JP2007139338A - 換気装置及び建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】間接気化冷却機能を備えると共に、24時間換気機能を備えて、住宅への設置が可能な換気装置を提供することを目的とする。
【解決手段】換気装置1Aは、外気吸込口5から給気ファン2、間接気化冷却ユニット4のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通した給気流路9Aと、還気吸込口7から間接気化冷却ユニット4のワーキングエア流路11a、排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通した排気流路10Aを備える。給気流路9Aに給気流量調整ダンパ14を備え、排気流路10Aに排気流量調整ダンパ15を備えて、ワーキングエアもしくはプロダクトエアの少なくとも一方の流量を調整し、給気吹出口6からの給気温度を制御する。また、所定時間で建物内の空気の入れ替えができるように、還気吸込口7からの還気流量と給気吹出口6からの給気流量を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、住宅に設置され、室内と屋外で換気を行う換気装置及びこの換気装置を備えた建物に関し、特に、水の気化熱を利用してエアを冷却する間接気化冷却機能及び24時間換気機能を備えた換気装置に関する。
従来より、建物を冷房する空調装置が提案されているが、水の気化熱を利用してエアを冷却する間接気化冷却装置を備えた空調装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。間接気化冷却装置は、隔壁で仕切られた流路間で顕熱(温度)交換を行う構成で、ウエットチャネル等と称される一方の流路で水の気化熱を利用してエアを冷却すると共に、ドライチャネル等と称される他方の流路との間で冷熱の授受を行い、他方の流路を通るエアを冷却して、室内等に供給するものである。
特開2004−190907号公報
従来の間接気化冷却装置を備えた空調装置は、オフィスや店舗等に設置されており、住宅への設置は考慮されていない。間接気化冷却装置を備えた空調装置を住宅に設置する場合、温度制御が重要となるが、従来装置では、住宅での使用に要求される温度制御はできないという問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、住宅への設置 可能な間接気化冷却機能を備えた換気装置及びこのような換気装置を備えた建物を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、請求項1の発明は、外気吸込口から給気吹出口へのエアの流れを生成する給気ファンと、還気吸込口から排気吹出口へのエアの流れを生成する排気ファンと、水の気化熱で冷却されるワーキングエアが流れるワーキングエア流路を有すると共に、熱交換隔壁でワーキングエア流路と仕切られ、ワーキングエア流路を流れるワーキングエアとの間で顕熱交換が行われるプロダクトエアが流れるプロダクトエア流路とを有し、かつ、プロダクトエア流路の出口とワーキングエア流路の入口を連通させて、プロダクトエアの一部をワーキングエア流路に導入する戻り流路を有し、ワーキングエア流路がプロダクトエア流路に沿った向きで配置されて、プロダクトエア流路を流れるプロダクトエアに対してワーキングエア流路を流れるワーキングエアを対向流とした間接気化冷却ユニットと、間接気化冷却ユニットに設けられ、給排水を行う給排水装置と、外気吸込口から間接気化冷却ユニットのプロダクトエア流路を通り、給気吹出口へ連通した給気流路と、還気吸込口から間接気化冷却ユニットのワーキングエア流路を通り、排気吹出口へ連通した排気流路と、間接気化冷却ユニットのワーキングエア流路を流れるワーキングエアもしくはプロダクトエア流路を流れるプロダクトエアの少なくとも一方の流量を調整する流量制御手段とを備えて、給気吹出口からの給気温度を制御することを特徴とする。
請求項1の発明では、間接気化冷却ユニットにおいて外気をプロダクトエアとし、室内からの還気をワーキングエアとしてプロダクトエアの冷却が行われる。空気調和された室内温度は低いので、ワーキングエアとして冷却された還気を利用することで、間接気化冷却ユニットにおける入力温度が低くなり、冷却能力が向上する。
請求項2の発明は、上述した給気ファンと排気ファンと間接気化冷却ユニットを備えると共に、外気吸込口から間接気化冷却ユニットのプロダクトエア流路を通り、給気吹出口へ連通した給気流路と、給気流路から分岐して、間接気化冷却ユニットのワーキングエア流路を通り排気吹出口へ連通した第1の排気流路と、還気吸込口から排気吹出口へ連通した第2の排気流路と、間接気化冷却ユニットのワーキングエア流路を流れるワーキングエアもしくはプロダクトエア流路を流れるプロダクトエアの少なくとも一方の流量を調整する流量制御手段とを備えて、給気吹出口からの給気温度を制御すると共に、所定時間で建物内の空気の入れ替えができるように、還気吸込口からの還気流量と給気吹出口からの給気流量を調整することを特徴とする。
請求項2の発明では、間接気化冷却ユニットにおいて外気をプロダクトエアとワーキングエアとして、プロダクトエアの冷却が行われる。
請求項13の発明は、各請求項に係る換気装置の何れかを備えたことを特徴とする建物である。
本発明の換気装置によれば、間接気化冷却ユニットにおいて還気または外気をワーキングエアとして使用すると共に、プロダクトエアとワーキングエアの少なくとも一方の流量を制御することで、給気温度が調整されるので、簡単な構成で、給気温度と給気量の調整が可能となる。これにより、装置を安価に構成できる。
また、室内のエアを吸い込んで排気する機能を備えることで、換気を行いつつ冷房が行えると共に、室内からの還気を利用してプロダクトエアを冷却することで、冷却能力を向上させることができる。
従って、住宅への設置に要求される性能を有する間接気化冷却機能と、24時間換気機能等を備えた換気装置を、小型、かつ安価に提供できる。
そして、このような換気装置を備えた建物では、外気と室内の空気の換気を行いながら空調が行われるので、快適な住空間を提供できると共に、水を利用して空調を行うことで、消費電力を抑えることができる。
以下、図面を参照して本発明の換気装置及び建物の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態の換気装置1Aの構成>
図1は第1の実施の形態の換気装置1Aの一例を示す構成図である。第1の実施の形態の換気装置1Aは、給気ファン2と排気ファン3と間接気化冷却ユニット4を備える。
また、換気装置1Aは、屋外からの外気OA(OutsideAir)を吸い込む外気吸込口5と、給気SA(SupplyAir)を室内に吹き出す給気吹出口6を備える。更に、換気装置1Aは、室内からの還気RA(ReturnAir)を吸い込む還気吸込口7と、排気EA(ExhaustAir)を屋外に吹き出す排気吹出口8を備える。なお、各吹出口及び各吸込口は、例えば図示しないダクト等を介して室内及び屋外と接続される。
給気ファン2及び排気ファン3は例えばシロッコファンで、給気ファン2は、外気吸込口5から給気吹出口6へ連通した給気流路9Aにおいて、給気吹出口6へ向かうエアの流れを生成する。また、排気ファン3は、還気吸込口7から排気吹出口8へ連通した排気流路10Aにおいて、排気吹出口8へ向かうエアの流れを生成する。ここで、給気ファン2と排気ファン3は独立したモータで駆動される構成で、ファン風量が独立して制御できるようになっている。なお、給気ファン2と排気ファン3を単一のモータで駆動する構成としても良い。
間接気化冷却ユニット4は、間接気化エレメント11と、給排水装置12等を備える。間接気化エレメント11は、後述するように熱交換隔壁で仕切られたワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bを備え、ワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAと、プロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAとの間で顕熱(温度)交換が行われる。
そして、ワーキングエア流路11aに、後述するように湿潤部材を備えて、湿潤部材に水を供給することで、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却されると共に、ワーキングエアWAとの間で顕熱交換が行われるプロダクトエアPAが、湿度(絶対湿度)が変化することなく冷却される。
間接気化エレメント11の詳細は後述するが、間接気化エレメント11は、ワーキングエア流路11aがプロダクトエア流路11bに沿って配置される。本例では、ワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは平行に配置される。
また、プロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの一部をワーキングエア流路11aに導入して、ワーキングエアWAとして使用するため、ワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAと、プロダクトエアPAの流れを逆向きとして対向流としている。
給排水装置12は、間接気化エレメント11に水を供給する給水口12aと、給水口12aから間接気化エレメント11に供給された水を貯めるドレンパン13Aと、ドレンパン13Aの水を排出する排水口12bを備える。
給排水装置12は、例えば電磁弁で構成される給水バルブ12cが給水口12aと接続されて、間接気化エレメント11への給水の有無が切り替えられる。給水口12aは、本例では間接気化エレメント11の上側に単数あるいは複数のノズル等が配置され、間接気化エレメント11の上側から水が滴下または散水される。なお、給水バルブ12cは、流量可変機能を備えた給水量調整バルブであっても良い。
ドレンパン13Aは、間接気化エレメント11の下側に配置され、給水口12aから供給されて、間接気化エレメント11で消費されなかった水等を受ける。排水口12bは、例えば、ドレンパン13Aの水量が所定量を超えないように排水を行う位置に備えられる。また、例えば電磁弁で構成される排水バルブ12dが接続され、ドレンパン13Aの水を全て排出できる構成を備える。
なお、給排水装置12としては、間接気化エレメント11の下側に給水槽を備えると共に、給水槽に給水口と排水口を備えて、間接気化エレメント11の下側から給水が行われる構成としても良い。
給気流路9Aは、外気吸込口5から給気ファン2及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する。排気流路10Aは、還気吸込口7から間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する。
ここで、本例の間接気化エレメント11では、プロダクトエア流路11bはプロダクトエアPAの流れに沿って前後面に空気の出入口が配置され、プロダクトエアPAとワーキングエアWAを対向流としたことで、プロダクトエア流路11bの出口側にワーキングエア流路11aの入口が配置される。
これにより、図1に示すように還気吸込口7を装置の下部に備える構成では、排気流路10Aは、給気流路9Aとは独立して、例えば、間接気化エレメント11の側方を通り、ワーキングエア流路11aと連通する。
また、ワーキングエア流路11aの入口及び出口は、間接気化エレメント11の上側もしくは下側に配置されて、プロダクトエア流路11bの入口及び出口と分離している。
なお、還気吸込口7は、例えば給気吹出口6と並列した位置に備えて、排気流路10Aを間接気化エレメント11の側方を通さずに、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aと連通させても良い。
給気流路9Aは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。給気流量調整ダンパ14は流量制御手段を構成し、開閉によりエアの流量を調整するダンパと、ダンパを駆動するモータを備え、給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、給気流路9Aを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
排気流路10Aは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。排気流量調整ダンパ15は流量制御手段を構成し、開閉によりエアの流量を調整するダンパと、ダンパを駆動するモータを備え、排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、排気流路10Aを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
また、給気流路9Aは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に空気清浄装置として空気清浄フィルタ16を備える。給気流路9Aに空気清浄フィルタ16を備えることで、外気OAから粉塵等が除去された給気SAが室内に供給される。また、空気清浄フィルタ16を間接気化冷却ユニット4の上流側に配置することで、間接気化エレメント11への粉塵等の侵入を防ぐ。
また、空気清浄フィルタは、図示しないが還気吸込口7にも備えられる。更に、外気吸込口5にも空気清浄フィルタを備えることとしても良い。
更に、給気流路9Aは、給気吹出口6等に温度センサ17を備えることで、間接気化エレメント11を通過したプロダクトエアPAの出口温度、ここでは給気温度が検出される。
<間接気化エレメントの構成>
図2及び図3は間接気化エレメント11の一例を示す構成図で、図2は間接気化エレメント11の全体斜視図、図3(a)はワーキングエア流路11aの構成を示す要部分解斜視図、図3(b)はプロダクトエア流路11bの構成を示す要部分解斜視図である。なお、図2及び図3において、ワーキングエア流路11a及びプロダクトエア流路11bの数は一例である。
また、図4は間接気化エレメント11の動作例を示す説明図で、図4(a)は冷却原理を示し、図4(b)は冷却動作結果例を示す。
間接気化エレメント11は、図3(a)に示すようにワーキングエア流路11aが形成されたウエットセル21と、図3(b)に示すようにプロダクトエア流路11bが形成されたドライセル22が、図2に示すように熱交換隔壁23を挟んで積層される。
ウエットセル21は、図3(a)に示すように、複数本の仕切り21aで仕切られて複数のワーキングエア流路11aが形成された熱交換部21bと、ワーキングエアWAの流れる方向に沿って熱交換部21cの前後に形成されたWA導入部21c及びWA排出部21dを備える。
ドライセル22は、図3(b)に示すように、複数本の仕切り22aで仕切られて複数のプロダクトエア流路11bを備える。そして、ウエットセル21とドライセル22は、熱交換部21bにおけるワーキングエア流路11aと、プロダクトエア流路11bが略平行となる向きで、熱交換隔壁23を挟んで積層される。
なお、略平行とは、ワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bが数度程度傾斜しているような状態も含むものである。
これにより、間接気化エレメント11は、プロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流れに沿った前面に、プロダクトエア流路11bと連通したPA入口22bが形成され、プロダクトエアPAの流れに沿った後面に、プロダクトエア流路11bと連通したPA出口22cが形成される。
また、間接気化エレメント11は、プロダクトエアPAとワーキングエアWAが対向流であるので、PA出口22c側の上面に、WA導入部21cを介してワーキングエア流路11aと連通したWA入口21eが形成され、PA入口22b側の上面に、WA排出部21dを介してワーキングエア流路11bと連通したWA出口21fが形成される。
WA導入部21cは、本例では最下端の仕切り21a以外の仕切り21aを、所定のワーキングエア流量が得られる例えば一定の長さで非形成として、WA入口21eから各ワーキングエア流路11aへと上下に連通した流路が形成される。
また、WA導入部21cは、PA出口22cに隣接した間接気化エレメント11の後面に、ワーキングエアWAのプロダクトエアPAへの混合を防ぐ遮蔽部材21gが上下方向に断続的に形成されることで、プロダクトエアPAの一部をワーキングエア流路11aに導入するPA取入口21iが形成される。
これにより、間接気化エレメント11は、プロダクトエア流路11bを通り、PA出口22cから吹き出したプロダクトエアPAの一部が、PA取入口21iからワーキングエア流路11aへ導入される戻り流路11cが形成される。
WA排出部21dは、本例では最下端の仕切り21a以外の仕切り21aを、所定のワーキングエア流量が得られる例えば一定の長さで非形成として、WA出口21fから各ワーキングエア流路11aへと上下に連通した流路が形成される。
また、WA排出部21dは、PA入口22bに隣接した間接気化エレメント11の前面に、ワーキングエアWAのプロダクトエアPAへの混合を防ぐ遮蔽部材21hが上下に連続して形成される。
熱交換隔壁23は、図4(a)に示すように、ポリエチレンフィルム等で形成された防湿部材23aと、パルプ等で形成された湿潤層23bを備え、防湿部材23aの一例である防湿フィルムがドライセル22に面し、湿潤層23bがウエットセル21に面する。
なお、この防湿部材は防湿フィルムでなくても良く、アルミニウム、銅、ステンレス等のシート状部材や、それに樹脂による加工を施したものであっても良く、金属部材とコーティング等を組み合わせたものでも良く、防湿性と熱伝導性を有すればどのようなものであっても良い。
湿潤層23bは湿潤部材を構成し、例えば、図1で説明した給排水装置12から水の供給を受けることで、間接気化エレメント11は、ワーキングエア流路11aが湿潤な状態となる。
これに対して、プロダクトエア流路11bは、防湿部材23aでワーキングエア流路11aと隔離されるので、ワーキングエア流路11aの湿度とは関係なく、プロダクトエアPAの湿度(絶対湿度)に応じた湿度に保たれる。
これにより、ワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAと、プロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの間で、熱交換隔壁23を介して顕熱交換が行われる。
次に、図4(a),図4(b)を参照に間接気化エレメント11による冷却原理の概要を説明する。ワーキングエア流路11aに面した湿潤層23bは、図1に示す給排水装置12によって水が供給される。これにより、ワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAと湿潤層23bの温度差によって水分が気化し、ワーキングエアWAが冷却される。
ワーキングエアWAが冷却されると、ワーキングエア流路11aと熱交換隔壁23で仕切られたプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAは、熱交換隔壁23を通して冷熱を受けて冷却される。
ここで、熱交換隔壁23を構成する防湿部材23aは水分を通さないことから、プロダクトエアPAはプロダクトエア流路11bを通過しても絶対湿度が変化しない。なお、ワーキングエアWAは、ワーキングエア流路11aを通過すると高湿度になる。
一例として、プロダクトエアPA及びワーキングエアWAの入力温度が30℃、絶対湿度が10g/kg(DA:ドライエア)、相対湿度が約40%RHとした場合、プロダクトエアPAの出口温度は20℃と下がる。なお相対湿度は温度が下がるため約70%RHと上がるが、絶対湿度は10g/kg(DA)であり、変化しない。
<間接気化エレメントの冷却原理>
間接気化エレメント11の冷却原理は、プロダクトエアPAの温度Td、絶対湿度Xd、風量Gd、ワーキングエアWAの温度Tw、絶対湿度Xw、風量Gw、その他パラメータを用いて以下の様に表せる。
(1)エネルギー保存則より
Figure 2007139338
(2)質量保存則より
Figure 2007139338
(3)ワーキングエアWAの流量とプロダクトエアPAの出口温度の関係
上述した式より、間接気化エレメント11におけるワーキングエアWAの流量とプロダクトエアPAの出口温度の関係を求め、図5のグラフに示す。
図5はワーキングエアWAの流量とプロダクトエアPAの出口温度の関係を示すグラフで、間接気化エレメント11に入力されるワーキングエアWAとプロダクトエアPAの条件は、絶対湿度5.26g/kg(DA:ドライエア)、入口温度30℃固定、プロダクトエアPAの流量は50m3/hr固定とする。
図5より、ワーキングエアWAの流量が高い程、プロダクトエアPAの出口温度が低下していることが判る。なお、間接気化エレメント11で冷却されたエアには温度分布があるが、各例の温度データは最低温度で記載している。
(4)プロダクトエアPAの流量とプロダクトエアPAの出口温度の関係
上述した式より、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの流量とプロダクトエアPAの出口温度の関係を求め、図6のグラフに示す。
図6はプロダクトエアPAの流量とプロダクトエアPAの出口温度の関係を示すグラフで、間接気化エレメント11に入力されるワーキングエアWAとプロダクトエアPAの条件は、絶対湿度5.26g/kg(DA)、入口温度30℃固定、ワーキングエアWAの流量は50m3/hr固定とする。
図6より、プロダクトエアPAの流量が低い程、プロダクトエアPAの出口温度が低下していることが判る。
(5)ワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度とプロダクトエアPAの出口温度の関係
上述した式より、間接気化エレメント11におけるワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度とプロダクトエアPAの出口温度の関係を求め、図7のグラフに示す。
図7はワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度とプロダクトエアPAの出口温度の関係を示すグラフで、間接気化エレメント11に入力されるワーキングエアWAとプロダクトエアPAの条件は、絶対湿度5.26g/kg(DA)、流量は50m3/hr固定とする。
