JP2007142632A - 方向調節支援装置及び方向調節支援システム - Google Patents

方向調節支援装置及び方向調節支援システム Download PDF

Info

Publication number
JP2007142632A
JP2007142632A JP2005331504A JP2005331504A JP2007142632A JP 2007142632 A JP2007142632 A JP 2007142632A JP 2005331504 A JP2005331504 A JP 2005331504A JP 2005331504 A JP2005331504 A JP 2005331504A JP 2007142632 A JP2007142632 A JP 2007142632A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
direction adjustment
light
cylindrical body
adjustment support
support device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005331504A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4568676B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Takahashi
宏行 高橋
Yasuhiro Sato
康博 佐藤
Ryoichi Yamaguchi
良一 山口
Akihiko Hirata
明彦 枚田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2005331504A priority Critical patent/JP4568676B2/ja
Publication of JP2007142632A publication Critical patent/JP2007142632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4568676B2 publication Critical patent/JP4568676B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Communication System (AREA)

Abstract

【課題】 部品点数を削減し、構造を簡素化するとともに、設置の際の重量的負担を軽減することのできる方向調節支援装置を提供する。
【解決手段】 被方向調節物を所定の方向に向ける際に方向調節を支援する方向調節支援装置であり、所定の長さ及び形状からなる筒体2と、筒体2の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部を有する光源3とを備え、前記光照射部から照射された光が筒体2内を通過し、筒体2の他端から外部に放射されるようにしたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、任意の被方向調節物を所定の方向へ向ける際、その方向調節の簡便化、高精度化を図るための方向調節支援装置及び方向調節支援システムに関する。
近年、光や高指向性の電波を用いた無線通信技術が発達している。この無線通信技術では、光をキャリアとする場合は光源と受光器とを、電波をキャリアとする場合は送受信用の高指向性アンテナを、それぞれ正確に対向させて動作させることにより、通信距離が数kmの無線データ伝送を実現することができる。このとき、数km離間した送受信用の高指向性アンテナを、誤差数度以下の精度で対向させるのを目視のみで行うのは非常に困難であるため、方向調節作業を支援する技術が必要である。
この要求を満たす従来技術としては、例えば図17に示すような方法がある。この図17は従来の方向調節方法を示す説明図であり、高指向性アンテナを用いた無線通信への適用例を示している。
図17に示すように、送信側のアンテナ101及び受信側のアンテナ103の双方には、それぞれ十分な望遠能力を有する望遠鏡105,107が、その視野方向とアンテナの指向性の方向とが一致するように設置されている。
送信側の作業者は、まず、送信側のアンテナ101に設置されている望遠鏡105を覗き、その視野領域の中心に受信側のアンテナ103及び望遠鏡107が位置するように送信側のアンテナ101の設置角度を変える。
次に、受信側の作業者は、受信側のアンテナ103に設置されている望遠鏡107を覗き、その視野領域の中心に送信側のアンテナ101及び望遠鏡105が位置するように受信側のアンテナ103の設置角度を変える(図18)。
以上の手順によって、送信側のアンテナ101と受信側のアンテナ103とを互いに対向させることができる。なお、高い精度の方向調節を行いたい場合は、望遠鏡105,107のズームの倍率を高くすればよい。
しかしながら、前述した図17及び図18に示す従来技術では、方向調節の精度を向上させたい場合や、アンテナ間の距離を伸張させたい場合には、高性能な望遠鏡を送信側のアンテナ101及び受信側のアンテナ103に設置する必要があった。このような高性能の望遠鏡は、サイズが大きくなり、重量が増すため設置が困難である。その結果、望遠鏡の高性能化、巨大化に伴いコストが上昇するという問題があった。また、上述した従来技術では、運用面においても夜では目標が観測不能であることから、使用することができないという問題がある。
この課題を解決するため、非特許文献1では、複数のアンテナ素子を用いて到来方向を推定し、方向調節する方法を提案している。この方法では、通信に用いるアンテナの他に複数のアンテナと無線処理部を用意する点が特徴である。これらのアンテナ群は、通信に用いる電波を受信し、各アンテナで受信された位相の差分を観測することにより、電波がどの方角から到来したかを推定することができる。これを利用し、推定した方向に通信用アンテナを向けることで、方向調節が可能である。この方法を用いることにより、夜でも方向調節が可能になる。
上記非特許文献1は、マイクロ波帯の電波を用いたマラソン中継を想定した場合、高利得のアンテナを適切な方向に向けるためには、送信点がビル陰等の見通し外の場合や、マルチパスのある環境下であっても、希望波の到来方向を正確に推定する技術が必要であることから提案された方式である。
すなわち、上記非特許文献1では、FPU(Field Pick-up Unit)で採用されているOFDM(直交周波数分割多重)方式の信号に含まれるパイロット信号を用いて、希望波の到来方向を推定する方式を開発したものである。この方式は、マルチパスが存在する場合でも、受信パイロット信号に対し次のような補正を行うことで到来方向を推定するものである。
具体的には、図19に示すように、例えば、マルチパスが1波存在する場合、パイロット抽出部111により抽出した補正前のパイロット信号はIQ平面上で分散しているが(図中の補正前)、マルチパス抑圧のための補正部113によりIQ平面上でこれらの信号の位置平均を求めることによって希望波のみが到来した場合のパイロット信号であると推定する(図中の補正後)。
次に、補正後の各パイロット信号と送信側の既知パイロット信号を相関演算部115により相関演算し、希望波の方向ベクトル算出部117により希望波の到来方向(到来角θ)を求めることが可能になる。この方式は、推定のための受信系が2系統で済み、OFDM1シンボル中のパイロット信号のみで推定を1回行うため、計算負荷が比較的小さいという特徴がある。室内実験を行った結果、受信CN(搬送波電力対雑音電力)比が8dB以上あれば、希望波の到来方向を90%以上の確率で±3度以内に、ほぼ実時間で推定することができることが確認された。
