JP2007136926A - ゴム成形体の射出成形方法 - Google Patents

ゴム成形体の射出成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】未加硫のゴム成形体を簡易に脱型することができるゴム成形体の射出成形方法を提供すること。
【解決手段】成型型のキャビティ内に成形されたビードフィラー1bが未加硫状態である間に型開きを行い、下型7に残されたビードフィラー1bの露出した外表面にフィルムFを貼り付ける。フィルムFの表面粗さRa(F)は、下型7のキャビティ面7aの表面粗さRa(L)との関係がRa(L)/Ra(F)≧20を満たすように設定されている。脱型時には、下型7からフィルムFを離反させることで、フィルムFに貼り付いたビードフィラー1bを取り出すようにする。
【選択図】図7

Description

本発明は、ビードフィラーなどのゴム成形体を成形する射出成形方法に関する。
複数のゴム成形体を組み合わせたゴム複合体からなる製品としては従来種々知られているが、その代表的なものに空気入りタイヤが挙げられる。空気入りタイヤは、例えば図10に示すように、サイドウォールゴム2やトレッドゴム3、インナーライナーゴム5など、ゴム成形体からなる複数の部材が貼り合わされて構成されている。
カーカスプライ4は、平行配列された複数本のカーカスコードがゴム被覆されてなるゴム成形体であり、一対のビード部1に架け渡されるようにして配され、幅方向端部がビード部材10を挟み込むように巻き返されている。ビード部材10は、図11に示すように、径方向に縦長となる断面略三角形状の硬質ゴムからなる環状のビードフィラー1bと、ビードフィラー1bの内周に配された環状のビードコア1aとを有する。ビードコア1aは、例えばゴム被覆された鋼線の収束体から構成される。なお、硬質ゴムとは、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(Aタイプ)による硬さが70°以上のゴムを指す。
かかるビードフィラーは、押出成形により成形されるのが一般的である。詳しくは、所定の断面形状を有する口金を介して、押出機により未加硫ゴム組成物を押し出し、所定の長さで切断した後、押出品の端部同士を接合することにより環状に成形される。しかしながら、押出成形では、切断や接合などの工程が必要となり、工数が多くなるという問題があった。また、接合する端部同士を圧接することにより、局所的に肉厚となる部分が形成され、ユニフォミティが低下する傾向にあった。
一方、例えば下記特許文献1に記載されているように、ビードフィラーを射出成形により成形することも考えられる。かかる場合には、押出機に類似の機構を利用して、成形型のキャビティに未加硫ゴム組成物を射出注入することにより、ユニフォミティが良好なビードフィラーを成形することができる。しかしながら、通常の射出成形では、成形型内のゴム成形体に熱と圧力が一定時間加えられ、加硫工程を経た後に脱型が行われるため、得られるビードフィラーは加硫されたものとなる。このことから、タイヤを成形するに際して、未加硫のカーカスプライとの接着性が良好ではなかった。
これに対して、射出成形により未加硫のゴム成形体を成形する場合、成形されたゴム成形体が高温で軟質であることにより脱型が困難になるという問題があった。特に、成形直後において未加硫のゴム成形体は粘着性が高く、キャビティ面に貼り付いているため、無理に引き剥がすとゴム成形体が変形したり破断したりする場合があった。改善策としては、成形型内でゴム成形体を十分に冷却し、剛性を適度に高めてから脱型を行う方法が考えられるが、かかる場合にはサイクルタイムが大幅に延びて生産性が低下するという問題が生じる。
特開平5−69500号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、未加硫のゴム成形体を簡易に脱型することができるゴム成形体の射出成形方法を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係るゴム成形体の射出成形方法は、第1の型と第2の型とを備える成形型を型締めし、両型の界面に形成されたキャビティに未加硫ゴム組成物を射出注入する射出注入工程と、前記キャビティ内に成形されたゴム成形体が未加硫状態である間に前記成形型を型開きし、前記第1の型と前記第2の型とのいずれか一方に前記ゴム成形体を残して、そのゴム成形体の外表面を部分的に露出する型開き工程と、前記ゴム成形体の露出した外表面に貼付部材を貼り付ける貼付工程と、前記ゴム成形体が残った前記第1の型又は前記第2の型から前記貼付部材を離反させて前記ゴム成形体を脱型する脱型工程とを備え、型開き時に前記ゴム成形体が残った前記第1の型又は前記第2の型のキャビティ面の、前記貼付部材に対する表面粗さRaの比が20以上に設定されたものである。
本発明に係るゴム成形体の射出成形方法の作用・効果について説明する。まず、成形型が型締めされ、第1の型と第2の型との界面に形成されたキャビティに未加硫ゴム組成物が射出注入される。ここで、未加硫ゴム組成物とは、原料ゴムに加硫剤などの配合材料を常法にて配合し、加熱架橋を可能に調製したものをいう。原料ゴムとしては特に制限がなく、天然ゴム、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)などの汎用のゴムを用いることができる。
注入された未加硫ゴム組成物は、キャビティ内に充填されてゴム成形体として成形される。通常のゴムの射出成形では、成形型内でゴム成形体を加硫した後に脱型が行われるが、本発明では、ゴム成形体が未加硫状態である間に成形型が型開きされて取り出される。その型開きの際、ゴム成形体は第1の型と第2の型とのいずれか一方に残り、その外表面が部分的に露出した状態となる。ここで、「未加硫状態」とは、加硫が行われていない状態を指すが、加硫反応が全く進行していないものに限られず、JISK6200で定義される加硫不足(最適加硫に到達していない加硫状態)に相当するものも含まれるとする。
次に、ゴム成形体の露出した外表面に貼付部材が貼り付けられる。ここで、ゴム成形体が残った第1の型又は第2の型のキャビティ面の、貼付部材に対する表面粗さRaの比は20以上に設定されている。この表面粗さRaは、JISB0601−1994に定義される算術平均粗さRaである。このように、ゴム成形体が残った第1の型又は第2の型のキャビティ面の表面粗さよりも貼付部材の表面粗さが十分に小さいことにより、未加硫状態で軟質のゴム成形体の外表面と貼付部材との間での吸盤効果が高められ、そのゴム成形体の外表面と前記キャビティ面との間に比べて吸着作用が大となる。その結果、ゴム成形体が残った第1の型又は第2の型から貼付部材を離反させることにより該ゴム成形体が追従し、脱型が円滑に行われる。
以上のように、本発明では、成形した未加硫のゴム成形体を、その外表面に貼付した貼付部材ごと成形型から引き剥がすことにより、剛性を高めて変形を抑制した状態で簡易に脱型することができる。脱型工程後は、ゴム成形体を成形型外で冷却させることにより剛性が適度に高められ、形崩れを起こすことなく貼付部材を剥離することができる。したがって、本発明では、ゴム成形体を成形型内で冷却する必要がない点において、射出成形のサイクルタイムを悪化させることがない。
上記において、前記貼付部材がフィルム状物であるものが好ましい。かかる場合、貼付部材の使い勝手が良くなり、貼付工程においてゴム成形体に容易に密着させることができるため、脱型工程をより円滑に行うことができる。また、脱型工程後には、貼付部材をめくるようにしてゴム成形体から剥離することができるため、ゴム成形体の形崩れを好適に防止することができる。
上記において、前記成形型が、前記第1の型としての下型と、その下型に対して上下方向に開閉する前記第2の型としての上型とを備え、前記キャビティは、前記下型の上面に設けられた凹状のキャビティ面と、前記上型の下面に設けられた平坦なキャビティ面との間に形成され、前記型開き工程では、未加硫状態の前記ゴム成形体を前記下型に残すとともに、そのゴム成形体の平坦な外表面を上方に露出させるものが好ましい。かかる構成によれば、ゴム成形体の平坦な外表面に対して上方から貼付部材を貼り付けることができるため、貼付工程を簡易に行うことができる。また、貼付部材が平坦な外表面に貼り付けられることにより、脱型したゴム成形体から貼付部材を剥離する作業も簡易となる。
