JP2007139187A - トラニオン支持金具付き流体圧シリンダ - Google Patents

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Abstract

【課題】トラニオン支持金具を装着した際のシリンダチューブの変形を抑制しつつ、該トラニオン支持金具を前記シリンダチューブに対して確実に固定する。
【解決手段】ピストン9が変位自在に内装されたシリンダチューブに、一組のトラニオン支持金具2、2が装着される。このトラニオン支持金具2、2は、シリンダチューブの縦向外面15a、15aに沿って配設される主金具21と、前記主金具21の腕部25にねじ23を介して連結される止め金具22とを備え、前記止め金具22に形成された取付用突部30が前記シリンダチューブの横向外面15b、15bに形成された係止溝17に係止される。また、トラニオン支持金具2、2には粒子層が形成され、前記粒子層が前記シリンダチューブの縦向外面15a、15a及び横向外面15b、15bに対して当接する。
【選択図】図3

Description

本発明は、産業用の各種設備に付設して製品の加工や搬送等に使用するトラニオン支持金具付き流体圧シリンダに関し、一層詳細には、トラニオン支持金具を介して所定の位置に揺動自在に設置するためのトラニオン支持金具付き流体圧シリンダに関する。
従来から、産業用の各種設備においては、製品の加工や搬送等を行うための流体圧シリンダが、所定の位置にトラニオン支持金具を介して揺動自在に設置されて用いられている。図9及び図10に示されるように、このようなトラニオン支持金具100を備えた流体圧シリンダ101は、矩形の断面形状を有するシリンダチューブ102の外面に、支持軸103を有する一対のトラニオン支持金具100をねじ止め等の手段により固定したもので、前記支持軸103を軸受部材104に揺動自在に支持している(例えば、特許文献1参照)。
特開昭62−72905号公報
このような流体圧シリンダ101では、支持軸103を中心に揺動運動を繰り返しながら製品の溶接や搬送等の作業を行うため、該流体圧シリンダ101と前記トラニオン支持金具100とが振動によって軸線L方向に相対的に位置ずれし易い。このため、トラニオン支持金具100は、シリンダチューブ102に強固に固定しておく必要がある。
ところが、一般的に、このようなシリンダチューブ102は、ピストンの動作位置を検出する磁気式の位置センサーを取り付ける関係で、非磁性金属であるアルミニウムで形成されている場合が多く、このアルミニウムは比較的柔らかいため、前記トラニオン支持金具100をねじ等で強く締め付けて固定すると、該ねじや係止用の突起等が当たる部分でシリンダチューブ102に歪みや変形等が発生し、流体圧シリンダ101の動作に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、トラニオン支持金具を装着した際のシリンダチューブの変形を抑制しつつ、該トラニオン支持金具を確実に固定することが可能なトラニオン支持金具付き流体圧シリンダを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、シリンダチューブの内部に設けられたピストンを圧力流体の供給作用下に変位させる流体圧シリンダにおいて、該流体圧シリンダを軸受部材に揺動自在に支持させるための一対のトラニオン支持金具が前記シリンダチューブの外面に設けられたトラニオン支持金具付き流体圧シリンダであって、
前記トラニオン支持金具は、前記シリンダチューブの外面に形成された係止溝に係合される取付用突部と、前記シリンダチューブの外面に対して当接する部位に形成され摩擦を高めるための粒子層とを備え、
前記取付用突部を前記係止溝に係合させることにより、前記粒子層が前記シリンダチューブの外面に当接した状態で前記トラニオン支持金具が該シリンダチューブに対して装着されることを特徴とする。
本発明によれば、トラニオン支持金具に取付用突部と粒子層とを備え、前記取付用突部を流体圧シリンダを構成するシリンダチューブの係止溝に係合させると共に、前記粒子層を前記シリンダチューブの外面に対して当接させるように前記トラニオン支持金具を前記シリンダチューブに装着している。従って、粒子層を形成することによって前記シリンダチューブに対するトラニオン支持金具の摩擦が高まるため、該トラニオン支持金具をそれほど強力な力で締め付けなくとも、シリンダチューブに対して大きな摩擦力で確実且つ安定的に固定することができる。その結果、トラニオン支持金具を介して流体圧シリンダが揺動動作した場合でも位置ずれを生じることがない。また、トラニオン支持金具を強く締め付けてシリンダチューブに強力に当接、係止させる必要がないため、該シリンダチューブに歪みや変形等を生じることが防止される。