NHK放送技術研究所研究年報2003、研究報告3.2.4 「高機能アンテナ技術」
しかしながら、上記非特許文献1に開示された方法では、まず、アンテナ群に対し希望波の到来方向の推定が可能となる十分な受信強度が得られるまでは、やはり目視での方向調節が必要となってしまう。また、希望波の到来方向の推定精度は、原理的にアンテナの素子数に依存して高くなるため、高精度で方向を調整したい場合には、多くのアンテナ素子と無線信号処理部が必要となり、部品点数が増加するとともに、構造が複雑化し、コストが高くなってしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、部品点数を削減し、構造を簡素化するとともに、設置の際の重量的負担を軽減することのできる方向調節支援装置及び方向調節支援システムを提供することにある。
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、被方向調節物を所定の方向に向ける際に方向調節を支援する方向調節支援装置であって、所定の長さ及び形状からなる筒体と、前記筒体の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部を有する光源とを備え、前記光照射部から照射された光が前記筒体内を通過し、前記筒体の他端から外部に放射されることを要旨とする。
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、被方向調節物を所定の方向に向ける際に方向調節を支援する方向調節支援装置であって、所定の範囲内で長さが変更可能な筒体と、前記筒体の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部を有する光源とを備え、前記光照射部から照射された光が前記筒体内を通過し、前記筒体の他端から外部に放射されることことを要旨とする。
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、被方向調節物を所定の方向に向ける際に方向調節を支援する方向調節支援装置であって、所定の長さ及び形状からなる筒体と、前記筒体の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部を有する光源とを備え、前記筒体における一端面の径の大きさと前記光照射部の大きさの少なくとも一方が所定の範囲内で変化可能であり、前記光照射部から照射された光が前記筒体内を通過し、前記筒体の他端から外部に放射されることを要旨とする。
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するため、被方向調節物を所定の方向に向ける際に方向調節を支援する方向調節支援装置であって、所定の長さ及び形状からなる筒体と、前記筒体の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部を有する光源とを備え、前記筒体が所定の範囲内で長さが変化可能であり、かつ前記筒体における一端面の径の大きさと前記光照射部の大きさの少なくとも一方が所定の範囲内で変化可能であり、前記光照射部から照射された光が前記筒体内を通過し、前記筒体の他端から外部に放射されることを要旨とする。
請求項5記載の発明は、上記課題を解決するため、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の方向調節支援装置において、前記光源は、色が互いに異なる光を照射可能な複数の光照射部を有することを要旨とする。
請求項6記載の発明は、上記課題を解決するため、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の方向調節支援装置において、前記筒体の長さ、前記光照射部の大きさ及び前記筒体における一端面の径の大きさに基づいて光を観測可能な領域を演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果に基づいて前記筒体の方向精度を表示する方向精度表示手段と、を備えることを要旨とする。
請求項7記載の発明は、上記課題を解決するため、指向性を有し、当該指向性を所定の方向へ調節する必要のある被方向調節物と、前記被方向調節物の指向性と光の照射方向とが平行になるように前記被方向調節物に設置された請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方向調節支援装置と、前記被方向調節物の方向調節の目的となる方向の延長線上に配置された第1の連絡手段と、前記被方向調節物及び前記方向調節支援装置の近傍に配置された第2の連絡手段とを備え、前記方向調節支援装置から光を照射し、前記第1の連絡手段からの連絡が入るまで前記被方向調節物の方向を変化させ、前記方向調節支援装置が光を観測可能となった場合に前記第2の連絡手段から方向調節完了の連絡を行うことを要旨とする。
請求項8記載の発明は、上記課題を解決するため、請求項7に記載の方向調節支援システムにおいて、前記被方向調節物に、当該被方向調節物を所定の方向へ調節するために駆動する駆動手段を取り付けたことを要旨とする。
請求項9記載の発明は、上記課題を解決するため、指向性を有し、当該指向性を所定の方向へ調節する必要のある被方向調節物と、前記被方向調節物の指向性と光の照射方向とが平行になるように前記被方向調節物に設置された請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方向調節支援装置と、前記被方向調節物の方向調節の目的となる方向の延長線上に配置された第1の連絡手段と、前記被方向調節物及び前記方向調節支援装置の近傍に配置された第2の連絡手段とを備え、前記方向調節支援装置を目的の方向精度よりも低い方向精度に設定した後に前記方向調節支援装置から光を照射し、前記第1の連絡手段からの連絡が入るまで前記被方向調節物の方向を変化させ、前記方向調節支援装置が光を観測可能となった場合に前記第2の連絡手段から連絡し、前記方向調節支援装置の精度を目的の精度に近づけ、前記第1の連絡手段からの連絡が入るまで前記被方向調節物の方向を変化させ、前記方向調節支援装置が光を観測可能となった場合に前記第1の連絡手段から連絡し、前記方向調節支援装置の精度が目的の精度になるまで繰り返し、目的の精度で前記方向調節支援装置からの光を観測することを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、所定の長さ及び形状からなる筒体と、筒体の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部を有する光源とを備え、光照射部から照射された光が筒体内を通過し、筒体の他端から外部に放射されるようにしたので、方向調節支援装置の部品点数を削減し、構造を簡素化するとともに、設置の際の重量的負担を軽減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、筒体が所定の範囲内で長さを変更可能としたことにより、光を観測可能な領域を可変にすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、筒体における一端面の径の大きさと光照射部の大きさの少なくとも一方が所定の範囲内で変化可能としたことにより、光を観測可能な領域を可変とすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、筒体が所定の範囲内で長さが変化可能であり、かつ筒体における一端面の径の大きさと前記光照射部の大きさの少なくとも一方が所定の範囲内で変化可能としたことにより、方向調節の精度を向上させるために光を観測可能な領域を極端に狭くする場合に有効となる。
