JP2007138235A - 電子ビーム真空蒸着方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成膜対象に影響を与えずに蒸着を行うことができ、かつ成膜効率及び成膜分布の均一性に優れた電子ビーム真空蒸着方法およびその装置を提供する。
【解決手段】 開口を有する容器に収容された蒸発物質を成膜対象に成膜する真空蒸着法であって、容器の開口が成膜対象と対向しない第1の位置で電子ビームを蒸発物質に照射して該蒸発物質を加熱する加熱工程と、成膜対象と対向する第2の位置に容器を移動させ、余熱により該開口から蒸発物質を放出させて成膜対象に成膜する成膜工程と、容器を第2の位置から第1の位置に戻す位置戻し工程とをこの順序で繰り返す。
【選択図】 図1

Description

本発明は電子ビーム真空蒸着方法およびその装置に関する。
真空蒸着法は、真空下で成膜物質(蒸発物質)を蒸気圧温度以上に加熱して蒸発させ、対向配置した基板に蒸発物質を付着させる方法である。
成膜物質の加熱方法としては、成膜物質を収容した容器に通電する抵抗加熱方式、容器の外周に配置したヒータで容器を加熱するヒータ加熱方式、容器外部の誘導コイルの電磁誘導作用によって容器又は成膜物質自体を加熱する誘導加熱方式、容器内の成膜物質に外部から電子ビームを照射して直接成膜物質を加熱蒸発させる電子ビーム蒸着方式、などが一般的に知られている。
特に、量産品の製造においては、金属材料、酸化物等の高融点セラミック材料等、ほとんどの材料を蒸着することができること、蒸着材料の供給が容易でかつ蒸着レートの制御性にも優れていることから、電子ビーム蒸着法が主に用いられる。
一方、近年の有機エレクトロニクスの発達により、有機発光素子、有機トランジスタ、有機太陽電池などの有機デバイスが製造されている。例えば、有機発光素子として、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子が知られている。この素子は、基板上に発光機能を持つ有機材料の薄膜を形成し、この薄膜を上部電極及び下部電極で挟み込み、電極間に電圧を印加することで有機材料が発光するようになっている。
この素子の駆動方式としては、上部電極と下部電極とを縦横にマトリックス状に配線し、各配線を電極に接続したパッシブマトリックス方式と、各画素毎に儲けた駆動回路(薄膜トランジスタ:TFT)で電圧を制御するアクティブマトリックス方式とがある。パッシブ方式は構造が簡単なため、簡易な表示器などを安価に製造するのに適している。一方、アクティブ方式はスイッチング動作が速く、テレビジョンなどに適しており、今後の主流になると考えられる。
EL素子は、通常、基板上にTFT等の駆動回路を形成した後、各電極及び有機薄膜を真空蒸着法で形成して製造される。有機薄膜中の有機材料の結合エネルギが低いため、電極となる金属層をスパッタ法で形成すると、スパッタリングによるプラズマ粒子(高エネルギー粒子)が有機材料を劣化させるので、金属層も蒸着法で形成する。
ところで、有機薄膜の蒸着法として、実験装置等で少量蒸着する場合は抵抗加熱方式が用いられるが、量産装置ではヒータ加熱方式又は誘導加熱方式が通常用いられる。また、金属膜の蒸着法としては、上記したように量産品の製造に適した電子ビーム蒸着法が通常用いられる。
しかしながら、成膜工程に電子ビーム蒸着法を用いると、蒸着源からX線が発生してTFTのゲート電圧を変動させるという問題が指摘されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなことから、蒸着材料に電子ビームを照射して蒸気を放出させた後、電子ビームの放射を停止し、成膜対象を蒸気が到達する位置に移動させて成膜する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この技術によれば、余熱によって成膜を行ため、電子ビームが成膜対象に照射されず、上記したダメージを受けることがない。
