JP5432864B2 - 検査装置及び検査方法 - Google Patents

検査装置及び検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5432864B2
JP5432864B2 JP2010191995A JP2010191995A JP5432864B2 JP 5432864 B2 JP5432864 B2 JP 5432864B2 JP 2010191995 A JP2010191995 A JP 2010191995A JP 2010191995 A JP2010191995 A JP 2010191995A JP 5432864 B2 JP5432864 B2 JP 5432864B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inspection
illumination
image
unit
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010191995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012047673A (ja
Inventor
亮 片山
勉 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2010191995A priority Critical patent/JP5432864B2/ja
Publication of JP2012047673A publication Critical patent/JP2012047673A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5432864B2 publication Critical patent/JP5432864B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Description

本発明は、検査対象物の疵を検査する技術に関するものである。
物体表面の疵や欠陥の検査については様々な手法がとられているが、デジタルカメラの普及と計算機の性能向上とによって、CCDおよびCMOSカメラを用いた画像処理による検査が昨今では広く普及している。
このような検査において、画像取得方法や、取得した画凹処理方法は様々であるが、物体表面の欠陥が、疵、圧痕、及び粒子状異物等である場合、光源を照射する角度を変えて物体表面を撮像することで検出効率を上げることが一般的に行われている。
例えば、特許文献1には照明LEDを動かして被検物の画像を撮像し、画像処理により被検物の表面の疵等を検査する表面検査装置が開示されている。
特許文献2には照明スポットからの散乱・回折・反射光を方位別に分離して検出し、検出した方位別の散乱・回折・反射光のデジタルデータを合算して統合デジタルデータを求め、統合デジタルデータが閾値以上であれば、当該統合デジタルデータを異物・欠陥によるものと判定する表面検査方法が開示されている。
特開2009−210367号公報 特開2009−68903号公報
しかしながら、特許文献1では、照明が機械的に動作されて多数の輝度画像が取得されているため、検査対象物の表面に規則的な構造がある場合、疵の部位と疵でない部位とを正確に分離すること困難である。
特許文献2では、照明ビームをほぼ13度で入射させて楕円状の照射スポットが形成されているが、照明ビームの照射方向を変更させながら、照明スポットからの散乱・回折・散乱光を検出することが行われていないため、例えばアルミの圧延面上において半周期的に現れる圧延疵とは別の要因で現れる疵を検出することは困難である。
本発明の目的は、検査対象物において疵の検出精度を向上する技術を提供することである。
(1)本発明による検査装置は、検査対象物の疵を検査する検査装置であって、前記検査対象物を複数の照明方向から照明する照明部と、前記照明部により各照明方向から照明された前記検査対象物の画像データを取得する画像取得部と、前記画像データを構成する各画素の照明方向に対する輝度分布を算出し、算出した輝度分布に対して所定の統計処理を行い、前記検査対象物において疵が現れていない箇所の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出部と、各画素の輝度分布と前記特徴量との相関値を算出し、算出した相関値に基づいて疵の箇所を示す疵情報を生成する疵情報生成部とを備え、前記照明部は、少なくとも2種類の色の光で前記検査対象物を照明し、前記画像取得部は、各色に対応する画像センサで検査対象物からの光を受光する。
本発明による検査方法は、検査対象物の疵を検査する検査方法であって、前記検査対象物を複数の照明方向から照明する照明ステップと、前記照明ステップにより各照明方向から照明された前記検査対象物の画像データを取得する画像取得ステップと、前記画像データを構成する各画素の照明方向に対する輝度分布を算出し、算出した輝度分布に対して所定の統計処理を行い、前記検査対象物において疵が現れていない箇所の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出ステップと、各画素の輝度分布と前記特徴量との相関値を算出し、算出した相関値に基づいて疵の箇所を示す疵情報を生成する疵情報生成ステップとを備え、前記照明ステップは、少なくとも2種類の色の光で前記検査対象物を照明し、前記画像取得ステップは、各色に対応する画像センサで検査対象物からの光を受光する
これらの構成によれば、光源が順次に点灯され、光源が点灯される毎に1枚の画像データが取得されているため、画像データを構成する各画素の輝度分布は、照明方向を順次切り替えて検査対象物を照明したときの検査対象物の各位置の輝度分布を表すことになる。
そして、検査対象物の正常領域の各画素の輝度分布から所定の統計処理を用いて検査対象物において疵が現れていない部位の特徴を示す特徴量が算出され、各画素の輝度分布と特徴量との相関値が算出され疵情報が生成される。よって、疵情報は、筋や縞模様等の半周期的な構造を有する検査対象物に現れる疵の箇所を精度よく表すことになり、検査対象物の疵を精度良く検出することができる。
また、この構成によれば、少なくとも2種類の光源を1つずつ同時に点灯させても、光源別の画像データを取得することができるため、光源の点灯回数を少なくとも1/2に削減することができる。
(2)前記照明部は、空間上の所定の位置に配置された複数の光源であることが好ましい。