請求項5に記載の発明によれば、光源は、色が互いに異なる光を照射可能な複数の光照射部を有するので、観測者は光の有無だけでなく、その光の色を用いて方向調節を行うことが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、光を観測可能な領域を演算し、この演算結果に基づいて筒体の方向精度を表示することにより、観測者は方向調節支援装置の精度を確認しながら、作業を行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、方向調節支援装置から光を照射し、第1の連絡手段からの連絡が入るまで被方向調節物の方向を変化させ、方向調節支援装置が光を観測可能となった場合に第2の連絡手段から方向調節完了の連絡を行うことにより、非常に簡易な構成で正確な方向調節を実現することができる。
請求項8に記載の発明によれば、被方向調節物に、その被方向調節物を所定の方向へ調節するために駆動する駆動手段を取り付けたことにより、被方向調節物の方向調節を容易に行うことができる。
請求項9に記載の発明によれば、方向調節支援装置の精度が目的の精度になるまで段階的に精度を変化させながら方向調節を行うことにより、一段と簡易に正確な方向調節を実現することができる。
本発明によれば、方向調節支援装置から照射される光を観測できることが、直ちに方向調節が達成したことを意味しており、方向調節が達成したことの判定基準が従来技術に比べ単純かつ明確になり、方向調節を行う作業者の負担を軽減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る方向調節支援装置の第1の実施形態を示す構成図、図2は、第1の実施形態の動作原理及び作用を示す説明図である。
なお、本実施形態の方向調節支援装置は、指向性アンテナ等の被方向調節物を所定の方向に向ける際に方向調節を支援する装置である。その他の実施形態の方向調節支援装置も同様である。
図1に示すように、本実施形態の方向調節支援装置1は、所定の長さ及び円筒形状からなり、光を透過せず、かつ反射しない材料から形成された円筒体2と、この円筒体2の一端と接するように配置された光源3とから構成されている。
この光源3には、図2に示すように円筒体2の一端面と同じ大きさ、つまり円筒体2の内径と同一の光照射部4を有し、この光照射部4から照射された光が円筒体2内を通過し、その円筒体2の他端から外部に放射するように構成されている。
次に、図2に基づいて方向調節支援装置1の動作原理及び作用を説明する。図2では各部の寸法及び内部構成を示している。
図2に示すように、光が照射される領域を円筒体2の中心から伸長方向を基準した時、±θの角度で表わせる。この角度θは、円筒体2の長さL及び光照射部4の径Rから算出することができ、
tanθ=R/L (数1)
の関係で求めることができる。この原理により、観測者が本実施形態の方向調節支援装置1を観測した際に、光を観測することができるか否かを調べることにより、観測者が方向調節支援装置1の正面から角度±θ以内に位置するか否かを確認することができる。
このように本実施形態によれば、所定の長さ及び形状からなる円筒体2と、この円筒体2の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部4を有する光源3とを備え、光照射部4から照射された光が円筒体2内を通過し、この円筒体2の他端から外部に放射されるように構成したので、観測者が観測した際に、光を観測することができるか否かを調べることにより、観測者が方向調節支援装置1の正面から角度±θ以内に位置するか否かを確認することができるため、方向調節支援装置1の部品点数を削減し、構造を簡素化するとともに、設置の際の重量的負担を軽減することができる。
なお、本実施形態においては、説明を簡便にするため円筒体としたが、例えば、図3に示す第1変形例のように外形が直方体の角筒体とした場合や、図4に示す第2変形例のように外形を円錐台とした拡径筒体の場合等でもそれぞれ筒状であって、光が透過せず、反射しないものであれば、如何なる形状であってもよい。
本実施形態によれば、方向調節支援装置から照射される光を観測できることが、直ちに方向調節が達成したことを意味している。すなわち、「方向調節の成功=光の観測 有」、「方向調節の不成功=光の観測 無」という関係が原理的に成り立ち、かつ曖昧な状態が存在しないので、方向調節が達成したことの判定基準が従来技術に比べ単純かつ明確になり、方向調節を行う作業者の負担を軽減することができる。例えば光の有無を判定する判定部を光センサのみで構成することが可能になる。
これに対して、望遠鏡を例にとると、「方向調節の成功=望遠鏡の視野の中心に相手の基地局が存在」となり、また、上述した非特許文献1を例にとると、「 方向調節の成功=到来方向が所定の値以内」となる。非特許文献1の場合、数値が出力されるため、比較的判定が容易になるが、望遠鏡の場合、数値などが存在しないため、判定が困難になる。どちらの場合と比較しても、光の有無で判定できる本発明の判定基準の方が単純かつ明確である。
(第1の変形例)
図3(a)は、本発明に係る方向調節支援装置の第1の実施形態における第1の変形例を示す構成図、図3(b)は、第1の変形例の動作原理を上方から見た状態を示す説明図、図3(c)は、第1の変形例の動作原理を横方向から見た状態を示す説明図である。
図3(a)に示すように、第1の変形例の方向調節支援装置5は、長さL、幅W、高さHの角筒形状からなる角筒体6を有している。この角筒体6は、光を透過せず、かつ反射しない材料から形成され、この角筒体6の一端には、光源7が接するように配置されている。この光源7には、角筒体6の一端面と同じ大きさの図示しない光照射部を有し、この光照射部から照射された光が角筒体6内を通過し、その角筒体6の他端から外部に放射するように構成されている。
ここで、第1の変形例の場合は、前記第1の実施形態と光を観測可能な領域の計算方法が異なり、図3(b),(c)に示すように外形を直方体した構造にすると、角度θ1,θで定義される領域となる。ここで、角度θ1,θは、
tanθ=W/L (数2)
tanθ=H/L (数3)
の関係で求められる。
したがって、第1の変形例によれば、前記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第2の変形例)
図4(a)は、本発明に係る方向調節支援装置の第1の実施形態における第2の変形例を示す構成図、図4(b)は、第2の変形例の動作原理を示す説明図である。
図4(a),(b)に示すように、第2の変形例の方向調節支援装置8は、拡径部9aの径をR、拡径筒体9の中心から伸長方向を基準した時の角度θの延長線と水平線との交点から拡径部9aまでの長さをLとして徐々に径が拡大するように外形を円錐台とした拡径筒体9を有している。この拡径筒体9は、光を透過せず、かつ反射しない材料から形成され、この拡径筒体9の一端には、光源10が接するように配置されている。この光源10には、拡径筒体9の一端面と同じ大きさの図示しない光照射部を有し、この光照射部から照射された光が拡径筒体9内を通過し、その拡径筒体9の他端から外部に放射するように構成されている。
ここで、角度θは、
tanθ=R/L (数4)
で求められる。
なお、上述した第1の実施形態及び各変形例では、光照射部の大きさと筒の径とを同じ大きさとしたが、これに限らず大きさが異なっていてもよい。また、上記のように各寸法を知ることができれば、如何なる形状であっても、光を観測可能な領域を求めることができるため、本発明に適用することができる。さらに、筒体の材質は非透過、非反射が好ましいが、透過係数及び反射率が十分に小さく、光の有無の判断に支障が無ければ、筒の材料として用いることができる。