特開2004−63085号公報(解決手段) 特開2004−131831号公報(解決手段)
しかしながら、特許文献2記載の技術の場合、成膜対象である基板が大型になると移動対象が大きくなるため、移動距離も長くなる。その結果、タクトタイムが長くなって成膜効率が低下するとともに、基板の移動方向での成膜分布の均一性も低下するという問題がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、成膜対象に影響を与えずに蒸着を行うことができ、かつ成膜効率及び成膜分布の均一性に優れた電子ビーム真空蒸着方法およびその装置の提供を目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の電子ビーム真空蒸着方法は、開口を有する容器に収容された蒸発物質を成膜対象に成膜する真空蒸着法であって、前記容器の開口が前記成膜対象と対向しない第1の位置で電子ビームを前記蒸発物質に照射して該蒸発物質を加熱する加熱工程と、前記成膜対象と対向する第2の位置に前記容器を移動させ、余熱により該開口から前記蒸発物質を放出させて前記成膜対象に成膜する成膜工程と、前記容器を前記第2の位置から前記第1の位置に戻す位置戻し工程とをこの順序で繰り返すことを特徴とする。
このようにすると、成膜対象(基板等)に蒸着を行う際は加熱をせずに余熱のみを用いるため、加熱に用いる電子ビーム照射によってX線等が成膜対象に到達することがない。又、成膜対象でなく容器を移動させるため、成膜対象が大型になっても成膜効率及び成膜分布の均一性が低下することが少ない。
本発明の電子ビーム真空蒸着方法において、前記容器を2個以上備え、一の容器を前記第2の位置に移動させて前記成膜工程を行う間に他の容器を前記第1の位置に移動させて前記加熱工程を行い、かつ前記一の容器による成膜が終了すると前記他の容器を前記第2の位置に移動させて前記成膜工程を行うことにより、前記成膜工程を連続的に行うことが好ましい。
又、前記容器から放出される蒸発物質を遮蔽することができる。
前記加熱工程において、前記電子ビームとして、その進行方向が直進のもの及び偏向したもののいずれも使用することができる。
本発明の電子ビーム真空蒸着装置は、蒸発物質を収容し開口を有する容器と、前記蒸発物質を加熱する電子ビームを発生する加熱機構と、前記容器を移動させる移動機構とを備え、前記加熱機構は、前記容器の開口が成膜対象と対向しない第1の位置で前記電子ビームを前記蒸発物質に照射して該蒸発物質を加熱し、前記移動機構は、前記第1の位置で加熱が終了した前記容器を前記成膜対象と対向する第2の位置に移動させ、余熱により該開口から前記蒸発物質を放出させて成膜する成膜工程と、成膜後の前記容器を前記第1の位置に戻す位置戻し工程とをこの順序で繰り返すことを特徴とする。
本発明の電子ビーム真空蒸着装置において、前記容器を2個以上備え、前記移動機構は、一の容器を前記第2の位置に移動させて前記成膜工程を行う間に他の容器を前記第1の位置に移動させて前記加熱工程を行い、かつ前記一の容器による成膜が終了すると前記他の容器を前記第2の位置に移動させて前記成膜工程を行うことにより、前記成膜工程を連続的に行うことが好ましい。
本発明によれば、電子ビームから発生するX線等の成膜対象への照射を防いで成膜対象に影響を与えずに蒸着を行うことができるとともに、成膜効率及び成膜分布の均一性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子ビーム真空蒸着装置の一例を示す斜視図である。この実施形態に係る装置は有機EL素子を製造するものであり、素子の配線となる金属材料を蒸発させるエネルギー源として、電子ビーム(以下、EBと略す)を用いた場合の例である。又、成膜対象である基板には予めTFT素子が設けられている。