この構成によれば、複数の光源を順次点灯させることで、検査対象物を複数の方向から照明することができる。
)前記画像取得部は、画像センサと、前記検査対象物と前記画像センサとを結ぶ直線を光軸とし、前記光軸と平行な光線を主成分とする光像を前記画像センサに導く光学系とを備えることが好ましい。
この構成によれば、検査対象物の法線方向からの反射光を画像センサに導くことが可能となり、他の方向からの反射光が画像センサに導かれることが防止され、照明方向からの光に強く依存した画像データを取得することができる。
)前記疵情報生成部は、各画素の輝度分布と前記特徴量とのマハラノビス距離を前記相関値として算出し、前記マハラノビス距離を濃淡で示す疵画像の画像データを前記疵情報として生成することが好ましい。
この構成によれば、マハラノビス距離を濃淡で示す疵画像が生成されているため、疵の箇所を正確に表す疵画像を生成することができる。また、疵画像を目視することで、ユーザは一目で疵の箇所を認識することができる。
)前記照明部による照明方向の切り替えを制御する照明制御部と、前記照明制御部による照明方向の切り替えと同期して前記画像取得部に前記検査対象物を撮像させる撮像制御部とを更に備えることが好ましい。
この構成によれば、光源を移動させる駆動系を用いなくても、照明方向を擬似的に切り替えることができ、装置構成を簡略化することができる。
)前記照明部は、前記検査対象物を覆うフードと、前記フードの内面に配置された複数の光源とを備えることが好ましい。
この構成によれば、内面に複数の光源が配置されたフードを備えているため、外部からの環境光が検査対象物に入射することを防止することができる。
)前記フードは、半球状であることが好ましい。
この構成によれば、検査対象物をほぼ全方位から照明することができる。
)前記照明部は、第1光源と、前記第1光源とは色の異なる光を照射する第2光源とを含み、前記第1光源は、前記疵情報生成部が多数の検査対象物に対して生成した疵情報に基づいて得られた疵を表さない正常領域を明るく照明する照明方向に複数配置され、前記第2光源は、前記疵情報生成部が多数の検査対象物に対して生成した疵情報に基づいて得られた疵を表す異常領域を明るく照明する照明方向に複数配置され、前記画像取得部は、各色に対応する画像センサで検査対象物からの光を受光することが好ましい。
この構成によれば、複数の第1光源を同時に点灯して第1光源の色の画像データを取得し、複数の第2光源を同時に点灯して第2光源の色の画像データを取得することができる。これにより、各画素は、第1光源の色と第2光源の色との2成分からなる輝度値を持つことになる。そして、第1光源は、正常領域を明るく照明することができ、第2光源は異常領域を明るく照明することができため、各画素を第1光源の色と第2光源の色とで規定される色空間にプロットした場合、正常領域の画素は第1光源の色の軸近辺に分布し、異常領域の画素は第2光源の色の軸近辺に分布し、両領域の色空間での分布が顕著に相違することになる。その結果、疵情報生成部は、各画素が色空間において、各画素がどの軸の近辺に分布しているかといった簡便な処理を用いて、疵情報を生成することができる。また、第1光源を同時に点灯し、第2光源を同時に点灯するだけで済み、光源の点灯回数を大幅に削減することができる。
)前記光学系は、テレセントリックレンズであることが好ましい。
この構成によれば、照明方向からの光に強く依存した画像データを取得することができる。
本発明によれば、検査対象物の疵を精度良く検出することができる。
(A)は本発明の実施の形態による検査装置の全体構成図を示している。(B)は図1に示す検査装置を上側から見たときの外観図である。 本発明の実施の形態による検査装置のブロック図を示している。 本発明の実施の形態による検査装置が画像データを取得する際の処理を示すフローチャートである。 図3のフローチャートにおいて、方位角と仰角との2つの変数を1つの変数を用いて表した場合のフローチャートを示している。 本発明の実施の形態による検査装置がマハラノビス距離を算出する処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態による変形例1の検査装置が画像データを取得する際の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態による検査装置において画像センサが取得する1枚の画像データを示した画面図である。 疵画像を示した図である。 図8に示す疵画像の直線ABの断面形状を示している。 R,G,Bの輝度値にたがってRGB色空間にプロットされた画素を模式的に示した図である。
図1(A)は、本発明の実施の形態による検査装置の全体構成図を示している。本検査装置は、ステージ10、照明部20、及び画像取得部30を備えている。ステージ10は、平板状の台であり、検査対象となる検査対象物Hが載置される。検査対象物Hとしては、圧延された金属(例えばアルミニウム)が採用されている。そして、本検査装置は、検査対象物Hを圧延することで生じた圧延疵とは別の要因で発生した疵を検出することを目的としている。つまり、本実施の形態では、筋や縞模様等が半周期的に現れる構造を持つ検査対象物Hに現れる疵を検出することを目的としている。
照明部20は、複数の光源21と、光源21が内面に配置されたフード22とを備えている。光源21としては、例えばLED(発光ダイオード)からなる光源が採用されている。フード22は、ステージ10に載置される検査対象物Hを覆う半球状の部材により構成されている。
光源21はフード22の内面において規則的に配置されている。図1(B)は図1に示す検査装置を上側から見たときの外観図である。図1(B)に示すように光源21は、フード22の内面において、中心O1を中心として放射状に配置されている。ここで、光源21が配置される位置Tは、仰角θと方位角φとによって規定される極座標を用いてT(θ,φ)で表される。
仰角θは、図1(A)に示すように位置T及びステージ10の中心O1間を結ぶ直線L1と、ステージ10の主面とがなす角度である。方位角φは、図1(A)に示すように、ステージ10の主面上であって中心O1を通る基準線L2と、直線L1のステージ10の射影直線L1´とのなす角度である。
本実施の形態では、図1(B)に示すように、光源21は、θ=0〜180°の仰角方向に12度間隔で配置され、φ=0〜180°の方位角方向に15度間隔で配置されている。したがって、光源21の総数は、16×12=192個となる。但し、これは一例であり仰角θ、方位角φの配列間隔として、他の角度を採用してもよい。図1(A)、(B)に示すように光源21を配置することで、検査対象物Hを複数の照明方向から照明することができる。
