JP2007141786A - プラズマジェット点火プラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】消費エネルギーを抑えたまま着火性を向上させることができるプラズマジェット点火プラグを提供する。
【解決手段】接地電極30と中心電極20との間で火花放電を行い、キャビティ60内で形成したプラズマを、開口部61よりフレーム状に噴出させる。また、同様にキャビティ70内で形成した火種を開口部71から噴出させるが、その噴出方向が、開口部71、保護部材35の貫通孔36および絶縁碍子10の先端中央部12の位置関係により、軸線Oに近づくように指向されている。これにより、キャビティ60からのプラズマやそのプラズマにより着火した燃焼ガスが、キャビティ70からの火種により押し出されるので、消炎作用を奏する燃焼室の壁面やプラズマジェット点火プラグ本体より離れた位置にて混合気が燃え広がることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマを形成して混合気への点火を行う内燃機関用のプラズマジェット点火プラグに関するものである。
従来、例えば自動車のエンジン等、内燃機関の点火プラグには、火花放電により混合気への着火を行うスパークプラグが使用されている。近年、エンジンの高出力化や低燃費化が求められており、燃焼の広がりが速く、空燃比(A/F)のより高い希薄混合気に対しても確実に着火できる着火性の高い点火プラグとして、プラズマジェット点火プラグが知られている。
このようなプラズマジェット点火プラグは、中心電極と接地電極との間の火花放電間隙の周囲をセラミックス等の絶縁材で包囲して、キャビティと称する小さな容積の放電空間を形成した構造を有している。そして、中心電極と接地電極との間に高電圧を印加して火花放電を行い、このときに生じた絶縁破壊によって比較的低電圧で電流を流すことができるようになるため、さらにエネルギーを供給することで放電状態を遷移させ、これによりキャビティ内で形成されるプラズマを開口部(噴出孔)から噴出させて、混合気への着火を行うものである(例えば特許文献1参照。)。
例えば、プラズマの幾何学的な形状のひとつとして、開口部より火柱状に吹き出す形態のものがある(以下、このようなプラズマの形態を、「フレーム状」という。)。このフレーム状のプラズマは噴出方向に伸びるため、混合気との接触面積が大きく着火性が高いという特徴を持つ。このようなフレーム状のプラズマを形成するプラズマジェット点火プラグの着火性をより向上するには、火花放電間隙に供給するエネルギーの量を増やし、より大きなフレーム状のプラズマを形成させるとよい。このようにすれば消炎作用を奏する燃焼室内の壁から、より離れた位置での着火が可能となるため、燃焼の燃え広がりが速くなり着火性が向上する。
特開昭57−15377号公報
しかしながら、火花放電間隙に供給するエネルギーの量を増やすと、そのエネルギー源であるバッテリー等のエネルギー消費を速めることとなり、バッテリーに充電するのにより多くのエネルギーが必要となるため、機関全体としてのエネルギー効率がかえって低下する虞があった。また、プラズマのエネルギーを高めるほどキャビティ内は高温となり、中心電極や接地電極の消耗を速め、耐久性が低下する虞があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、消費エネルギーを抑えたまま着火性を向上させることができるプラズマジェット点火プラグを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のプラズマジェット点火プラグは、中心電極と、軸線方向に延びる軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔内に収容すると共に当該中心電極を保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持する主体金具と、前記主体金具に電気的に接続され、前記中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極と、前記絶縁碍子の先端部にて、前記火花放電間隙における火花放電の経路が第1開口部を通過し、その第1開口部によって凹部形成され、火花放電の際にその内部において形成されるプラズマが軸線方向に伸びるフレーム状に噴出される第1キャビティと、前記絶縁碍子の先端部にて、前記火花放電間隙における火花放電の経路が前記第1開口部とは異なる第2開口部を通過し、その第2開口部によって凹部形成され、火前記花放電の際にその内部において形成される火種が噴出される第2キャビティとを備えている。
