JP2007141719A - 付勢機構およびメモリーカード用コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 挿入されるメモリーカードMCに備えるコンタクトMC2と接続することで電気的な接続が可能であり、メモリーカードMCを挿入途中位置で仮保持可能なハーフロック機構6を、挿脱側ではないコネクタ側面31bに具備するメモリーカード用コネクタ1において、
ハーフロック機構6を具備するコネクタ側面31bには、メモリーカードMC挿脱側の何れかが該側面と連続するコ字状の溝部64を設けて形成する片持ち状のハーフロックばね63aと、メモリーカードMC挿脱両側が該側面と連続するように平行に溝部65を設けて形成する両持ち状のハーフロックばね63bとを設け、ハーフロック機構6をメモリーカードMC側へ付勢する。
【選択図】 図1
Description
これに伴い、メモリーカードを利用する携帯電話等の電子機器では、該メモリーカードを確実に装着できると共に安定した電気的な接続状態を得られるように該メモリーカードを支持できるメモリーカード用コネクタが開発されている。
そして、メモリーカードをこれらメモリーカード用コネクタに装着後、再びメモリーカードを抜取る場合には、イジェクト機構によってメモリーカードの挿入側端部を抜取る方向へ押圧し、メモリーカードとメモリーカード用コネクタとのコンタクト部分の係止を解除させて行っていた。
この場合、イジェクト機構の押圧力によってメモリーカードがメモリーカード用コネクタから飛び出してしまうという問題が生じる。
そこで従来、メモリーカードのメモリーカード用コネクタからの飛出しを防止する機構として、メモリーカードが該コネクタ内にあってしかもメモリーカードのコンタクト部が該コネクタのコンタクトと接続されていない中間位置において仮保持を可能とするハーフロック機構を採用し、ハーフロック機構を備えたメモリーカード用コネクタがあった。
以下に、従来のハーフロック機構を備えたメモリーカード用コネクタを説明する。
100は、従来のメモリカード用コネクタである。メモリーカード用コネクタ100は、図10乃至図14に表すように、メモリースティックカード用のコネクタであり、メモリーカードMCの形状に合わせた幅を持ったコンタクト面101を有する。また、メモリーカードMCのコンタクト部と対向するコンタクト面101表面には、挿入されたメモリーカードMCのコンタクト部と接続可能な複数の接触片102を設けてなる。接触片102は、表面から裏面側へ突出して設けると共に、表面側に押圧されるとばね力により抗力を発生するように付勢されている。
更に又、コンタクト表面101の立設壁103側には、それぞれ片持状のカード押えばね105を設ける。カード押えばね105は、メモリーカード用コネクタ100の挿入口106側が支点となるようにコンタクト面101を構成している金属板をコ字状に切欠して構成し、カード押え部104側へ突出させることで、メモリーカードMCが挿入された際にメモリーカードMCの表面をカード押え部104側へ押圧可能に形成する。
107は、イジェクト機構である。イジェクト機構107は、接触片102とメモリーカードMCのコンタクトとが接触し電気的に接続されている挿入状態のメモリーカードMCを排出する機構である。イジェクト機構107は、詳細は説明しないが、操作部(図示せず)を操作することでメモリーカードMCの挿入先端側を排出方向へ押圧する機構を具備している。そして、イジェクト機構107の操作部(図示せず)を操作して排出させると、メモリーカードMCは接触片102とメモリーカードMCのコンタクトとの電気的な接続を解除して排出方向へ移動される。
メモリーカードMCが排出される際、メモリーカードMC表面はカード押えばね105によって押えられているので、排出方向へ勢いよく移動されるメモリーカードMCは接触片102のばね力による表面に於ける摩擦により、メモリーカード用コネクタ100からの飛出しを防止されている。
又、メモリーカード用コネクタ100には、前記メモリーカードMCの飛出しを防止するため、挿入されるメモリーカードMCをその途中位置で仮保持可能なカードロック機構108を有するものがあった。
即ち、ハーフロック機構108は、先端側がメモリーカード用コネクタ100の内側へ突出する係止突起110を形成し、基端部111がメモリーカード用コネクタ100に固定され、係止突起110側が揺動することで挿入されたメモリーカードMC側へ入出可能であり、係止突起110と対向しているメモリーカード用コネクタ100側面を、該側面を構成している金属板をコ字状に切欠してハーフロックばね109を構成し、係止突起110を常にメモリーカード用コネクタ100内方へ付勢している。
