JP2007136834A - 接合部材の溶着構造、電子機器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合対象部品の接合部分の構造を簡素化して、超音波溶着リブの設置スペースを小さくしつつも接着強度を確保する。
【解決手段】可塑性樹脂からなる第1部材1と第2部材2とが超音波溶着により接合されてなる接合部材の溶着構造であって、上記第1部材1の平面部6上に断面が略三角形の凸部10Rと、上記第2部材2における第1部材1との接合面に上記凸部10Rに対応する形状の凹部8と、上記第1部材1の凸部10Rの斜面11の下部と頂上との中間に上記第2部材2の凹部8の斜面11と当接する溶融突起12とを有する。この溶融突起12が凹部8R又は凸部10Rの表面に当接した状態で超音波振動によって溶融され、該溶融された溶融突起12により凸部10R及び凹部8の表面が溶着されて第1部材1と第2部材と2が接合される。
【選択図】図6

Description

本発明は、接合部材の溶着構造、電子機器及びその製造方法に関し、特に接合部材を超音波等を利用して溶着固定するのに好適な溶着構造、その溶着構造を利用して形成された部材あるいは筐体を有する携帯電話機等の電子機器、及びその製造方法に係わる。
従来、プラスチック等の樹脂性の2つの部品を接合する技術に超音波溶着技術がある。超音波溶着技術は、超音波のエネルギーにより互いに接触している面を振動させ、発熱、溶融させることにより2つの部品を溶着する(例えば、特許文献1及び2参照。)。
ここで、その他の従来の超音波溶着技術について、電子機器である携帯電話機を例に説明する。図9は従来の携帯電話機の分解斜視図である。この携帯電話機は上部筐体と下部筺体から構成され、図9にはそのうちの上部筐体のケース101と、該ケース101に溶着されるパネル102が示されており、ケース101及びパネル102はそれぞれプラスチック等の可塑性樹脂からなる。ケース101及びパネル102はそれぞれ表示部用開口部103と操作部用開口部104が形成されている。表示部用開口部103には例えばLCD(Liquid Crystal Display)が、また操作部用開口部104にはジョグダイアルや操作ボタンなどが設けられる。
ケース101の表示部用開口部103の周縁部には平面部106が形成されており、その平面部106に超音波溶着リブ105及び孔107が形成されている。また、操作部用開口部104の周縁にも超音波溶着リブ105が形成されている。これらの超音波溶着リブ105がパネル102の接合面と当接した状態で超音波振動を与えることにより、超音波溶着リブが溶融してケース101とパネル102が溶着、固定される。孔107は、超音波溶着時、ケース101に対するパネル102の位置を決める目的に使用される。超音波溶着を実施後の携帯電話機の斜視図及び正面図をそれぞれ、図10,図11に示す。
次に、従来技術の超音波溶着について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、従来技術による溶着前の要部(X−X線)拡大断面図である。ケース101とパネル102は、以下のようにして超音波溶着される。まず水平の基台(図示略)の上に載置したケース101に、パネル102を載せる。このときパネル102に形成された位置決めリブ108をケース101の平面部106に形成された孔107に挿通し、ケース101に対してパネル102の位置を決める。他の位置決めリブ及び孔についても同様である。これらの位置決めリブ108と孔107の構造によって、パネル102をより正確に位置決めして、超音波溶着できる。
通常、超音波溶着を行なう場合、接合対象部品間に隙間を設けて、接合面でない部分の溶融又は損傷を防ぐようにしている。したがって、適正な隙間109を確保するために、位置決めリブ108と孔107の構造によって正確に位置決めすることが重要とされている。
そしてパネル102の上面に、超音波ホーン(図示略)の下端面を面接触するように押圧させる。この状態で、超音波ホーンを超音波振動させると、パネル102が超音波周期で振動する。超音波振動するパネル102は、ケース101との接触部分である超音波溶着リブ105を相対的に超音波振動させる。相対的に超音波振動するケース101とパネル102は、超音波振動のエネルギーで摩擦熱が発生し、この摩擦熱で、ケース101とパネル102が溶融され、冷却、硬化して溶着される。溶着後の要部(X−X線)拡大断面図を、図13に示す。
特開平5−11071号公報 特開2000−135740号公報