図7より、ワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度が高い程、プロダクトエアPAの出口温度が上昇していることが判る。
(6)ワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度と水の消費量の関係
上述した式より、間接気化エレメント11におけるワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度と水の消費量の関係を求め、図8のグラフに示す。
図8はワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度と水の消費量の関係を示すグラフで、間接気化エレメント11に入力されるワーキングエアWAとプロダクトエアPAの条件は、絶対湿度5.26g/kg(DA)、流量は50m3/hr固定とする。
図8より、ワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度が高い程、冷却に使用する水の消費量が多くなることが判る。
これにより、図7及び図8から、ワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度を下げれば、プロダクトエアPAの出口温度が下がり、また、水の消費量が減ることが判る。
(7)ワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口湿度とプロダクトエアPAの出口温度の関係
上述した式より、間接気化エレメント11におけるワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口湿度とプロダクトエアPAの出口温度の関係を求め、図9のグラフに示す。
図9はワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口湿度とプロダクトエアPAの出口温度の関係を示すグラフで、間接気化エレメント11に入力されるワーキングエアWAとプロダクトエアPAの条件は、温度30℃、流量は50m3/hr固定とする。
図9より、ワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口湿度が低い程、プロダクトエアPAの出口温度が低下していることが判る。
以上のことから、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAの流量、プロダクトエアPAの流量、ワーキングエアWAの入口温度、プロダクトエアPAの入口温度、ワーキングエアWAの入口湿度、プロダクトエアPAの入口湿度等を制御することで、プロダクトエアPAの出口温度を制御できることが判る。
<第1の実施の形態の換気装置1Aの動作>
次に、図1等を参照に第1の実施の形態の換気装置1Aの動作について説明する。換気装置1Aは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Aにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、空気清浄フィルタ16及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、排気流路10Aにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Aでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、還気RA及びプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、外気OAがPA入口22bからプロダクトエア流路11bに導入され、PA出口22cから給気SAとして排出される。また、還気RAがWA入口21eからWA導入部21cを介してワーキングエア流路11aに導入され、WA排出部21dを介してWA出口21fから排気EAとして排出される。更に、間接気化エレメント11では、プロダクトエア流路11bを通り、PA出口22cから吹き出したプロダクトエアPAの一部が、PA取入口21iから戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aへ導入される。
ここで、給排水装置12の給水バルブ12cを開けて、給水口12aから間接気化エレメント11に給水が行われ、図4に示す湿潤層23bが常に水分を含む状態とする。
これにより、間接気化エレメント11では、ワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAが、湿潤層23bに供給された水の気化熱で冷却され、ワーキングエアWAが冷却されると、プロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAが、熱交換隔壁23を介してワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却される。
そして、ワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bの間では湿度の移動は起こらないので、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
なお、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通った還気RAは高湿度のエアとなるので、排気吹出口8から排気EAとして排出する。
換気装置1Aでは、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れかを作動させて、プロダクトエアPAの流量かワーキングエアWAの流量を調整することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
すなわち、排気流量調整ダンパ15の開度を制御して、ワーキングエアWAの流量を増加させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が低下する。よって、給気吹出口6からの給気温度を下げることができる。
また、排気流量調整ダンパ15の開度を制御して、ワーキングエアWAの流量を減少させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が上昇する。よって、給気吹出口6からの給気温度を上げることができる。
更に、給気流量調整ダンパ14の開度を制御して、プロダクトエアPAの流量を増加させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が上昇する。よって、給気吹出口6からの給気温度を上げることができる。
また、給気流量調整ダンパ14の開度を制御して、プロダクトエアPAの流量を減少させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が低下する。よって、給気吹出口6からの給気温度を下げることができる。
このように、プロダクトエアPAとワーキングエアWAの何れか一方の流量を調整することで、給気温度を制御できるので、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか一方を備える構成でも良い。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の双方を作動させて、プロダクトエアPAの流量及びワーキングエアWAの流量を調整することでも、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、給気ファン2の回転数を変化させ風量を制御することでも、プロダクトエアPAの流量が調整可能で、同様に、排気ファン3の回転数を変化させ風量を制御することでも、ワーキングエアWAの流量が調整可能である。
よって、給気ファン2と排気ファン3の何れか、あるいは給気ファン2と排気ファン3の双方の風量を制御することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、給気ファン2と排気ファン3の少なくとも一方の風量の制御を組み合わせても、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
上述した温度制御は、後述する設定スイッチで手動で行うこともできるし、温度センサ17等を利用して、温度に合わせて自動調整することも可能である。
なお、夏場に換気装置1Aを使用することで、室内の温度が下げられる。よって、還気RAの温度も低い。図7で説明したように、ワーキングエアWAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、還気RAをワーキングエアWAとして利用することで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
そして、還気RAを利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Aは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
近年、建築基準法によって、住宅の空気を所定時間で入れ替えることができる換気設備の設置が必要となり、ファンを利用して強制的に換気が行えるようにした換気装置等を利用して、所定時間で建物内の空気の入れ替えができるようにしている。
本例の換気装置1Aは、換気を行いながら冷房を行う機能を有するので、別の換気装置を備えることなく、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で部屋の建物内を入れ替えるような換気動作が可能で、24時間換気装置としても利用できる。このため、換気装置1Aでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
24時間換気機能は、建物内の換気対象エリアの所定回数換気(例えば、0.5回/時間)を満たすような連続的または断続的に常時換気をする機能である。これは、換気装置1のみで所定換気回数を満たしても良いし、他の換気装置の換気量を合わせて所定回数換気を満たすようしても良い。また、冬季等で、所定換気回数を少なくするため、操作手段のスイッチや温度を検出して、手動または自動で切り換えられるようにして、24時間換気風量を小さくなるようにしても良い。
<第2の実施の形態の換気装置1Bの構成>
図10は第2の実施の形態の換気装置1Bの一例を示す構成図である。第2の実施の形態の換気装置1Bは、間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のワーキングエアWAに外気OAを使用するものである。なお、第2の実施の形態の換気装置1Bにおいて、第1の実施の形態の換気装置1Aと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Bは、外気吸込口5から給気ファン2及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Bを備える。
また、換気装置1Bは、給気ファン2より下流側で給気流路9Bと分岐し、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する第1の排気流路10Bと、還気吸込口7から排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通した第2の排気流路10Cを備える。なお、第2の排気流路10Cの破線で示す部分は、給気流路9Bと独立するように、例えばケースの側壁に沿って形成される。
また、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
給気流路9Bは、第1の排気流路10Bとの分岐位置より下流側で、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。また、第1の排気流路10Bは、給気流路9Bとの分岐位置より下流側で、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。
給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、給気流路9Bを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
また、排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、第1の排気流路10Bを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
なお、給気流路9Bは、例えば第1の排気流路10Bとの分岐位置より上流側に空気清浄フィルタ16を備える。更に、給気流路9Bは、給気吹出口6に温度センサ17を備える。
<第2の実施の形態の換気装置1Bの動作>
次に、図10等を参照に第2の実施の形態の換気装置1Bの動作について説明する。換気装置1Bは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Bにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、第1の排気流路10B及び第2の排気流路10Cにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、第1の排気流路10Bによって外気OAの一部が間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、第2の排気流路10Cによって、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Bでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、外気OAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
なお、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通った外気OAは高湿度のエアとなるので、排気吹出口8から排気EAとして排出する。
換気装置1Bでは、第1の実施の形態の換気装置1Aと同様に、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか、あるいは双方を作動させて、プロダクトエアPAの流量かワーキングエアWAの流量あるいは双方の流量を調整することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、給気ファン2の回転数を変化させ風量を制御することでも、プロダクトエアPAの流量が調整可能で、同様に、排気ファン3の回転数を変化させ風量を制御することでも、ワーキングエアWAの流量が調整可能である。
よって、給気ファン2と排気ファン3の何れか、あるいは給気ファン2と排気ファン3の双方の風量を制御することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、給気ファン2と排気ファン3の少なくとも一方の風量の制御を組み合わせても、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
換気装置1Bは、還気RAを屋外に排気する機能を有するので、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Bは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Bでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<第3の実施の形態の換気装置1Cの構成>
図11は第3の実施の形態の換気装置1Cの一例を示す構成図である。第3の実施の形態の換気装置1Cは、間接気化冷却ユニット4をバイパスする給気流路を備えるものである。なお、第3の実施の形態の換気装置1Cにおいて、第1の実施の形態の換気装置1Aと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Cは、外気吸込口5から給気ファン2及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Cを備える。
排気流路10Aは、第1の実施の形態の換気装置1Aと同じ構成であり、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
また、換気装置1Cは、間接気化冷却ユニット4より上流側で給気流路9Cから分岐し、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ連通したバイパス流路10Dを備える。
バイパス流路10Dは、給気流量調整ダンパ18を備える。給気流量調整ダンパ18は流量制御手段を構成し、開閉によりエアの流量を調整するダンパと、ダンパを駆動するモータを備え、給気流量調整ダンパ18の開度を調整することで、バイパス流路10Dを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ供給されるエアの流量が調整される。
なお、給気流路9Cは、例えばバイパス流路10Dとの分岐位置より上流側に空気清浄フィルタ16を備える。
また、換気装置1Cは、給排水装置12として、間接気化エレメント11の下側に給水槽13Bを備えると共に、給水槽13Bに給水を行う給水口12aと、給水槽13Bの排水を行う排水口12bを備え、給水槽13Bへの給水の有無及び給水槽13Bの水の全てを排出できるような構成となっている。
<第3の実施の形態の換気装置1Cの動作>
次に、図11等を参照に第3の実施の形態の換気装置1Cの動作について説明する。換気装置1Cは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Cにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、排気流路10Aにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Cでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、還気RAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
換気装置1Cでは、給気流量調整ダンパ18の開度を調整することで、バイパス流路10Dを流れるエアの流量が調整される。
これにより、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ供給されるエアの流量が調整される。
よって、給気流量調整ダンパ18を作動させて、バイパス流路10Dを流れるエアの流量を調整することで、間接気化冷却ユニット4を通り冷却されたエアと、間接気化冷却ユニット4をバイパスして冷却されていないエアの混合比率が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
換気装置1Cは、還気RAを利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Cは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Cでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<第4の実施の形態の換気装置1Dの構成>
図12は第4の実施の形態の換気装置1Dの一例を示す構成図である。第4の実施の形態の換気装置1Dは、給気ファン2と排気ファン3と間接気化冷却ユニット4に加え、熱交換ユニット31を備える。なお、第4の実施の形態の換気装置1Dにおいて、第1の実施の形態の換気装置1Aと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
熱交換ユニット31は、熱交換エレメント32と図示しないフィルタ等を備える。熱交換エレメント32は、第1の流路32aが形成された熱交換素子材と第2の流路32bが形成された熱交換素子材を、第1の流路32aと第2の流路32bが直交する向きで積層した直交流式熱交換器である。第1の流路32aと第2の流路32bは図示しない隔壁で仕切られ、第1の流路32aと第2の流路32bに供給されたエアの間で顕熱交換が行われる。
給気流路9Dは、外気吸込口5から給気ファン2、熱交換ユニット31を構成する熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する。
第1の排気流路10Eは、還気吸込口7から間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する。間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
また、第2の排気流路10Fは、還気吸込口7から熱交換エレメント32の第2の流路32b及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する。
給気流路9Dは、例えば熱交換ユニット31の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、給気流路9Dを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
第1の排気流路10Eは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、第1の排気流路10Eを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
また、給気流路9Dは、例えば熱交換ユニット31の上流側に空気清浄フィルタ16を備える。空気清浄フィルタ16を熱交換ユニット31の上流側に配置することで、熱交換エレメント32及び間接気化エレメント11への粉塵等の侵入を防ぐ。
更に、給気流路9Dは、給気吹出口6に温度センサ17を備えることで、給気温度が検出される。
<第4の実施の形態の換気装置1Dの動作>
