JP2007136772A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーニングなどの維持回復動作を行なうことなどで吸引キャップ内に付着残存した記録液が、ヘッドのノズルから水分を奪い、吐出不良を生じるという現象が生じる。
【解決手段】全ての記録ヘッド31に対して空吐出による回復動作を行った時点からの放置時間(経過時間)Tを計測しておき、印字動作の前に回復動作処理に入り、放置時間Tを読み込んで時間T0を越えていれば、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kについては滴数Bだけ空吐出を行う空吐出回復動作を行い、他方、保湿用キャップ82b〜82dでキャッピングされる記録ヘッド31c、31d、31yについては滴数Bよりも少ない滴数Cだけ空吐出を行う空吐出回復動作を行う。
【選択図】図14

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に記録液を吐出して画像を形成する画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、記録ヘッドから記録紙等の被記録媒体(以下「用紙」と称するが、材質を紙に限定するものではなく、記録媒体、転写紙、転写材、被記録材などとも称される。)に記録液の液滴であるインク滴を吐出して記録(画像形成、印写、印字、印刷なども同義語である。)を行うものであり、高精細な画像を高速で記録することができ、ランニングコストが安く、騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
一般に、インクジェット記録用記録液(インク)に要求される特性としては、高画質を達成するための色調、画像濃度、滲みなど、信頼性を達成するためのインク中の着色剤の溶解または分散安定性・保存安定性・吐出安定性など、記録画像の保存性を確保するための耐水性、耐光性など、また、高速化を達成するためのインクの速乾性などが挙げられ、これらの要求を満たすように従来から様々な試みがなされてきている。例えば、インクの着色剤としては、その発色性の良さや信頼性の高さ等の点から、当初は染料インクが主流であったが、近年に至り、記録画像に耐光性や耐水性を持たせるためにカーボンブラック等の顔料を用いたインキ組成物が使用されつつある。
一方、印字品質の高画質化及び高速印字を達成するために、最近ではインクを小滴化する傾向にあり、そのためにノズル径も小径化される方向にある。
そのため、着色剤として顔料を使用し、かつノズル径の小径化された記録ヘッドを用いた場合に吐出安定性を確保することはかなり難しく、インクの他の特性と両立させる試みがこれまで多々なされているが、充分な対応はなされていないのが現状である。
これまでの記録液は、画像形成装置の信頼性向上のために、粘度の上昇を極力押さえる方向が検討されている。例えば、特許文献1にはインクの2倍濃縮時の粘度変化を10倍以内、かつ粒径変化を3倍以内にすることが、特許文献2にはインク中の揮発成分が蒸発した後の残留分が液体であり、かつその粘度が初期粘度の10倍以内であるインクが、特許文献3には60℃環境下での水分蒸発させたときの、インク粘度が蒸発前の粘度の600倍以下であるインクが、特許文献4には粘度の高いインク(5〜15mPa・s)が高画質を確保するためには必要であるとして、信頼性確保のために初期の蒸発速度を調整し、かつ粘度を調整するための粘度調整剤として特定の化合物を添加することが、それぞれ記載されている。
特開2002−337449号公報 特開2000−095983号公報 特開平9−111166号公報 特開2001−262025号公報
しかしながら、特許文献1のインクでは普通紙上での高画質画像の形成が困難であり、特許文献2のインクは染料インクであり、信頼性は高いものの、やはり普通紙での画質が十分でなく、特許文献3のインクもやはり染料インクであり、水溶性高分子を添加することで、インクの信頼性と画像品質の耐久性とのバランスをとっているが、耐水性に問題が残り、特許文献4のインクでは用いる顔料の粒径の安定性についてはなんら開示されていないため、24時間放置後の信頼性があるとしているものの、吐出させるヘッドの構成とノズル径の大きさによっては更に長期放置された場合など、信頼性に劣るインク処方となる。
このように、従前、高速で高品位な印字品質を確保するためには高粘度のインクを使用する必要があるが、粘度の高いインクは信頼性を確保するのが難しく、使いこなせていないのが実状である。
そこで、本出願人は、少なくとも水に分散する着色剤、湿潤剤、浸透性向上剤を含み、水分蒸発に伴う粘度上昇率(mPa・s/%)がインク全重量に対する水分蒸発率30%までは1.0以下であり、かつ、水分蒸発率30〜45%の間に粘度上昇率が50を越える点を持つように構成されたインクを用いることを提案している。
特開2005−170035号公報
このように記録液(インク)を処方することで、長期放置でもノズル目詰まりを起こさず、普通紙上での高画質化及び高速印字を達成できるようにした。この記録液は、仮に、ノズル内の記録液が乾燥し増粘することによりノズルから吐出できなくなったとしても、顔料などが粗大粒子化してノズル詰まりを発生するわけではないため、簡単な維持回復動作により容易に回復できるという利点を有している。
一方、インクジェット記録装置においては、記録ヘッドの信頼性を維持回復するための維持回復機構が不可欠である。この維持回復機構では、ヘッドのノズル外面に増粘あるいは乾燥したインクやほこり、ごみなどの異物が付着することによって、ノズルに目詰まりを起こしたり、ノズルの内部では気泡の発生などによりエアーダンパー現象が発生するなどして、正常な吐出ができなくなることを防止するため、記録ヘッドのノズル面を密閉するキャップ(キャップ部材)を備えている。さらに、適宜、キャップ内に連通する吸引ポンプなどの吸引手段により、ノズルからヘッド内に充填されているインクを吸引する動作(ヘッド吸引又はノズル吸引)、ゴムなどの弾性部材を用いたワイパーブレードによるヘッド表面のワイピング動作、および、画像形成に寄与しないようにインクを吐出しノズル孔内部及び入り口付近にある増粘インクや混色インクを排出する空吐出動作(或いは予備吐出動作ともいう。)などを組み合わせて、液室内の気泡や増粘インク、付着したごみなどを取り除き、安定した液滴吐出を行なえる状態に保持する動作を行なう。
このような維持回復機構による回復動作については、特許文献6には記録ヘッドの内部の泡の状態を印字枚数から予測し、印字後の放置時間と、印字枚数のカウント値に基づいて、予備吐出するときの滴数を変更することが記載されている。
特開平09−193415号公報
ところで、上述したように、少なくとも水に分散する着色剤、湿潤剤を含み、水分蒸発率が初期重量比30〜45%の間に急激に増粘する(粘度上昇率(mPa・s/%)が50を越える)ように処方された記録液を使用した場合、染料析出物や分散不安定となった顔料固形分などがノズルに詰まってしまうことで発生するノズル抜け(吐出不良)に関しては、顕著な改善効果が確認されたものの、その蒸発率−粘度特性ゆえに、従前の記録液では起こり得ないと考えられる新たな課題が明らかになっている。
すなわち、クリーニングなどの維持回復動作を行なうことなどで吸引キャップ内に付着残存した記録液が、ヘッドのノズルから水分を奪い、吐出不良を生じるという現象が顕在化してきたのである。
具体的に説明すると、維持回復機構では上述したように記録ヘッドのノズル面をキャッピングしてノズルから記録液を吸引排出させるための吸引用キャップを備えるが、長時間印刷を続けると、維持回復動作によって吸引キャップ内に排出されて残存している記録液がインクジェット記録装置の設置環境に応じて乾燥することになり、このような状態にある吸引用キャップで記録ヘッドをキャッピングしたとき、乾燥状態にある記録液が逆にノズル内の記録液から水分を奪い、記録ヘッドのノズル内の記録液は水分を奪われることで、急激な粘度上昇を引き起こし、その結果ノズル内の記録液が増粘して目詰まりを生じ、吐出不良を引き起こすのである。