さらに、光が観測される領域について、上記第1の実施形態及び各変形例では、幾何学的に計算した。ここで、光には回折現象があるため、上記第1の実施形態及び各変形例で計算した領域よりも実際には僅かに領域が広がることが想定される。しかし、回折現象も光の波長等から予測可能であるため、筒体の設計の際に考慮しておけばよい。
したがって、第2の変形例によれば、前記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
[第2の実施形態]
図5は、本発明に係る方向調節支援装置の第2の実施形態を示す構成図、図6は、第2の実施形態の作用を示す説明図である。
図5に示すように、本実施形態の方向調節支援装置11は、所定の範囲内で伸縮可能としたテレスコピック状に形成され、光を透過せず、かつ反射しない材料からなる筒体12と、この筒体12の一端と接するように配置された光源13とから構成されている。この光源13には、筒体12の一端面と同じ大きさの図示しない光照射部を有し、この光照射部から照射された光が筒体12内を通過し、その筒体12の他端から外部に放射するように構成されている。
ここで、筒体12は、上記のようにテレスコピック状に形成されている。すなわち、長さが変更可能な筒体12は、例えば、径が互いに僅かに異なる複数の円筒体を用いることで実現することができる。このようなテレスコピック機構は、伸縮によって焦点距離を変更する望遠鏡などに用いられており、複数の円筒体が互いに完全に重なった場合が最も短くなり、互いの重なりが小さい場合に最も長さが伸びる。
次に、図6に基づいて方向調節支援装置11の筒体12の長さを変更することによる作用を説明する。具体的に、図6は、筒体12の長さがLからLへ変わった場合、光を観測可能な領域がどのように変化するかを示す図である。
ここで、長さL<Lとする。前記第1の実施形態で説明したように筒体12の長さLとその径Rを用いて、光を観測可能な領域を示す角度θを求めることができる。
tanθ=R/L (数5)
この式は、係Rが一定の場合、長さLがLからL大きくなるにつれて、角度θが小さくなることを示している。この効果は、図6からも明らかである。
よって、本実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果に加え、筒体12の長さを可変としたことは、光を観測可能な領域を可変としたことと等価で考えることができる。
なお、本実施形態で説明した筒体12の長さの変更機構は、あくまでも一例であり、例えば、蛇腹のような機構を用いてよく、要するに筒体12は所定の範囲内で長さが変更可能であればよい。その他の作用及び効果は、前記第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
[第3の実施形態]
図7は、本発明に係る方向調節支援装置の第3の実施形態を示す説明図、図8は、第3の実施形態の作用を示す説明図である。前記第1の実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を用いて説明する。その他の実施形態も同様である。
図7では、光照射部4と円筒体2の径との少なくても一方の大きさが可変である端面を示している。本実施形態では、光照射部4と接する円筒体2における端面2aの径Rの大きさが可変である点が特徴である。この径Rの大きさが変更可能な端面2aは、例えば、カメラ等で光景を調節する絞り機構で実現することができる。
次に、図8に基づいて径の大きさを変更することによる作用を説明する。
前記第1の実施形態で説明したように、円筒体2の長さLとその径Rを用いて、光を観測可能な領域を示す角度θを求めることができる。
例えば、Routを光照射部4と接していない他方の端面の径とした場合、Rout>Rの時、
tanθ=(Rout+R)/2L (数6)
out≦Rの時
tanθ=(R−Rout)/L (数7)
これらの式は、長さL及び光照射部4と接していない他方の端面の径Routが一定の場合、径Rが小さくなるにつれて角度θが小さくなることを示している。したがって、円筒体2の径の大きさを可変としたことは、光を観測可能な領域を可変としたことと等価と考えることができる。このように光を観測可能な領域を可変としたことによる作用及び効果は前記第2の実施形態と同様である。
なお、本実施形態の説明では、光照射部4と接する径Rのみが変化する例について説明したが、前記Routで示す他方の径の大きさを変化させてもよい。例えば、径Rと径Routとが常に同じ大きさで変化するような機構を用いた場合には、
tanθ=R/L (R=Rout) (数8)
で角度θを求めることができる。この式もまた径Rが小さくなることにより、角度θが小さくなることを表しており、円筒体2における端面2aの径Rの大きさを可変としたことは、光を観測可能な領域を可変としたことと等価と考えることができる。
また、本実施形態で説明した円筒体2における径Rの大きさの変更機構は、あくまでも一例であり、例えば、ゴムのように、伸縮自在の物質を利用した機構を用いてもよく、上記変更機構は如何なるものであってもよい。
さらに、本実施形態では、光照射部4と接する円筒体2における端面2aの径Rの大きさを可変したが、光照射部4の径の大きさを可変としてもよく、これらの少なくとも一方の大きさを所定の範囲内で変化可能とすればよい。その他の作用及び効果は、前記第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、図示しないが前記第2の実施形態のように筒体12の長さが可変となる機構を有し、かつ前記第3の実施形態のように光照射部4に接する端面2aの径の大きさが可変である。
本実施形態は、例えば前記第2の実施形態の機構と前記第3の実施形態の機構とを両方を備えた筒体で実現することができ、方向調節の精度向上のために角度θを極端に小さく変化させるときを考えると、これを筒体12の長さの変更のみで実現すると、長さLが非常に大きくなり、装置を設置する際の負荷が大となる。
また、端面2aの径の大きさの変更のみで実現すると、光照射部4が非常に小さくなり、有意な量の光を照射しない可能性が生ずる。このような場合は筒体12の長さと端面2aの径の大きさとの双方を同時に変更すればよい。
本実施形態は、例えば、ゴムなどの伸縮可能な素材を筒体に用いることでも可能である。ゴムから成形された筒体は、長さ方向のみに力を加えれば、長さLが大きくなり、それに伴い端面2aの径Rも小さくなる。
このような変化は、本発明に係る方向調節支援装置の筒体に求められる機能と合致している。このように筒体12の長さ及び端面2aの径Rを変化させる機構は、如何なるものであってもよい。
なお、本実施形態では、光照射部4と接する筒体12における端面2aの径Rの大きさを可変したが、光照射部4の径の大きさを可変としてもよく、これらの少なくとも一方の大きさを所定の範囲内で変化可能とすればよい。
このように本実施形態によれば、筒体12が所定の範囲内で長さが変化可能であり、かつ筒体2における一端面2aの径Rの大きさと光照射部4の大きさの少なくとも一方が所定の範囲内で変化可能としたことにより、方向調節の精度を向上させるため、光を観測可能な領域を極端に狭くする場合に有効となる。その他の構成及び作用は、前記第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
[第5の実施形態]
図9は、本発明に係る方向調節支援装置の第5の実施形態における光源を示す構成図、図10は、図9の光源における光照射部の作用を示す説明図である。
本実施形態では、図9に示すように前記第1、第2、第3及び第4の実施形態のいずれか一項に記載の方向調節支援装置において、光源15は、照射する光の色が互いに異なる複数の光照射部16を用いている。
以下、図9及び図10を基づいて本実施形態の作用及び効果を説明する。
図9は、本実施形態において色の異なる複数の光源15として、赤色、青色、緑色の3つの色からなる光照射部16を示している。
図10は、光照射部16を用いた際の光を観測可能な領域及びその色を示している。図10で示すように、赤色、青色、緑色の全てを観測可能な領域では、それらの合成色である白色、緑色だけが遮蔽される領域では紫色、青色だけが遮蔽される領域では黄色を観測することができる。
このように本実施形態によれば、光源15が赤色、青色、緑色の3つの色からなる光照射部16を有することにより、観測者は光の有無だけでなく、その光の色を用いて方向調節を行うことが可能となる。
[第6の実施形態]
図11は、本発明に係る方向調節支援装置の第6の実施形態を示す説明図である。
本実施形態の方向調節支援装置18は、図11に示すように前記第2の実施形態のように筒体19の長さが変更可能に構成され、かつ第3の実施形態のように光源20の光照射部の大きさ及び筒体19における一端面の径の大きさが変更可能に構成されている。
また、本実施形態は、筒体19の長さ、光源20の光照射部の大きさ及び筒体19における一端面の径の大きさに基づいて光を観測可能な領域を演算する演算手段としての演算部21と、この演算部21の演算結果に基づいて筒体19の方向精度を表示する方向精度表示手段としての方向精度表示部22とを備えている。
このように本実施形態によれば、光を観測可能な領域を演算し、この演算結果に基づいて筒体19の方向精度を表示することにより、観測者は方向調節支援装置18の精度を確認しながら、作業を行うことができる。
[第7の実施形態]
図12は、本発明に係る第7の実施形態を示す説明図、図13は、第7の実施形態において方向調節の方法を示す説明図、図14は、第7の実施形態における方向調節の手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態は、方向調節支援システムを構成しており、指向性アンテナを用いた無線通信における方向調節の例を示している。
図12に示すように、被方向調節物としての指向性アンテナ25は、指向性を有し、その指向性を所定の方向へ調節する必要があり、固定台26に設置されている。方向調節支援装置27は、光の照射方向が指向性アンテナ25のメインビーム方向と常に平行となるように固定台26に設置される。そして、指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27には、駆動手段としての共通の駆動部28が取り付けられている。この駆動部28を駆動させることで、指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27を同時に同一方向に回動させることが可能である。なお、方向調節支援装置27は、前記第1〜第6の実施形態におけるそれぞれの方向調節支援装置の構成が適用可能である。
次に、図13に基づいて本実施形態における各部の配置関係を説明する。
図13に示すように、基地局Yは、方向調節を行う必要があり、図12に示す構成のように指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27が設置されている。作業者Aは、方向調節の目的となる方向の延長線上に位置し、第1の連絡手段として携帯電話29aを所持している。また、作業者Bは、指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27の近傍に位置し、第2の連絡手段として携帯電話29bを所持し、基地局Yの向いている方向を変化させる。したがって、携帯電話29aは、指向性アンテナ25の方向調節の目的となる方向の延長線上に配置されることとなり、また、携帯電話29bは、指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27の近傍に配置されることになる。
ここで、指向性アンテナ25は、角度±10°以内で方向調節を行う必要があるとする。方向調節支援装置27は、図2に示す角度θが10°以下になるように筒体の長さL及び光源の光照射部の径Rで構成しておく。本実施形態の方向調節支援装置27では、例えば筒体の長さL=70cm、光照射部の径R=10cmで構成するものとする。このとき、式(1)に各数値を代入すると、角度θは約8.1°となり、角度±10°以下の条件を十分満たすことになる。
次に、図14に基づいて本実施形態の方向調節の手順を説明する。
まず、作業者Aは、ステップS10で方向調節を開始すると、方向調節の目的の場所から基地局Yを観測する(ステップS20)。
一方、ステップS10で方向調節を開始すると、作業者Bは方向調節支援装置27から光を照射させる(ステップS30)。そして、作業者Bは、駆動部28を駆動させ、指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27の向きを少しずつ任意に変更していく(ステップS40)。
他方、作業者Aは、ステップS50で基地局Yが照射する光を観測する。この場合、基地局Yが照射する光を観測したら携帯電話29aによって作業者Bに報告する(ステップS60)。そして、作業者Bは、その旨の報告を作業者Aから携帯電話29bで受けたら基地局Yにおける指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27の向きの移動を停止する(ステップS70)。
上記の手順を行うことにより、作業者Aから基地局Yの方向調節支援装置27が照射する光を観測することができるようになる。すなわち、これは図2で説明した原理により一方の基地局と他方の基地局とが角度±θ以内で対向している状態であり、指向性アンテナの運用条件である角度±10°以下の対向条件を満たすことになる。
このように本実施形態によれば、方向調節支援装置27が筒体及び光源を備えただけという非常に簡易な構成で正確な方向調節を実現することができる。
また、本実施形態によれば、指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27には、共通の駆動部28を取り付けたことにより、指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27の方向調節を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、方向調節の対象として指向性アンテナ25を用いた例について説明したが、アンテナに限る必要はなく、所定の精度で方向を調節する必要があるものであれば如何なるものでもよい。
また、本実施形態では、作業者A、作業者Bとの間の連絡手段として携帯電話を用いたが、連絡手段の役割、作業者Bに合図を送ることであるため、その他の通信用無線機等の通信機であってもよい。
さらに、本実施形態では、作業者Aが基地局Yを目視可能であれば、作業者Aが手を上げる等の視覚的な合図することであってもよく、また作業者Aが声を出す等の聴覚的な合図するようにしてもよい。
そして、本実施形態では、作業者Aと作業者Bとの間の1回の連絡で方向調節を行う例について説明したが、この連絡は1回に限らなくてもよい。例えば、作業者Bが基地局Yの方向を速く駆動している状況では、作業者Aが光を観測してから作業者Bへ連絡を行う際の時間遅延によって、再び光を観測することができなくなる場合が想定される。このような場合には、複数回の連絡のやり取りによって、最終的に作業者Aが光を観測可能な状態にすればよい。
また、本実施形態では、指向性アンテナ25、方向調節支援装置27、及び作業者Aと方向調節の目標との場所を厳密に一致させることが好ましいが、現実には厳密に一致させるのは困難である。しかしながら、例えば基地局と目標点とが1000m離れた状態で方向調節を行う場合、指向性アンテナ25、方向調節支援装置27、及び目標点と作業者Aの観測位置とが1mずれていても、その誤差は、方向調節の角度誤差にして約0.06°程度である。よって、角度±10°以下の方向調節において、角度を約±8.1°で構成した方向調節支援装置を用いれば、上記の方向調節支援装置及び観測位置によって生じる誤差は無視することができる。また、位置の差異が既知である場合は、その差異から生じる角度誤差を考慮した筒体を設計してもよい。
また、本実施形態では、1基の基地局Yの方向調節について説明したが、例えば図15に示すように一対の基地局X,Yを対向させたい場合にも適用することができる。図15は、本発明に係る方向調節支援システムの第1の実施形態における変形例を示す説明図である。このような状況は、例えば一対一の無線通信システム等で想定される。この場合は、基地局X、基地局Yの順番に上記手順を行うことにより方向調節が可能である。
すなわち、図15に示すように基地局Xを方向調節する場合には、作業者Bが上述した作業者Aの役割を、作業者Aが上述した作業者Bの役割を担って方向調節を行い、基地局Yを方向調節する場合は、それらの役割分担を交代すればよい。
次に、本発明に係る方向調節支援システムの第1の実施形態における第3の変形例について説明する。なお、この変形例は、図示しないが、前記方向調節支援システムの第1の実施形態と対応する部分には、同一の符号を用いて説明する。
この第3の変形例では、例えば基地局Xの指向性アンテナ25を方向調節する場合、方向調節支援装置27から光を照射させ、この光を基地局Yに設置した光センサで受光し、この受光強度を計測手段により計測し、その受光強度信号を基地局Xに送信する。基地局Xでは、その受光強度信号に基づいて駆動部28を駆動させ、指向性アンテナ25の向きを所定の方向へ調節する。このように他の変形例によれば、非常に簡易な構成で正確な方向調節を実現することができる。なお、基地局Yの指向性アンテナ25を方向調節する場合には、この手順を逆に行えばよい。
第4の変形例では、方向調節支援装置27に対して、光センサと、方向を調節する対象物及び方向調節支援装置27の方向を同時に同じ方向に回動可能な駆動機構と、通信手段と、これらの制御を行う制御部とを設け、作業者が方向調節支援装置27の方向を変化させる役割を前記駆動機構が行い、目視で光を確認する役割を光センサで行い、作業者AB間の通信を前記通信手段で行い、方向調整の手順及びこれらの動作に関する制御を前記制御部が行うことで、非常に簡易な構成で正確な方向調節を実現することができる。
第5の変形例は、上記第4の変形例の応用例であり、方向調節支援装置27の光源として、色の異なる(周波数が異なる)複数の光源を設け、光の観測時に受信した光の周波数を観測することにより、色の異なる複数の光源を用いた場合でも自動方向調整が可能になる。また、この応用例の変形として、方向調節支援装置27の光源として、白色光を発光する光源と、この光源からの白色光を光のスペクトラムに分光する分光器とを設け、光の観測時に受信した光の周波数を観測することにより自動方向調整が可能になる。
第6の変形例では、駆動機構と姿勢センサと制御部とを設け、方向調整終了時の姿勢を基準にしておき、なんらかの外的要因によって、方向調節支援装置27の方向にズレが生じた場合に、姿勢センサの基準点を参照して制御部で駆動量を計算し、この駆動量を駆動機構に与えて制御することで、方向調節支援装置27のズレを補正する自動方向保持機能が可能になる。
第7の変形例では、駆動機構と加速度センサと制御部とを設け、方向調整終了時の姿勢を基準としておき、何らかの外的要因によって方向調節支援装置27の方向にズレが生じた場合に同時に加速度が生じるので、加速度センサによって検知した加速度の大きさ及びベクトルに基づいて制御部で駆動量を計算し、この駆動量を駆動機構に与えて制御することで、方向調節支援装置27のズレを補正する自動方向保持機能が可能になる。
第8の変形例は、上記第6及び第7の変形例の応用例であり、姿勢センサと、姿勢センサに比べてズレに対する時間応答速度が原理的に速い加速度センサとを両方設けることで、姿勢が変化する過程の加速度を加速度センサで検知し、一方、ゆっくりと方向がずれていくような場合は生じる加速度が小さいため、加速度センサによる加速度の検知が難しいので姿勢センサによる検知が有効であり、両センサを補完的に用いることで、方向保持の精度を向上することができる。
[第8の実施形態]
本実施形態では、第7の実施形態と同様であるため、図12及び図13に基づいて説明する。この方向調節支援システムにおいては、方向調節を行う必要のある基地局Yには、図12に示す第7の実施形態で説明した構成に従って、指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27が設置されている。ここで、指向性アンテナ25は、角度±10°以内で方向調節を行う必要があるとする。
本実施形態では、方向調節支援装置27は2種類の方向精度に設定する。すなわち、第1の精度は、目標精度である角度10°以下になるように設定しておく。本実施形態では、例えば筒体の長さLmax=70cm、光照射部の径R=10cmで構成するものとする。このとき、角度θは約8.1°となり、角度±10°以下の条件を十分満たすことになる。
また、第2の精度2には、目標とする精度よりも低い精度を設定する、例えば筒体の長さLmin=30cmであるとする。このとき、角度θは約18°である。
次に、図16に基づいて本実施形態の方向調節の手順を説明する。
まず、作業者Aは、ステップS110で方向調節を開始すると、方向調節の目的の場所から基地局Yを観測する(ステップS120)。
一方、ステップS110で方向調節を開始すると、ステップS130で作業者Bは方向調節支援装置27から光を照射させ、方向調節支援装置27の精度を第2の精度に設定する(ステップS140)。そして、駆動部28を駆動させ、指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27の向きを少しずつ任意に変更していく(ステップS150)。
他方、作業者Aは、ステップS160で基地局Yが照射する光を観測する。この場合、基地局Yが照射する光を観測したら携帯電話29aによって作業者Bに報告する(ステップS170)。そして、作業者Bは、その旨の報告を作業者Aから携帯電話29bで受けたら基地局Yにおける指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27の向きの移動を停止する(ステップS180)。
この場合の作業において、作業者Aが方向調節支援装置27からの光を観測することができるようにするのは、目標精度である第1の精度の設定で作業を行うよりも容易である。何故ならば、第2の精度は、第1の精度に比べて約2倍程度角度θが大きいからである。
次に、作業者Bは作業者Aから報告を携帯電話29bで受けたら方向調節支援装置27の精度を第1の精度に変更する(ステップS190)。このときの精度の変更によって、作業者Aは、ステップS200で光が消失しない場合(ステップS200;NO)には、後述するように携帯電話29aによって作業者Bに報告する(ステップS240)。そして、作業者Bは、その旨の報告を作業者Aから携帯電話29bで受けたら基地局Yにおける指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27の向きの移動を停止する(ステップS250)。つまり、方向調節を終了する。
また、ステップS200で光が消失した場合(ステップS200;YES)には、作業者Bは再び駆動部28を駆動させ、指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27の向きをすこしずつ任意に変更していく(ステップS210)。
同時に、ステップS200で光が消失した場合(ステップS200;YES)には、ステップS220で作業者Aは基地局Yが照射する光の観測を継続する。次いで、ステップS230で方向調節支援装置27が照射する光を観測したら携帯電話29aによって作業者Bに報告する(ステップS240)。そして、作業者Bは、その旨の報告を作業者Aから携帯電話29bで受けたら基地局Yにおける指向性アンテナ25及び方向調節支援装置27の向きの移動を停止する(ステップS250)。つまり、方向調節を終了する。
上記手順を行うことにより、目標精度である第1の精度の設定において、作業者Aから基地局Yの方向調節支援装置27が照射する光を観測することができるようになる。すなわち、これは図2で説明した原理により一方の基地局と他方の基地局とが角度±θ以内で対向している状態であり、指向性アンテナの運用条件である角度±10°以下の対向条件を満たすことになる。
また、図15に示すように一対の基地局X,Yを設置し、これらの基地局X,Yを対向させたい場合でも、同様に図2で説明した原理により基地局X,Yが角度±θ以内で対向している状態であり、指向性アンテナ25の運用条件である角度±10°以下の対向条件を満たすことになる。
このように本実施形態によれば、段階的に精度を変化させながら方向調節を行うことにより、一段と簡易に正確な方向調節を実現することができる。
なお、本実施形態では、精度の設定を2種類としたが、より多くの精度を設定し、さらに多段階で方向調節を行ってもよい。このように多くの精度を設定することにより、極めて正確な方向調節を実現することができる。
本発明に係る方向調節支援装置の第1の実施形態を示す構成図である。 第1の実施形態の動作原理及び作用を示す説明図である。 (a)は本発明に係る方向調節支援装置の第1の実施形態における第1の変形例を示す構成図、(b)は第1の変形例の動作原理を上方から見た状態を示す説明図、(c)は第1の変形例の動作原理を横方向から見た状態を示す説明図である。 (a)は本発明に係る方向調節支援装置の第1の実施形態における第2の変形例を示す構成図、(b)は第2の変形例の動作原理を示す説明図である。 本発明に係る方向調節支援装置の第2の実施形態を示す構成図である。 第2の実施形態の作用を示す説明図である。 本発明に係る方向調節支援装置の第3の実施形態を示す説明図である。 第3の実施形態の作用を示す説明図である。 本発明に係る方向調節支援装置の第5の実施形態における光源を示す構成図である。 図9の光源における光照射部の作用を示す説明図である。 本発明に係る方向調節支援装置の第6の実施形態を示す説明図である。 本発明に係る方向調節支援システムの第1の実施形態を示す説明図である。 方向調節支援システムの第1の実施形態における各部の配置関係を示す説明図である。 方向調節支援システムの第1の実施形態における方向調節の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る方向調節支援システムの第1の実施形態における変形例を示す説明図である。 方向調節支援システムの第2の実施形態における方向調節の手順を示すフローチャートである。 従来の方向調節方法を示す説明図である。 図17において望遠鏡を覗いた状態を説明図である。 非特許文献1の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 方向調節支援装置
2 円筒体(筒体)
3 光源
4 光照射部
5 方向調節支援装置
6 角筒体
7 光源
8 方向調節支援装置
9 拡径筒体
10 光源
25 指向性アンテナ(被方向調節物)
26 固定台
27 方向調節支援装置
28 駆動部(駆動手段)
29a 携帯電話(第1の連絡手段)
29b 携帯電話(第2の連絡手段)

Claims (9)

  1. 被方向調節物を所定の方向に向ける際に方向調節を支援する方向調節支援装置であって、
    所定の長さ及び形状からなる筒体と、
    前記筒体の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部を有する光源とを備え、
    前記光照射部から照射された光が前記筒体内を通過し、前記筒体の他端から外部に放射されることを特徴とする方向調節支援装置。
  2. 被方向調節物を所定の方向に向ける際に方向調節を支援する方向調節支援装置であって、
    所定の範囲内で長さが変更可能な筒体と、
    前記筒体の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部を有する光源とを備え、
    前記光照射部から照射された光が前記筒体内を通過し、前記筒体の他端から外部に放射されることを特徴とする方向調節支援装置。
  3. 被方向調節物を所定の方向に向ける際に方向調節を支援する方向調節支援装置であって、
    所定の長さ及び形状からなる筒体と、
    前記筒体の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部を有する光源とを備え、
    前記筒体における一端面の径の大きさと前記光照射部の大きさの少なくとも一方が所定の範囲内で変化可能であり、
    前記光照射部から照射された光が前記筒体内を通過し、前記筒体の他端から外部に放射されることを特徴とする方向調節支援装置。
  4. 被方向調節物を所定の方向に向ける際に方向調節を支援する方向調節支援装置であって、
    所定の長さ及び形状からなる筒体と、
    前記筒体の一端に接するように配置され、かつ光を照射可能な光照射部を有する光源とを備え、
    前記筒体が所定の範囲内で長さが変化可能であり、かつ前記筒体における一端面の径の大きさと前記光照射部の大きさの少なくとも一方が所定の範囲内で変化可能であり、
    前記光照射部から照射された光が前記筒体内を通過し、前記筒体の他端から外部に放射されることを特徴とする方向調節支援装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の方向調節支援装置において、
    前記光源は、色が互いに異なる光を照射可能な複数の光照射部を有することを特徴とする方向調節支援装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の方向調節支援装置において、
    前記筒体の長さ、前記光照射部の大きさ及び前記筒体における一端面の径の大きさに基づいて光を観測可能な領域を演算する演算手段と、
    前記演算手段の演算結果に基づいて前記筒体の方向精度を表示する方向精度表示手段と、を備えることを特徴とする方向調節支援装置。
  7. 指向性を有し、当該指向性を所定の方向へ調節する必要のある被方向調節物と、
    前記被方向調節物の指向性と光の照射方向とが平行になるように前記被方向調節物に設置された請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方向調節支援装置と、
    前記被方向調節物の方向調節の目的となる方向の延長線上に配置された第1の連絡手段と、
    前記被方向調節物及び前記方向調節支援装置の近傍に配置された第2の連絡手段とを備え、
    前記方向調節支援装置から光を照射し、前記第1の連絡手段からの連絡が入るまで前記被方向調節物の方向を変化させ、
    前記方向調節支援装置が光を観測可能となった場合に前記第2の連絡手段から方向調節完了の連絡を行うことを特徴とする方向調節支援システム。
  8. 請求項7に記載の方向調節支援システムにおいて、
    前記被方向調節物に、当該被方向調節物を所定の方向へ調節するために駆動する駆動手段を取り付けたことを特徴とする方向調節支援システム。
  9. 指向性を有し、当該指向性を所定の方向へ調節する必要のある被方向調節物と、