また、粒子層を、トラニオン支持金具においてシリンダチューブの外面に当接する内面と、係止溝の溝壁に当接する取付用突部にそれぞれ形成するとよい。
さらに、シリンダチューブは、断面矩形状に形成されて相対する2つの縦向外面と他の相対する2つの横向外面とを有すると共に、前記縦向外面及び横向外面にそれぞれ該シリンダチューブの軸線方向に延びる2つの前記係止溝を有するとよい。
さらにまた、トラニオン支持金具は、断面略凹字状に形成され、シリンダチューブの縦向外面に沿って装着されて当接すると共に、両端部が横向外面に沿うようにそれぞれ延出した一組の主金具と、
前記主金具の両端部に設けられ、前記横向外面に設けられた係止溝に臨むように配設された一組の止め金具と、
を備え、
前記主金具に、前記縦向外面に形成された2つの係止溝に係止される2つの位置決め用突部を形成すると共に、前記止め金具に、前記横向外面の係止溝に係止される前記取付用突部を形成し、一対のトラニオン支持金具を前記シリンダチューブの互いに相対する位置に取り付けるとよい。
またさらに、トラニオン支持金具の内面の粒子層は、主金具及び止め金具の両方に形成するとよい。
また、止め金具を、主金具と別に形成し、ねじによって前記主金具に対して連結すると共に、該ねじの締め付けによって前記取付用突部を前記係止溝に係止させるとよい。
さらに、一方のトラニオン支持金具と他方のトラニオン支持金具の間に位置決めピンを掛け渡し、前記位置決めピンを介して前記一方及び他方のトラニオン支持金具を互いに相対する位置に位置決めさせるとよい。
さらにまた、本発明は、シリンダチューブの内部に設けられたピストンを圧力流体の供給作用下に変位させる流体圧シリンダにおいて、前記流体圧シリンダを軸受部材に揺動自在に支持させるためのトラニオン支持金具が前記シリンダチューブの外面に設けられたトラニオン支持金具付き流体圧シリンダであって、
前記トラニオン支持金具は、断面略凹字状に形成され、前記シリンダチューブの縦向外面に沿って装着されると共に、両端部が前記シリンダチューブの横向外面に形成された鍔部の外側となるように配設される一組の主金具と、
前記主金具の両端部に設けられ、前記鍔部の内側となるように配設される一組の止め金具と、
前記主金具と止め金具とを連結するねじと、
を備え、
前記主金具及び止め金具は、前記鍔部を挟んで対向配置され、前記ねじの締付作用下に前記鍔部が挟持されることを特徴とする。
本発明によれば、トラニオン支持金具は、両端部がシリンダチューブの横向外面に形成された鍔部の外側に配設される断面略凹字状の一組の主金具と、前記主金具の両端部に設けられて前記鍔部の内側に配設される一組の止め金具とから構成され、前記主金具と止め金具とがねじを介して連結されている。従って、鍔部を挟んで対向するように配置された主金具と止め金具が、ねじを締め付けることにより前記鍔部を挟持することとなり、シリンダチューブに対してトラニオン支持金具が確実且つ安定的に固定することができる。また、この際、ねじの締付力は、主金具及び止め金具を介して鍔部のみに付与されるため、シリンダチューブに歪みや変形等が生じることが阻止される。
またさらに、鍔部を、断面略矩形状に形成された前記シリンダチューブの縦向外面と他の相対する横向外面にそれぞれ一組ずつ設け、前記縦向外面及び横向外面に対して突出するように形成するとよい。
また、鍔部を、ピストンの変位位置を検出可能な検出センサーが装着されるシリンダチューブの取付溝に対して外側となる位置に設けるとよい。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、トラニオン支持金具に粒子層を形成することにより、シリンダチューブに対する摩擦を高めることができるため、該トラニオン支持金具をそれほど強力な力で締め付けなくとも、シリンダチューブに対して大きな摩擦力で確実且つ安定的に固定することができ、前記流体圧シリンダの揺動動作に伴って位置ずれすることがない。また、トラニオン支持金具を、両端部がシリンダチューブの横向外面に形成された鍔部の外側に配設された断面略凹字状の主金具と、前記主金具の両端部に設けられて前記鍔部の内側に配設される一組の止め金具とから構成し、前記鍔部を挟んで対向するように配置された主金具と止め金具をねじの締め付けによって連結することにより、前記シリンダチューブに歪みや変形等が生じさせることなく、トラニオン支持金具がシリンダチューブの鍔部に確実且つ安定的に固定される。