図1において、図示しないチャンバー内(例えば、5×10-4Pa程度に真空排気する)に電子ビーム真空蒸着装置50が配置されている。電子ビーム真空蒸着装置50は、蒸発物質(金属材料)を収容する2個の容器2A及び2Bと、電子ビーム32を発生する電子ビーム源(加熱機構)6と、容器2A及び2Bの位置を移動させる移動機構8Aと、遮蔽用仕切板10と、図示しない基板ホルダーとを備える。基板ホルダーには基板20が取付けられている。又、移動機構8の制御は図示しない制御部が行うようになっている。
なお、この実施形態の基板ホルダーにおいて、回転中心22を軸として基板20が回転するようになっている。基板20のサイズが大きい場合、均一に成膜するために基板を自転させることが通常行われる(回転成膜)。
容器2A及び2Bはそれぞれ有底円筒状をなし、上面にそれぞれ開口4A、4Bを有する。電子ビーム源6は、内蔵するフィラメントから熱電子を発生させるとともに、内蔵された電磁石の制御により電子ビームを引き出し、容器2A、2Bの開口4A,4Bから蒸発物質に電子ビームを照射する。
移動機構8Aは軌道上を往復運動可能な台座をなし、移動機構8Aの右上面に容器2Aが配置され、移動機構8Aの左上面に容器2Bが配置されている。図1において移動機構8Aは左右方向に往復し、又、移動機構8Aの制御は図示しない制御部が行うようになっている。
そして、図1において移動機構8Aが最も左側に移動した状態で、容器2Aの上方に遮蔽用仕切板10が位置し、電子ビーム源6が容器2Aに隣接している(容器がこの位置にある時を「加熱位置」と称する)。又、この状態で容器2Bの上方(開口4B)に基板20の下面が表出している(容器がこの位置にある時を「蒸発位置」と称する)。
図2は、図1のF方向から見た正面図を示す。図2において、容器2Bは遮蔽用仕切板10より左側に位置し、容器2Bからの蒸発粒子30が回転中心22より左側の基板20面に到達するようになっている(加熱位置)。又、容器2Aの中心は遮蔽用仕切板10の中心と同一となっている(蒸発位置)。
一方、移動機構8Aが最も右側(加熱位置)に移動すると、容器2Aは遮蔽用仕切板10より右側に位置し、容器2Aからの蒸発粒子30が回転中心22より右側の基板20面に到達するようになっている。又、容器2Bの中心が遮蔽用仕切板10の中心と同一となる(蒸発位置)。
図3は、図1のG方向から見た上面図を示す。図3において、遮蔽用仕切板10の中心は、回転中心22から偏位した位置で、かつ基板20内にあって基板の縁部近傍に位置している。又、容器2A及び2Bがそれぞれ蒸発位置にある時、各容器は回転中心22から等距離の同心円C上に位置する。
次に、電子ビーム真空蒸着装置50を用いた蒸着方法について説明する。まず、移動機構8Aが図1に示すように位置する場合を考える。この状態で、容器2Aの側方の電子ビーム源6が作動し、上方に向かって電子ビーム32が飛び出す。電子ビームは、図示しない磁場回路で180°又は270°に偏向させられ、容器2Aの開口4Aから蒸発物質に照射する。加熱は、蒸発物質が気化する温度以上に加熱され、蒸発粒子が発生するまで行う。
なお、電子ビーム源6の作動のタイミングは、例えば容器2Aが所定位置に来たことをセンサーで検出して電子ビーム源を動作させ、一定時間後(又は蒸着レートを測定してその測定値に応じて)電子ビーム源をオフさせればよい。
ここで、電子ビーム32を照射した際、蒸発物質から二次電子、反射電子、又はX線が放出され、これらは有機EL素子の形成の過程で基板上のTFT等の素子に悪影響を及ぼすことがある。そこで、容器2Aの照射領域より上側に遮蔽用仕切板10を配置することで、容器2A上面から放出される二次電子等が基板20へ到達することを防止する。又、遮蔽用仕切板10は、容器2Aが図1のように位置した状態で、蒸発物質が基板20へ到達することも防止する。
