JP2007141691A - イオン化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化、薄型化と低コスト化を実現可能なイオン化装置を提供する。
【解決手段】イオン化装置は、高電圧を印加するための高電圧配板58と、高電圧配板58を、配電に必要な領域を除いて気密状態に保持する保持板80と、後端を高電圧配板58と電気的に接続されて、先端から正負いずれかに帯電したイオンを放出するための電極針と、保持板80を内部に収納するケーシング部材82とを備えるイオン化装置であって、保持板80の上端が、ケーシング部材82の上端とほぼ同じか、これよりも低い内側に位置している。これにより、高電圧配板58を絶縁する目的等で必要な部品点数を減らして製造コストを低減すると共に、イオン化装置をより小型化できる。
【選択図】図10

Description

本発明は、正又は負に帯電している帯電体の電荷を除電するためのイオン化装置に関する。
液晶製造ライン等において、対象物が帯電していると埃等が付着して製品が不良品となることがあり、また、コンベア等により物体を搬送している場合には、小さい対象物が帯電することにより製品同士が吸引されて接触してしまい、生産ラインが停止してしまうことがある。このため、静電気の発生を抑制する必要がある個所には、限られたスペースに多数の除電装置が配置される。
静電気は対象物に蓄積されている正又は負の電荷により生ずるものであり、静電気に起因する対象物の帯電電位はアースを基準電位として、対象物の表面電位を測定することにより決定されている。除電の原理は、このような対象物に蓄積されている電荷をアースに流し込むか、又は蓄積されている電荷とは反対の極性のイオンを吹き付けて帯電電位を中和することにより、対象物、すなわち帯電体に蓄積されている電荷をゼロに近づけるものである。
除電装置は、上記の原理に従って対象物が正又は負に帯電した状態から除電する。コロナ放電式の除電装置は、放電用の電極針に高電圧電源からの直流高電圧又は交流高電圧を印加してコロナ放電を生じさせる。図1に除電装置の概略図を示す。この図に示す除電装置は、コロナ放電を生じさせる放電電極1と、交流電源に接続された高圧電源部2と、放電電極1と高圧電源部2とを接続するカップリングコンデンサ3とを備える。除電装置は、交流電源で高圧電源部2である高圧トランス2Aを駆動し、放電電極1に高電圧を印加してコロナ放電を生じさせる。コロナ放電によって放電電極1の周辺に存在する空気は電離され、プラス又はマイナスのイオンを発生させる。電離した空気のイオンは除電装置に設けられたファン等で送風されて対象物まで搬送される。プラスイオンやマイナスイオンで対象物の帯電電位が中和されることにより、対象物に蓄積されている帯電電荷はゼロに近づき、除電される。
除電装置で発生されて空気中を流れるプラス、又はマイナスのイオン流は、高電圧電源とアース間の電流として考えることができる。すなわち、高電圧電源からアースに向かって流れる電流はマイナスのイオン流に相当し、アースから高電圧発生部に向かって流れる電流はプラスのイオン流に相当している。このようなイオン流と電流との相互関係により、除電装置から発生しているプラス、マイナスのイオン量が同数であれば中和されて電流はゼロとなる。したがって、除電装置は発生されるプラス、マイナスのイオン量のバランス(イオンバランス)を維持することで正しく除電を実行できる。
例えば特許文献1には、従来のイオン化装置として所謂バータイプの除電器が開示される。この除電気の構成を図2〜図5に示す。これらの図において図2はイオン化装置の外観を示す斜視図、図3は分解斜視図、図4は断面図、図5はブロック図を、それぞれ示している。これらの図に示すイオン化装置は、放電電極バー100で構成され、本体ケース10内の上方領域に、高電圧ユニット13等が配置され、下方領域にエア供給ユニット11が配置されている。電極組立体36をエア供給ユニット11に装着すると、高電圧配板58の切り起こし接触片59と電極針12の上端面とが接触する。電極針12と接触片59との接触部分を含む領域は、支持プレート25の第1スリーブ29の中に電極組立体36の小径内筒部分40の先端部分が嵌入することにより、エア供給ユニット11の密閉空間つまり主エア通路S1及び円筒状分岐エア通路45から隔絶された独立した密閉空間S2となる。
特開2002−260821号公報
このような除電装置が利用される使用環境においては、近年は低コスト化や組み立て工数の省力化等に加えて、除電装置を設置する設置場所の省スペース化に伴って、除電装置自体の小型化、薄型化までもが一層求められている。しかしながら、従来の除電器では、高さ方向に長くなるという問題があった。すなわち、上述した図3、図4に示すように、沿面放電経路を排除する等の観点から主エア通路S1と高電圧経路とを分離するために、高電圧配板58を固定プレート57と支持プレート25とで狭持した状態で、これらの接合面において設けられたリブと端縁とを超音波溶着等により接着する。その後さらに支持プレート25とボックス状部材30とを、これらの界面に設けられた連続リブ27、28で区画された溝26にボックス状部材30の端縁を挿入して、同じく超音波溶着等で気密に連結していた。この構成では、高電圧配板58を絶縁するために、固定プレート57と支持プレート25とボックス状部材30の3つの部材を組み合わせ、これらを組み立てる必要がある。そのため、特に超音波溶着等の工程に手間がかかり、組み立てコストがかかるという問題があった。さらに従来の除電装置では、図5の模式図に示すように、エア供給ユニット11の上方に、放電電極バーに電源や表示のためのCPU基板等を備えた制御ユニット14を内蔵しているため、本体ケースの外形がさらに大きくなる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、小型化、薄型化と低コスト化を実現可能なイオン化装置を提供することにある。
以上の目的を達成するために本発明の第1のイオン化装置は、高電圧を印加するための高電圧配板と、高電圧配板を、配電に必要な領域を除いて気密状態に保持する保持板と、後端を高電圧配板と電気的に接続されて、先端から正負いずれかに帯電したイオンを放出するための電極針と、保持板を収納するケーシング部材とを備えるイオン化装置であって、保持板の上端が、ケーシング部材の上端とほぼ同じか、これよりも低い内側に位置している。これにより、高電圧配板を絶縁する目的等で必要な部品点数を減らして製造コストを低減すると共に、イオン化装置をより小型化できる。
また本発明の第2のイオン化装置は、保持板が、高電圧配板をインサート成型している。これにより、高電圧配板を当初より密閉することができ、超音波溶着等による密閉作業を無くし、組み立て工程を簡素化、省力化できる。
さらに本発明の第3のイオン化装置は、保持板とケーシング部材とがOリングを介して封止されている。これにより、保持板とケーシング部材との界面を簡単に且つ確実、安価にシールできる。
さらにまた本発明の第4のイオン化装置は、高電圧配板が電極針の後端と電気接続するための接触片を備えており、接触片が一対の対向面を形成するように高電圧配板から突出している。これにより、電極針の後端を対向面で狭持するように折曲できるので、片側からの切り起こしよりも確実に電気的接触を維持できる。
さらにまた本発明の第5のイオン化装置は、さらに、高電圧を制御する制御ユニットを備え、制御ユニットが、ケーブルを介してケーシング部材と接続されている。これにより、制御ユニットをイオン化装置とは別個の部材として、イオン化装置本体の小型、軽量化を図ることができる。
さらにまた本発明の第6のイオン化装置は、ケーシング部材が制御ユニットを内蔵している。これにより、制御ユニット一体型のイオン化装置とできる。
以上のように本発明のイオン化装置は、部品点数を低減し、低コストでかつ小型化を実現可能とできる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのイオン化装置を例示するものであって、本発明はイオン化装置を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(実施の形態1)
図6〜図10に、本発明の実施の形態1に係るイオン化装置200を示す。図6はイオン化装置200の外観を示す斜視図、図7は斜め上方、図8は斜め下方から見た分解斜視図、図9は長手方向における縦断面図、図10は横断面図を、それぞれ示す。これらの図に示すイオン化装置200は、高電圧配板58と、高電圧配板58を保持する保持板80と、高電圧配板58と電気的に接続されて先端からイオンを放出するための電極針12と、保持板80を内部に収納するケーシング部材82と、ケーシング部材82の上方を閉塞する外ケース84と、ケーシング部材82の下面を覆う対向電極プレート18とを備える。
図6は、イオン化装置本体を構成する放電電極バーの外観を示している。なお、図6は後述する電極組立体36を第2スリーブ31から取り外した状態を示している。放電電極バー100は、本体をケース状に構成し、全体を細長い角柱状としている。本体ケースは、上下に2分割して、上ケースと下ケースとをネジ止め等により固定する。上ケースは外ケース84、下ケースは対向電極プレート18を構成する。ケーシング部材82の内部には、図7、図8の分解斜視図に示すように、保持板80を収納している。保持板80は、高電圧配板58を保持している。高電圧配板58は、インサート形成等により保持板80内に一体的に設けられている。保持板80はOリング86を介してケーシング部材82に気密に挿入される。Oリング86は、保持板80の周囲に隙間無く配置される大きさに構成され、この例では保持板80の外形よりも僅かに小さい略矩形状の環状に形成される。
(ケーブル90)
さらに、本体ケースの長手方向端面には、イオンを送出するための搬送エア及び高電圧を供給するケーブル90を連結するための連結ポート88を設けている。ケーブル90は、エアを通過させるエア経路と、高電圧を電導させる高電圧経路を構成する電気線とを、個別に設ける他、一本のケーブル内にエア経路と電気線とを分離して内蔵させることもできる。エア経路と電気線とを一本のケーブルに纏めることで、ケーブルの使用本数を少なくできるが、ケーブルが太くなる。特に、高電圧を伝送するケーブルは二重に被覆するなどの安全対策を施すと太くなる。ケーブルが太くなると、ケーブルを接続する連結ポートも太くなり、イオン化装置の小型化を阻害する。一方、エア経路と電気線とを個別のケーブルで構成する場合は、ケーブルの安価にできると共に、ケーブルの太さを細くし各ケーブルの取り回しがよくなる。個別のケーブルで構成する場合は、本体ケースの一方の端面に電気線を、他方の端面にエア経路を接続できる。図6の例では、エア経路と電気線とを個別のケーブル90で構成すると共に、図において放電電極バーの左側の端面に設けた連結ポート88に電気線を接続すると共に、右側の端面に設けた連結ポート88Bには搬送エア用のケーブルを接続可能としている。このように、各ケーブルをケーシング部材82の両端壁に各々取り付けることにより、エア経路と電気線とを確実に分離できる。高電圧とエアとは、放電電極バーとは別部材の制御ユニット14、エア供給ユニット11からそれぞれ供給される。
(外部ユニット92)
放電電極バー100に対して外付けの制御ユニット14には、高電圧ユニットや電源回路、表示回路、CPU等が設けられる。制御ユニット14と放電電極バーとは、ケーブル90を介して電気的に接続されている。一方搬送エアは、制御ユニット14と共に外付けで設けられたエア供給ユニット11からケーブル90を介して搬送される。ケーブル90を介して搬送エアを放電電極バーに供給するために、ケーブル90と放電電極バーの連結ポート88の接合部分は、Oリング等を用いて気密に連結される。
制御ユニット14とエア供給ユニット11は、それぞれ個別の部材とすることもできるが、好ましくは一体の外部ユニット92として、ケーブル90を介して放電電極バーと接続されて高電圧を搬送エアをそれぞれ供給する。図6に示す例では、外部ユニット92と放電電極バーとをケーブル90で接続することにより、放電電極バーから制御ユニット14のスペースを省略し、小型化を図ることができる。
(外ケース84、対向電極プレート18)
ケーシング部材82の上面は、外ケース84で閉塞される。さらにケーシング部材82の下面には、対向電極プレート18が被覆される。対向電極プレート18は、金属等の導電性を有する部材で構成され、グランドに接地されている。図7、図8の例では、外ケース84は一方の端面に端面板85を一体に成型して下方に端面板85を垂下させ、他方の端面は上半分のみを構成し、下端面は別部材の下端面部材94を連結可能に構成している。そして対向電極プレート18の両端に突出部18Aを形成し、外ケース84の端面板85と下端面部材94に、それぞれ突出部18Aを挿入するスリット85A、94Aを形成する。これにより、対向電極プレート18の一方の突出部18Aを端面板85のスリット85Aに挿入し、他方の突出部18Aを下端面部材94のスリット94Aに挿入して嵌合できる。さらに、対向電極プレート18と下端面部材94を貫通し、ケーシング部材82の下面に嵌め込まれたナット95にネジ96でネジ止めすることで、これらの部材を固定できる。これにより、一方の端部のみで固定でき、ネジの使用本数を少なくできる。さらに図7、図8の例では、外ケース84側から下端面部材94に対して2カ所でネジ97によりネジ止めして補強している。
この放電電極バーは、制御ユニット14で発生された高電圧をケーブル90を介して放電電極バーの各電極針12に供給し、コロナ放電によって空気をイオン化して針先端から放出する。またこのイオン化装置200は、電極針12で発生されるイオンを遠方まで運ぶため搬送エアを電極針12の周囲から放出する。この搬送エアを各電極針12の周囲から外部に放出することで、電極針12の先端回りでイオン化したエアが除電対象物(ワーク)に向けて下方に強制的に送り込まれ、ワークを除電する。このようにイオン化装置200は、エアを利用したダウンフロー機構によって、イオンを確実に送出して除電性能を発揮できる。
(低背化)
本実施の形態に係るイオン化装置200で装置本体の薄型化を実現できる様子を、図11に基づいて説明する。図11は、説明のため電極針のない部分で主エア通路S1と高電圧経路S3とが分離される様子を説明する断面図であり、図11(a)は従来例に係るイオン化装置100、図11(b)は本実施の形態に係るイオン化装置200をそれぞれ示している。従来は主エア通路S1と高電圧経路S3とを分離するために、図11(a)に示すように固定プレート57と支持プレート25とで高電圧配板58を狭持した状態で、図11(a)に示すAの部分で超音波溶着で接着した後、さらにこの支持プレート25とボックス状部材30とを図11(a)のBの部分で超音波溶着等で気密に連結していた。この構成では、4つの部材を組み立てる必要があり、特に超音波溶着等の工程に手間がかかり、組み立てコストがかかるという問題があった。
これに対して本実施の形態に係るイオン化装置200では、予め高電圧配板58を保持板80にインサート成型すると共に、保持板80とケーシング部材82とをOリング86で気密に連結することによって、主エア通路S1と高電圧経路S3とを隔離している。この構成によれば、複数の部材を組み合わせて絶縁していた構成を、一枚の保持板80で実現できるので、高さ方向での小型化が図られる上、部品点数を少なくして工程も低減し省力化、低コスト化も図られる。特に超音波溶着を不要にできるので、超音波溶着工程を省力化できる他、超音波溶着のために従来設けていたリブや溝等の構造も不要にできるので、全体構成も簡素化できる。図11の例では、ケーシング部材82の内側に保持板80を配置するので、上端縁も保持板80とケーシング部材82の端縁とをほぼ同一平面とでき、支持プレート25に相当する分だけ薄型化が可能となる。また、幅方向への段差も少なくできる。さらに、このように薄型化しても高電圧配板58の絶縁は十分に維持できるので、性能や安全性を低下させることなく小型化、低背化を実現できる。
保持板80とケーシング部材82はそれぞれ、保持板80の側端面とケーシング部材82の側壁とでケーシング内部空間を形成する。特に保持板80により仕切られる空間は、電極針12からのイオンを外部へ放出するためのエアの通路となる主エア通路S1として活用される。また保持板80の上端が、ケーシング部材82の上端とほぼ同じか、これよりも低い内側に位置することにより、上下方向への大型化を抑止している。
さらに加えて、従来例では支持プレート25の上部に、高電圧等を制御するための制御ユニット14を配置していたが、本実施の形態ではこの部材をイオン化装置本体である放電電極バーと別部材とすることで、さらにイオン化装置を小型化、薄型化できる利点が得られる。
さらに、小型化のみならず組み立て工程の省力化も実現できる。特に予め高電圧配板58を保持板80にインサート成型しておくことで、高電圧配板58の絶縁が実現できる。さらにOリング86で保持板80とケーシング部材82とのシーリングを容易に実現することができ、超音波溶着に比べて極めて簡単である上、気密性の維持を安定して得ることができるメリットも得られる。
加えて、保持板80によって放電電極バーの内部で搬送エアを搬送するエア経路と高電圧経路S3とを分離できるので、本体ケースの上側領域と下側領域との間を仕切る仕切壁等を設けることなく、これら領域間の間での気体の流通を実質的に防ぐことができる。
(ケーシング部材82)
以下、各部材の詳細について図6〜図10に基づいて説明する。ケーシング部材82は、略平行に離間した2つの側壁と、これに連続する2つの端壁と、底壁とを有する上方を開口した矩形形状の箱形に形成される。ケーシング部材82の開口部側には、保持板80が挿入される。保持板80は、上下にリブを設けて、ケーシング部材82の開口部に挿入できる大きさ及び形状に形成される。ケーシング部材は、プラスチック製等とすることで、絶縁と軽量化、低コスト化を図る。
ケーシング部材82の開口部分に、Oリング86等を介して保持板80を気密に挿入することで、直線状の主エア通路S1を構成する密閉空間が形成される。これにより、図7、図10等に示すように、保持板80の下面と電極組立体36の間で、エア経路の一部を構成する主エア通路S1が構成される。
ケーシング部材82は、その底壁に、保持板80に設けられた比較的短い第1スリーブ29と同軸の比較的長い円筒状の第2スリーブ31を備えている。この第2スリーブ31は、ケーシング部材82の底壁から下方に延び、その両端を開放している。すなわち、第2スリーブ31は上下に延びる貫通孔を構成しており、この第2スリーブ31は第1スリーブ29よりも大きな径を有しているのが好ましい。第2スリーブ31の外周面には、第2スリーブ31の基端部分に、沿面距離を拡大するための2つの円周フランジ32が形成されている。
(高電圧配板58)
高電圧配板58は、ステンレス鋼で構成される。高電圧配板58をステンレス製とすることで、導電性を維持しつつイオン化装置の長さ方向について補強板の役目を果たし、剛性を向上させることができる。この高電圧配板58は、ケーブル90を介して制御ユニット14内の高電圧ユニットに接続されている。この高電圧配板58は、保持板80の一端から他端まで直線状に延長された形状を有している。また、高電圧配板58の一端は、高電圧ユニットからの高電圧エネルギを受け入れるコネクタ用端子58Aを構成しており、コネクタ用端子58Aを保持板80の端面で突出させてケーブル90の配線と電気接続される。
高電圧配板58は、インサート成型によって保持板80に一体的に介装される。これにより高電圧配板58は保持板80に確実に固定され、不要な部分を本体ケース内部に露出させず、沿面経路を排除できる。保持板80は、プラスチック成形材料等で構成され、上方を開口した有底の枠状に形成し、この枠状の底面に高電圧配板58が表出するようにインサート成型している。また枠状の開口は、高電圧配板58の形状にほぼ沿うように細長い矩形状に形成される。さらに枠状の開口面積は高電圧配板58よりも多少小さくすることで、高電圧配板58の周囲を保持板80で覆い、確実に固定できる。高電圧配板58の上面を表出させることで、必要に応じて電気回路基板等を配置できる。
また保持板80の周囲からは複数の爪81を突出させている。爪81の側面には突起81Aを設け、さらにケーシング部材82の突起81Aと対応する位置には、溝82aが形成される。保持板80をケーシング部材82に挿入する際は、爪81の突起81Aを溝82aに案内することで、保持板80をケーシング部材82に位置決めして固定できる。図7の例では、保持板80の長さ方向に沿って左右に3カ所ずつ、計6つの爪81を設けている。
さらに図8に示すように、保持板80の下面も枠状に形成し、枠状の内部に第1スリーブ29を設けると共に、第1スリーブ29の無い部分にはリブを渡して補強している。保持板80の下面では、第1スリーブ29の部分を除いて高電圧配板58が表出しないよう完全に覆い、沿面経路の形成を阻止している。一方、第1スリーブ29の部分では、円筒形の第1スリーブ29の底面に高電圧配板58を表出させ、電極針12との接触面を構成している。
(接触片59)
この高電圧配板58によってケーシング部材82に取付られた全ての電極針12に高電圧を供給するための配電ラインを構成している。高電圧配板58には、保持板80の第1スリーブ29に対応する部分に、電極針12と電気接続するための接触片59が設けられている。接触片59は図9に示すように一対の接触面を対向させており、この間に電極針12の上端面を挿入して狭持する。接触片59の先端は、湾曲させて接触面同士の間隔を狭くするようにし、この間で弾性的に電極針12を保持して確実に電気接続を得る。接触片59は好ましくは高電圧配板58と同じ部材で構成し、例えばステンレス板をコ字状に接触して高電圧配板58と固定する。あるいは、高電圧配板を切り起こして接触片を設けてもよい。
(充填材)
高電圧配板58には高電圧が印加されるので、高電圧に晒される部分が接地電位と近接していると、放電を生じるおそれがある。これを防止するために、イオン化装置においては、高電圧経路が表出しないように主エア通路S1と高電圧経路とを分離する。さらに、高電圧経路が表出していると沿面経路が形成されるおそれがあるため、高電圧経路や高圧電源回路をシリコーン樹脂等の充填材で充填している。しかしながら、イオン化装置では複数の部材を連結して構成している構造のため、部分的に連通している領域が残っていることがある。この際、部材間に生じた隙間から、充填材の一部が主エア通路S1に漏れることがある。主エア通路S1は、電極針12の針先近傍で開口しているため、この部分から漏れ出したシリコーン樹脂が帯電した電極針12にシリコーン樹脂が析出するおそれがあった。イオン発生装置から突出している電極針12に異物が付着すると、電界を発生する電極と対向電極との間で短絡が発生し易くなり、イオン発生を行なうための充分な電界が得られず、除電性能を低下させるという問題もあった。
これに対して本実施の形態では、上述の通り保持板80とケーシング部材82との間をOリング86で気密に封止できるため、エア経路と高電圧経路との隙間を無くして完全に分離でき、このような問題も回避できる。具体的には、ケーシング部材82に保持板80を挿入し、高電圧配板58を電気接続する等必要な配線を行った後、図10に示すように保持板80の上面に形成される中空部S4に、充填材で充填し、高電圧配板58の上面からコネクタ用端子58Aの部分までを覆う。これによって沿面経路を無くし、完全に絶縁できる。また同時に防塵対策も実現される。充填材にはシリコーン、エポキシ等の樹脂が利用でき、特にシリコーン樹脂は、万一部分放電が内部で起こっても、炭化しないので沿面放電経路が形成されず、好ましい。このように本実施の形態は、エアの通路と高電圧経路とを完全に分離して、シリコーン樹脂の析出を防止できる。
(電極針12)
電極針12は、これを保護するための保護部材35と一体化されて電極組立体36を構成し、この電極組立体36は、ケーシング部材82の第2スリーブ31及び保持板80の第1スリーブ29によって着脱自在に保持される。そして、ケーシング部材82に取り付けられた電極組立体36は、ケーシング部材82から下方に向けて垂下し、電極組立体36の下端部分が対向電極プレート18から外部に露出した状態になる。
(電極組立体36)
電極組立体36の電極針12は、例えばタングステン等から作られており、電極針12は、その先端部及び後端部つまり上端部とを除いた本体部分が、保護部材35によって被覆されている。保護部材35は、電極針12に沿って延びる小径内筒部分40と、小径内筒部分40の下端つまり電極針12の先端部分から径方向外方に広がる円形部分41と、円形部分41の外周縁から上方向に延びる大径外筒部分42とを有する。大径外筒部分42は、円形部分41から上方に延びて、第2スリーブ31の外周面に沿ってこの第2スリーブ31の基端部分まで延び、上端には沿面距離を拡大するためにフランジ43が形成されている。
電極組立体36をケーシング部材82に装着すると、各電極針12が位置決めされると共に、ケーシング部材82の第2スリーブ31の内周面と、保護部材35の内筒部分40の外周面とで、ケーシング部材82の主エア通路S1に連なり且つ主エア通路S1に直交して下方に延びる各電極針12毎の円筒状分岐エア通路45が形成され、この円筒状分岐エア通路45は、保護部材35の円形部分41に形成された複数の貫通孔46を通じて外部と連通している。
すなわち、ケーシング部材82内の主エア通路S1を通るエアは、本体ケースの長手方向に沿って横方向に延びる主エア通路S1に直交して分岐した各円筒状分岐エア通路45及び貫通孔46を通って、各々の電極針12の先端の回りから外部に吐出される。
図10に示すように、保護部材35には、小径内筒部分40の上端に円周溝を有し、この円周溝にはパッキン等の弾性バンド50が装着される。また、保護部材35の円形部分41の上面には、大径外筒部分42の内側に円周溝が形成され、この円周溝にOリング51が装着される。
保護部材35の内筒部分40は、電極組立体36をケーシング部材82に装着したときに、図10に示すように、保持板80の第1スリーブ29の深部まで侵入できる長さ寸法を有する。また、小径内筒部分40の径は、第1スリーブ29の中に密に嵌入することのできる寸法に設定されている。
電極組立体36をケーシング部材82に装着するに際し、ケーシング部材82の第2スリーブ31の外周面には図7に示すように突起55を設け、一方電極組立体36の大径外筒部分42には、図10に示すように突起55を受け入れる斜行スリット56を設けることが好ましい。突起55を斜行スリット56の中に入れた状態で電極組立体36を押し込むことで、電極組立体36及び電極針12を位置決めしつつ、ケーシング部材82に組み付けることができる。
以上の構成により、電極組立体36をケーシング部材82に装着すると、高電圧配板58の接触片59は、電極針12の上端面と圧接して導通状態になる。この電極針12と接触片59との接触部分を含む領域は、保持板80の第1スリーブ29の中に電極組立体36の小径内筒部分40の先端部分が嵌入することにより、ケーシング部材82の密閉空間、つまり主エア通路S1及び円筒状分岐エア通路45から隔絶された独立した密閉空間S2となる。この隔絶状態は、電極組立体36の弾性バンド50によって確かなものになる。
したがって、電極針12の上端露出部分を含む、接触片59との接触部分は、エアの通路となるエア供給ユニット11の主エア通路S1及び円筒状分岐エア通路45から完全に隔離されて、ケーシング部材82内を通るエアの影響を受けることはない。
電極組立体36は電極針12を保持しており、電極針12の後端部は電極組立体36の後端部より突出して高電圧配板58と接触している。保持板80から下方に突出する第1スリーブ29の開口端に、電極組立体36の後端に配置された弾性バンド50を挿入することで、第1スリーブ29の内側に、密閉空間S2を形成する。この密閉空間S2内に高電圧配板58を収納することにより、主エア通路S1のエアが高電圧配板58に接触することを防止できる。
さらに、上述の通り電極組立体36に設けられたOリング51がケーシング部材82の第2スリーブ31の下端と協働して、円筒状分岐エア通路45の気密性を維持している。一方で搬送エアは、主エア通路S1から円筒状分岐エア通路45、貫通孔46を通じて、電極針12先端が配置されている電極組立体36の先端部に送出され、ここから外部へ放出される。
なお、搬送エアを放出するエア放出口は、図10の例では電極針12を小径内筒部分40で密閉して、その周囲に開口した貫通孔46からエアを放出している。この例では、電極針12の先端部が外気に触れる部分とは個別に貫通孔46を形成し、電極針12の先端部を中心とする直径状に離間した位置に2つの貫通孔46を設けている。ただ、この例に限られず、電極針の周囲を密閉せず、電極針に沿って搬送エアを送出する構成とすることもできる。図12に、このような構成に係る電極組立体36Bの例を示す。図12は、ケーシング部材82の第2スリーブ31に装着される電極組立体36Bの断面図であり、電極針12Bの後端を突出させた状態で、部分的に保持し、かつ小径内筒部分40Bの内面を、電極針12Bの外周から離間させて電極針エア通路S5を電極針12Bに沿って形成している。この電極組立体36Bを、放電電極バー200Bに装着する様子を、図13に示す。この図に示すように、電極組立体36Bの上方に形成された小径内筒部分40Bの上端には弾性バンド50Bが設けられており、この部分から放電電極バー200Bの第2スリーブ31Bに挿入する。そして、第1スリーブ29Bの内側に弾性的に押し込み、気密に密閉空間S2を形成する。一方で、電極組立体36Bに設けられたOリング51Bがケーシング部材82Bの第2スリーブ31Bの下端で押圧されて、円筒状分岐エア通路45Bの気密性が図られる。さらに、円筒状分岐エア通路45Bと電極針エア通路S5とを連通する連通口46Cが開口される。連通口46Cは、密閉空間S2に連通しないよう、これよりも下方に開口される。
(シリコン針12a)
さらに、図12及び図13に示す電極針12Bは、先端をシリコン製としている。多くの場合、電極針はタングステンで構成される。電極針は使用と共に摩耗し、摩耗した微細な粉末が空中に飛散される。しかしながら、放電電極バーをシリコンウェハなどを製造するクリーンルームで使用する際、シリコンウェハ上にタングステン等の異質の微細粒子が付着することは、ウェハの特性上好ましくない。そこで、電極針をシリコン製とすることで、摩耗して飛散したとしても、シリコンウェハに対してシリコン粒子という同質の物質とすることで、このような問題を解消できる。
ただ、シリコン製の電極針は、堅い反面、脆いという問題がある。このため電極針を電極組立体に固定する際に破損するおそれがある。これを回避するために、図12の電極組立体36Bでは、電極針12Bの先端をシリコン製とし、後端の電極組立体と固定する部分をステンレス製として、これらを電気的に接続することで、コロナ放電にはシリコン製の電極針を使用しつつ、固定にはステンレス製の電極針を利用することを実現した。この電極針の構成を、図14に示す。図14に示すように、この電極針12Bは、ステンレス製の中空体12cの先端にシリコン針12aを、後端にステンレス軸12bを挿入し、電気的に導通させている。さらに中空体12c内部での導通を得るために、ステンレス製のスプリング12dを挿入し、この部分でもシリコン針12aとステンレス軸12bとの導通を図っている。これにより、シリコンウェハ等を製造する半導体クリーンルーム内に設置可能なイオン化装置を実現できる。
一方、保持板80は、少なくとも高電圧配板58を保持する機能を有している。図15〜図18に、高電圧配板58を保持板80で保持する状態を示す。これらの図において、図15は高電圧配板58と保持板80を下方から見た斜視図、図16は上方から見た斜視図、図17は高電圧配板58を保持した保持板80を上方から見た外観図、図18は下方から見た外観図を、それぞれ示している。これらの図に示す保持板80は、高電圧配板58を保持するに際して、エア経路側、すなわち下面側において、電極組立体36の電極針12が挿入される部分を除き、高電圧配板58がエア経路に表出しないようにするために、高電圧配板58を覆う構造としている。逆にいえば、高電圧配板58はエア経路側で表出しないように被覆すれば足り、上面側、すなわち高電圧経路側では表出していても構わない。高電圧配板58のエア経路側では、電極針12が接触する部分のみ、接触片59を設けてエア経路側の表面で露出しており、その露出部分を取り囲むように第1スリーブ29が形成されている。電極組立体36が第1スリーブ29に装着された際には、この露出部分がエア通路のエアと触れないようにするため、上述の通り弾性バンド50によって密閉空間S2を形成する。
(ブロック図)
図6に示すように、制御回路を含む制御ユニット14は、外部ユニット92として放電電極バーとは別部材に構成され、ケーブル90によってこれらを接続している。次に、放電電極バー200の制御回路を図19のブロック図に示す。図19は、放電電極バー200の制御回路の概要を示すものである。放電電極バー200は、同一の電極針12からプラスイオンとマイナスイオンとが交互に発生するパルスAC式イオン発生方式を採用している。放電電極バー200は、プラス側高電圧発生回路60とマイナス側高電圧発生回路61とを有し、これらの高電圧発生回路60、61で高電圧ユニットが構成されており、この高電圧ユニットは密閉ボックスの中に収容されている。
プラス側高電圧発生回路60とマイナス側高電圧発生回路61は、共に、トランス62、63の一次側コイルに接続された自励発振回路64、65と、二次側コイルに接続された、例えば倍整流回路からなる昇圧回路66、67とを含む。高電圧発生回路60、61と電極針12との間には保護抵抗つまり第1抵抗R1が設けられている。トランス62、63の二次コイルの接地端GNDと、フィールドグランドFGとの間には、第2抵抗R2と第3抵抗R3とが直列に接続され、また、対向電極プレート18とフィールドグランドFGとの間には、第4抵抗R4と上述した第3抵抗R3とが直列に接続されている。
第4抵抗R4を流れる電流をイオン電流検知回路68で検出することにより、電極針12の近傍のイオンバランスを知ることができる。また第3抵抗R3を流れる電流をイオン電流検知回路68で検出することにより、ワークの近傍のイオンバランスを知ることができる。さらに第2抵抗R2を流れる電流を異常放電電流検知回路69で検出することで、電極針12と対向電極プレート18又はフィールドグランドFGとの間の異常放電を検出することができ、CPU14で異常放電と判別したときには、アラーム手段である表示LED70を点灯する等して操作者に異常を知らせることができる。またこの例では、プラス側高電圧発生回路60とマイナス側高電圧発生回路61の一方の電圧値を固定し、他方を可変としているが、両方を可変にしてもよい。
以上、パルスAC式放電電極バー200の回路を説明したが、イオン化装置の給電は、ACであってもDCであってもよい。例えば、プラスイオンとマイナスイオンが同時に発生するSSDC式であってもよく、プラスイオンとマイナスイオンとが交互に発生するパルスDC式であってもよい。
放電電極バーは、複数本を連結して使用することもできる。図6の斜視図の例では、後端面の連結ポート88にケーブル90を介して外部ユニット92を接続している。前方の端面に開口された連結ポートにも、ケーブルを介して他の放電電極バーを連結し、複数の放電電極バーを同期させて使用することもできる。この場合、外部ユニット92に含まれる制御ユニット14は、複数の放電電極バーが接続されたことを検出して、これらを連動して制御できる。また連結される放電電極バーは、同じタイプのものとする他、長さの異なるもの、電極針の数が異なるもの等、異なるタイプの放電電極バーを連結することもできる。
(実施の形態2)
次に、このような放電電極バーを複数連結して長くした実施の形態2に係るイオン化装置について、図20〜図24に基づいて説明する。図20は、実施例2に係るイオン化装置の外観を示す斜視図、図21は分解斜視図、図22はケーシング部材82を下方から見た斜視図、図23はケーシング部材82を上方から見た斜視図、図24はケーシング部材82同士の連結部分を示す拡大図を、それぞれ示している。これらの図に示すイオン化装置は、実施の形態1と同じ部材については同じ符号を付しており、詳細説明は省略する。図20において、第2スリーブ31には各々電極組立体36が装着されている。
このイオン化装置は、3つの電極針12を有するケーシング部材82に、4つの電極針12を有するケーシング部材82を連結し、全体として7つの電極針12を有する放電電極バーを構成している。このようにイオン化装置の内部ではケーシング部材82を複数連結し、外部は一体物の外ケース84と対向電極プレート18で構成する。これによって、連結部分の強度を維持しつつイオン化装置が大型化する事態を回避できる。単に放電電極バー同士を連結する構成では、連結部分の機械的な補強が必要となり、金属プレート等で補強する結果装置が重く大きくなるという問題がある。これに対して本実施の形態では、外ケース84と対向電極プレート18を、連結後のケーシング部材82を挿入できる長さに設計し、これらの内部でケーシング部材82同士を連結する構成としている。
この方法であれば、本体ケース内部に配置するケーシング部材82を共通化し、これらを複数本組み合わせて所望の数の電極針12とできると共に、ケーシング部材82を収納する外ケース84や対向電極プレート18のみを、それぞれ放電電極バーの長さに応じたものに設計することで対応できる。この結果、要求される放電電極の数に応じてケーシング部材82や保持板80、高電圧配板58を設計せずとも、内部部材を共通化してコストを低減する。一方で、外ケース84等は一体物を使用することで強度を確保し、部材の大型化を回避している。特に対向電極プレート18は、ステンレス等の金属板で構成できるので、薄くとも十分な強度を発揮でき、放電電極バーの補強が図られる。
このケーシング部材82は、ケーシング部材82同士の連結部でも主エア通路S1と高電圧経路とを確実に分離できるよう、連結ポート88の形状を、搬送エア用のエアポート89Aと高電圧経路用の高電圧ポート89Aとに分離している。これによって、主エア通路S1と高電圧経路とが物理的に隔離されるので、両者間の絶縁が確実に保たれる。エアポート89Aと高電圧ポート89Aとは、Oリング87A、87Bを介してそれぞれのエアポート89Aと高電圧ポート89Aに連結される。さらに、連結部分での強度を補強するために、好ましくは連結板98を装着する。連結板98は側面を折曲して剛性を増した金属板等が利用でき、ケーシング部材同士の連結部分を跨いだ状態でネジ止めなどにより固定される。これによって、連結部分の機械的強度が補強される。特に、プラスチック製のケーシング部材を使用する場合、金属製の連結板98で補強することで連結部分の強度が大幅に向上する。また、周囲の全面に連結板98を設けず、部分的に固定することで、この部分が肥大化したり重くなることを回避できる。特にプラスチック製のケーシング部材とすることで軽量化を図った放電電極バーの利点を維持しつつ、強度面での信頼性を高めることができる。なお図21の例では、連結板98はケーシング部材の下面のみに設けているが、上面側や側面に設けてもよい。あるいは2面等、複数面に設けてもよいが、連結板を多く、あるいは大きくするほど放電電極バーの軽量化、小型化が損なわれるため、強度面とのバランスを考慮して設計される。
(実施の形態3)
また、以上の例では制御ユニット14を放電電極バーから分離して外付けとしている。ただ、放電電極バーに制御ユニット14を内蔵させることもできる。制御ユニット内蔵型のイオン化装置の例を、図25の断面図に示す。この図に示すように、保持板80の上方の空間の空間を利用し、ここに回路部材を配置することで制御ユニット14やエア供給ユニット11を一体的に放電電極バーに組み込んでいる。また漏電対策のため、高圧電源回路等を組み込んだ制御ユニット14を構成後、シリコーン樹脂等の充填材で充填することが好ましい。これにより、イオン化装置は放電電極バー単体で使用可能となる。
以上のように、本実施の形態に係るイオン化装置は、簡素な構成でシール性を確保しながら装置の小型化を実現することに成功した。特に上記の例では、Oリング86で保持板80とケーシング部材82とを気密に連結することによって、主エア通路S1と高電圧経路とを隔離している。この構成によれば、複数枚の部材を組み合わせて絶縁していた構成を、一枚の保持板80で実現できるので、高さ方向での小型化が図られる上、部品点数を少なくして工程も低減し省力化、低コスト化も図られる。
本発明のイオン化装置は、空気中の静電気制御又は帯電したワークの除電を行うイオナイザ等の除電器として好適に適用できる。
除電装置の構成を示す回路図である。 従来のイオン化装置の外観を示す斜視図である。 図2のイオン化装置の分解斜視図である。 図2のイオン化装置の断面図である。 図2のイオン化装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るイオン化装置の外観を示す斜視図である。 図6のイオン化装置の斜め上方から見た分解斜視図である。 図6のイオン化装置の斜め下方から見た分解斜視図である。 図6のイオン化装置の長手方向における縦断面図である。 図6のイオン化装置の長手方向における横断面図である。 イオン化装置を従来よりも薄型化した構成を示す断面図である。 他の電極組立体の例を示す断面図である。 図12の電極組立体を、放電電極バーに装着する様子を示す断面図である。 図12の電極針の構成を示す断面図である。 高電圧配板と保持板を下方から見た斜視図である。 高電圧配板と保持板を上方から見た斜視図である。 高電圧配板を保持した保持板を上方から見た外観図である。 高電圧配板を保持した保持板を下方から見た外観図である。 イオン化装置の制御回路を示すブロック図である。 本発明の実施例2に係るイオン化装置の外観を示す斜視図である。 図20のイオン化装置の分解斜視図である。 図21のイオン化装置のケーシング部材を示す斜視図である。 図21のケーシング部材を上方から見た斜視図である。 図22のケーシング部材の連結部分を示す拡大図である。 本発明の実施の形態3に係るイオン化装置の縦断面図である。
符号の説明
100…放電電極バー
200…イオン化装置
200B…放電電極バー
300…イオン化装置
1…放電電極
2…高圧電源部
2A…高圧トランス
3…カップリングコンデンサ
10…本体ケース
11…エア供給ユニット
12、12B…電極針
12a…シリコン針
12b…ステンレス軸
12c…中空体
12d…スプリング
13…高電圧ユニット
14…制御ユニット
18…対向電極プレート
18A…突出部
25…支持プレート
26…溝
27、28…連続リブ
29、29B…第1スリーブ
30…ボックス状部材
31、31B…第2スリーブ
32…円周フランジ
35…保護部材
36、36B…電極組立体
40、40B…小径内筒部分
41…円形部分
42…大径外筒部分
43…フランジ
45、45B…円筒状分岐エア通路
46…貫通孔
46C…連通口
50、50B…弾性バンド
51、51B…Oリング
55…突起
56…斜行スリット
57…固定プレート
58…高電圧配板
58A…コネクタ用端子
59…接触片
60…プラス側高電圧発生回路
61…マイナス側高電圧発生回路
62…トランス
64…自励発振回路
66…昇圧回路
68…イオン電流検知回路
69…異常放電電流検知回路
70…表示LED
80…保持板
81…爪
81A…突起
82、82A、82B…ケーシング部材
82a…溝
84…外ケース
85…端面板
85A…スリット
86…Oリング
87A…Oリング
87B…Oリング
88、88B…連結ポート
89A…エアポート
89B…高電圧ポート
90…ケーブル
92…外部ユニット
94…下端面部材
94A…スリット
95…ナット
96…ネジ
97…ネジ
98…連結板
S1…主エア通路
S2…密閉空間
S3…高電圧経路
S4…中空部
S5…電極針エア通路

Claims (6)

  1. 高電圧を印加するための高電圧配板と、
    前記高電圧配板を、配電に必要な領域を除いて気密状態に保持する保持板と、
    後端を前記高電圧配板と電気的に接続されて、先端から正負いずれかに帯電したイオンを放出するための電極針と、
    前記保持板を収納するケーシング部材と、
    を備えるイオン化装置であって、
    前記保持板の上端が、前記ケーシング部材の上端とほぼ同じか、これよりも低い内側に位置してなることを特徴とするイオン化装置。
  2. 請求項1に記載のイオン化装置であって、
    前記保持板が、前記高電圧配板をインサート成型してなることを特徴とするイオン化装置。
  3. 請求項1又は2に記載のイオン化装置であって、
    前記保持板と前記ケーシング部材とがOリングを介して封止されてなることを特徴とするイオン化装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一に記載のイオン化装置であって、
    前記高電圧配板が前記電極針の後端と電気接続するための接触片を備えており、
    前記接触片が一対の対向面を形成するように前記高電圧配板から突出してなることを特徴とするイオン化装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一に記載のイオン化装置であって、さらに、
    高電圧を制御する制御ユニットを備え、
    前記制御ユニットが、ケーブルを介して前記ケーシング部材と接続されてなることを特徴とするイオン化装置。
  6. 請求項1から4のいずれか一に記載のイオン化装置であって、
    前記ケーシング部材が前記制御ユニットを内蔵していることを特徴とするイオン化装置。
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