バッファにラッチされたカウント値を始動入賞記憶のデータとしてRAM111の記憶エリアに記憶する。そして、特別図柄表示装置44aについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM111の記憶エリアに記憶されたカウント値が予め定められた大当り判定値と一致(合致)するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、大当り図柄を変動表示の表示結果として導出表示し大当りを発生させることが決定されて、前述した大当りの制御が行なわれ、一致しない場合には、はずれ図柄を変動表示の表示結果として導出表示することが決定されて、遊技状態が変化しない。通常遊技状態においては、大当り判定値がたとえば132の数値(8001〜8132)に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が1320の数値(8001〜9320)に設定されることにより、通常遊技状態に比べて大当りの発生確率が向上する。本実施の形態におけるR1は、乱数発生回路60aのようなハード回路を用いて加算更新されたカウント値を用いる例について説明するが、これに限らず、次に説明するR2等のようにソフトウェアにより加算更新されたカウント値を用いるように構成してもよい。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、どの種類の大当り図柄を特別図柄表示装置44a(飾り図柄表示装置44bも含む)に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタである。R2のカウント値は、遊技制御用マイクロコンピュータ99により2msec毎に更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
なお、本実施の形態においては、R2を用いて決定された大当り図柄が、確変図柄(特別図柄表示装置44aにおいては「7」)であるときに、当該大当り終了後に確率変動状態に制御される。また、特別図柄表示装置44aの図柄として「7」が決定されたときには、飾り図柄表示装置44bにおける2ライン以上で大当りの組合せとなるか、またはオールフルーツとなるように制御される。また、R2を用いて、特別図柄表示装置44aの図柄として「3」が決定されたときには、飾り図柄表示装置44bにおいて1ラインで大当りの組合せとなるように制御される。
R3は、特別図柄表示装置44a(飾り図柄表示装置44bも含む)における図柄の変動時間・変動態様を特定する変動パターンをランダムに決定するために用いられる乱数値を発生するためのランダムカウンタである。R3のカウント値は、2msec毎および割込み処理余り時間にリフレッシュレジスタを使用し「0〜3」ずつ加算されることとなる。特別図柄変動開始時等の所定のタイミングで変動パターン用のランダムカウンタR3から抽出されたカウンタ値により、変動パターンが決定される。
R4は、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、飾り図柄表示装置44bにおける変動表示中に前述したリーチ状態を形成する(以下、リーチはずれという)かリーチ状態を形成しない(以下、非リーチはずれという)かをランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。R4のカウント値は、2msec毎および割込み処理余り時間にリフレッシュレジスタを使用し「0〜7」ずつ加算されることとなる。飾り図柄表示装置44bに停止させる図柄を決定する前の段階で、R4から抽出されたカウント値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致しなかった場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
以上に示したような大当り判定機能、大当り図柄決定機能、リーチ判定機能、変動パターン選択機能、および、確変判定機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ99の制御機能により実現される。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ99により実行されるメイン処理のプログラムを説明するためのフローチャートである。本実施の形態におけるメイン処理においては、パチンコ遊技機1に対する電源が投入されると、メイン処理において遊技制御用マイクロコンピュータ99は、必要な初期設定処理を行なう。
まず、ステップSA01(以下、単にSA01と記す)においては、割込禁止に設定する処理が行なわれる。次に、SA02においては、割込モードを割込モード2に設定する処理が行なわれる。SA03においては、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する処理が行なわれる。SA04においては、内蔵デバイスレジスタの初期化処理が行なわれる。SA05においては、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)の初期化処理が行なわれる。SA06においては、RAMをアクセス可能状態に設定する処理が行なわれる。本実施の形態における割込モード2と、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設けることが可能になり、さらに、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易になるモードである。
次に、SA07においては、パチンコ遊技機1に設けられているクリアスイッチがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。SA07においてクリアスイッチがオン状態であると判断されたときには、後述するSA10に移行する一方、クリアスイッチがオン状態でないと判断されたときには、SA08において電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえば、パリティデータの付加等)が行なわれたか否かを判別する処理が行なわれる。
本実施の形態においては、不測の電源断が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような保護処理が行なわれていた場合をバックアップありとする。すなわち、バックアップなしと判断したときには、遊技制御用マイクロコンピュータ99はSA10以降の初期処理を実行する。SA08においてバックアップありと判断したときには、SA09において主基板120の内部状態を電源断状態に戻すための遊技状態復旧処理が行なわれる。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の対比値がPCに再設定され、後述するSA13に移行される。SA10においては、遊技制御用マイクロコンピュータ99に搭載されているRAMの記憶バッファをクリアする処理が行なわれる。また、所定の作業領域に初期値を設定する初期値設定処理も行なわれる。
SA11においては、サブ基板(演出制御基板90,払出制御基板98,音声枠ランプ基板92等)を初期化するための処理が行なわれる。SA12においては、2msec毎に定期的にタイマ割込がかかるように、遊技制御用マイクロコンピュータ99のCPU112に設けられているCTCのレジスタの設定が行なわれる。すなわち、初期値として2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間計数レジスタ)に設定される。
SA13〜SA16においては、メインループ処理が実行される。まず、SA13においては、割込禁止状態に設定する処理が行なわれる。SA14およびSA15においては、R3、R4等の表示用乱数を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が行なわれる。なお、初期値決定用乱数とは、大当り図柄用乱数の初期値を決定するための乱数である。SA16においては、割込許可状態に設定する処理が行なわれる。なお、割込禁止は、割込禁止命令を発行したり、割込禁止用のレジスタを禁止に設定したり、マスクレジスタをセットすることによって実現される。一方、割込許可は、割込許可命令を発行したり、割込禁止用のレジスタを許可に設定したり、マスクレジスタをリセットすることによって実現される。
本実施の形態におけるSA14の表示図柄乱数更新処理とSA15の初期値決定用乱数更新処理とにおけるランダムカウンタのカウンタ更新処理は、割込禁止状態で実行される。したがって、カウンタ更新処理が実行されているときに、タイマ割込等のマスク可能割込がかかることはない。すなわち、カウンタ更新処理は、割込処理によって中断されることなく実行される。本実施の形態においては、CPU112の内蔵CTCが繰返しタイマ割込を発生するように設定される。さらに、繰返し周期は、2msecに設定される。そして、タイマ割込が発生すると図12に例示するようなタイマ割込処理が実行される。
図12は、タイマ割込処理のプログラムを説明するためのフローチャートである。本実施の形態におけるタイマ割込処理は、2msec毎に起動されることになる。
まず、SB01においては、電源断処理が行なわれる。電源断処理では、電源確認信号の判定を行ない、電源断判定中以外ならばバックアップ監視タイマをクリアする処理が行なわれる。一方、電源断判定中ならばバックアップ監視タイマの更新および判定を行ない、電源断ならばチェックサムバッファの設定、RAM禁止状態の設定、CTCの設定、および、電源確認信号の監視等が行なわれる。
SB02においては、スイッチ処理が行なわれる。スイッチ処理では、ゲートスイッチ62、始動口スイッチ60、カウントスイッチ52、入賞球検出器55a,55b,56a,56b、および特定球検出器51等のスイッチの状態を入力し、それらの検出状態を判定する処理が行なわれる。
SB03においては、表示制御処理が行なわれる。表示制御処理では、特別図柄表示装置44aおよび普通図柄表示装置63の表示状態を制御するための駆動信号や、特別図柄始動記憶LED46および普通図柄始動記憶LED64の点灯状態を制御するための駆動信号を出力する処理が行なわれる。
SB04においては、異常入賞報知処理が行なわれる。異常入賞報知処理では、特別可変入賞球装置48が開放していないにもかかわらず、特別可変入賞球装置48内に設けられているカウントスイッチ52がオン状態にセットされているときに、異常入賞していることを報知するための異常入賞報知コマンドをセットする処理が行なわれる。
