JP2007139035A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同心に配置される内輪2および外輪3と、この内輪2および外輪3間に介在する複数の転動体4とを備え、この転動体4の周囲にPFPE油を基油とし、フッ素樹脂粉末を増ちょう剤とするフッ素系潤滑グリース7が封入されてなる転がり軸受1であって、上記転動体4が窒化珪素等のセラミックスで形成される。
【選択図】図1
Description
従来 200℃付近の高温になるファンクラッチに用いられる転がり軸受の封入グリースには、増ちょう剤としてフッ素樹脂粉末を用い、基油にパーフルオロポリエーテル(以下、PFPEと記す)油を用いた耐熱性に優れるフッ素系潤滑グリースが使用されている。
また、一般に潤滑剤は真空にさらされると、基油の蒸気圧が高いため基油が蒸発する。そのため真空度が上がらなかったり、真空チャンバーや真空機器内に設けられた計測機器を汚染し不具合を生じる。その対応として真空中で使用される転がり軸受の潤滑にはフッ素系グリースが多く用いられてきた。
しかし、これらはいずれもフッ素と鋼との反応に着目してなされたものではなく、高温特性に優れるものの金属への侵食性を有するフッ素グリースの性質を根本的に改良するにはいたっていない。
上記セラミックスは、窒化珪素であることを特徴とする。
上記フッ素系潤滑グリースは、200℃にて 24 時間放置後の蒸発率が 0.1 重量%〜15 重量%であることを特徴とする。
ここで、本発明のフッ素系潤滑グリースの蒸発率は、長さ 80 mm×幅 60 mm×厚さ 3 mm のガラス板上にフッ素系潤滑グリースを長さ 55 mm×幅 35 mm×厚さ 1 mm の形状にシックネスゲージを用いて塗布し、200℃の恒温室にて 24 時間放置後の重量減少率を測定し、得られた重量減少率を蒸発率としている。
この結果、自動車電装補機、事務用機器等に用いられる転がり軸受として好適に利用できる。また、真空中など、グリース封入量が比較的少なく、境界潤滑条件で使用される転がり軸受としても好適に利用できる。
これらのうち転動疲労寿命の観点からは窒化珪素が最も好ましい。セラミックス転動体はHIP(熱間等方圧縮処理)やガス圧焼結などの成形方法で得られた素球を研磨することにより得ることができる。なお、本発明では転動体をセラミックスで構成することを必須とするが、内輪や外輪をセラミックスとすることも勿論可能である。
PFPE油は、脂肪族炭化水素ポリエーテルの水素原子をフッ素原子で置換した化合物であれば使用できる。そのようなPFPE油を例示すれば、以下の化1および化2で示される側鎖を有するPFPE油と、化3から化5で示される直鎖状のPFPE油とがある。これらは単独でもまた混合しても使用できる。n、mは整数である。
化1の市販品としてはフォンブリンY(モンテジソン社商品名)を、化2の市販品としてはクライトックス(デュポン社商品名)やバリエルタJオイル(クリューバー社商品名)を、化3の市販品としてはフォンブリンZ(モンテジソン社商品名)を、化4の市販品としてはフォンブリンM(モンテジソン社商品名)を、化5の市販品としてはデムナム(ダイキン社商品名)等をそれぞれ例示できる。
フッ素樹脂を例示すれば、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)樹脂などのパーフルオロ系フッ素樹脂が好ましく、特にPTFE樹脂が高温安定性、耐薬品性が優れているため好ましい。
転がり軸受1は、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個のセラミックス製の転動体4が配置される。この複数個の転動体4を保持する保持器5および外輪3等に固定されるシール部材6とにより構成される。転動体4の周囲にフッ素系潤滑グリース7が封入されるが、転動体4はセラミックス製のためフッ素と反応することがない。
グリース全体に対して、PFPE油(デュポン社製商品名、クライトックスGPL105、40℃の動粘度 160 mm2/sec) 67 重量%に、フッ素樹脂粉末(デュポン社製商品名、バイダックス) 33 重量%を加え撹拌した後、ロールミルに通し、増ちょう剤にフッ素樹脂粉末、基油にPFPE油をそれぞれ用いたグリースである半固形状のグリース1を得た。なお、このグリース1のちょう度は 280 であり、蒸発率は 6.5 重量%であった。各グリースにおける蒸発率は、長さ 80 mm×幅 60 mm×厚さ 3 mm のガラス板上にグリースを長さ 55 mm×幅 35 mm×厚さ 1 mm の形状にシックネスゲージを用いて塗布し、200℃の恒温室にて 24 時間放置後の重量減少率を測定し、得られた重量減少率を蒸発率としたものである。
グリース全体に対して、PFPE油(ソルベイ社製商品名、フォンブリンM30、40℃の動粘度 159 mm2/sec) 67 重量%に、フッ素樹脂粉末(デュポン社製商品名、バイダックス) 33 重量%を加え撹拌した後、ロールミルに通し、増ちょう剤にフッ素樹脂粉末、基油にPFPE油をそれぞれ用いたグリースである半固形状のグリース2を得た。なお、このグリース2のちょう度は 280 であり、蒸発率は 3.2 重量%であった。
グリース全体に対して、芳香族エステル油(40℃の動粘度 91 mm2/sec ) 88 重量%の半量にジフェニルメタンジイソシアネート 1 モルを溶かし、残りの半量にモノアミン 2 モルを溶かして上記半量の基油に攪拌しながら加えた後、100〜120℃で 30 分間攪拌を続けて反応させ、ウレア化合物 12 重量%を基油である芳香族エステル油に折出した。その後、ロールミルに通しジウレア化合物とエステル油の混合物である半固形状のグリース3(ウレアグリース)を得た。このグリース3のちょう度は 290 であった。
グリース全体に対して、PFPE油(デュポン社製商品名、クライトックスGPL104、40℃の動粘度 60 mm2/sec) 67 重量%に、フッ素樹脂粉末(デュポン社製商品名、バイダックス) 33 重量%を加え撹拌した後、ロールミルに通し、増ちょう剤にフッ素樹脂粉末、基油にPFPE油をそれぞれ用いたグリースである半固形状のグリース2を得た。なお、このグリース4のちょう度は 280 であり、蒸発率は 35.8 重量%であった。
表1に示す軸受構成およびグリースを用いて試験用転がり軸受を作製した。得られた試験用転がり軸受を以下に示す高温耐久試験にて評価した。試験用転がり軸受は転動体としてボール(5/16インチ、7個)を使用した6204軸受を用いた。
<高温耐久試験>
ラジアル荷重 67 N 、スラスト荷重 67 N 、回転数 10000 rpm 、雰囲気温度 200℃にて試験用転がり軸受を回転させ、過負荷によりモータが停止するまでの高温耐久時間を測定した。なお 4000 時間を上限とした。ただし参考例1〜参考例2については高温耐久試験の雰囲気温度を 180℃とした。結果を表1に示す。
一方、フッ素グリースを用いない参考例1および参考例2では転動体の材質により試験時間に差は見られない。さらに、実施例1のフッ素グリースとセラミックス転動体を用いた軸受は、温度条件がより厳しいにもかかわらず、参考例1および参考例2よりも優れた耐久性を示した。
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 フッ素系潤滑グリース
Claims (3)
- 同心に配置される内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する複数の転動体とを備え、この転動体の周囲にパーフルオロポリエーテル油を基油とし、フッ素樹脂粉末を増ちょう剤とするフッ素系潤滑グリースが封入されてなる転がり軸受であって、
前記転動体がセラミックスで形成されることを特徴とする転がり軸受。 - 前記セラミックスは、窒化珪素であることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
- 前記フッ素系潤滑グリースは、200℃にて 24 時間放置後の蒸発率が 0.1 重量%〜15 重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の転がり軸受。
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