本発明は、環状のビードフィラーの成形に特に有用である。かかる場合、タイヤ構成部材である環状のビードフィラーを良好なユニフォミティで精度良く成形することができるとともに、タイヤ成形時に未加硫のカーカスプライとの接着性が良好となる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、ゴム成形体の一例としてビードフィラーを取り上げ、具体的には図11に示すようなビードコア1aが内周に一体化されたビードフィラー1b、即ちビード部材10の成形について説明する。
まず、ビード部材10の成形に用いられる成形型について説明する。図1は、型締め状態における成形型の縦断面図である。図2は、下型の(a)平面図及び(b)縦断面図である。成形型6は、下型7(第1の型に相当)と上型8(第2の型に相当)とを備えており、それらが密着した型締め状態では、下型7と上型8との界面に、ビード部材10に対応した断面形状を有する環状のキャビティ11が形成されている。キャビティ11は、下型7の上面に形成された凹状のキャビティ面7aと、上型8の下面に設けられた平坦なキャビティ面8aとの間に形成されている。
上型8は、その上面の中心から下面に向かって延びるスプルー12と、スプルー12から幅方向両側に分岐して延びるランナー13と、ランナー13の端部から比較的小さい断面で延びてキャビティ11に連通するゲート14とを備える。スプルー12には、後述する射出機構27より未加硫ゴム組成物が供給され、供給された未加硫ゴム組成物はランナー13及びゲート14を介してキャビティ11に注入される。
本実施形態では、キャビティ面8aにて開口するエアー通路18が上型8に設けられている。エアー通路18には、後述するエアー供給機構28よりエアーが供給され、供給されたエアーはキャビティ11内に成形されたビードフィラーとキャビティ面8aとの界面に注入される。また、ランナー13の上方近傍には温水孔15が設けられており、後述する温水供給機構30より供給される温水を流水可能に構成されている。
下型7には温水孔21が設けられており、後述する温水供給機構30より供給される温水を流水可能に構成されている。キャビティ11の周辺部分は、温水により所定の温度範囲内に保持される。かかる温度範囲は、キャビティ11に注入された未加硫ゴム組成物の流動性が確保され、且つ、注入から脱型までの間にビードフィラーが加硫されない温度範囲である。なお、成形型6にヒーターを埋設し、上記の温度範囲となるように制御するものでも構わない。
各キャビティ面7a、8aには、離型性を向上するコーティング処理又は鏡面加工処理が施されていることが好ましい。本実施形態でゴム成形体として成形されるビードフィラーは、タイヤ成形の際に他のゴム部材と貼り合わされるものであるため、キャビティ面に離型材を塗布することは好ましくない。コーティング処理としては、例えばフッ素コーティングやシリコンコーティングが挙げられる。本実施形態では、キャビティ面7a及びキャビティ面8aにフッ素コーティングが施されており、ゴムの粘着を抑制して脱型性が高められている。
本実施形態では、下型7のキャビティ面7aが、上型8のキャビティ面8aよりも小さい表面粗さで形成されている。詳しくは、フッ素コーティングの前処理であるブラスト処理において、キャビティ面7aの表面粗さがキャビティ面8aよりも小さくなるように調整される。この表面粗さの調整は、フッ素コーティングに影響を与えない範囲内(例えば、表面粗さRaが1.0〜10μm)で行われる。これにより、後述するビードフィラーの成形において、未加硫状態で軟質のビードフィラーとキャビティ面7aとの間での吸盤効果が高められ、キャビティ面7aにおけるビードフィラーの吸着作用がキャビティ面8aよりも大となる。その結果、型開き時にビードフィラーが下型7に残る状態となる。