SB05においては、乱数更新処理が行なわれる。乱数更新処理においては、R2の遊技制御に用いられる大当り図柄用乱数を生成するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理が行なわれる。
SB06においては、大当り図柄用乱数の初期値を決定するための乱数を更新する初期値決定乱数更新処理が、SB07においては、図11のSA14と同様の処理が行なわれる。
SB08において、特別図柄プロセス処理が行なわれる。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。
SB09においては、普通図柄プロセス処理が行なわれる。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示装置63の点灯を所定態様で制御するための普通図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。
SB10においては、演出図柄コマンド制御処理が行なわれる。演出図柄コマンド制御処理では、SB08等でセットされたコマンドを演出制御用マイクロコンピュータに出力する処理が行なわれる。
SB11においては、情報出力処理が行なわれる。情報出力処理では、パチンコ遊技機1の営業管理上必要な遊技情報を遊技場に設置されるホール用管理コンピュータに出力するための処理が行なわれる。遊技情報とは、たとえば、大当り遊技状態中である旨を報知する大当り1情報、確率変動図柄で大当り遊技状態となり、その大当り状態中およびその大当りによる確率変動中である旨を報知する大当り2情報(大当り中と確率変動中に出力され続ける信号)、確率変動図柄による大当り状態終了後の確率変動中である旨を報知する確率変動情報、始動口スイッチ60をオン状態にした打球の数を報知する始動口情報、特別図柄表示装置44aの変動動作回数を報知する図柄確定回数1情報、普通図柄表示装置63の変動動作回数を報知する図柄確定回数2情報、および普通可変入賞球装置58の開閉回数を報知する役物回数2情報等をいう。
SB12においては、賞球処理が行なわれる。賞球処理では、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチの検出信号に基づいて、賞球数の設定等が行なわれる。たとえば、入賞検出に応じて払出制御基板98に払出制御コマンドが出力される。払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、払出制御コマンドに応じて玉払出装置154を駆動する。
SB13においては、試験端子処理が行なわれる。試験端子処理では、特別図柄変動中の設定、特別図柄当り、特別可変入賞球装置48作動中の設定、普通可変入賞球装置58作動中の設定、確率変動状態の設定、普通図柄変動中の設定等の各信号を出力する処理が実行される。
SB14においては、出力処理が行なわれる。出力処理では、所定の条件が成立したときに対応するソレノイドを駆動させるための駆動信号を出力する出力処理が行なわれる。出力処理において出力された駆動信号に基づき、ソレノイドが駆動され、対応する装置が開状態または閉状態等に制御される。
SB15においては、記憶処理が行なわれる。記憶処理では、特別図柄始動記憶LED46および普通図柄始動記憶LED64の点灯状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
SB16においては、特別図柄表示制御処理が行なわれる。特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示装置44aの表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。SB17においては、普通図柄表示制御処理が行なわれる。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置63の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
SB18においては、状態表示灯表示処理が行なわれる。状態表示灯表示処理では、状態表示灯を制御するための状態表示灯表示処理が行なわれる。本実施の形態における状態表示灯表示処理においては、遊技状態が大当り遊技状態、確率変動状態または変動時間短縮状態であるときに、状態表示灯タイマの更新、状態表示灯の点滅設定、および、状態表示灯の点滅速度等を設定する処理が行なわれる。SB19においては、割込許可状態に設定する処理が行なわれる。これにより、タイマ割込処理のすべてが実行されるまでは、割込許可状態とはされないので、他の割込または次回のタイマ割込が発生することはなく、タイマ割込処理中のすべての各処理が確実に実行完了することができる。
図13は、SB08における特別図柄プロセス処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では、特別図柄プロセスフラグの値に対応する処理が実行される。
まず、SD01においては、遊技盤40に設けられている普通可変入賞球装置58に遊技球が入賞したか否かを判別する処理が行なわれる。具体的には、図12のタイマ割込処理が2回行なわれる間、始動口スイッチ60からの入力信号がオン状態であったか否かを判別する処理が行なわれる。SD01において、始動入賞があったと判断したとき(タイマ割込処理が2回行なわれる間、始動口スイッチ60からの入力信号がオン状態であったとき)には、SD02において始動口スイッチ通過処理を行なった後に、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、SD03〜SD10のうちのいずれかの処理が実行される。
SD03においては、特別図柄通常処理が行なわれる。特別図柄通常処理において、特別図柄判定用のランダムカウンタR1から抽出したカウント値に基づき、大当り判定が行なわれるとともに、大当り判定の結果に応じた特別図柄表示装置44aの停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)を決定する処理が行なわれる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、SD04の変動パターン設定処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
なお、特別図柄表示装置44aの停止図柄は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、R2を用いて「3」または「7」の識別情報が決定される。また、特別図柄表示装置44aの停止図柄は、R1を用いた大当り判定によりはずれが事前決定されているときに、「0」の識別情報が決定される。
SD04においては、変動パターン設定処理が行なわれる。変動パターン設定処理においては、変動パターン用のランダムカウンタR3から抽出したカウント値に応じて、予め定められた複数種類の変動パターンの中から変動表示に用いる変動パターンを決定する処理が行なわれる。なお、リーチ判定用のランダムカウンタR4から抽出したカウント値に応じて、変動表示中においてリーチ状態を発生させるか否かの決定も行なわれる。なお、複数種類の変動パターンには、変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示までの時間)を特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄の変動表示が行なわれてから停止するまでの変動時間をセットした後、タイマの計時をスタートさせる。また、本実施の形態においては、決定された変動パターンに対応する演出コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに出力するために、セットする処理が行なわれる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄変動処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SD05においては、特別図柄変動処理が行なわれる。特別図柄変動処理において、変動パターン設定処理において決定された変動パターンの変動時間が経過(SD04でセットされたタイマがタイムアウト)すると、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄停止処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SD06においては、特別図柄停止処理が行なわれる。特別図柄停止処理において、特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄が停止されるように制御する処理が行なわれる。そして、大当りフラグがセットされているときには、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。一方、大当りフラグがセットされていないときには、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SD07においては、大入賞口開放前処理が行なわれる。大入賞口開放前処理においては、特別可変入賞球装置48を開放する制御を開始する処理が行なわれる。具体的には、カウントやフラグを初期化するとともに、ソレノイド65を駆動して特別可変入賞球装置48を開状態とすることで、特別可変入賞球装置48を開放する処理が行なわれる。また、SD08の大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SD08において、大入賞口開放中処理が行なわれる。大入賞口開放中処理においては、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送出する制御や特別可変入賞球装置48の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。閉成条件が成立しているときには、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SD09において、大入賞口開放後処理が行なわれる。大入賞口開放後処理においては、特別可変入賞球装置48内に設けられた特定球検出器51の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り遊技状態中のラウンド継続表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送出する制御を行ない、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