ハーフロックばね109はハーフロックする際に係止突起110をメモリーカードMC側へ押圧する押圧力を与えるばねであり、片持ち板ばねを採用しているものがあった。即ち、図12に表すように、金属板からなる立設壁103にコ字状の切り込み溝109aを設け、立設壁103の一部を片持ち状のばね形状に形成し、立設壁103と繋がっている基端部109cを中心に自由端109bをハーフロック機構108の係止突起110背面に位置させて、係止突起110が立設壁103側へ押圧された際の抗力を与えている。このようにハーフロックばね109を片持ちばねとして形成する場合には、自由端109bを有することでばね定数の設定に自由度があり、係止突起110へ付与するばね力(ハーフロック力)の調整が容易となる。
又、ハーフロックばね109を片持ちばねではなく両持ちばねとし、係止突起110へ大きな抗力を付与できるようにしたものもあった。
即ち、図13に表すハーフロックばね109が両持ちばねである。ハーフロックばね109は、立設壁103の上下に=字状に切り込み溝109aを設けてハーフロックばね109とし、基端部109d、109eが立設壁103と接続されて両持ちばねを形成する。
このようにハーフロックばね109を両持ちばねとして形成することで、片持ちばねでは実現できない係止突起110へのばね力の付与が行えるようになる。
更に、ハーフロックばねを両持ちばねとすることで、ハーフロックばね109を設けているメモリーカード用コネクタ100の立設壁103である側面が=字状の切り込みによってハーフロックばね109の両端が連続しているので、立設壁103である側面の機械的な強度が維持できる。
このようにハーフロックばね109によってメモリーカードMCをハーフロック状態とするハーフロック機構108を有することで、挿入されるメモリーカードMCの挿入側ではない側面に溝部MC3を設けたメモリーカードMCでは、ハーフロック機構108の係止突起110が、メモリーカードMC挿入時或は排出時に溝部MC3とハーフロックばね109の押圧力によって係止され、ハーフロック状態を維持可能である。
又、ハーフロックばね109を片持ちばねとした場合には、ばね力を大きくさせるために切り込み溝109aの幅を大きくすると、立設壁103が切り込み溝109aによって分割されてしまうため連続して立設壁103を構成している部分が減少し、立設壁103の強度を保持出来なくなってしまうという問題点を有した。
ばねは、ばね定数の異なる少なくとも二つのばねからなり、各ばねは押圧部に対して該付勢方向の反対側に配置されていることを特徴とする付勢機構、
更にこの発明では、該付勢機構を利用できるように従来例に挙げたメモリーカード用コネクタの構造を改良し、ハーフロック機構によるメモリーカードの仮保持状態時のハーフロックばね力を大きくすると共にばね定数を比較的容易にするため、
ハーフロック機構を具備するコネクタ側面には、片持ち状のハーフロックばねと両持ち状のハーフロックばねとをそれぞれ近接させて設け、ハーフロック機構をメモリーカード側へ付勢可能なことを特徴とするメモリーカード用コネクタ、
従って、ハーフロック機構6の係止突起62は、メモリーカードMCの溝部MC3から離脱する際には、ハーフロックばね63の付勢力に抗してメモリーカードMCの溝部MC3外へ離脱する。この離脱は、メモリーカードMCをメモリーカード用コネクタ1から引抜く際に、半円形に形成された溝部MC3に案内されて行われる。
一方、ハーフロック機構6とメモリーカードMCを介して対向するコネクタ1の側面には、メモリーカードMCをハーフロック機構6側へ押圧するばね力をもつカード押えばね7を設ける。カード押えばね7は、片持ち支持状に設ける板ばねであり、メモリーカードMC挿入口側を基端部として挿入奥側が該コネクタ1内方へ位置する自由端となるように設ける。
メモリーカードMCは、カード表面MC1の一方端にコンタクト部MC2が露出した状態に並設してなる。このコンタクト部MC2は、メモリーカード用コネクタ1への挿入側端部に該端部と平行に複数並設され、この実施例においては10カ所に設けられるカードである。そして、該カードコンタクト部MC2は、カード表面MC1から凹状にコンタクト表面が位置されている。又、カード表面MC1の端部のうち、メモリーカード用コネクタ1への挿入時にハーフロック機構6と対向する端部には、ハーフロック側側面MC4まで連続する半円状の溝部MC3が形成される。この溝部MC3は、メモリーカード用コネクタ1に設けるハーフロック機構6が係止される溝で半円形状に設けられており、ハーフロック機構6の係止突起62と係止する位置でメモリーカードMCが挿入途中で仮保持状態となる。又、メモリーカードMCのハーフロック側側面MC4と対向する側面は押圧側側面MC5であり、カード押えばね7によって押圧される側の側面である。
メモリーカード用コネクタ1は、平面視略長方形状を成すハウジング2が本体を形成する。ハウジング2は、薄板状の金属板材からなり、ハウジング2の両サイドは、カードを保持可能なカード保持部3をそれぞれ対向させて延設するように折曲して形成し、更にその先端を折曲することでコ字状に保持溝31を形成する。従ってメモリーカードMCの挿脱側ではない側面と対向するコ字状に折曲したカード保持部3が、メモリーカード用コネクタ1の側面を構成する。カード保持部3は、コ字状の保持溝31を有し、該溝31を相互に対向させてカード保持部3a及びカード保持部3bとして設ける。カード保持部3のコ字状の保持溝31がメモリーカードMCを支え且つ挿脱時のガイドとなる。従って、メモリーカード用コネクタ1は、ハウジング2の両サイドからカード保持部3が腕状に突出した形状からなり、図1等に表すようにメモリーカードMCを保持溝31に沿って挿入されることで保持可能である。
更にカード保持部3aにはハーフロック機構6を設ける。ハーフロック機構6は、イジェクト機構5のカード挿入口23側に設け、メモリーカード用コネクタ1に挿入されるメモリーカードMCのコンタクト部MC2がコンタクト4と接続される前の途中位置に於て、メモリーカードMCの溝部MC3と係止することで仮保持状態とするものである。ハーフロック機構6は、一端である揺動基端部61がカード保持部3aに係止され、他端である揺動端が係止突起62を形成してメモリーカードMC側へ進退揺動可能に形成する。そして、係止突起62側が揺動基端部61よりカード挿入口23側へ位置されて設置され、係止突起62は挿入されるメモリーカードMC側へ突出して設ける。係止突起62は、カード挿入口23側(挿入手前側)が、緩やかな傾斜面を形成し、コンタクト4側(挿入奥側)が挿脱方向と略直角に形成する。係止突起62の形状をこのようにすることで、メモリーカードMC挿入時には、係止突起62の緩やかな傾斜面に沿ってメモリーカードMCが容易に挿入でき、メモリーカードMC引抜き時には、挿脱方向と略直角に形成する面がメモリーカードMCの溝部MC3と係止し、ハーフロック状態(仮保持状態)で容易に停止可能となる。
そして、ハーフロック機構6の係止突起62は、仮保持状態を希望する中途位置においてメモリーカードMCの溝部MC3と対向するカード保持部3a位置で、メモリーカードの溝部MC3側へ突出した状態となるため、所望の位置で仮保持状態を保つことができる。
尚、この実施例では、ハーフロックばね63は、片持ちばね63aと両持ちばね63bとをメモリーカードMCの厚さ方向に並べて設けることで、片持ちばね63aと両持ちばね63bとを近接させたが、図9に表すように、片持ちばね63aをハウジング2側面のメモリーカードMCの裏面側が片持ち支持部となるようにしハウジング2の表面側にかけて作用部を延設し、両持ちばね63bはハウジング2の側面の上下側が両持ち支持部となるようにし、それぞれ隣合うようにハウジング2側面に設けても良く、また、ハウジング2側面の上下に架けてではなく、同様にハウジング2側面の上下がそれぞれのばねの支持部となるように上下方向に傾けて設けても良い。
この実施例では、カード押えばね7は片持ち状の板ばねを用いたが、挿入されるメモリーカードMCをカード保持部3a側へ押圧する所望の力が得られるように両端を支持した両持ちばねやコイルスプリングの先端に両端を折曲させた板状体を取付けカード保持部3bから突出させた押圧手段等適宜選択すればよい。
メモリーカード用コネクタ1の挿入側端23からメモリーカードMCを挿入する。この時、メモリーカードMCはコンタクト部MC2側から挿入する。挿入されたメモリーカードMCは、カード保持部3bに取付けてあるカード押えばね7をカード保持部3b側へ押すと共にハーフロック機構6の係止突起62をハーフロックばね63の押圧に抗しながらハウジング2内へ挿入されて行き、やがてハーフロック機構6の係止突起62がメモリーカードMCの溝部MC3に位置すると、係止突起62が溝部MC3へ入り込み、ハーフロックばね63による係止突起62の押圧は解除されるか小さくなりハーフロック状態となる。しかしながら、更にメモリーカードMCを挿入すべく押圧することで係止突起62が溝部MC3から外れてこのハーフロック状態は解除され、挿入時同様にハーフロックばね63及びカード押えバネ7を押圧しながらメモリーカードMCは更に奥へ挿入され、やがてメモリーカードMCのコンタクト部MC2がコンタクト4をハウジング表面21側へ押圧して停止し、所定の挿入位置でメモリーカードMCのコンタクト部MC2とコンタクト4とが電気的に接続される。
これによりメモリーカードMCは、カード挿入側端23側へ飛び出すように移動するが、ハーフロックばね63及びカード押えばね7の横方向への押圧により、メモリーカードMCの溝部MC3がハーフロック機構6の係止突起62に位置した際に係止突起62が溝部MC3へ入り込みハーフロック状態でメモリーカードMCは停止する。
すると、メモリーカードMCの溝部MC3に入り込んでいた係止突起62は、溝部MC3との係止を解除するように背面側(カード保持部3a側)のハーフロックばね63の押圧に抗してハーフロックばね63をメモリーカードMCとは反対の方向へ押し、溝部MC3との係止を解除する。
メモリーカードMCの溝部MC3とハーフロック機構6の係止突起62との係止が解除されたことで、メモリーカードMCはメモリーカード用コネクタ1から抜取られる。
尚、上記実施例では、ハーフロック機構6を具備するメモリーカード用コネクタ1に被押圧体を押圧する押圧部であるハーフロック機構6を設けた例であるが、上記実施例に表す片持ちばね63aおよび両持ちばね63bのようなばね係数の異なる複数のばねによって押圧部を被押圧体側へ付勢するように構成されていれば、メモリーカード用コネクタ1に限らず、他の機器への利用も可能である。
この例を上記実施例で例えれば、メモリーカード用コネクタ1がハーフロック機構6を具備していない場合に、カード押えばね7を設けた側面と対向する側面にも同様のカード押えばね7を設け、両側のカード押えばね7のばね係数が挿入されるカードをほどよく押圧して押さえられるように構成してもよい。この時カード押えばね7は、ハーフロックばね63のように片持ちばね63aと両持ちばね63bとから構成して適宜押圧力の調整をするように片持ちばね63aのばね係数を調整しておけば良い。
またこのように、被押圧体に対して適宜押圧力となるようにばね係数を調整可能に複数のばねを用いて押圧する付勢機構であれば、ビデオカセットテープの取出し時の飛出し防止機構等メモリーカードのような小さな被押圧体ではなく大きな被押圧体にも利用しても良い。
更にこの発明の提供する付勢機構を用いたメモリーカード用コネクタは、メモリーカードを用いる電子機器の部品としてのメモリーカード用コネクタに利用でき、メモリーカードの種類も種々のものに対応可能である。
MC1 カード表面
MC2 コンタクト部
MC3 溝部
MC4 ハーフロック側側面
MC5 押圧側側面
MC6 挿入側側面
1 メモリーカード用コネクタ
2 ハウジング
21 ハウジング表面
22 ハウジング裏面
23 カード挿入口
24 コンタクト固定部
3 カード保持部
3a コネクタ側面
3b コネクタ側面
31 保持溝
4 コンタクト
41 基端部
42 接点部
5 イジェクト機構
6 ハーフロック機構
61 揺動基端部
62 係止突起
63 ハーフロックばね
63a 片持ちばね
63b 両持ちばね
64 コ字状スリット
65 =字状スリット
7 カード押えばね
71 基端部
72 自由端
Claims (3)
- 押圧部と、押圧部を一方向に付勢可能なばねからなる付勢機構であって、
ばねは、ばね定数の異なる少なくとも二つのばねからなり、各ばねは押圧部に対して該付勢方向の反対側に配置されていることを特徴とする付勢機構。 - 前記ばねは、片持ち状の板ばねと両持ち状の板ばねとからなる請求項1に記載の付勢機構。
- 挿入されるメモリーカードに備えるコンタクトと電気的な接続が可能であり、メモリーカード側へ押圧することでメモリーカードと係止してメモリーカードを仮保持可能なハーフロック機構を、メモリーカードを挿脱する方向と平行な側面に具備するメモリーカード用コネクタにおいて、
ハーフロック機構を具備するコネクタ側面には、片持ち状のハーフロックばねと両持ち状のハーフロックばねとをそれぞれ近接させて設け、ハーフロック機構をメモリーカード側へ付勢可能なことを特徴とするメモリーカード用コネクタ。
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