また、請求項2に係る発明のプラズマジェット点火プラグは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記第2キャビティ内で形成され前記第2開口部より噴出される火種の噴出方向が、前記第1キャビティの前記第1開口部よりフレーム状に噴出されるプラズマの噴出方向に対し、指向性を有することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のプラズマジェット点火プラグは、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記第1キャビティの前記第1開口部は、前記絶縁碍子の先端面に前記軸孔によって形成された開口部であって、前記第1キャビティは、前記第1開口部から連続する前記軸孔の内周面と、前記中心電極の先端面とを自身の境界として有する凹部状に形成され、前記第2キャビティの前記第2開口部は、前記第1キャビティの径方向周囲に形成された前記第2キャビティの開口部として構成されていることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のプラズマジェット点火プラグは、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記第2キャビティは、前記第1キャビティを取り巻く円環状の凹部として形成されていることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のプラズマジェット点火プラグは、請求項4に記載の発明の構成に加え、中央に貫通孔が形成され、前記主体金具の先端側から前記接地電極を覆って保護する絶縁性の保護部材を備え、前記保護部材の前記貫通孔の内径は、前記第1開口部の内径よりも大きいことを特徴とする。
請求項1に係る発明のプラズマジェット点火プラグでは、第1キャビティから噴出されるプラズマがフレーム状であるため、混合気との接触面積を大きくすることができ、着火性を向上させることができる。これに加え、第2キャビティからも火種を噴出させることで混合気への着火機会を増やすことができるので、プラズマに供給するエネルギーを増加させ従来より大きなフレーム状のプラズマを形成しなくとも、着火性をさらに向上させることができる。
また、請求項2に係る発明のプラズマジェット点火プラグでは、第2キャビティから噴出される火種が第1キャビティからフレーム状に噴出されるプラズマに対する指向性を有しているので、第2キャビティの火種を第1キャビティのプラズマに衝突させることができる。すると第1キャビティのプラズマやそのプラズマによって着火した混合気からなる燃焼ガスは火種の噴出方向に押し出され、消炎作用を奏する燃焼室の壁面やプラズマジェット点火プラグ本体から、より離れた位置に到達することができる。これにより、燃え広がる混合気が消炎されにくく、着火性を向上させることができる。また、燃焼室の中央により近い位置にて着火することができることとなり、着火した混合気が燃え広がる際には、周囲に障害物や消炎作用を奏するものがないため燃焼が妨げられず、混合気が燃焼室内全体に燃え広がる速度が速まり、より高い着火性を得ることができる。さらに、第1キャビティから噴出されるプラズマがフレーム状であるため、混合気との接触面積が大きく、着火限界を高めることができる。
また、請求項3に係る発明のプラズマジェット点火プラグでは、絶縁碍子の軸孔を利用して第1キャビティを形成したことで、絶縁碍子の構造や火花放電間隙における放電経路を簡易な構成とすることができる。また、第2キャビティより噴出される火種としては、第2キャビティ内で膨張により圧力の増加した燃焼ガスが噴出されてもよいし、高エネルギーにより生じたプラズマが噴出されてもよい。あるいはその双方が噴出されてもよい。この火種を第2開口部から噴出させることで、火種は、消炎作用を奏する燃焼室の壁面やプラズマジェット点火プラグから離れた位置で混合気に着火することが可能となる。このような火種を第1キャビティからのフレーム状のプラズマと併用して噴出させれば、混合気との接触面積の大きいフレーム状のプラズマにより着火限界を高めることができると共に、そのプラズマやプラズマによって着火した燃焼ガスを燃焼室の中央により近い位置に向けて押し出すことができる。そして、燃焼室の中央により近い位置で着火した混合気が燃え広がる際には、周囲に障害物や消炎作用を奏するものがないため燃焼が妨げられず、混合気が燃焼室内全体に燃え広がる速度が速まり、より高い着火性を得ることができる。
また、請求項4に係る発明のプラズマジェット点火プラグでは、第1キャビティを取り巻く円環状の凹部として第2キャビティを形成することで、第2キャビティの構成を簡易にすることができ、プラズマジェット点火プラグの製造過程における手間を軽減することができる。また、軸線を中心とする筒状体に形成される絶縁碍子がこのような第1キャビティおよび第2キャビティの構造を有しても、容易に製造することができる。