次に、図12等を参照に第4の実施の形態の換気装置1Dの動作について説明する。換気装置1Dは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Dにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、空気清浄フィルタ16、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、第1の排気流路10E及び第2の排気流路10Fにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、還気RAの一部は、熱交換エレメント32の第2の流路32bを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Dでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、還気RAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
熱交換エレメント32では、第1の流路32aを通る外気OAと、第2の流路32bを通る還気RAの間で熱交換が行われる。夏場に換気装置1Dを使用することで、室内の温度が下げられ、還気RAの温度は外気OAの温度よりも低い。
よって、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通った外気OAは温度が下がり、第2の流路32bを通った還気RAは温度が上がる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
ここで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通る外気OAは、前段の熱交換ユニット31で温度が下げられている。これにより、図7で説明したように、プロダクトエアPAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、間接気化冷却ユニット4の前段に熱交換ユニット31を配置して、プロダクトエアPAの入力温度を下げることで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
また、図7で説明したように、ワーキングエアWAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、還気RAをワーキングエアWAとして利用することで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
なお、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通った還気RAは高湿度のエアとなるので、排気吹出口8から排気EAとして排出する。また、熱交換エレメント32の第2の流路32bを通った還気RAは温度が上がるので、排気吹出口8から排気EAとして排出する。
換気装置1Dでは、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、熱交換ユニット31を備えた換気装置1Dでも、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れかを作動させて、プロダクトエアPAの流量かワーキングエアWAの流量を調整することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
例えば、ワーキングエアWAの流量を増加させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が低下することで、給気吹出口6からの給気温度を下げることができる。
また、ワーキングエアWAの流量を減少させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が上昇することで、給気吹出口6からの給気温度を上げることができる。
なお、プロダクトエアPAとワーキングエアWAの何れか一方の流量を調整することで、給気温度を制御できるので、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか一方を備える構成でも良い。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の双方を作動させて、プロダクトエアPAの流量及びワーキングエアWAの流量を調整することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、給気ファン2の回転数を変化させ風量を制御することでも、プロダクトエアPAの流量が調整可能で、同様に、排気ファン3の回転数を変化させ風量を制御することでも、ワーキングエアWAの流量が調整可能である。
よって、給気ファン2と排気ファン3の何れか、あるいは給気ファン2と排気ファン3の双方の風量を制御することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、給気ファン2と排気ファン3の少なくとも一方の風量の制御を組み合わせても、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
換気装置1Dは、熱交換ユニット31を備え、熱交換ユニット31で還気RAを利用して外気OAを冷却し、還気RA及び熱交換ユニット31で冷却された外気OAを間接気化冷却ユニット4で利用することで、冷却能力が向上する。また、還気RAを利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Dは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Dでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<第5の実施の形態の換気装置1Eの構成>
図13は第5の実施の形態の換気装置1Eの一例を示す構成図である。第5の実施の形態の換気装置1Eは、熱交換ユニット31を備えた換気装置1Eにおいて、間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のワーキングエアWAに外気OAを使用するものである。なお、第5の実施の形態の換気装置1Eにおいて、第4の実施の形態の換気装置1Dと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Eは、外気吸込口5から給気ファン2、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Eを備える。
また、換気装置1Eは、熱交換ユニット31より下流側で給気流路9Eと分岐し、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する第1の排気流路10Gと、還気吸込口7から熱交換エレメント32の第2の流路32b及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通した第2の排気流路10Hを備える。
間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
給気流路9Eは、例えば熱交換ユニット31の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。また、第1の排気流路10Gは、給気流路9Eとの分岐位置より下流側で、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。
給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、給気流路9Eを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
また、排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、第1の排気流路10Gを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
なお、給気流路9Eは、例えば熱交換ユニット31より上流側に空気清浄フィルタ16を備える。更に、給気流路9Eは、給気吹出口6に温度センサ17を備える。
<第5の実施の形態の換気装置1Eの動作>
次に、図13等を参照に第5の実施の形態の換気装置1Eの動作について説明する。換気装置1Eは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Eにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、第1の排気流路10G及び第2の排気流路10Hにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、第1の排気流路10Gによって外気OAの一部が間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、第2の排気流路10Hによって、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、熱交換エレメント32の第2の流路32bを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Eでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、外気OAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
熱交換エレメント32では、第1の流路32aを通る外気OAと、第2の流路32bを通る還気RAの間で熱交換が行われる。夏場に換気装置1Eを使用することで、室内の温度が下げられ、還気RAの温度は外気OAの温度よりも低い。
よって、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通った外気OAは温度が下がり、第2の流路32bを通った還気RAは温度が上がる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
ここで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通る外気OAは、前段の熱交換ユニット31で温度が下げられている。これにより、図7で説明したように、プロダクトエアPAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、間接気化冷却ユニット4の前段に熱交換ユニット31を配置して、プロダクトエアPAの入力温度を下げることで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
また、図7で説明したように、ワーキングエアWAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、熱交換ユニット31で冷却された外気OAの一部をワーキングエアWAとして利用することで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
なお、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通った外気OAは高湿度のエアとなるので、排気吹出口8から排気EAとして排出する。また、熱交換エレメント32の第2の流路32bを通った還気RAは温度が上がるので、排気吹出口8から排気EAとして排出する。
換気装置1Eでは、第4の実施の形態の換気装置1Dと同様に、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか、あるいは双方を作動させて、プロダクトエアPAの流量かワーキングエアWAの流量あるいは双方の流量を調整することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、給気ファン2の回転数を変化させ風量を制御することでも、プロダクトエアPAの流量が調整可能で、同様に、排気ファン3の回転数を変化させ風量を制御することでも、ワーキングエアWAの流量が調整可能である。
よって、給気ファン2と排気ファン3の何れか、あるいは給気ファン2と排気ファン3の双方の風量を制御することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、給気ファン2と排気ファン3の少なくとも一方の風量の制御を組み合わせても、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
換気装置1Eは、熱交換ユニット31を備え、熱交換ユニット31で還気RAを利用して外気OAを冷却し、熱交換ユニット31で冷却された外気OAを間接気化冷却ユニット4で利用することで、冷却能力が向上する。また、還気RAを利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Eは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Eでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<第6の実施の形態の換気装置1Fの構成>
図14は第6の実施の形態の換気装置1Fの一例を示す構成図である。第6の実施の形態の換気装置1Fは、熱交換ユニット31を備えた換気装置1Fにおいて、間接気化冷却ユニット4をバイパスする給気流路を備えるものである。なお、第6の実施の形態の換気装置1Fにおいて、第4の実施の形態の換気装置1Dと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Fは、外気吸込口5から給気ファン2、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Fを備える。
第1の排気流路10E及び第2の排気流路10Fは、第4の実施の形態の換気装置1Dと同じ構成であり、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
また、換気装置1Fは、間接気化冷却ユニット4より上流側で給気流路9Fから分岐し、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ連通したバイパス流路10Iを備える。
バイパス流路10Iは、給気流量調整ダンパ18を備える。給気流量調整ダンパ18の開度を調整することで、バイパス流路10Iを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ供給されるエアの流量が調整される。
なお、給気流路9Fは、例えば熱交換ユニット31より上流側に空気清浄フィルタ16を備える。
また、換気装置1Fは、給排水装置12として、間接気化エレメント11の下側に給水槽13Bを備えると共に、給水槽13Bに給水を行う給水口12aと、給水槽13Bの排水を行う排水口12bを備え、給水槽13Bへの給水の有無及び給水槽13Bの水の全てを排出できるような構成となっている。
<第6の実施の形態の換気装置1Fの動作>
次に、図14等を参照に第6の実施の形態の換気装置1Fの動作について説明する。換気装置1Fは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Fにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、第1の排気流路10E及び第2の排気流路10Fにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、還気RAの一部は、熱交換エレメント32の第2の流路32bを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Fでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、還気RAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
熱交換エレメント32では、第1の流路32aを通る外気OAと、第2の流路32bを通る還気RAの間で熱交換が行われる。夏場に換気装置1Fを使用することで、室内の温度が下げられ、還気RAの温度は外気OAの温度よりも低い。
よって、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通った外気OAは温度が下がり、第2の流路32bを通った還気RAは温度が上がる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
ここで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通る外気OAは、前段の熱交換ユニット31で温度が下げられている。これにより、図7で説明したように、プロダクトエアPAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、間接気化冷却ユニット4の前段に熱交換ユニット31を配置して、プロダクトエアPAの入力温度を下げることで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
また、図7で説明したように、ワーキングエアWAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、還気RAをワーキングエアWAとして利用することで、プロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を下げることができる。
換気装置1Fでは、給気流量調整ダンパ18の開度を調整することで、バイパス流路10Iを流れるエアの流量が調整される。
これにより、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ供給されるエアの流量が調整される。
よって、給気流量調整ダンパ18を作動させて、バイパス流路10Iを流れるエアの流量を調整することで、間接気化冷却ユニット4を通り冷却されたエアと、間接気化冷却ユニット4をバイパスして間接気化冷却ユニット4では冷却されていないエアの混合比率が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
換気装置1Fは、熱交換ユニット31を備え、熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4で還気RAを利用することで、冷却能力が向上する。また、還気RAを利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Fは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Fでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<熱交換ユニットを備えた構成と熱交換ユニットを備えていない構成の比較例>
図15は熱交換ユニット31を備えた構成と、熱交換ユニット31を備えていない構成の比較例である。ここで、間接気化冷却ユニット4を備えた換気装置としては、間接気化エレメント11において、外気OAの一部をワーキングエアWAとして利用する構成を例に説明する。
まず、図15(a)に示すように熱交換ユニット31を備えていない構成では、40℃の外気OAを取り入れて間接気化冷却ユニット4で冷却すると、図7に示すグラフから、21℃の給気SAが生成できることが判るが、同時に図8に示すように、0.48kg/hrの水を消費する。
そこで、図15(b)に示すように、取り込んだ外気OAの温度を下げる熱交換ユニット31を組み込むこととした。熱交換ユニット31を構成する熱交換エレメント32は、一般的に70%程度の熱交換率を有しており、40℃の外気OAと25℃の還気RA(室内空気)で熱交換すると、熱交換効率70%で間接気化冷却ユニット4に29.5℃のエアを供給できることになる。
この条件で間接気化エレメント11のプロダクトエアPAとワーキングエアWAとして供給すると、17℃の給気SAを生成でき、水の消費量も0.32kg/hrと抑えることができることが判った。
これにより、熱交換ユニット31を備えた換気装置1D〜1Fは、熱交換ユニット31で還気RAを利用することで、冷却能力が向上すると共に、水の消費を抑えることができる。
<第7の実施の形態の換気装置1Gの構成>
図16は第7の実施の形態の換気装置1Gの一例を示す構成図である。第7の実施の形態の換気装置1Gは、給気ファン2と排気ファン3と間接気化冷却ユニット4に加え、除湿ユニット33を備える。なお、第7の実施の形態の換気装置1Gにおいて、第1の実施の形態の換気装置1Aと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
除湿ユニット33は、隔壁34で仕切られた除湿流路35a及び再生流路35bと、除湿流路35aと再生流路35bに跨って回転駆動される除湿ロータ36と、再生流路35bを通るエアを加熱するヒータ37と、除湿ロータ36を回転駆動する図示しない回転駆動装置を備える。
除湿ロータ36は、シリカゲル等の吸着材を有するハニカム構造の部材が、軸方向に連通した流路が形成されるように円板状に構成される。除湿ロータ36は除湿流路35aと再生流路35bに跨って配置され、除湿流路35aを通るエア及び再生流路35bを通るエアはそれぞれ除湿ロータ36を通る。
なお、除湿ロータ36において除湿流路35aと再生流路35bは隔壁34で仕切られ、除湿流路35aを通るエアと再生流路35bを通るエアが混合されることはない。
除湿流路35aを通るエアは水分が除湿ロータ36に吸着され、除湿される。除湿ロータ36は、回転駆動されることで、水分を吸着した部分が再生流路35b側に移動する。再生流路35bを通るエアはヒータ37で加熱されることで、再生流路35bを通るエアで除湿ロータ36が加熱されて水分が蒸発し、再度水分を吸着できる状態に再生する。
そして、除湿ロータ36は、再生された部分が除湿流路35a側に移動する。これにより、除湿ユニット33は、除湿ロータ36を回転駆動することで、水分の吸着と再生を繰り返しながら、除湿流路35aを通るエアが除湿される。
なお、除湿ユニット33は除湿ロータでなくても良く、湿った空気が圧縮機によって圧縮された冷媒が流れる冷却部で冷却され、湿気は凝縮水として分離されるようなエアコンディショナーに用いられるような圧縮機による熱交換器を用いてもよく、除湿が行えるものであれば、他の方法であっても良い。
給気流路9Gは、外気吸込口5から給気ファン2、除湿ユニット33の除湿流路35a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する。
第1の排気流路10Jは、還気吸込口7から間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する。また、第2の排気流路10Kは、還気吸込口7から除湿ユニット33の再生流路35b及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する。