本発明に係るトラニオン支持金具付き流体圧シリンダについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1〜図5は、本発明の第1の実施の形態に係るトラニオン支持金具付き流体圧シリンダを示すものであり、図中における参照符号1は、流体圧シリンダを示し、参照符号2は、この流体圧シリンダ1に取り付けられたトラニオン支持金具を示している。
このトラニオン支持金具2は、流体圧シリンダ1の外面の相対する位置に互いに向かい合った状態で一対取り付けられ、それぞれ支持軸3を有し、同心状に位置するこれらの支持軸3によって図9及び図10に示す従来例と同様に、産業用の各種設備における軸受部材4(図2参照)に揺動自在に支持されるものである。なお、前記2つのトラニオン支持金具2、2は互いに同じ構成を有するものである。
一方、流体圧シリンダ1は、アルミニウム等の非磁性金属からなる実質的に断面略矩形状のシリンダチューブ7を有し、このシリンダチューブ7の内部に、該シリンダチューブ7の軸線L方向に延びるシリンダボア8が形成され、このシリンダボア8の内部にピストン9が摺動自在に配設されている。前記シリンダボア8の両端は、ヘッドカバー11とロッドカバー12によって塞がれ、前記ピストン9から軸線L方向に延びるピストンロッド10が、前記ロッドカバー12を気密に貫通して外部に延出している。
また、ピストン9とヘッドカバー11との間、及び該ピストン9とロッドカバー12との間には、それぞれ図示しない圧力室が形成され、これらの圧力室が、シリンダチューブ7の外面の2つのポート13a、13bにそれぞれ接続されている。そして、図1の状態からヘッド側のポート13aを通じてヘッド側圧力室にエア等の圧力流体が供給されると、前記ピストン9がロッドカバー12側に移動(前進)して該ピストンロッド10が伸長し、反対に、ロッド側のポート13bからロッド側圧力室に圧力流体が供給されると、前記ピストン9がヘッドカバー11側に移動(後退)して該ピストンロッド10が短縮する。
前記シリンダチューブ7の矩形の外周面は、相対する2つの平行な縦向外面15a、15aと、 他の相対する2つの平行な横向外面15b、15bとからなっていて、これらの縦向外面15a、15a、横向外面15b、15bにそれぞれ、シリンダチューブ7の軸線L方向に延びる2つの係止溝17が形成されている。なお、以下の説明において、前記縦向外面15aと横向外面15bとを区別して表示するとき以外は、それらを共通符号「15」で表示するものとする。
各外面15上の2つの係止溝17は、該外面15の幅方向の中心に対して対称の位置に形成され、ピストン9の動作位置を検出する位置センサー(図示せず)を取り付けるための取付溝を兼ねている。換言すれば、位置センサー用の取付溝を前記係止溝17として兼用するものである。
この係止溝17の溝壁は、前記外面15と平行する平坦な底壁17a(図4参照)と、この底壁17aから外面15側に向けて外広がり状に傾斜しながら延びる左右の側壁17b、17bとからなっていて、両側壁17b、17bにおける前記外面15寄りの端部に、係止溝17の内側に向けて突出する凸壁部17cが互いに相対するように形成されている。この凸壁部17cの内端面17dは外面15と直交する面である。また、 左右の凸壁部17c、17c間の間隔(溝口幅)は、前記底壁17aの幅(溝底幅)と同じかそれよりやや広い程度である。
トラニオン支持金具2は、全体として断面略凹字状をなすもので、前記シリンダチューブ7の一方の縦向外面15aに当接する金属製の主金具21と、この主金具21の両端からそれぞれ前記横向外面15b、15bに沿って延出し、該横向外面15b、15bに形成される一方の係止溝17を横切る位置まで延びる2つの金属製の止め金具22とから構成されている。この止め金具22の先端は、横向外面15bの中心まで達することなく、その手前の位置となるように配置される。前記主金具21と2つの止め金具22、22とは別々に形成され、 後述するようにねじ23で相互に連結されている。