また、請求項5に係る発明のプラズマジェット点火プラグでは、保護部材により接地電極の露出を減らすことで、燃焼室内において、燃焼ガスや混合気が直接、接地電極に接触する機会を減らすことができ、これにより、冷熱サイクルの影響が低減されて、接地電極を消耗から保護することができる。また、第2キャビティから噴出される火種の噴出方向の調整を、保護部材の貫通孔の大きさを調整することにより行うことができる。つまり、第2キャビティから噴出される火種に第1キャビティから噴出されるプラズマに向けた指向性を持たせ、第1キャビティからのプラズマやそのプラズマにより着火した燃焼ガスを押し出すための構成を容易に得ることができる。
なお、軸線O方向において、第1開口部が第2開口部よりも前方に配置されていれば、第1開口部の周壁と保護部材の貫通孔との間を通路として、第2キャビティから噴出される火種を案内すれば、簡易な構成で火種の噴出方向に指向性を持たせることができる。
以下、本発明を具体化したプラズマジェット点火プラグの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1,図2を参照して、本発明にかかるプラズマジェット点火プラグの一例として、プラズマジェット点火プラグ100の構造について説明する。図1は、プラズマジェット点火プラグ100の部分断面図である。図2は、プラズマジェット点火プラグ100の先端部分を拡大した断面図である。なお、図1において、プラズマジェット点火プラグ100の軸線O方向を図面における上下方向とし、下側をプラズマジェット点火プラグ100の先端側もしくは前方、上側を後端側もしくは後方として説明する。
図1に示すように、プラズマジェット点火プラグ100は、概略、絶縁碍子10と、この絶縁碍子10を保持する主体金具50と、絶縁碍子10内に軸線O方向に保持された中心電極20と、主体金具50の先端部59に設けられた接地電極30と、その接地電極30の先端側に配設された保護部材35と、絶縁碍子10の後端部に設けられた端子金具40とから構成されている。
絶縁碍子10は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成され、軸線O方向に軸孔90を有する筒状の絶縁部材である。軸線O方向の略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されており、これより後端側には後端側胴部18が形成されている。また、鍔部19より先端側には後端側胴部18より外径が小さな先端側胴部17と、その先端側胴部17よりも先端側で先端側胴部17よりもさらに外径の小さな脚長部13とが形成されている。この脚長部13と先端側胴部17との間は段状に形成されている。
図2に示すように、絶縁碍子10の先端部11には、その先端に先端中央部12と先端周縁部15とが軸線Oを中心とする二重環状をなすように形成されている。脚長部13の内周は軸孔90に連なり、軸孔90よりも小径の電極収容孔91として形成されている。さらに、先端中央部12の内周は、電極収容孔91よりも小径の先端小径孔93として形成されている。そして、電極収容孔91内に中心電極20が保持され、その先端部21の先端面26(後述するが、より具体的には、中心電極20と一体となった電極チップ25の先端面26)の周縁が、径の異なる電極収容孔91と先端小径孔93との間の段部92に当接された状態となっている。これにより、先端中央部12内には、中心電極20の先端面26と先端小径孔93とで有底筒状のキャビティ60が構成されている。キャビティ60は、自身の開口部61から噴出させるプラズマを形成するため小空間であり、開口部61は先端周縁部15よりも軸線O方向前方に突出した位置にある。なお、キャビティ60は、その内径よりも深さ(軸線O方向の長さ)の方が長くなるように構成されている。
また、絶縁碍子10の先端部11には、先端中央部12と先端周縁部15の間に、軸線Oを中心とする円環状のキャビティ70が溝状に形成されている。また、後述する円環状の接地電極30が、キャビティ70の一部を覆うようにして先端周縁部15の先端面16に当接されている。
次に、中心電極20は、インコネル(商標名)600または601等のNi系合金等で形成された円柱状の電極棒で、内部に熱伝導性に優れる銅等からなる金属芯23を有している。先端部21には、例えばPt,Ir,Rhなどの貴金属またはそれらの合金やW等、耐火花消耗性に優れた円盤状の電極チップ25が、中心電極20と一体となるように溶接されている。前述したように中心電極20は、電極チップ25の先端面26の外周縁を軸孔90の段部92に当接させ、キャビティ60内に一部を露出させた状態で、電極収容孔91内に保持されている。中心電極20の後端側は鍔状に拡径されており、この鍔状の部分が軸孔90において電極収容孔91の起点となる段状の部位に当接して位置決めされている。
また図1に示すように、中心電極20は、軸孔90の内部に設けられた金属とガラスの混合物からなる導電性のシール体4を経由して、後端側の端子金具40に電気的に接続されている。このシール体4により、中心電極20および端子金具40は、軸孔90内で固定されると共に導通される。そして端子金具40にはプラグキャップ(図示外)を介して高圧ケーブル(図示外)が接続され、図示外の点火装置から高電圧が印加されるようになっている。