ここで、キャビティ面7aの表面粗さRa(L)とキャビティ面8aの表面粗さRa(U)とが、0.4μm<Ra(U)−Ra(L)<6μmを満たすことが好ましく、1μm<Ra(U)−Ra(L)<5μmを満たすことがより好ましい。これが0.4μm以下であると、キャビティ面7aとキャビティ面8aとにおける吸着作用の差が十分でない場合があり、上述した作用効果が小さくなる傾向にある。一方、6μm以上であると、キャビティ面8aにおけるアンカー効果が大きくなり、上述した作用効果が小さくなる傾向にある。なお、これらの表面粗さRaの値はフッ素コーティング後の測定値である。
成形型6の材質としては、特に限られるものではないが、鉄若しくは鉄を主成分とする鋼材からなる金型が好ましく用いられる。また、アルミニウムやアルミニウム合金、亜鉛合金など、射出成形に一般的に用いられる材質を適宜に使用することができる。
図3は、射出成形機の構成を概略的に示した概略構成図である。この射出成形機は、下型7に対して上型8が上下方向に開閉する竪型射出成形機であり、固定盤24と可動盤25とからなる一対のプレートを有し、固定盤24に下型7が取り付けられているとともに、可動盤25に上型8が取り付けられている。固定盤24は、テーブル23上に支持されつつ、不図示の搬送機構により作業者から見て手前側位置(図3の左側)と奥側位置(図3の右側)との間で往復動可能に構成されている。また、可動盤25は、例えば油圧シリンダにより駆動される昇降機構26により、奥側位置の下型7に上型8が当接して型締め状態となる下降位置と、下型7から上型8が離反して型開き状態となる上昇位置との間で上下動可能に構成されている。作業者は、テーブル23の手前側(図3の左側)にて、下型7にビードコアをインサートする。
可動盤25の上方に固定されている射出機構27は、シリンダや材料供給装置を備えており、未加硫ゴム組成物を成形型6のキャビティ11に射出注入する機能を有する。エアー供給機構28は、エアー通路18にエアーを供給する機能を有する。温水供給機構30は、温水孔15や温水孔21に温水を供給する機能を有する。制御装置29は、各機構の動作を制御する機能を有する。
次に、ビード部材10を成形する方法について説明する。図4〜9は、ビード部材の成形手順を示す図である。なお、図示の都合上、下型7の手前側位置と奥側位置との区別はしていない。まず、図4に示すように、型開き状態の成形型6に対して、手前側位置にある下型7のキャビティ面7aの内周側部分に、環状のビードコア1aがインサートされる。そして、下型7が固定盤24と共に奥側位置に移動し、上型8の下方に配置されると、可動盤25が下降し、下型7に上型8が密着されて型締めが行われる。
型締め後、図5に示すように、射出機構27により未加硫ゴム組成物Rがキャビティ11に射出注入される(射出注入工程に相当)。かかる時点において、成形型6は、未加硫ゴム組成物Rの流動性が確保される温度に加熱保持されている。この温度は加硫温度より低温であってもよく、又は従来の射出成形と同様に加硫温度であっても構わない。射出注入された未加硫ゴム組成物Rはキャビティ11内に充填され、ビードコア1aが内周に一体化された環状のビードフィラー1b、即ちビード部材10が成形される。
成形されたビードフィラー1bに熱と圧力が一定時間加えられると加硫が行われるが、本実施形態では、ビードフィラー1bが未加硫状態である間に可動盤25が上昇し、図6に示すように型開きが行われる(型開き工程に相当)。なお、キャビティ11の周辺に冷却水孔を設けておき、成形されたビードフィラー1bが未加硫状態である間に該冷却水孔に冷水を供給し、ビードフィラー1bを加硫温度より低温にすることで未加硫状態に保持するようにしてもよい。
また、成形された未加硫状態のビードフィラー1bが軟質であり、キャビティ面7aがキャビティ面8aよりも小さい表面粗さで形成されていることにより、ビードフィラー1bとキャビティ面7aとの間での吸盤効果が高められ、キャビティ面8aよりもキャビティ面7aにおけるビードフィラー1bの吸着作用が大となるため、型開きの際には、図6に示すようにビードフィラー1bが下型7に貼り付いた状態となる。その結果、下型7に残ったビードフィラー1bは、その平坦な外表面が上方に露出した状態となる。