加熱により容器2Aから蒸発粒子が発生すると、移動機構8Aが右へスライドし、容器2Aを遮蔽用仕切板10より右側に移動させる。すると、容器2A内の蒸発物質の余熱により発生した蒸発粒子30は上方に飛び出し、容器2Aに対向する基板20に蒸着する。移動機構8が動作するタイミングは、例えば上記した電子ビーム源をオフさせるタイミングに合わせればよい。
このように、基板に蒸着を行う際は加熱をせずに余熱のみを用いるため、加熱に用いる電子ビーム照射によってX線等が基板に到達することがない。
ここで、遮蔽用仕切板10と容器2A(図1の右側に容器2Aが位置する場合)との間に図示しない水晶振動式蒸着レートモニタを設置してもよい。そして、加熱時間を長くし、加熱直後の蒸着レートを高く設定しておけば、余熱温度が高くなり、容器2Aを図1の右側に移動して蒸着する際の蒸発物質の冷却が遅くなるので、蒸着に用いる時間を長くすることができる。
本発明者らは実際に真空蒸着装置を用い、加熱時間2秒、蒸着時間2秒として成膜を行った。2秒加熱した直後の蒸着レートが約20Å/sec(2nm/sec)であり、容器2Aを図1の右側へ移動して余熱のみによって蒸着を行ったところ、移動後2秒でほぼ蒸着レートが0Å/secになることが確認された。
容器2Aによる蒸着を行っている間、容器2Bが遮蔽用仕切板10の下側に位置し、容器2B内の蒸発物質が同様に加熱される。そして、容器2Aによる蒸着が終了すると移動機構8Aが左にスライドし、容器2Bが左側に移動して図1の状態になる。この位置で、容器2B内の蒸発物質が余熱により同様に飛び出して、基板20の蒸着を行う。この時、容器2Aは遮蔽用仕切板10の下側の位置に戻り、再び加熱に供される。以後、この工程を繰返して蒸着を続けることで、所定の蒸着膜厚を得ることができる。なお、容器2Aによる蒸着が終了して移動機構が動作するタイミング(蒸着時間に相当)は、例えば上記加熱工程で移動機構8が動作するタイミング(加熱時間に相当)に合わせればよい。例えば、上記した実際の例では、加熱時間と蒸着時間は同一(2秒)である。
以上のように、例えば、加熱終了後の容器2Aを用い、蒸着レートが0になるまで余熱により成膜を行い、次に容器2Bを用いて蒸着することで、各容器2A,2Bを交互に用いて連続して蒸着することができる。
なお、この実施形態では、容器2Aは回転中心22より右側の基板部分を蒸着し、容器2Bは回転中心22より左側の基板部分を蒸着する。しかしながら、基板20を回転させることにより、基板の蒸着面全体を均一に成膜することができる。例えば、図1の位置から蒸着を開始し、容器2Bによって蒸着された部分が回転して容器2Aの位置に到達した時点で基板を系外に移動すれば、基板の全面を均一に蒸着することになる。
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態に係る電子ビーム真空蒸着装置の一例を示す斜視図である。この実施形態に係る装置50Bは、容器が1個であること以外は第1の実施形態とまったく同様であるので、第1の実施形態と同一構成部分については同一符号を用いて説明を省略する。
図4において、単一の容器2Aが移動機構8Bの上に載置されている。移動機構8Bは軌道上を往復運動可能な台座をなし、移動機構8Bの制御は図示しない制御部が行うようになっている。
次に、電子ビーム真空蒸着装置50Aを用いた蒸着方法について説明する。まず、図4に示すように移動機構8Bが右側に移動した場合を考える。この位置で、容器2Aは遮蔽用仕切板10の下側に位置し、容器内の蒸発物質が電子ビーム源6の電子ビーム32によって加熱される。加熱は蒸発粒子が発生するまで行う。電子ビーム32を照射して生じるX線等は遮蔽用仕切板10によって遮蔽される。
加熱により容器2Aから蒸発粒子が発生すると、移動機構8Bが左側にスライドし、容器2Aを図1の左側に移動させる。すると、蒸発物質の余熱により発生した蒸発粒子30は上方に飛び出し、対向する基板20に蒸着する。基板に蒸着する際は加熱を行わないため、加熱時に電子ビーム照射によってX線等が基板に到達することがない。