次に、図2に示す接地電極30は耐火花消耗性の高い環状の金属や貴金属またはそれらの合金からなるチップより構成されており、一例としてWやPt,Ir,Rh等が用いられる。この接地電極30は、主体金具50の内径と略同径の外径を有する円形板状に形成されており、中央に、絶縁碍子10の先端中央部12の外径より大きな内径を有する貫通孔31が孔設されている。接地電極30は主体金具50の筒孔58内で、その厚み方向を軸線O方向として絶縁碍子10の先端面16に当接した状態で、貫通孔31内に先端中央部12が位置するように配設されている。また、接地電極30の外周面は主体金具50の筒孔58の内周面に対し密着状態に係合され、主体金具50と接地電極30とが電気的に接続されている。
さらに、接地電極30よりも軸線O方向先端側には、接地電極30と同様に中央に貫通孔36が設けられた円形板状で絶縁性を有する保護部材35が配設されている。保護部材35の貫通孔36は、その内径bがキャビティ60の開口部61の内径aよりも大きく構成されている。また、貫通孔36は接地電極30側で拡径されており、接地電極30の貫通孔31に連続している。そして、保護部材35により接地電極30の軸線O方向前方側の面が覆われ保護されている。
そして、この保護部材35によりキャビティ70の軸線O方向前方側へ向けた開放部分は覆われ、絶縁碍子10の先端中央部12の外周と、保護部材35の貫通孔36とで、キャビティ70の内部からプラズマジェット点火プラグ100の外方へと繋がる間隙の狭い開口部71が構成されている。
そして、絶縁碍子10のキャビティ70は開口部71、貫通孔31および貫通孔36を介し、また、キャビティ60は開口部61、貫通孔31および貫通孔36を介して共に外部に連通されている。このとき、キャビティ70内の略中央の位置を基準として、接地電極30の貫通孔31の内周面と、絶縁碍子10の先端中央部12の外表面とで形成される開口部71の開口位置は、軸線O方向先端側で内周寄りの位置にある。また、保護部材35の貫通孔36は、接地電極30の貫通孔31よりも小径に形成されている。このため、キャビティ70内の略中央の位置から、開口部71を介し、保護部材35の貫通孔36を通じてプラズマジェット点火プラグ100の外方へと向かう方向R(図2において矢印で示す。)は、軸線O方向前方に向けて軸線Oに近づいていく指向性を有する。
ここで指向性を有するとは、より具体的には、軸線Oを含むプラズマジェット点火プラグ100の断面においてキャビティ70より噴出される火種の噴出方向が、キャビティ60から噴出されるフレーム状のプラズマに近づく方向成分と、そのプラズマの噴出方向に向けた方向成分とを有することをいう。すなわち、キャビティ70より噴出される火種はキャビティ60から噴出されるフレーム状のプラズマの噴出方向に進みつつ、そのプラズマに衝突する方向性を有している。このため、キャビティ70から噴出される火種の噴出方向が軸線O方向と平行のみの場合や、軸線O方向と直交する方向のみの場合は含まれない。
次に、図1に示す主体金具50は、図示外の内燃機関のエンジンヘッドにプラズマジェット点火プラグ100を固定するための円筒状の金具であり、絶縁碍子10を取り囲むようにして筒孔58内に保持している。主体金具50は鉄系の材料より形成され、図示外のプラズマジェット点火プラグレンチが嵌合する工具係合部51と、図示外の内燃機関上部に設けられたエンジンヘッドに螺合するねじ部52とを備えている。
図2に示すように、ねじ部52より先端側の先端部59は、その先端面57の内周側が内側に向けて鍔状に突出され、係止部49として構成されている。この係止部49には、前述した、主体金具50の後端側から筒孔58内に挿入される保護部材35が、厚み方向を軸線O方向に揃えた状態で係止され、さらに保護部材35に層状に連ねるように、接地電極30が配設される。この状態で絶縁碍子10が主体金具50の後端側より筒孔58内に挿入されると、先端中央部12が貫通孔31内に収容されると共に、先端面16が接地電極30に当接される。
また、工具係合部51から加締め部53にかけての主体金具50と、絶縁碍子10の後端側胴部18との間には円環状のリング部材6,7が介在されており、さらに両リング部材6,7の間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。工具係合部51より後端側には加締め部53が設けられており、この加締め部53を加締めることにより、リング部材6,7およびタルク9を介して絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。これにより、脚長部13と先端側胴部17との間の段状の部位が、主体金具50の内周面に突設された係止部56に環状のパッキン80を介して支持されて、主体金具50と絶縁碍子10とが一体にされる。さらに主体金具50と絶縁碍子10との間の気密はパッキン80によって保持され、燃焼ガスの流出が防止される。また、工具係合部51とねじ部52との間には鍔部54が形成されており、ねじ部52の後端側近傍、すなわち鍔部54の座面55にはガスケット5が嵌挿されている。