SD10において、大当り終了処理が行なわれる。大当り終了処理においては、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータに行なわせるための制御が行なわれる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
図14は、SD02の始動口スイッチ通過処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。SJ01により、保留記憶バッファの始動口入賞記憶カウンタの値が上限個数である「4」以上になっているか否かの判断がなされる。始動口入賞記憶カウンタは、打球が始動入賞したが未だに特別図柄表示装置44aによる変動表示に用いられていないものを保留記憶するカウンタであり、上限個数がたとえば「4」と定められている。この始動口入賞記憶カウンタの値(保留記憶数)が「4」に既に達している場合にはそれ以上保留記憶できないために、このサブルーチンが終了するが、「4」に達していない場合には制御がSJ02へ進み、始動口入賞記憶カウンタを「1」加算更新する処理がなされる。
次に、SJ03へ進み、始動口スイッチ60からの入力信号がオン状態となった時点で記憶バッファにラッチされているR1のカウント値(ハード乱数)を読み出す処理が行なわれる。また、SJ04においては、大当り図柄用ランダムカウンタR2からカウント値を読み出す処理が行なわれる。SJ05では、加算した始動口入賞記憶カウンタの値に対応する記憶エリアに、SJ03およびSJ04で読み出されたカウント値を記憶する制御が行なわれる。このように始動口入賞記憶カウンタの値が上限個数に達していないときに、既にランダムカウンタR1から抽出したカウント値であって記憶バッファにラッチされているカウント値と、ランダムカウンタR2から抽出したカウント値とを、保留記憶バッファに記憶する処理を行ない、始動口スイッチ通過処理を終了する。
図15は、SD03の特別図柄通常処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
まず、SK01においては、始動口入賞記憶カウンタの値である保留記憶数が「0」であるか否かを判別する処理が行なわれる。保留記憶バッファの保留記憶数が「0」でなければ、SK02において、保留記憶バッファに最も先に記憶されている始動口入賞記憶カウンタの値「1」に対応するランダムカウンタR1,R2の乱数値を読出す処理が行なわれる。
次に、SK03では、SK02で読出した乱数値を記憶エリアから消去する処理が行なわれる。次に、SK04に進み、始動口入賞記憶カウンタの値を1減算し、かつ、保留記憶バッファに記憶されている乱数値を一つ小さい始動口入賞記憶カウンタに対応する領域にシフトする処理が行なわれる。
次に、SK05においては、SK02において読み出したカウント値に基づき、特別図柄判定処理を実行する。この特別図柄判定処理では、大当りとするか否か、および、停止図柄を決定する処理が行なわれる。そして、SK06においては、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する。
図16は、SK05の特別図柄判定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、SL01においては、確変フラグがセットされているか否かの判別がなされる。確変フラグとは、遊技状態が確率変動状態であることを示すフラグであって、確率変動図柄で大当りとなり、その大当り遊技終了後にセットされるフラグである。
SL01において確変フラグがセットされていると判断されたときには、SL02において図15のSK02において読出したランダムカウンタR1の値が確率変動状態時の大当り判定値であるか否かを判別する処理が行なわれる。一方、SL01において確変フラグがセットされていないと判断されたときには、SL09において図15のSK02において読出されたランダムカウンタR1の値が通常遊技状態時の大当り判定値と一致するか否かを判別する処理が行なわれる。本実施の形態においては、SL02およびSL09で説明した大当り判定値と一致するか否かを判別する大当り判別処理により、特定表示結果判定手段が構成されている。なお、本実施の形態における特定表示結果判定手段として、識別情報の変動表示を開始するときに、大当り判別処理を実行する例について説明したが、これに限らず、打球が始動入賞したとき、たとえば、図13のSD01でYESと判定され図14のSJ01でNOと判定されたときに、大当り判別処理を実行するように構成してもよい。
SL02またはSL09において、一致すると判断されたときにはSL03において大当りに制御することを示す大当りフラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。一方、SL02またはSL09において一致しないと判断されたときにはSL10に移行される。
SL04においては、図15のSK02において読出されたランダムカウンタR2の値が、奇数であるか否かを判別する処理が行なわれる。なお、ランダムカウンタR2の値が奇数であるときには、確率変動図柄で大当りに制御することとなり、当該大当りが終了した後に確率変動状態に制御される。
SL04においてランダムカウンタR2の値が奇数であると判断されたときには、SL05において確変図柄「7」を大当り図柄として決定する処理が行なわれ、SL06において確変大当り図柄コマンドをセットする処理が行なわれる。
一方、SL04においてランダムカウンタR2の値が奇数でないと判断されたときには、SL07において非確変図柄「3」を大当り図柄として決定する処理が行なわれ、SL08において非確変大当り図柄コマンドをセットする処理が行なわれる。なお、SL06またはSL08においてセットされたコマンドは、SB10により演出制御用マイクロコンピュータに入力される。
SL10においては、はずれ図柄「0」を停止図柄として決定する処理が行なわれる。SL11においては、SL05,SL07,およびSL10のいずれかにおいて決定された図柄を、予定停止図柄としてセットする処理を行ない、特別図柄判定処理を終了する。
図17は、SD04の変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、SM01においては、前述したランダムカウンタR3、R4からカウント値を抽出する処理が行なわれる。次に、SM02においては、図16のSL03においてセットされる大当りフラグがオン状態であるか否かを判別する処理が行なわれる。SM02において大当りフラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、SM03において図18を用いて後述する大当り時テーブルをルックアップし、SM07に移行される。
一方、SM02において、大当りフラグがオン状態にセットされていないと判断されたときには、SM04においてSM01においてランダムカウンタR4から抽出したカウント値がリーチ判定値であるか否かを判別する処理が行なわれる。SM04においてリーチ判定値であると判断されたときには、SM05において図18を用いて後述するリーチ時テーブルをルックアップし、SM07に移行される。SM04においてリーチ判定値でないと判断されたときには、SM06においては図18を用いて後述するはずれ時テーブルをルックアップし、SM07に移行される。
SM07においては、SM01においてランダムカウンタR3から抽出したカウント値に応じて、SM03、SM05、SM06のうちいずれかにおいてルックアップされているテーブルを用いて、変動パターンを決定する処理が行なわれる。
SM08においては、SM07において決定された変動パターンに対応する演出コマンドをセットする処理が行なわれる。なお、SM08においてセットされた演出コマンドは、SB10により演出制御用マイクロコンピュータに入力される。SM09においては、SM07で決定された変動パターンに基づき、特別図柄表示装置44aにおいて新たな変動表示を開始させるための、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応する値に更新する処理を行ない、変動パターン設定処理を終了する。
図18は、本実施の形態で用いる変動パターン決定用テーブルであって、変動表示の表示結果が大当り、リーチ、はずれのいずれになるかにより予め定められた振分率と、変動パターン決定用のランダムカウンタR3から抽出したカウント値とに基づき、変動パターンを決定するために用いられるテーブルを説明するための図である。
まず、大当りになると判定されたとき、すなわち、大当りフラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、「大当り時テーブル」を用いて、抽出値が0〜9の範囲内のときには「ノーマルリーチ大当り」が、抽出値が10〜39の範囲内のときには「スーパーリーチ大当りA」が、抽出値が40〜59の範囲内のときには「スーパーリーチ大当りB」が、抽出値が60〜99の範囲内のときには「スーパーリーチ大当りC」が、それぞれ変動パターンとして決定される。
リーチになると判定されたときには、「リーチ時テーブル」を用いて、抽出値が0〜60の範囲内のときには「ノーマルリーチはずれ」が、抽出値が61〜89の範囲内のときには「スーパーリーチはずれA」が、抽出値が90〜96の範囲内のときには「スーパーリーチはずれB」が、抽出値が97〜99の範囲内のときには「スーパーリーチはずれC」が、それぞれ変動パターンとして決定される。
リーチを発生させないはずれになると判定されたときには、「はずれ時テーブル」を用いて、ランダムカウンタR3の全範囲内において「はずれ」が変動パターンとして決定される。
本実施の形態において、変動パターンとして「はずれ」がセットされたときには、変動時間として「10秒」がセットされ、特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄の変動表示が開始してから10秒経過したときに予定停止図柄が停止表示される。
変動パターンとして「ノーマルリーチはずれ」がセットされたときには「20秒」が、「スーパーリーチはずれA」がセットされたときには「30秒」が、「スーパーリーチはずれB」がセットされたときには「40秒」が、「スーパーリーチはずれC」がセットされたときには「50秒」が、それぞれ変動時間としてセットされ、飾り図柄表示装置44bにおいて変動表示中にリーチ状態を発生させた後、はずれとなる予定停止図柄が停止表示される。