間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
給気流路9Gは、例えば除湿ユニット33の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、給気流路9Gを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
第1の排気流路10Jは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、第1の排気流路10Jを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
また、給気流路9Gは、例えば除湿ユニット33の上流側に空気清浄フィルタ16を備える。空気清浄フィルタ16を除湿ユニット33の上流側に配置することで、除湿ロータ36及び間接気化エレメント11への粉塵等の侵入を防ぐ。
更に、給気流路9Gは、給気吹出口6に温度センサ17を備えることで、給気温度が検出される。
<第7の実施の形態の換気装置1Gの動作>
次に、図16等を参照に第7の実施の形態の換気装置1Gの動作について説明する。換気装置1Gは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Gにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、空気清浄フィルタ16、除湿ユニット33の除湿流路35a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、第1の排気流路10J及び第2の排気流路10Kにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、還気RAの一部は、除湿ユニット33の再生流路35bを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Gでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、還気RAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
ここで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通る外気OAは、前段の除湿ユニット33で湿度が下げられている。これにより、図9で説明したように、プロダクトエアPAの入力湿度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、間接気化冷却ユニット4の前段に除湿ユニット33を配置して、プロダクトエアPAの入力湿度を下げることで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
また、夏場に換気装置1Gを使用することで、室内の温度が下げられる。よって、還気RAの温度も低い。図7で説明したように、ワーキングエアWAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、還気RAをワーキングエアWAとして利用することで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
なお、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通った還気RA及び除湿ユニット33の再生流路35bを通った還気RAは高湿度のエアとなるので、排気吹出口8から排気EAとして排出する。
換気装置1Gでは、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、除湿ユニット33を備えた換気装置1Gでも、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れかを作動させて、プロダクトエアPAの流量かワーキングエアWAの流量を調整することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
例えば、ワーキングエアWAの流量を増加させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が低下することで、給気吹出口6からの給気温度を下げることができる。
また、ワーキングエアWAの流量を減少させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が上昇することで、給気吹出口6からの給気温度を上げることができる。
なお、プロダクトエアPAとワーキングエアWAの何れか一方の流量を調整することで、給気温度を制御できるので、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか一方を備える構成でも良い。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の双方を作動させて、プロダクトエアPAの流量及びワーキングエアWAの流量を調整することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、給気ファン2の回転数を変化させ風量を制御することでも、プロダクトエアPAの流量が調整可能で、同様に、排気ファン3の回転数を変化させ風量を制御することでも、ワーキングエアWAの流量が調整可能である。
よって、給気ファン2と排気ファン3の何れか、あるいは給気ファン2と排気ファン3の双方の風量を制御することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、給気ファン2と排気ファン3の少なくとも一方の風量の制御を組み合わせても、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
これにより、換気装置1Gは、除湿ユニット33を備え、間接気化冷却ユニット4で還気RAを利用することで、冷却能力が向上する。また、還気RAを利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Gは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Gでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<第8の実施の形態の換気装置1Hの構成>
図17は第8の実施の形態の換気装置1Hの一例を示す構成図である。第8の実施の形態の換気装置1Hは、除湿ユニット33を備えた換気装置1Hにおいて、間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のワーキングエアWAに外気OAを使用するものである。なお、第8の実施の形態の換気装置1Hにおいて、第7の実施の形態の換気装置1Gと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Hは、外気吸込口5から給気ファン2、除湿ユニット33の除湿流路35a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Hを備える。
また、換気装置1Hは、除湿ユニット33より下流側で給気流路9Hと分岐し、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する第1の排気流路10Lと、還気吸込口7から除湿ユニット33の再生流路35b及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通した第2の排気流路10Mを備える。
間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
給気流路9Hは、例えば除湿ユニット33の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。また、第1の排気流路10Lは、給気流路9Hとの分岐位置より下流側で、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。
給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、給気流路9Hを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
また、排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、第1の排気流路10Lを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
なお、給気流路9Hは、例えば除湿ユニット33より上流側に空気清浄フィルタ16を備える。更に、給気流路9Hは、給気吹出口6に温度センサ17を備える。
<第8の実施の形態の換気装置1Hの動作>
次に、図17等を参照に第8の実施の形態の換気装置1Hの動作について説明する。換気装置1Hは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Hにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、除湿ユニット33の除湿流路35a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、第1の排気流路10L及び第2の排気流路10Mにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、第1の排気流路10Lによって外気OAの一部が間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、第2の排気流路10Mによって、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、除湿ユニット33の再生流路35bを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Hでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、外気OAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
ここで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11b及びワーキングエア流路11aには共に外気OAが供給され、外気OAは、前段の除湿ユニット33で湿度が下げられている。これにより、図9で説明したように、プロダクトエアPA及びワーキングエアWAの入力湿度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、間接気化冷却ユニット4の前段に除湿ユニット33を配置して、プロダクトエアPA及びワーキングエアWAの入力湿度を下げることで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
なお、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通った外気OA及び除湿ユニット33の再生流路35bを通った還気RAは高湿度のエアとなるので、排気吹出口8から排気EAとして排出する。
換気装置1Hでは、第7の実施の形態の換気装置1Gと同様に、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか、あるいは双方を作動させて、プロダクトエアPAの流量かワーキングエアWAの流量あるいは双方の流量を調整することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、給気ファン2の回転数を変化させ風量を制御することでも、プロダクトエアPAの流量が調整可能で、同様に、排気ファン3の回転数を変化させ風量を制御することでも、ワーキングエアWAの流量が調整可能である。
よって、給気ファン2と排気ファン3の何れか、あるいは給気ファン2と排気ファン3の双方の風量を制御することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、給気ファン2と排気ファン3の少なくとも一方の風量の制御を組み合わせても、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
換気装置1Hは、除湿ユニット33を備え、除湿ユニット33で除湿された外気OAを間接気化冷却ユニット4で利用することで、冷却能力が向上する。また、還気RAを除湿ユニット33で再生空気として利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Hは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Hでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<第9の実施の形態の換気装置1Iの構成>
図18は第9の実施の形態の換気装置1Iの一例を示す構成図である。第9の実施の形態の換気装置1Iは、除湿ユニット33を備えた換気装置1Iにおいて、間接気化冷却ユニット4をバイパスする給気流路を備えるものである。なお、第9の実施の形態の換気装置1Iにおいて、第7の実施の形態の換気装置1G等と同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Iは、外気吸込口5から給気ファン2、除湿ユニット33の除湿流路35a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Iを備える。
第1の排気流路10J及び第2の排気流路10Kは、第7の実施の形態の換気装置1Gと同じ構成であり、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。また、給排水装置12として、間接気化エレメント11の下側に給水槽13Bを備えている。
換気装置1Iは、間接気化冷却ユニット4より上流側で給気流路9Iから分岐し、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ連通したバイパス流路10Nを備える。
バイパス流路10Nは、給気流量調整ダンパ18を備える。給気流量調整ダンパ18の開度を調整することで、バイパス流路10Nを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ供給されるエアの流量が調整される。
なお、給気流路9Iは、例えば除湿ユニット33より上流側に空気清浄フィルタ16を備える。
<第9の実施の形態の換気装置1Iの動作>
次に、図18等を参照に第9の実施の形態の換気装置1Iの動作について説明する。換気装置1Iは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Iにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、除湿ユニット33の除湿流路35a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、第1の排気流路10J及び第2の排気流路10Kにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、還気RAの一部は、除湿ユニット33の再生流路35aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Iでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、還気RAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
ここで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通る外気OAは、前段の除湿ユニット33で湿度が下げられている。これにより、図9で説明したように、プロダクトエアPAの入力湿度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、間接気化冷却ユニット4の前段に除湿ユニット33を配置して、プロダクトエアPAの入力湿度を下げることで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
また、夏場に換気装置1Iを使用することで、室内の温度が下げられる。よって、還気RAの温度も低い。図7で説明したように、ワーキングエアWAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、還気RAをワーキングエアWAとして利用することで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
換気装置1Iでは、給気流量調整ダンパ18の開度を調整することで、バイパス流路10Nを流れるエアの流量が調整される。
これにより、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ供給されるエアの流量が調整される。
よって、給気流量調整ダンパ18を作動させて、バイパス流路10Nを流れるエアの流量を調整することで、間接気化冷却ユニット4を通り冷却されたエアと、間接気化冷却ユニット4をバイパスして冷却されていないエアの混合比率が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
なお、間接気化冷却ユニット4をバイパスしたエア(外気OA)は、除湿ユニット33で除湿されているので、給気SAの湿度が上がることはない。
換気装置1Iは、除湿ユニット33を備え、間接気化冷却ユニット4で還気RAを利用することで、冷却能力が向上する。また、還気RAを利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Iは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Iでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<除湿ユニットを備えた構成の効果例>
図19は除湿ユニット33を備えた構成の効果の一例である。ここで、間接気化冷却ユニット4を備えた換気装置としては、間接気化エレメント11において、外気OAの一部をワーキングエアWAとして利用する構成を例に説明する。
例えば、温度30℃、絶対湿度10g/kg(DA)、相対湿度約40%RHの外気OAが、除湿ユニット33の除湿流路35aを通ることで、温度40℃、絶対湿度5g/kg(DA)、相対湿度約10%RHの入力エアとなる。
ここで、入力エアの温度が上がるのは、除湿ユニット33の除湿流路35aで水分を吸着する際に生じる吸着熱の発生の為であり、かつ、除湿ロータ36が再生流路35b側ではヒータ37により加熱されるためである。
この条件の入力エアを、間接気化冷却ユニット4のプロダクトエアPA及びワーキングエアWAとすると、入力湿度(絶対湿度)が低いため、プロダクトエアPAの出口温度は20℃と下がる。なお、絶対湿度が5g/kg(DA)と低いので、出口温度は更に下がる余地がある。
これにより、除湿ユニット33を備えた換気装置1G〜1Iは、外気OAの湿度を下げてプロダクトエアPA等として利用することで、冷却能力が向上する。
<第10の実施の形態の換気装置1Jの構成>
図20は第10の実施の形態の換気装置1Jの一例を示す構成図である。第10の実施の形態の換気装置1Jは、給気ファン2と排気ファン3と間接気化冷却ユニット4に加え、熱交換ユニット31と除湿ユニット33を備える。なお、第10の実施の形態の換気装置1Jにおいて、第1の実施の形態の換気装置1A等と同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
給気流路9Jは、外気吸込口5から給気ファン2、除湿ユニット33の除湿流路35a、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する。
なお、熱交換ユニット31は除湿ユニット32の上流側にあっても良く、給気流路9に設けられた除湿ユニット33及び熱交換ユニット31の順番を規定するものでは無い。
第1の排気流路10Pは、還気吸込口7から間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する。また、第2の排気流路10Qは、還気吸込口7から熱交換エレメント32の第2の流路32b、除湿ユニット33の再生流路35b及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する。
間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
給気流路9Jは、例えば除湿ユニット33の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、給気流路9Jを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
第1の排気流路10Pは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、第1の排気流路10Pを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
また、給気流路9Jは、例えば除湿ユニット33の上流側に空気清浄フィルタ16を備える。空気清浄フィルタ16を除湿ユニット33の上流側に配置することで、除湿ロータ36、熱交換エレメント32及び間接気化エレメント11への粉塵等の侵入を防ぐ。
更に、給気流路9Jは、給気吹出口6に温度センサ17を備えることで、給気温度が検出される。
<第10の実施の形態の換気装置1Jの動作>
次に、図20等を参照に第10の実施の形態の換気装置1Jの動作について説明する。換気装置1Jは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Jにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、空気清浄フィルタ16、除湿ユニット33の除湿流路35a、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、第1の排気流路10P及び第2の排気流路10Qにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、還気RAの一部は、熱交換エレメント32の第2の流路32b及び除湿ユニット33の再生流路35bを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Jでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、還気RAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
除湿ユニット33では、除湿流路35aを通る外気OAが除湿される。但し、除湿ユニット33の除湿流路35aで水分を吸着する際の吸着熱と、除湿ロータ36が再生流路35b側ではヒータ37により加熱された再生空気で加熱されるため、除湿流路35aを通った外気OAの温度は上昇する。
熱交換エレメント32では、第1の流路32aを通る外気OAと、第2の流路32bを通る還気RAの間で熱交換が行われる。夏場に換気装置1Jを使用することで、室内の温度が下げられ、還気RAの温度は外気OAの温度よりも低い。
よって、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通った外気OAは温度が下がり、第2の流路32bを通った還気RAは温度が上がる。
なお、再生空気として、熱交換エレメント32を通ることで温度が上昇した還気RAを使用することで、ヒータ37の消費電力が抑えられる。
これにより、除湿ユニット33の除湿流路35aを通ることで除湿された外気OAは、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通ることで、湿度は変化せず温度が下がる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
ここで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通る外気OAは、前段の除湿ユニット33で湿度が下げられている。更に、熱交換ユニット31で温度が下げられている。これにより、図7及び図9で説明したように、プロダクトエアPAの入力湿度及び入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、間接気化冷却ユニット4の前段に除湿ユニット33及び熱交換ユニット31を配置して、プロダクトエアPAの入力湿度及び入力温度を下げることで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
また、夏場に換気装置1Jを使用することで、室内の温度が下げられる。よって、還気RAの温度も低い。図7で説明したように、ワーキングエアWAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、還気RAをワーキングエアWAとして利用することで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
なお、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通った還気RA及び熱交換エレメント32の第2の流路32bと除湿ユニット33の再生流路35bを通った還気RAは高湿度のエアとなるので、排気吹出口8から排気EAとして排出する。
換気装置1Jでは、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、除湿ユニット33と熱交換ユニット31を備えた換気装置1Jでも、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れかを作動させて、プロダクトエアPAの流量かワーキングエアWAの流量を調整することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
例えば、ワーキングエアWAの流量を増加させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が低下することで、給気吹出口6からの給気温度を下げることができる。
また、ワーキングエアWAの流量を減少させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が上昇することで、給気吹出口6からの給気温度を上げることができる。
なお、プロダクトエアPAとワーキングエアWAの何れか一方の流量を調整することで、給気温度を制御できるので、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか一方を備える構成でも良い。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の双方を作動させて、プロダクトエアPAの流量及びワーキングエアWAの流量を調整することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、給気ファン2の回転数を変化させ風量を制御することでも、プロダクトエアPAの流量が調整可能で、同様に、排気ファン3の回転数を変化させ風量を制御することでも、ワーキングエアWAの流量が調整可能である。
よって、給気ファン2と排気ファン3の何れか、あるいは給気ファン2と排気ファン3の双方の風量を制御することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、給気ファン2と排気ファン3の少なくとも一方の風量の制御を組み合わせても、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
換気装置1Jは、除湿ユニット33と熱交換ユニット31を備え、除湿ユニット33で除湿され、熱交換ユニット4で冷却された外気OAと室内の冷却された還気RAを間接気化冷却ユニット4で利用することで、冷却能力が向上する。また、還気RAを利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Jは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Jでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<第11の実施の形態の換気装置1Kの構成>
図21は第11の実施の形態の換気装置1Kの一例を示す構成図である。第11の実施の形態の換気装置1Kは、除湿ユニット33及び熱交換ユニット31を備えた換気装置1Kにおいて、間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のワーキングエアWAに外気OAを使用するものである。なお、第11の実施の形態の換気装置1Kにおいて、第10の実施の形態の換気装置1Jと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Kは、外気吸込口5から給気ファン2、除湿ユニット33の除湿流路35a、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Kを備える。
また、換気装置1Kは、熱交換ユニット31より下流側で給気流路9Kと分岐し、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する第1の排気流路10Rと、還気吸込口7から熱交換エレメント32の第2の流路32b、除湿ユニット33の再生流路35b及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通した第2の排気流路10Sを備える。
間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
給気流路9Kは、例えば除湿ユニット33の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。また、第1の排気流路10Rは、給気流路9Kとの分岐位置より下流側で、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。
給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、給気流路9Kを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
また、排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、第1の排気流路10Rを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
なお、給気流路9Kは、例えば除湿ユニット33より上流側に空気清浄フィルタ16を備える。更に、給気流路9Kは、給気吹出口6に温度センサ17を備える。
<第11の実施の形態の換気装置1Kの動作>
次に、図21等を参照に第11の実施の形態の換気装置1Kの動作について説明する。換気装置1Kは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Kにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、除湿ユニット33の除湿流路35a、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、第1の排気流路10R及び第2の排気流路10Sにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、第1の排気流路10Rによって外気OAの一部が間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、第2の排気流路10Sによって、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、熱交換エレメント32の第2の流路32b及び除湿ユニット33の再生流路35bを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Kでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、外気OAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
除湿ユニット33では、除湿流路35aを通る外気OAが除湿される。但し、除湿ロータ36が再生流路35b側ではヒータ37により加熱された再生空気で加熱されるため、除湿流路35aを通った外気OAの温度は上昇する。
熱交換エレメント32では、第1の流路32aを通る外気OAと、第2の流路32bを通る還気RAの間で熱交換が行われる。夏場に換気装置1Kを使用することで、室内の温度が下げられ、還気RAの温度は外気OAの温度よりも低い。
よって、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通った外気OAは温度が下がり、第2の流路32bを通った還気RAは温度が上がる。
これにより、除湿ユニット33の除湿流路35aを通ることで除湿された外気OAは、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通ることで、湿度は変化せず温度が下がる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
ここで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11b及びワーキングエア流路11aには共に外気OAが供給され、外気OAは、前段の除湿ユニット33及び熱交換ユニット31で湿度と温度が下げられている。これにより、図7及び図9で説明したように、プロダクトエアPA及びワーキングエアWAの入力湿度及び入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、間接気化冷却ユニット4の前段に除湿ユニット33及び熱交換ユニット31を配置して、プロダクトエアPA及びワーキングエアWAの入力湿度及び入力温度を下げることで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
なお、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通った外気OA及び熱交換エレメント32の第2の流路32bと除湿ユニット33の再生流路35bを通った還気RAは高湿度のエアとなるので、排気吹出口8から排気EAとして排出する。
換気装置1Kでは、第10の実施の形態の換気装置1Jと同様に、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか、あるいは双方を作動させて、プロダクトエアPAの流量かワーキングエアWAの流量あるいは双方の流量を調整することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、給気ファン2の回転数を変化させ風量を制御することでも、プロダクトエアPAの流量が調整可能で、同様に、排気ファン3の回転数を変化させ風量を制御することでも、ワーキングエアWAの流量が調整可能である。
よって、給気ファン2と排気ファン3の何れか、あるいは給気ファン2と排気ファン3の双方の風量を制御することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
また、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、給気ファン2と排気ファン3の少なくとも一方の風量の制御を組み合わせても、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
換気装置1Kは、除湿ユニット33と熱交換ユニット31を備え、除湿ユニット33で除湿され、熱交換ユニット4で冷却された外気OAを間接気化冷却ユニット4で利用することで、冷却能力が向上する。また、還気RAを除湿ユニット33と熱交換ユニット31で利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Kは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Kでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<第12の実施の形態の換気装置1Lの構成>
図22は第12の実施の形態の換気装置1Lの一例を示す構成図である。第12の実施の形態の換気装置1Lは、除湿ユニット33及び熱交換ユニット31を備えた換気装置1Lにおいて、間接気化冷却ユニット4をバイパスする給気流路を備えるものである。なお、第12の実施の形態の換気装置1Lにおいて、第10の実施の形態の換気装置1Jと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Lは、外気吸込口5から給気ファン2、除湿ユニット33の除湿流路35a、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Lを備える。
第1の排気流路10P及び第2の排気流路10Qは、第10の実施の形態の換気装置1Jと同じ構成であり、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
換気装置1Lは、間接気化冷却ユニット4より上流側で給気流路9Lから分岐し、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ連通したバイパス流路10Tを備える。
バイパス流路10Tは、給気流量調整ダンパ18を備える。給気流量調整ダンパ18の開度を調整することで、バイパス流路10Tを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ供給されるエアの流量が調整される。
なお、給気流路9Lは、例えば除湿ユニット33より上流側に空気清浄フィルタ16を備える。
<第12の実施の形態の換気装置1Lの動作>
次に、図22等を参照に第12の実施の形態の換気装置1Lの動作について説明する。換気装置1Lは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Lにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、除湿ユニット33の除湿流路35a、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、第1の排気流路10P及び第2の排気流路10Qにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、還気RAの一部は、熱交換エレメント32の第2の流路32b及び除湿ユニット33の再生流路35aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Lでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、還気RAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
除湿ユニット33では、除湿流路35aを通る外気OAが除湿される。但し、除湿ロータ36が再生流路35b側ではヒータ37により加熱された再生空気で加熱されるため、除湿流路35aを通った外気OAの温度は上昇する。
熱交換エレメント32では、第1の流路32aを通る外気OAと、第2の流路32bを通る還気RAの間で熱交換が行われる。夏場に換気装置1Lを使用することで、室内の温度が下げられ、還気RAの温度は外気OAの温度よりも低い。
よって、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通った外気OAは温度が下がり、第2の流路32bを通った還気RAは温度が上がる。
これにより、除湿ユニット33の除湿流路35aを通ることで除湿された外気OAは、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通ることで、湿度は変化せず温度が下がる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
ここで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通る外気OAは、前段の除湿ユニット33及び熱交換ユニット31で湿度及び温度が下げられている。これにより、図7及び図9で説明したように、プロダクトエアPAの入力湿度及び入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、間接気化冷却ユニット4の前段に除湿ユニット33及び熱交換ユニット31を配置して、プロダクトエアPAの入力湿度及び入力温度を下げることで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
また、夏場に換気装置1Lを使用することで、室内の温度が下げられる。よって、還気RAの温度も低い。図7で説明したように、ワーキングエアWAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、還気RAをワーキングエアWAとして利用することで、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。
換気装置1Lでは、給気流量調整ダンパ18の開度を調整することで、バイパス流路10Tを流れるエアの流量が調整される。
これにより、間接気化冷却ユニット4をバイパスして給気吹出口6へ供給されるエアの流量が調整される。
よって、給気流量調整ダンパ18を作動させて、バイパス流路10Tを流れるエアの流量を調整することで、間接気化冷却ユニット4を通り冷却されたエアと、間接気化冷却ユニット4をバイパスして冷却されていないエアの混合比率が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
なお、間接気化冷却ユニット4をバイパスしたエア(外気OA)は、除湿ユニット33で除湿されているので、給気SAの湿度が上がることはない。
換気装置1Lは、除湿ユニット33と熱交換ユニット31を備え、除湿ユニット33で除湿され、熱交換ユニット4で冷却された外気OAと室内の冷却された還気RAを間接気化冷却ユニット4で利用することで、冷却能力が向上する。また、還気RAを利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Lは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
そして、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能である。このため、換気装置1Lでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<各実施の形態の換気装置の変形例>
上述した各実施の形態の換気装置1では、給気流量調整ダンパ14及び排気流量調整ダンパ15を間接気化冷却ユニット4の上流側に配置した例で説明したが、間接気化冷却ユニット4の下流側に配置しても良い。
更に、還気RAの一部を循環RAとして給気側に利用するため、還気RAを外気吸込口5と連通させても良い。上述したように、還気RAは夏場は空気調和され冷却されているので、還気RAの一部を給気として利用することで、間接気化冷却ユニット4においてプロダクトエアPA等の入力温度更には入力湿度が下がり、冷却能力が向上する。
また、外気吸込口5に図示しない風路開閉ダンパを備え、外気吸込口5を閉じることで、還気RAの全てを循環RAとして給気側で利用し、外気の取り込みを伴わない循環換気を行えるようにしても良い。
更に、空気清浄フィルタ16の他に、空気清浄装置としてイオン発生器やオゾン発生器を備えても良い。例えば、イオン発生器は、正イオンと負イオンを発生し、略同数の正イオンと負イオンを供給すると共に、負イオンのみ又は負イオンを正イオンより多く供給する機能を備える。
このようなイオン発生器を給気吹出口6に備えると、略同数の正イオンと負イオンを含む給気SAが居室等に供給され、カビ等の発生を防いで除菌することができる。なお、負イオンを供給すると、リラックス効果を得ることができる。
また、イオン発生器を間接気化ユニット4の上流側等、給気流路9の上流側に配置することで、居室だけでなく、装置内の除菌を行うことができる。
更に、間接気化冷却ユニット4と給気ファン2、排気ファン3、熱交換ユニット31及び除湿ユニット33はそれぞれが同一筐体内に無くても良く、また、ファンは他の機器のファンと兼用しても良い。
<熱交換ユニットを備えた換気装置の変形例>
上述した第4〜第6の実施の形態の換気装置と、第10〜第12の実施の形態の換気装置では、熱交換ユニット31として、顕熱(温度)交換を行う熱交換エレメント32を備えた構成としたが、顕熱交換に加えて潜熱(湿度)交換を行ういわゆる全熱交換エレメントを備えた構成としても良い。
外気OAと還気RAの間で全熱交換を行う場合、夏場は還気RAの温度及び湿度が外気OAの温度及び湿度よりも低いので、外気OAは温度及び湿度が下がり、還気RAは温度及び湿度が上がる。
第4の実施の形態の換気装置1D及び第10の実施の形態の換気装置1J等のように、熱交換ユニット31で冷却した外気OAを間接気化エレメント11のプロダクトエアPAとして利用する構成では、全熱交換エレメントを利用することで、プロダクトエアPAの入力温度及び入力湿度を下げることができ、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気SAの温度を制御することができ、冷却能力が向上する。
また、第5の実施の形態の換気装置1E及び第11の実施の形態の換気装置1K等のように、熱交換ユニット31で冷却した外気OAを間接気化エレメント11のプロダクトエアPA及びワーキングエアWAとして利用する構成では、全熱交換エレメントを利用することで、プロダクトエアPA及びワーキングエアWAの双方の入力温度及び入力湿度を下げることができ、より効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気SAの温度を制御することができ、冷却能力が向上する。
<除湿ユニットを備えた換気装置の変形例>
上述した第7〜第12の実施の形態で説明した除湿ユニット33を備えた換気装置では、除湿ロータ36の回転速度を制御することで、除湿ユニット33を通ったエアの湿度を制御できる。
図23は除湿ロータ36の回転速度とプロダクトエアPAの出口温度の関係を示すグラフである。図23に示すように、除湿ロータ36の回転速度が高くなると、除湿量が増加することが判る。これにより、除湿ロータ36の回転速度を変化させることで、除湿ユニット33から出力されるエアの湿度が制御される。
図9で説明したように、熱交換エレメント11において、プロダクトエアPA及びワーキングエアWAの入力湿度が低下すると、プロダクトエアPAの出口温度が下がる。
第7の実施の形態の換気装置1G及び第10の実施の形態の換気装置1J等のように、除湿ユニット33で除湿した外気OAを間接気化エレメント11のプロダクトエアPAとして利用する構成では、除湿ロータ36の回転速度を制御する速度制御手段を備えることで、プロダクトエアPAの入力湿度を制御できる。
例えば、除湿ロータ36の回転速度を高くすると、プロダクトエアPAの入力湿度が下がるので、図9で説明したように、プロダクトエアPAの出口温度を下げることができる。よって、給気SAの温度を下げることができる。また、除湿ロータ36の回転速度を低くすると、プロダクトエアPAの入力湿度が上がるので、プロダクトエアPAの出口温度を上げることができる。よって、給気SAの温度を上げることができる。
また、第8の実施の形態の換気装置1H及び第11の実施の形態の換気装置1K等のように、除湿ユニット33で除湿した外気OAを間接気化エレメント11のプロダクトエアPA及びワーキングエアWAとして利用する構成では、除湿ロータ36の回転速度を制御することで、プロダクトエアPA及びワーキングエアWAの入力湿度を制御できる。
プロダクトエアPA及びワーキングエアWAの双方の入力湿度を制御できることで、より効率的にプロダクトエアの出口温度を制御できる。
また、還気流量や給気流量を変化させずに温度制御を行って、所定時間で建物内の空気を入れ替えるための換気量を確保することができる。
なお、除湿ロータ36の回転制御による給気温度の制御と、ダンパ等による流量制御による給気温度の制御を組み合わせても良い。
また、除湿ロータ36の再生用のヒータ37の温度調整によって除湿ロータ36の除湿量を制御する除湿制御手段を備えて、間接気化冷却ユニット4へ供給されるエアの湿度を制御するようにしても良い。
<換気装置の他の変形例>
図24は第13の実施の形態の換気装置1Mの一例を示す構成図である。ここで、第13の実施の形態の換気装置1Mにおいて、第1の実施の形態の換気装置1Aと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Mは、給気ファン2と間接気化冷却ユニット4を備え、外気吸込口5から給気ファン2及び間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Mを備える。
また、換気装置1Mは、給気ファン2より下流側で給気流路9Mと分岐し、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8へ連通する排気流路10Uを備える。
間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
給気流路9Mは、排気流路10Uとの分岐位置より下流側で、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。また、排気流路10Uは、給気流路9Mとの分岐位置より下流側で、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。
給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、給気流路9Mを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
また、排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、排気流路10Uを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
次に、第13の実施の形態の換気装置1Mの動作について説明する。換気装置1Mは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Mにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Mから分岐した排気流路10Uにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAの一部が間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Mでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、外気OAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
換気装置1Mでは、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか、あるいは双方を作動させて、プロダクトエアPAの流量かワーキングエアWAの流量あるいは双方の流量を調整することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、給気ファン2の回転数を変化させ風量を制御することでも、プロダクトエアPA及びワーキングエアWAの流量が調整可能である。
よって、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、給気ファン2の風量の制御を組み合わせて、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
換気装置1Mは、単体では換気の機能を有さないが、給気及び空調の機能を有するので、簡単な構成の他の排気装置との組み合わせで、24時間換気装置を構成できる。
すなわち、建物に排気装置が既存である場合は、これを利用して安価に24時間換気と空調が可能な空調システムを構築できる。
図25は第14の実施の形態の換気装置1Nの一例を示す構成図である。ここで、第14の実施の形態の換気装置1Nにおいて、第1の実施の形態の換気装置1Aと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Nは、排気ファン3と間接気化冷却ユニット4を備え、還気吸込口7から間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Nを備える。
また、換気装置1Nは、還気吸込口7から間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する排気流路10Vを備える。
間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
給気流路9Nは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。また、排気流路10Vは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。
給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、給気流路9Nを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
また、排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、排気流路10Vを流れるエアの流量が調整される。これにより、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
換気装置1Nは、給気吹出口6に図示しないダクト部材等を介して給気装置41等が接続される。給気装置41は、例えば、外気や室内の空気を吸い込み、室内に給気する送風装置で、給気装置41の吸込口41aに換気装置1Nの給気吹出口6が接続される。
次に、第14の実施の形態の換気装置1Nの動作について説明する。換気装置1Nは、給気装置41が駆動されると、給気流路9Nにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気装置41を介して給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、排気流路10Vにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、還気RAが間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った還気RAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Nでは、還気RAがプロダクトエアPAとなり、還気RAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った還気RAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した還気RAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
換気装置1Nでは、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか、あるいは双方を作動させて、プロダクトエアPAの流量かワーキングエアWAの流量あるいは双方の流量を調整することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、排気ファン3の回転数を変化させ風量を制御することでも、ワーキングエアWAの流量が調整可能である。
よって、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、排気ファン3の風量の制御を組み合わせて、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
換気装置1Nは、簡単な構成の給気装置41との組み合わせで、24時間換気装置を構成できる。すなわち、建物に給気装置が既存である場合は、これを利用して安価に24時間換気と空調が可能な空調システムを構築できる。
図26は第15の実施の形態の換気装置1Pの一例を示す構成図である。ここで、第15の実施の形態の換気装置1Pにおいて、第4の実施の形態の換気装置1Dと同じ構成要素については、同じ番号を付して説明する。
換気装置1Pは、熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4を備え、外気吸込口5から熱交換ユニット31を構成する熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する給気流路9Pを備える。
また、換気装置1Pは、還気吸込口7から間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8へ連通する第1の排気流路10Wと、還気吸込口7から熱交換エレメント32の第2の流路32bを通り、排気吹出口8へ連通する第2の排気流路10Xを備える。
間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
換気装置1Pは、給気吹出口6に図示しないダクト部材等を介して給気装置41等が接続される。また、還気吸込口7に図示しないダクト部材等を介して排気装置42等が接続される。排気装置42は、例えば、室内の空気を吸い込み、屋外に排気する送風装置で、排気装置42の吹出口42aに換気装置1Pの還気吸込口7が接続される。
次に、第15の実施の形態の換気装置1Pの動作について説明する。換気装置1Pは、給気装置41が駆動されると、給気流路9Pにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気装置41を介して給気SAとして室内に供給される。
また、排気装置42が駆動されると、第1の排気流路10W及び第2の排気流路10Xにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、還気RAが排気装置42を介して間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。また、還気RAの一部が排気装置42を介して熱交換エレメント32の第2の流路32bを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Pでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、還気RAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
換気装置1Pでは、給気装置41によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気装置42よって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気装置41と排気装置42の何れか、あるいは双方で流量を制御することで、図5及び図6で説明したように、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御される。よって、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
上述したように、建築基準法によって建物の換気が義務付けられたことで、1台で給気と排気が行える換気装置や、排気のみ、あるいは給気のみが行える換気装置(中間ダクトファン等と称される)が建物に取り付けられる。このような他の換気装置と接続することで、換気装置1Nのように、ファンとして排気ファン3のみを備える構成や、換気装置1Pのように、給気ファンと排気ファンを共に備えない構成とすることも可能で、ファンを搭載しないことで、製品コストを下げることができる。
<ワーキングエアを再利用した換気装置の構成例>
図27は第16の実施の形態の換気装置1Qの一例を示す構成図である。換気装置1Qは、間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のワーキングエアWAを、熱交換ユニット31を通して排気するものである。なお、換気装置の全体構成としては、第4の実施の形態の換気装置1Dを例に説明する。
換気装置1Qは給気ファン2と排気ファン3と熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4を備え、外気OAを間接気化エレメント11のプロダクトエアPAとして利用し、還気RAをワーキングエアWAとして利用する。
給気流路9Dは、給気ファン2から熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する。
換気流路10Yは、還気吸込口7から間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a、熱交換エレメント32の第2の流路32b及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する。なお、排気流路10Yの破線で示す部分は、給気流路9D等と独立するように、例えばケースの側壁に沿って形成される。
間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
給気流路9Dは、例えば熱交換ユニット31の上流側に給気流量調整ダンパ14を備え、給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
排気流路10Yは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備え、排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
次に、換気装置1Qの動作について説明する。換気装置1Qは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Dにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、空気清浄フィルタ16、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、排気流路10Yにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び熱交換エレメント32の第2の流路32bを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Qでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、還気RAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。また、ワーキングエア流路11aを通った還気RAは、湿度は上がるが温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
熱交換エレメント32では、第1の流路32aを通る外気OAと、第2の流路32bを通る還気RAの間で熱交換が行われる。還気RAは間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通ることで温度が下げられ、外気OAの温度よりも低くなっている。
よって、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通った外気OAは温度が下がる。ここで、還気RAは間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通ることで高湿度となるが、熱交換エレメント32は顕熱交換を行う熱交換エレメントであるので、外気OAの湿度は変化しない。
これにより、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通過した還気RAを熱交換エレメント32の第2の流路32bを通すことで、間接気化冷却ユニット4の前段で外気OAを効率的に冷却できる。
図7で説明したように、プロダクトエアPAの入力温度が低いと、プロダクトエアPAの出口温度が下がるので、間接気化冷却ユニット4の前段に熱交換ユニット31を配置すると共に、ワーキングエアWAを熱交換ユニット31に通すことで、プロダクトエアPAの入力温度が効率的に下がり、冷却能力が向上する。
換気装置1Qでは、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか、あるいは双方を作動させて、例えば、ワーキングエアWAの流量を増加させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が低下することで、給気吹出口6からの給気温度を下げることができる。
また、ワーキングエアWAの流量を減少させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が上昇することで、給気吹出口6からの給気温度を上げることができる。
また、給気ファン2と排気ファン3の何れか、あるいは給気ファン2と排気ファン3の双方の風量を制御することで、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
更に、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の少なくとも一方の開度の制御と、給気ファン2と排気ファン3の少なくとも一方の風量の制御を組み合わせても、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が制御され、給気吹出口6からの給気温度が制御される。
図28は第17の実施の形態の換気装置1Rの一例を示す構成図である。換気装置1Rは、間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のワーキングエアWAを給気SAとして利用するものである。なお、換気装置の全体構成としては、第5の実施の形態の換気装置1Eを例に説明する。
換気装置1Rは、給気ファン2と排気ファン3と熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4を備え、外気OAを間接気化エレメント11のプロダクトエアPAとワーキングエアWAとして利用する。
第1の給気流路9Rは、外気吸込口5から給気ファン2、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6へ連通する。
第2の給気流路9Sは、熱交換ユニット31より下流側で第1の給気流路9Rと分岐し、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び除湿装置44を通り、給気吹出口6へ連通する。ここで、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
排気流路10Hは、還気吸込口7から熱交換エレメント32の第2の流路32b及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する。
除湿装置44は透過膜フィルタ等を備えて水と空気を分離し、第2の給気流路9Sを通るエアを除湿する。
第1の給気流路9Rは、例えば熱交換ユニット31の上流側に給気流量調整ダンパ14を備え、給気流量調整ダンパ14の開度を調整することで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを流れるプロダクトエアPAの流量が調整される。
また、第2の給気流路9Sは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備え、排気流量調整ダンパ15の開度を調整することで、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを流れるワーキングエアWAの流量が調整される。
次に、第17の実施の形態の換気装置1Rの動作について説明する。換気装置1Rは、給気ファン2が駆動されると、第1の給気流路9R及び第2の給気流路9Sにおいて給気吹出口6へ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、熱交換エレメント32の第1の流路32a及び間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
また、熱交換ユニット31を通過した外気OAの一部は、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び除湿装置44を通り、給気吹出口6から給気SAとして室内に供給される。
更に、排気ファン3が駆動されると、排気流路10Hにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、熱交換エレメント32の第2の流路32bを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
従って、換気装置1Rでは、外気OAがプロダクトエアPAとなり、外気OAとプロダクトエアPAの一部がワーキングエアWAとなる。
熱交換エレメント32では、第1の流路32aを通る外気OAと、第2の流路32bを通る還気RAの間で熱交換が行われる。夏場に換気装置1Rを使用することで、室内の温度が下げられ、還気RAの温度は外気OAの温度よりも低い。
よって、熱交換エレメント32の第1の流路32aを通った外気OAは温度が下がり、第2の流路32bを通った還気RAは温度が上がる。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。また、ワーキングエア流路11aを通った外気OAは湿度は上がるが温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
また、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通過した外気OAは、高湿度となるが、除湿装置44を通して除湿することで、給気SAとして利用可能となり、プロダクトエア流路11bを通過した外気OAと共に給気吹出口6から給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を湿度を上げることなく下げることができる。
ここで、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11b及びワーキングエア流路11aには共に外気OAが供給され、外気OAは、前段の熱交換ユニット31で温度が下げられている。これにより、効率的にプロダクトエアPAの出口温度を下げて、給気温度を制御することができる。更に、冷却されたワーキングエアWAを除湿して給気SAとして利用することで、冷却能力が向上する。
換気装置1Rでは、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか、或いは双方を作動させて、例えば、ワーキングエアWAの流量を増加させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が低下することで、給気吹出口6からの給気温度を下げることができる。
また、ワーキングエアWAの流量を減少させると、間接気化エレメント11におけるプロダクトエアPAの出口温度が上昇することで、給気吹出口6からの給気温度を上げることができる。
<除湿ユニットに排熱を利用した換気装置の構成例>
図29は第18の実施の形態の換気装置1Sの一例を示す構成図である。換気装置1Sは、再生空気の熱源に排熱を利用したものである。なお、換気装置の全体構成としては、第7の実施の形態の換気装置1Gを例に説明する。
換気装置1Sは、除湿ユニット33を備える。除湿ユニット33は、再生流路35bを通るエア(再生空気)を加熱するヒータ37を備えるが、ヒータ37の熱源に排熱を利用する。
排熱の発生源としては、例えば、エアコンの室外機38を利用する。室外機38に温風の収集器38aを取り付け、ダクト39a等を介してヒータ37に温風を送る。
ヒータ37は、例えばコイル状に巻いたパイプの中に室外機38からの温風を通し、再生流路35bを通る再生空気を加熱する。ヒータ37を通った温風は、ダクト39b等を介して排気装置42で排気される。
換気装置1Sの動作は第7の実施の形態の換気装置1Gと同様である。還気RAの一部を再生空気として利用するが、再生空気の加熱に室外機38の排熱を利用することで、ヒータ37の駆動源を換気装置1Sに備える必要がなく、例えばヒータ37に電気ヒータを利用する場合と比較して、消費電力を抑えることができる。
なお、ヒータ37の熱源としては、室外機の排熱の他、ガスや電気で湯を沸かす給湯器において湯を沸かすための熱による温風や温水を利用しても良い。
<各実施の形態の換気装置の要部構成>
図30は各実施の形態の換気装置の要部構成の一例を示す斜視図である。例えば、図12等で説明したように、熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4を備えた第4〜第6の実施の形態の換気装置において、熱交換ユニット31を断熱材51aで囲うと共に、間接気化冷却ユニット4を断熱材51bで囲う。
断熱材51a及び断熱材51bは例えば発泡スチロール等で構成され、流路が開口する形状を有して、熱交換ユニット31や間接気化冷却ユニット4等を囲う。熱交換ユニット31や間接気化冷却ユニット41を断熱材で囲うことで、装置外の温度の影響を受けにくくし、冷却能力を向上させることができる。
ここで、熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4を独立した形態の断熱材を囲うことで、ユニット交換時等のメンテナンス性の向上を図ることができる。また、各ユニットを1つの断熱材で囲う構成でも良い。
なお、断熱材で囲うユニットとしては、熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4の他に、エアが通る流路に配置される空気清浄フィルタ等の空気清浄装置でも良い。空気清浄装置としては、空気清浄フィルタの他、イオン発生器やオゾン発生器等でも良い。
また、図30では、熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4を備えた第4〜第6の実施の形態の換気装置を例に説明したが、間接気化冷却ユニット4を備えた第1〜第3の実施の形態の換気装置や、除湿ユニット33と間接気化冷却ユニット4を備えた第7〜第9の実施の形態の換気装置、更には、除湿ユニット33と熱交換ユニット4と間接気化冷却ユニット4を備えた第10〜第12の実施の形態の換気装置であっても、同様に適用可能である。
図31は各実施の形態の換気装置の要部構成図である。例えば、図12で説明した熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4を備えた換気装置1Dにおいて、熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4との間の給気流路9Dに拡散板52を備える。拡散板52は、給気流路9Dを通るエアを攪拌する。
熱交換ユニット31や間接気化冷却ユニット4に流れ込むエアは流れが中央に寄り、間接気化エレメント11等の各流路に対して均一な流れになりにくい。このため、間接気化冷却ユニット4の前等に拡散板52を備えることでエアを攪拌し、各流路に対して略均一な流れにすることで、冷却能力を向上させることができる。
なお、拡散板52は熱交換ユニット31の前に備えても良い。また、例えば、図16等で説明した除湿ユニット33と間接気化冷却ユニット4を備えた換気装置1Gでは、除湿ユニット33と間接気化冷却ユニット4の間の給気流路9Gに拡散板52を備えても良く、更には、除湿ユニット33の前に拡散板52を備えても良く、他の実施の形態の換気装置に適用可能である。
図32は各実施の形態の換気装置の他の要部構成図である。例えば、図12で説明した熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4を備えた換気装置1Dにおいて、熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4を近接配置して、熱交換ユニット31を構成する熱交換エレメント32の第1の流路32aの出口と、間接気化冷却ユニット4を構成する間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bの入口との間の隙間を極力少なくなるようにする。
熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4との間の間隔が広いと、間接気化冷却ユニット4に流れ込むエアは流れが中央に寄り、間接気化エレメント11の各流路に対して均一な流れになりにくい。このため、熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4を近接配置して、各流路に対して略均一な流れにすることで、冷却能力を向上させることができる。
なお、熱交換ユニット31と間接気化冷却ユニット4との間の隙間は、5cm程度あるいはそれ以下が望ましい。また、熱交換エレメント32の第1の流路32aと間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bが連通するように、熱交換エレメント32と間接気化エレメント11を一体に構成しても良い。
更に、熱交換エレメント32の第1の流路32aの出口と、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bの入口の面積を同じにすると、エアの流れが効率良くなる。また、各ユニットの小型化が図れることで、装置の小型化が図れる。
<換気装置の設置例>
図33は本実施の形態の建物の一例を示す構成図で、換気装置1の設置例を示す。図1等で説明した換気装置1は、建物101の天井裏等に設置される。建物101は複数の居室102とトイレ103、洗面所104a、浴室104b等を備え、換気装置1の図1等に示す給気吹出口6は、各居室102の天井等に設置した給気口105にダクト106を介して接続される。
なお、図1等では、給気吹出口6を1個備えた構成であるが、複数の居室102に給気SAを供給するためには、ダクト106の途中に分岐チャンバー106aを設置し、1本のダクト106を複数本のダクト106に分岐できるようにすれば良い。
また、換気装置1に複数の給気吹出口6を備えても良いし、複数の給気吹出口6を備えた換気装置1と分岐チャンバー106aを組み合わせても良い。
換気装置1の図1等に示す還気吸込口8は、例えばトイレ103の天井等に設置した吸込口107にダクト107a等を介して接続される。居室105内に給気した空気は、ドアのアンダーカット部、ガラリ部等を通して吸込口107に集められ、還気吸込口8から吸い込んだ還気RAは、図1等で説明したようにワーキングエアWA等として利用して排気するので、居室には戻らない。これにより、臭気を排気できる。吸込口107は、図1のような換気装置1の本体下面に設けた還気吸込口7でも良く、更に、還気吸込口7を複数設けても良い、また、給気口105を設けた居室102内にそれぞれ吸込口107を設けても良い。
換気装置1の図1等に示す外気吸込口5は、ベランダ108等の壁面に備えた吸込口109にダクト109aを介して接続される。また、排気吹出口8は、ベランダ108等の壁面に備えた排気口110にダクト110aを介して接続される。これにより、換気装置1は外気OAを屋外から取り込むと共に、トイレ103等からの還気RAを屋外へ排気EAとして排気できる。
換気装置1は、図1等に示すように、間接気化冷却ユニット4に給排水装置12とドレンパン13Aを備える。間接気化冷却ユニット4では、上述したように、水の気化熱でワーキングエアWAを冷却するため、給排水装置12により水が供給され、消費されない水はドレンパン13Aに貯水される。そして、ドレンパン13Aと、ベランダ108等に設置したドレン排水口111がホース111aで接続され、ドレンパン13Aの水を給排水装置12等で装置外へ排水できるようになっている。
ここで、図25で説明した換気装置1Nに接続される給気装置41は、例えば、換気装置1と給気口105を接続するダクト106に備える。また、図26で説明した換気装置1Pに接続される排気装置42は、例えば、換気装置1と吸込口107を接続するダクト107aに備える。
図34は給気口の一例を示す構成図である。給気口105は、給気SAを吹き出す給気グリル61と、給気口105が設置された居室102において人が居るか否かを検出する人感センサ62と、給気口105が設置された居室102の温度を検出する温度センサ63を備える。
また、給気口105はイオン発生器64を備えても良い。イオン発生器64は正イオンと負イオンを発生し、給気SAに供給する。ここで、正イオンと負イオンを略同数発生することで、略同数の正イオンと負イオンを含む給気SAが居室102に供給される。これにより、居室102におけるカビの発生を抑制できる。また、負イオンのみあるいは正イオンより負イオンを多く発生することで、負イオンが居室102に供給される。これにより、居室102においてリラックス効果を得ることができる。
なお、給気口105に給気流量を調整するダンパを備え、給気流量の増減があった場合は任意あるいは所定の居室102の給気口105での給気量を調整することで、建物全体での換気量を確保できるようにしても良い。
<給気を分岐する換気装置の構成例>
図35は第19の実施の形態の換気装置1Tの一例を示す構成図である。換気装置1Tは、給気吹出口6を複数備えると共に、各給気吹出口6で流量を制御できるようにしたものである。なお、換気装置の全体構成としては、第1の実施の形態の換気装置1Aを例に説明する。
換気装置1Tは、給気吹出口として本例では第1の給気吹出口6aと第2の給気吹出口6bを備える。また、換気装置1Tは給気ファン2と排気ファン3と間接気化冷却ユニット4を備え、給気流路9Aは、給気ファン2から間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、第1の給気吹出口6a及び第2の給気吹出口6bへ連通する。
換気流路10Aは、還気吸込口7から間接気化エレメント11のワーキングエア流路11a及び排気ファン3を通り、排気吹出口8へ連通する。ここで、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aとプロダクトエア流路11bは、図2〜図4で説明したように略平行で、プロダクトエアPAの一部を戻り流路11cでワーキングエア流路11aに導入する構成としたことにより、ワーキングエアWAとプロダクトエアPAは対向流である。
給気流路9Aは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に給気流量調整ダンパ14を備える。また、排気流路10Aは、例えば間接気化冷却ユニット4の上流側に排気流量調整ダンパ15を備える。
更に、第1の給気吹出口6aと第2の給気吹出口6bの少なくとも一方に給気流量調整ダンパ19を備える。本例では、第2の給気吹出口6bに給気流量調整ダンパ19を備える。給気流量調整ダンパ19の開度を調整することで、第2の給気吹出口6bを流れる給気SAの流量が調整される。
次に、換気装置1Tの動作について説明する。換気装置1Tは、給気ファン2が駆動されると、給気流路9Aにおいて第1の給気吹出口6a及び第2の給気吹出口6bへ向かうエアの流れが生成される。これにより、外気OAが外気吸込口5から吸い込まれ、空気清浄フィルタ16、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通り、第1の給気吹出口6a及び第2の給気吹出口6bから給気SAとして室内に供給される。
また、排気ファン3が駆動されると、排気流路10Bにおいて排気吹出口8へ向かうエアの流れが生成される。これにより、室内からの還気RAが還気吸込口7から吸い込まれ、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通り、排気吹出口8から排気EAとして屋外に排出される。
更に、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通った外気OAの一部は、戻り流路11cを通ってワーキングエア流路11aに導入される。
図2〜図4で説明したように、間接気化エレメント11では、ワーキングエアWAが水の気化熱で冷却され、プロダクトエアPAはワーキングエアWAの冷熱を受けて冷却されるので、プロダクトエア流路11bを通った外気OAは、湿度(絶対湿度)は変化せずに温度は下がる。また、ワーキングエア流路11aを通った還気RAは、湿度は上がるが温度は下がる。
よって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通過した外気OAを、第1の給気吹出口6a及び第2の給気吹出口6bから給気SAとして吹き出すことで、室内の温度を下げることができる。
換気装置1Tでは、給気流量調整ダンパ14の開度によって、間接気化エレメント11のプロダクトエア流路11bを通るプロダクトエアPAの流量が調整される。また、排気流量調整ダンパ15の開度によって、間接気化エレメント11のワーキングエア流路11aを通るワーキングエアWAの流量が調整される。
これにより、給気流量調整ダンパ14と排気流量調整ダンパ15の何れか、あるいは双方を作動させて、第1の給気吹出口6a及び第2の給気吹出口6bから吹き出す給気SAの温度が制御される。
更に、換気装置1Tでは、給気流量調整ダンパ19を作動させることで、第1の給気吹出口6aから吹き出す給気SAの流量と、第2の給気吹出口6bから吹き出す給気SAの流量が制御される。
例えば、給気流量調整ダンパ19の開度を大きくすることで、第2の給気吹出口6bから吹き出す給気SAの流量を増加させることができ、給気流量調整ダンパ19の開度を小さくすることで、第2の給気吹出口6bから吹き出す給気SAの流量を減少させることができる。
図33に示すように、換気装置1から複数の居室102へ給気する場合、換気装置1から各居室102までの距離が均等ではないので、各ダクト106の長さが異なる場合が多い。
給気SAを同一の流量として、長さの異なるダクト106で各居室102に給気すると、居室102では冷却温度が異なる。また、居室102の広さの違いによっても冷却温度が異なる。このため、図35に示す換気装置1Tのように、複数の給気吹出口6で流量を調整できるようにし、ダクト106の長さ等に応じて風量を制御すれば、各居室102の冷却温度を略同一にすることができる。
なお、図35の換気装置1Tでは給気吹出口は2個の例を説明したが、2個以上でも良い。また、流量の調整はダンパで行うこととしたが、給気吹出口6の径を可変とできる構成でも良い。更に、図33に示す分岐チャンバー106aに同等の機能を備えても良い。
また、図33に示すように、還気RAを1部屋(トイレ)から行う場合、図35の換気装置1Tに示すように還気吸込口7は1個であるが、還気RAを複数の部屋(居室)から行う場合、還気吸込口7を複数備えても良い。この場合、少なくとも1個の還気吸込口7にダンパを備えることで、還気RAの流量が調整され、部屋毎の還気流量を調整し、例えばある部屋からの還気は停止する等の制御を行うことができる。
換気装置1Tでも、還気RAを利用することで、室内のエアを屋外に排気しながら、外気を冷却して取り入れることができ、換気装置1Tは換気を行いながら冷房を行う機能を有することになる。
これにより、還気RAの流量と、給気SAの流量を調整することで、所定時間で建物内の空気を入れ替えるような換気動作が可能で、24時間換気装置としても利用できる。このため、換気装置1Tでは、ワーキングエアWAの流量やプロダクトエアPAの流量で温度制御を行うため、所望の冷却温度が得られ、かつ、所定の換気量が確保できるように、換気動作と冷却動作を連動させる制御が行われる。
<換気装置の制御例>
図36は換気装置の制御機能の一例を示すブロック図である。なお、換気装置としては、除湿ユニットを備えている構成を例にする。換気装置1は、制御手段を構成するCPU71に、給気ファン2及び排気ファン3を例えば独立して駆動するファンモータ72と、給気流量調整ダンパ14や排気流量調整ダンパ15等のダンパモータ73と、除湿ユニット33の除湿ロータ36を駆動する除湿ロータモータ74が接続され、CPU71がこれら駆動源を制御することで、給気SAの温度制御等が行われる。
また、CPU71に、給排水装置12の給水バルブ12cと排水バルブ12dが接続され、間接気化冷却ユニット4における給排水制御が行われる。更に、CPU71に、給気吹出口6等に備えた温度センサ17と、図34に示す給気口105等に備えた人感センサ62と温度センサ63が接続され、各種検出情報に基づいて、給気SAの温度制御等が行われる。
また、CPU71に、設定手段を構成し各種操作等を行う設定スイッチ75と、指示手段を構成する冷却動作停止スイッチ76と、設定情報等を記憶するメモリ77が接続され、各種操作と設定に基づいて、給気SAの温度制御や運転停止の制御等が行われる。
なお、換気装置1等にイオン発生器が備えられている場合は、CPU71にイオン発生器が接続され、正負イオンの発生が制御される。
<温度センサによる制御>
図37は温度センサによる冷却制御の一例を示すフローチャートで、図36等を参照して具体的な制御例を説明する。ここで、メモリ77には、予め所望の設定温度値が登録されているものとする。また、ファンモータ72等が駆動され、冷却動作を行っているものとする。
ステップSA1:CPU71は、温度センサ17から給気SAの温度を読み込む。または、温度センサ63から居室102の温度を読み込む。
ステップSA2:CPU71は、メモリ77から設定温度値を読み込む。
ステップSA3:CPU71は、例えば温度センサ17から読み込んだ給気SAの温度と、メモリ77から読み込んだ設定温度値を比較する。給気SAの温度が設定温度値より低い場合は、ファン回転数やダンパ開度等を変更せずに現状の制御を維持し、ステップSA1に戻る。
ステップSA4:ステップSA3の比較で、給気SAの温度が設定温度値より高い場合は、CPU71は、給気SAの温度を下げるため、例えば、図1等に示す間接気化冷却ユニット4のワーキングエアWAの流量を増加させる。例えば、CPU71は、ダンパモータ73を制御して排気流量調整ダンパ15の開度を大きくすることで、ワーキングエアWAの流量を増加させる。
間接気化冷却ユニット4においてワーキングエアWAの流量が増加すると、上述したように、プロダクトエアPAの温度が下がる。よって、給気SAの温度を下げることができる。
なお、給気SAの温度制御は、排気流量調整ダンパ15の開度制御以外に、ファン風量の制御や、除湿ロータ36の回転速度制御等でも可能である。
また、ステップSA3で給気SAの温度が設定温度値より低い場合は現状の制御を維持することとしたが、ワーキングエア流量WAの流量を減少させる等により、給気SAの温度を上げる制御を行っても良い。
更に、メモリ77に所望の設定温度値で運転を行う日時や期間等の設定日付データを登録しておき、現在の日時がメモリ77に登録された設定日付データで指定された日時である場合は、上述したように、所望の設定温度が得られるような制御を行っても良い。また、温度制御だけでなく、換気流量の制御を行っても良い。
ここで、メモリ77は書き換え可能なメモリであり、設定スイッチ75の操作で設定温度値の書き換えが可能である。設定スイッチ75としては、換気装置1に備えたオペレーションパネルや、有線、無線、赤外線等で接続されるリモートコントロール装置等が使用される。
メモリ77に登録した設定温度値を書き換えることで、所望の給気温度を得ることができる。なお、メモリ77に登録される設定温度値は、温度データでも良いし、ファンモータ72の回転数、ファンモータ72の駆動電圧、ダンパモータ73によるダンパ開度、ダンパモータ73の駆動電圧等でも良い。
図38は温度センサによる冷却制御の他の例を示すフローチャートである。ここで、メモリ77には、予め所望の設定温度値が登録されているものとする。また、ファンモータ72等が駆動され、冷却動作を行っているものとする。
ステップSB1:CPU71は、温度センサ17から給気SAの温度を読み込む。または、温度センサ63から居室102の温度を読み込む。
ステップSB2:CPU71は、メモリ77から設定温度値を読み込む。
ステップSB3:CPU71は、例えば温度センサ17から読み込んだ給気SAの温度と、メモリ77から読み込んだ設定温度値を比較する。給気SAの温度が設定温度値より低い場合は、ファン回転数やダンパ開度等を変更せずに現状の制御を維持し、ステップSA1に戻る。
ステップSB4:ステップSB3の比較で、給気SAの温度が設定温度値より高い場合は、CPU71は、給気SAの温度を下げるため、例えば、図1等に示す給排水装置12の給水バルブ12cの開度を増加させ、間接気化エレメント11への給水量を増加させる。
間接気化冷却ユニット4では、上述したように、間接気化エレメント11において水の気化熱を利用してワーキングエアWAを冷却しているので、間接気化エレメント11への給水量が増加すると、ワーキングエアWAの温度が下がり、ワーキングエアWAの冷熱を受けるプロダクトエアPAの温度が下がる。よって、給気SAの温度を下げることができる。
ここで、メモリ77に登録された設定温度値は書き換え可能である。また、図34で説明したエアの流量制御と、給水量の制御を組み合わせても良い。
<人感センサによる制御>
図39は人感センサによる冷却制御の一例を示すフローチャートである。ここで、メモリ77には、人の有無に応じて切り換えられる所望の設定温度値が登録されているものとする。また、ファンモータ72等が駆動され、冷却動作を行っているものとする。
ステップSC1:CPU71は、人感センサ62から図33に示す居室102における人の有無を読み込む。
ステップSC2:CPU71は、メモリ77から第1の設定温度値と第2の設定温度値を読み込む。ここで、第1の設定温度値は人が居る場合の冷却温度、第2の設定温度値は人が居ない場合の冷却温度とする。
ステップSC3:CPU71は、人感センサ62の出力から人の有無を判断する。
ステップSC4:ステップSC3の判断で、居室102に人が居る場合は、CPU71は、給気SAの温度を第1の設定温度値とするため、ファンモータ72によるファン回転数やダンパモータ73によるダンパ開度、除湿ロータ36の回転速度等を制御して、例えばワーキングエアWAの流量を調整し、給気SAの温度を第1の設定温度値とする。
ステップSC5:ステップSC3の判断で、居室102に人が居ない場合は、CPU71は、給気SAの温度を第2の設定温度値とするため、ファンモータ72によるファン回転数やダンパモータ73によるダンパ開度等を制御して、例えばワーキングエアWAの流量を調整し、給気SAの温度を第2の設定温度値とする。
このように、人の有無で冷却温度を変更することで、例えば、人の居ない場合は冷却温度を高めに設定する等により、消費電力等を抑えることができる。
ここで、メモリ77に登録した第1の設定温度値と第2の設定温度値は、設定スイッチ75の操作で書き換えが可能である。これにより、所望の給気温度を得ることができる。
図40は人感センサによる換気量制御の一例を示すフローチャートである。ここで、メモリ77には、人の有無に応じて切り換えられる所望の換気流量値が登録されているものとする。また、ファンモータ72等が駆動され、冷却動作を行っているものとする。
ステップSD1:CPU71は、人感センサ62から図33に示す居室102における人の有無を読み込む。
ステップSD2:CPU71は、メモリ77から第1の設定換気流量値と第2の設定換気流量値を読み込む。ここで、第1の設定換気流量値は人が居る場合の換気流量、第2の設定換気流量値は人が居ない場合の換気流量とする。
ステップSD3:CPU71は、人感センサ62の出力から人の有無を判断する。
ステップSD4:ステップSD3の判断で、居室102に人が居る場合は、CPU71は、換気流量を第1の設定換気流量値とするため、ファンモータ72によるファン回転数やダンパモータ73によるダンパ開度等を制御して、給気SAの吹き出す流量や、還気RAの吸い込む流量を調整し、還気流量を第1の設定還気流量値とする。
ステップSD5:ステップSD3の判断で、居室102に人が居ない場合は、CPU71は、換気流量を第2の設定換気流量値とするため、ファンモータ72によるファン回転数やダンパモータ73によるダンパ開度等を制御して、給気SAの吹き出す流量や、還気RAの吸い込む流量を調整し、還気流量を第2の設定還気流量値とする。
このように、人の有無で換気流量を変更することで、例えば、人の居ない場合は換気流量を少なく設定する等により、消費電力等を抑えることができる。
ここで、メモリ77に登録した第1の設定換気流量値と第2の設定換気流量値は、設定スイッチ75の操作で書き換えが可能である。これにより、所望の換気流量を得ることができる。
<起動・停止制御>
図1等に示す換気装置1は、間接気化冷却ユニット4を利用することで、居室の温度制御を行う空調機として機能すると共に、間接気化冷却ユニット4による冷却機能を停止することで、温度制御を伴わず、居室の換気(外気と還気の入れ替え)を行う換気装置として機能する。
図41は手動による起動・停止制御の一例を示すフローチャートで、まず、手動による冷却機能の停止動作について説明する。
ステップSE1:CPU71は、冷却動作停止スイッチ76の出力を読み込む。
ステップSE2:CPU71は、冷却動作停止スイッチ76の出力から冷却停止が指示されているか否かを判断する。
ステップSE3:ステップSE2の判断で冷却停止が指示されていると、CPU71は、例えば図1に示す給排水装置12の給水バルブ12cを閉じ、間接気化エレメント11への給水を停止する。間接気化エレメント11への給水が停止すると、水の蒸発によるワーキングエアWAの冷却が行われなくなり、プロダクトエアPAが冷却されない。よって、給気SAは間接気化冷却ユニット4による温度制御は行われない。これにより、冷却機能を停止することができる。
なお、CPU71は、給水バルブ12cを閉じて間接気化エレメント11への給水を停止すると、排水バルブ12dを開けてドレンパン13Aの水を排水するようにしても良い。これにより、冬場等、冷却機能を長期間停止する場合は、ドレンパン13Aに水が残っていない状態とすることができる。
ステップSE4:ステップSE2の判断で冷却機能の起動が指示されていると、CPU71は、例えば図1に示す給排水装置12の給水バルブ12cを開け、間接気化エレメント11へ給水を行う。間接気化エレメント11へ給水が行われると、水の蒸発によりワーキングエアWAが冷却され、ワーキングエアWAの冷熱を受けてプロダクトエアPAが冷却される。よって、給気SAは間接気化冷却ユニット4による温度制御は行われ、これにより、冷却機能を起動することができる。
なお、CPU71は、給水バルブ12cを開ける場合は排水バルブ12dを閉じ、ドレンパン13Aに貯水できるようにする。
図42は自動による起動・停止制御の一例を示すフローチャートで、次に、自動による冷却機能の停止動作について説明する。ここで、メモリ77には、冷却機能を停止させる日時、期間等の設定日付データが予め登録されている。
ステップSF1:CPU71は、図示しないカレンダ機能等から現在の日付データを読み込む。
ステップSF2:CPU71は、メモリ77から冷却停止期間の設定日付データを読み込む。
ステップSF3:CPU71は、現在の日付データとメモリ77から読み込んだ設定日付データを比較する。
ステップSF4:ステップSF3の比較で、現在の日付が冷却停止期間に入っていると、CPU71は、例えば図1に示す給排水装置12の給水バルブ12cを閉じ、間接気化エレメント11への給水を停止する。間接気化エレメント11への給水が停止すると、上述したように冷却機能を停止することができる。
なお、CPU71は、給水バルブ12cを閉じて間接気化エレメント11への給水を停止すると、排水バルブ12dを開けてドレンパン13Aの水を排水するようにしても良い。
ステップSF5:ステップSF3の比較で、現在の日付が冷却停止期間に入っていないと、CPU71は、例えば図1に示す給排水装置12の給水バルブ12cを開け、間接気化エレメント11へ給水を行い、冷却機能を起動する。
なお、CPU71は、給水バルブ12cを開ける場合は排水バルブ12dを閉じ、ドレンパン13Aに貯水できるようにする。
ここで、図42のフローチャートでは、冷却機能の停止と起動を日付に基づいて行うこととしたが、冷却機能を停止する設定温度値をメモリ77に登録しておき、図示しない外気温度センサで検出される屋外温度と設定温度値を比較して、屋外温度が設定温度値以下になると、冷却機能を停止し、屋外温度が設定温度値を超えると、冷却機能を起動させるようにしても良い。
ここで、メモリ77に登録した設定日付データや設定温度値は、設定スイッチ75の操作で書き換えが可能である。これにより、所望の期間、冷却機能を停止させることができる。
本発明は、一般住宅に設置され、複数の部屋の換気及び空調を行う換気装置に適用される。
第1の実施の形態の換気装置1Aの一例を示す構成図である。 間接気化エレメントの一例を示す構成図である。 間接気化エレメントの一例を示す構成図である。 間接気化エレメントの動作例を示す説明図である。 ワーキングエアWAの流量とプロダクトエアPAの出口温度の関係を示すグラフである。 プロダクトエアPAの流量とプロダクトエアPAの出口温度の関係を示すグラフである。 ワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度とプロダクトエアPAの出口温度の関係を示すグラフである。 ワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口温度と水の消費量の関係を示すグラフである。 ワーキングエアWA及びプロダクトエアPAの入口湿度とプロダクトエアPAの出口温度の関係を示すグラフである。 第2の実施の形態の換気装置1Bの一例を示す構成図である。 第3の実施の形態の換気装置1Cの一例を示す構成図である。 第4の実施の形態の換気装置1Dの一例を示す構成図である。 第5の実施の形態の換気装置1Eの一例を示す構成図である。 第6の実施の形態の換気装置1Fの一例を示す構成図である。 熱交換ユニットを備えた構成と熱交換ユニットを備えていない構成の比較例である。 第7の実施の形態の換気装置1Gの一例を示す構成図である。 第8の実施の形態の換気装置1Hの一例を示す構成図である。 第9の実施の形態の換気装置1Iの一例を示す構成図である。 除湿ユニットを備えた構成の効果の一例である。 第10の実施の形態の換気装置1Jの一例を示す構成図である。 第11の実施の形態の換気装置1Kの一例を示す構成図である。 第12の実施の形態の換気装置1Lの一例を示す構成図である。 除湿ロータの回転速度とプロダクトエアPAの出口温度の関係を示すグラフである。 第13の実施の形態の換気装置1Mの一例を示す構成図である。 第14の実施の形態の換気装置1Nの一例を示す構成図である。 第15の実施の形態の換気装置1Pの一例を示す構成図である。 第16の実施の形態の換気装置1Qの一例を示す構成図である。 第17の実施の形態の換気装置1Rの一例を示す構成図である。 第18の実施の形態の換気装置1Sの一例を示す構成図である。 各実施の形態の換気装置の要部構成の一例を示す斜視図である。 各実施の形態の換気装置の要部構成図である。 各実施の形態の換気装置の他の要部構成図である。 本実施の形態の建物の一例を示す構成図である。 給気口の一例を示す構成図である。 第19の実施の形態の換気装置1Tの一例を示す構成図である。 換気装置の制御機能の一例を示すブロック図である。 温度センサによる冷却制御の一例を示すフローチャートである。 温度センサによる冷却制御の他の例を示すフローチャートである。 人感センサによる冷却制御の一例を示すフローチャートである。 人感センサによる換気量制御の一例を示すフローチャートである。 手動による起動・停止制御の一例を示すフローチャートである。 自動による起動・停止制御の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・換気装置、2・・・給気ファン、3・・・排気ファン、4・・・間接気化冷却ユニット、5・・・外気吸込口、6・・・給気吹出口、7・・・還気吸込口、8・・・・排気吹出口、9・・・給気流路、10・・・排気流路、11・・・間接気化エレメント、11a・・・ワーキングエア流路、11b・・・プロダクトエア流路、12・・・給排水装置、13A・・・ドレンパン、13B・・・給水槽、14・・・給気流量調整ダンパ、15・・・排気流量調整ダンパ、16・・・空気清浄フィルタ、17・・・温度センサ、18・・・給気流量調整ダンパ、19・・・給気流量調整ダンパ、21・・・ウエットセル、22・・・ドライセル、23・・・熱交換隔壁、23a・・・防湿フィルム、23b・・・湿潤層、31・・・熱交換ユニット、32・・・熱交換エレメント、33・・・除湿ユニット

Claims (13)

  1. 外気吸込口から給気吹出口へのエアの流れを生成する給気ファンと、
    還気吸込口から排気吹出口へのエアの流れを生成する排気ファンと、
    水の気化熱で冷却されるワーキングエアが流れるワーキングエア流路を有すると共に、熱交換隔壁で前記ワーキングエア流路と仕切られ、前記ワーキングエア流路を流れるワーキングエアとの間で顕熱交換が行われるプロダクトエアが流れるプロダクトエア流路とを有し、かつ、前記プロダクトエア流路の出口と前記ワーキングエア流路の入口を連通させて、プロダクトエアの一部を前記ワーキングエア流路に導入する戻り流路を有し、前記ワーキングエア流路が前記プロダクトエア流路に沿った向きで配置されて、前記プロダクトエア流路を流れるプロダクトエアに対して前記ワーキングエア流路を流れるワーキングエアを対向流とした間接気化冷却ユニットと、
    前記間接気化冷却ユニットに設けられ、給排水を行う給排水装置と、
    前記外気吸込口から前記間接気化冷却ユニットの前記プロダクトエア流路を通り、前記給気吹出口へ連通した給気流路と、
    前記還気吸込口から前記間接気化冷却ユニットの前記ワーキングエア流路を通り、前記排気吹出口へ連通した排気流路と、
    前記間接気化冷却ユニットの前記ワーキングエア流路を流れるワーキングエアもしくは前記プロダクトエア流路を流れるプロダクトエアの少なくとも一方の流量を調整する流量制御手段とを備えて、前記給気吹出口からの給気温度を制御する
    ことを特徴とする換気装置。
  2. 外気吸込口から給気吹出口へのエアの流れを生成する給気ファンと、
    還気吸込口から排気吹出口へのエアの流れを生成する排気ファンと、
    水の気化熱で冷却されるワーキングエアが流れるワーキングエア流路を有すると共に、熱交換隔壁で前記ワーキングエア流路と仕切られ、前記ワーキングエア流路を流れるワーキングエアとの間で顕熱交換が行われるプロダクトエアが流れるプロダクトエア流路とを有し、かつ、前記プロダクトエア流路の出口と前記ワーキングエア流路の入口を連通させて、プロダクトエアの一部を前記ワーキングエア流路に導入する戻り流路を有し、前記ワーキングエア流路が前記プロダクトエア流路に沿った向きで配置されて、前記プロダクトエア流路を流れるプロダクトエアに対して前記ワーキングエア流路を流れるワーキングエアを対向流とした間接気化冷却ユニットと、
    前記間接気化冷却ユニットに設けられ、給排水を行う給排水装置と、
    前記外気吸込口から前記間接気化冷却ユニットの前記プロダクトエア流路を通り、前記給気吹出口へ連通した給気流路と、
    前記給気流路から分岐して、前記間接気化冷却ユニットの前記ワーキングエア流路を通り前記排気吹出口へ連通した第1の排気流路と、
    前記還気吸込口から前記排気吹出口へ連通した第2の排気流路と、
    前記間接気化冷却ユニットの前記ワーキングエア流路を流れるワーキングエアもしくは前記プロダクトエア流路を流れるプロダクトエアの少なくとも一方の流量を調整する流量制御手段とを備えて、前記給気吹出口からの給気温度を制御する
    ことを特徴とする換気装置。
  3. 前記流量制御手段は、前記プロダクトエア流路と連通した前記給気流路と前記ワーキングエア流路と連通した前記排気流路の少なくとも一方に設けたダンパの開度、もしくは、前記給気ファンと前記排気ファンの少なくとも一方の風量の制御、あるいは、ダンパ開度とファン風量の双方の制御によって、前記プロダクトエアと前記ワーキングエアの少なくとも一方の流量を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の換気装置。
  4. 前記給気流路から分岐し、前記間接気化冷却ユニットをバイパスして前記給気吹出口へ連通したバイパス流路を備え、
    前記流量制御手段は、前記バイパス流路に設けたダンパの開度もしくは前記給気ファンの風量の制御、あるいはダンパ開度とファン風量の双方の制御によって前記間接気化冷却ユニットをバイパスするエアの流量を調整する
    ことを特徴とする請求項1記載の換気装置。
  5. 前記流量制御手段は、前記プロダクトエア流路と連通した前記給気流路と前記ワーキングエア流路と連通した前記排気流路の少なくとも一方に設けたダンパの開度、もしくは、前記給気ファンの風量の制御、あるいは、ダンパ開度とファン風量の双方の制御によって、前記プロダクトエアと前記ワーキングエアの少なくとも一方の流量を制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の換気装置。
  6. 所定時間で建物内の空気の入れ替えができるように、前記還気吸込口からの還気流量と前記給気吹出口からの給気流量を調整する
    ことを特徴とする1〜5に何れか記載の換気装置。
  7. 隔壁で仕切られた第1の流路と第2の流路に供給されたエアの間で熱交換が行われる熱交換ユニットと、供給されたエアを除湿する除湿ユニットの少なくとも一方あるいは両方を、前記間接気化冷却ユニットの前段に備えた
    ことを特徴とする請求項1〜6に何れか記載の換気装置。
  8. 前記還気吸込口を前記外気吸込口と連通させ、前記還気吸込口から吸い込んだエアを、少なくとも前記間接気化冷却ユニットの前記プロダクトエア流路を通して前記給気吹出口から吹き出す
    ことを特徴とする請求項1〜7に何れか記載の換気装置。
  9. 前記給気ファンと前記排気ファンの少なくとも一方を、装置本体と独立した送風装置で構成し、ダクト部材を介して接続した
    ことを特徴とする請求項1〜8に何れか記載の換気装置。
  10. 前記給気流路に空気清浄装置を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜9に何れか記載の換気装置。
  11. 前記給気吹出口から吹き出されるエアの給気温度もしくは室内温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサで検出される給気温度もしくは室内温度が設定温度となるように、前記プロダクトエアもしくはワーキングエアの少なくとも一方の流量を制御する制御手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜10に何れか記載の換気装置。
  12. 前記給気吹出口から吹き出されるエアの給気温度もしくは室内温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサで検出される給気温度もしくは室内温度が設定温度となるように、前記給排水装置による給水量を制御する制御手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜10に何れか記載の換気装置。
  13. 前記請求項1〜12の何れかに記載の換気装置を備えた
    ことを特徴とする建物。
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