多方向からの照明による画像データを順次得る際に、特許文献1のように機械的に光源を移動させると非常に多くの時間を要してしまう。また、光源を機械的に移動させるためには駆動系を装置に組み込まなくてはならないため、装置の簡略化を阻害する。
そこで、本検査装置は、フード22に放射状に多数の光源21を配置している。そして、ハードウェア回路からなる照明制御部41によりLEDの点灯をコントロールさせている。これにより、駆動系を用いなくても、光源を擬似的に移動させることができる。また、フード22は半球面状であるため、光源21は球面上に配置されることになり、検査対象物Hの全方位からの照明を比較的容易に実現することができる。
なお、図1の例では、フード22に直接、光源21を設けたが、これに限定されない。例えば、1つの光源と、多数の光ファイバーと、光源からの光を各光ファイバーに切り替えて導光させる切替器とで構成してもよい。この場合、図1において光源21が配置された箇所に端面が位置するように各光ファイバーを配置すればよい。そして、照明制御部41は、切替器を制御することで、光源からの光を導光する光ファイバーを順次に切り替え、照明方向を順次に切り替えればよい。この場合、電気配線が不要となり、より多数の光ファイバーをフード22に取り付けることが可能となり、照明方向をより多く設定することができる。
また、検査対象物Hに外部からの環境光が入射すると、疵の検出精度が低下してしまう。そこで、フード22は環境光が遮光できる色、例えば黒色の部材で構成することが好ましい。
画像取得部30は、画像センサ31及び光学系32を備えている。画像センサ31は、撮像面の中心がステージ10の中心O1に対向するように照明部20の上側に配置され、光源21により照明された検査対象物Hを撮像し、画像データを取得する。画像センサ31としては、例えば1/4インチのCCDカメラを採用することができる。1/4インチのCCDカメラは、画素数が640×480個である。なお、1/4インチは一例であり他のサイズのCCDカメラを採用してもよいし、CMOSカメラを採用してもよい。本実施の形態では、画像センサ31が取得する画像データは、例えば左上の頂点が原点とされ、水平方向がX方向とされ、垂直方向がY方向とされる2次元の座標空間で各画素の位置が規定される。そして、画像データの各画素Gについて、X方向の座標を変数iで表し、Y方向の座標を変数jで表す。本実施の形態では、X方向の座標をi=0〜639で表し、Y方向の座標をj=0〜479で表す。
光学系32は、例えばテレセントリックレンズにより構成され、フード22の頂点に形成された孔23に設けられている。そして、光学系32は、検査対象物Hと画像センサ31とを結ぶ直線L3を光軸とし、光軸と平行な光線を主成分とする光像を画像センサ31に導く。直線L3は、中心O1を通るステージ10の法線である。
図2は、本発明の実施の形態による検査装置のブロック図を示している。本検査装置は、照明部20、画像取得部30、制御部40、操作表示部50、及び画像メモリ60を備えている。
制御部40は、検査装置の全体制御を司る。制御部40は、照明制御部41、撮像制御部42、特徴量算出部43、及び疵情報生成部44を備えている。制御部40を構成する各ブロックはそれぞれ個別のハードウェア回路により構成してもよいし、1つのハードウェア回路により構成してもよい。ハードウェア回路としては、PIOボードやCPLD、FPGA等を採用してもよいし、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータにより構成してもよい。
照明制御部41は、照明部20を構成する光源21を所定の順序で順次に点灯させる。本実施の形態では、照明制御部41は、例えば30msecの間隔で光源21を順次点灯させている。
撮像制御部42は、照明制御部41が1個の光源を点灯させるタイミングと同期させて画像センサ31に1枚の画像データを撮像させる。ここで、画像センサ31は、1枚の画像を撮像するのに要する時間が30msecであるため、照明制御部41は、光源21を30msec間隔で順次に点灯させている。また、撮像制御部42は、画像センサ31により取得された画像データを画像メモリ60に記憶させる。
本実施の形態では、光源21は192個存在するため、撮像制御部42は、192枚の画像データを画像センサ31に取得させる。ここで、画像センサ31は、取得した192枚の画像データを、撮像順序を示す撮像番号と紐つけて画像メモリ60に記憶させる。照明制御部41は、所定の順序で各光源21を点灯させるため、撮像番号が分かれば、各画像データが取得される際に点灯された光源21を特定することができ、検査対象物Hの照明方向を特定することができる。
画像メモリ60は、ハードディスク等の外部記憶装置により構成され、画像センサ31により取得された画像データを記憶する。
特徴量算出部43は、画像メモリ60に記憶された画像データから、各画素G(i,j)の輝度値P(n,i,j)の標準偏差V(i,j)を求め、求めた標準偏差V(i,j)を用いて輝度値P(n,i,j)を規格化し、規格化輝度値P´(n,i,j)を算出する。この規格化輝度値P´(n,i,j)が輝度分布の一例に該当する。但し、変数nは撮像番号を規定する整数値である。
そして、特徴量算出部43は、疵が現れていないことが推定される正常領域を全画像データに設定し、設定した領域内の規格化輝度値P´(n,i,j)から検査対象物Hの正常領域の共分散行列Cを算出する。この共分散行列Cが特徴量の一例に該当する。ここで、正常領域は、ユーザが操作表示部50を操作して予め入力した領域が採用される。ユーザは、実際に検査対象物Hを目視することで疵が現れていない領域を見つけ、その領域を入力すればよい。或いは、多数の検査対象物Hを実測することで疵が現れていないと想定される領域を正常領域として記憶装置に予め記憶させておき、特徴量算出部43は予め記憶された正常領域を用いて正常領域を設定してもよい。
疵情報生成部44は、規格化輝度値P´(n,i,j)と共分散行列Cとの相関値を算出し、算出した相関値に基づいて疵の箇所を示す疵情報を生成する。ここで、相関値としては、規格化輝度値P´(n,i,j)と共分散行列Cとの統計的な距離を採用することができる。本実施の形態では、統計的な距離としてマハラノビス距離d(i,j)を採用する。
そして、疵情報生成部44は、算出したマハラノビス距離d(i,j)を濃淡表示する疵画像の画像データを疵情報として生成し、操作表示部50に表示させる。