同様に、変動パターンとして「ノーマルリーチ大当り」がセットされたときには「30秒」が、「スーパーリーチ大当りA」がセットされたときには「40秒」が、「スーパーリーチ大当りB」がセットされたときには「50秒」が、「スーパーリーチ大当りC」がセットされたときには「60秒」が、それぞれ変動時間としてセットされ、変動表示中にリーチ状態を発生させた後、大当りとなる予定停止図柄が導出表示される。
本実施の形態において、変動パターンとして「はずれ」がセットされたときには、図17のSM08では「8001H」が演出コマンドとして設定される。変動パターンとして「ノーマルリーチはずれ」がセットされたときには、図17のSM08では「8002H」が演出コマンドとして設定される。以下同様に、変動パターンとして「スーパーリーチはずれA〜C」、「ノーマルリーチ大当り」、「スーパーリーチ大当りA〜C」がセットされたときには図17のSM08では「8003H」、「8004H」、「8005H」、「8006H」、「8007H」、「8008H」、「8009H」が演出コマンドとして設定される。そして、設定された演出コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータに入力される。演出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御マイクロコンピュータから入力される演出コマンドから特定される飾り変動パターンを決定する処理が行なわれる。なお、演出制御用マイクロコンピュータは、演出コマンドとして「はずれ」、「ノーマルリーチはずれ」、「スーパーリーチはずれA〜C」のコマンドを受信すると、変動表示の表示結果がはずれになると判定することができる。また、演出制御用マイクロコンピュータは、演出コマンドとして「ノーマルリーチ大当り」、「スーパーリーチ大当りA〜C」のコマンドを受信すると、変動表示の表示結果が大当りになると判定することができる。
以上のように、本実施の形態においては変動パターンの決定は事前判定された判定結果に対応する変動パターン決定用テーブルのそれぞれに予め定められて記憶されている振分率に基づいて変動表示に用いられる変動パターンが決定される。
本実施の形態においては、「スーパーリーチはずれA」または「スーパーリーチ大当りA」がセットされたとき、リーチの際に、リーチ演出としてキャラクタ演出が行なわれる。キャラクタ演出とは、前述したようにキャラクタ等を表示させたり、背景の表示態様等を変化させる演出をいう。
また、本実施の形態においては、「スーパーリーチはずれB」または「スーパーリーチ大当りB」がセットされたとき、変動表示開始時から図柄種類変更演出が行なわれ、かつリーチの際にリーチ演出としてキャラクタ演出が行なわれる。図柄種類変更演出とは、第1〜第4図柄列各々に配列された選択図柄を、選択されている演出モードと異なる演出モードに対応する種類の選択図柄に替えて、変動表示を行なう演出をいう。
さらに、本実施の形態においては、「スーパーリーチはずれC」または「スーパーリーチ大当りC」がセットされたとき、変動表示開始時からモード変更演出が行なわれ、かつリーチの際にリーチ演出としてキャラクタ演出が行なわれる。モード変更演出とは、現在の演出モードから他の演出モードへ自動的に変更される演出をいう。これにより、変更された演出モードに対応する背景に変更することができるとともに、図柄列に配列された選択図柄を変更された演出モードに対応する種類の選択図柄に変更して変動表示を行なうことができる。
大当りと判定されたときに「スーパーリーチ大当りB」が変動パターンとして決定される振分率は、はずれと判定されたときに「スーパーリーチはずれB」が変動パターンとして決定される振分率と比較して、高くなるように予め記憶されている。同様に、大当りと判定されたときに「スーパーリーチ大当りC」が変動パターンとして決定される振分率は、はずれと判定されたときに「スーパーリーチはずれC」が変動パターンとして決定される振分率と比較して、高くなるように予め記憶されている。なお、「スーパーリーチ大当りA」と「スーパーリーチはずれA」についても同様である。一方、大当りと判定されたときに「ノーマルリーチ大当り」が変動パターンとして決定される振分率は、はずれと判定されたときに「ノーマルリーチはずれ」が変動パターンとして決定される振分率と比較して、低くなるように予め記憶されている。これにより、「スーパーリーチ」による変動表示が行なわれたときに大当りになる割合(以下、信頼度という)は、「ノーマルリーチ」による変動表示が行なわれているときの信頼度よりも高くなるようにすることができる。なお、本実施の形態における信頼度とは、大当りになる割合をいう。
なお、本実施の形態においては、図18で説明したように、はずれになる場合であっても、「リーチ時テーブル」が用いられたときには、図柄種類変更演出が行なわれるスーパーリーチはずれBや、モード変更演出が行なわれるスーパーリーチはずれCが選択され得る例について説明した。しかし、これに限らず、はずれになる場合には、スーパーリーチはずれBや、スーパーリーチはずれCが選択され得ないように変動パターン決定用テーブルを構成してもよい。これにより、変動表示中に、図柄種類変更演出やモード変更演出が行なわれたときには、100パーセント大当りとなることを遊技者に報知することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図19(a)は、演出制御メイン処理のプログラムを説明するためのフローチャートであり、(b)は、タイマ割込処理のプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、SN01〜SN05においては、初期化処理が行なわれる。SN01における初期化処理は、演出制御基板90に搭載されているRAM135およびVRAM138に記憶されている記憶内容すべてが消去され、新たに各パラメータの初期値(たとえば、「0」)が設定される。
SN02〜SN05においては、デフォルトの演出モードを設定し、デフォルトの演出モードに対応する図柄列画像データを生成する処理が行なわれる。まず、SN02においては、演出モードフラグとして、デフォルトとして予め設定されている宇宙モードに対応する宇宙モードフラグをセットする処理が行なわれる。ここで演出モードフラグとは、選択されている演出モードを特定するためのフラグであって、演出制御用マイクロコンピュータに搭載されたRAM135に設けられた記憶領域に記憶される。演出モードが、宇宙モードのとき宇宙モードフラグが、海モードのとき海モードフラグが、陸モードのとき陸モードフラグが、オートモードのときオートモードフラグおよび移行されている演出モードに対応するフラグが各々セットされる。
SN03においては、図柄種類フラグとして、宇宙モードに対応する宇宙用図柄フラグをセットする処理が行なわれる。ここで図柄種類フラグとは、選択図柄の種類を特定するためのフラグであって、演出制御用マイクロコンピュータに搭載されたRAM135に設けられた記憶領域に記憶される。宇宙用図柄を特定するとき宇宙用図柄フラグが、海用図柄を特定するとき海用図柄フラグが、陸用図柄を特定するとき陸用図柄フラグがセットされる。
SN04においては、前述したVRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアに、キャラROM137から読み出した全種類の選択図柄データを予め展開させるための描画処理が行なわれる。これにより、VDP136による展開処理が行なわれて、選択図柄データを、VRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアに格納することができる。なお、SN04において描画処理および展開処理を行なう制御を事前展開制御という。
SN05においては、制御ROM134に格納されている第1〜第4図柄配列用データに基づき、VRAM138内に形成されている第1〜第4図柄列画像データエリア各々に各図柄列に対応した表示順序にしたがって、キャラROM137から読み出した共通図柄データ、およびSN04においてVRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアに展開された宇宙用画像データを展開させるための描画処理が行なわれる。これにより、VDP136による展開処理が行なわれて、第1〜第4図柄領域において変動表示させるときに用いる図柄列画像データであって宇宙モードに対応した図柄列画像データを、VRAM138内に形成されている第1〜第4図柄列画像データエリアに格納することができる。
次に、SN07においては、演出制御に用いるランダムカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理が行なわれる。なお、演出制御に用いるランダムカウンタについては、図20を用いて後述する。
次に、SN08においては、タイマ割込フラグがセットされているか否かが判別される。タイマ割込フラグがセットされていないと判断されたときにはSN07に戻り、タイマ割込フラグがセットされていると判断されたときにはSN09においてタイマ割込フラグをクリアしてから、SN10においてコマンド解析処理が行なわれる。
SN10のコマンド解析処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータから送信されてきた各種コマンドを受信して、受信したコマンドが如何なるコマンドであるかを解析する処理が行なわれる。次に、SN11においては、飾り図柄表示装置44bの表示状態を制御するための表示制御プロセス処理が行なわれる。
SN12においては、音、ランプ制御コマンド処理が行なわれる。この音、ランプ制御コマンド処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ99から演出制御用マイクロコンピュータに入力される各種コマンドに基づき、スピーカ12a,12bから発生させる遊技音や、各種装飾LED・ランプ32、各種遊技効果LED・ランプ等の点灯パターンなどについてのコマンドの設定がなされ、それぞれ対応した音、ランプ駆動信号を制御対象機器に出力される。これにより、飾り図柄表示装置44bにおける表示状態と同期のとれた演出を行なうことができる。
また、図19(b)においては、タイマ割込処理が行なわれ、SN13においては、タイマ割込フラグがセットされる。このタイマ割込フラグは、本実施形態においては33msec毎に行なわれる。そして、SN14においては、割込許可がなされてタイマ割込処理を終了する。