ところで、特許文献1及び2に記載のものは、位置ズレをなくしつつ、バリ(はみ出し)、溶着盛り上がり等を抑えるため、いずれも下側に配置されるケースに、超音波振動で溶融したリブ(樹脂)を受ける凹部もしくは溝部(特許文献1の図1、特許文献2の図11)が設けられている。しかし、この凹部は、溶融するリブの量に応じてその容積を算出し、その容積を満足させる複雑な形状を形成する作業が必要であるという問題があった。
また、図9〜図13に示した従来技術は、接合対象部品101,102のX,Y,Z方向の各位置を決め、接合対象部品101,102に超音波振動を与え、超音波溶着リブ105を溶融させている。しかし、溶融した超音波溶着リブ105を受ける溝部もしくは凹部がないので、一つ一つの超音波溶着リブ105を小さくする代わりに十分な数量の超音波溶着リブが設けられている。その理由は、溶融する樹脂の容量を少なくして溶け出しを防ぎつつ、接着(溶着)強度を確保する必要からである。
しかし、多くの超音波溶着リブ105を必要とするとともに、位置決めのために超音波溶着リブ105とは別に位置決めリブ108を設けなければならなかったので、それらを設置するために広い平面部106が必要とされた。そのため、デザイン制約や電子機器の端末の大きさ等に影響を及ぼす場合があり、デザイン及び機器設計上の大きなデメリットとなっていた。
図14は、図9で示した電子機器の超音波溶着リブ105を設置するのに要するスペースを表したものである。図14はX−X線近傍(図11)の断面を示したものであるが、例えば幅0.2mmの超音波溶着リブ105を設置するのに要する平面部106のスペース(幅)は、超音波溶着リブ105自身の幅0.2mmに、その両側の2×0.5mmを加えて、合計1.2mmの幅が必要である。この超音波溶着リブ105を2つ設置する場合、その2倍の2.4mmの幅が必要になる。
近年、携帯電話機のような携帯端末は、表示部の大型化が要求されているが、図9〜図11に示すような大きな開口部103,104を持つ部品を接合する場合、位置決めエリアである平面部106の確保が困難であり、そのために十分な数の超音波溶着リブ105、すなわち接着(溶着)強度を確保することができないという問題があった。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、接合対象部品の接合部分の構造を簡素化して、接着強度を確保しつつ超音波溶着リブを配置するスペースを小さくすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の接合部材の溶着構造は、第1部材と第2部材とが超音波溶着により接合されてなる接合部材の溶着構造であって、第1部材に設けられた凸部と、第2部材における第1部材との接合面に設けられ、該凸部に対応する形状の凹部と、これら凸部又は凹部の表面に設けられ、超音波振動により溶融する溶融突起とを有し、この溶融突起が凹部又は凸部の表面に当接した状態で溶融され、該溶融された溶融突起により凸部及び凹部の表面が溶着されて第1及び第2部材が接合されたことを特徴とする。
上記構成によれば、第1部材に設けた凸部により、第1部材に対する第2部材の位置が決定され、その位置が保持された状態で凸部の表面に形成した溶融突起により超音波溶着処理を行なうことができる。したがって、凸部を位置決め部材として利用できると同時にその表面(斜面)を溶融突起の設置スペースにも利用でき、接合対象部品の接合部分の構造を簡素化できる。
本発明の電子機器は、第1部材と第2部材とが超音波溶着により接合されてなるケースを有する電子機器であって、このケースは、第1部材に設けられた凸部と、第2部材における第1部材との接合面に設けられ、該凸部に対応する形状の凹部と、これら凸部又は凹部の表面に設けられ、超音波振動により溶融する溶融突起とを有し、この溶融突起が凹部又は凸部の表面に当接した状態で溶融され、該溶融された溶融突起により凸部及び凹部の表面が溶着されて第1及び第2部材が接合されたことを特徴とする。
上記ケースは、2以上の複数の部材が接合されてなり、電子機器の電子回路部品等を収納する部材、及びディスプレイや操作用部品等の配置を決定する部材などから形成される。
上記構成によれば、電子機器の接合対象部品の接合部分の構造を簡素化でき、溶融突起を配置するスペースを小さくすることができる。