このように、光源21を順次に点灯し、光源21を点灯する毎に1枚の画像データが取得されているため、各画素G(i,j)の輝度分布は、照明方向を順次切り替えて検査対象物Hを照明したときの検査対象物Hの各位置の輝度分布を表すことになる。
そして、検査対象物Hの正常領域の各画素G(i,j)の輝度分布から共分散行列Cが算出されているため、この共分散行列Cは、検査対象物Hの正常領域における輝度値の特徴を表すことになる。
そして、各画素G(i,j)の規格化輝度値P´(n,i,j)について、共分散行列Cに対するマハラノビス距離d(i,j)が算出されているため、マハラノビス距離d(i,j)は、各画素G(i,j)の輝度分布が正常領域の輝度値の特徴にどの程度近いかを表すことになる。
よって、このマハラノビス距離d(i,j)を濃淡表示する疵画像を操作表示部50に表示することで、ユーザに対して一目で疵の箇所を認識させることができる。なお、疵画像はマハラノビス距離d(i,j)が大きくなるにつれて、輝度値が大きくなるようにすればよい。
なお、検査対象物Hにおいて、疵を示す異常領域が正常領域に比べて非常に小さい場合、取得した画像データから計算した共分散行列Cを用いてマハラノビス距離d(i,j)を算出しても精度良く異常領域を検出することができる。
しかしながら、検査対象物Hにおいて、異常領域が正常領域に比べて大きい場合、共分散行列Cを用いてマハラノビス距離d(i,j)を算出しても、精度良く異常領域を検出することができなくなる。そこで、正常領域のサンプルを用いた共分散行列Cをテーブルとして予め記憶装置に記憶させておき、この共分散行列Cを用いてマハラノビス距離d(i,j)を算出してもよい。これにより、検査対象物Hの異常領域を精度良く検出することができる。
疵は大小さまざまであるが、特に目視検査で問題になるサイズの疵については数ミクロンオーダーの構造を有することが多く、ある方向からの光はその形状を反映した方向に反射される。そこで、本検査装置では、光源21を視野に対して十分長い距離に配置し、かつ、光学系32としてテレセントリックレンズを採用している。そのため、画像センサ31が取得する画像データはより光源21の照明方向からの照明に強く依存したものとなる。その結果、異常領域と正常領域とで各画素の輝度分布を顕著に相違させることができる。
ここで、疵情報生成部44は、マハラノビス距離d(i,j)が規定値THより大きい画素を、疵を表す画素として判定し、当該画素からなる領域を異常領域とし、異常領域を疵画像上にマーキング表示させてもよい。マーキングの表示態様としては、異常領域の輪郭を太枠で囲んで、輪郭内をハッチング表示したり、網点表示したりする等の表示態様を採用すればよい。これにより、ユーザは疵画像から疵の箇所をより速やかに認識することができる。規定値THの値としては、疵であると想定される予め定められた値を採用すればよい。
また、疵情報生成部44は、疵画像上においてユーザにより直線を入力させ、入力された直線における疵画像の断面形状を示す画像データを生成し、操作表示部50に表示させてもよい。これにより、ユーザは感心のある部位において疵の深さ及び広さを立体的に認識することができる。
操作表示部50は、例えばタッチパネルを備える表示装置により構成され、ユーザから入力される種々の操作指令を受け付けると共に、疵情報生成部44が生成した疵画像を表示する。
通常、輝度画像の比較を行うには、各光源21の出力を厳密に一致させなければならないが、本検査装置では、輝度画像を統計処理することで疵を検出している。そのため、各光源21の出力は厳密に一致させる必要がなく、画像が撮像できる範囲に調整されていればよい。無論、各光源21の出力は均等であることが好ましい。
図3は、本発明の実施の形態による検査装置が画像データを取得する際の処理を示すフローチャートである。まず、照明制御部41は、方位角φを0に設定し(ステップS1)、仰角θを0に設定し(ステップS2)、方位角φ及び仰角θを初期化する。
次に、照明制御部41は、位置T(φ,θ)に配置された光源21を点灯させる(ステップS3)。次に、撮像制御部42は、画像センサ31に検査対象物Hを撮像させ、1枚の画像データを取得させる(ステップS4)。ここで、撮像制御部42は、光源21が点灯されたとき、照明制御部41から撮像指令を受け付けて撮像処理を開始する。これにより、画像センサ31の撮像処理と光源21の点灯タイミングとを同期させることができる。次に、撮像制御部42は、画像センサ31に取得した画像データを画像メモリ60に記憶させる(ステップS5)。
次に、照明制御部41は、仰角θが180°になったか否かを判定する(ステップS6)。そして、照明制御部41は、仰角θが180°になった場合は(ステップS6でYES)、処理をステップS8に進め、仰角θが180°未満である場合は(ステップS6でNO)、処理をステップS7に進める。
ステップS7において、照明制御部41は、仰角θを12°インクリメントさせ、処理をステップS3に戻す。これにより、ある方位角φにおいて、仰角θが180°になるまで12°刻みで増大され、増大される都度、1枚の画像データが取得される。
ステップS8において、照明制御部41は、方位角φが165°になった否かを判定し、方位角φが165°になった場合(ステップS8でYES)、処理を終了する。一方、照明制御部41は、方位角φが165°未満である場合(ステップS8でNO)、方位角φを15°増大させ(ステップS9)、処理をステップS3に戻す。
以上により、192個の光源21が1個ずつ点灯される都度、1枚の画像データが取得され、合計192枚の画像データが取得されることになる。そのため、192個の方向から検査対象物Hを照明した場合の各画素G(i,j)の輝度分布が得られることになる。
図4は、図3のフローチャートにおいて、方位角φと仰角θとの2つの変数を1つの変数nを用いて表した場合のフローチャートを示している。本検査装置は192個の光源21を備えているため、各光源21に変数nを割り付けると、図3のフローチャートは図4で表されるのである。
つまり、変数nがn=0〜N−1(N=192)まで1つずつインクリメントされ、インクリメントされる都度、1枚の画像データが取得される。これにより、N枚の画像データが取得される。
図5は、本発明の実施の形態による検査装置がマハラノビス距離d(i,j)を算出する処理を示したフローチャートである。まず、特徴量算出部43は、変数iに0を設定し(ステップS31)、変数jに0を設定し(ステップS32)、変数i,jを初期化する。
次に、特徴量算出部43は、N枚の画像データを用いて、規格化輝度値P´(n,i,j)を求める(ステップS33)。具体的には、特徴量算出部43は下記の演算により規格化輝度値P´(n,i,j)を求める。