ところで、本実施の形態のプラズマジェット点火プラグ100において、接地電極30と中心電極20との間にて形成される火花放電間隙は、接地電極30の貫通孔31の内周面と、絶縁碍子10の先端中央部12の外表面との間、すなわち開口部71にて空気層に絶縁破壊が生ずることによって放電が発生する気中放電間隙と、この気中放電間隙の絶縁碍子10側の起点、すなわち、先端中央部12の外表面上で接地電極30との間で火花放電が行われる位置から、開口部61を介し、中心電極20にに至るまでの部分で、絶縁碍子10の表面に沿って放電が行われる沿面放電間隙とから構成される。
また、本実施の形態のプラズマジェット点火プラグ100は上記したように2種類のキャビティ60,70を有し、上記火花放電間隙における火花放電に伴ってキャビティ70から噴出される火種は、その形態が、キャビティ60で形成され噴出されるプラズマの形態とは異なる。キャビティ60は、図2に示すように、その内径よりも、その深さ(軸線O方向の長さ)の方が長くなるように構成されている。このような有底筒形状のキャビティ60内で生ずるプラズマは、キャビティ60内で膨張しつつキャビティ60の形状に誘導されて、開口部61から軸線O方向に伸びる火柱状(フレーム状)となって噴出される。一方、キャビティ70は、軸線Oを含むプラズマジェット点火プラグ100の断面において、内部空間が大きく開口部71が小さい構成となっている。こうした形状のキャビティ70では、開口部71が小さいことから着火した混合気がキャビティ70内での膨張により内圧が高められ、火種として開口部71から勢いよく噴出される。また、その火種の有するエネルギーによって、プラズマ状態に遷移する場合もある。
次に、図3を参照し、プラズマジェット点火プラグ100による混合気への着火の際の動作について説明する。図3は、プラズマジェット点火プラグ100における点火の過程を模式的に示す断面図である。
内燃機関の稼働に伴い本実施の形態のプラズマジェット点火プラグ100による混合気への点火が行われる際には、図示外のECUから受信した点火タイミングの情報に基づき、図示外の点火装置によって火花放電間隙に高電圧が印加され、絶縁破壊による火花放電が生ずる。さらに、絶縁破壊により絶縁抵抗が小さくなった状態の火花放電間隙に対し、例えばあらかじめコンデンサに蓄えておいた静電エネルギーなどの高エネルギーが供給される。
すると、キャビティ60内ではプラズマが形成され、図3の第1過程に示すように、容積が小さく開口部61が大きいためキャビティ70より先に内圧が臨界に達し、開口部61から、プラズマが、前述したようにフレーム状となって軸線O方向先端側に向けて噴出される(噴出されるプラズマの形態を図中プラズマSとして模式的に示す。)。そして、このプラズマの周囲の混合気に着火する(混合気に着火した状態を図中燃焼ガスTとして模式的に示す。)。
一方、キャビティ70では、キャビティ60より容積が大きく開口部71が小さいため、少し遅れたタイミングに内圧が臨界に達し、開口部71から火種が噴出される。このとき、前述したように、キャビティ70内の略中央の位置から外方へと向かう方向には軸線Oに近づいていく指向性があるため、キャビティ70から噴出される火種は、図3の第2過程に示すように、軸線Oの周囲から軸線Oに向かって集束する方向に向かう(図中矢印Pで示す。)。
すると、キャビティ60から噴出されたプラズマは、キャビティ70から噴出された火種に衝突される。このとき、キャビティ60からのプラズマ(プラズマS)や、そのプラズマにより着火された燃焼ガス(燃焼ガスT)の一部が、キャビティ70からの火種の噴出方向に押し出される(押し出された燃焼ガスの部分を図中膨出部Uとして模式的に示す。)。
さらに図3の第3過程に示すように、押し出された燃焼ガスの部分(膨出部U)が成長する際には、キャビティ70からの火種による押し出し効果により、燃焼室内のより中央に近い位置に移動する。このため、消炎作用を奏する燃焼室の壁面やプラズマジェット点火プラグ100本体から、より離れた位置にて混合気が燃え広がる。また、周囲に障害物の無い空間へと押し出されるため、着火した混合気が燃え広がる際には、周囲に障害物や消炎作用を奏するものがないため燃焼が妨げられず、燃え広がりの速さ(燃焼速度)が向上する。一方、キャビティ60から噴出されるプラズマがフレーム状であるので、混合気との接触面積が広く、着火初期の段階において火種が消火されにくい。また、第3過程に模式的に示す、プラズマVのように、キャビティ70から噴出される火種のエネルギーにより保護部材35の表面上に広がるプラズマが形成される場合もあり、その周囲の混合気にも着火する。