前記主金具21は、前記縦向外面15aを幅方向に横断していて、その両端が該縦向外面15aの両側に突出し、この両端部に、前記横向外面15b、15bに沿って係止溝17の手前の位置まで伸びる連結用の腕部25、25が形成されている。この主金具21の横幅W(図2参照)は、前記シリンダチューブ7の軸線L方向長さに比べて十分に小さく形成されている。まだ、該主金具21は軸線L方向に取付位置を調整できるようになっている。
また、主金具21の外面には、その中心となる位置に、前記支持軸3がシリンダチューブ7の軸線Lと直交する方向に延設され、前記主金具21の内面には、該主金具21の長手方向と略直交するように平行に延びる2つの位置決め用突部26、26が、該主金具21の中心に対して対称をなすように形成されている。この位置決め用突部26は、前記係止溝17の開口幅より狭い突部幅を有していて、その左右両側壁26a、26bは次第に先狭まり状に傾斜する傾斜壁をなしている。そして、左右両側壁26a、26bの傾斜角度は互いに異なっており、主金具21の中心に対して外側に位置する急傾斜の側壁26aが、前記係止溝17における一方の側壁17bの凸壁部17c、即ち、横向外面15b側に位置する外側の側壁17bの凸壁部17cに対して片当たり状に当接、係止している。
これにより、前記トラニオン支持金具2が、縦向外面15aの中心に位置決めされている。なお、このとき、前記主金具21の内面は、前記2つの位置決め用突部26、26より外側の面部分21a、21aが、前記縦向外面15aに対して当接している。
腕部25の先端部には、止め金具22を連結するための連結面25aが形成され、該腕部25の内部には、前記主金具21の外側面から前記連結面25aまで延びる2つの平行なねじ取付孔28、28が形成されている。そして、前記連結面25aに前記止め金具22の基端部22aを当接させ、前記ねじ取付孔28に挿通したねじ23を該止め金具22のねじ孔29に螺着することにより、該止め金具22が主金具21に連結されて固定される。この場合、前記腕部25の連結面25aと止め金具22の基端部22aには、相互に係合し合う位置決め用の凸部25bと凹部22bとを形成しておくことが望ましい。
前記止め金具22の横向外面15bに当接する内側面には、該止め金具22が跨いだ前記係止溝17に沿って延びる取付用突部30が、該止め金具22の全幅にわたり形成されている。この取付用突部30は、前記係止溝17の溝口幅より狭い突部幅と、底壁17aまで達する突部高さとを有するもので、該取付用突部30の左右両側壁30a、30bのうち主金具21側となる側壁30aの一部に張出部30cを有している。そして、この張出部30cが、前記係止溝17における一方の側壁17bの凸壁部17cに片当たり状に当接することによって係止され、この取付用突部30の係止溝17への係止によってトラニオン支持金具2が、シリンダチューブ7の外面に取付けられている。この際、前記取付用突部30の係止力は、前記ねじ23の締め付けによって調整することができ、該ねじ23を緩めることによりトラニオン支持金具2を係止溝17に沿って移動させてその取付位置を変更することができる。
なお、前記トラニオン支持金具2をシリンダチューブ7に取り付けた状態では、前記取付用突部30の先端面30dが係止溝17の底壁17aに当接し、また、止め金具22の内面のうち該取付用突部30より外側の面部分22cが前記横向外面15bに当接している。
また、トラニオン支持金具2には、前記シリンダチューブ7に当接する部分に、該シリンダチューブ7との間の摩擦を高めるために粒子層32が形成されている。この第1の実施形態においては、主金具21の内面の前記縦向外面15aに当接する面部分21aと、止め金具22の内面の前記横向外面15bに当接する面部分22cと、係止溝17の底壁17aに当接する取付用突部30の先端面30dと、係止溝17の凸壁部17cに当接する該取付用突部30の側壁30aの張出部30cの表面にそれぞれ前記粒子層32が形成されている。
この粒子層32は、硬質の粒子、例えばダイヤモンド砥粒や炭化ケイ素粒子等を上述した各部分に電着や接着等の方法で被着(サンドコーティング)することにより得ることができる。このとき使用される各粒子の粒径は、例えば、F100〜F180程度が好ましく、特に好ましくは、F150程度であるが、それ以外の粒径であっても構わない。
また、前記粒子の固着に接着剤を使用する場合は、低硬化性の接着剤を使用することが望ましい。その理由は、低硬化性接着剤は、物質間に挟み込まれたときに押し潰されるため、粒子が接着剤層の表面に浮き上がり易くなるからである。