まず、式(1)を用いて、N枚の画像データについて各画素G(i,j)の輝度値P(n,i,j)の平均値P_ave(i,j)を求める。
P_ave(i,j)=(1/N)・Σn=0 N−1P(n,i,j) (1)
但し、nはn=0〜N−1の整数値をとる。
次に、式(2)を用いて、N枚の画像データについて各画素G(i,j)の輝度値P(n,i,j)の2乗平均値P_ave(i,j)を求める。
_ave(i,j)=(1/N)・Σn=0 N−1(n,i,j) (2)
次に、式(3)に示すように、2乗平均値P_ave(i,j)から平均値P_ave(i,j)を減じ、画素G(i,j)の輝度分布の標準偏差V(i,j)を求める。
V(i,j)=P_ave(i,j)−P_ave(i,j) (3)
次に、式(4)に示すように、標準偏差V(i,j)を用いて輝度値P(n,i,j)を規格化し、規格化輝度値P´(n,i,j)を求める。
P´(n,i,j)=(P(n,i,j)−P_ave(i,j))/V(i,j) (4)
ここで、nはn=0〜N−1であるため、P(n,i,j)は、P(0,i,j),P(1,i,j),・・・,P(N−1,i,j)からなる1次元の行列の各要素を表す。したがって、規格化輝度値P´(n,i,j)も、P´(0,i,j),P´(1,i,j),・・・,P´(N−1,i,j)からなる1次元の行列の各要素を表す。このn=0〜N−1個の規格化輝度値P´(n,i,j)が各画素G(i,j)の輝度分布に相当する。
図5に戻り、ステップS34において、特徴量算出部43は、変数jがj=479である場合(ステップS34でYES)、処理をステップS36に進め、変数jがj=479未満である場合(ステップS34でNO)、処理をステップS35に進める。
ステップS35において、変数jが1インクリメントされ、処理がステップS32に戻される。ステップS36において、変数iがi=639である場合(ステップS36でYES)、処理が終了される。一方、変数iが639未満である場合(ステップS36でNO)、変数iが1インクリメントされ(ステップS37)、処理がステップS33に戻される。これにより、画像データを構成する各画素G(i,j)について、規格化輝度値P´(i,j)が算出される。
次に、ステップS38において、特徴量算出部43は、画像データを示す2次元画像空間上に正常領域を設定する。ここでは、正常領域は、X=X1〜X2、Y=Y1〜Y2によって規定される矩形領域とする。これら、X1,X2,Y1,Y2は、上述したように予め定められた値が採用されている。
次に、特徴量算出部43は、式(5)に示すように、規格化輝度値P´(i,j)を用いて共分散行列C(m,n)を算出する(ステップS39)。
ここで、n,mは、画像データを特定するための番号を示す整数値である。本実施の形態では、N枚の画像データが用いられているため、n=0〜N−1,m=0〜N−1となり、共分散行列C(m,n)はN−1行、N−1列の行列となる。X_hはX_h=X2−X1で定義され、正常領域のY方向の長さを示し、Y_hはY_h=Y2−Y1で定義され、正常領域のY方向の長さを示す。
次に、疵情報生成部44は、変数iを0に設定し(ステップS40)、変数jを0に設定し(ステップS41)、変数i,jを初期化する。次に、疵情報生成部44は、式(6)を用いて、規格化輝度値P´(i,j)と共分散行列C(m,n)とのマハラノビス距離d(i,j)を算出する(ステップS42)。
ここで、Pρ(i,j)は、式(8)で示すように、n=0〜N−1の画像データにおける各画素G(i,j)の輝度値P(0,i,j),P(1,i,j),・・・,P(N−1,i,j)からなる1次元の行列である。また、Pρt(i,j)は式(7)に示すように、Pρ(i,j)の転置行列である。
次に、疵情報生成部44は、マハラノビス距離d(i,j)と規定値THとを比較し、対応する画素G(i,j)が疵を表すか否かを判定する(ステップS43)。ここで、疵情報生成部44は、マハラノビス距離d(i,j)が規定値THより大きい場合、対応する画素G(i,j)は疵を表す異常領域の画素と判定し、マハラノビス距離d(i,j)が規定値TH以下の場合、対応する画素G(i,j)は疵を表しておらず、正常領域の画素と判定する。
次に、疵情報生成部44は、変数jがj=479になっている場合(ステップS44でYES)、処理をステップS46に進め、変数jが479未満である場合(ステップS44でNO)、変数jを1インクリメントし(ステップS45)、処理をステップS42に戻す。
ステップS46において、疵情報生成部44は、変数iがi=639になっている場合(ステップS46でYES)、処理を終了し、変数iが639未満である場合(ステップS46でNO)、変数iを1インクリメントし(ステップS47)、処理をステップS42戻す。
ステップS42〜S47の処理が繰り返されることで、各画素G(i,j)についてのマハラノビス距離d(i,j)が算出されることになる。次に、疵情報生成部44は、疵画像の画像データを生成し、操作表示部50に表示する(ステップS48)。
図7は、本発明の実施の形態による検査装置において画像センサ31が取得する1枚の画像データを示した画面図である。図7に示すように、検査対象物Hにおいて多数の筋が半周期的に現れていることが分かる。そして、この筋の存在によって、図7に示す画像を目視しただけでは、検出対象とする疵を見つけることが困難であることが分かる。
図8は、疵情報生成部44が生成した疵画像を示した図である。図8においては、明るい箇所になるにつれて、マハラノビス距離d(i,j)が大きくなっている。よって、図8では、図7では現れていなかった、検査対象物Hの疵が鮮明に現れていることが分かる。図9は、図8に示す疵画像の直線ABの断面形状を示している。なお、図9に示す縦軸はマハラノビス距離d(i,j)を示し、横軸は直線AB上の各位置を示している。
図9では、点A,Bの近傍と点A,Bの中間の位置にマハラノビス距離d(i,j)の高い領域が現れており、これらの3領域で疵が現れていることが分かる。そのため、疵情報生成部44は、これら3領域を疵と判定し、それ以外の領域を正常領域と判定する。
なお、疵情報生成部44は、図8に示すように、操作表示部50を操作することで、ユーザにより直線ABが設定されると、図9に示す直線ABの断面形状の画像データを生成し、操作表示部50に表示させればよい。
この場合、疵情報生成部44は、直線AB上の各画素のマハラノビス距離d(i,j)を縦軸、直線AB上の各位置を横軸に取り、各画素のマハラノビス距離d(i,j)をプロットすることで、断面形状の画像データを生成すればよい。