    前記被方向調節物の指向性と光の照射方向とが平行になるように前記被方向調節物に設置された請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方向調節支援装置と、
    前記被方向調節物の方向調節の目的となる方向の延長線上に配置された第1の連絡手段と、
    前記被方向調節物及び前記方向調節支援装置の近傍に配置された第2の連絡手段とを備え、
    前記方向調節支援装置を目的の方向精度よりも低い方向精度に設定した後に前記方向調節支援装置から光を照射し、前記第1の連絡手段からの連絡が入るまで前記被方向調節物の方向を変化させ、
    前記方向調節支援装置が光を観測可能となった場合に前記第2の連絡手段から連絡し、
    前記方向調節支援装置の精度を目的の精度に近づけ、前記第1の連絡手段からの連絡が入るまで前記被方向調節物の方向を変化させ、
    前記方向調節支援装置が光を観測可能となった場合に前記第1の連絡手段から連絡し、
    前記方向調節支援装置の精度が目的の精度になるまで繰り返し、目的の精度で前記方向調節支援装置からの光を観測することを特徴とする方向調節支援システム。
JP2005331504A 2005-11-16 2005-11-16 方向調節支援装置 Expired - Fee Related JP4568676B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005331504A JP4568676B2 (ja) 2005-11-16 2005-11-16 方向調節支援装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005331504A JP4568676B2 (ja) 2005-11-16 2005-11-16 方向調節支援装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007142632A true JP2007142632A (ja) 2007-06-07
JP4568676B2 JP4568676B2 (ja) 2010-10-27

Family

ID=38204999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005331504A Expired - Fee Related JP4568676B2 (ja) 2005-11-16 2005-11-16 方向調節支援装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4568676B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62179676A (ja) * 1986-02-03 1987-08-06 Komatsu Ltd 車両の三次元位置計測方式
JPS62226073A (ja) * 1986-03-28 1987-10-05 Komatsu Ltd 車両の三次元位置計測方法
JPH06164512A (ja) * 1992-11-26 1994-06-10 Tohoku Electric Power Co Inc 光空間通信装置用照準装置
JP2001333019A (ja) * 2000-05-23 2001-11-30 Canon Inc 光空間通信装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62179676A (ja) * 1986-02-03 1987-08-06 Komatsu Ltd 車両の三次元位置計測方式
JPS62226073A (ja) * 1986-03-28 1987-10-05 Komatsu Ltd 車両の三次元位置計測方法
JPH06164512A (ja) * 1992-11-26 1994-06-10 Tohoku Electric Power Co Inc 光空間通信装置用照準装置
JP2001333019A (ja) * 2000-05-23 2001-11-30 Canon Inc 光空間通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4568676B2 (ja) 2010-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101553710B1 (ko) 무인항공기 추적 안테나, 이를 이용하는 통신 장치 및 방법
EP2742542B1 (en) Systems and methods of antenna orientation in a point-to-point wireless network
JP4854699B2 (ja) 無線通信端末、無線測位システム、照明システム、空調システム、及び駐車場管理システム
CN103823203B (zh) 基于接收器方向的室内可见光三维定位系统及方法
EP2158639B1 (en) System and method for remote antenna positioning data acquisition
CA2976401A1 (en) Signal booster for a controllable antenna system
CN103281711B (zh) 一种短距离无线宽带通信方法和系统
US9312597B2 (en) Signal tracking and antenna positioning system
US20170272140A1 (en) Autonomous antenna aligning system and method
TWI656758B (zh) 適用飛行器的通訊終端裝置及其行動通訊方法
JP5042337B2 (ja) 携帯端末、及び携帯端末を用いた方位情報提供方法
WO2003007420A8 (en) System and method for automatic determination of azimuthal and elevation direction of directional antennas and calibration thereof
JP2018113565A5 (ja)
JP6425139B2 (ja) 基地局装置および制御方法
Chaudhary et al. Feasibility Study of Reverse Trilateration Strategy with a Single Tx for VLP
KR100580278B1 (ko) 이동체의 위치 및 방향 추정을 위한 초음파 센서 시스템
JP4568676B2 (ja) 方向調節支援装置
JP2019004376A (ja) 通信システムおよび通信方法
US10020874B2 (en) Antenna device, communication device and communication system
JP2012220318A (ja) アンテナ方向調整システム
JP2011085524A (ja) 位置検出システム
RU2676275C1 (ru) Система связи с непеленгуемыми подвижными объектами
JP7448036B2 (ja) 無線通信方法、無線通信システム、及び中継装置
KR20110072319A (ko) 위성 탐색 기능을 갖는 안테나 제어장치 및 이를 이용한 위성 탐색 방법
KR101038846B1 (ko) 안테나 설치 보조 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100223

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees