JP2007138364A - エレクトロスピニングを用いたコラーゲン繊維の製造方法及び該製造方法によって製造されるコラーゲン繊維 - Google Patents

エレクトロスピニングを用いたコラーゲン繊維の製造方法及び該製造方法によって製造されるコラーゲン繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】 μmオーダーの均一な繊維径を有するコラーゲン繊維、及びエレクトロスピニングを応用した該コラーゲン繊維の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のコラーゲン繊維の製造方法は、コラーゲン、水及びヘキサフルオロイソプロパノールを含有するコラーゲン溶液を調製し、このコラーゲン溶液に高電圧を印加し、エレクトロスピニングによってコラーゲンを繊維化させることを特徴とする。本発明の製造方法によって得られるコラーゲン繊維は、平均繊維径が約5 μmであり、繊維径が均一であった。また、表面が非常に平滑である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コラーゲンの水/有機溶媒混合溶液に高電圧を印可し、エレクトロスピニングを用いてコラーゲンを繊維化することを特徴とするコラーゲン繊維の製造方法、及び該製造方法によって製造されるコラーゲン繊維に関する。
近年、各医療施設で大手術が頻繁に行われるようになった。大手術に際しては、手術中の患者の出血を予防し、止血を確実にし、かつ短時間に手術を行うことが、患者の術後経過を左右する重要な因子となっている。
外科手術時、出血点のはっきりしている動脈性出血に対しては、一般に結紮法や電気凝固法が止血方法として用いられる。一方、静脈性出血に対しては、圧迫だけでも充分であり、止血は容易である。
しかし、実質臓器からの出血や毛細管性出血に対しては、これらの止血法では効果が認められない場合もある。特に、肝不全や心臓血管外科領域で出血傾向にある場合には、止血に困難をきたす。このような場合、出血面に接触させるだけで血液凝固反応を促進し、速やかに血栓を形成して止血する局所吸収止血材は、手術時間を短縮するのみならず、術後の再出血をも防止し、安全な術後管理にも貢献するので、効果的である。
一方、アレルギー反応と異物反応とを最小限に止め得る蛋白質であるコラーゲンを用いた局所止血材が、それ自身の生理活性作用を有し、止血効果も高いこともあって、臨床応用されるようになってきている。
実用化されているコラーゲン製局所止血材には、天然のコラーゲン繊維を微粉砕してフレーク状にしたものや、コラーゲン溶液を凍結乾燥又は自然乾燥させてスポンジ状としたもの(特許文献1)がある。フレーク状にしたものについては、血液に流され飛び散るため止血効果があまり期待できないし、さらに静電気を帯びやすいので、使用の際に手やピンセットに付着しやすいという欠点がある。また、スポンジ状にしたものについては、複雑な形状の創傷面に対する密着性が充分でないため、止血効果があまり期待できない。
このような欠点を改善するものとして、コラーゲン繊維の集合体よりなる止血材が提案されている。コラーゲン繊維集合体は、コラーゲン溶液を高濃度の塩類溶液にて凝固、再生させて繊維とし、塩類を洗浄除去した後、乾燥することにより得ることができる(特許文献2、特許文献3)。
特表2000−510357号公報 特開平5−171510号公報 特開平7−977714号公報
しかしながら、特許文献2及び特許文献3に開示されるコラーゲン繊維集合体は、繊維が不規則に絡み合った綿塊状であるため、使用する際には、創傷面形状に合わせて均一に当てることは困難であった。また、不規則に絡み合った綿塊の大きさや繊維密度を一定にするためには、エアーブロー等の開繊処理を行う等の特別な手段が必要であるが、異物の混入や製造コストの面から実施が困難であった。
さらに、コラーゲン繊維を十分に洗浄して塩類を除去する必要がある。これらが残存すると止血効果が損なわれるためである。また、繊維径は、mmオーダーである。
一方、繊維径の小さい繊維構造体を製造する方法として、エレクトロスピニング(静電紡糸法)が知られている。エレクトロスピニングでは、繊維形成物質を含有する溶液等を電場内に導入し、これにより液体を電極に向かって曳かせ、溶液中の繊維形成物質を繊維状構造体へと形成させる。一般的に、繊維形成物質は、溶液から曳き出される間に硬化させる。硬化は、例えば、冷却、化学的硬化、溶媒の蒸発等により行われる。そして、得られる繊維状構造体は、適宜に配置した受容体上に捕集される。しかし、エレクトロスピニングによりμmオーダーの繊維径を有するコラーゲン繊維を実際に製造したとの報告はない。
本発明は、μmオーダーの均一な繊維径を有するコラーゲン繊維、及びエレクトロスピニングを応用した該コラーゲン繊維の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、コラーゲンと溶媒との相互作用について検討した結果、ヘキサフルオロイソプロパノールと水との混合溶液が、エレクトロスピニングを応用してコラーゲン繊維を製造するための優れた溶媒であり、コラーゲンをこの混合溶液に溶解させてエレクトロスピニングした場合には、μmオーダーの均一な繊維径を有するコラーゲン繊維が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
コラーゲン、水及びヘキサフルオロイソプロパノールを含有するコラーゲン溶液を調製する調製工程と、
前記コラーゲン溶液に高電圧を印加し、エレクトロスピニングによってコラーゲンを繊維化させる紡糸化工程と、
を含むコラーゲン繊維の製造方法に関する(請求項1)。
本発明のコラーゲン繊維の製造方法によれば、コラーゲン、水及びヘキサフルオロイソプロパノールを含有するコラーゲン溶液中でコラーゲン分子のミセル状会合体が形成されるため、このコラーゲン溶液をエレクトロスピニングした場合には、μmオーダーの均一な繊維径を有するコラーゲン繊維を製造することができる。
前記コラーゲン溶液における水とヘキサフルオロイソプロパノールの重量比は、8:2〜5:5の範囲内であることが好ましい(請求項2)。コラーゲン水溶液は、薄い白色をしており、そこにヘキサフルオロイソプロパノールを添加することにより、溶液全体の白度が下がり粘度が低下する。前記コラーゲン溶液における水とヘキサフルオロイソプロパノールの重量比が8:2未満であると、コラーゲン水溶液(薄い白色)が一部残存するため、コラーゲン溶液が白色層と透明な粘度低下層の二層に分離し、コラーゲン溶液を均質化させることができないおそれがあり、一方、5:5を超えると、溶液粘度が低下しすぎて静電紡糸に必要な溶液の表面張力特性を失い、乾燥効率も低下するおそれがあるためである。
前記コラーゲン溶液におけるコラーゲン含量は、5重量%以上10重量%以下であることが好ましい(請求項3)。コラーゲンの含有量が、5重量%未満であると、濃度が低すぎて繊維直径がμmオーダーより低下する おそれがあり、一方、10重量%を超えると、ヘキサフルオロイソプロパノールをいくら添加しても、コラーゲン溶液がゲル状に固まり、コラーゲンを繊維化することができなくなるためである。
前記紡糸化工程では、内径0.1 mm以上2.0 mm以下のノズルより、前記コラーゲン溶液を吐出させることが好ましい(請求項4)。コラーゲン溶液は粘凋性があるため、ノズルの内径が0.1 mm未満であると詰まるおそれがあり、一方、2.0 mmを超えると、コラーゲン溶液が微細な帯電ミストに分裂しにくくなり、繊維径がμmオーダーのコラーゲン繊維を製造できなくなるおそれがあるためである。
前記紡糸化工程における印加電圧は、1 kV以上50 kV以下の直流電圧であることが好ましい(請求項5)。直流電圧が1kV未満であると、コラーゲン溶液が微細な帯電ミストに分裂しにくくなり、一方、50 kVを超えると、帯電ミストの分裂する力が強過ぎてコラーゲン溶液が適切に落下しにくくなるためである。