このように、トラニオン支持金具2に前記粒子層32を形成することにより、シリンダチューブ7に対する摩擦が増大するため、前記ねじ23で該トラニオン支持金具2をそれほど強く締め付けなくても、該トラニオン支持金具2はシリンダチューブ7に対して大きな係止力(摩擦力)で固定される。
従って、トラニオン支持金具2の取付状態が安定し、流体圧シリンダ1の揺動動作に伴う振動等によって位置ずれを生じることがない。また、前記ねじ23を強く締め付けて止め金具22の取付用突部30をシリンダチューブ7の係止溝17に強力に当接させて係止させる必要がないため、前記シリンダチューブ7がアルミニウムのような比較的柔軟な金属で形成されていても、該シリンダチューブ7に歪みや変形等を生じることもない。
前記粒子層32は、上述した全ての部分に形成する必要はなく、それらのうちの少なくとも一部分だけに形成してもよい。例えば、前記主金具21の面部分21aと、取付用突部30における張出部30cの表面の何れか一方又は両方に形成することができる。あるいは、上述した部分以外の前記シリンダチューブ7に当接する部分に形成してもよい。
前記一対のトラニオン支持金具2、2は、それらの両端部間にそれぞれ位置決めピン33を掛け渡すことにより、互いに相対する位置に正確に位置決めされている。即ち、各トラニオン支持金具2の両端の前記止め金具22における2つのねじ孔29、29の間の位置には、ピン挿通孔34が該止め金具22を貫通するように形成されていて、その先端は腕部25の中間部にまで達している。そして、このピン挿通孔34内に前記位置決めピン33の両端を挿通させることにより、前記一対のトラニオン支特金具2、2が相対的に位置決めされている。
前記流体圧シリンダ1におけるピストン9の動作位置を検出するときは、シリンダチューブ7の何れかの外面15に形成された係止溝17に位置センサー(図示せず)が取り付けられる。この位置センサーは、例えば、ピストン9に取り付けられた永久磁石を検出する磁気センサーが用いられるが、このような位置センサーは一般的であるため、その図示は省略している。
このように、トラニオン支持金具2を取付けるための前記係止溝17を、位置センサーを取り付けるための取付溝と兼用させた場合には、この係止溝17をセンサー取付溝とは別に形成する必要がないため、流体圧シリンダを非常に簡単且つ合理的な設計構造とすることができ、流体圧シリンダが既にセンサー取付溝を有する場合には、そのままトラニオン支持金具2を取り付けることができる。なお、前記係止溝17をセンサー取付溝とは別に形成してもよい。
次に、第2の実施の形態に係るトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ50を図6〜図8に示す。なお、上述した第1の実施の形態に係るトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ1と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この第2の実施の形態に係るトラニオン支持金具が装着された流体圧シリンダ50では、シリンダチューブ52の縦向外面54及び横向外面56にセンサー取付溝58a、58bの外側となるように一組の鍔部60がそれぞれ設けられ、前記鍔部60を介してトラニオン支持金具62が装着されている点で、第1の実施の形態に係るトラニオン支持金具2が装着された流体圧シリンダ1と相違している。
この鍔部60は、断面略矩形状に形成され、シリンダチューブ52の縦向外面54及び横向外面56に対して所定高さで突出するように一組ずつ設けられると共に、前記シリンダチューブ52の軸線方向に沿って延在している。また、この縦向外面54及び横向外面56に設けられるセンサー取付溝58a、58bは、互いに所定間隔離間して平行に設けられ、それぞれ断面形状が異なるように形成されている。詳細には、一方のセンサー取付溝58aは、断面略矩形状に形成され、他方のセンサー取付溝58bは、断面略半円状となる丸溝で形成される。なお、2つのセンサー取付溝58a、58bの断面形状は、上述した断面矩形状、断面半円状の場合に限定されるものではない。
この鍔部60の内側には、トラニオン支持金具62を構成する止め金具64が配置されると共に、前記鍔部60の外側には前記トラニオン支持金具62を構成する主金具66が配置される。この主金具66と止め金具64には、ねじ68が挿通され、該ねじ68が前記止め金具64に対して螺合される。これにより、主金具66と止め金具64がねじ68を介して互いに連結され、前記鍔部60が前記主金具66の側壁66aと止め金具64の側壁64aとの間に挟持されて保持される(図7参照)。