なお、遮蔽用仕切板10と容器2A(容器が図4の右側の位置にある場合)との間に図示しない水晶振動式蒸着レートモニタを設置してもよいのは第1の実施形態の場合と同様である。
容器2Aによる蒸着が終了すると移動機構8Bが右側にスライドし、容器2Aが遮蔽用仕切板10の下側に戻って再び加熱が行われ、加熱が終了すると再び蒸着が行われる。このように、第2の実施形態の場合、単一の容器2Aを用いて蒸発物質の加熱、及び蒸着を行うため、加熱を行っている間は蒸着が休止する点で第1の実施形態より成膜効率が低いが、装置が簡易となる。
<第3の実施形態>
図5は、本発明の第3の実施形態に係る電子ビーム真空蒸着装置の一例を示す斜視図である。この実施形態に係る装置50Cは、移動機構の構成が異なること以外は第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態と同一構成部分については同一符号を用いて説明を省略する。
第3の実施形態において、移動機構8Cは円盤状の回転テーブルであり、円盤の上面に容器2A、2Bが回転対称に配置されている。そして、図5に示すように、容器2Bが左側に位置し、容器2Aが右側に位置した状態で、容器2Aの上方に遮蔽用仕切板10が位置し電子ビーム源6が容器2Aに隣接し又、容器2Bの上方(開口4B)に基板20が対向配置している。
次に、電子ビーム真空蒸着装置50Cを用いた蒸着方法について説明する。まず、図5に示す状態で、容器2Aの側方の電子ビーム源6が作動し、容器2Aの開口4Aから蒸発物質に照射する。加熱は、蒸発物質が溶融温度又は気化温度以上に加熱され、蒸発粒子が発生するまで行う。容器2A上面から放出される二次電子等は遮蔽用仕切板10によって遮蔽されるのは既に述べた通りである。
加熱により容器2Aから蒸発粒子が発生すると、移動機構8Cが180°回転し、容器2Aを図5の左側(図5の容器2Bの位置)に移動させる。そして、容器2A内の蒸発物質の余熱により発生した蒸発粒子30は上方に飛び出し、容器2A上に位置する基板20に蒸着する。遮蔽用仕切板10と容器2A(図5の右側の位置に容器2Aがある場合)との間に図示しない水晶振動式蒸着レートモニタを設置してもよいのは上記各実施形態と同様である。
ここで、容器2Aによる蒸着を行っている間、容器2Bが遮蔽用仕切板10の下側に位置し、容器2B内の蒸発物質が同様に加熱される。そして、容器2Aによる蒸着が終了すると移動機構8が180°回転し、容器2Bが図5の左側に移動して同様に蒸着を行う。この時、容器2Aは遮蔽用仕切板10の下側位置に戻り、再び加熱に供される。以後、この工程を繰返して蒸着を続けることで、所定の蒸着膜厚を得ることができる。この実施形態の場合も複数の容器を用いることで、各容器2A,2Bを交互に用いて連続的に蒸着することができる。
上記各実施形態によれば、蒸発物質を加熱する際の電子ビームの照射により発生する2次電子、X線等の高エネルギー粒子により、基板上のTFT等の素子に悪影響を及ぼすことが防止される。
又、上記各実施形態によれば、基板でなく蒸発源を移動させるため、比較的大きさの小さい蒸発源が移動対象となる。そのため、容器を加熱位置や蒸着位置に移動させる際の位置精度が高くなり、又、移動速度を比較的速くすることができ、タクトタイムの短縮による成膜効率の向上、成膜分布の均一性(再現性)の向上を達成することができる。従って、歩留まりよく生産性の高い電子ビーム真空蒸着を行うことができる。特に、基板が大型の場合にこの効果が顕著になる。
なお、上記の実施形態によれば、基板が小型(200mm角以下)の場合は、基板を回転させなくとも均一な成膜が可能である。又、基板の大型化に伴い、現在の実用的な基板は200mm角以上のものが用いられているが、成膜の厚み分布を均一にするため、回転成膜が主である。従って、大型の基板に蒸着する場合は、回転成膜に適した第1の実施形態に係る装置を用いることが好ましい。又、第1の実施形態に係る装置においては、移動機構が移動する範囲がほぼ蒸発源の大きさであるので、装置のコンパクト化の点でも望ましく、他の実施形態より蒸発源の移動距離が短く、移動時間の短縮を図ることができる。