そして、吸引用キャップを複数の記録ヘッドで共用するようにして、他の記録ヘッドについては保湿用キャップ(保護用キャップ)とする維持回復機構を採用した場合、吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドと保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッドとではノズル内記録液の乾燥の度合いも異なっているので、印字動作前に、印字動作前空吐出(非印字領域に一定量ノズルから記録液を排出する動作)などの回復動作を行なうにしても、吸引用キャップでキャッピングされている記録ヘッドに対しては適切な回復動作を行なうことができないという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、無駄な記録液消費を伴うことなく、吸引用キャップ内の残留記録液によるノズル内記録液の水分吸収による吐出不良を効果的に防止する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッドと吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドとでは異なる回復条件で回復動作を行わせる手段を備えている構成とした。
ここで、回復条件は、前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する空吐出動作における滴数である構成とできる。また、回復条件は、前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する空吐出動作と前記記録ヘッドのノズルから記録液を吸引する吸引回復動作である構成とできる。
また、全ての前記記録ヘッドについて最後に空吐出による回復動作を行った後からの経過時間に基づいて次回の印字動作前に空吐出による回復動作を行う構成とできる。この場合、経過時間が第1の所定の時間を経過するまでは前記保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッド及び前記吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドについて同じ回復条件で回復動作を行う構成とできる。
また、記録液としては、少なくとも水に分散する着色剤、湿潤剤、浸透性向上剤を含み、水分蒸発に伴う粘度上昇率(mPa・s/%)が記録液全重量に対する水分蒸発率30%までは1.0以下であり、かつ水分蒸発率30〜45%の間に粘度上昇率が50を越える点を持つように構成された記録液、あるいは、少なくとも水に分散する着色剤、湿潤剤、浸透性向上剤を含み、水分蒸発に伴う粘度上昇率(mPa・s/%)が記録液全重量に対する水分蒸発率30%までは1.0以下であり、かつ水分蒸発率30〜45%の間に粘度上昇率が50を越える点を持つように構成された記録液であって、更に粘度上昇率が50を越える点での、記録液中の着色剤の平均粒子径が、初期平均粒子径の5倍以下であり、かつ0.8μm以下となるように処方された記録液を用いることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッドと吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドとでは異なる回復条件で回復動作を行わせる手段を備えている構成としたので、保湿用キャップと保湿用を兼ねた吸引用キャップを保湿用キャップとを備える場合、吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドに対して適切な回復条件で回復動作を行うことができ、無駄な記録液消費を伴うことなく、吸引用キャップ内の残留記録液によるノズル内記録液の水分吸収による吐出不良を効果的に防止することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の一例を示す同画像形成装置を前方側から見た斜視説明図である。
この画像形成装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
このカートリッジ装填部4には、色の異なる記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。
また、操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11yを配置している。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配置している。
次に、この画像形成装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の全体構成を説明する概略構成図、図3は同機構部の要部平面説明図である。
図示しない左右の側板間に横架したガイド部材であるガイドロッド21とステー22とでキャリッジ23を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ24によって駆動プーリ25と従動プーリ26間に架け渡したタイミングベルト27を介して図3で矢示方向(キャリッジ走査方向:主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ23には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド31k、31c、31m、31y(区別しないときは「記録ヘッド31」という。)を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド31を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。また、インクジェットヘッドとしては、複数のノズルを並べてノズル列を複数列有し、各ノズル列から同じ色の液滴を吐出する構成であっても、異なる色の液滴を吐出する構成であってもよい。
また、キャリッジ23には、記録ヘッド31に各色のインクを供給するための各色のサブタンク32を搭載している。この各色のサブタンク32には各色のインク供給チューブを介して、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給送手段である給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド31の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド31に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
そして、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。なお、搬送ローラ52はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト51の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド31による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。このガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド35側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。