さらに、本発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコラーゲン繊維の製造方法によって製造されるコラーゲン繊維に関する(請求項6)。
本発明のコラーゲン繊維の製造方法によれば、従来得られなかった繊維径がμmオーダーの均一なコラーゲン繊維が得られる。しかも、コラーゲンを繊維化した後、架橋か処理を行う必要も、塩類を洗浄除去する必要もない。
以下に、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、これらに限定されるものではない。
まず、本発明のコラーゲン繊維の製造方法において使用するエレクトロスピニング装置の一例を、図1に示す。エレクトロスピニング装置1は、密閉容器2の上部に絶縁板3を備えている。絶縁板3には金属製ホルダー4に接続された金属製ノズル5が固定されている。金属製ホルダー4には、金属製ノズル5の反対側に送液配管7が接続されると共に、高圧電源6が接続されている。
送液配管7は、別の密閉容器8の内部に収容されている容器9へと通じており、容器9内にはコラーゲン溶液10が満たされている。さらに、密閉容器8は、コンプレッサー11と接続しており、内部を加圧状態にすることができる。
コンプレッサー11をONにすると、密閉容器8の内部が加圧され、容器9内のコラーゲン溶液10は、送液配管7を通って金属製ノズル3へと送液される。
密閉容器2の内部には、金属製の網12が絶縁性の支柱13の上に設置され、金属製の網12は、アース14が施されている。そして、金属製の網12は、金属製ノズル5の真下に位置するように設置されている。
ここで、高圧電源6をONにすると、金属製ホルダー4を通して金属製ノズル5に高電圧が印加される。このとき、図2に示すように、高電圧によって金属製ノズル5内を流れるコラーゲン溶液10に電荷が誘発、蓄積される。金属製ノズル5から噴出された後、コラーゲン溶液は、プラスに帯電するために互いに反発する。
この反発力は、コラーゲン溶液の表面張力に対抗し、荷電臨界を超えると(表面張力を超えると)、コラーゲン溶液は帯電ミストになる。この帯電ミストの表面積は、体積に対して非常に大きいため、溶媒である水及びヘキサフルオロイソプロパノールが効率良く蒸発し、さらに体積の減少により電荷密度が高くなるため、コラーゲン溶液は帯電微少ミスト15へと分裂していく。
金属製ノズル5は高電圧を印加されているが、金属製の網12はアースされているので、金属製ノズル5と金属製の網12との間には、強い電界が形成されている。帯電微少ミスト15は、互いに反発しながら、形成された電界により金属製の網12に向かって進行するが、途中で溶媒である水及びヘキサフルオロイソプロパノールが揮散し、繊維化したコラーゲン(コラーゲン繊維)として、金属製の網12上に捕集される。このとき、金属製ノズル5に付与された荷電と反対の符号を有する荷電を金属製の網に付与してもよい。
なお、金属製ノズル5の内径は、0.1 mm以上2.0 mm以下であることが好ましく、0.1 mm以上1.0 mm以下であることがより好ましい。
金属製ホルダー4(及び金属製ノズル5)に印加する高電圧は、1 kV以上50 kV以下の直流電圧であることが好ましく、10 kV以上35 kV以下の直流電圧であることがより好ましい。
金属製ノズル5からのコラーゲン溶液の吐出速度は、0.01 mL/分以上10 mL/分以下であることが好ましい。この吐出速度は、密閉容器8内を加圧するコンプレッサー11の出力を制御することにより、調整することが可能である。
なお、ここでは、ホルダー、ノズル及び網を全て金属製としたが、金属製に限らず導電性材料であればよい。また、密閉容器2を用いずに、開放系でコラーゲン溶液をエレクトロスピニングしてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の実施例1として、以下の製造方法によりコラーゲン繊維を製造した。
1)調製工程
まず、可溶性コラーゲンをpH2に調整した塩酸に溶解させた後、ろ過してコラーゲン水溶液(コラーゲン濃度:8.12重量%)を得た。次に、このコラーゲン水溶液100 mLに対して20 mLの割合でヘキサフルオロイソプロパノールを添加して、コラーゲン溶液を得た。なお、コラーゲン溶液中の水とヘキサフルオロイソプロパノールの重量比は、8:2〜5:5とすることが好ましい。
コラーゲン水溶液は、粘度が高く、そのままの状態ではエレクトロスピニングによってコラーゲン繊維を製造することはできないが、ヘキサフルオロイソプロパノールを添加してコラーゲン溶液とすることにより、粘度が低下してエレクトロスピニングによってコラーゲン繊維を製造することが可能となる。
2)紡糸化工程
次に、上記調製工程で製造したコラーゲン溶液を、図1に示すエレクトロスピニング装置1を用いて繊維化し、コラーゲン繊維の不織布を製造した。ここでは、金属製ノズル5として内径0.2 mm、長さ1cmのステンレス製ノズルを使用し、金属製ノズル5の下端部からステンレス製網(金属製の網12)の中心までの距離を50cmとした。また、ステンレス製ホルダー(金属製ホルダー4)に可変電圧器(高圧電源6:パレス電子技術株式会社製)を接続し、20 kVの直流電圧を印加した。なお、コラーゲン溶液の噴出速度は、4.4 mL/分とした。
その結果、ステンレス製網の上には、白いコラーゲン繊維が捕集された。このコラーゲン繊維は、捕集された直後であっても、コラーゲンの溶媒であったが水及びヘキサフルオロイソプロパノールが完全に揮散していた。また、このコラーゲン繊維は非常に繊細であり、形成された不織布も均質であった。
(実施例2)
次に、実施例2として、ヘキサフルオロイソプロパノールをコラーゲン水溶液100 mLに対して40 mLの割合でヘキサフルオロイソプロパノールを添加すること以外、実施例1と同様にコラーゲン繊維の不織布を製造した。
その結果、ステンレス製網の上には、実施例1と同様、白いコラーゲン繊維が捕集された。このコラーゲン繊維は、捕集された直後であっても、コラーゲンの溶媒であったが水及びヘキサフルオロイソプロパノールが完全に揮散していた。また、コラーゲン繊維は、非常に繊細で均質であった。
(比較例1)
次に、比較例1として、コラーゲン水溶液100 mLに対して5 mLの割合でヘキサフルオロイソプロパノールを添加すること以外、実施例1と同様にコラーゲン繊維の不織布の製造を試みた。
しかし、コラーゲン溶液の粘度が高いため、ステンレス製ノズルにコラーゲン溶液が詰まり、コラーゲン繊維を製造することができなかった。
(比較例2)
次に、比較例2として、コラーゲン水溶液100 mLに対して80 mLの割合でヘキサフルオロイソプロパノールを添加すること以外、実施例1と同様にコラーゲン繊維の不織布の製造を試みた。
しかし、ステンレス製網上に到達するまでの間に溶媒が揮散しきれず、コラーゲンを繊維化することはできなかった。
(比較例3)
次に、比較例3として、コラーゲン水溶液100 mLに対して20 mLの割合でイソプロパノールを添加すること以外、実施例1と同様にコラーゲン繊維の不織布の製造を試みた。
しかし、イソプロパノールを添加するとコラーゲン溶液が固化してしまい、コラーゲン繊維を製造することはできなかった。なお、イソプロパノールの代わりにメタノール、エタノール又はアセトンを添加した場合にも、同様の結果となった。
(比較例4)
次に、比較例3として、コラーゲン水溶液100 mLに対して20 mLの割合でo−(トリフルオロメチル)ベンジルアルコールを添加すること以外、実施例1と同様にコラーゲン繊維の不織布の製造を試みた。
しかし、o−(トリフルオロメチル)ベンジルアルコールを添加すると、比較例3と同様にコラーゲン溶液が固化してしまい、コラーゲン繊維を製造することはできなかった。
(比較例5)
次に、比較例5として、コラーゲン水溶液100 mLに対して20 mLの割合でトリフルオロエタノールを添加すること以外、実施例1と同様にコラーゲン繊維の不織布の製造を試みた。
しかし、比較例2と同様、ステンレス製網上に到達するまでの間に溶媒が揮散しきれず、コラーゲンを繊維化することはできなかった。
(比較例6)