本発明の電子機器の製造方法は、第1部材と第2部材とが接合されてなるケースを有する電子機器の製造方法であって、前記ケースは、第1部材に設けられた凸部と、第2部材における第1部材との接合面に設けられ、該凸部に対応する形状の凹部と、これら凸部又は凹部の表面に設けられ、超音波振動により溶融する溶融突起とを有しており、該溶融突起を凹部又は凸部の表面と当接させ、溶融突起が凹部又は凸部と当接した状態で超音波振動させて該溶融突起を溶融し、該溶融された溶融突起により凸部及び凹部の表面を溶着し、第1及び第2部材を接合することを特徴とする。
上記方法によれば、上記凸部又は凹部の表面(斜面)に形成された溶融突起と上記凹部又は凸部の表面(斜面)を当接させた状態で振動させるので、第1部材に対して第2部材の位置決めが簡単に行える。また、超音波振動させたときに、凸部と凹部の組み合わせによって超音波ホーンの押し込み方向に対する回転を防止でき、正確な位置に溶着することができる。
本発明によれば、接合対象部品の接合部分の構造を簡素化して、接着強度を確保しつつ超音波溶着突起を配置するスペースを小さくすることができる。また、超音波ホーンの押し込み方向に対する回転を防止でき、正確な位置に溶着することができる。
以下、本発明の一実施の形態の例について、図1〜図8を参照しながら説明する。この実施形態は、本発明による溶着構造を電子機器の一つである携帯電話機に適用したものである。
図1は、本発明が適用される携帯電話機の分解斜視図である。この携帯電話機は上部筐体と下部筺体から構成され、図1にはそのうちの上部筐体を構成するケース1(第1部材)と、該ケース1に溶着されるパネル2(第2部材)が示されている。ケース1及びパネル2はそれぞれプラスチック等の可塑性樹脂からなり、左右対称な形状である。ケース1及びパネル2はそれぞれ表示部用開口部3と操作部用開口部4が形成されている。表示部用開口部3には例えばLCD(Liquid Crystal Display)が、また操作部用開口部4にはジョグダイアルや操作ボタンなどが設けられる。
ケース1の表示部用開口部3及び操作部用開口部4の周縁部には平面部6が形成されており、その平面部6に溶着リブ部材10R,10L及び超音波溶着リブ5が形成されている。溶着リブ部材10R,10L及び超音波溶着リブ5がパネル2の接合面と当接した状態で超音波振動を与えることにより、超音波溶着リブ5が溶融してケース1とパネル2が溶着、固定される。超音波溶着を実施後の携帯電話機の斜視図及び正面図をそれぞれ、図2,図3に示す。
上記溶着リブ部材は凸部の一例であり、ケース等の部材表面(平面)から突出する部材である。また、超音波溶着リブは溶融突起の一例であり、超音波振動により溶融する突起である。
図4は、図3に示した携帯電話機のA−A線断面図である。パネル2に形成された溝状凹部8に、ケース1の平面部6に設けられている溶着リブ部材10R,10Lが嵌装した状態で溶着され、固定される。溝状凹部8は溶着リブ部材10R、10Lの形状に対応した形状となっている。
ここで、携帯電話機1に左右対称に設置されている溶着リブ部材について説明する。図5に示す左側の溶着リブ部材10L周辺の斜視図を参照して説明するが、右側の溶着リブ部材10Rについても同様である。
溶着リブ部材10Lは、ケース1の開口部と周壁7との間の平面部6に設けられ、該平面部6に対して垂直、かつ超音波溶着時における位置を規制する方向に対して平行な平面上の断面が略三角形の凸条の形状をしており、その上部には平面13が形成されている。凸条とは、凸部の盛り上がり部分がある方向(本例ではy方向)に連続して連なり長い形状をいう。この溶着リブ部材10Lは、ケース1の一方向(y方向)に沿って設けられる。その溶着リブ部材10Lの斜面11には、パネル2と当接して超音波振動により溶融する樹脂製の超音波溶着リブ12が複数形成されている。溶着リブ部材10Lの凸形状によりパネル2とケース1の位置決めを行い、超音波溶着リブ12でパネル2とケース1との接合を行なう。
なお、本例の溶着リブ部材の断面は左右対称な三角形(2等辺三角形)としている。これは、凸条及び凹部の加工コストや超音波溶着時の安定性などの理由からである。一方、平面部6の幅が狭く溶着リブ部材の設置スペースが小さいなどの場合には、溶着リブ部材の省スペース化を目的として、溶着リブ部材の片側の斜面を垂直に近くする(後述する図8の角度αを大きくする)ことも考えられる。あるいは、溶着リブ部材の断面を略三角形としたが、直線以外で形成される傾いた面(斜面)、すなわち凸条(凸部)の表面に曲面を持つ形状としてもよい。例えば、断面が半円の所謂蒲鉾のような形状などが考えられる。さらには、例えば溶着リブ部材の断面の三角形の2辺がその三角形の重心方向に凹んだような曲線(曲面)を持つ凸形状なども考えられる。
