JP2007139596A - 可搬式運動計測システムおよび運動計測方法 - Google Patents

可搬式運動計測システムおよび運動計測方法 Download PDF

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Takashi Marushima
敬 丸島
Shigenori Nishizumi
茂紀 西住
Kozo Matsushita
耕三 松下
Norimitsu Kato
紀光 加藤
Hirokazu Takagi
弘和 高木
Yoshiaki Amita
芳明 網田
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Abstract

【課題】繁雑な取付け作業が不要で、測定精度の劣化や誤作動および測定誤差を生じることなく、日照や天候による影響を受けることなしに、あらゆる長さのストロークに対応して、初回遮断時のストローク測定を可能とする。
【解決手段】2次元画像を読み取る高速度カメラ10と、高輝度均一の光を測定対象機器に照射する照明装置30と、画像データをデジタルデータに変換してデータ処理および結果表示を行う画像処理表示装置20を備える。開閉装置100の可動部103には周囲と色または反射率の異なる可動マーカ201が設けられ、固定部104における可動マーカ201の移動範囲近傍には固定マーカ301が設けられる。開閉装置100の稼動時に、高速度カメラ10により可動マーカ201と固定マーカ301を撮影して、画像処理表示装置20により固定マーカ301に対する可動マーカ201の位置変化に基づきストロークを計算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、開閉装置等のストローク測定に用いられる可搬式運動計測システムに関するものである。
一般に、発変電所および開閉所等において用いられている電力用開閉装置としては、絶縁性能および消弧性能に優れたガス絶縁開閉装置が広く用いられている。このようなガス絶縁開閉装置は、ガスが封入された密閉タンク内に、固定電極および可動電極が相対的に動作可能に配置されて構成されている。ここで、可動電極は、絶縁ロッドなどを介して、操作機構の操作ロッドに連結されており、この操作ロッドの往復運動によって可動電極の開閉動作が行われるようになっている。なお、開閉装置の操作機構としては、大出力が得られる油圧操作力を用いたものや、中・低出力のばね操作力を用いたものがある。
ところで、このような開閉装置の出荷時および定期点検時においては、可動電極の移動距離および速度の測定、すなわちストローク測定が行われる。この測定で得られるストロークカーブは、遮断性能を把握する重要なパラメータである。
従来、開閉装置のストローク測定を行う際には、図14に示すように、開閉装置100の操作機構101の扉102を開放し、操作機構101の操作ロッドなどの可動部103に摺動抵抗体を用いたポテンショメータ111、電源112、検出変換調整器113からなる測定治具を取り付けていた。ここで、可動部103は、図示しない可動電極と連動しており、可動電極の動作に対して図中の矢印120の方向に往復動作するので、位置によって変化する抵抗値を、検出変換調整器113により検出電圧として取り出し、ストローク測定を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
これに対して、最近では、被検出体の接近に感応する近接センサや被検出体の位置に応じて透過あるいは反射した光を検知する光センサなどの非接触式センサを使用した計測システムが用いられるようになっている。
一般に、近接センサを使用した計測システムは、可動部に取り付けた被検出体と、この被検出体の接近に感応する近接センサから構成されており、近接センサの検出信号は、ケーブルより中継盤まで電送され、その中継盤内のセンサ受信機および計測部への入力信号となる。そのため、被検出体、または、近接センサを等間隔で多数取り付けることにより、ストローク測定が可能となる(例えば、特許文献2参照)。
また、光センサには透過方式と反射方式のものがある、このうち、透過方式の光センサを使用した計測システムは、対向配置された発光部と受光部と、可動部に設けられた光遮蔽板である被検出体から構成されており、光遮蔽板による光の遮断によって、光遮蔽板の動作状態を検出する。そのため、受光部・発光部、または、光遮蔽板を多数配置することにより、ストローク測定が可能となる。
また、反射方式の光センサを使用した計測システムは、発光部と、受光部と、可動部に設けられた光反射板である被検出体からなり、光反射板が所定位置にあるとき発光部からの照射光が受光部で受光できるよう配置されており、光反射板による光の反射により光反射板の動作状態を検出する。そのため、受光部・発光部、または、光反射板を多数配置することにより、ストローク測定が可能となる。
特公昭60−20686号公報 特開平10−308144号公報
しかしながら、上記のような従来の計測システムにより、開閉装置のストローク測定を行う場合、次のような問題点があった。
まず、開閉装置本体に摺動抵抗体やセンサ等の測定治具を取り付けるタイプの計測システムの場合、作業の安全性を考慮して、遮断状態での作業を行う必要がある。したがって、開閉装置の状態を把握する上で重要な、稼動開始後の初回遮断時におけるストローク測定を行うことができない。
また、摺動抵抗体による測定では、摺動抵抗体の損耗のため、十数回程度しか精度の高い測定を行うことができず、また、取付け・取外し作業が繁雑である。
また、近接センサを用いた計測システムでは、センサから出力する信号の形態が電気信号であるため、開閉器の主回路入切時に発生する誘導サージにより誤動作する可能性がある。また、ストローク測定には、数kHz以上の応答特性が必要であるのに対して、市販の近接センサでは応答特性は数百Hz程度であるため、高精度のストローク測定を行うことは難しい。
また、光センサを用いた計測システムでは、検出出力として光を用いるため、近接センサと比較して耐ノイズ性に優れている。しかしながら、透過方式に関しては、発光・受光面の汚損により透過光量が大幅に変化するので、日照や天候が変化する屋外での適用は難しい。また、反射方式に関しては、反射板の汚れや凹凸により受光面で受ける光量が変動する場合があり、センサの信頼性が低下する。
さらに、上記の非接触式センサを使用した計測システムでストローク測定を行う場合、センサまたは被検出体を多数配置する必要があり、センサ取付けおよび取外しの際に繁雑な作業が必要となる。さらに、高精度の測定を行うためには、多数のセンサおよび被検出体を精度よく配置しなくてはならず、微調整等の作業も必要となる。
また、取付けが容易なレーザ変位計を使用した計測システムもあるが、市販のレーザ変位計の測定範囲は最大でも200mmであり、200mm以上のストロークを計測することはできない。
本発明は、上記の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、出荷時および定期点検時の開閉装置のストローク測定において、繁雑な取付け作業が不要で、測定回数による測定精度の劣化やノイズによる誤作動および振動による測定誤差を生じることなく、日照や天候による影響を受けることなしに、あらゆる長さのストロークに対応可能で、初回遮断時のストローク測定が可能な、高精度の可搬式運動計測システムおよび運動計測方法を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明は、測定対象機器の可動部と固定部にマーカおよび基準座標指示部を設け、このマーカおよび基準座標指示部を含む画像を撮影し、基準座標指示部に対するマーカの位置変化に基づきストロークを計算することにより、測定対象機器のストロークを容易かつ高精度に計測できるようにしたものである。
本発明の可搬式運動計測システムは、測定対象機器の固定部に対する可動部のストロークを計測する可搬式運動計測システムにおいて、撮影手段、照明手段、画像処理表示手段、可動マーカ、基準座標指示部を備えたことを特徴としている。ここで、撮影手段は、光を受光する感光部が複数列配置された受光面により2次元画像を読み取る手段である。照明手段は、高輝度均一の光を測定対象機器に照射する手段である。画像処理表示手段は、撮影手段で取得した画像データをデジタルデータに変換した後、デジタルデータ処理および結果表示を行う手段である。可動マーカは、測定対象機器の可動部に設けられ、周囲と色または反射率の異なる部分である。基準座標指示部は、測定対象機器の固定部における可動マーカの移動範囲近傍に設けられて基準となる座標を示す部分である。さらに、撮影手段は、測定対象機器の稼動時に可動マーカおよび基準座標指示部を撮影するように配置される。また、画像処理表示手段は、デジタルデータから得られる基準座標指示部に対する可動マーカの位置変化に基づきストロークを計算するように構成される。
また、本発明の運動計測方法は、上記のシステムの特徴を方法の観点から把握したものである。
以上のような特徴を有する本発明によれば、まず、測定対象機器の可動部と固定部に設けた可動マーカおよび基準座標指示部の両方を撮影できる位置に撮影手段を配置し、また、マーカおよび基準座標指示部に対して高輝度で均一の光を照射できるように照明手段を配置する。そして、測定対象機器の稼動時に、撮影手段で可動マーカおよび基準座標指示部を撮影して、取得した画像データを画像処理表示手段に転送する。画像処理表示手段は、取得した画像データをデジタルデータに変換して、このデジタルデータから得られる準座標指示部に対する可動マーカの位置変化に基づきストロークを計算し、得られた結果を表示する。
本発明によれば、繁雑な取付け作業が不要で、測定回数による測定精度の劣化やノイズによる誤作動および振動による測定誤差を生じることなく、日照や天候による影響を受けることなしに、あらゆる長さのストロークに対応可能で、初回遮断時のストローク測定が可能な、高精度の可搬式運動計測システムおよび運動計測方法を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
[第1の実施形態]
[構成]
図1は、本発明を開閉装置のストローク測定に適用した第1の実施形態に係る可搬式運動計測システムを示す概略構成図である。この図1に示すように、可搬式運動計測システムは、高速度カメラ10、画像処理表示装置20、照明装置30、画像データ用ケーブル41、可動マーカ201、固定マーカ301、から構成されている。各部の詳細は次の通りである。
高速度カメラ10は、光を受光する感光部が複数列配置された受光面を持ち、この受光面により2次元画像の高速読取を行う。画像処理表示装置20は、高速度カメラ10で取得した画像データをデジタルデータに変換した後、デジタルデータ処理および結果表示を行う。また、高速度カメラ10と画像処理表示装置20は、画像データ用ケーブル41により接続されており、高速度カメラ10で取得した画像データは画像データ用ケーブル41により画像処理表示装置20に転送される。照明装置30は、高輝度均一の光を測定対象機器である開閉装置100に照射する。
可動マーカ201は、開閉装置100の図示していない可動電極の開閉動作に連動する操作機構101の操作ロッドなどの可動部103に予め設置されている。ここで、可動部103および可動マーカ201は、開閉装置100の開閉動作に伴い、図中の矢印120の方向に往復動作する。固定マーカ301は、操作機構101の容器や支持構造物などの固定部104に予め設置されている。なお、図1に示す可動マーカ201と固定マーカ301の設置位置は一例にすぎず、可動マーカ201と固定マーカ301の具体的な設置位置は自由に選択可能である。
これらの可動マーカ201および固定マーカ301は、背景となるその周囲に対して、異なる色、または、異なる反射率を有するシートまたはペイントなどにより構成されていおり、可動マーカ201および固定マーカ301の少なくとも一方の寸法は既知である。ここで、「既知」とは、「システムの利用者(オペレータ)が把握していること」、あるいは、「画像処理表示装置20自体に記憶されていること」を意味している。この用語「既知」は、以降の説明中においても同様の意味で使用する。また、固定マーカ301は、例えば、可動マーカ201の移動開始位置などの、可動マーカ201の移動範囲近傍に設置されている。
なお、図1中では、一例として、可動マーカ201と固定マーカ301は、略同一寸法の円形状とされているが、可動マーカ201と固定マーカ301の具体的な寸法形状および寸法関係はこれに限定されるものではなく、自由に設定可能である。
また、図1中では、操作機構101の扉102を開放した状態で、可動部103の可動マーカ201周辺の一部を外部から視認可能な開口104aを有する固定部104が示されており、開口104aの周囲に固定マーカ301が配置された場合が示されているが、これは、本発明を適用する可動部103と固定部104の構成をできるだけ理解し易い形で模式的に示した一例にすぎない。
さらに、画像処理表示装置20は、画像データをデジタルデータに変換する画像変換部21、キーボードやマウスなどの入力部22、デジタルデータを処理して、任意の数値データの抽出、グラフ化などを行う演算部23、演算部23で抽出した数値データやグラフを表示するモニタ部24、演算部23で抽出した数値データや入力部22から入力したデータを記憶する記憶部25から構成されている。なお、この画像処理表示装置20の各部21〜25は、電気的に相互接続されて連携動作するようになっている。この画像処理表示装置20は、具体的には、小型で持ち運びが容易なノート型PCなどの形態で実現される。
[作用]
上記のように構成された第1の実施形態においては、以下のようにして開閉装置100のストローク測定を行うことができる。
まず、出荷時および定期点検時の開閉動作試験中において、可動マーカ201および固定マーカ301が常に撮影できるように、操作機構101の扉102を開放し、高速度カメラ10と照明装置30を配置し、さらに、可動マーカ201の運動方向と高速度カメラ10の受光面が平行となるように高速度カメラ10の位置および角度を調整する。
高速度カメラ10により撮影された開閉動作中の映像データは、画像データ用ケーブル41を介して画像処理表示装置20へと転送され、画像変換部21で1フレーム毎の画像デジタルデータへと変換される。
図2に、画像処理表示装置20の画像変換部21で取得した画像デジタルデータの例として、グレイスケールの取得画像401とその処理結果として得られる処理画像402を示す。図2では、取得画像401中の可動マーカ画像403および固定マーカ画像404は背景に比べて輝度値が高くなっているため、この輝度値の差異を利用して、演算部23において、適当なしきい値での2値化処理を行うことにより、高輝度画素のマーカ画像と低輝度の背景という2種類の領域を示す処理画像402を得ることができる。
したがって、演算部23では、処理画像402における高輝度画素の重心位置を取得することにより、可動マーカ201および固定マーカ301の重心位置を取得することができる。なお、ここでは、可動マーカ201と固定マーカ301の座標検出において、2値化処理および重心座標検出を用いているが、フレーム毎の各マーカの座標検出ができれば、テンプレートマッチングなど、画像処理方法はいかなる方法でも構わない。
さらに、可動マーカ201または固定マーカ301の寸法は既知であるため、マーカ画像の画素数から一画素あたりの実測長さを容易に把握することができる。また、フレームレートも既知なので、可動マーカ201と固定マーカ301の位置の時間変化により、ストロークを容易に求めることができる。
なお、図2の例では、マーカと背景との差として輝度を用いたが、色相または彩度、あるいはその組み合わせによる差を用いた場合でも、同様に画像処理を行ってマーカの座標を検出できる。
なお、マーカの寸法が既知でない場合でも、高速度カメラ10の撮影範囲内に寸法が既知の部品があれば、同様に実測長さを知ることができるので、ストローク測定は可能である。また、高速度撮影では露光時間が極端に短いため、画像全体が暗くなり、寸法既知のマーカおよび部品を撮影することができない場合があるが、その場合は、測定前後に露光時間を長くして部品を撮影することにより実測長さを求めることができる。
以上のように、ストローク測定により得られた数値データ、グラフおよび映像は、画像処理表示装置20のモニタ部24に表示される。また、オペレータの操作に応じて、日付、型式などの必要となるデータが入力部22により入力されると、それらのデータは測定結果とともに画像処理表示装置20の記憶部25に記憶される。
[効果]
以上のように、第1の実施形態によれば、非接触式センサを用いているため、測定回数に伴う測定精度の低下やノイズによる誤作動を生じることなく、かつ、日照や天候などの影響を受けずに、ストロークを測定することができる。また、測定準備にあたっては、高速度カメラおよび照明装置等の測定器材を操作機構周辺に設置するだけであり、開閉装置本体へセンサ類を設置する必要がない。
したがって、遮断状態で測定準備する必要がないため、開閉装置の状態を把握する上で重要な、稼動開始後の初回遮断時におけるストロークを測定できる。また、ストローク測定においては、可動マーカと固定マーカの両方の位置を用いているため、開閉動作時に発生する機器全体の振動による測定誤差を生じることはない。
また、本実施形態の計測システムは、小型で可搬性に優れているので、現地作業における適応性は非常に高い。さらに、日付、型式などの必要となるデータを入力し、測定結果とともに画像処理表示装置の記憶部に記憶することにより、保存されている出荷時または過去の定期点検時の計測結果と現在の計測結果を比較することができるため、現在の遮断性能の把握および今後の遮断性能変化の推定(寿命診断)を容易に行うことができる。
[第1の実施形態の変形例]
なお、上記第1の実施形態の変形例としては、マーカやその他のシステムの一部あるいは測定対象である開閉装置の構成の一部を変更した各種の変形例が考えられる。以下には、このような変形例について順次説明する。
[複数の固定マーカの使用]
図3は、可動マーカ201の移動範囲付近に固定マーカ301を複数個設置した変形例を示す概略構成図である。このように、複数の固定マーカ301を設置することにより、開閉動作時の機器振動の様子を高精度で把握することができるので、より精度の高いストローク測定が可能となる。
[発光体からなるマーカの使用]
可動マーカ201および固定マーカ301として、発光ダイオードなどの発光体を用いることも可能である。この場合には、背景とのコントラストがより大きくなるため、可動マーカ201および固定マーカ301がより検出しやすくなる。また、照明装置30の照度が低くても可動マーカ201および固定マーカ301を検出することができる。さらに、可動マーカ201と固定マーカ301の発光色を変えることにより、可動マーカ201と固定マーカ301の判別が容易となる。
[半球形状のマーカの使用]
図4は、可動マーカ201および固定マーカ301を半球形状要素から構成し、この半球形状要素に再帰反射性のシートまたはペイントなどを施した変形例を示す図であり、(a)はマーカ周辺を示す概略構成図、(b)は半球形状のマーカを示す拡大正面図および拡大側面図、(c)は半球形状のマーカを実現するマーカネジの形状を示す側面図である。
このように、半球形状の可動マーカ201および固定マーカ301を用いた場合、高速度カメラ10の近傍に設置した照明装置30から照射した光は、可動マーカ201および固定マーカ301においてほぼ入射角度と同じ角度で反射されるので、可動マーカ201および固定マーカ301部分は高輝度で撮影される。
したがって、背景とのコントラストがより大きくなるので、可動マーカ201および固定マーカ301がより検出しやすくなる。さらに、可動マーカ201と固定マーカ301の反射光の色を変えることにより、可動マーカ201と固定マーカ301の判別が容易となる。
なお、マーカを構成する半球形状要素は、部品を半球形状に加工するだけでもよいが、図4の(c)に示すように、マーカを設置する箇所にネジを切り、半球形状のマーカ部分を持つマーカネジ51を設置してもよい。
[マーカと背景部分の反射率の差別化]
可動マーカ201および固定マーカ301として、前記のように反射率の高いシートまたはペイントを施すとともに、マーカ以外の背景部分に、つや消しの黒色などの反射率が低いシートまたはペイントなどを施すことで、マーカと背景部分の反射率を大きく異ならせてもよい。この場合にも、マーカと背景部分のコントラストは高くなるので、マーカの検出は容易となる。
[色または反射率による可動マーカの領域分割]
図5は、可動マーカ201の移動に伴い、背景部分の色が変化する場合の様子を示す図であり、(a)は可動マーカを単一色で構成した例、(b)と(c)は可動マーカを領域分割して色の異なる複数の部分領域から構成した例をそれぞれ示す図である。
この図5から明らかなように、可動マーカ201を色の異なる複数の部分領域から構成することにより、可動マーカ201の移動範囲付近の背景色が変化した場合でも、可動マーカ201を容易かつ確実に検出することができる。
例えば、図5の(a)に示すように、可動マーカ201の移動範囲付近の背景が黒色と白色で構成されており、可動マーカ201が白色の単一色である場合、この可動マーカ201の周辺背景が黒色であれば可動マーカ201を検出できるが、可動マーカ201が移動してその周辺背景が白色になると、可動マーカ201の検出は困難になる。
これに対して、図5の(b)に示すように、可動マーカ201を色の異なる複数の部分領域(この例では、半円形状の黒色領域と白色領域)から構成することにより、背景色が黒色と白色の間で変化しても、常に背景色と異なる色の部分領域が存在するため、可動マーカ201を確実に検出できる。
さらに、図5の(c)に示すように、可動マーカ201を、同心円状に分割した複数の部分領域(この例では、中心の円形状の白色領域、その外周の黒色領域、最外周の白色領域)から構成することにより、各部分領域の重心位置は、常に可動マーカ201の同一箇所を示しているので、比較的単純なアルゴリズムでストローク測定可能となる。
なお、上記では、可動マーカ201を、色の異なる複数の部分領域から構成した場合について説明したが、反射率の異なる複数の部分領域から構成した場合にも、同様の効果を得ることができる。
[可動マーカの設置範囲の拡大]
図6は、可動マーカ201の軌跡(移動範囲)上に、視認上の障害となる障害物61が存在する場合の様子を示す図であり、(a)は障害物61により視認不可となる寸法の単一の可動マーカを使用した例、(b)は複数の可動マーカを使用した例、(c)は障害物61と重なった場合でも視認可能となるように設置範囲を拡大した単一の可動マーカを使用した例をそれぞれ示す図である。
この図6から明らかなように、可動マーカ201を複数とするかまたは単一の可動マーカ201の設置範囲を障害物61と重なる寸法よりも十分に拡大することにより、可動マーカ201の軌跡上に、視認上の障害となる障害物61が存在する場合でも、可動マーカ201を容易かつ確実に検出することができる。
例えば、図6の(a)に示すように、可動マーカ201の軌跡上に、可動マーカ201全体を覆う寸法を有し、視認上の障害となる障害物61(図6の例ではケーブル)が存在する場合、可動マーカ201を撮影できないフレームが存在してしまうため、正確なストローク測定ができなくなる。
これに対して、図6の(b)に示すように、複数の可動マーカ201を設置することにより、高速度カメラ10が常に少なくとも1つの可動マーカ201を撮影できる。この場合には、各フレームの可動マーカ201の移動量は常に検出できるので、正確なストローク測定が可能となる。
また、複数の可動マーカ201を設置する代わりに、図6の(c)に示すように、障害物61と重なる寸法よりも十分に大きな可動マーカ201を設置することにより、可動マーカ201の移動方向における先端部分または後端部分は確実に検出できるので、図6の(b)の例と同様に障害物61の影響を受けずに正確なストローク測定が可能となる。
このように、可動マーカ201の軌道上に障害物がある場合でも、障害物の寸法に応じて可動マーカ201の設置範囲を拡大することにより、高精度のストローク測定が可能となる。
[複数の可動マーカまたは高速度カメラの使用]
図7は、高速度カメラ10の解像度が低く、その撮影範囲71に比べて、可動マーカ201の移動範囲72が大きい場合を示す図である。このような場合に、単一の可動マーカ201および単一の高速度カメラ10のみを使用しただけでは、可動マーカ201が撮影できないフレームが存在するため、正確なストローク測定ができなくなる。
図8は、このような場合に対応するための変形例を示す図であり、(a)は複数の可動マーカ201を使用した例、(b)は複数の高速度カメラ10を使用した例をそれぞれ示す図である。
この図8から明らかなように、可動マーカ201または高速度カメラ10を複数使用することにより、高速度カメラ10の解像度が低い場合でも、各フレームで可動マーカ201が撮影できるため、可動マーカ201を容易かつ確実に検出することができる。
例えば、図8の(a)に示すように、複数の可動マーカ201を設置することにより、高速度カメラ10の撮影範囲71内に常に少なくとも1つの可動マーカ201を存在させることができるため、高速度カメラ10が常に少なくとも1つの可動マーカ201を撮影できる。この場合には、常に少なくとも1つの可動マーカ201の移動量は検出できるので、正確なストローク測定が可能となる。
また、可動マーカ201が1つしか設置できない場合には、図8の(b)に示すように、可動マーカ201の移動範囲72全体を撮影できるように複数の高速度カメラ10を設置すればよい。この場合には、可動マーカ201の運動方向と高速度カメラ10の受光面が平行となるように高速度カメラ10を調整し、それぞれの高速度カメラ10を画像データ用ケーブル41によって画像処理表示装置20に接続することにより、いずれかの高速度カメラ10で撮影された画像データにより可動マーカ201の移動量を検出できるので、正確なストローク測定が可能となる。
なお、図8の(b)では、固定マーカ301は、2台の高速度カメラ10がいずれも固定マーカ301を撮影できるようにして1つのみ配置されているが、それぞれの高速度カメラ10が少なくとも1一つの固定マーカ301を撮影できるように、複数の固定マーカ5を配置することも可能であり、この場合にも同様の効果を得ることができる。
このように、解像度が低い高速度カメラ10を使用した場合でも、可動マーカ201または高速度カメラ10を複数使用することにより、高精度のストローク測定が可能となる。
[他の計測信号の使用]
図9は、開閉装置100について計測された遮断電流や接点電圧などの他の計測信号を使用する変形例を示す概略構成図である。この例においては、開閉装置100に関する他の計測信号を取得する計測信号用ケーブル42を画像処理表示装置20に接続することにより、この計測信号用ケーブル42を介して他の計測信号が画像処理表示装置20に取り込まれるように構成されている。
この構成によれば、画像処理表示装置20の演算部23により、遮断電流や接点電圧などの計測信号の時間変化とストロークカーブとを組み合わせたグラフを作成することができる。また、得られた数値データ、グラフおよび画像を、モニタ部24に表示することにより、オペレータは、開閉装置100に関する多面的な情報を同時に把握することができるため、それらの情報に基づき多方向からの総合的評価を行うことができる。
[他の画像データの使用]
開閉装置100について、他の部品や計器類の画像データを使用してもよい。すなわち、開閉装置100における他の部品や計器類を撮影する高速度カメラ10を設置し、画像データ用ケーブル41により画像処理表示装置20に接続して、画像処理表示装置20に開閉動作試験中または開閉動作試験前後のデジタル画像を取り込み、取得画像に対して画像処理を行い、部品動作または計器類の数値データを検出してもよい。
この場合に、得られた数値データのグラフなどを、ストロークカーブおよび画像とともにモニタ部24に表示することにより、オペレータは、開閉装置100に関する多面的な情報を同時に把握することができるため、それらの情報に基づき多方向からの総合的評価を行うことができる。
[開閉装置の変形例]
測定対象機器である開閉装置100の構成を、計測システムにより適合させるように変更してもよい。例えば、開閉装置100の操作機構101に透明なアクリル製またはガラス製の窓を取付ける構成が考えられる。この構成によれば、操作機構101の扉102を開閉することなしにマーカを撮影することができるので、より安全な測定作業を実現することができる。
また、このように開閉装置100の操作機構101に窓を設け、この窓の外側から撮影対象へ照明を当てる場合、光が窓を通過するため撮影対象への照度は低くなる。このような場合には、さらに、操作機構101内に照明装置30を設置する台などを設けることにより、操作機構101内から撮影対象箇所に対して直接照明を当てることができるので、より明るい映像を撮影することができる。
[回転運動によるストローク計測]
図10は、開閉装置100の操作機構101における回転運動部に可動マーカ201を設置して可動マーカ201の回転運動によりストローク計測を行う変形例を示す部分構成図である。この図10においては、一例として、可動マーカ201は、回転運動する位置可変の可動シャフト105に設けられ、固定マーカ301は、可動シャフト105の回転中心となる位置固定された固定シャフト106に設けられている。なお、直線運動の場合と同様に、可動マーカ201と固定マーカ301の具体的な設置位置は、自由に選択可能である。
この構成によれば、可動マーカ201の直線運動によりストローク計測を行う場合と同様に、高精度のストローク測定を行うことができる。
[第2の実施形態]
図11は、本発明を開閉装置のストローク測定に適用した第2の実施形態に係る可搬式運動計測システムを示す概略構成図である。この図11に示すように、本実施形態は、第1の実施形態における固定マーカ301の代わりに、既知の間隔で一列に配置された校正目盛り302を設けたものである。
ここで、校正目盛り302は、固定部104における可動マーカ201の近傍に、校正目盛り302の並び方向が可動マーカ201の移動方向と等しくなるように予め設置されている。また、この校正目盛り302は、第1の実施形態における固定マーカ301と同様に、背景と異なる色または反射率を有するシートまたはペイントなどを用いて構成されている。なお、他の部分の構成は、第1の実施形態と同様である。
上記のように構成された第2の実施形態においては、以下のようにして開閉装置100のストローク測定を行うことができる。
まず、出荷時および定期点検時の開閉動作試験中において、可動マーカ201および校正目盛り302が常に撮影できるように、操作機構101の扉102を開放し、高速度カメラ10と照明装置30を配置する。なお、本実施形態においては、校正目盛り302の並び方向が可動マーカ201の移動方向と等しくされているため、第1の実施形態とは異なり、可動マーカ201の運動方向と高速度カメラ10の受光面が平行となるように調整する必要はない。
高速度カメラ10により撮影された開閉動作中の映像データは、画像データ用ケーブル41を介して画像処理表示装置20へと転送され、画像変換部21で1フレーム毎の画像デジタルデータへと変換される。この場合、可動マーカ201および校正目盛り302部分と背景部分とは、輝度値、色相または彩度などにおいて異なるため、この差異を利用して、フレーム毎に可動マーカ201と校正目盛り302の位置を検出できる。
したがって、第2の実施形態によれば、校正目盛り302は固定されており、第1の実施形態における固定マーカ301と同様の機能を果たすことができるため、開閉動作時に発生する機器全体の振動による測定誤差を生じることはなく、第1の実施形態と同様に高精度のストローク測定を行うことができる。
すなわち、第2の実施形態によれば、前述した第1の実施形態の効果が得られるが、これに加えて、校正目盛り302の使用により、さらに次のような効果が得られる。
まず、前述したように、第1の実施形態では、正確なストロークを測定するために、可動マーカの運動方向と高速度カメラの受光面が平行となるように高速度カメラを調整する必要があるが、開閉装置100の操作機構101内の構成上または操作機構101周辺の制約により高速度カメラを自由に設置できない可能性がある。このような場合に、本実施形態においては、高速度カメラを調整する必要がないため、制約の範囲内で高速度カメラを容易に設置できる。
また、可動マーカ201が高速度カメラ10の撮影面に対して平行な平面上で移動するだけでなく、撮影面に対して奥行き斜め方向に移動するような場合でも、校正目盛り302の間隔は既知であるため、可動マーカ201の移動量を実測長さで校正し、正確なストローク測定が可能となる。
このように、第2の実施形態においては、開閉装置の操作機構の構成上や操作機構周辺の制約により高速度カメラの設置範囲が限られている場合や、可動マーカが撮影面に対して奥行き斜め方向に移動するような場合でも、正確なストロークを測定できる。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態について前述した変形例と同様の各種の変形例が実施可能であり、同様に優れた効果が得られるものである。
[第3の実施形態]
図12は、本発明を開閉装置のストローク測定に適用した第3の実施形態に係る可搬式運動計測システムを示す概略構成図である。この図12に示すように、本実施形態は、第1の実施形態における固定マーカ301の代わりに、既知の位置関係で配置されて3次元座標系を構築する複数の対応点マーカ303を設けるとともに、複数の高速度カメラ10を使用するものである。
ここで、対応点マーカ303は、具体的には、3次元座標系を構築するために6つ以上設けられ、かつ、全ての対応点マーカ303について、3次元的な位置関係が既知である。図12では、複数の対応点マーカ303の一例として、位置関係が直方体形状の各頂点となる8つの対応点マーカ303が示されている。これらの対応点マーカ303は、具体的には、略球形状のマーカ部分を両端に持つ複数のマーカロッド53により構成されている。そして、各対応点マーカ303は、第1の実施形態における固定マーカ301と同様に、背景と異なる色または反射率を有するシートまたはペイントなどを用いて構成されている。
また、複数の高速度カメラ10は、それぞれ画像データ用ケーブル41により画像処理表示装置20に接続されている。なお、他の部分の構成は、第1の実施形態と同様である。
上記のように構成された第3の実施形態においては、以下のようにして開閉装置100のストローク測定を行うことができる。
まず、出荷時および定期点検時の開閉動作試験中において、可動マーカ201および対応点マーカ303が常に撮影できるように、操作機構101の扉102を開放し、複数の高速度カメラ10と照明装置30を配置する。なお、本実施形態においては、既知の位置関係で配置された複数の対応点マーカ303を用いているため、第1の実施形態とは異なり、可動マーカ201の運動方向と高速度カメラ10の受光面が平行となるように調整する必要はない。
複数の高速度カメラ10により撮影された開閉動作中の映像データは、画像データ用ケーブル41を介して画像処理表示装置20へと転送され、画像変換部21で1フレーム毎の画像デジタルデータへと変換される。この場合、可動マーカ201および対応点マーカ303部分と背景部分とは、輝度値、色相または彩度などにおいて異なるため、この差異を利用して、フレーム毎に可動マーカ201と対応点マーカ303の位置を検出できる。また、画像処理表示装置20の演算部23においては、3次元位置が既知である複数の対応点マーカ303の位置から3次元座標系を容易に構築することができる。
したがって、第3の実施形態によれば、複数の対応点マーカ303は固定されており、第1の実施形態における固定マーカ301と同様の機能を果たすことができるため、開閉動作時に発生する機器全体の振動による測定誤差を生じることはなく、第1の実施形態と同様に高精度のストローク測定を行うことができる。
すなわち、第3の実施形態によれば、前述した第1の実施形態の効果が得られるが、これに加えて、複数の対応点マーカ303の使用により、さらに次のような効果が得られる。
まず、開閉装置100の操作機構101内の構成上または操作機構101周辺の制約により高速度カメラを自由に設置できない場合でも、第2の実施形態と同様に、高速度カメラを調整する必要がないため、制約の範囲内で高速度カメラを容易に設置できる。
また、可動マーカ201が高速度カメラ10の撮影面に対して平行な平面上で移動するだけでなく、撮影面に対して奥行き斜め方向に移動するような場合でも、複数の対応点マーカ303により構築された3次元座標系より可動マーカ201の移動量が求まるため、正確なストローク測定が可能となる。
このように、第3の実施形態においては、開閉装置の操作機構の構成上や操作機構周辺の制約により高速度カメラの設置範囲が限られている場合や、可動マーカが撮影面に対して奥行き斜め方向に移動するような場合でも、第2の実施形態と同様に、正確なストロークを測定できる。
なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態について前述した変形例と同様の各種の変形例が実施可能であり、同様に優れた効果が得られるものである。
さらに、第3の実施形態においては、3次元座標系を構築するために、複数の対応点マーカ303を予め設置したが、3次元座標系を構築することができれば、対応点マーカ303の具体的な構成や設置方法は何等限定されない。具体的な対応点マーカ303の設置方法としては、例えば、スポット光投影法、スリット光投影法およびパターン光投影法などが採用可能である。
[第4の実施形態]
図13は、本発明を開閉装置のストローク測定に適用した第4の実施形態に係る可搬式運動計測システムを示す概略構成図である。この図13に示すように、本実施形態は、第1の実施形態における固定マーカ301の代わりに、既知の間隔で配置された方眼目盛り304を設けたものである。
ここで、方眼目盛り304は、その一片の方向が可動マーカ201の移動方向と一致するように予め設置されている。また、方眼目盛り304の寸法は、可動マーカ201の移動範囲より大きくされている。なお、この方眼目盛り304は、背景と異なる色または反射率を有するシートまたはペイントなどを用いて構成されている。
上記のように構成された第4の実施形態においては、以下のようにして開閉装置100のストローク測定を行うことができる。
まず、出荷時および定期点検時の開閉動作試験中において、可動マーカ201および方眼目盛り304が常に撮影できるように、操作機構101の扉102を開放し、高速度カメラ10と照明装置30を配置する。なお、本実施形態においては、既知の間隔で配置された方眼目盛り304を用いているため、第1の実施形態とは異なり、可動マーカ201の運動方向と高速度カメラ10の受光面が平行となるように調整する必要はない。
高速度カメラ10により撮影された開閉動作中の映像データは、画像データ用ケーブル41を介して画像処理表示装置20へと転送され、画像変換部21で1フレーム毎の画像デジタルデータへと変換される。この場合、可動マーカ201および方眼目盛り304部分と背景部分とは、輝度値、色相または彩度などにおいて異なるため、この差異を利用して、フレーム毎に可動マーカ201と方眼目盛り304の位置を検出できる。
したがって、第2の実施形態によれば、方眼目盛り304は固定されており、第1の実施形態における固定マーカ301と同様の機能を果たすことができるため、開閉動作時に発生する機器全体の振動による測定誤差を生じることはなく、第1の実施形態と同様に高精度のストローク測定を行うことができる。
すなわち、第4の実施形態によれば、前述した第1の実施形態の効果が得られるが、これに加えて、方眼目盛り304の使用により、さらに次のような効果が得られる。
まず、開閉装置100の操作機構101内の構成上または操作機構101周辺の制約により高速度カメラを自由に設置できない場合でも、第2、第3の実施形態と同様に、高速度カメラを調整する必要がないため、制約の範囲内で高速度カメラを容易に設置できる。
また、可動マーカ201が高速度カメラ10の撮影面に対して平行な平面上で移動するだけでなく、撮影面に対して奥行き斜め方向に移動するような場合でも、方眼目盛り304の間隔は既知であるため、可動マーカ201の移動量を実測長さで校正し、正確なストローク測定が可能となる。
さらに、高速度カメラ10のレンズが、画像端に歪みが生じる歪曲収差の大きいズームレンズや広角レンズである場合に、前述した第1〜第3の実施形態における可動マーカ、固定マーカ、対応点マーカや校正目盛りなどが画像端に位置すると、マーカや目盛りの正確な位置を検出することはできないため、高精度のストローク測定は難しい。これに対して、本実施形態においては、レンズの歪曲収差により画面端が歪んだ場合でも、方眼目盛り304の間隔は既知であるため、可動マーカ201の移動量を実測長さで校正し、正確なストローク測定が可能となる。
このように、第4の実施形態においては、開閉装置の操作機構の構成上や操作機構周辺の制約により高速度カメラの設置範囲が限られている場合や、可動マーカが撮影面に対して奥行き斜め方向に移動するような場合でも、第2、第3の実施形態と同様に、正確なストロークを測定できる。これに加えて、本実施形態においてはさらに、高速度カメラのレンズの歪曲収差が大きい場合でも、正確なストロークを測定できる。
なお、第4の実施形態においても、第1の実施形態について前述した変形例と同様の各種の変形例が実施可能であり、同様に優れた効果が得られるものである。
[他の実施形態]
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例が実施可能である。例えば、本発明は、前述したとおり、開閉装置のストローク測定に好適であるが、これに限らず、固定部に対する可動部のストロークの計測が必要な各種の機器を対象として同様に適用可能であり、同様に優れた効果が得られるものである。また、前記第1〜第4の実施形態やその変形例を適宜組み合わせてもよい。さらに、直線運動する部分と回転運動する部分の両方についてストロークを計測するシステムを構成してもよい。
本発明を適用した第1の実施形態に係る可搬式運動計測システムを示す概略構成図。 第1の実施形態の画像処理表示装置で取得した画像デジタルデータの例として、グレイスケールの取得画像とその処理結果として得られる処理画像を示す図。 第1の実施形態の変形例として、複数の固定マーカを使用した可搬式運動計測システムの一例を示す概略構成図。 第1の実施形態の変形例として、半球形状のマーカを使用した可搬式運動計測システムの一例を示す図であり、(a)はマーカ周辺を示す概略構成図、(b)は半球形状のマーカを示す拡大正面図および拡大側面図、(c)は半球形状のマーカを実現するマーカネジの形状を示す側面図。 第1の実施形態とその変形例の可動マーカの移動に伴い背景色が変化する様子を示す図であり、(a)は可動マーカを単一色で構成した例、(b)と(c)は可動マーカを領域分割して色の異なる複数の部分領域から構成した例をそれぞれ示す図。 第1の実施形態とその変形例の可動マーカの軌跡上に障害物が存在する場合の様子を示す図であり、(a)は単一の可動マーカを使用した例、(b)は複数の可動マーカを使用した例、(c)は拡大した単一の可動マーカを使用した例をそれぞれ示す図。 第1の実施形態における高速度カメラの解像度が低く、その撮影範囲に比べて可動マーカの移動範囲が大きい場合を示す図。 第1の実施形態の変形例を示す図であり、(a)は複数の可動マーカを使用した例、(b)は複数の高速度カメラを使用した例をそれぞれ示す図。 第1の実施形態の変形例として、他の計測信号を使用する可搬式運動計測システムの一例を示す概略構成図。 第1の実施形態の変形例として、回転運動によるストローク計測を行うための開閉装置の一例を示す概略構成図。 本発明を適用した第2の実施形態に係る可搬式運動計測システムを示す概略構成図。 本発明を適用した第3の実施形態に係る可搬式運動計測システムを示す概略構成図。 本発明を適用した第4の実施形態に係る可搬式運動計測システムを示す概略構成図。 従来の接触式ストローク測定システムの構成例を示す概略構成図。
符号の説明
10…高速度カメラ
20…画像処理表示装置
21…画像変換部
22…入力部
23…演算部
24…モニタ部
25…記憶部
30…照明装置
41…画像データ用ケーブル
42…計測信号用ケーブル
51…マーカネジ
53…マーカロッド
61…障害物
71…撮影範囲
72…移動範囲
100…開閉装置
101…操作機構
102…扉
103…可動部
104…固定部
105…可動シャフト
106…固定シャフト
120…矢印
201…可動マーカ
301…固定マーカ
302…校正目盛り
303…対応点マーカ
304…方眼目盛り
401…取得画像
402…処理画像
403…可動マーカ
404…固定マーカ

Claims (14)

  1. 測定対象機器の固定部に対する可動部のストロークを計測する可搬式運動計測システムにおいて、
    光を受光する感光部が複数列配置された受光面により2次元画像を読み取る撮影手段と、
    高輝度均一の光を前記測定対象機器に照射する照明手段と、
    前記撮影手段で取得した画像データをデジタルデータに変換した後、デジタルデータ処理および結果表示を行う画像処理表示手段と、
    前記測定対象機器の前記可動部に設けられ、周囲と色または反射率の異なる可動マーカと、
    前記測定対象機器の前記固定部における前記可動マーカの移動範囲近傍に設けられて基準となる座標を示す基準座標指示部を備え、
    前記撮影手段は、前記測定対象機器の稼動時に前記可動マーカおよび前記基準座標指示部を撮影するように配置され、
    前記画像処理表示手段は、前記デジタルデータから得られる前記基準座標指示部に対する前記可動マーカの位置変化に基づきストロークを計算するように構成されている
    ことを特徴とする可搬式運動計測システム。
  2. 前記基準座標指示部は、固定マーカである
    ことを特徴とする請求項1に記載の可搬式運動計測システム。
  3. 前記固定マーカは、複数箇所にそれぞれ配置された複数のマーカである
    ことを特徴とする請求項2に記載の可搬式運動計測システム。
  4. 前記基準座標指示部は、既知の間隔で配置された校正目盛りである
    ことを特徴とする請求項1に記載の可搬式運動計測システム。
  5. 前記基準座標指示部は、既知の位置関係で配置されて3次元座標系を構築する複数の対応点マーカである
    ことを特徴とする請求項1に記載の可搬式運動計測システム。
  6. 前記基準座標指示部は、既知の間隔で配置された方眼目盛りである
    ことを特徴とする請求項1に記載の可搬式運動計測システム。
  7. 前記可動マーカおよび前記基準座標指示部の少なくとも一方は、発光体である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の可搬式運動計測システム。
  8. 前記可動マーカおよび前記基準座標指示部の少なくとも一方は、半球形状要素から構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の可搬式運動計測システム。
  9. 前記可動マーカは、色または反射率の異なる複数の部分領域により構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の可搬式運動計測システム。
  10. 前記可動マーカの前記複数の部分領域は、同心円状に配置されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の可搬式運動計測システム。
  11. 前記可動マーカは、複数箇所にそれぞれ配置された複数のマーカである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の可搬式運動計測システム。
  12. 前記撮影手段は、前記測定対象機器の稼動時に異なる撮影領域をそれぞれ撮影するように配置された複数の撮影手段である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の可搬式運動計測システム。
  13. 前記測定対象機器に関する他の計測信号を取得する計測信号取得手段を備え、
    前記画像処理表示手段は、前記デジタルデータから得られる前記基準座標指示部に対する前記可動マーカの位置変化および前記計測信号取得手段により取得した計測信号に基づきストロークを計算するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の可搬式運動計測システム。
  14. 測定対象機器の固定部に対する可動部のストロークを計測する運動計測方法において、
    光を受光する感光部が複数列配置された受光面により2次元画像を読み取る撮影手段と、
    高輝度均一の光を前記測定対象機器に照射する照明手段と、
    前記撮影手段で取得した画像データをデジタルデータに変換した後、デジタルデータ処理および結果表示を行う画像処理表示手段と、
    前記測定対象機器の前記可動部に設けられ、周囲と色または反射率の異なる可動マーカと、
    前記測定対象機器の前記固定部における前記可動マーカの移動範囲近傍に設けられて基準となる座標を示す基準座標指示部を使用して、
    前記撮影手段を、前記測定対象機器の稼動時に前記可動マーカおよび前記基準座標指示部を撮影するように配置し、
    前記画像処理表示手段により、前記デジタルデータから得られる前記基準座標指示部に対する前記可動マーカの位置変化に基づきストロークを計算する
    ことを特徴とする運動計測方法。
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