このように、第2の実施の形態では、流体圧シリンダ50を構成するシリンダチューブ52の縦向外面54及び横向外面56に一組の鍔部60をそれぞれ設け、前記鍔部60をトラニオン支持金具62を構成する主金具66と止め金具64とで挟むことにより該トラニオン支持金具62を保持可能な構成としている。そのため、ねじ68の締付作用下に主金具66と止め金具64によって鍔部60を挟持する際、前記ねじ68の締付力が前記鍔部60のみに付与されると共に、前記締付力は前記鍔部60を中心として主金具66と止め金具64とから互いに相反する方向へと付与されるため、前記鍔部60を有するシリンダチューブ52が前記締付力によって変形することが防止される。詳細には、鍔部60を中心として主金具66と止め金具64とが互いに接近する方向へと変位するため、その力が相殺されることとなり前記鍔部60を変形させるような力が付与されることがない。その結果、流体圧シリンダ50にトラニオン支持金具62を取り付けた場合でも、シリンダチューブ52の内部に設けられたピストン9の変位が妨げられることがなく、該ピストン9を円滑に変位させることが可能となる。
また、トラニオン支持金具62は、鍔部60を介してシリンダチューブ52に装着されているため、該シリンダチューブ52に設けられたセンサー取付溝58a、58bの形状にかかわらず、流体圧シリンダ50に対して確実且つ簡便に装着することができる。換言すれば、シリンダチューブ52に形成されたセンサー取付溝58a、58bの形状に依存することなく、同一形状のトラニオン支持金具62を装着することが可能となり、それに伴って、センサー取付溝58a、58bの形状に応じた様々なトラニオン支持金具をそれぞれ準備する必要がなく、部品点数の削減及び製造コストの低減を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るトラニオン支持金具付き流体圧シリンダを示す一部断面正面図である。 図1に示すトラニオン支持金具付き流体圧シリンダの平面図である。 図1のIII−III線に沿った断面図である。 図3の要部拡大図である。 図3に示す流体圧シリンダから一方のトラニオン支持金具が取り外された状態を示す一部分解断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトラニオン支持金具付き流体圧シリンダを示す一部断面正面図である。 図6の要部拡大図である。 図6に示す流体圧シリンダから一方のトラニオン支持金具が取り外された状態を示す一部分解断面図である。 従来のトラニオン支持金具付き流体圧シリンダを示す平面図である。 図9に示すトラニオン支持金具付き流体圧シリンダの側面図である。
符号の説明
1、50…流体圧シリンダ 2、62…トラニオン支持金具
3…支持軸 4…軸受部材
7、52…シリンダチューブ 8…シリンダボア
9…ピストン 10…ピストンロッド
11…ヘッドカバー 12…ロッドカバー
13a、13b…ポート 15a、54…縦向外面
15b、56…横向外面 17…係止溝
21、66…主金具 22、64…止め金具
23、68…ねじ 25…腕部
26…位置決め用突部 30…取付用突部
32…粒子層 33…位置決めピン
58a、58b…センサー取付溝 60…鍔部

Claims (10)

  1. シリンダチューブの内部に設けられたピストンを圧力流体の供給作用下に変位させる流体圧シリンダにおいて、該流体圧シリンダを軸受部材に揺動自在に支持させるための一対のトラニオン支持金具が前記シリンダチューブの外面に設けられたトラニオン支持金具付き流体圧シリンダであって、
    前記トラニオン支持金具は、前記シリンダチューブの外面に形成された係止溝に係合される取付用突部と、前記シリンダチューブの外面に対して当接する部位に形成され摩擦を高めるための粒子層とを備え、
    前記取付用突部を前記係止溝に係合させることにより、前記粒子層が前記シリンダチューブの外面に当接した状態で前記トラニオン支持金具が該シリンダチューブに対して装着されることを特徴とするトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ。
  2. 請求項1記載の流体圧シリンダにおいて、
    前記粒子層は、前記トラニオン支持金具において前記シリンダチューブの外面に当接する内面と、前記係止溝の溝壁に当接する前記取付用突部にそれぞれ形成されることを特徴とするトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ。
  3. 請求項1又は2記載の流体圧シリンダにおいて、
    前記シリンダチューブは、断面矩形状に形成されて相対する2つの縦向外面と他の相対する2つの横向外面とを有すると共に、前記縦向外面及び横向外面にそれぞれ該シリンダチューブの軸線方向に延びる2つの前記係止溝を有していることを特徴とするトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ。
  4. 請求項3記載の流体圧シリンダにおいて、
    前記トラニオン支持金具は、断面略凹字状に形成され、前記シリンダチューブの縦向外面に沿って装着されて当接すると共に、両端部が前記横向外面に沿うようにそれぞれ延出した一組の主金具と、
    前記主金具の両端部に設けられ、前記横向外面に設けられた係止溝に臨むように配設された一組の止め金具と、
    を備え、
    前記主金具には、前記縦向外面に形成された2つの係止溝に係止される2つの位置決め用突部が形成されると共に、前記止め金具には、前記横向外面の係止溝に係止される前記取付用突部が形成され、一対のトラニオン支持金具が前記シリンダチューブの互いに相対する位置に取り付けられていることを特徴とするトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ。
  5. 請求項4記載の流体圧シリンダにおいて、
    前記トラニオン支持金具の内面の粒子層が、前記主金具及び止め金具の両方に形成されていることを特徴とするトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ。
  6. 請求項4又は5記載の流体圧シリンダにおいて、
    前記止め金具は、前記主金具と別に形成され、ねじによって前記主金具に対して連結されると共に、該ねじの締め付けによって前記取付用突部が前記係止溝に係止されることを特徴とするトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、
    一方のトラニオン支持金具と他方のトラニオン支持金具の間には位置決めピンが掛け渡され、前記位置決めピンを介して前記一方及び他方のトラニオン支持金具が互いに相対する位置に位置決めされていることを特徴とするトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ。
  8. シリンダチューブの内部に設けられたピストンを圧力流体の供給作用下に変位させる流体圧シリンダにおいて、前記流体圧シリンダを軸受部材に揺動自在に支持させるためのトラニオン支持金具が前記シリンダチューブの外面に設けられたトラニオン支持金具付き流体圧シリンダであって、
    前記トラニオン支持金具は、断面略凹字状に形成され、前記シリンダチューブの縦向外面に沿って装着されると共に、両端部が前記シリンダチューブの横向外面に形成された鍔部の外側となるように配設される一組の主金具と、
    前記主金具の両端部に設けられ、前記鍔部の内側となるように配設される一組の止め金具と、
    前記主金具と止め金具とを連結するねじと、
    を備え、
    前記主金具及び止め金具は、前記鍔部を挟んで対向配置され、前記ねじの締付作用下に前記鍔部が挟持されることを特徴とするトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ。
  9. 請求項8記載の流体圧シリンダにおいて、
    前記鍔部は、断面略矩形状に形成された前記シリンダチューブの縦向外面と他の相対する横向外面にそれぞれ一組ずつ設けられ、前記縦向外面及び横向外面に対して突出して形成されることを特徴とするトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ。
  10. 請求項8又は9記載の流体圧シリンダにおいて、
    前記鍔部は、前記ピストンの変位位置を検出可能な検出センサーが装着される前記シリンダチューブの取付溝に対して外側となる位置に設けられることを特徴とするトラニオン支持金具付き流体圧シリンダ。
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