さらに、各実施形態において、蒸発物質の供給機構を付設することで、長時間の連続成膜が可能となる。又、基板近傍に水晶モニタを設置し、所望の膜厚になったら成膜を終了させることもできる。
なお、上記した第1及び第3の実施形態に係る説明では、2個の容器を用いたが、容器の個数はこれに限定されない。又、移動機構の構成も上記台車や回転テーブルに限定されない。
さらに、加熱機構内の電子ビームを発生するフィラメントの汚染を抑えるため、上記した電子ビームの偏向を270°とすると好ましい。
本発明の第1の実施形態に係る電子ビーム真空蒸着装置の一例を示す斜視図である。 図1の正面図である。 図1の上面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電子ビーム真空蒸着装置の一例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る電子ビーム真空蒸着装置の一例を示す斜視図である。
符号の説明
2A、2B 容器
4A、4B 容器の開口
6 加熱機構
8 移動機構
10 遮蔽用仕切板
20 基板
30 蒸発物質
32 電子ビーム
50 電子ビーム真空蒸着装置

Claims (5)

  1. 開口を有する容器に収容された蒸発物質を成膜対象に成膜する真空蒸着法であって、
    前記容器の開口が前記成膜対象と対向しない第1の位置で電子ビームを前記蒸発物質に照射して該蒸発物質を加熱する加熱工程と、
    前記成膜対象と対向する第2の位置に前記容器を移動させ、余熱により該開口から前記蒸発物質を放出させて前記成膜対象に成膜する成膜工程と、
    前記容器を前記第2の位置から前記第1の位置に戻す位置戻し工程と
    をこの順序で繰り返すことを特徴とする電子ビーム真空蒸着方法。
  2. 前記容器を2個以上備え、
    一の容器を前記第2の位置に移動させて前記成膜工程を行う間に他の容器を前記第1の位置に移動させて前記加熱工程を行い、かつ前記一の容器による成膜が終了すると前記他の容器を前記第2の位置に移動させて前記成膜工程を行うことにより、前記成膜工程を連続的に行うことを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム真空蒸着方法。
  3. 前記加熱工程において、前記容器から放出される蒸発物質を遮蔽することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ビーム真空蒸着方法。
  4. 蒸発物質を収容し開口を有する容器と、
    前記蒸発物質を加熱する電子ビームを発生する加熱機構と、
    前記容器を移動させる移動機構とを備え、
    前記加熱機構は、前記容器の開口が成膜対象と対向しない第1の位置で前記電子ビームを前記蒸発物質に照射して該蒸発物質を加熱し、
    前記移動機構は、前記第1の位置で加熱が終了した前記容器を前記成膜対象と対向する第2の位置に移動させ、余熱により該開口から前記蒸発物質を放出させて成膜する成膜工程と、成膜後の前記容器を前記第1の位置に戻す位置戻し工程とをこの順序で繰り返すことを特徴とする電子ビーム真空蒸着装置。
  5. 前記容器を2個以上備え、
    前記移動機構は、一の容器を前記第2の位置に移動させて前記成膜工程を行う間に他の容器を前記第1の位置に移動させて前記加熱工程を行い、かつ前記一の容器による成膜が終了すると前記他の容器を前記第2の位置に移動させて前記成膜工程を行うことにより、前記成膜工程を連続的に行うことを特徴とする請求項4に記載の電子ビーム真空蒸着装置。
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