次に、比較例6として、コラーゲン水溶液100 mLに対して20 mLの割合でトリフルオロエタノールを添加すること以外、実施例1と同様にコラーゲン繊維の不織布の製造を試みた。
しかし、比較例2と同様、ステンレス製網上に到達するまでの間に溶媒が揮散しきれず、コラーゲンを繊維化することはできなかった。
3)コラーゲン繊維の走査型電子顕微鏡(SEM)による形態観察
実施例1及び実施例2で得られたコラーゲン繊維について、白金/パラジウム蒸着(30 mA、120秒間)を行い、走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−800型)を用いて観察した。なお、加速電圧は6 kVで、ワーキングディスタンスは20 mmであった。
実施例1のコラーゲン繊維の電子顕微鏡写真を、図3(a)及び図3(b)に示す。実施例1のコラーゲン繊維は、図3(a)に示すように繊維径が均質であり、電子顕微鏡写真に基づいて5箇所の繊維径を測定し、その平均値を算出したところ、約5 μmであった。また、図3(b)からも明らかなように、実施例1のコラーゲン繊維は、その表面が非常に平滑であった。
実施例2のコラーゲン繊維についても、電子顕微鏡写真に基づいて5箇所の繊維径を測定し、その平均値を算出したところ、約5 μmであった。また、繊維表面は、非常に平滑であった。
実施例1及び実施例2のコラーゲン繊維不織布は、単独で用いてもよいが、取扱性やその他の要求事項に合わせて、他の部材と組み合わせて使用してもよい。例えば、被加工物として支持基材となりうる不織布、織布、フィルム、ステント等を用い、その上に不織布を形成することで、支持基材と不織布とを組み合わせた部材(例えば、植込み可能なステント等)を作製することもできる。
本発明のコラーゲン繊維及びその製造方法は、医薬、医療分野における生体適合性材料及びその製造方法等として有用である。
本発明のコラーゲン繊維の製造方法において使用するエレクトロスピニング装置の一例を示す概略図である。 エレクトロスピニング装置を作動させた時の、金属製ノズル下端部付近のコラーゲン溶液の状態を示す拡大概略図である。 実施例1に係るコラーゲン繊維の走査型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1:エレクトロスピニング装置
2:密閉容器
3:絶縁板
4:金属製ホルダー
5:金属製ノズル
6:高圧電源
7:送液配管
8:別の密閉容器
9:容器
10:コラーゲン溶液
11:コンプレッサー
12:金属製の網
13:支柱
14:アース
15:帯電微小ミスト


Claims (6)

  1. コラーゲン、水及びヘキサフルオロイソプロパノールを含有するコラーゲン溶液を調製する調製工程と、
    前記コラーゲン溶液に高電圧を印加し、エレクトロスピニングによってコラーゲンを繊維化させる紡糸化工程と、
    を含むコラーゲン繊維の製造方法。
  2. 前記コラーゲン溶液における水とヘキサフルオロイソプロパノールの重量比が、8:2〜5:5の範囲内である請求項1に記載のコラーゲン繊維の製造方法。
  3. 前記コラーゲン溶液におけるコラーゲン含量が、5重量%以上10重量%以下である請求項1又は2に記載のコラーゲン繊維の製造方法。
  4. 前記紡糸化工程で、内径0.1 mm以上2.0 mm以下のノズルより、前記コラーゲン溶液を吐出させる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコラーゲン繊維の製造方法。
  5. 前記紡糸化工程における印加電圧が、1 kV以上50 kV以下の直流電圧である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコラーゲン繊維の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコラーゲン繊維の製造方法によって製造されるコラーゲン繊維。
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