JP2007139908A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウォーミングアップ時間の短縮化、および、省電力化を図るとともに、様々な定着条件においても良好な定着性を得ることができる定着装置および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】互いに圧接しながら回転する定着ローラ91および加圧ローラ92を備え、定着ローラ91は、円筒状の基部91Aと、基部91A上に設けられ、通電により発熱する発熱層91Bとを有し、未定着像を担持する記録媒体を定着ローラ91と加圧ローラ92との間に通過させながら加熱・加圧することにより、未定着像を記録媒体に定着させる定着装置であって、定着ローラ91の軸線方向での発熱層91Bに対する通電位置を変更することにより、同方向における発熱層91Bの異なる少なくとも2つの配熱分布を設定可能な配熱分布設定手段を有し、配熱分布設定手段は、定着条件に基づいて、定着ローラ91の軸線方向における発熱層91Bの配熱分布を変更する。
【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を採用するプリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置には、トナーにより形成されたトナー像を未定着状態で担持する紙等の記録媒体を加熱および加圧することにより、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着装置が備えられている(例えば、特許文献1参照。)。
このような定着装置は、一般に、熱源を有する回転可能な定着ローラと、これに圧接しながら回転する加圧ローラとの間に、未定着像を担持する紙等の記録媒体を通紙しながら、前記記録媒体を加熱および加圧して、前記記録媒体上に形成されたトナー像を前記記録媒体に定着させる。
例えば、特許文献1にかかる定着装置では、定着ローラとして、円筒状の基部の外周面上に帯状の抵抗パターンで構成された発熱層を形成したものを用い、この発熱層に通電することにより、発熱層を昇温させ、記録媒体を加熱する。このような定着ローラを用いると、発熱層が直接的に基部や記録媒体を加熱するので、熱伝導効率に優れ、省電力化を図るとともに、定着ローラ全体を迅速に昇温させて、ウォーミングアップ時間の短縮化を図ることができる。
また、特許文献1にかかる定着装置では、発熱層を構成する抵抗パターンの形状により、定着ローラの長手方向における発熱層の配熱分布を設定している。具体的には、定着ローラの長手方向における端部の発熱量を中央部の発熱量よりも大きくすることにより、前記端部での熱の逃げを補って、定着ローラの長手方向での全域に亘って温度の均一化を図っている。
しかしながら、特許文献1における定着装置において、前述したような配熱分布は、製造時に予め設定され定着時に変更することができないため、定着ローラの長手方向での温度分布を適切なものとするように設定することが難しい。そのため、定着に供される記録媒体のサイズなどの定着条件によっては、定着ローラの長手方向での温度分布が不適切となる場合があった。
例えば、小サイズ紙の連続定着処理時に、定着ローラの非通紙領域では記録媒体によって熱が奪われないため、定着ローラの長手方向での端部が過昇温してしまう場合がある。その結果、小サイズ紙の連続定着処理時の後に大サイズ紙を定着処理した際に、ホットオフセットのような定着不良を生じる場合がある。
特開平6−332331号公報
本発明の目的は、ウォーミングアップ時間の短縮化、および、省電力化を図るとともに、様々な定着条件においても良好な定着性を得ることができる定着装置および画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の定着装置は、互いに圧接しながら回転する1対のローラを備え、
前記1対のローラのうちの一方のローラは、円筒状の基部と、該基部上にその周面に沿って設けられ、通電により発熱する発熱層とを有し、
前記一方のローラの軸線方向での前記発熱層に対する通電位置を変更することにより、同方向における前記発熱層の異なる少なくとも2つの配熱分布を設定可能な配熱分布設定手段を有し、
前記配熱分布設定手段は、定着条件に基づいて、前記一方のローラの軸線方向における前記発熱層の配熱分布を変更することを特徴とする。
これにより、定着条件に応じて、ローラ(定着ローラ)の軸線方向における発熱層の配熱分布を最適化し、良好な定着性を得ることができる。
また、基部の外周面上に発熱層が設けられているため、ローラを定着に必要な温度に迅速に昇温させることができる。すなわち、ウォーミングアップ時間の短縮化を図ることができる。
また、基部の外周面上に発熱層が設けられているため、発熱層から記録媒体への熱伝導効率が極めて高く、定着装置の省電力化を図ることができる。
本発明の定着装置では、前記発熱層は、帯状の抵抗パターンで構成されていることが好ましい。
これにより、抵抗パターンの幅や厚さの設定により、定着に適した発熱量の発熱層を簡単に形成することができる。
本発明の定着装置では、前記抵抗パターンは、前記基部の外周面に沿って螺旋状をなしていることが好ましい。
これにより、発熱層の形成に際し、高価な成膜装置を用いずに、帯状部材を基材の外周面上に巻くだけで、発熱層を簡単に形成することができる。その結果、定着装置の低コスト化を図ることができる。
本発明の定着装置では、前記抵抗パターンの幅は、前記抵抗パターンの長手方向のほぼ全域に亘って、ほぼ単一であることが好ましい。
これにより、発熱層を形成するための帯状部材が簡単な形状となるため、発熱層の製造コストを安価なものとすることができる。
本発明の定着装置では、前記抵抗パターンは、Fe−Cr−Al合金を主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、発熱層を構成する抵抗パターンをその発熱に必要な電気抵抗としつつ、基部の外周面のほぼ全体を発熱層で覆うことができる。
本発明の定着装置では、前記抵抗パターンの外周面には、Alを主材料として構成された絶縁層が形成されていることが好ましい。