本実施形態では、型開き時にエアー通路18にエアーを供給し、ビードフィラー1bとキャビティ面8aとの界面にエアーを注入することで、ビードフィラー1bをより確実に上型8から離反させることができる。なお、例えば窒素やアルゴンなどエアー以外の気体も適宜に使用することができる。このようなエアーの注入は、単独では効果的でない場合があるが、上記のキャビティ面の表面粗さの設定と併用することで大きな効果が得られる。
型開きした後、下型7は固定盤24と共に手前側位置に移動し、図7に示すように、成形された未加硫状態のビードフィラー1b(ビード部材10)の露出した外表面にフィルムF(貼付部材に相当)が貼り付けられる(貼付工程に相当)。本実施形態では、矩形状をなす2枚のフィルムFが中央部で重複領域を形成して並べられ、ビード部材10の露出した外表面を被覆している。フィルムFは、例えばローラーやプレートからなる押圧部材により押圧されて、ビード部材10の外表面に密着される。
本実施形態では、フィルムFとして樹脂フィルムが使用され、具体的には50〜500μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが使用される。なお、フィルムFの材質としては特に限られるものではないが、成形型6が加熱保持される温度で変形しない程度の耐熱性を備えるものが好ましい。また、ビードフィラー1bの外表面とフィルムFとの間に空気が簡単に侵入しない程度に皺にならず、伸縮性が小さいものが好ましい。
フィルムFのビードフィラー1bに貼り付けられる面の表面粗さRa(F)は、例えば0.01〜0.5μmであり、型開き後にビードフィラー1bが残った下型7のキャビティ面7aの表面粗さRa(L)との関係が、Ra(L)/Ra(F)≧20を満たすように、好ましくはRa(L)/Ra(F)≧50を満たすように設定されている。これにより、未加硫状態で軟質のビードフィラー1bの外表面とフィルムFとの間での吸盤効果が高められ、該外表面とキャビティ面7aとの間に比べて吸着作用が大となる。その結果、図8に示すように、下型7からフィルムFを離反させることによりビードフィラー1bが追従し、脱型が円滑に行われる(脱型工程に相当)。
本実施形態では、フィルムFの上面に吸引接着しうる吸引装置16を用いて、フィルムFを上方に引き上げ、それに貼り付いているビードフィラー1b(ビード部材10)をキャビティ面7aから引き剥がすようにする。このとき、不図示のイジェクトピンを用いてビードコア1aをキャビティ面7aから上方に突き上げるようにしてもよい。
脱型したビード部材10は、成形型6外で十分に冷却させることができる。また、脱型後、下型7にビードコア1aを配設することで、次のビード部材10の成形を直ちに開始することができる。ここで、ビードフィラー1bは、加硫が全く進行していないものに限られず、加硫不足に相当する状態であっても構わない。但し、サイクルタイムの短縮およびカーカスプライ4との接着性の観点から、未加硫ゴム組成物の射出注入後直ちに冷却を開始し、できる限り加硫を進行させないことが好ましい。
成形型6外で冷却されたビードフィラー1bは剛性を適度に有しており、型崩れを起こすことなくフィルムFを剥離することができる。本実施形態では、中央部にフィルムFの重複領域を形成しているため、図9に示すように吸引装置17により吸引接着したフィルムFを中央部からめくるように剥離することができ、ビードフィラー1bの型崩れを良好に防止することができる。
このビード部材10は、図10に例示するようにカーカスプライ4などの他の未加硫のゴム成形体と組み合わされて空気入りタイヤを構成する。本発明により成形されたビードフィラー1bは未加硫状態であるため、加硫工程を経たビードフィラーを用いる場合に比べて、カーカスプライ4との接着性に優れたものとなる。なお、本発明により成形されるゴム成形体は、ビードフィラー1bに限られるものではなく、例えば図5に示したサイドウォールゴム2などのタイヤ構成部材や、タイヤ以外のゴム複合体を構成するゴム成形体であってもよい。
[他の実施形態]