図20は、演出制御用マイクロコンピュータが演出制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図20には、ランダムカウンタの一例としてランダムカウンタSR1〜SR4の4種類のランダムカウンタが示されている。
まず、SR1は、遊技制御用マイクロコンピュータ99から「ノーマルリーチ大当り」および「スーパーリーチ大当りA〜C」のうちいずれかの演出コマンドを受信し後述する確変大当りフラグまたは非確変大当りフラグがセットされているときに、飾り図柄の大当りの組合せを停止表示させるラインを決定するために用いるカウント値を更新するためのランダムカウンタである。SR1は、33msec毎に更新され、0から更新されてその上限である99まで更新された後再度0から更新される。
具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ99から確変大当り図柄コマンドが入力されているときには、飾り図柄「7」の3つ揃いの組合せを2以上のラインに停止表示させるかまたはオールフルーツを停止表示させるかを決定する。2以上のラインに停止表示させるときには、飾り図柄「7」の3つ揃いの組合せを停止表示させるラインを2以上決定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ99から非確変大当り図柄コマンドが入力されているときには、飾り図柄「7」の3つ揃いの組合せを停止表示させるラインを1ライン決定する。
SR2(2−1,2−2,2−3,2−4,2−5,2−6,2−7,2−8,2−9)は、遊技制御用マイクロコンピュータ99から「はずれ」、「ノーマルリーチはずれ」または「スーパーリーチはずれA〜C」の演出コマンドを受信しているときに、飾り図柄表示装置44bに導出表示するはずれ図柄をランダムに決定するために用いるはずれ図柄決定用ランダムカウンタである。SR2−1は、左上の変動表示領域80aにおけるはずれ図柄決定用であり0から加算更新されてその上限である9まで加算されると再度0から加算される。SR2−2は、中上の変動表示領域80bにおけるはずれ図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である9まで加算されると再度0から加算される。SR2−2は、R2−1の桁上げ毎に1ずつ加算される。SR2−3は、右上の変動表示領域80cにおけるはずれ図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である9まで加算された後再度0から加算される。SR2−3は、SR2−2の桁上げ毎に1ずつ加算される。SR2−4は、左中の変動表示領域80dにおけるはずれ図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である9まで加算された後再度0から加算される。SR2−4は、SR2−3の桁上げ毎に1ずつ加算される。以下同様に、SR2−5〜SR2−9は、各々、対応する変動表示領域におけるはずれ図柄決定用のランダムカウンタであり、0から加算されてその上限である9まで加算された後再度0から加算される。またSR2−N(Nは、5〜9の値)は、SR2−(N−1)の桁上げ毎に1ずつ加算される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ99から演出制御用マイクロコンピュータに入力された演出コマンドが、「ノーマルリーチはずれ」または「スーパーリーチはずれA〜C」であるときには、1以上のラインでリーチ状態が発生するように停止図柄を強制的に決定する処理が行なわれる。
SR3は、演出モードとしてオートモードが選択されているときに、現在セットされている演出モードを前述した第1の順序にしたがって自動的に移行させるタイミングであるか否かを判定するためのランダムカウンタであり、0から更新されてその上限である99まで加算更新された後再度0から加算更新される。このSR3は、タイマ割込毎すなわち33msec毎および、割込処理余り時間毎に1ずつ加算される。後述するように、SR3を用いて演出モードを他の演出モードに切替えるタイミングであると判定されたときには、現在セットされている演出モードから第1の順序にしたがった演出モードに自動的に移行させる処理が行なわれる。
SR4は、遊技制御用マイクロコンピュータ99から「スーパーリーチはずれB」または「スーパーリーチ大当りB」の演出コマンドを受信しているときに、図柄種類を決定するために用いる図柄種類決定用ランダムカウンタであり、0から更新されてその上限である9まで加算更新された後再度0から加算更新される。このSR4は、タイマ割込毎すなわち33msec毎および、割込処理余り時間毎に1ずつ加算される。後述するように、SR4を用いて決定されたときには、決定された図柄種類に対応する図柄種類フラグをセットし、かつ図柄列画像データに配列されている選択図柄を当該図柄種類に対応する種類の選択図柄に変更させる処理が行なわれる。
図21は、遊技制御用マイクロコンピュータ99から入力されてきたコマンドを演出制御用マイクロコンピュータが解析するコマンド解析処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
まず、SP01においては、演出制御用マイクロコンピュータに搭載されたRAM135に設けられた記憶領域であって、演出制御用マイクロコンピュータが受信したコマンドを一時的に記憶するためのコマンド受信バッファに新たな受信コマンドがあるか否かを判別する処理が行なわれる。
SP01において新たな受信コマンドがあると判断されたときには、SP02において当該受信したコマンドを読み出し、SP03において当該読み出したコマンドが確変大当り図柄コマンドであるか否かを判別する処理が行なわれる。SP03において、確変大当り図柄コマンドであると判断されたときには、SP04において確変大当りフラグをセットする処理を行ないSP01に移行される。
一方、SP03において読出したコマンドが確変大当り図柄コマンドでないと判断されたときには、SP05において当該コマンドが非確変大当り図柄コマンドであるか否かを判断する処理が行なわれる。SP05において非確変大当り図柄コマンドであると判断されたときには、SP06において非確変大当りフラグをセットする処理を行ないSP01に移行される。
一方、SP05において非確変大当り図柄コマンドでないと判断されたときには、SP07において演出コマンドであるか否かを判別する処理が行なわれる。SP07において当該受信コマンドが演出コマンドであると判断されたときには、SP08において当該演出コマンドに対応する演出フラグをセットする処理を行ないSP01に移行される。たとえば、演出コマンドとして「8001H」を受信したときには、演出フラグとして「はずれ」に対応する演出フラグをオン状態にセットする。また、たとえば、演出コマンドとして「8007H」を受信したときには、演出フラグとして「スーパーリーチ大当りA」に対応する演出フラグをオン状態にセットする。その他の演出コマンドについても同様に、対応する演出フラグがオン状態にセットされる。
一方、SP07において演出コマンドでないと判断されたときには、SP09において当該受信コマンドに対応したフラグをセットする処理を行ないSP01に移行される。SP01においてコマンド受信バッファに解析していない受信コマンドがないと判断されたときには、コマンド解析処理を終了する。
図22は、表示制御プロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。表示制御プロセス処理においては、SQ01においてコマンド受信待ち処理が行なわれる。コマンド受信待ち処理においては、図21のSP08において演出フラグがセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。
SQ02においては、飾り図柄設定処理が行なわれる。飾り図柄設定処理においては、飾り図柄表示装置44bにおいて行なわれる変動表示の表示態様を特定するための飾り変動パターンや停止表示する飾り図柄の組合せや大当りライン等を設定する処理が行なわれる。
SQ03においては、飾り図柄変動処理が行なわれる。飾り図柄変動処理においては、SQ02において設定された飾り変動パターンから特定される変動速度で第1〜第9のスクリーンの座標を指定する値を変更することにより、変動表示領域80a〜80i各々において飾り図柄を所定の表示順序で変動表示する制御を行なう。また、飾り図柄変動処理においては、SQ02において設定された飾り変動パターンから特定される背景画面やキャラクタの切替タイミングを制御し、変動時間の終了を監視する。
SQ04においては、飾り図柄停止処理が行なわれる。飾り図柄停止処理においては、SQ02において設定された飾り変動パターンから特定される変動時間の終了時に飾り図柄の変動を停止するための表示制御を行なう。停止表示された飾り図柄の組合せが大当りの組合せであるときには、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値に更新する。一方、停止表示された飾り図柄の組合せがはずれの組合せであるときには、飾り図柄プロセスフラグの値をコマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
なお、本実施の形態における飾り図柄停止処理においては、飾り図柄の変動表示を停止させた際に、演出モードフラグと図柄種類フラグとが同一の演出モードに対応するフラグでない場合、演出モードフラグから特定される演出モードに対応する図柄種類フラグをセットする処理が行なわれる。これにより、「スーパーリーチ大当りB」または「スーパーリーチはずれB」により演出モードに対応していない図柄種類での変動表示を行なった後に、演出モードに対応する本来の図柄種類での変動表示を可能にすることができる。
SQ05においては、大当り表示処理が行なわれる。大当り表示処理においては、変動時間の経過後大当りが発生した旨を報知するための大当り表示が行なわれ、大当り遊技中における飾り図柄表示装置44bの表示制御が行なわれる。大当り遊技が終了したときには、飾り図柄プロセスフラグの値をコマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
図23は、SQ01のコマンド受信待ち処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