この搬送ベルト51は、副走査モータ58によって駆動ベルト59及びプーリ60を介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向(副走査方向)に周回移動する。
さらに、記録ヘッド31で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、図3に示すように、キャリッジ23の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド31のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。
この維持回復機構81には、記録ヘッド31の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引用及び保湿用キャップ(以下「吸引用キャップ」という。)とし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
また、キャリッジ23の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド31のノズル列方向に沿った開口89a〜89dを設けている。
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御部によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ23を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド31を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ23は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド31がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド31をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド31の安定した吐出性能を維持する。
次に、この画像形成装置における記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドの一例について図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの液室短手方向(ノズルの並び方向)の断面説明図である。
この液滴吐出ヘッドは、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板101と、この流路板101の下面に接合した例えばニッケル電鋳で形成した振動板102と、流路板101の上面に接合したノズル板103とを接合して積層し、これらによって液滴(インク滴)を吐出するノズル104が連通する流路であるノズル連通路105及び液室106、液室106にインクを供給するための共通液室108に連通するインク供給口109などを形成している。
また、振動板102を変形させて液室106内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列(図6では1列のみ図示)の積層型圧電素子121と、この圧電素子121を接合固定するベース基板122とを備えている。なお、圧電素子121の間には支柱部123を設けている。この支柱部123は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子121と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
また、圧電素子121には図示しない駆動回路(駆動IC)に接続するためのFPCケーブル126を接続している。
そして、振動板102の周縁部をフレーム部材130に接合し、このフレーム部材130には、圧電素子121及びベース基板122などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部131及び共通液室108となる凹部、この共通液室108に外部からインクを供給するためのインク供給穴132を形成している。このフレーム部材130は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板101は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板102は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他、金属板や金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板102に圧電素子121及び支柱部123を接着剤接合し、更にフレーム部材130を接着剤接合している。
ノズル板103は各液室106に対応して直径10〜30μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤接合している。このノズル板103は、金属部材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。なお、このノズル板103の表面が前述したノズル面31aとなる。
圧電素子121は、圧電材料151と内部電極152とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この圧電素子121の交互に異なる端面に引き出された各内部電極152には個別電極153及び共通電極154が接続されている。なお、この実施形態では、圧電素子121の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内インクを加圧する構成としているが、圧電素子121の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室106内インクを加圧する構成とすることもできる。また、1つの基板122に1列の圧電素子121が設けられる構造とすることもできる。
このように構成した液滴吐出ヘッドヘッドにおいては、例えば圧電素子121に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子121が収縮し、振動板102が下降して液室106の容積が膨張することで、液室106内にインクが流入し、その後圧電素子121に印加する電圧を上げて圧電素子121を積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の容積/体積を収縮させることにより、液室106内の記録液が加圧され、ノズル104から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子121に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室108から液室106内に記録液が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
次に、維持回復機構81の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同維持回復機構を一部展開した状態で示す模式的説明図である。
この維持回復機構81には、前述したように、吸引及び保湿用キャップ82aと保湿用キャップ82bを保持する保持機構を含むキャップホルダ201Aと、保湿用キャップ82cと保湿用キャップ82dを保持する保持機構を含むキャップホルダ201Bと、記録ヘッド31のノズル面31aを清浄化する(拭き取る)ための弾性体からなるブレードであるワイパーブレード83を保持するブレードホルダ203と、記録ヘッド31から印字に寄与しない液滴を吐出する空吐出動作(予備吐出動作)を行うための空吐出受け84が配置されている。
ここで、印字領域に最も近い側の吸引用及び保湿用キャップ82aには可撓性チューブ210を介して吸引手段であるチュービングポンプ(吸引ポンプ)211を接続している。したがって、記録ヘッド31の維持回復動作を行うときには、回復動作を行う記録ヘッド31をキャップ82aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。なお、この吸引用及び保湿用キャップ82aには図示しないが内部に保湿部材を設けて、保湿をすることにより本発明に係る維持回復動作を行なうときの後述する閾値を大きくして維持回復動作回数を低減でき、記録液の無駄な消費や回復動作にともなう印刷待機時間を短縮することができる。
また、これらのキャップホルダ201A、201Bの下方にはフレーム212に回転自在に支持したカム軸213を配置し、このカム軸213には、キャップホルダ201A、201Bを昇降させるためのキャップカム214A、214Bと、ブレードホルダ203を昇降させるためのワイパーカム215をそれぞれ設けている。
そして、チュービングポンプ211及びカム軸213を回転駆動するために、モータ221の回転をモータ軸221aに設けたモータギヤ222に、チュービングポンプ211のポンプ軸211aに設けたポンプギヤ223を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ223と一体の中間ギヤ224に中間ギヤ225を介して一方向クラッチ227付きの中間ギヤ226を噛み合わせ、この中間ギヤ226と同軸の中間ギヤ228に中間ギヤ229を介してカム軸213に固定したカムギヤ230を噛み合わせている。
この維持回復機構81においては、モータ221が正転することによってモータギヤ222、中間ギヤ224、ポンプギヤ223、中間ギヤ225、226までが回転し、チュービングポンプ211の軸211aが回転することでチュービングポンプ211が作動して、吸引用キャップ82a内を吸引する(この動作を「キャップ内吸引」又は「ヘッド吸引」という。)。その他のギヤ228以降は一方向クラッチ227によって回転が遮断されるので回転(作動)しない。
また、モータ221が逆転することによって、一方向クラッチ227が連結されるので、モータ221の回転が、モータギヤ222、中間ギヤ224、ポンプギヤ223、中間ギヤ225、226、228、229を経てカムギヤ230に伝達され、カム軸213が回転する。このとき、チュービングポンプ211はポンプ軸211aの逆転では作動しない構造となっている。このカム軸213の回転によってキャップカム214A、214B及びワイパーカム215がそれぞれ所定のタイミングで上昇、下降する。
なお、記録ヘッド31のノズル面31aを清掃するときにはワイパーブレード83を上昇させた状態にして、記録ヘッド31をワイパーブレード83に相対的に移動させることによってノズル面31aをワイピングする。
次に、この画像形成装置で使用しているインク(記録液、以下「本インク」という。)の調整例について説明する。なお、これに限定されるものではない。
<製造例1インク>
(ブラックインク)
KM−9036(東洋インキ)(自己分散型顔料) 50重量%
グリセリン 10重量%
1,3−ブタンジオール 15重量%
2−エチル−1、3−ヘキサンジオール 2重量%
2−ピロリドン 2重量%
界面活性剤(1−9) 1重量%
シリコーン消泡剤KS508(信越化学) 0.1重量%
イオン交換水 残量
上記処方のインク組成物を作製し、室温にて充分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行ない、製造例1インクを得た。
<製造例2インク>
(ポリマー溶液Aの調整)
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。このポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、重量平均分子量は15000であった。
(顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調整)
ポリマー溶液A28gとC.I.ピグメントイエロー97を26g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水13.6gを充分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、イエローポリマー微粒子の水分散体を得た。
(イエローインク)
イエローポリマー微粒子分散体 40重量%
グリセリン 8重量%
1、3−ブタンジオール 20重量%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2重量%
界面活性剤(1−8) 1.5重量%
シリコーン消泡剤KS508(信越化学社製) 0.1重量%
イオン交換水 残量
上記処方のインク組成物を作製し、室温にて充分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行ない、製造例2インクを得た。
<製造例3インク>
(顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調整)
顔料種をC.I.ピグメントレッド122に変えた他は同様にして、マゼンタポリマー微粒子の水分散体を得た。
(マゼンタインク)
マゼンタポリマー微粒子の分散体 50重量%
グリセリン 10重量%
1、3−ブタンジオール 18重量%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2重量%
界面活性剤(1−8) 1.5重量%
シリコーン消泡剤KS508(信越化学社製) 0.1重量%
イオン交換水 残量
上記処方のインク組成物を作製し、室温にて充分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行ない、製造例3インクを得た。
<製造例4インク>
(顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調整)
顔料種をC.I.ピグメントブルー15:3に変えた他は同様にして、シアンポリマー微粒子の水分散体を得た。
(シアンインク)
シアンポリマー微粒子分散体 40重量%
グリセリン 8重量%
1、3−ブタンジオール 20重量%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2重量%
界面活性剤(1−8) 1.5重量%
シリコーン消泡剤KS508(信越化学社製) 0.1重量%
イオン交換水 残量
上記処方のインク組成物を作製し、室温にて充分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行ない、製造例4インクを得た。
上記製造例の各インクは、水分蒸発に伴う粘度上昇率(mPa・s/%)がインク全重量に対する水分蒸発率30%までは1.0以下であり、かつ、水分蒸発率30〜45%の間に粘度上昇率が50を越える点を持つこと、粘度上昇率が50を越える点での、インク中の着色剤の平均粒子径が、初期平均粒子径の5倍以下であり、かつ0.8μm以下となることが確認された。
このような記録液を使用することによって、前述したように、長期放置でもノズル目詰まりを起こさず、普通紙上での高画質化及び高速印字を達成できる。しかも、この記録液は、仮に、ノズル内の記録液が乾燥し増粘することによりノズルから吐出できなくなったとしても、顔料などが粗大粒子化してノズル詰まりを発生するわけではないため、簡単な維持回復動作により容易に回復できるという利点を有している。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図7を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部は、この画像形成装置全体の制御を司る、本発明に係る回復動作に関する制御をする手段などを兼ねたマイクロコンピュータで構成した主制御部301及び印刷制御を司るマイクロコンピュータで構成した印刷制御部302とを備えている。
そして、主制御部301は、通信回路300から入力される印刷処理の情報に基づいて用紙42に画像を形成するために、前述したように、主走査モータ24や副走査モータ58を主走査モータ駆動回路303及び副走査モータ304を介して駆動制御するとともに、印刷制御部302に対して印刷用データを送出するなどの制御を行う。
また、主制御部301には、キャリッジ23の位置を検出するキャリッジ位置検出回路305からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいてキャリッジ23の移動位置及び移動速度を制御する。キャリッジ位置検出回路305は、例えばキャリッジ23の走査方向に配置されたエンコーダシートのスリット数を、キャリッジ23に搭載されたフォトセンサで読み取って計数することで、キャリッジ23の位置を検出する。主走査モータ駆動回路303は、主制御部301から入力されるキャリッジ移動量に応じて主走査モータ24を回転駆動させて、キャリッジ23を所定の位置に所定の速度で移動させる。
また、主制御部301には搬送ベルト51の移動量を検出する搬送量検出回路306からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいて搬送ベルト51の移動量及び移動速度を制御する。搬送量検出回路306は、例えば搬送ローラ52の回転軸に取り付けられた回転エンコーダシートのスリット数を、フォトセンサで読み取って計数することで搬送量を検出する。副走査モータ駆動回路304は、主制御部301から入力される搬送量に応じて副走査モータ58を回転駆動させて、搬送ローラ52を回転駆動して搬送ベルト51を所定の位置に所定の速度で移動させる。
主制御部301は、給紙コロ駆動回路307に給紙コロ駆動指令を与えることによって給紙コロ43を一回転させる。主制御部301は、維持回復機構駆動用モータ駆動回路308を介して維持回復機構81のモータ221を回転駆動することにより、前述したようにキャップ82の昇降、ワイパーブレード83の昇降、吸引ポンプ211の駆動などを行わせる。
主制御部301は、インク供給モータ駆動回路311を介して供給ユニットのポンプを駆動するためのインク供給モータを駆動制御し、カートリッジ装填部4に装填されたインクカートリッジ10からサブタンク32に対してインクを補充供給する。このとき、主制御部301には、サブタンク32が満タン状態にあることを検知するサブタンク満タンセンサ312からの検知信号に基づいて補充供給を制御する。
また、主制御部301は、カートリッジ通信回路314を通じて、カートリッジ装填部4に装着された各インクカートリッジ10に設けられる記憶手段である不揮発性メモリ316に記憶されている情報を取り込んで、所要の処理を行って、本体記憶手段である不揮発性メモリ(例えばEEPROM)315に格納保持する。
また、主制御部301には、環境温度、環境湿度を検知する環境センサ313からの検知信号が入力される。
印刷制御部302は、主制御部301からの信号とキャリッジ位置検出回路305及び搬送量検出回路306などからのキャリッジ位置や搬送量に基づいて、記録ヘッド31の液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成して、上述した画像データをシリアルデータでヘッド駆動回路310に転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)などをヘッド駆動回路310に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動信号のパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部及びヘッドドライバに与える駆動波形選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッド駆動回路310に対して出力する。
ヘッド駆動回路310は、シリアルに入力される記録ヘッド31の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部302から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を選択的に記録ヘッド31の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば前述したような圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド31を駆動する。このとき、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)、小滴(小ドット)など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
次に、印刷制御部302及びヘッド駆動回路(ヘッドドライバ)310の一例について図8を参照して説明する。
印刷制御部302は、上述したように、1印刷周期内に複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力する駆動波形生成部401と、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号M0〜M3を出力するデータ転送部402とを備えている。
なお、滴制御信号M0〜M3は、ヘッド駆動回路310の後述するスイッチ手段であるアナログスイッチ415の開閉を滴毎に指示する2ビットの信号であり、共通駆動波形の印刷周期に合わせて選択すべき波形でHレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
ヘッドド駆動回路310は、データ転送部402からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/CH)を入力するシフトレジスタ411と、シフトレジスタ411の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路412と、階調データと制御信号M0〜M3をデコードして結果を出力するデコーダ413と、デコーダ413のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ415が動作可能なレベルへとレベル変換するレベルシフタ414と、レベルシフタ414を介して与えられるデコーダ413の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ415とを備えている。
このアナログスイッチ415は、各圧電素子121の選択電極(個別電極)154に接続され、駆動波形生成部401からの共通駆動波形が入力されている。したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と制御信号M0〜M3をデコーダ413でデコードした結果に応じてアナログスイッチ415がオンにすることにより、共通駆動波形を構成する所要の駆動信号が通過して(選択されて)圧電素子121に印加される。
次に、上述したようなインクを使用する場合に好ましい駆動波形の一例について図9及び図10を参照して説明する。
駆動波形生成部401からは1印刷周期(1駆動周期)内に、図8に示すように、基準電位Veから立ち下がる波形要素と、立下り後の状態から立ち上がる波形要素などで公正される、8個の駆動パルスP1ないしP8からなる駆動信号(駆動波形)を生成して出力する。一方、データ転送部402からの滴制御信号M0〜M3によって使用する駆動パルスを選択する。
ここで、駆動パルスの電位Vが基準電位Veから立ち下がる波形要素は、これによって圧電素子121が収縮して加圧液室106の容積が膨張する引き込み波形要素である。また、立下り後の状態から立ち上がる波形要素は、これによって圧電素子121が伸長して加圧液室106の容積が収縮する加圧波形要素である。
そして、データ転送部402からの滴制御信号M0〜M3によって、小滴(小ドット)を形成するときには図10(a)に示すように駆動パルスP1を選択し、中滴(中ドット)を形成するときには同図(b)に示すように駆動パルスP4ないしP6を選択し、大滴(大ドット)を形成するときには同図(c)に示すように駆動パルスP2ないしP8を選択し、微駆動の(滴吐出を伴わないでメニスカスを振動させる)ときには同図(d)に示すように微駆動パルスP2を選択して、それぞれ記録ヘッド31の圧電素子121に印加させるようにする。
中滴を形成する場合、駆動パルスP4にて1滴目、駆動パルスP5にて2滴目、駆動パルスP6にて3滴目を吐出させ、飛翔中に合体させて一滴として着弾させる。このとき、圧力室(液室106)の固有振動周期をTcとすると、駆動パルスP4とP5の吐出タイミングの間隔は2Tc±0.5μsが好ましい。駆動パルスP4とP5は、単純引き打ち波形要素で構成されているため、駆動パルスP6も同様の単純引き打ち波形要素にするとインク滴速度が大きくなりすぎてしまい、他の滴種の着弾位置からずれてしまうおそれがある。そこで、駆動パルスP6は、引き込み電圧を小さくする(立下りの電位を少なくする)ことでメニスカスの引き込みを小さくし、3滴目のインク滴速度を抑えている。ただし、必要なインク滴体積をかせぐために立ち上げ電圧は小さくしない。
つまり、複数の駆動パルスのうちの最終駆動パルスの引き込み波形要素では引き込み電圧を相対的に小さくすることによって、当該最終駆動パルスによる滴吐出速度を相対的に小さくして、着弾位置を他の滴種と極力合わせるようにすることができる。
また、微駆動パルスP2とは、ノズルのメニスカスの乾燥を防ぐため、インク滴を吐出させずにメニスカスを振動させる駆動波形である。非印字領域ではこの微駆動パルスP2が記録ヘッド7に印加される。また、この微駆動波形である駆動パルスP2を、大滴を構成する駆動パルスの一つとして利用することにより、駆動周期の短縮化(高速化)を達成することができる。
さらに、微駆動パルスP2と駆動パルスP3の吐出タイミングの間隔を、固有振動周期Tc±0.5μsの範囲内に設定することにより、駆動パルスP3によって吐出するインク滴の体積をかせぐことができる。つまり、微駆動パルスP2によって生じた振動周期によって加圧液室106の圧力振動に駆動パルスP3による加圧液室6の膨張を重畳させることによって駆動パルスP3で吐出できる滴の滴体積を駆動パルスP3単独で印加する場合よりも大きくすることができる。
なお、インクの粘度によって必要な駆動波形が異なることから、この画像形成装置においては、図11に示すように、インク粘度が5mPa・sのときの駆動波形、同じく粘度が10mPa・sのときの駆動波形、同じく20mPa・sのときの駆動波形をそれぞれ用意し、温度センサからの検出温度からインク粘度を判定して、使用する駆動波形を選択するようにしている。
つまり、インク粘度が小さいときは駆動パルスの電圧を相対的に小さく、インク粘度が大きいときは駆動パルスの電圧を相対的に大きくすることにより、インク粘度(温度)によらずインク滴の速度及び体積を略一定に吐出させることができる。また、駆動パルス2は、インク粘度に合わせて波高値を選択することにより、インク滴を吐出させることなくメニスカスを振動させることができる。
このような駆動パルスから構成される駆動波形を使用することによって、大中小の各滴が用紙に着弾するまでの時間を制御することができ、吐出開始の時間が大中小の各滴で異なっても、各滴をほぼ同じ位置に着弾させることが可能となる。
次に、キャップ内残存インクによる吸湿作用について図12を参照して説明する。
維持回復機構81によるヘッド回復動作時には、前述したように、記録ヘッド31のノズル面31aを吸引用キャップ82aでキャッピングしてノズル104からインクを吸引排出させた後、ノズル面31a表面の汚れを排出したインクとともにワイパーブレード83によってワイピングして掻き落として清浄化する。
この回復動作によって吸引用キャップ82a内に排出されたインクは吸引ポンプ211による吸引によって排出されるものの、全てのインクを吸引用キャップ82aから除去することができず、このため、少量のインクがキャップ82a内に残存するが、このような動作を繰り返すことでキャップ82a内の残存インクは徐々に増加する。
その結果、図12(a)に示すように、吸引用キャップ82a内の残存インク500は徐々に乾燥した状態になり、同図(b)に示すように、この乾燥した残存インク500が付着している吸引用キャップ82aによって記録ヘッド31のノズル面31aをキャッピングした状態で放置すると、乾燥した残存インク500が記録ヘッド31のノズル104内にインクから水分を吸収する吸湿作用が生じて、ノズル104内のインクが吸湿されて増粘する。
このようにして記録ヘッド31のノズル104内に増粘したインクが生じると、液滴吐出時に吐出方向が曲がったり、吐出不能になったりして、印字品質の劣化を招くことになる。
次に、記録ヘッドのキャッピングからの時間経過と記録ヘッドのノズル面近傍の粘度変化との関係について図13を参照して説明する。
全ての記録ヘッド31に対して空吐出による回復動作を行った時点を原点として、その後、次に印字前の空吐出を実施するまでの時間経過に対して、記録ヘッド31のノズル近傍の記録液粘度は、同図に示すように変化する。なお、ヘッド吸引などの記録ヘッドを個別に回復動作では、そのタイミングで回復処理されない記録ヘッドが生じるので、この個別的な回復動作を基点とするのは適していない。
この図13において、時点C0までは記録ヘッド31がキャッピングされていない状態であり、このとき、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kと保湿用キャップ82bでキャッピングされる記録ヘッド31cとでは、ノズル近傍の記録液の粘度変化に差は生じない。なお、保湿用キャップ82c、82dでキャッピングされる記録ヘッド31m、31yも同様であるのでここでは説明を省略する。
そして、時点C0で記録ヘッド31がキャッピングされても、全ての記録ヘッド31に対して空吐出による回復動作を行った時点から時間T0が経過するまでの比較的短い経過時間内では、前述した吸引用キャップ82a内に付着した残留インクによる吸湿作用の影響も少ないので、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kと保湿用キャップ82bでキャッピングされる記録ヘッド31cとではノズル近傍の記録液の粘度変化にほぼ同じであり、キャップ82内の温湿度状態も外気と変わらないなので、印字前の回復条件と同じ回復条件で空吐出による回復動作を行うことが可能になる。
そして、経過時間が時間T0を超えると、吸引用キャップ82a内に付着している残留インクによる吸湿作用が生じるために、吸引用キャップ82aでキャッピングされている記録ヘッド31kはノズル近傍のインク粘度の増加が著しくなる。これに対し、保湿用キャップ82bでは吸湿作用が生じることがないため、環境条件(温湿度)による粘度増加が生じるだけであるので、保湿用キャップ82bでキャッピングされている記録ヘッド31cではノズル近傍のインク粘度の増加は緩やかである。
ここで、記録ヘッドの性能(例えば、印加できる空吐出用の駆動波形の強さ)で決まる空吐出動作で回復可能な粘度の限界を「印字前空吐出回復限界粘度」とすると、急激に粘度上昇が生じる吸引用キャップ82aでキャッピングされている記録ヘッド31kでは、時間T0を超えた時間T1が経過した時点でノズル近傍のインク粘度が印字前空吐出回復限界粘度を超えることになる。
これに対して、粘度上昇が相対的に緩やかな保湿用キャップ82bでキャッピングされている記録ヘッド31cでは、時間T1を超える時間T2が経過した時点でノズル近傍のインク粘度が印字前空吐出回復限界粘度を超えることになる。
そこで、回復動作処理の第1例について図14及び図15を参照して説明する。
上述したように全ての記録ヘッド31に対して空吐出による回復動作を行った時点からの放置時間(経過時間)Tを計測しておき、印字動作の前にこの回復動作処理に入り、放置時間Tを読み込んで時間T0以下(T≦T0)か否かを判別する。
このとき、放置時間Tが時間T0以下であれば、上述したように、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kと保湿用キャップ82b〜82dでキャッピングされる記録ヘッド31c、31d、31yとはノズル近傍の粘度変化が殆どない。そこで、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kについては滴数Aだけ空吐出を行う空吐出回復動作を行い、同じく、保湿用キャップ82b〜82dでキャッピングされる記録ヘッド31c、31d、31yについても滴数A(図中では「A滴」と表記する。以下同じ)だけ空吐出を行う空吐出回復動作を行う。この滴数Aは、印字動作中における空吐出による吐出回復動作条件と同じにしているが、異ならせることもできる。
つまり、全ての記録ヘッドが最後に空吐出による吐出回復動作を実施してからの経過時間が比較的短い第1の所定の時間(上記の時間T0)内であるときには、保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッド及び吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドのいずれについて同じ回復条件(ここでは、同じ空吐出滴数)で回復動作を行うことで、無駄な記録液消費を行わないようにしている。
そして、この場合の回復条件を印字動作中における空吐出による吐出回復条件などの比較的少量の記録液を使用する回復条件とすることによって、空吐出制御が容易になり、少ない記録液消費量で吐出性能を維持できるようになり、かつ、印字処理時間を短縮して高速印字が可能になる。
これに対して、放置時間Tが時間T0を越えていれば(T>T0であれば、ただし、図13では時間T1以下である場合)、記録ヘッド31のノズル近傍の記録液粘度は時間T0以下のときよりも増加し、しかも、上述したように、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kは著しく粘度が増加するのに対し、保湿用キャップ82b〜82dでキャッピングされる記録ヘッド31c、31d、31yのノズル近傍の粘度の増加は相対的に少ない。
そこで、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kについては滴数Bだけ空吐出を行う空吐出回復動作を行い、他方、保湿用キャップ82b〜82dでキャッピングされる記録ヘッド31c、31d、31yについては滴数Bよりも少ない滴数Cだけ空吐出を行う空吐出回復動作を行う。なお、滴数A<滴数C<滴数Bの関係にある。
つまり、全ての記録ヘッドが最後に空吐出による吐出回復動作を実施してからの経過時間が第1の所定の時間(上記の時間T0)を超えたときには、保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッドと吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドとで異なる回復条件(ここでは、空吐出滴数が異なる。)で回復動作を行うようにしている。これによって、無駄な記録液消費を行わないで、しかも、吸引用キャップ内の残留記録液による除湿作用の影響を排除して、吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドの性能回復を確実に行うことができる。
なお、異なる回復条件としてここでは空吐出滴数を異ならせているが、空吐出の駆動波形の強さを異ならせても同様な効果を得ることができる。例えば、前述したように粘度に応じた駆動波形を備える場合には、吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドについては相対的に高粘度用の駆動波形を、保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッドについては相対的に低粘度用の駆動波形を用いたり、あるいは、大滴を吐出させる駆動波形と中敵を吐出させる駆動波形を用いたりして、異ならせることもできる。
そこで、回復動作処理の第2例について図16及び図17を参照して説明する。
上述したように全ての記録ヘッド31に対して空吐出による回復動作を行った時点からの放置時間(経過時間)Tを計測しておき、印字動作の前にこの回復動作処理に入り、放置時間Tを読み込んで時間T0以下(T≦T0)か否かを判別する。
このとき、放置時間Tが時間T0以下であれば、上述したように、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kと保湿用キャップ82b〜82dでキャッピングされる記録ヘッド31c、31d、31yとはノズル近傍の粘度変化が殆どない。そこで、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kについては滴数Aだけ空吐出を行う空吐出回復動作を行い、同じく、保湿用キャップ82b〜82dでキャッピングされる記録ヘッド31c、31d、31yについても滴数Aだけ空吐出を行う空吐出回復動作を行う。この滴数Aは、印字動作中における空吐出による吐出回復動作条件と同じにしているが、異ならせることもできる。
これに対して、放置時間Tが時間T0を越えていれば(T>T0であれば)、放置時間Tが時間T1以下である(T0<T≦T1)か否かを判別する。
このとき、放置時間Tが時間T1以下(T0<T≦T1)であるときには、上述したように、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kについては滴数Bだけ空吐出を行う空吐出回復動作を行い、他方、保湿用キャップ82b〜82dでキャッピングされる記録ヘッド31c、31d、31yについては滴数Bよりも少ない滴数Cだけ空吐出を行う空吐出回復動作を行う。なお、滴数A<滴数C<滴数Bの関係にある。
これに対して、放置時間Tが時間T1以下でなければ、つまり、時間T1を越えていれば(T>T1であれば)、放置時間Tが時間T2以下である(T1<T≦T2)か否かを判別する。
このとき、放置時間Tが時間T2以下(T1<T≦T2)であれば、上述したように、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kについては空吐出回復限界粘度を越え、空吐出を行うだけでは回復できないことから、吸引用キャップ82aで記録ヘッド81kをキャッピングした状態で吸引ポンプ211を作動させて記録ヘッド31kのノズルから記録液を吸引するノズル吸引による吸引回復動作を行う。他方、保湿用キャップ82b〜82dでキャッピングされる記録ヘッド31c、31d、31yについては未だ空吐出回復限界粘度を越えていないので、滴数Dだけ空吐出を行う空吐出回復動作を行う。なお、滴数Dは滴数Bと同じでもよいし、異なってもよい。
つまり、ここでは、保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッドと吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドとでは異なる回復条件として空吐出動作と吸引回復動作としている。これにより、保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッドについては空吐出動作だけで済ませることができ、記録液の無駄な消費を抑えつつ、吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドについては吸引回復で確実に吸引用キャップ内の残留記録液による除湿作用の影響を排除して回復を行うことができる。
これに対して、放置時間Tが時間T2以下でなければ、つまり放置時間Tが時間T2を越えていれば(T>T2であれば)、上述したように、吸引用キャップ82aでキャッピングされる記録ヘッド31kについて吸引回復を行うとともに、保湿用キャップ82b〜82dでキャッピングされる記録ヘッド31c、31d、31yについても空吐出回復限界粘度を越えるので、吸引用キャップ82aを使用して順次記録ヘッド31c、31d、31yに対する吸引回復動作を行う。
以上のような処理を行なうことによって、吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドと保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッドとがあり、特に、少なくとも水に分散する着色剤、湿潤剤、浸透性向上剤を含み、水分蒸発に伴う粘度上昇率(mPa・s/%)が記録液全重量に対する水分蒸発率30%までは1.0以下であり、かつ、水分蒸発率30〜45%の間に粘度上昇率が50を越える点を持つように構成された記録液を用いた場合でも、無駄な記録液消費を抑制しつつ、吸引用キャップで保湿される記録ヘッドについても確実に回復を行うことができ、画像品質の低下を抑制することができる。
この場合の記録液が、粘度上昇率が50を越える点での、記録液中の着色剤の平均粒子径が、初期平均粒子径の5倍以下であり、かつ0.8μm以下となるように処方された記録液であっても同様の効果が得られ、しかもこのような記録液を用いることで普通紙に対する高速高画質記録を行うことができるようになる。勿論、本発明は、このような記録液を用いる場合に限定されるものではなく、前述したような吸湿作用を生じる記録液を用いる場合には同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記実施形態においては、吸引用キャップが1つである例について説明したが、要するに記録ヘッドの数より少ない1つ以上の保湿キャップと、保湿を兼ねる1又は複数の吸引用キャップを有する維持回復機構を備えている場合には、同様に適用することができる。また、経過時間と比較する閾値時間(例えば上記の時間T0、T1、T2)は環境条件(温湿度、特に、高温低湿、常温常湿、低温低湿など)に応じて変化させることもできる。
また、上記各実施形態では本発明に係る画像形成装置としてプリンタ構成で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
本発明に係る画像形成装置の一例を示す前方側から見た斜視説明図である。 同画像形成装置の機構部の概略を示す構成図である。 同機構部の要部平面説明図である。 同画像形成装置の記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドの一例を示す液室長手方向に沿う断面説明図である。 同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。 同画像形成装置の維持回復機構の展開模式的説明図である。 同画像形成装置の制御部の概要を説明するブロック説明図である。 同制御部の印刷制御部の一例を示すブロック図である。 同印刷制御部の駆動波形生成部で生成出力する駆動波形の一例を示す説明図である。 同駆動波形から選択される小滴、中滴、大滴、微駆動の各駆動信号を説明する説明図である。 同記録液粘度に応じた駆動波形を説明する説明図である。 キャップ内残留インクによる吸湿作用の説明に供する説明図である。 吸引用キャップ、保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッドについてのキャッピング後の経過時間とノズル近傍の粘度変化の一例を説明する説明図である。 同制御部が行う回復動作の一例を示すフロー図である。 同じく経過時間と回復条件の関係の説明図である。 同制御部が行う回復動作の一例を示すフロー図である。 同じく経過時間と回復条件の関係の説明図である。
符号の説明
10…インクカートリッジ
23…キャリッジ
31…記録ヘッド
32…サブタンク
51…搬送ベルト
81…維持回復機構
82a…吸引用キャップ
82b〜82d…保湿用キャップ
300…制御部
313…環境センサ

Claims (7)

  1. 記録液の液滴を吐出するノズルを有する複数の記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル面の乾燥を防止するための保湿用キャップ、及び、保湿用キャップを兼ね、記録ヘッドのノズル面をキャッピングした状態で前記ノズルから記録液を吸引するための吸引用キャップを含む維持回復機構を備え、前記記録ヘッドのノズルから液滴を吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッドと前記吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドとでは異なる回復条件で回復動作を行わせる手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記回復条件は、前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する空吐出動作における滴数であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記回復条件は、前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する空吐出動作と前記記録ヘッドのノズルから記録液を吸引する吸引回復動作であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、全ての前記記録ヘッドについて最後に空吐出による回復動作を行った後からの経過時間に基づいて次回の印字動作前に空吐出による回復動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4に記載の画像形成装置において、前記経過時間が第1の所定の時間を経過するまでは前記保湿用キャップでキャッピングされる記録ヘッド及び前記吸引用キャップでキャッピングされる記録ヘッドについて同じ回復条件で回復動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、記録液が、少なくとも水に分散する着色剤、湿潤剤、浸透性向上剤を含み、水分蒸発に伴う粘度上昇率(mPa・s/%)が記録液全重量に対する水分蒸発率30%までは1.0以下であり、かつ水分蒸発率30〜45%の間に粘度上昇率が50を越える点を持つように構成された記録液であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、記録液が、少なくとも水に分散する着色剤、湿潤剤、浸透性向上剤を含み、水分蒸発に伴う粘度上昇率(mPa・s/%)が記録液全重量に対する水分蒸発率30%までは1.0以下であり、かつ水分蒸発率30〜45%の間に粘度上昇率が50を越える点を持つように構成された記録液であって、更に粘度上昇率が50を越える点での、記録液中の着色剤の平均粒子径が、初期平均粒子径の5倍以下であり、かつ0.8μm以下となるように処方された記録液であることを特徴とする画像形成装置。
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