このように、プラズマの持つ高いエネルギーによる混合気への着火や、着火した燃焼ガスやプラズマの押し出しに伴う消炎作用の低減が行われるので、本実施の形態のプラズマジェット点火プラグ100では着火限界となる空燃比をより高くすることができ、さらなる高い着火性を得ることができる。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、キャビティ70は、本実施の形態では、軸線Oを中心としてキャビティ60の開口部61の径方向周囲を取り巻く円環状で溝状の凹部として形成したが、円環状でなくともよく、複数の凹部の集合体であってもよいし、単一の凹部であってもよい。こうした場合に軸線Oに対し対称となる位置に対となるキャビティを形成し、キャビティ60からのプラズマや着火した燃焼ガスを軸線O方向前方に押し出せば、燃焼室の壁面から離れる方向に効率よく押し出せ好適である。もっとも、噴出されるプラズマや着火した燃焼ガスが任意の方向に対し押し出されるように構成してもよく、例えば、燃焼室内のインジェクタから噴出される燃料に向けて押し出されるように、キャビティ70から噴出される火種の噴出方向を調整してもよい。上記のように指向性を有すれば、キャビティ70から噴出される火種もまたフレーム状のプラズマであってもよい。また、接地電極30は、本実施の形態では円形板状で中央に貫通孔31を有したが、棒状のものであってもよい。また、プラズマジェット点火プラグ100への点火方式は任意であってもよい。
プラズマジェット点火プラグ100の部分断面図である。 プラズマジェット点火プラグ100の先端部分を拡大した断面図である。 プラズマジェット点火プラグ100における点火の過程を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 絶縁碍子
12 先端中央部
20 中心電極
30 接地電極
35 保護部材
36 貫通孔
50 主体金具
60,70 キャビティ
61,71 開口部
90 軸孔
100 プラズマジェット点火プラグ

Claims (5)

  1. 中心電極と、
    軸線方向に延びる軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔内に収容すると共に当該中心電極を保持する絶縁碍子と、
    前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持する主体金具と、
    前記主体金具に電気的に接続され、前記中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極と、
    前記絶縁碍子の先端部にて、前記火花放電間隙における火花放電の経路が第1開口部を通過し、その第1開口部によって凹部形成され、火花放電の際にその内部において形成されるプラズマが軸線方向に伸びるフレーム状に噴出される第1キャビティと、
    前記絶縁碍子の先端部にて、前記火花放電間隙における火花放電の経路が前記第1開口部とは異なる第2開口部を通過し、その第2開口部によって凹部形成され、火前記花放電の際にその内部において形成される火種が噴出される第2キャビティと
    を備えたことを特徴とするプラズマジェット点火プラグ。
  2. 前記第2キャビティ内で形成され前記第2開口部より噴出される火種の噴出方向が、前記第1キャビティの前記第1開口部よりフレーム状に噴出されるプラズマの噴出方向に対し、指向性を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマジェット点火プラグ。
  3. 前記第1キャビティの前記第1開口部は、前記絶縁碍子の先端面に前記軸孔によって形成された開口部であって、前記第1キャビティは、前記第1開口部から連続する前記軸孔の内周面と、前記中心電極の先端面とを自身の境界として有する凹部状に形成され、
    前記第2キャビティの前記第2開口部は、前記第1キャビティの径方向周囲に形成された前記第2キャビティの開口部として構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマジェット点火プラグ。
  4. 前記第2キャビティは、前記第1キャビティを取り巻く円環状の凹部として形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマジェット点火プラグ。
  5. 中央に貫通孔が形成され、前記主体金具の先端側から前記接地電極を覆って保護する絶縁性の保護部材を備え、
    前記保護部材の前記貫通孔の内径は、前記第1開口部の内径よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載のプラズマジェット点火プラグ。
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