これにより、発熱層の製造に際し、発熱層を構成する帯状の抵抗パターンを熱処理するだけで、発熱層の表面に絶縁層を比較的簡単に形成することができる。このような絶縁層は、発熱層を構成する帯状の抵抗パターン同士の短絡(特に幅方向での短絡)を防止する。
本発明の定着装置では、前記配熱分布設定手段は、前記一方のローラの軸線方向での互いに異なる位置で前記発熱層に接続された3つ以上の電極と、定着条件に基づいて、前記3つ以上の電極から選択された電極間に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、該電圧印加手段の作動により、定着条件に基づいて、前記一方のローラの軸線方向における前記発熱層の配熱分布を変更することが好ましい。
これにより、比較的簡単な構成で、発熱層の配熱分布を変更することができる。
本発明の定着装置では、前記3つ以上の電極は、前記一方のローラの軸線方向での両端部に設けられた1対の第1の電極と、前記一方のローラの軸線方向で前記1対の第1の電極よりも内側に設けられた1対の第2の電極とを含むことが好ましい。
これにより、ローラの軸線方向での中央部の発熱量と両端部の発熱量とを定着条件に応じて所望のものとすることができる。
本発明の定着装置では、前記電圧印加手段は、前記1対の第1の電極間に電圧を印加する第1の状態と、前記1対の第2の電極間に電圧を印加する第2の状態とを定着条件に基づいて切り換えるよう構成されていることが好ましい。
これにより、ローラの通紙領域と非通紙領域とでの配熱分布を異ならせて、ローラの温度分布を最適化することができる。例えば、小サイズ紙の定着処理時には、第2の状態とし、ローラの非通紙領域の過昇温を防止することができる。また、大サイズ紙の定着処理時には、第1の状態とし、ローラの通紙領域をその全域に亘って均一な温度とすることができる。
本発明の定着装置では、前記電圧印加手段は、前記第2の状態において、前記1対の第1の電極のうちの一方の電極と前記1対の第2の電極のうちの当該一方の電極に近い側の電極との間と、前記1対の第1の電極のうちの他方の電極と前記1対の第2の電極のうちの当該他方の電極に近い側の電極との間とにそれぞれ電圧を、前記1対の第2の電極間に印加する電圧と独立して印加することが好ましい。
これにより、ローラの軸線方向での中央部の発熱量と両端部の発熱量とを異ならせるとともに、ローラの軸線方向での端部の発熱量を定着条件に応じて所望のものとすることができる。
本発明の定着装置では、前記3つ以上の電極は、前記ローラの軸線方向で前記1対の第2の電極よりも内側に設けられた1対の第3の電極をさらに含むことが好ましい。
これにより、ローラの軸線方向での配熱分布を定着条件に応じてより細かに設定することができる。
本発明の定着装置では、前記電圧印加手段は、前記1対の第1の電極間に電圧を印加する第1の状態と、前記1対の第2の電極間に電圧を印加する第2の状態と、前記1対の第3の電極間に電圧を印加する第3の状態とを定着条件に基づいて切り換えるよう構成されていることが好ましい。
これにより、大きさの異なる2種の小サイズ紙について、それぞれの定着処理時に、ローラの非通紙領域の過昇温を確実に防止するとともに、ローラの通紙領域をその全域に亘って均一な温度とすることができる。
本発明の定着装置では、前記3つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極は、前記一方のローラの内周面に接触して設けられ、前記基部に形成された貫通孔を通じて、前記発熱層に接続されていることが好ましい。
これにより、ローラ(定着ローラ)の軸線方向における発熱層の配熱分布を比較的簡単に最適化し、良好な定着性を得ることができる。
本発明の定着装置では、前記3つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極は、円柱状または円筒状をなし、前記一方のローラの内周面に嵌合していることが好ましい。
これにより、ローラの外表面を定着に適した状態としつつ、発熱層の各部に通電を行うことができる。
本発明の定着装置では、前記定着条件は、定着に供される記録媒体の厚さ、定着に供される記録媒体の幅、連続定着回数のうちの少なくとも1つであることが好ましい。
これにより、基部をその内周面側から支持して、ローラの強度の向上を図ることができる。そのため、基部をより薄肉化して、その熱容量を低減することができる。その結果、定着装置の省電力化や、ウォーミングアップ時間の短縮化を大幅に図ることができる。
本発明の画像形成装置は、露光・現像・転写・定着の一連の画像形成プロセスにより、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
本発明の定着装置を備えることを特徴とする。
これにより、ウォーミングアップ時間の短縮化、および、省電力化を図るとともに、様々な定着条件においても良好な定着性を得ることができる。
以下、本発明の定着装置および画像形成装置の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<画像形成装置>
まず、本発明の画像形成装置、すなわち本発明の定着装置を備える画像形成装置を簡単に説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置の1実施形態を示す全体構成の模式的断面図である。
図1に示す本実施形態の画像形成装置10は、主として露光・現像・転写・定着を含む一連の画像形成プロセスによって画像を記録媒体に記録するものである。このような画像形成装置10は、図1に示すように、静電的な潜像を担持し図示矢印方向に回転する感光体20を有し、その回転方向に沿って順次、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像ユニット50、一次転写ローラ60、クリーニングユニット75が配設されている。また、画像形成装置10は、図1にて下部に、紙などの記録媒体Pを収容する給紙トレイ82が設けられ、その給紙トレイ82に対して記録媒体Pの搬送方向下流に、二次転写ローラ80、定着装置90が記録媒体Pの搬送方向に沿って順次配設されている。また、画像形成装置10には、記録媒体の両面に画像を形成する場合に、定着装置90によって一方の面に定着処理された記録媒体Pを表裏反転させて二次転写ローラ80へ帰還させるための搬送部88が設けられている。
感光体20は、円筒状の導電性基材(図示せず)と、その外周面に形成された感光層(図示せず)とを有し、その軸線まわりに図1中矢印方向に回転可能となっている。
帯電ユニット30は、コロナ帯電などにより感光体20の表面を一様に帯電するための装置である。
露光ユニット40は、図示しないパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータから画像情報を受けこれに応じて、一様に帯電された感光体20上に、レーザを照射することによって、静電的な潜像を形成する装置である。
現像ユニット50は、ブラック現像装置51と、マゼンタ現像装置52と、シアン現像装置53と、イエロー現像装置54との4つの現像装置を有し、これらの現像装置を感光体20上の潜像に対応して選択的に用いて、前記潜像をトナー像として可視化する装置である。ブラック現像装置51はブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52はマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53はシアン(C)トナー、イエロー現像装置54はイエロー(Y)トナーを用いて現像を行う。
本実施形態におけるYMCK現像ユニット50は、前述の4つの現像装置51、52、53、54を選択的に感光体20に対向するように、回転可能となっている。具体的には、このYMCK現像ユニット50は、軸50aを中心として回転可能な保持体55の4つの保持部55a、55b、55c、55dにそれぞれ4つの現像装置51、52、53、54が保持されており、保持体55の回転により、4つの現像装置51、52、53、54が相対位置関係を維持したまま、感光体20に選択的に対向するようになっている。
中間転写体61は、エンドレスベルト状の中間転写ベルト70を有し、この中間転写ベルト70は、一次転写ローラ60、従動ローラ72、駆動ローラ71で張架されており、駆動ローラ71の回転により、図1に示す矢印方向に、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
一次転写ローラ60は、感光体20に形成された単色のトナー像を中間転写ベルト70に転写するための装置である。
中間転写ベルト70上には、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのうちの少なくとも1色のトナー像が担持され、例えばフルカラー画像の形成時に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のトナー像が順次重ねて転写されて、フルカラーのトナー像が形成される。本実施形態では、駆動ローラ71が、後述する二次転写ローラ80のバックアップローラとしても機能する。また、一次転写ローラ60、駆動ローラ71、従動ローラ72は、基体73によって支持されている。
二次転写ローラ80は、中間転写ベルト70上に形成された単色やフルカラーなどのトナー像を、紙、フィルム、布等の記録媒体Pに転写するための装置である。
定着装置90は、前記トナー像の転写を受けた記録媒体Pを加熱および加圧することにより、前記トナー像を記録媒体Pに融着させて永久像として定着させるための装置である。なお、定着装置90については、後に詳述する。
クリーニングユニット75は、一次転写ローラ60と帯電ユニット30との間で感光体20の表面に当接するゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ローラ60によって中間転写ベルト70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
搬送部88は、定着装置90によって一方の面に定着処理された記録媒体Pを挟持搬送する搬送ローラ対88A、88Bと、搬送ローラ対88A、88Bによって搬送される記録媒体Pを表裏反転しつつレジローラ86へ向け案内する搬送路88Cとを備えている。これにより、記録媒体の両面に画像形成する場合に、定着装置90によって一方の面に定着処理された記録媒体Pを表裏反転して二次転写ローラ80へ帰還させる。
次に、このように構成された画像形成装置10の動作を説明する。
まず、図示しないホストコンピュータからの指令により、感光体20、現像ユニット50に設けられた現像ローラ(図示せず)、および中間転写ベルト70が回転を開始する。そして、感光体20は、回転しながら、帯電ユニット30により順次帯電される。
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が前記領域に形成される。
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。このとき、YMCK現像ユニット50は、イエロー現像装置54が、前記現像位置にて感光体20と対向している。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置(すなわち、感光体20と一次転写ローラ60との対向部)に至り、一次転写ローラ60によって、中間転写ベルト70に転写(一次転写)される。このとき、一次転写ローラ60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。なお、この間、二次転写ローラ80は、中間転写ベルト70から離間している。
前述の処理と同様の処理が、第2色目、第3色目および第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した各色のトナー像が、中間転写ベルト70に重なり合って転写される。これにより、中間転写ベルト70上にはフルカラートナー像が形成される。
一方、記録媒体Pは、給紙トレイ82から、給紙ローラ84、レジローラ86によって二次転写ローラ80へ搬送される。
中間転写ベルト70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写ベルト70の回転に伴って二次転写位置(すなわち、二次転写ローラ80と駆動ローラ71との対向部)に至り、二次転写ローラ80によって記録媒体Pに転写(二次転写)される。このとき、二次転写ローラ80は中間転写ベルト70に押圧されるとともに二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。
記録媒体Pに転写されたフルカラートナー像は、定着装置90によって加熱および加圧されて記録媒体Pに融着される。その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対87によって画像形成装置10の外部へ排出される。
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75のクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット75内の残存トナー回収部に回収される。
記録媒体の両面に画像形成する場合には、定着装置90によって一方の面に定着処理された記録媒体Pを一旦排紙ローラ対87により挟持した後に、排紙ローラ対87を反転駆動するとともに、搬送ローラ対88A、88Bを駆動して、当該記録媒体Pを搬送路88Cを通じて表裏反転して二次転写ローラ80へ帰還させ、前述と同様の動作により、記録媒体Pの他方の面に画像を形成する。
<定着装置>
ここで、本発明にかかる定着装置90を図2ないし図6に基づいて詳細に説明する。
図2は、定着装置90の好適な実施形態を示す模式的断面図、図3は、図2におけるA−A線断面図、図4は、図3に示す定着装置に備えられた発熱層および電極を説明するための拡大断面図、図5は、図3に示す定着装置に備えられた電圧印加手段(通電回路)の構成を説明するための図、図6は、図5に示す電圧印加手段(通電回路)の動作を説明するためのフローチャートである。
定着装置90は、図2に示すように、熱源を有する定着ローラ91と、この定着ローラ91に圧接する加圧ローラ92と、定着ローラ91の熱源へ通電するための6つの電極93A〜93Fと、定着ローラ91の温度を検知するための温度検知体94と、定着ローラ91および加圧ローラ92のそれぞれの周面の一部を覆うカバー95と、電極93A〜93Fへの通電状態を切り換える通電回路(電圧印加手段)96とを有している。
この定着装置90は、定着ローラ91および加圧ローラ92の圧接により形成されるニップ部Nに対し、図2にて下方から、未定着像を担持する記録媒体がニップ部Nへ搬送され、前記記録媒体を加熱および加圧することにより、前記未定着像を前記記録媒体に定着させる。本実施形態では、ニップ部Nに搬送される記録媒体は定着ローラ91側に未定着像を担持している。
互いに圧接回転する1対のローラのうちの一方のローラである定着ローラ91は、円筒状をなし、その軸線まわりに回転可能に設けられている。
このような定着ローラ91は、図2ないし図4に示すように、円柱状をなす金属製の基部(芯金)91Aと、基部91Aの外周面を覆う発熱層91Bと、発熱層91Bの外周面を覆う弾性層91Cと、弾性層91Cの外周面を覆う離型層91Dとを有している。
基部91Aは、円筒状をなし、例えば鉄やアルミニウム合金などの金属で構成されている。なお、基部91Aの構成材料としては、樹脂やセラミックスなどの絶縁材料を用いることもできる。
そして、基部91Aには、後述する発熱層91Bと電極93C〜93Fとを接続するための貫通孔91A1が形成されている。
このような基部91Aの厚さは、特に限定されないが、基部91Aに必要な強度を確保しつつ、熱容量をできるだけ小さくすることが好ましい。具体的には、基部91Aの厚さは、基部91Aの構成材料などによっても異なるが、0.1〜3mmであるのが好ましく、0.2〜1mmであるのがより好ましい。これにより、定着ローラ91の耐久性を優れたものとしつつ、基部91Aの熱容量を低減して、ウォーミングアップ時間を短縮することができる。
本実施形態では、基部91Aの表面には、図4に示すように、絶縁層91Fが形成されている。この絶縁層91Fは、後述する発熱層91Bを構成する帯状の抵抗パターン同士の幅方向での短絡や、電極93C〜93F間での短絡を防止するためのものである。なお、基部91Aの構成材料や、発熱層91Bや電極93C〜93Fの構成などによっては、絶縁層91Fを省略することができる。
絶縁層91Fは、例えば、ポリイミド等の耐熱性樹脂、SiO等で構成されている。また、絶縁層91Fの厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜100μmであることが好ましく、30〜50μmであることがより好ましい。
このような絶縁層91F(基部91Aの外周側に形成された部分)を介して、前述した基部91Aの外表面をその全周に亘って覆うように発熱層91Bが形成されている。
発熱層91Bは、図4に示すように、帯状の抵抗パターンが螺旋状をなすように基部91Aの外周面上に巻回されている。このように構成すると、発熱層91Bの製造に際し、高価な成膜装置を用いずに、後述するような発熱層91Bの構成材料で構成された帯状部材を基部91Aの外周面上に巻くだけで、発熱層91Bを簡単に形成することができる。その結果、定着装置90の低コスト化を図ることができる。また、発熱層91Bが帯状の抵抗パターンで構成されていると、抵抗パターンの幅や厚さの設定により、定着に適した発熱量の発熱層91Bを簡単に形成することができる。
発熱層91Bの構成材料、すなわち発熱層91Bを構成する抵抗パターンの構成材料は、特に限定されないが、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、カーボン系材料、チタン酸バリウム系セラミック(BaTiO)、Fe−Cr−Al系合金、Ni−Cr系合金等が挙げられる。
中でも、発熱層91Bの構成材料としては、Fe−Cr−Al系合金が好ましい。すなわち、発熱層91Bを構成する抵抗パターンは、Fe−Cr−Al系合金を主材料として構成されているのが好ましい。これにより、発熱層91Bを構成する抵抗パターンをその発熱に必要な電気抵抗としつつ、基部91Aの外周面のほぼ全体を発熱層91Bで覆うことができる。また、発熱層91BをFe−Cr−Al系合金を主材料として構成すると、発熱層91Bの製造に際し、発熱層91Bを構成する帯状の抵抗パターンを熱処理するだけで、後述する絶縁層91Gを比較的簡単に形成することができる。
また、発熱層91Bの構成材料として、ITO、カーボン系材料、BaTiO等、自己温度調節機能(PTC)を有する材料を用いると、例えばサーモスタット等の温度制御装置等を介することなく温度調節が可能である。また、温度制御装置を省略することができ、よって、定着装置90の小型化、省電力化を図ることが可能になる。
また、自己温度調節機能を有する材料は、電圧を印加すると、ジュール熱により、当該材料自体の温度が上昇するが、一旦所定温度に到達すると電気抵抗が急激に高くなり、すなわち、電流が抑えられ、前記所定温度を維持することができる。このように、自己温度調節機能を有する材料は、所定温度以上に発熱することが防止され、安全性にも優れている。
発熱層91Bの厚さ(帯状の抵抗パターンの厚さ)は、発熱層91Bの構成材料や発熱層91Bに必要な発熱量などによって適宜選択され、特に限定されないが、例えば、0.01〜500μmであるのが好ましく、1〜100μmであるのがより好ましく、20〜70μmであるのがさらに好ましい。
また、発熱層91Bを構成する帯状の抵抗パターンの幅は、発熱層91Bの構成材料や発熱層91Bに必要な発熱量などによって適宜選択され、特に限定されないが、例えば、1〜100mmであるのが好ましく、5〜50mmであるのがより好ましく、5〜30mmであるのがさらに好ましい。
また、抵抗パターンの幅は、抵抗パターンの長手方向のほぼ全域に亘って、ほぼ単一であるのが好ましい。これにより、発熱層91Bを形成するための帯状部材が簡単な形状となるため、発熱層91Bの製造コストを安価なものとすることができる。
また、発熱層91Bの形成方法としては、前述した帯状部材を基部91Aの外周面上に巻き付ける方法以外にも、特に限定されず、例えば、スプレー熱分解法、スパッタリング、ディッピング法等の各種成膜法を用いることができる。
このような発熱層91Bを構成する帯状の抵抗パターンの表面には、絶縁層91Gが形成されている。この絶縁層91Gは、発熱層91Bを構成する帯状の抵抗パターン同士の短絡(特に幅方向での短絡)を防止するためのものである。すなわち、定着ローラ91にその端部から巻回された帯状の抵抗パターンのn周目の部分とn−1周目および/またはn+1周目の部分との接触による短絡を防止することができる(n:2以上の自然数)。なお、発熱層91Bを構成する帯状の抵抗パターン同士の短絡を防止することができれば、絶縁層91Gは、抵抗パターンの表面全体に形成されていなくてもよい。
また、絶縁層91Gは、前述した基部91Aに形成された貫通孔91A1に対応する部位が欠損している(除去されている)。これにより、その欠損部で発熱層91Bを露出させ、貫通孔91A1を通じて発熱層91Bと電極93C〜93Fとを電気的に接続することができる。
また、絶縁層91Gは、発熱層91Bの軸線方向での両端部における外周側の部分が欠損している。これにより、発熱層91Bと電極93A、93Bとを電気的に接続することができる。
ここで、電極93A〜93Fを詳細に説明する。
1対の第1の電極である電極93A、93Bは、深溝玉軸受のような形態をなしている。このような電極93A、93Bは、各内輪の内周面が、発熱層91Bの軸線方向での端部にてその外周面に嵌合し、また、各外輪が通電回路96に接続されている。これにより、定着ローラ91の回転を許容しつつ、発熱層91Bに電圧を印加することができる。このような電極93A、93Bは、発熱層91Bの軸線方向での全域に電圧を印加するように配置されている。
1対の第2の電極である電極93C、93Dも、前述した電極93A、93Bと同様に、深溝玉軸受のような形態をなしている。このような電極93C、93Dは、各外輪の外周面が、基部91Aの内周面に絶縁層91Fを介して嵌合し、また、各内輪が通電回路96に接続されている。これにより、定着ローラ91の回転を許容しつつ、発熱層91Bに電圧を印加することができる。このような電極93C、93Dは、1対の電極93A、93B間の内側の範囲で、発熱層91Bに電圧を印加するように配置されている。
1対の第3の電極である電極93E、93Fも、前述した電極93A、93Bと同様に、深溝玉軸受のような形態をなしている。このような電極93E、93Fは、前述した電極93C、93Dと同様に、各外輪の外周面が、基部91Aの内周面に絶縁層91Fを介して嵌合し、また、各内輪が通電回路96に接続されている。これにより、定着ローラ91の回転を許容しつつ、発熱層91Bに電圧を印加することができる。このような電極93E、93Fは、1対の電極93C、93D間の内側の範囲で、発熱層91Bに電圧を印加するように配置されている。
また、本実施形態では、電極93A、93Bは、定着ローラ91を回転自在に支持する軸受としての機能も有する。これにより、定着ローラ91を支持するための軸受を別途設ける必要がないので、定着装置90の部品点数を低減して、低コスト化を図ることができる。また、定着ローラ91の軸線方向での長さを抑えて、定着装置90および画像形成装置10の小型化を図ることができる。
また、前述したような電極93A〜93Fは、いずれも、深溝玉軸受のような形態をなしているため、定着ローラ91の回転を円滑なものとしつつ発熱層91Bに通電することができるとともに、耐久性に優れる。
また、電極93C〜93Fは、定着ローラ91の内周面に接触して設けられ、基部91Aに形成された貫通孔91A1を通じて、発熱層91Bに接続されているので、定着ローラ91の外表面を定着に適した状態としつつ、発熱層91Bの各部に通電を行うことができる。
また、電極93C〜93Fは、円柱状または円筒状をなし、定着ローラ91の内周面に嵌合しているので、基部91Aをその内周面側から支持して、定着ローラ91の強度の向上を図ることができる。そのため、基部91Aをより薄肉化して、その熱容量を低減することができる。その結果、定着装置90の省電力化や、ウォーミングアップ時間の短縮化を大幅に図ることができる。
また、前述したような電極93A〜93Fの構成材料としては、前述したような機能を発揮することができるものであれば、特に限定されないが、例えば、鉄、ステンレスなどの金属が好適に用いられる。中でも、電極93A〜93Fの構成材料としては、電極93A〜93Fの熱膨張による基部91Aの変形を防止するという観点から、熱膨張率のできるだけ低い金属を用いるのが好ましい。また、電極93A〜93Fの構成材料としては、前述したような変形に加えて電極93C〜93Fの熱膨張量と基部91Aとの熱膨張量との差による電極93A〜93Fと基部91Aとの間の接触不良を防止するという観点から、基部91Aの構成材料との熱膨張率の差ができるだけ小さいもの(ほぼ同じもの)が好ましい。
以上のような電極93A〜93Fを通じて通電される発熱層91Bの外周面には、電極93A、93Bの設置部位を除いて、弾性層91Cが形成されている。
弾性層91Cの構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、弾性層91Cの構成材料としては、例えば、Siゴム、EPDM、フッ素ゴムなどを好適に用いることができる。
また、弾性層91Cの厚さは、後述する加圧ローラ92の弾性層92Bの厚さより小さいのが好ましい。より具体的には、弾性層91Cの厚さとしては、特に限定されないが、例えば、0.1〜3mmであるのが好ましく、0.5〜1.5mmであるのがより好ましい。これにより、図2に示すように、加圧ローラ92側が凹湾曲面をなすようなニップ部Nを確実に形成することができる。また、弾性層91Cの耐久性と、発熱層91Bから定着ローラ91の外周面への熱伝導性とを優れたものとすることができる。
このような弾性層91Cの外周面には、離型層91Dが形成されている。
また、離型層91Dの厚さは、10〜80μmであるのが好ましく、20〜50μmであるのがより好ましい。これにより、離型層91Dに必要な強度を保ちつつ、弾性層91Cの弾性を十分に発揮させることができる。
また、離型層91Dの構成材料としては、例えば、PTFE、PFAなどを好適に用いることができる。
以上のような定着ローラ91に圧接する加圧ローラ92は、円筒状または円柱状をなし、その軸線まわりに回転可能となっている。
また、加圧ローラ92は、図2および図3に示すように、円柱状をなす金属製の基部(芯金)92Aと、基部92Aの外周面を覆う弾性層92Bと、弾性層92Bの外周面を覆う離型層92Cとを有している。
弾性層92Bの構成材料としては、例えば、Siゴム、EPDM、フッ素ゴムなどを好適に用いることができる。
また、弾性層92Bの厚さは、0.3〜10mmであるのが好ましく、0.6〜8mmであるのがより好ましい。これにより、弾性層92Bの耐久性を優れたものとしつつ、ニップ部Nの幅を十分なものとすることができる。
また、離型層92Cの厚さは、10〜80μmであるのが好ましく、20〜50μmであるのがより好ましい。これにより、離型層92Cに必要な強度を保ちつつ、弾性層92Bの弾性を十分に発揮させることができる。
また、離型層92Cの構成材料としては、例えば、PTFE、PFAなどを好適に用いることができる。
このような定着ローラ91の温度を検知するための温度検知体94は、例えばサーミスタであり、定着ローラ91の周面に接触または近接して設けられている。このような温度検知体94によって検知された温度に基づき、通電回路96の制御部(図示せず)により、定着ローラ91の外表面が目標温度となるように、前述した発熱層91Bの駆動が制御される。
ここで、通電回路96の一例を図5、図6に基づいて説明する。
電圧印加手段である通電回路96は、例えば、図5に示すように、1対の第1の電極である電極93A、93B間への100Vの電圧の印加またはその停止を行うためのスイッチ96A、96Bと、1対の第2の電極である電極93C、93D間への100Vの電圧の印加またはその停止を行うためのスイッチ96C、96Dと、1対の第3の電極である電極93E、93F間への100Vの電圧の印加またはその停止を行うためのスイッチ96E、96Fとを有している。そして、これらのスイッチ96A〜96Fは、後述するように、定着条件に基づいて切り換えられる。
ここで、スイッチ96Aとスイッチ96Bは対をなし連動してオン・オフするようになっている。これと同様に、スイッチ96Cとスイッチ96D、スイッチ96Eとスイッチ96F、スイッチ96Gとスイッチ96H、スイッチ96Iとスイッチ96Jも、それぞれ対をなし、連動してオン・オフするようになっている。
すなわち、通電回路96(電圧印加手段)は、1対の第1の電極である電極93A、93B間に電圧を印加する第1の状態と、1対の第2の電極である電極93C、93D間に電圧を印加する第2の状態とを定着条件に基づいて切り換えるよう構成されている。これにより、定着ローラ91の通紙領域と非通紙領域とでの配熱分布を異ならせて、定着ローラ91の温度分布を最適化することができる。例えば、小サイズ紙(本実施形態ではA4サイズ紙)の定着処理時には、第2の状態とし、定着ローラ91の非通紙領域の過昇温を防止することができる。また、大サイズ紙の定着処理時には、第1の状態とし、定着ローラ91の通紙領域をその全域に亘って均一な温度とすることができる。
また、通電回路96は、前述した第1の状態と第2の状態とのほかに、1対の第3の電極である電極93E、93F間に電圧を印加する第3の状態に定着条件に基づいて切り換え可能となっている。これにより、大きさの異なる2種の小サイズ紙について、それぞれの定着処理時に、定着ローラ91の非通紙領域の過昇温を確実に防止するとともに、定着ローラ91の通紙領域をその全域に亘って均一な温度とすることができる。
また、通電回路96は、電極93Aと電極93Cとの間への80Vの電圧の印加またはその停止を行うためのスイッチ96Gと、電極93Bと電極93Dとの間への80Vの電圧の印加またはその停止を行うためのスイッチ96Hとを有している。
すなわち、通電回路96は、前述した第2の状態において、1対の第1の電極である電極93A、93Bのうちの一方の電極93Aと1対の第2の電極である電極93C、93Dにうちの当該一方の電極93Aに近い側の電極93Cとの間と、電極93A、93Bのうちの他方の電極93Bと電極93C、93Dにうちの当該他方の電極93Bに近い側の電極93Dとの間とにそれぞれ電圧を、電極93C、93D間に印加する電圧と独立して印加するよう構成されている。これにより、第2の状態において、定着ローラ91の軸線方向での中央部の発熱量と両端部の発熱量とを異ならせるとともに、定着ローラ91の軸線方向での端部の発熱量を定着条件に応じて所望のものとすることができる。
さらに、通電回路96は、電極93Aと電極93Eとの間への50Vの電圧の印加またはその停止を行うためのスイッチ96Iと、電極93Bと電極93Fとの間への50Vの電圧の印加またはその停止を行うためのスイッチ96Jとを有している。
すなわち、通電回路96は、前述した第3の状態において、1対の第1の電極である電極93A、93Bのうちの一方の電極93Aと1対の第3の電極である電極93E、93Fうちの当該一方の電極93Aに近い側の電極93Eとの間と、電極93A、93Bのうちの他方の電極93Bと電極93E、93Fにうちの当該他方の電極93Bに近い側の電極93Fとの間とにそれぞれ電圧を、電極93E、93F間に印加する電圧と独立して印加するよう構成されている。これにより、第3の状態において、定着ローラ91の軸線方向での中央部の発熱量と両端部の発熱量とを異ならせるとともに、定着ローラ91の軸線方向での端部の発熱量を定着条件に応じて所望のものとすることができる。
このような通電回路96は、定着条件に基づき、例えば、以下のように動作する。
まず、定着(画像形成)に供される記録媒体のサイズがA3サイズ以上であるか否かを判断する(S1)。
記録媒体のサイズがA3サイズ以上である場合、スイッチ96A、96BをON状態とするとともに、スイッチ96C〜96JをOFF状態として、1対の第1の電極である電極93A、93B間に100Vの電圧を印加する(S2)。そして、プリント(画像形成)を行う(S6)。
一方、記録媒体のサイズがA3サイズよりも小さい場合、記録媒体のサイズがA4サイズ以上か否かを判断する(S3)。
記録媒体のサイズがA4サイズ以上である場合、スイッチ96C、96DをON状態とするとともに、スイッチ96A、96B、96E、96FをOFF状態として、1対の第2の電極である電極93C、93D間に100Vの電圧を印加する(S4)。また、このとき、スイッチ96G、96HをON状態とするとともに、スイッチ96I、96JをOFF状態として、電極93Aと電極93Cとの間と、電極93Bと電極93Dとの間とにそれぞれ80Vの電圧を印加する(S4)。そして、プリント(画像形成)を行う(S6)。
一方、記録媒体のサイズがA4サイズよりも小さい場合、スイッチ96E、96FをON状態とするとともに、スイッチ96A〜96DをOFF状態として、1対の第3の電極である電極93E、93F間に100Vの電圧を印加する(S5)。また、このとき、スイッチ96I、96JをON状態とするとともに、スイッチ96G、96HをOFF状態として、電極93Aと電極93Eとの間と、電極93Bと電極93Fとの間とにそれぞれ50Vの電圧を印加する(S5)。そして、プリント(画像形成)を行う(S6)。
プリント動作を行った後は、終了か否かを判断し(S7)、終了するまで前述したステップS1〜S6を繰り返す。
以上のように、本実施形態では、電極93A〜93Fおよび通電回路96により、定着ローラ91の軸線方向における前記発熱層の異なる少なくとも2つの配熱分布を設定可能な配熱分布設定手段を構成している。
このような配熱分布変更手段は、定着ローラ91の軸線方向での発熱層91Bに対する通電位置を変更することにより、同方向における発熱層91Bの異なる少なくとも2つの配熱分布を設定可能となっている。これにより、定着条件に応じて、定着ローラ91の軸線方向での温度分布を最適化することができる。
なお、本実施形態では、定着条件として記録媒体の大きさ(幅)を用いたが、これに限定されない。また、定着条件としては、定着に供される記録媒体の厚さ、定着に供される記録媒体の幅、連続定着回数のうちの少なくとも1つを用いるのが好ましい。これにより、定着ローラ91の軸線方向における発熱層91Bの配熱分布を比較的簡単に最適化し、良好な定着性を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の定着装置90(画像形成装置10)は、通電回路96の作動により、定着条件に基づいて、定着ローラ91の軸線方向における発熱層91Bの配熱分布を変化させるので、定着条件に応じて、定着ローラ91の軸線方向における発熱層91Bの配熱分布を最適化し、良好な定着性を得ることができる。
また、定着ローラ91の基部91Aの外周面上に発熱層91Bが設けられているため、定着ローラ91を定着に必要な温度に迅速に昇温させることができる。すなわち、ウォーミングアップ時間の短縮化を図ることができる。
また、基部91Aの外周面上に発熱層91Bが設けられているため、発熱層91Bから記録媒体への熱伝導効率が極めて高く、定着装置90の省電力化を図ることができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明の画像形成装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。
また、前述した実施形態では、定着ローラの軸線方向での異なる位置に6つの電極93A〜93Fを設けたものについて説明したが、ローラの軸線方向での異なる位置で発熱層に接続されていれば、これに限定されない。すなわち、電極の数は3つ以上5つ以下でもよく、7つ以上であってもよい。この場合、定着条件に基づいて、3つ以上の電極から1対以上の電極を選択して、各対の電極間に電圧を印加すればよい。
また、本発明において電極は、回転するローラに対し摺動または点接し、発熱層に通電することができるものであれば、前述した実施形態のものに限定されず、例えば、ブラシ電極や、個片状の電極などを用いることもできる。
また、前述した実施形態では、発熱層91Bが帯状の抵抗パターンで構成されていたが、これに限定されず、例えば、基部91Aの外周面上を一様に覆うような面状のものであってもよい。また、発熱層91Bを構成する帯状の抵抗パターンは、螺旋状をなしていなくてもよく、例えば、櫛歯状をなすようなものであってもよい。
また、発熱層は、基部の内周面側に設けられていてもよい。
本発明にかかる画像形成装置の実施形態を示す全体構成の模式的断面図である。 図1に示す画像形成装置に備えられた定着装置の好適な実施形態を示す模式的断面図である。 図2におけるA−A線断面図である。 図3に示す定着装置に備えられた発熱層および電極を説明するための拡大断面図である。 図3に示す定着装置に備えられた電圧印加手段の構成を説明するための図である。 図5に示す電圧印加手段の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10‥‥‥画像形成装置 20‥‥‥感光体 30‥‥‥帯電ユニット 40‥‥‥露光ユニット 50‥‥‥現像ユニット 50a‥‥‥軸 51‥‥‥ブラック現像装置 52‥‥‥マゼンタ現像装置 53‥‥‥シアン現像装置 54‥‥‥イエロー現像装置 55‥‥‥保持体 55a〜55d‥‥‥保持部 60‥‥‥一次転写ローラ 61‥‥‥中間転写体 70‥‥‥中間転写ベルト 71‥‥‥駆動ローラ 72‥‥‥従動ローラ 73‥‥‥基体 75‥‥‥クリーニングユニット 76‥‥‥クリーニングブレード 80‥‥‥二次転写ローラ 82‥‥‥給紙トレイ 84‥‥‥給紙ローラ 86‥‥‥レジローラ 87‥‥‥排紙ローラ対 88‥‥‥搬送部 88A、88B‥‥‥搬送ローラ対 88C‥‥‥搬送路 90‥‥‥定着装置 91‥‥‥定着ローラ 91A‥‥‥基部 91A1‥‥‥貫通孔 91B‥‥‥発熱層 91C‥‥‥弾性層 91D‥‥‥離型層 91F、91G‥‥‥絶縁層 92‥‥‥加圧ローラ 92A‥‥‥基部 92B‥‥‥弾性層 92C‥‥‥離型層 93A〜93F‥‥‥電極 94‥‥‥温度検知体 95‥‥‥カバー 96‥‥‥通電回路 96A〜96H‥‥‥スイッチ P‥‥‥記録媒体

Claims (16)

  1. 互いに圧接しながら回転する1対のローラを備え、
    前記1対のローラのうちの一方のローラは、円筒状の基部と、該基部上にその周面に沿って設けられ、通電により発熱する発熱層とを有し、
    前記一方のローラの軸線方向での前記発熱層に対する通電位置を変更することにより、同方向における前記発熱層の異なる少なくとも2つの配熱分布を設定可能な配熱分布設定手段を有し、
    前記配熱分布設定手段は、定着条件に基づいて、前記一方のローラの軸線方向における前記発熱層の配熱分布を変更することを特徴とする定着装置。
  2. 前記発熱層は、帯状の抵抗パターンで構成されている請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記抵抗パターンは、前記基部の外周面に沿って螺旋状をなしている請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記抵抗パターンの幅は、前記抵抗パターンの長手方向のほぼ全域に亘って、ほぼ単一である請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記抵抗パターンは、Fe−Cr−Al合金を主材料として構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記抵抗パターンの外周面には、Alを主材料として構成された絶縁層が形成されている請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記配熱分布設定手段は、前記一方のローラの軸線方向での互いに異なる位置で前記発熱層に接続された3つ以上の電極と、定着条件に基づいて、前記3つ以上の電極から選択された電極間に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、該電圧印加手段の作動により、定着条件に基づいて、前記一方のローラの軸線方向における前記発熱層の配熱分布を変更する請求項1ないし6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記3つ以上の電極は、前記一方のローラの軸線方向での両端部に設けられた1対の第1の電極と、前記一方のローラの軸線方向で前記1対の第1の電極よりも内側に設けられた1対の第2の電極とを含む請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記電圧印加手段は、前記1対の第1の電極間に電圧を印加する第1の状態と、前記1対の第2の電極間に電圧を印加する第2の状態とを定着条件に基づいて切り換えるよう構成されている請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記電圧印加手段は、前記第2の状態において、前記1対の第1の電極のうちの一方の電極と前記1対の第2の電極のうちの当該一方の電極に近い側の電極との間と、前記1対の第1の電極のうちの他方の電極と前記1対の第2の電極のうちの当該他方の電極に近い側の電極との間とにそれぞれ電圧を、前記1対の第2の電極間に印加する電圧と独立して印加する請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記3つ以上の電極は、前記ローラの軸線方向で前記1対の第2の電極よりも内側に設けられた1対の第3の電極をさらに含む請求項8ないし10のいずれかに記載の定着装置。
  12. 前記電圧印加手段は、前記1対の第1の電極間に電圧を印加する第1の状態と、前記1対の第2の電極間に電圧を印加する第2の状態と、前記1対の第3の電極間に電圧を印加する第3の状態とを定着条件に基づいて切り換えるよう構成されている請求項11に記載の定着装置。
  13. 前記3つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極は、前記一方のローラの内周面に接触して設けられ、前記基部に形成された貫通孔を通じて、前記発熱層に接続されている請求項7ないし12のいずれかに記載の定着装置。
  14. 前記3つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極は、円柱状または円筒状をなし、前記一方のローラの内周面に嵌合している請求項13に記載の定着装置。
  15. 前記定着条件は、定着に供される記録媒体の厚さ、定着に供される記録媒体の幅、連続定着回数のうちの少なくとも1つである請求項1ないし14のいずれかに記載の定着装置。
  16. 露光・現像・転写・定着の一連の画像形成プロセスにより、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    請求項1ないし15のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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