(1)本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。したがって、例えば、前述の実施形態で用いられた上型に代えて、下面に凹状のキャビティ面が形成された上型を採用してもよく、成形するゴム成形体に応じて種々の形状の成形型を使用することができる。また、前述の実施形態では、貼付部材として樹脂フィルムを用いた例を示したが、これに代えて金属フィルムや金属プレートなどを用いてもよい。
(2)前述の実施形態では、下型7のキャビティ面7aと上型8のキャビティ面8aとの表面粗さを異ならせ、それにより生じる吸盤効果の差を利用することでビード部材10を下型7に残す例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、型開き時に、上型のキャビティ面から下型側に向かってイジェクトピンを突き出すことで、ゴム成形体を下型に残すようにしてもよい。
本発明の構成と効果を具体的に示すため、実際にビードフィラーを成形し、脱型性を試験したので説明する。脱型性は、型開き後に下型に残されたビードフィラーの外表面にフィルム(100μm厚のPETフィルム)を貼り付けた後、該フィルムを下型から離反させたときに、ビードフィラーが下型から円滑に脱型しうるか否かで評価した。試験は3回ずつ実施し、3回共に円滑に脱型できた場合を○、そうでない場合を×とした。評価結果を表1に示す。
Figure 2007136926
表1に示すように、比較例1、2では、フィルムを下型から離反させたときに、ビードフィラーがフィルムから離れてしまい、下型に残ってしまう場合があった。これに対して、実施例1〜3では、Ra(L)/Ra(F)≧20とすることにより、ビードフィラーがフィルムに良好に吸着され、3回共に円滑に脱型することができている。
型締め状態における成形型の縦断面図 下型の平面図及び縦断面図 射出成形機の構成を概略的に示した概略構成図 ビード部材の成形手順を示す図 ビード部材の成形手順を示す図 ビード部材の成形手順を示す図 ビード部材の成形手順を示す図 ビード部材の成形手順を示す図 ビード部材の成形手順を示す図 空気入りタイヤの子午線断面図 ビード部材を一部破断させて示した斜視図
符号の説明
1a ビードコア
1b ビードフィラー
4 カーカスプライ
6 成形型
7 下型
7a キャビティ面
8 上型
8a キャビティ面
10 ビード部材
11 キャビティ
16 吸引装置
17 吸引装置
18 エアー通路
F フィルム

Claims (4)

  1. 第1の型と第2の型とを備える成形型を型締めし、両型の界面に形成されたキャビティに未加硫ゴム組成物を射出注入する射出注入工程と、
    前記キャビティ内に成形されたゴム成形体が未加硫状態である間に前記成形型を型開きし、前記第1の型と前記第2の型とのいずれか一方に前記ゴム成形体を残して、そのゴム成形体の外表面を部分的に露出する型開き工程と、
    前記ゴム成形体の露出した外表面に貼付部材を貼り付ける貼付工程と、
    前記ゴム成形体が残った前記第1の型又は前記第2の型から前記貼付部材を離反させて前記ゴム成形体を脱型する脱型工程とを備え、
    型開き時に前記ゴム成形体が残った前記第1の型又は前記第2の型のキャビティ面の、前記貼付部材に対する表面粗さRaの比が20以上に設定されているゴム成形体の射出成形方法。
  2. 前記貼付部材がフィルム状物である請求項1記載のゴム成形体の射出成形方法。
  3. 前記成形型が、前記第1の型としての下型と、その下型に対して上下方向に開閉する前記第2の型としての上型とを備え、
    前記キャビティは、前記下型の上面に設けられた凹状のキャビティ面と、前記上型の下面に設けられた平坦なキャビティ面との間に形成され、
    前記型開き工程では、未加硫状態の前記ゴム成形体を前記下型に残すとともに、そのゴム成形体の平坦な外表面を上方に露出させる請求項1又は2に記載のゴム成形体の射出成形方法。
  4. 前記ゴム成形体が環状のビードフィラーである請求項1〜3いずれか1項に記載のゴム成形体の射出成形方法。
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