まず、SR01においては、演出フラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータ99からの演出コマンドを新たに受信したか否かを判別する処理が行なわれる。SR01において演出フラグがオン状態にセットされているときには、SR02において飾り図柄プロセスフラグの値を、飾り図柄設定処理に対応する値に更新する処理を行ない、コマンド指示待ち処理を終了する。
一方、SR01において演出フラグがオン状態にセットされていないと判断されたとき、すなわち、飾り図柄表示装置44bにおいて新たに変動表示が行なわれないときには、SR03において現在セットされている演出モードフラグに対応する演出モード以外の演出モードの名称や当該演出モードがセットされているときの変動表示中に登場するキャラクタ等を表示する処理が行なわれる。
SR04においては、操作ボタン31が押圧されて検出信号が入力されて、演出モードが選択されたか否かを判断する処理が行なわれる。本実施の形態においては、SR04により遊技演出選択受付手段が構成されている。SR04において選択操作があったと判断されたときには、SR05において選択された演出モードに対応する演出モードフラグおよび図柄種類フラグをセットする処理が行なわれる。本実施の形態においては、SR05により受付遊技演出選択手段が構成されている。SR06においては、VRAM138内に形成されている第1〜第4図柄列画像データエリア各々において展開されている選択図柄データに替えて、VRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアからSR05においてセットされた図柄種類フラグに対応する種類の選択図柄データを読み出し展開させるための描画処理が行なわれる。これにより、VDP136による展開処理が行なわれて、選択操作により選択された演出モードに対応した図柄列画像データが生成され、当該生成された図柄列画像データを用いて変動表示を行なうことができる。本実施の形態においては、SR06において描画処理および展開処理を行なう制御を差替展開制御という。なお、背景やキャラクタ等についても同様に、演出モードフラグに対応する種類の背景やキャラクタ等に変更される。また、前述した装飾LED・ランプ32や遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ14b,14d,16a,16b,17a,17b等の光を発生させる光演出装置による演出態様や、前述したスピーカ12a,12b等の音を発生させる音演出装置による演出態様についても、同様に、演出モードフラグに対応する種類の演出態様に変更される。
一方、SR04において選択操作がなかったと判断されたときには、SR07において遊技者の選択操作を促進させるための選択指示演出を実行する処理を行ないコマンド指示待ち処理を終了する。選択指示演出として、たとえば、「好きな演出モードを選んでください!」等が、飾り図柄表示装置44bに表示されるようにしてもよい。
図24は、SQ02の飾り図柄設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、ST01において、ランダムカウンタSR1〜SR4からカウント値を抽出する処理が行なわれる。ST02においては、後述する飾り停止図柄設定処理が実行される。ST03においては、後述する飾り変動パターン設定処理が実行される。ST04においては、後述する演出モード自動設定処理が実行される。ST05においては、ST03で設定された飾り変動パターンの変動時間をセットし、タイマの計時をスタートさせる処理が行なわれる。ST06においては飾り図柄プロセスフラグの値を、飾り図柄変動処理に対応する値に更新する処理を行ない、飾り図柄設定処理を終了する。
図25は、ST02の飾り停止図柄設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、SU01において、確変大当りフラグがセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。SU01において確変大当りフラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、SU02においてランダムカウンタSR1の値に基づき、飾り図柄「7」の3つ揃いの組合せを2以上のラインに停止表示させるかまたはオールフルーツを停止表示させるかを決定する処理、および2以上のラインに停止表示させるときには飾り図柄「7」の3つ揃いの組合せを停止表示させるラインを2以上決定する処理が行なわれる。
一方、SU01において確変大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、SU03において非確変大当りフラグがセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。SU03において非確変大当りフラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、SU04においてランダムカウンタSR1の値に基づき、飾り図柄「7」の3つ揃いの組合せを停止表示させるラインを1ライン決定する処理が行なわれる。
SU03において非確変大当りフラグがセットされていないと判断されたときには、SU05において変動表示中にリーチ状態が発生する演出フラグであるか否かを判断する処理が行なわれる。すなわち、セットされている演出フラグが、ノーマルリーチはずれ、スーパーリーチはずれのうちのいずれかに対応するものであるか否かを判断する処理が行なわれる。
SU05においてリーチ状態が発生する演出フラグであると判断されたときには、SU06においてランダムカウンタSR1の値に基づき、飾り図柄「7」によりリーチ状態を発生させるかまたはオールフルーツとなる可能性のあるリーチ状態を発生させるかを決定する処理、および飾り図柄「7」によりリーチ状態を発生させる場合にはリーチ状態を発生させるラインを決定する処理が行なわれる。
SU07においては、SU06において飾り図柄「7」によりリーチ状態を発生させるラインが決定された場合、当該ラインにおいてリーチ状態を発生させ、かつ大当りの組合せとしないように停止図柄を決定する処理を行なう。その他の変動表示領域における停止図柄は、対応するSR2−1〜SR2−9の値に基づきはずれ図柄を決定する処理が行なわれる。なお、偶然、その他のラインにおいてリーチ状態が発生する組合せとなるときは、当該ラインにおいてリーチ状態を発生させないように、はずれ図柄を決定する補正処理が行なわれる。これにより、リーチ状態を発生させつつ、表示結果をはずれの組合せとすることができる。
一方、SU05においてリーチ状態が発生する演出フラグでないと判断されたときには、SU10においてランダムカウンタSR2−1〜SR2−9から抽出したカウント値に基づきはずれ図柄を決定する処理が行なわれる。なお、偶然、リーチ状態が発生する組合せとなるときは、リーチ状態を発生させないように、はずれ図柄を決定する補正処理が行なわれる。
SU13においてはSU02、SU04、SU06、SU07、SU10のいずれかにおける決定にしたがい、予定飾り停止図柄をセットする処理を行ない飾り停止図柄設定処理を終了する。
図26は、ST03の飾り変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、SV01においては、変動表示中にリーチ状態が発生する演出フラグであるか否かを判断する処理が行なわれる。すなわち、セットされている演出フラグが、ノーマルリーチ、スーパーリーチのうちのいずれかに対応するものであるか否かを判断する処理が行なわれる。SV01においてリーチ状態が発生する演出フラグでないと判断されたときには、SV02において、ノーマルはずれ飾り変動パターンを決定する処理が行なわれる。
一方、SV01においてリーチ状態が発生する演出フラグであると判断されたときには、SV03においてスーパーリーチの種類がスーパーリーチはずれAまたはスーパーリーチ大当りAを示すAパターンの演出フラグであるか否かを判断する処理が行なわれる。SV03においてAパターンの演出フラグであると判断されたときには、SV04において、スーパーリーチA飾り変動パターンを決定する処理が行なわれる。
一方、SV03においてAパターンの演出フラグでないと判断されたときには、SV05においてスーパーリーチの種類がスーパーリーチはずれBまたはスーパーリーチ大当りBを示すBパターンの演出フラグであるか否かを判断する処理が行なわれる。SV05においてBパターンの演出フラグであると判断されたときには、SV06においてSR4の値に基づき、演出モードフラグから特定される演出モード以外の演出モードから一の演出モードを決定し、該決定された演出モードに対応する図柄種類フラグをセットする処理が行なわれる。SV07においては、VRAM138内に形成されている第1〜第4図柄列画像データエリア各々において展開されている選択図柄データに替えて、VRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアから図柄種類フラグに対応する種類の選択図柄データを読み出し展開させるための描画処理が行なわれる。これにより、VDP136による展開処理が行なわれて、前述した図柄種類変更演出が行なわれる。本実施の形態においては、SV07において描画処理および展開処理を行なう制御を差替展開制御、非対応展開制御という。SV08においては、スーパーリーチB飾り変動パターンを決定する処理が行なわれる。
一方、SV05において、Bパターンの演出フラグでないと判断されたときには、SV09においてスーパーリーチの種類がスーパーリーチはずれCまたはスーパーリーチ大当りCを示すCパターンの演出フラグであるか否かを判断する処理が行なわれる。SV09においてCパターンの演出フラグでないと判断されたときには、SV10においてノーマルリーチ飾り変動パターンを決定する処理が行なわれる。
一方、SV09において、スーパーリーチの種類がCパターンの演出フラグであると判断されたときには、SV11において、前述した第2の順序にしたがって演出モードを特定し、当該演出モードに対応する演出モードフラグ、および図柄種類フラグをセットする処理が行なわれる。
SV12においては、VRAM138内に形成されている第1〜第4図柄列画像データエリア各々において展開されている選択図柄データに替えて、VRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアから図柄種類フラグに対応する種類の選択図柄データを読み出し展開させるための描画処理が行なわれる。これにより、VDP136による展開処理が行なわれて、前述したモード変更演出が行なわれる。SV12において描画処理および展開処理を行なう制御を差替展開制御という。SV13においては、スーパーリーチC飾り変動パターンを決定する処理が行なわれる。
SV14においては、前述したSV02、SV04、SV08、SV10またはSV13のいずれかにおいて決定された飾り変動パターンを特定するためのコマンドをセットする処理を行ない飾り変動パターン設定処理を終了する。
図27は、ST04の演出モード自動設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。まず、SW01においては、オートモードが選択されているか否かを判断する処理が行なわれる。すなわち、演出モードフラグとして、オートモードフラグがセットされているか否かが判断される。SW01においてオートモードが選択されているときには、SW02において飾り変動パターンがスーパーリーチBまたはCであるか否かを判断する処理が行なわれる。SW02においてスーパーリーチBまたはCの飾り変動パターンでないと判断されたときには、SW03において、SR3からの値が予め定められた演出モード自動移行判定値(たとえば、7)であるか否かを判断する処理が行なわれる。
SW03においてSR3からの値が演出モード自動移行判定値であると判断されたときには、SW04において演出フラグから特定される演出モードから、第1の順序にしたがって演出モードを特定し、当該演出モードに対応する演出モードフラグ、および図柄種類フラグをセットする処理が行なわれる。本実施の形態においては、SV11およびSW04各々により順序遊技演出切替手段が構成されている。SW05においては、VRAM138内に形成されている第1〜第4図柄列画像データエリア各々において展開されている選択図柄データに替えて、VRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアから図柄種類フラグに対応する種類の選択図柄データを読み出し展開させるための描画処理が行なわれる。これにより、前述したモード変更演出が行なわれる。なお、SW01またはSW03において「NO」と判断されたとき、SW02において「YES」と判断されたとき、およびSW05における処理が行なわれたときには、演出モード自動設定処理を終了する。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態によれば、SN05、SR06等における描画処理により共通図柄データと演出モードの種類に応じた選択図柄データとを用いて、演出モードの種類に応じて異なる図柄列画像データを生成することができる。これにより、共通図柄については、演出モードの種類に応じた複数種類の画像データをキャラROM137に記憶させる必要がないため、演出モードの種類に応じて複数種類の図柄列画像データをキャラROM137に記憶させる場合と比較して、画像データの記憶容量を削減することができる。また、SR06等における描画処理により、図柄列画像データとして展開されている選択図柄データを、選択された演出モードに対応する選択図柄データに差替えるだけで演出モードの種類に応じた図柄列画像データを生成することができるため、図柄列画像データ全体を変更する場合と比較してCPU133やVDP136において実行される処理の負担を軽減することができる。
さらに、図6等で説明したように飾り図柄の表示順序は演出モードの種類に関わらず一定でありかつ共通図柄の画像は同一である。このため、演出モードの種類に応じて異なる選択図柄の画像を図柄列に含ませて変動表示が行なわれる場合であっても、変動表示させる飾り図柄の順序を特定しやすいため、視覚的に斬新でありかつ遊技者にとってわかりやすい変動表示演出を提供することができる。
(2) 前述した実施の形態によれば、SR04において選択操作が確認されSR05において演出モードが変更された際、SR06において、VRAM138上に形成された選択図柄画像データエリアから変更後の演出モードに対応する選択図柄データが読み出され、図柄列画像データに展開されている選択図柄データに替えて展開させるための描画処理が行なわれる。これにより、演出モードの種類に応じた図柄列画像データを生成するにあたり、キャラROM137から選択図柄データを読み出す場合と比較して迅速化を図ることができる。
(3) 前述した実施の形態によれば、飾り図柄表示装置44bの変動表示領域80a〜80i各々における飾り図柄の変動表示に用いられる第1〜第4図柄列画像データは、SN04において予め展開された演出モードの種類毎に一の選択図柄データのうち選択された演出モードに対応する画像データを用いて生成することができる。これにより、VRAM138上に形成された選択図柄画像データエリアに予め記憶させる選択図柄データの記憶容量を最小限度に抑えることができる。
(4) 前述した実施の形態によれば、飾り図柄表示装置44bにおいて変動表示が行なわれていないときに、遊技者が操作ボタン31を操作することにより、SR04において選択操作が受付けられて、SR05において対応する演出モードフラグおよび図柄種類フラグがセットされ、演出モードを選択することができる。そして、SR06において、SR05においてセットされたフラグに対応する選択図柄データが展開され、選択された演出モードに対応する図柄列画像データが生成される。これにより、遊技者が選択した演出モードに対応する変動表示演出を提供することができるため、長時間遊技を行なった場合に生じるマンネリ化を防止することができる。また、遊技者の遊技への介入度合いを高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態によれば、SR04において演出モードとしてオートモードを選択する操作が受付けられたときに、SW03において第1の順序にしたがった演出モードに自動移行するモード変更演出を実行するか否かが判断される。SW03においては、1/100の割合で第1の順序にしたがったモード変更演出を実行すると判断される。また、図17の変動パターン設定処理においては、はずれ時テーブルおよびリーチ時テーブルがルックアップされたときよりも、大当り時テーブルがルックアップされたときの方が、第2の順序にしたがった演出モードに自動移行するモード変更演出を実行するCパターンの変動パターンが変動パターンとして決定される割合が高い(図18参照)。はずれ時テーブルおよびリーチ時テーブルがルックアップされたときは、3/100の割合で第2の順序にしたがったモード変更演出を実行する変動パターンが決定される。一方、大当り時テーブルがルックアップされたときは、40/100の割合で第2の順序にしたがったモード変更演出を実行する変動パターンが決定される。これにより、第1の順序にしたがったモード変更演出が実行されるよりも、第2の順序にしたがったモード変更演出が実行されたときの方が、大当りになる可能性が高いため、いずれの順序にしたがったモード変更演出が実行されるかについて遊技者の期待感を向上させることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、図17の変動パターン設定処理において、変動パターンとして図柄種類変更演出を実行するBパターンが決定された場合、SV06においてSR4の値に基づき演出モードフラグから特定される演出モード以外の演出モードから一の演出モードを決定し、SV07において図柄列画像データとして展開されている選択図柄データを決定された演出モードに対応する選択図柄データに差替えて、演出モードの種類に応じた図柄列画像データを生成することができる。これにより、意外性のある変動表示演出を提供することができる。
また、図17の変動パターン設定処理においては、はずれ時テーブルおよびリーチ時テーブルがルックアップされたときよりも、大当り時テーブルがルックアップされたときの方が、Cパターンが変動パターンとして決定される割合が高い(図18参照)。はずれ時テーブルおよびリーチ時テーブルがルックアップされたときは、7/100の割合で図柄種類変更演出を実行する変動パターンが決定される。一方、大当り時テーブルがルックアップされたときは、20/100の割合で図柄種類変更演出を実行する変動パターンが決定される。これにより、図柄種類変更演出が実行されたときの方が、大当りになる可能性が高いため、、意外性のある変動表示演出が行なわれることについて遊技者の期待感を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、SN04においてVRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアに、キャラROM137から読み出した全種類の選択図柄データを予め展開させるための描画処理が行なわれる例について説明した。すなわち、前記表示用データ記憶手段は、前記画像データ記憶手段に記憶された全種類の選択識別情報用画像データを記憶する全種類選択識別情報用画像データ記憶領域をさらに有し、前記識別情報表示用データ生成手段は、少なくとも前記変動表示装置において複数種類の前記識別情報を変動表示させる前に、前記画像データ記憶手段に記憶された全種類の前記選択識別情報用画像データを前記全種類選択識別情報用画像データ記憶領域に予め展開する変動表示前展開手段と、前記全種類選択識別情報用画像データ記憶領域に展開された全種類の前記選択識別情報用画像データのうち前記遊技演出選択手段により選択された遊技演出に応じた種類の選択識別情報用画像データを、前記識別情報表示用データ記憶領域に展開されている前記選択識別情報用画像データに替えて展開する選択時展開手段とを含む構成について説明した。
しかし、これに限らず、SN04において、デフォルトとしてセットされる宇宙モード以外の演出モードに対応した選択図柄データをキャラROM137から読み出し、VRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアに格納する。そして、SN05においては、制御ROM134に格納されている第1〜第4図柄配列用データに基づき、VRAM138内に形成されている第1〜第4図柄列画像データエリア各々に各図柄列に対応した表示順序にしたがって、キャラROM137から読み出した共通図柄データ、および宇宙用画像データを展開させるための描画処理を行なうように構成してもよい。そして、SR05,SV06,あるいはSV11において演出モードが変更(図柄種類フラグが変更を含む)される毎に、SR06,SV07,あるいはSV12において各図柄列に展開された選択図柄データと、VRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアから変更後の図柄種類フラグに対応する選択図柄データとを入れ替えて展開させるための描画処理を行なうように構成してもよい。すなわち、VRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアには、現在選択されている演出モードから選択され得る演出モードに応じた種類の選択識別情報用画像データだけを記憶させるようにしてもよい。これにより、VRAM138内に形成されている選択図柄画像データエリアの画像データ記憶容量をより一層低減させることができる。
(2) 前述した実施の形態における図17の変動パターン設定処理において、図18に示すスーパーリーチはずれBまたはスーパーリーチ大当りBが変動パターンとして決定されたときには、図26の飾り変動パターン設定処理のSV06において決定された演出モードに対応する図柄種類フラグがセットされ、SV07においてセットされた図柄種類フラグに対応する選択図柄データを差替えて展開させるための描画処理が行なわれる。これにより、飾り図柄表示装置44bにおいて飾り図柄の変動表示が開始されたときから、図柄種類フラグに対応する種類の選択図柄が変動表示される例について説明した。しかし、SV07による描画処理を行なうタイミングは、飾り図柄の変動表示が開始されるタイミングに限らず、変動表示中の所定タイミング(たとえば、第1〜第3のタイミングのうちいずれかのタイミング、リーチが発生したタイミング等)であってもよい。これにより、変動表示中に、突然選択図柄が他の演出モードに対応した種類の選択図柄に切替わる図柄種類変更演出を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態における図17の変動パターン設定処理において、図18に示すスーパーリーチはずれCまたはスーパーリーチ大当りCが変動パターンとして決定されたときには、図26の飾り変動パターン設定処理のSV11において第2の順序にしたがって特定された演出モードに対応する演出モードフラグおよび図柄種類フラグがセットされ、SV12においてセットされた図柄種類フラグに対応する選択図柄データを差替えて展開させるための描画処理が行なわれる。これにより、飾り図柄表示装置44bにおいて飾り図柄の変動表示が開始されたときから、図柄種類フラグに対応する種類の選択図柄が変動表示される例について説明した。しかし、SV12による描画処理を行なうタイミングは、飾り図柄の変動表示が開始されるタイミングに限らず、変動表示中の所定タイミング(たとえば、第1〜第3のタイミングのうちいずれかのタイミング、リーチが発生したタイミング等)であってもよい。これにより、変動表示中に、突然演出モードが他の演出モードに切替わるモード変更演出を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前述した実施の形態における図17の変動パターン設定処理において、図18に示すスーパーリーチはずれCまたはスーパーリーチ大当りCが変動パターンとして決定されたときには、図26の飾り変動パターン設定処理のSV11において第2の順序にしたがって特定された演出モードに対応する演出モードフラグおよび図柄種類フラグがセットされ、SV12においてセットされた図柄種類フラグに対応する選択図柄データを差替えて展開させるための描画処理が行なわれる。これにより、飾り図柄表示装置44bにおいて飾り図柄の変動表示が開始されたときから、図柄種類フラグに対応する種類の選択図柄が変動表示される例について説明した。しかし、SV12による描画処理を行なうタイミングは、飾り図柄の変動表示が開始されるタイミングに限らず、変動表示中の所定タイミング(たとえば、第1〜第3のタイミングのうちいずれかのタイミング、リーチが発生したタイミング等)であってもよい。これにより、変動表示中に、突然演出モードが他の演出モードに切替わるモード変更演出を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、図柄種類変更演出が行なわれたとき、当該図柄種類変更演出が行なわれた変動表示が終了した後に、SQ04において演出モードフラグから特定される演出モードに対応する図柄種類フラグをセットする処理を行ない、元の演出モードに対応する選択図柄に戻す処理を行なう構成について説明した。しかし、これに限らず、図柄種類変更演出が行なわれたときであっても、SQ04において演出モードフラグから特定される演出モードに対応する図柄種類フラグをセットする処理を行なわないように構成してもよい。これにより、演出モードと非対応の種類の選択図柄を変動表示させることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、モード変更演出が行なわれたとき、当該モード変更演出が行なわれた変動表示が終了した後も継続して、変更後の演出モードに対応した選択図柄を変動表示させる構成について説明した。しかし、これに限らず、モード変更演出が行なわれたとき、当該モード変更演出が行なわれた変動表示が終了した後に、SQ04において元の演出モードフラグおよび図柄種類フラグをセットする処理を行ない、元の演出モードに対応する選択図柄に戻す処理を行なうように構成してもよい。
(7) 前述した実施の形態において、オートモード以外の演出モードが選択されているときには、BパターンやCパターンの変動パターンが決定されて、図柄種類変更演出やモード変更演出が行なわれない限り、他の演出モードに移行されない例について説明したが、これに限らず、BパターンやCパターンの変動パターンが決定されなかったときでも、所定条件が成立したときに、他の演出モードに移行されるように構成してもよい。
(8) 前述した実施の形態における選択図柄は、飾り図柄の「7」のみである例について説明したが、これに限らず、選択図柄としては、他の種類の飾り図柄(たとえば、「メロン」等)であってもよく、また複数種類の飾り図柄(たとえば、「7」および「ブランク図柄」等、2種類以上の図柄)であってもよい。また、前述した実施の形態における選択図柄は、第1〜第4図柄領域の図柄列各々において含まれる例について説明したが、これに限らず、第1〜第4図柄領域のうち一部の図柄領域の図柄列において含まれるものであってもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、飾り図柄表示装置44bの表示領域80に、9つの変動表示領域80a〜80iが形成されている例について説明したが、これに限らず、飾り図柄表示装置44bの表示領域80に形成された変動表示領域の数としては、1つでもよく、いくつ形成されたものであってもよい。また、9つの変動表示領域80a〜80i各々は、一つの図柄を表示するもの限らず、複数の図柄(たとえば、3つの図柄)を表示するものであってもよい。すなわち、9つの変動表示領域80a〜80i各々に対応する第1〜第9のスクリーンの読出領域の範囲は、一つの図柄を表示できる範囲に限らず、複数の図柄を表示できる範囲であってもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、特別図柄および飾り図柄の変動表示が開始される直前に、図17の変動パターン設定処理において特別図柄表示装置44aの変動表示に用いる変動パターンがセットされ、図26の飾り変動パターン設定処理において飾り図柄表示装置44bの変動表示に用いる飾り変動パターンがセットされる例について説明した。しかし、これに限らず、たとえば、始動口スイッチ60により入賞が検出されたときに、図17の変動パターン設定処理において特別図柄表示装置44aの変動表示に用いる変動パターンをセットし、遊技制御用マイクロコンピュータ99は当該変動パターンの演出コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに出力するようにしてもよい。このように構成した場合には、一の変動表示が開始されるときに、既に入力されている演出コマンドに基づき、当該変動表示に用いる飾り変動パターンを決定するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、特別図柄表示装置44aを7セグメントLED表示器で構成しているが、特にこれに限定するものではなく、LCD、CRT、VFD、EL、あるいはプラズマによる表示器で構成することも可能である。また、特別図柄を変動表示する特別図柄表示装置44aと、飾り図柄を変動表示する飾り図柄表示装置44bとを備えた遊技機について説明したが、これに限らず、特別図柄表示装置44aのみを備えた遊技機であってもよい。この場合、特別図柄表示装置44aをLCD、CRT、VFD、EL、あるいはプラズマによる表示器で構成し、前述した実施の形態における飾り図柄表示装置44bを特別図柄表示装置として各種処理を実行するように構成してもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、遊技機の構成として、始動玉検出器の入賞球の検出に伴って変動表示装置での識別情報の変動を開始し、該識別情報が特定表示結果となると特定遊技状態が発生して可変入賞球装置を開放する遊技機を例示しているが、特にこれに限定するものではなく、始動玉検出器の入賞球の検出に伴って変動表示装置での識別情報の変動を開始し、該識別情報が特定表示結果となると権利発生状態となり、この状態で特定領域に打玉が入賞すると特定遊技状態が発生する遊技機であってもよく、どのようなものであってもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御を行なうために、演出制御基板90と、音声枠ランプ基板92と、の2つの基板を設けた例を示した。しかし、これに限らず、表示制御、音制御、および、ランプ制御を統括的に行なう1つのマイクロコンピュータを搭載した1つの制御基板を設けてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御を行なうために、演出制御基板90と、音声枠ランプ基板92と、の2つの基板を設け、主基板120からのコマンドを音・ランプ制御基板70が受信し、その受信したコマンドに基づいて、演出制御基板90から音声枠ランプ基板92にコマンドを送信する例を示した。しかし、これに限らず、主基板120からのコマンドを音声枠ランプ基板92が受信し、その受信したコマンドに基づいて、音声枠ランプ基板92から演出制御基板90に、表示制御を指令するためのコマンドを送信するようにしてもよい。
(15) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 弾球遊技機、31 操作ボタン、40 遊技盤、44a 特別図柄表示装置、44b 飾り図柄表示装置、60 始動口スイッチ、63 普通図柄表示装置、90 演出制御基板、99 遊技制御用マイクロコンピュータ、120 主基板。