溶着リブ部材10Lの斜面11に形成された超音波溶着リブ12は、凸条形状の長尺方向、すなわち携帯電話機のケース1の上下方向に(辺に沿って)不連続に形成される。これは、適正な樹脂量により必要な接着強度を確保すると同時に、超音波溶着リブ12が溶融した樹脂のはみ出しを防止する。
次に、上記構成のケース1とパネル2との溶着方法について説明する。図6,図7は、それぞれ携帯電話機の溶着前及び溶着後の要部拡大断面図を示すものである。
ケース1とパネル2は、以下のようして超音波溶着される。まず水平の基台(図示略)の上に載置したケース1に、パネル2を載せる。パネル2に形成された溝状凹部8に、ケース1の平面部6に形成された溶着リブ部材10R,10Lをそれぞれ嵌入し、ケース1に対してパネル2の位置を決める。溶着リブ部材10R,10Lと溝状凹部8の構造によって、パネル2をより正確に位置決めし、超音波溶着を行なうことができる。
そしてパネル2の上面に、超音波ホーン20の下端面を面接触するように押圧させる。この状態で、超音波ホーン20を超音波振動させその揺動をパネル2に伝えると、パネル2が超音波周期で振動する。超音波振動するパネル2は、ケース1との接触部分である超音波溶着リブ12を(揺動(振動)差を利用して)相対的に超音波振動させる。相対的に超音波振動するケース1とパネル2は、超音波振動のエネルギーで摩擦熱が発生し、この摩擦熱で、超音波溶着リブ12を溶かして溶融樹脂15によりパネル2の溝状凹部8とケース1上の溶着リブ部材10R,10Lの斜面11を密着させる。そして、冷却、硬化後、図7に示すように、パネル2の接合面14(及び溝状凹部8)とケース1の平面部6(及び溶着リブ部材10R,10L)が接合される。
上記のように、凸条形状の溶着リブ部材10R,10Lの斜面11に形成された超音波溶着リブ12により溶着を行っているので、擬似的にフラット面(従来技術の平面部106に相当)を確保できるため、省スペース設計に有利な形状、手法となっている。
また、位置決め機能を持つ溶着リブ部材10R,10Lの2つの斜面11で位置規制が可能となるため、従来必要としていたx,yの各方向の位置決めリブ108などの位置規制形状(図12,図13参照)を持たせることなく位置規制ができる構造となっている。したがって、パネル2がケース1に対して正確に位置決めされ、適切な隙間16も確保することができる。
また、図6,図7に示すように溶着リブ部材10R,10Lの上部に平面13を設けた場合、z方向(高さ方向)の規制も可能となる。特に、平面13を溶着リブ部材10R,10Lが設けられる平面部6に対して平行となるようにした場合、高さ方向の位置決めがより容易になる。
次に、溶着リブ部材及びその斜面に設けられている超音波溶着リブの適正値について説明する。図8は、溶着リブ部材の拡大断面図である。なお、この例では溶着リブ部材10Rについて図示したが、溶着リブ部材10Lについても同様である。
超音波溶着リブ12は、溶着後に溶融樹脂が斜面11からはみ出さない量であって、かつ十分な接着強度を確保できることが肝要である。図8において、一例として溶着リブ部材10Rの断面の幅d=1.4mm、左右対称な斜面11の平面部6に対する角度α=45°である場合、超音波溶着リブ12の斜面11に対する設置幅a=0.2mm、超音波溶着リブ12の斜面11からの高さb=0.15mmに設定する。従来技術(図14)と同じ設置幅(0.2mm)の超音波溶着リブを、幅1.4mm内に2本設置することができる。なお、各数値は一例であってこの例に限るものではない。
また、溶着リブ部材10Rの斜面11の頂上と下部の中間に形成される超音波溶着リブ12は、平面部6と斜面11で作られる交線からの高さ(距離)cが、溶融した樹脂のはみ出しが生じない位置となるように設置する。例えば、斜面の上部と下部とのほぼ真ん中、あるいは若干頂上側寄りの位置とすることが望ましい。
さらに、ケース1とパネル2の接着強度は、溶着リブ部材10R,10Lの高さe、パネル2の高さf及び斜面11の角度αにより決定される。例えば、パネルの高さfが高く溶着リブ部材の高さeを高くできるなどのように、斜面11の角度αを大きくできる条件下においてより安定した接着が行える。一方、パネルの高さfが低い場合、溶着リブ部材の斜面11の角度αが小さくなるとともに高さeが低くなり不安定な接着となる。パネルの高さfが高くても斜面の角度αが小さいと同様に不安定である。なお、溶着リブ部材11の高さe(もしくは角度α)は、斜面11表面で溶融し硬化する樹脂15の厚みも考慮して決定するとさらに最適なものとなる。
以上述べた溶着構造によれば、溶着リブ部材10R,10Lの各斜面11を超音波溶着に利用することで擬似的に平面部が大きくなる構造のため、超音波溶着時に発生する超音波溶着リブ12の溶融樹脂によるはみ出しにも強い構造となる。
また、従来一本しか設置できないような大きさのスペース(平面部)でも、本例の簡素な構造により2本の超音波溶着リブ12が設置できるので、超音波溶着リブ12を配置するスペースの極小化が図れ、省スペース設計が可能で、かつデザイン制約がなく設計自由度が向上する。さらに、省スペースであってもより多くの超音波溶着リブ12を設置することができるので、接着強度を確保することができる。
また、上記構成は、ケース1の溶着リブ部材10R,10Lをパネル2の溝状凹部8に押し込みながら接着できるため、位置ズレ等に対して強い構造になっている。一般に超音波溶着による接合は、超音波ホーンの特性から押し込み方向に対して回転する傾向がある。図12,図13に示したように、位置決めリブ108と孔107は、隙間なく嵌合することが理想であるが、実際は、設計上の隙間(クリアランス)がゼロでも製造上の部品交差の関係から必ず隙間が存在する。そのため超音波溶着時に、孔107内で片寄せされ、超音波ホーンの押し込み方向に対してケース101とパネル102が相対的に回転してしまっていた。それが原因で、従来は接合部品の位置ズレ、ケース101とパネル102の接触による損傷などが発生していたが、本発明の構成によりその問題が解消される。
さらに、溶着リブ部材10R,10Lの上部に平面を設け、高さ方向の位置を決める構造とした場合、パネル2側面の隙間16のバラツキも抑えることができる。
なお、上述した実施形態では、携帯電話機のケース1とパネル2を接合する例について説明したが、本発明は、上部筐体と下部筺体との接合など携帯電話機の他の部分を接合する場合にも適用でき、さらには携帯電話機以外の電子機器の組み立て処理に適用できる。
また、上記実施形態では、溶着リブ部材10R,10L(凸部)の表面に超音波溶着リブ12を設けた例を説明したが、溝状凹部8の表面(斜面)に超音波溶着リブ12を設けても、本発明の目的を達成することができる。
また、上記実施形態では、超音波溶着時に下側となるケース1(第1部材)に溶着リブ部材10R,10L(凸部)を、上側のパネル2(第2部材)に溝状凹部8を設けたが(図4参照)、その逆に下側のケース1に溝状凹部、上側のパネル2に凸部を形成しても対応可能である。但し、溶着リブ部材の高さが極端に高い(角度αが大きい)など溶着リブ部材の形状によっては、超音波溶着時の溶着リブ部材の強度等の点で、下側のケース1に溝状凹部、上側のパネル2に凸部を形成することが好ましくない場合もある。
また、上記実施形態では、ケース1の表示部用開口部3の周囲に設けられる溶着用リブ部材10R,10Lを上下方向に長い凸条形状としたが、操作部用開口部4の周囲に設置されるような短いものであってもよい。また、上下方向への盛り上がり部分が短い溶着用リブ部材を、超音波溶着時において位置が規制される方向と垂直な方向に複数設けることにより、必要な溶着強度を得るとともに正確な位置決めを行なうようにしてもよい。
また、本発明は、上述した各実施の形態例に限定されるものではなく、例えば図1、図5に示すように、溶着リブ部材10R,10Lと従来仕様の超音波溶着リブ5を適宜組み合わせるなど、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能であることは勿論である。
本発明の一実施の形態に係る携帯電話機の分解斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る携帯電話機の溶着後斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る携帯電話機の溶着後正面図である。 図3におけるA−A線断面図である。 本発明の一実施の形態に係る溶着リブ部材周辺の斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る溶着前の要部拡大断面図である。 本発明の一実施の形態に係る溶着後の要部拡大断面図である。 本発明の一実施の形態に係る溶着リブ部材の拡大断面図である。 従来の携帯電話機の分解斜視図である。 従来の携帯電話機の溶着後斜視図である。 従来の携帯電話機の溶着後正面図である。 従来技術における溶着前の要部(X−X線)拡大断面図である。 従来技術における溶着後の要部(X−X線)拡大断面図である。 従来技術において超音波溶着リブを設置するのに要するスペースの説明図である。
符号の説明
1…ケース(第1部材)、2…パネル(第2部材)、3…表示部用開口部、4…操作部用開口部、5…超音波溶着リブ、6…平面部、7…周壁、8…溝状凹部、10R,10L…溶着リブ部材(凸部)、11…斜面、12…超音波溶着リブ(溶融突起)、13…平面、14…接合面、15…溶融樹脂、16…隙間

Claims (11)

  1. 第1部材と第2部材とが超音波溶着により接合されてなる接合部材の溶着構造であって、
    前記第1部材に設けられた凸部と、
    前記第2部材における前記第1部材との接合面に設けられ、前記凸部に対応する形状の凹部と、
    前記凸部又は前記凹部の表面に設けられ、超音波振動により溶融する溶融突起と
    を有し、
    前記溶融突起が前記凹部又は前記凸部の表面に当接した状態で溶融され、該溶融された溶融突起により前記凸部及び前記凹部の表面が溶着されて前記第1及び第2部材が接合された
    ことを特徴とする接合部材の溶着構造。
  2. 前記第1部材は位置決め部材を有しており、前記凸部が前記位置決め部材を兼ねている
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合部材の溶着構造。
  3. 前記凸部の、該凸部が設けられる面に対して垂直、かつ超音波溶着時における位置を規制する方向に対して平行な平面内の断面が、略三角形状又は曲面を有する形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合部材の溶着構造。
  4. 前記溶融突起は、前記凸部又は前記凹部の表面の上部と下部との間に形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合部材の溶着構造。
  5. 前記溶融突起は、前記凸部又は前記凹部の表面の該凸部又は該凹部が設けられている面から所定の高さに、かつ前記溶融突起が溶融状態となったときに該溶融状態の溶融突起が前記凸部及び凹部の溶着面からはみ出さない量の可塑性樹脂で形成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の接合部材の溶着構造。
  6. 前記凸部の上部は、該凸部が設けられる面に対し略平行な平面である
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合部材の溶着構造。
  7. 前記第1部材の凸部及び該凸部に対応する前記第2部材の凹部は、前記第1及び第2部材の辺に沿って設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合部材の溶着構造。
  8. 前記溶融突起は、前記凸部又は前記凹部の表面の前記辺方向に不連続に形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の接合部材の溶着構造。
  9. 前記凸部は、前記第1部材の所定面上に、超音波溶着時における位置を規制する方向と垂直な方向に沿って複数設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合部材の溶着構造。
  10. 第1部材と第2部材とが超音波溶着により接合されてなるケースを有する電子機器であって、
    前記ケースは、
    前記第1部材に設けられた凸部と、
    前記第2部材における前記第1部材との接合面に設けられ、前記凸部に対応する形状の凹部と、
    前記凸部又は前記凹部の表面に設けられ、超音波振動により溶融する溶融突起と
    を有し、
    前記溶融突起が前記凹部又は前記凸部の表面に当接した状態で溶融され、該溶融された溶融突起により前記凸部及び前記凹部の表面が溶着されて前記第1及び第2部材が接合された
    ことを特徴とする電子機器。
  11. 第1部材と第2部材とが接合されてなるケースを有する電子機器の製造方法であって、
    前記ケースは、前記第1部材に設けられた凸部と、前記第2部材における前記第1部材との接合面に設けられ、前記凸部に対応する形状の凹部と、前記凸部又は前記凹部の表面に設けられ、超音波振動により溶融する溶融突起とを有しており、
    前記溶融突起を前記凹部又は前記凸部の表面と当接させ、
    前記溶融突起が前記凹部又は前記凸部と当接した状態で超音波振動させて該溶融突起を溶融し、
    該溶融された溶融突起により前記凸部及び前記凹部の表面を溶着し、前記第1及び第2部材を接合する
    ことを特徴とする電子機器の製造方法。
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