このように、本検査装置によれば、各画素G(i,j)の輝度分布から共分散行列C(m,n)が算出され、各画素G(i,j)の輝度分布と共分散行列C(m,n)とのマハラノビス距離d(i,j)が求められ、各画素G(i,j)が疵を表しているか否かが判定されている。そのため、検査対象物Hにおいて、疵を示す異常領域を正確に検出することができる。
(変形例1)
次に、本検査装置の変形例1について説明する。変形例1においては、光源21として、R(赤),G(緑),B(青)の3種類の光源を採用し、光源21の点灯回数を1/3に減らしたことを特徴としている。
具体的には、図1において、仰角方向にR,G,Bの順番で、光源21が配置されている。また、画像センサ31は、Rのフィルタを介してRの光像を受光する画像センサ31Rと、Gのフィルタを介してGの光像を受光する画像センサ31Gと、Bのフィルタを介してBの構造を受光する画像センサ31Bとを備えている。
図6は、本発明の実施の形態による変形例1の検査装置が画像データを取得する際の処理を示すフローチャートである。このフローチャートは基本的には図4に示すフローチャートと同一であるが、ステップS52において、照明制御部41は、変数nが3s,3s+1,3s+2のR,G,Bの光源21を同時に点灯している。
よって、検査対象物Hは、R,G,Bの光によって照明される。検査対象物Hからの反射光は、R,G,Bの成分がそれぞれ画像センサ31R,31G,31Bによって受光され、ステップS53において、R,G,Bの3枚の画像データが撮像され、ステップS54で保存される。
このように、同時に3個ずつ光源21が点灯されているため、光源21の点灯回数を1/3に減らすことができ、画像データを高速に取得することができる。
ここで、n番目の画像データの各画素G(i,j)の輝度値を、Rの輝度値Pr(n,i,j)、Gの輝度値Pg(n,i,j)、Bの輝度値Pb(n,i,j)と表す。そして、f=0,1,2がそれぞれ、R,G,Bに対応付けられた配列分配係数fを定義する。
配列分配係数fを用いてR,G,Bの輝度値Pr(n,i,j),Pg(n,i,j),Pb(n,i,j)を定義し直すと、下記のようになる。
P(n,i,j)=P(3s+f,i,j)
Pr(s,i,j)=P(3s,i,j)
Pg(s,i,j)=P(3s+1,i,j)
Pb(s,i,j)=P(3s+2,i,j)となる。
ステップS55において、疵情報生成部44は変数s=63になった場合(ステップS55でYES)、処理を終了し、変数sが63未満の場合(ステップS55でNO)、変数sを1インクリメントし(ステップS56)、処理をステップS52に戻す。
つまり、光源21の個数は全部でN(=192)個であるが、同時に3個の光源21が点灯されているため、変数sがs=63になったとき、処理が終了されている。
なお、変形例1においては、3個の光源21が同時に点灯されているが、それぞれ、個別に1枚の画像データとして画像センサ31R,31G,31Bに取得されているため、合計N枚の画像データが得られる。よって、変形例1におけるマハラノビス距離d(i,j)を算出処理は、図5に示すフローチャート同一となる。なお、変形例1では、R,G,Bの3色の光源21を用いたが、これに限定されず、波長の異なる光源であればどのような光源を採用してもよい。例えば、波長の異なる4つの光源21を採用した場合、同時に4つずつの光源21を順次に点灯して行けばよい。この場合、画像センサ31としては、4つの波長のそれぞれを受光する4つの画像センサを採用すればよい。
(変形例2)
次に、本検査装置の変形例2について説明する。変形例2は、多数の検査対象物Hにおける正常領域の検査結果が蓄積された後、この検査結果から、正常領域を明るく光らせることができる照明方向の光源21と他の光源21とを別の色の光源21で構成し、光源21の点灯シーケンスや相関値の算出処理を簡略化したことを特徴としている。
すなわち、図7に示すように、検査対象物Hが縞模様や筋等の特有の半周期的構造を有している場合、多数の検査対象物Hに対してマハラノビス距離d(i,j)が蓄積されると、検査対象物Hにおいて、どの領域が正常領域を示すかのおおよその傾向を把握することができる。そして、正常領域の各画素G(i,j)を明るく照明することができる光源21を特定することができる。そして、特定した光源21を全て同色(例えばR)の光源21で構成する。具体的には、正常領域の各画素G(i,j)の輝度分布がピークを示す時に点灯された光源21をRの光源21で構成する。
また、蓄積された検査結果において、正常領域を明るく照明することができる光源21の近傍に配置され、かつ異常領域を明るく照明する照明方向に位置する光源21をGの光源21で構成し、残りの光源21をBの光源21で構成する。具体的には、異常領域の各画素の輝度分布がピークを示す時に点灯された光源21であって、Rの光源21の近傍(例えばRの光源21を取り囲む位置)にGの光源21を配置する。
このようにR,G,Bの光源21を配置し、Rの光源21の全てを同時に点灯し、Rの画像データを取得する。同様にして、Gの光源21の全てを同時に点灯し、Gの画像データを取得し、Bの光源21の全てを同時に点灯しBの画像データを取得する。
そして、疵情報生成部44は、R,G,Bの画像データから各画素G(i,j)をRGB色空間にプロットする。図10は、R,G,Bの輝度値にしたがってRGB色空間にプロットされた画素G(i,j)を模式的に示した図である。Rの光源21は正常領域を明るく照明することができる位置に配置されているため、Rの光源21を点灯した場合、正常領域の各画素G(i,j)は輝度値が大きくなる。一方、G,Bの光源21は、正常領域の各画素G(i,j)をRの光源21ほど明るく照明することができる位置に配置されていないため、G,Bの光源21を点灯した場合、正常領域の各画素G(i,j)の輝度値は小さくなる。
そのため、図10に示すように、正常領域の各画素G(i,j)をRGB色空間にプロットすると、正常領域の各画素G(i,j)はR軸上に集中して分布することになる。
また、Gの光源21は、赤の光源21の近傍に位置するため、正常領域の各画素G(i,j)のGの輝度値は、多少の値を有している。また、Bの光源21はRの光源21から離れた位置に配置されているため、正常領域の各画素G(i,j)のBの輝度値は、ほぼ0となる。
したがって、正常領域の各画素G(i,j)のGB平面への投影点はG軸に多少の広がりを持って原点O付近に分布する。
一方、異常領域の各画素G(i,j)はGの輝度値がBの輝度値よりも大きく、かつ、G,Bの輝度値がRの輝度値に比べて大きくなる。そのため、異常領域の各画素G(i,j)のGB平面への投影点は原点Oから離れた位置に分布する。
よって、疵情報生成部44は、図10に示すように、各画素G(i,j)をGB空間に投影し、投影点G_GB(i,j)と原点Oとのユークリッド距離du(i,j)を求める。そして、疵情報生成部44は、ユークリッド距離du(i,j)を濃淡表示する画像データを疵画像の画像データとして生成し、操作表示部50に表示する。
また、疵情報生成部44は、ユークリッド距離du(i,j)が規定値Thuより大きい画素G(i,j)を疵の画素として判定し、これらの画素からなる領域を異常領域とし、疵画像上にマーキング表示する。
このように、検査結果がある程度蓄積され、その検査結果にしたがって、R,G,Bの光源21の光源を上記のように配置した場合、R,G,Bの光源21を同時に1回ずつ点灯すればよくなり、光源21の点灯シーケンスを大幅に短縮することができる。また、各画素G(i,j)のGB平面への投影点G_GB(i,j)と原点Oとのユークリッド距離du(i,j)を算出するだけで疵画像を生成することができるため、共分散行列C及びマハラノビス距離を算出する必要がなくなり、処理負担を大幅に軽減させることが可能となる。
なお、変形例2においては、R,G,Bの3色の光源21を配置したが、2色の光源を配置してもよい。この場合、正常領域を明るく照明する光源21とその他の光源21とを別の色の光源21により構成すればよい。
10 ステージ
20 照明部
21 光源
22 フード
30 画像取得部
31 画像センサ
32 光学系
40 制御部
41 照明制御部
42 撮像制御部
43 特徴量算出部
44 疵情報生成部
50 操作表示部
60 画像メモリ

Claims (10)

  1. 検査対象物の疵を検査する検査装置であって、
    前記検査対象物を複数の照明方向から照明する照明部と、
    前記照明部により各照明方向から照明された前記検査対象物の画像データを取得する画像取得部と、
    前記画像データを構成する各画素の照明方向に対する輝度分布を算出し、算出した輝度分布に対して所定の統計処理を行い、前記検査対象物において疵が現れていない箇所の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出部と、
    各画素の輝度分布と前記特徴量との相関値を算出し、算出した相関値に基づいて疵の箇所を示す疵情報を生成する疵情報生成部とを備え
    前記照明部は、少なくとも2種類の色の光で前記検査対象物を照明し、
    前記画像取得部は、各色に対応する画像センサで検査対象物からの光を受光する検査装置。
  2. 前記照明部は、空間上の所定の位置に配置された複数の光源である請求項1記載の検査装置。
  3. 前記画像取得部は、
    画像センサと、
    前記検査対象物と前記画像センサとを結ぶ直線を光軸とし、前記光軸と平行な光線を主成分とする光像を前記画像センサに導く光学系とを備える請求項1又は2に記載の検査装置。
  4. 前記疵情報生成部は、各画素の輝度分布と前記特徴量とのマハラノビス距離を前記相関値として算出し、前記マハラノビス距離を濃淡で示す疵画像の画像データを前記疵情報として生成する請求項1〜のいずれかに記載の検査装置。
  5. 前記照明部による照明方向の切り替えを制御する照明制御部と、
    前記照明制御部による照明方向の切り替えと同期して前記画像取得部に前記検査対象物を撮像させる撮像制御部とを更に備える請求項1〜のいずれかに記載の検査装置。
  6. 前記照明部は、
    前記検査対象物を覆うフードと、
    前記フードの内面に配置された複数の光源とを備える請求項1〜のいずれかに記載の検査装置。
  7. 前記フードは、半球状である請求項記載の検査装置。
  8. 前記照明部は、第1光源と、前記第1光源とは色の異なる光を照射する第2光源とを含み、
    前記第1光源は、前記疵情報生成部が多数の検査対象物に対して生成した疵情報に基づいて得られた疵を表さない正常領域を明るく照明する照明方向に複数配置され、
    前記第2光源は、前記疵情報生成部が多数の検査対象物に対して生成した疵情報に基づいて得られた疵を表す異常領域を明るく照明する照明方向に複数配置され、
    前記画像取得部は、各色に対応する画像センサで検査対象物からの光を受光する請求項1〜のいずれかに記載の検査装置。
  9. 前記光学系は、テレセントリックレンズである請求項記載の検査装置。
  10. 検査対象物の疵を検査する検査方法であって、
    前記検査対象物を複数の照明方向から照明する照明ステップと、
    前記照明ステップにより各照明方向から照明された前記検査対象物の画像データを取得する画像取得ステップと、
    前記画像データを構成する各画素の照明方向に対する輝度分布を算出し、算出した輝度分布に対して所定の統計処理を行い、前記検査対象物において疵が現れていない箇所の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出ステップと、
    各画素の輝度分布と前記特徴量との相関値を算出し、算出した相関値に基づいて疵の箇所を示す疵情報を生成する疵情報生成ステップとを備え
    前記照明ステップは、少なくとも2種類の色の光で前記検査対象物を照明し、
    前記画像取得ステップは、各色に対応する画像センサで検査対象物からの光を受光する検査方法。
JP2010191995A 2010-08-30 2010-08-30 検査装置及び検査方法 Expired - Fee Related JP5432864B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010191995A JP5432864B2 (ja) 2010-08-30 2010-08-30 検査装置及び検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010191995A JP5432864B2 (ja) 2010-08-30 2010-08-30 検査装置及び検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012047673A JP2012047673A (ja) 2012-03-08
JP5432864B2 true JP5432864B2 (ja) 2014-03-05

Family

ID=45902716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010191995A Expired - Fee Related JP5432864B2 (ja) 2010-08-30 2010-08-30 検査装置及び検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5432864B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014182003A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Aisin Seiki Co Ltd 欠陥検出装置及び欠陥検出方法
JP6287301B2 (ja) * 2014-02-13 2018-03-07 アイシン精機株式会社 欠陥判定装置及び欠陥判定方法
JP6198242B2 (ja) * 2014-04-07 2017-09-20 株式会社神戸製鋼所 境界検出方法
JP2017062154A (ja) * 2015-09-24 2017-03-30 アイシン精機株式会社 欠陥検出装置及び欠陥検出方法
JP2017101977A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 リコーエレメックス株式会社 検査システムおよび検査方法
WO2018088552A1 (ja) 2016-11-14 2018-05-17 日本碍子株式会社 セラミックス体の欠陥検査装置および欠陥検査方法
FR3066821B1 (fr) 2017-05-24 2019-07-12 Areva Np Dispositif de detection d'un defaut sur une surface par eclairage multidirectionnel
JP6568991B2 (ja) * 2018-09-19 2019-08-28 株式会社キーエンス 画像検査装置、画像検査方法、画像検査プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記録した機器
CN114062259A (zh) * 2020-08-07 2022-02-18 中达电子(江苏)有限公司 一种用于光学检测的可编程结构光源
CN116685419A (zh) * 2021-07-01 2023-09-01 普锐特冶金技术日本有限公司 异常检测装置以及异常检测方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05188010A (ja) * 1992-01-14 1993-07-27 Nippon Steel Corp 表面検査装置
JPH0694642A (ja) * 1992-09-16 1994-04-08 Kawasaki Steel Corp 表面欠陥検査方法および装置
JPH1123489A (ja) * 1997-07-07 1999-01-29 Dainippon Printing Co Ltd 金属試料表面の外観検査方法および外観検査装置
JP3129278B2 (ja) * 1998-03-27 2001-01-29 日本電気株式会社 化学処理表面状態検査装置および化学処理液劣化状態検査方法
JP2005214720A (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Fuji Photo Film Co Ltd 表面検査装置及び方法
JP2005252451A (ja) * 2004-03-02 2005-09-15 Sony Corp 画質検査方法及び画質検査装置
JP2007132757A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Osaka City 外観検査方法および同装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012047673A (ja) 2012-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5432864B2 (ja) 検査装置及び検査方法
CN108445007B (zh) 一种基于图像融合的检测方法及其检测装置
CN106416225B (zh) 远程视觉检查图像捕获系统和方法
US10262431B2 (en) Three-dimensional measurement device
JP6484072B2 (ja) 物体検出装置
RU2560996C2 (ru) Способ измерения на основе структурированного света
US10430940B2 (en) Inspection system and inspection method
JP4808871B2 (ja) 表面性状評価装置
CN105372259B (zh) 测量装置、基板检查装置以及其控制方法、存储媒体
RU2007129751A (ru) Системы и способы наблюдения в ночное время
CN108475145A (zh) 图像识别装置、图像识别方法以及图像识别单元
TW201337212A (zh) 形狀測定裝置、構造物製造系統、形狀測定方法、構造物製造方法、形狀測定程式
JP2004309240A (ja) 3次元形状測定装置
JP2021047200A (ja) 表面特性を決定する多段階方法および調査装置
JP2009025189A (ja) 計測器
JP2008170256A (ja) 欠陥検出方法、欠陥検出プログラムおよび検査装置
JP7473558B2 (ja) 可動スキャナを使用したテクスチャモデルの生成
JP2002228417A (ja) クラック測定装置
JP5867123B2 (ja) 3次元形状計測装置およびキャリブレーション方法
KR102171773B1 (ko) 검사 영역 결정 방법 및 이를 이용하는 외관 검사 장치
JP6973205B2 (ja) 画像処理システム、画像処理装置、画像処理プログラム
JP6835020B2 (ja) 画像処理システム、画像処理装置、画像処理プログラム
JP7424074B2 (ja) 三次元形状計測装置、三次元形状計測方法及びプログラム
JP2020128971A (ja) 検査装置
JPH05296745A (ja) 形状測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5432864

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees