JP2007133266A - 感光性樹脂組成物及びパターン形成方法 - Google Patents

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Kazufumi Sato
和史 佐藤
Yasushi Fujii
恭 藤井
Naonobu Harada
尚宣 原田
Koji Yonemura
幸治 米村
Isamu Takagi
勇 高木
Daisuke Kawana
大助 川名
Juichi Takayama
寿一 高山
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Abstract

【課題】クエンチング機能を十分に有しつつ、組成物の経時安定性が良好であり、とりわけ、保管中の経時変化による感度異常を防止することのできる感光性樹脂組成物及び当該組成物を用いたパターン形成方法を提供すること。
【解決手段】シロキサン系又はシルセスキオキサン系等のケイ素含有高分子化合物を主成分とする基材樹脂を用いたレジスト組成物において、ポリアミンをクエンチャーとして用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリアミンをクエンチャーとして含む感光性樹脂組成物及び当該樹脂組成物を用いたパターン形成方法に関する。より詳しくは、レジスト経時特性が良好であるとともに、レジスト特性(露光余裕度、焦点深度、直線解像度)が良好であり、また、高アスペクト比で、パターン倒れもなく、垂直性の高い良好なレジストパターンを得ることのできる感光性樹脂組成物及び当該組成物を用いたパターン形成方法に関する。
近年の半導体素子への高集積化及び微細化の要求に伴い、微細パターンを形成する目的で、寸法精度が高く、高アスペクト比を得やすい多層レジスト法が検討されている。この多層レジスト法に用いるレジスト材料には、上層をポジ型レジスト層とし、下層を有機樹脂層とした二層構造のものが検討されており、この上層のポジ型レジスト層には、酸素プラズマ耐性の高いケイ素含有高分子化合物を用いることが検討されている。
このようなポジ型レジスト用の組成物としては、例えば、酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増加する基材樹脂と、電磁波等に感応して酸を発生する酸発生剤と、酸発生剤からの酸の拡散を制御することができる、カルバメート基、アミド基等を有する窒素系の有機塩基性化合物(クエンチャー)と、を含む化学増幅型の組成物が用いられる(特許文献1参照)。
特開2004−334107号公報
しかしながら、このようなレジストパターンの形成においては、露光工程によって露光部位で発生した酸が未露光部位にまで広がり、本来分解すべきでない未露光部位の基材樹脂まで分解してしまう場合があった。未露光部位への酸の拡散は、正確なパターンを得るための弊害となり、場合によっては、パターンが崩れる現象が発生していた。
しかしながら、シロキサン系又はシルセスキオキサン系等のケイ素含有高分子化合物を主成分とする基材樹脂を用いたレジスト組成物においては、カルバメート基、アミド基等を有する窒素系の有機塩基性化合物をクエンチャーとして用いた場合には、酸発生剤から発生した酸が未露光部位へ拡散することを完全に防止することができず、本来分解すべきでない未露光部位の基材樹脂まで分解してしまう場合があった。
また、シロキサン系又はシルセスキオキサン系等のケイ素含有高分子化合物を主成分とする基材樹脂を用いたレジスト組成物においては、カルバメート基、アミド基等を有する窒素系の有機塩基性化合物をクエンチャーとして用いた場合には、十分な経時安定性を得ることできず、とりわけ、経時変化による感度異常(所定の感度よりの変化)については、改善処方が強く望まれていた。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、クエンチング機能を十分に有しつつ、組成物の経時安定性が良好であり、とりわけ、保管中の経時変化による感度異常を防止することのできる感光性樹脂組成物及び当該組成物を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、十分なクエンチング機能を有するクエンチャーについて、鋭意研究を重ねた。その結果、ポリアミンをクエンチャーとして用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増加する基材樹脂(A)と、電磁波に感応して酸を発生する酸発生剤(B)と、前記酸を捕捉するクエンチャー(C)と、を含有する感光性樹脂組成物であって、前記基材樹脂(A)は、高分子ケイ素含有化合物を含み、前記クエンチャー(C)は、ポリアミンを含むものである感光性樹脂組成物。
(1)の感光性樹脂組成物は、ケイ素含有高分子化合物を含む基材樹脂(A)と、ポリアミンを含むクエンチャー(C)と、を組み合わせるものである。ポリアミンは、1分子に窒素原子を複数個含むことから、従来のカルバメート基、アミド基等を有する窒素系化合物と比較してクエンチング機能が高い。このため、酸発生剤(B)から発生する酸の拡散を抑制する能力が高いとともに、添加量を押さえることができる。その結果、(1)の感光性樹脂組成物の経時安定性が良好となり、とりわけ、保管中の経時変化による感度異常を防止することができる。
また、(1)の感光性樹脂組成物によれば、露光余裕度(EL)マージン、焦点深度(DOF)マージン、及び、直線解像度(LER)が向上する。つまり、(1)の感光性樹脂組成物から得られるレジストパターンの形状は、高アスペクト比であり、パターン倒れもなく、垂直性の高い良好なものとなる。したがって、プロセス余裕度が大きくなり、レジスト生産現場での扱いが容易となる上、微細なパターンの形成を達成することができる。
(2) 前記ポリアミンは、立体的に嵩高い構造を有するものである(1)記載の感光性樹脂組成物。
(2)の感光性樹脂組成物は、クエンチャー(C)として、立体的に嵩高い構造を有するポリアミンを含むものである。立体的に嵩高いポリアミンは、ベーク等により飛び難くい。このため、(2)の感光性樹脂組成物は、感度経時が良好となる。
(3) 前記ポリアミンは、テトラミンである(1)記載の感光性樹脂組成物。
(3)の感光性樹脂組成物は、クエンチャー(C)としてテトラミンを含むものである。テトラミンは、1分子に4個のアミンを有する。このため、他のクエンチャーと比較してクエンチング機能が高く、上記(1)の効果をより容易に得ることができる。
(4) 前記テトラミンは、ヘキサメチレンテトラミンである(1)から(3)いずれか記載の感光性樹脂組成物。
(4)の感光性樹脂組成物は、クエンチャー(C)としてヘキサメチレンテトラミンを含むものである。ヘキサメチレンテトラミンは、1分子に4個のアミンを有し、且つ、嵩高い構造を有する化合物である。このため、上記(1)及び(2)の両者の効果を、より容易に得ることができる。
(5) 前記クエンチャー(C)は、更に下記一般式(1)で示されるスルホニウム化合物を含むものである請求項1から4いずれか記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2007133266
(式中、
、R、及び、Rは、それぞれ独立に、アルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
(5)の感光性樹脂組成物は、クエンチャー(C)として、更に、特定のスルホニウム化合物を含むものである。特定のスルホニウム化合物は、従来の窒素系化合物によるクエンチャーを用いる場合と比較して、保管時における組成物中のpHの移動を少なくすることができる。このため、レジスト組成物の経時安定性が良好となり、とりわけ、保管中の経時変化による感度異常を防止することができる。
(6) 前記スルホニウム化合物は、下記一般式(2)で示されるトリフェニル化合物である(5)記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2007133266
(式中、
〜R18は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1から20のアルキル基を示す。)
(6)の感光性樹脂組成物は、クエンチャー(C)として、更に、特定のトリフェニルスルホニウム化合物を含むものである。トリフェニルスルホニウム化合物は、硫黄原子に、電子供与性を有するフェニル基が3つ結合しているため、保管中においては塩基の発生が少なく、ひとたび電磁波が照射されると、電磁波に感応して塩基を発生する性質を有する。したがって、特定のトリフェニルスルホニウム化合物をクエンチャー(C)として用いることにより、保管時における組成物中のpHの移動をより少なくすることができ、上記(5)の効果を容易に得ることができる。
(7) 前記スルホニウム化合物は、下記一般式(3)で示されるトリシクロヘキシル化合物である(5)記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2007133266
(式中、
19〜R48は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1から20のアルキル基を示す。)
(7)の感光性樹脂組成物は、クエンチャー(C)として、更に、特定のトリシクロヘキシルスルホニウム化合物を含むものである。トリシクロヘキシルスルホニウム化合物は、硫黄原子に、嵩高いトリシクロヘキシル基が3つ結合しているため、立体障害性を有する化合物である。このため、保管中においては他化合物からの攻撃を抑えるため塩基の発生が少なく、電磁波が照射されて初めて、電磁波に感応して塩基を発生する。したがって、特定のトリシクロヘキシルスルホニウム化合物をクエンチャー(C)として用いることにより、保管時における組成物中のpHの移動をより少なくすることができ、上記(5)の効果を容易に得ることができる。
(8) 前記基材樹脂(A)は、シルセスキオキサン樹脂を含むものである(1)から(7)いずれか記載の感光性樹脂組成物。
(8)の感光性樹脂組成物は、シルセスキオキサン樹脂を含む基材樹脂(A)とすることにより、保管時の感度異常を代表とする経時特性の低下を回避することができるとともに、酸素プラズマに対する耐性が高く、かつ、断面形状に優れたパターンを得ることができる。
(9) 前記基材樹脂(A)は、HSiO3/2単位と、RSiO3/2単位とを含むシルセスキオキサン樹脂を含むものであり、Rは下記一般式(4)で示される酸解離性を有する基である(1)から(8)いずれか記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2007133266
(式中、
49は、それぞれ独立に、連結基であり、
50は、第二の連結基であり、
Lは、炭素数1から10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、炭素数2から20のフルオロアルキレン基、置換又は無置換アリーレン基、置換又は無置換シクロアルキレン基、及び、置換又は無置換アルカリーレン基からなる群より選ばれるものであり、
51は、水素原子、又は、直鎖状又は分岐状のアルキル基又はフルオロアルキル基であり、
52は、アルキル基又はフルオロアルキル基であり、
Zは、酸により解離する基であり、
gは、0又は1の整数を示し、
hは、0又は1の整数を示し、
kは、0又は1の整数を示す。)
(9)の感光性樹脂組成物は、特定の酸解離性を有する基を含むシルセスキオキサン樹脂を基材樹脂(A)とすることにより、エッチング耐性、透明性、解像度、感度、焦点余裕度、ラインエッジラフネス、及び、接着性等のリソグラフィー特性を向上させることができる。
(10) 前記酸発生剤(B)の含有量は、前記基材樹脂(A)100質量部に対して0.5質量部以上30質量部以下である(1)から(9)いずれか記載の感光性樹脂組成物。
(10)の感光性樹脂組成物は、酸発生剤(B)の含有量を、基材樹脂(A)100質量部に対して0.5質量部以上30質量部以下とするものである。酸発生剤(B)の含有量を0.5質量部以上とすれば、露光工程における酸の発生を確実に行い、組成物を形成する基材樹脂(A)を適度に分解し、アルカリ水溶液に対する溶解性を維持することが可能となることから、パターンの形成を十分に行うことができる。また、30質量部以下とすれば、均一な溶液を得ることができることから、保存安定性を向上させることができる。
(11) 前記クエンチャー(C)の含有量は、前記基材樹脂(A)100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下である(1)から(10)いずれか記載の感光性樹脂組成物。
(11)の感光性樹脂組成物は、クエンチャー(C)の含有量を、前記基材樹脂(A)100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下とすることにより、露光工程で発生した酸が未露光部位に拡散することを回避し、パターンの損傷又はパターンの崩れを防止することができる。
(12) 前記ポリアミンと前記スルホニウム化合物のモル比は、1:0.5〜1:10の範囲である(5)から(11)いずれか記載の感光性樹脂組成物。
(12)の感光性樹脂組成物は、クエンチャー(C)として用いるポリアミンとスルホニウム化合物のモル比を1:0.5〜1:10の範囲とすることにより、ポリアミンの有する上記(1)の効果と、スルホニウム化合物の有する上記(5)の効果を、それぞれの効果を損なうことなく、バランスよく発現させることができる。
(13) 更に有機酸(D)を、前記基材樹脂(A)100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下含む(1)から(12)いずれか記載の感光性樹脂組成物。
(13)の感光性樹脂組成物は、有機酸(D)を、前記基材樹脂(A)100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下含むことにより、クエンチャー(C)の添加による感度の劣化、基板への依存性、レジストパターンの形状、引き置き経時安定性等を向上することができる。
(14) 前記感光性樹脂組成物は、レジスト用組成物である(1)から(13)いずれか記載の感光性樹脂組成物。
(14)の感光性樹脂組成物は、レジストの形成用途に用いられる。本発明の感光性樹脂組成物によれば、保管中等の経時変化による感度異常を防止することができるとともに、高アスペクト比であり、パターン倒れもなく、垂直性の高い良好な形状を有するレジストパターンを得ることができる。
(15) 前記感光性樹脂組成物は、二層レジストシステムの上層レジスト用組成物である(1)から(14)いずれか記載の感光性樹脂組成物。
(15)の感光性樹脂組成物は、二層レジストシステムの上層レジストとして用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、当該組成物を塗布して得られる塗布層の厚みを小さくした場合であっても、十分な耐エッチング性を備える。したがって、エッチング耐性を付与する目的で三層システムとする必要がなく、パターン形成における作業工程を簡易なものとすることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、アスペクト比の高いパターンを形成する場合であっても、上層膜を薄膜化することができる。一般的に、上層膜を薄膜化した場合には、解像性が向上する一方で、ラインエッジラフネスやホールパターンのエッジラフネス等のエッジラフネスが顕著となる傾向にある。しかしながら、本発明の感光性樹脂組成物からなる上層膜は、薄膜化した場合であっても好適なアルカリ溶解性を発揮するため、高い解像性を得られるとともに、エッジラフネスの発生を低減することができる。
(16) 前記感光性樹脂組成物は、下層を有機系高分子膜とする二層レジストシステムの上層レジスト用組成物である(1)から(15)いずれか記載の感光性樹脂組成物。
(16)の感光性樹脂組成物は、下層を有機系高分子膜とする二層レジストシステムの上層レジスト用として用いられる。下層を有機系高分子膜とすることにより、酸素系のプラズマ及び/又は反応性イオンによりエッチングすることが可能となるため、昨今の環境問題に対処することができる。
(17) リソグラフィーにより被加工膜上にパターンを形成する方法であって、被加工膜上に下層膜を形成する下層膜形成工程と、(1)から(13)いずれか記載の感光性樹脂組成物を前記下層膜上に塗布して上層膜を得る上層膜形成工程と、前記上層膜に露光を行ない、少なくとも一部を露光域とする露光膜を得る露光工程と、前記露光膜を現像液によって処理し、前記上層膜の露光域を選択的に溶解させて、前記感光性樹脂組成物からなるパターンが形成されたレジスト膜を得る現像工程と、を含むパターン形成方法。
(17)のパターン形成方法は、本発明の感光性樹脂組成物を用いて、下層膜形成工程、上層膜形成工程、露光工程、現像工程を経て、二層レジストシステムによるリソグラフィーにてパターンを形成する方法である。本発明の感光性樹脂組成物は、塗布して得られる塗布層の厚みを小さくした場合であっても、十分な耐エッチング性を備えるとともに、アスペクト比の高いパターンを形成する場合であっても、上層膜を薄膜化することができる。したがって、二層レジストシステムによるパターン形成方法によって、高感度、高解像度で、良好な断面形状を有し、ラインエッジラフネスやホールパターンのエッジラフネス(まとめてエッジラフネスというときがある)の小さいパターンを与えることが可能となる。
(18) 前記下層膜は、有機系高分子膜である(17)記載のパターン形成方法。
(19) 前記現像工程の後に、前記レジスト膜をマスクとして、プラズマ及び/又は反応性イオンにより前記下層膜をエッチングするエッチング工程を含む(17)又は(18)記載のパターン形成方法。
(19)のパターン形成方法は、本発明の感光性樹脂組成物からなる上層レジスト膜のパターンをマスクとして、下層膜をエッチングする。本発明の感光性樹脂組成物からなるレジスト膜は、十分なエッチング耐性を有することから、高いアスペクト比の下層膜のパターンが得られるとともに、解像度が稼げ、焦点深度の問題を回避することができる。
(20) 前記プラズマ及び/又は反応性イオンは、酸素を含むものである(19)記載のパターン形成方法。
(20)のパターン形成方法は、プラズマ及び/又は反応性イオンとして、酸素を含むものを用いる。酸素を含むプラズマ及び/又は反応性イオンは、汎用的に用いられているため、入手が容易な点で有利となる。また、高い解像度のパターンを得ることができる。尚、酸素を含むプラズマ及び/又は反応性イオンを用いる場合には、基材樹脂(A)としてシルセスキオキサン樹脂を選択して組み合わせることにより、高い耐エッチング性を実現することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、酸発生剤から発生する酸の拡散を抑制する能力が高いため、従来の窒素系化合物によるクエンチャーを用いる場合と比較して、高アスペクト比であり、パターン倒れもなく、垂直性の高い良好な形状のレジストパターンを得ることができる。
また、(1)の感光性樹脂組成物によれば、露光余裕度(EL)マージン、焦点深度(DOF)マージン、及び、直線解像度(LER)が向上する。したがって、プロセス余裕度が大きくなり、レジスト生産現場での扱いが容易となる上、微細なパターンの形成を達成することができる。
また、シロキサン系又はシルセスキオキサン系等のケイ素含有高分子化合物を主成分とする基材樹脂を用いたレジスト組成物の場合であっても、組成物の経時安定性が良好であり、とりわけ、保管中の経時変化による感度異常を防止することができる。
更に、本発明の感光性樹脂組成物からなる上層膜は、薄膜化した場合であっても好適なアルカリ溶解性を発揮するため、高い解像度が得られるとともに、エッジラフネスの発生を低減することができる。
<感光性樹脂組成物(レジスト組成物)>
以下、本発明の感光性樹脂組成物について説明する。本発明の感光性樹脂組成物(以下、「ポジ型レジスト組成物」あるいは「レジスト組成物」という場合がある)は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する基材樹脂(A)と、電磁波に感応して酸を発生する酸発生剤(B)と、発生した酸を補足するクエンチャー(C)と、を含む。
[基材樹脂(A)]
本発明の基材樹脂(A)は、ケイ素含有高分子化合物を含む樹脂である。ケイ素含有高分子化合物としては、特に限定されるものではないが、本発明においては、例えば、主鎖にSi−O結合を有するシロキサン系高分子化合物、主鎖にSi−C結合を有するシリコンカーバイド系高分子化合物、主鎖にSi−Si結合を有するポリシラン系高分子化合物、および主鎖にSi−N結合を有するシラザン系高分子化合物等を挙げることができる。また、これらの任意の混合物を用いることもできる。用いられる被加工膜(基板)との選択比が大きくなるよう、適宜、化合物を選択することが可能である。
また、本発明においては、基材樹脂(A)としては、ケイ素含有高分子化合物以外に、公知の各種樹脂を更に含んでいてもよい。
本発明における基材樹脂(A)としては、シロキサン系高分子化合物が好ましく、特にシルセスキオキサン樹脂(A1)を主成分とする樹脂が好ましい。基材樹脂(A)の主成分をシルセスキオキサン樹脂とすれば、保管時の感度異常を代表とする経時特性の低下を回避しつつ、酸素プラズマに対する耐性が高め、かつ、耐熱性に優れるものとできることから、加熱工程を経ても断面形状の優れたパターンを得ることができる。なお、基材樹脂(A)中のシルセスキオキサン樹脂(A1)の割合は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、100質量%が最も好ましい。
好ましいシルセスキオキサン樹脂(A1)としては、HSiO3/2単位と、RSiO3/2単位とを含み、Rは下記一般式(4)で示される酸解離性を有する基であるシルセスキオキサン樹脂が挙げられる。
Figure 2007133266
(式中、
49は、それぞれ独立に、連結基であり、
50は、第二の連結基であり、
Lは、炭素数1から10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、炭素数2から20のフルオロアルキレン基、置換又は無置換アリーレン基、置換又は無置換シクロアルキレン基、及び、置換又は無置換アルカリーレン基からなる群より選ばれるものであり、
51は、水素原子、又は、直鎖状又は分岐状のアルキル基又はフルオロアルキル基であり、
52は、アルキル基又はフルオロアルキル基であり、
Zは、酸により解離する基であり、
gは、0又は1の整数を示し、
hは、0又は1の整数を示し、
kは、0又は1の整数を示す。)
[酸発生剤(B)]
酸発生剤(B)としては、従来化学増幅型レジストにおける酸発生剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。酸発生剤(B)としては、例えば、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類、ジアゾメタンニトロベンジルスルホネート類などのジアゾメタン系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などを挙げることができる。また、本発明においては、酸発生剤(B)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸発生剤(B)の配合量は、基材樹脂(A)100質量部に対して、0.5質量部以上30質量部以下、好ましくは1質量部以上10質量部以下である。0.5質量部以上とすることによりパターン形成が十分に行われ、30質量部以下とすることにより、均一な溶液が得られることから、保存安定性が向上する。
オニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。これらの中では、フッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を好ましく用いることができる。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリル、ビス−O−(n−ブチルスルホニル)−α−ジメチルグリオキシムなどが挙げられる。これらの中では、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、ビス−O−(n−ブチルスルホニル)−α−ジメチルグリオキシムを好ましく用いることができる。
ジアゾメタン系酸発生剤の具体例としては、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタンなどの炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基を有するビスアルキルスルホニルジアゾメタン;ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンなどの炭素数5〜6の環状アルキル基を有するビスアルキルスルホニルジアゾメタン;ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタンなどのアリール基を有するビスアリールスルホニルジアゾメタン等を挙げることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類として、例えば、下記一般式(5)で示される構造を持つ、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(A=3の場合)、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン(A=4の場合)、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(A=6の場合)、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(A=10の場合)、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン(B=2の場合)、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(B=3の場合)、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(B=6の場合)、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(B=10の場合)などを挙げることができる。
Figure 2007133266
本発明において、酸発生剤(B)としてオニウム塩を用いる場合には、焦点深度幅や露光マージンに優れる点で好ましい。また、ジアゾメタンを用いる場合には、レジストホールパターンのサキュラリティ(circularity)を向上したり、断面パターンの定在波を抑制できる点で好ましい。
また、本発明において、酸発生剤(B)として、炭素数が3又は4のパーフルオロアルキルスルホネートをアニオンとするオニウム塩系酸発生剤(以下、C3〜4オニウム塩と略記することがある)を含有させると、マスクリニアリティが良くなり、様々なサイズが混在するパターンであっても、マスクに忠実に再現することができるため好ましい。また、近接効果、DOF、露光マージン等にも優れたものを得ることができるため好ましい。パーフルオロアルキルスルホネートのアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよいが、直鎖状が好ましい。
酸発生剤(B)としてC3〜4オニウム塩を配合する場合には、酸発生剤(B)全体に対するC3〜4オニウム塩の配合量は、50〜100質量%がとすることが好ましい。
また、酸発生剤(B)としてC3〜4オニウム塩を配合する場合には、更に、炭素数が1のパーフルオロアルキルスルホネートをアニオンとする、オニウム塩系酸発生剤(以下、C1オニウム塩と略記することがある)を併用することが好ましい。
また、本発明の効果の点からは、オニウム塩の中でも、スルホニウム塩を用いることが望ましい。
さらに、スルホニウム塩の中では、トリフェニルスルホニウム塩が好ましく用いられる。トリフェニルスルホニウム塩を配合する場合の配合量は、酸発生剤(B)全体に対して、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%とする。
とりわけ、オニウム塩とジアゾメタンを混合した場合には、焦点深度幅や露光マージンを損なうことなく、レジストホールパターンのサキュラリティ(circularity)を向上でき、また、断面パターンの定在波を抑制することができるため好ましい。この混合物を用いる場合には、混合物におけるオニウム塩含有量が、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜70モル%である。
また、トリフェニルスルホニウム塩のうち、特に、下記一般式(6)で示される、パーフルオロアルキルスルホン酸イオンをアニオンとするトリフェニルスルホニウム塩は、高感度化できることから、好ましく用いられる。
Figure 2007133266
(式中、
11、R12、R13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8、好ましくは1〜4の低級アルキル基、又は塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子であり、
pは1〜12、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4の整数を示す。)
[クエンチャー(C)]
本発明のポジ型の感光性樹脂組成物は、経時安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物において酸発生剤(B)から発生した酸を捕捉するクエンチャー(C)を含む。
クエンチャー(C)の含有量は、基材樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上5.0質量部以下、更に好ましくは0.05質量部以上4.0質量部以下、特に好ましくは0.1質量部以上3.0質量部以下の範囲である。
本発明においては、クエンチャー(C)として、ポリアミンを含むものが用いられる。ポリアミンとしては、1分子中にあるアミンの窒素の数が複数個であれば、特に限定されるものではなく、脂肪族アミン、芳香族アミンのいずれであってもよい。本発明に用いられるポリアミンのアミンの窒素の個数は、2個以上が好ましく、3個以上が更に好ましく、4個以上が特に好ましい。
また、ポリアミンを形成するアミンの種類は特に限定されるものではなく、それぞれ独立に、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンのいずれであってもよい。また、アミンを形成する窒素原子に結合するアルキル基は、特に限定されるものではない。本発明においては、炭素数12以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基(アルキルアミン又はアルキルアルコールアミン)を挙げることができる。
更に、ポリアミンの分子形状は特に限定されるものではなく、鎖状であっても分岐状であってもよいが、本発明においては、立体的に嵩高い構造を有するポリアミンを、好ましく用いることができる。
本発明に用いられるポリアミンの具体例としては、例えば、脂肪族ポリアミン類、芳香族ポリアミン類を挙げることができる。前記脂肪族ポリアミン類としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。前記芳香族ポリアミンとしては、フェニレンジアミン、キシレンジアミン、トルイレンジアミン、ナフタレンジアミン、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン等が挙げられる。これらのポリアミンは、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中では、下記一般式(7)で示されるヘキサメチレンテトラミンが特に好ましい。
Figure 2007133266
本発明におけるクエンチャー(C)としては、ポリアミンの1種または2種以上の使用であってもよいし、ポリアミンとそれ以外の化合物の1種以上とを、組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、クエンチャー(C)の成分としては、例えば、ポリアミン以外の含窒素有機化合物を組み合わせ使用することができる。好ましい含窒素有機化合物しては、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミン等の含窒素有機化合物が挙げられる。
脂肪族アミンの具体例としては、アンモニア(NH)の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミン又はアルキルアルコールアミン)が挙げられる。更に具体的には、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。
更に、本発明においては、クエンチャー(C)として、ポリアミンと共に、下記一般式(1)で示されるスルホニウム化合物を組み合わせて用いることが好ましい。
Figure 2007133266
(式中、
、R、及び、Rは、それぞれ独立に、アルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
上記一般式(1)で示されるスルホニウム化合物の好ましい例としては、下記一般式(2)で示されるトリフェニル化合物が挙げられる。
Figure 2007133266
(式中、
〜R18は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1から20のアルキル基を示す。)
また、上記一般式(1)で示されるスルホニウム化合物の別の好ましい例としては、下記一般式(3)で示されるトリシクロヘキシル化合物が挙げられる。
Figure 2007133266
(式中、
19〜R48は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1から20のアルキル基を示す。)
本発明において、クエンチャー(C)としてポリアミンと上記のスルホニウム化合物とを併用する場合には、ポリアミンとスルホニウム化合物のモル比は、1:0.5〜1:10の範囲であることが好ましい。更に好ましくは1:1〜1:8であり、1:1〜1:6が最も好ましい。
<その他成分>
本発明の感光性樹脂組成物は、基材樹脂(A)、酸発生剤(B)、及び、クエンチャー(C)以外に、任意成分を更に含んでいてもよい。任意成分としては、例えば、有機酸(D)、溶解抑制剤、その他添加剤等が挙げられる。
[有機酸(D)]
本発明の感光性樹脂組成物は、クエンチャー(C)の配合による感度劣化を防ぎ、また、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等を向上させる目的で、任意の成分として、有機酸(D)を含有させることができる。用いられる有機酸(D)としては、特に限定されるものではなく、例えば、有機カルボン酸、又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体を挙げることができる。なお、有機酸(D)は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
有機酸(D)を配合する場合の含有量は、基材樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上5.0質量部以下、更に好ましくは0.05質量部以上4.0質量部以下、特に好ましくは0.1質量部以上3.0質量部以下の範囲である。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などを好適に用いることができる。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体;ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体;ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中では特にホスホン酸が好ましい。
[その他添加剤]
本発明の感光性樹脂組組成物には、更に、所望により、組成物と混和性のある添加剤、例えば得られるレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを含有させることができる。
〔溶解抑制剤〕
本発明の感光性樹脂組成物においては、溶解抑制剤は任意の成分となる。溶解抑制剤を感光性樹脂組成物に含有させた場合には、ラインエッジラフネスを効果的に向上させることができる。
溶解抑制剤を配合する場合には、1種単独であっても、2種以上を混合して用いてもよい。また、本発明の感光性樹脂組成物に溶解抑制剤を含有させる場合には、その含有量は、基材樹脂(A)100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下の範囲とすることが好ましく、10質量部以上30質量部以下の範囲とすることがより好ましい。溶解抑制剤の含有量を下限値以上とすることにより、添加効果を十分に得ることができる。一方で、上限値以下とすることにより、パターン形状の劣化や、リソグラフィー特性の悪化を抑制することができる。
溶解抑制剤としては、例えば、フェノール性水酸基又はカルボキシ基の水素原子の少なくとも1つが酸解離性溶解抑制基で置換された化合物を挙げることができ、3成分系の化学増幅型ポジ型レジスト組成物において既に用いられている、公知の溶解抑制剤を使用することができる。溶解抑制剤としては、質量平均分子量が1000以下のものが好ましい。
溶解抑制剤を構成し得るフェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノール性水酸基を3〜5個有するポリフェノール化合物、例えば、核置換基としてヒドロキシル基を有するトリフェニルメタン系化合物、ビス(フェニルメチル)ジフェニルメタン系化合物、1,1−ジフェニル−2−ビフェニルエタン系化合物を挙げることができる。また、フェノール、m−クレゾール、2,5−キシレノールから選ばれる少なくとも1種のフェノール類をホルマリン縮合して得られる2〜6核体も用いることができる。
また、カルボキシ基が酸解離性溶解抑制基で保護されたカルボキシル化合物としては、例えば、ビフェニルカルボン酸、ナフタレン(ジ)カルボン酸、ベンゾイル安息香酸、アントラセンカルボン酸などが挙げられる。
中でも、下記一般式(8)で示される化合物(以下、「DR1」という)を用いることが望ましい。
Figure 2007133266
(式中、Rは、CHCOO−tertブチル基を示す。)
[有機溶剤]
本発明の感光性樹脂組成物は、基材樹脂(A)、酸発生剤(B)、クエンチャー(C)、及び、所望に応じて上述の任意成分を、好ましくは有機溶剤に溶解させて製造される。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とできるものであればよい。本発明においては、従来、化学増幅型レジストの溶剤として用いられている、公知の任意の有機溶剤を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではなく、被加工膜等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定することができる。一般的には、感光性樹脂組成物(レジスト組成物)の固形分濃度が2質量%以上20質量%以下、好ましくは5質量%以上15質量%以下の範囲内となるように用いられる。
有機溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
本発明においては、有機溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と、極性溶剤と、を混合した混合溶剤を用いることが好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは、1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲である。
また、本発明においては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)と、PGMEよりも高沸点の溶剤と、の混合溶剤を好ましく用いることもできる。これにより、ラインエッジラフネス、ラインワイズラフネス(ラインの左右の幅の不均一性)等のレジストパターン形状を向上させることができる。また、同時に、コンタクトホールでの焦点深度幅(DOF)を広げることができる。
PGMEよりも高沸点の溶剤としては、例えば、上記に例示した溶剤のうち、その沸点が、PGMEの沸点である120℃を超えるもの、好ましくはその沸点が20℃以上高いもの、より好ましくは25℃以上高いものを用いる。また、該沸点の上限値としては、特に制限はないが、およそ200℃以下であることが好ましい。このような溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、EL(沸点155℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)等が挙げられる。混合溶剤中のPGMEの配合量は、混合溶剤全体に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上40質量%以下が更に好ましい。混合溶剤中のPGMEの配合量がこの範囲内にあると、上記した効果に優れる。
<二層レジストシステム>
本発明の感光性樹脂組成物は、二層レジストを用いて支持体をパターニングする方法に好適に用いることができる。本発明のレジスト組成物を二層レジストシステムの上層材料として用いた場合には、高感度、高解像度で、良好な断面形状を有し、ラインエッジラフネスやホールパターンのエッジラフネス(まとめてエッジラフネスというときがある)の小さいパターンを与えることが可能となる。
[二層レジストシステムのレジスト積層体]
二層レジストシステムのレジスト積層体は、被加工膜(図1(b)の1)上に、アルカリ現像液に対して不溶性であり、且つドライエッチング可能な下層膜(図1(b)の2)と、本発明の感光性樹脂組成物からなる上層膜(図1(b)の3)とが積層されたものである。
二層レジストシステムのレジスト積層体における、上層膜3及び下層膜2の厚さは、目的とするアスペクト比と下層膜2のドライエッチングに要する時間を考慮したスループットのバランスから適宜選択することができるが、一般的には、上層膜3及び下層膜2のア厚みの合計として、好ましくは15μm以下、より好ましくは5μm以下である。厚みの合計の下限値は特に限定されないが、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.35μm以上である。
上層膜3の厚さは、好ましくは50nm以上1000nm以下、より好ましくは50nm以上800nm以下、更に好ましくは100nm以上500nm以下である。上層膜3の厚さをこの範囲内とすることにより、レジストパターンを高解像度で形成でき、また、ドライエッチングに対する十分な耐性が得られる等の効果を有する。
下層膜2の厚さは、好ましくは200nm以上20000nm以下、より好ましくは300nmnm以上8000nm以下、更に好ましくは400nm以上5000nm以下である。下層膜2の厚さをこの範囲内とすることにより、高アスペクト比のレジストパターンが形成でき、また、被加工膜のエッチング時に十分なエッチング耐性が確保できる等の効果を有する。
本発明の二層レジストシステムによるパターン形成方法においては、例えば、上層膜3の厚みを50nm以上1000nm以下、下層膜2の厚みを200nm以上20000nm以下とすることができる。本発明においては、このような厚膜であっても、パターン幅を小さくすることができ、高アスペクト比のパターン(下層膜2のパターン)を形成することができる。したがって本発明の感光性樹脂組成物を用いて得られるパターンは、電子線用、磁性膜のパターン形成用や、その他マイクロマシニング用途等、特に微細加工が要求される分野に好適に用いることができる。
レジストパターンが形成されたレジスト積層体としては、アスペクト比が高いパターンを、パターン倒れ等を起こすことなく形成されることが望まれる。高いアスペクト比を有するパターンであるほど、被加工膜への微細パターン形成を、より精度良く行うことができるためである。
ここでいうアスペクト比とは、レジストパターンのパターン幅xに対する、下層膜2の高さyの比(y/x)である。尚、レジストパターンのパターン幅xは、下層膜2に転写した後のパターン幅と同じである。
パターン幅とは、レジストパターンがラインアンドスペースパターン、孤立ラインパターン等のライン状パターンである場合には、凸条(ライン)の幅をいう。レジストパターンがホールパターンである場合には、パターン幅は、形成された孔(ホール)の内径をいう。また、レジストパターンが円柱状ドットパターンである場合には、その直径をいう。なお、これらのパターン幅は、いずれもパターン下方の幅である。
本発明のポジ型レジスト組成物によれば、高アスペクト比のパターンを容易に与えることができる。ドットパターン又は孤立ラインパターンの場合には、例えば膜厚2.5μmの下層膜に対して、従来のレジスト組成物では達成することができないアスペクト比8以上20以下のドットパターン又は孤立ラインパターンを作成することができる。トレンチパターンの場合には、例えば膜厚2.5μmの下層膜に対して、通常のレジスト組成物では達成することができないアスペクト比10以上20以下のトレンチパターンを作成することができる。いずれも、従来のレジスト組成物では、アスペクト比5付近が限界である。
<二層レジストシステムによるパターン形成>
図1に、本発明のリソグラフィーにより被加工膜上にパターンを形成する方法の工程図を示す。本実施形態においては、下層膜形成工程(図1(a))、上層膜形成工程(図1(b))、第一焼成工程(図示せず))、露光工程(図1(c))、第二焼成工程(図示せず)、及び、現像工程(図1(d))、エッチング工程(図1(e)及び(f))が存在する。以下、それぞれの工程を説明する。
[下層膜形成工程]
図1(a)は、本実施形態にかかるパターン形成方法の下層膜形成工程を示す図である。下層膜形成工程においては、被加工膜1に、下層膜2を形成するための材料を塗布し、下層膜2を得る。
本発明において用いられる被加工膜1の材料は、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができ、本発明によって得られるパターンのその後の用途にあわせて、適宜選択することが可能である。本発明においては、例えば、電子部品用の被加工膜や、これに所定の配線パターンが形成された膜等を挙げることができ、更に詳しくは、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属製の被加工膜や、ガラス被加工膜等を挙げることができる。また、配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金などが使用可能である。
被加工膜1上に下層膜2を形成するための材料を塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、下層膜2を形成する材料に応じて、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等を適宜選択することができる。スピンナー等を用いて回転塗布する場合には、好ましくは180度以上300℃以下の温度条件において、30秒以上300秒以下の時間、更に好ましくは60秒以上180秒以下の時間、焼成処理を行うことが望ましい。
尚、本実施形態においては、得られた下層膜2と、後述する上層膜3との間に、有機系又は無機系の反射防止膜が設けられていてもよい。
下層膜2を形成するための材料としては、特に限定されるものではなく、露光後の現像の際に用いられるアルカリ現像液に対して不溶性であり、且つ、従来のドライエッチング法でエッチング可能な材料であればよい。また、下層膜2を形成する材料は、上層膜3を形成する材料(本発明の感光性樹脂組成物)のように、感光性を必ずしも必要とするものではない。本発明においては、半導体素子や液晶表示素子の製造において、下地材として一般的に用いられている、レジスト組成物や樹脂溶液を用いることができる。
中では、酸素系のプラズマ及び/又は反応性イオンによりエッチングできる点で、昨今の環境問題に対応できるため、有機系高分子膜を形成する有機系高分子のレジスト組成物や樹脂溶液を用いることが好ましい。
このような下層膜2を形成するための材料としては、ノボラック樹脂、アクリル樹脂及び可溶性ポリイミドからなる群から選択される少なくとも一種を主成分とするものが好ましく用いられる。これらの樹脂を主成分とする材料は、酸素プラズマによるエッチングを行いやすいと同時に、後工程におけるシリコン被加工膜等のエッチングの際に一般的に用いられるフッ化炭素系ガスに対する耐性が強い。
とりわけ、ノボラック樹脂、及び側鎖に脂環式部位又は芳香族環を有するアクリル樹脂は、安価で汎用的に用いられ、且つ、後工程のフッ化炭素系ガスによるドライエッチング耐性に優れる点で、特に好ましく用いられる。
下層膜2を形成するための好ましい材料であるノボラック樹脂としては、ポジ型レジスト組成物に一般的に用いられているものが使用可能であり、ノボラック樹脂を主成分として含むi線やg線用のポジ型レジストを使用することも可能である。
ここで、ノボラック樹脂とは、例えば、フェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という。)と、アルデヒド類と、を酸触媒下で付加縮合させることにより得られる樹脂である。
フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
またアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等を使用することができる。
このようにして得られたノボラック樹脂の質量平均分子量(Mw)は、通常3000以上10000以下、好ましくは6000以上9000以下、更に好ましくは7000以上8000以下の範囲内であることが望ましい。質量平均分子量が3000未満であると、高温でベークしたときに昇華してしまうことがあり、また、質量平均分子量が10000を超えると、ドライエッチングしにくくなる傾向があり、好ましくない。
ノボラック樹脂は、市販されているものを使用することもでき、市販樹脂としては、例えば、BLC−100(商品名;東京応化工業社製)が挙げられる。とりわけ、質量平均分子量(Mw)が5000以上50000以下、好ましくは8000以上30000以下であるとともに、分子量500以下、好ましくは200以下の低核体の含有量が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)において1質量%以下、好ましくは0.8質量%以下であるノボラック樹脂を用いることが好ましい。低核体の含有量は、少ないほど好ましく、望ましくは0質量%である。
ノボラック樹脂のMwを50000以下とすることにより、微細な凹凸を有する被加工膜に対する良好な埋め込み特性が優れ、一方で、Mwを5000以上とすることにより、フッ化炭素系ガス等に対するエッチング耐性に優れる。
また、分子量500以下の低核体の含有量が1質量%以下であることにより、微細な凹凸を有する被加工膜に対する埋め込み特性が良好になる。低核体の含有量が低減されていることにより埋め込み特性が良好になる理由は明らかではないが、分散度が小さくなるためと推測される。
ここで、「分子量500以下の低核体」とは、ポリスチレンを標準としてGPC法により分析した際に、分子量500以下の低分子フラクションとして検出されるものである。「分子量500以下の低核体」には、重合しなかったモノマーや、重合度の低いもの、例えば、分子量によっても異なるが、フェノール類2〜5分子がアルデヒド類と縮合したものなどが含まれる。
分子量500以下の低核体の含有量(質量%)は、このGPC法による分析結果を、横軸にフラクション番号、縦軸に濃度をとってグラフとし、全曲線下面積に対する、分子量500以下の低分子フラクションの曲線下面積の割合(%)を求めることにより測定される。
下層膜2を形成するための好ましい材料であるアクリル樹脂としては、ポジ型レジスト組成物に一般的に用いられているものが使用可能であり、例えば、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位と、カルボキシ基を有する重合性化合物から誘導された構成単位と、を含有するアクリル樹脂を挙げることができる。
エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができる。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
カルボキシ基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシ基及びエステル結合を有する化合物等を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、下層膜2を形成するための好ましい材料である可溶性ポリイミドとは、上述のような有機溶剤により液状にできるポリイミドであればよい。
[上層膜形成工程]
図1(b)は、本実施形態にかかるパターン形成方法の上層膜形成工程を示す図である。本実施形態にかかる上層膜形成工程においては、上記で得られた下層膜2上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、感光性樹脂組成物の上層膜3を形成し、レジスト膜形成用積層体を得る。
下層膜2上に本発明の感光性樹脂組成物を塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法等を挙げることができる。
本実施形態のパターン形成方法においては、下層膜と上層膜が積層された二層レジストシステムによりレジストパターンを形成するため、アスペクト比の高いパターンを形成する場合であっても、上層膜を薄膜化することができる。
また、一般的に、上層膜を薄膜化した場合には、解像性が向上する一方で、ラインエッジラフネスやホールパターンのエッジラフネス等のエッジラフネスが顕著となる傾向にある。しかしながら、本発明の感光性樹脂組成物からなる上層膜は、薄膜化した場合であっても好適なアルカリ溶解性を発揮するため、高い解像度が得られるとともに、エッジラフネスの発生を低減することができる。
[第一焼成工程]
第一焼成工程においては、上層膜形成工程により下層膜2に設けられた感光性樹脂組成物からなる上層膜3を、焼成又は半焼成して、硬化膜又は半硬化膜を形成する。本発明における第一焼成工程は任意の工程であり、感光性樹脂組成物の種類等に応じて、必要であれば設ければよい。
焼成又は半焼成の条件は、特に限定されるものではない。例えば、70℃以上130℃以下の温度条件下で、40秒以上180秒以下の時間、好ましくは60秒以上90秒以下の時間、加熱することが望ましい。特に、ホワイトエッジの発生を防止するためには、第一焼成工程における加熱温度を、70℃以上90℃以下の程度とすることが効果的である。
[露光工程]
図1(c)は、本実施形態にかかるパターン形成方法の露光工程を示す図である。露光工程においては、第一焼成工程により焼成又は半焼成して得られた、感光性樹脂組成物からなる上層膜3に、フォトマスク4を介して露光(矢印で図示)を行ない、少なくとも一部を選択的に露光域とする露光膜を得る。
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる酸発生剤(A)は、露光に感応して酸を発生し、発生した酸の作用を受けた基材樹脂(A)は、アルカリ水溶液に対する溶解性が増加する。このため、露光域と未露光域との間には、現像液への溶解度の差が生じ、次工程の現像工程によって、露光域は溶解除去される。
用いられる露光装置は、特に限定されるものではない。露光に使用する光源としては、例えば、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、X線、軟X線等を挙げることができる。本発明においては、これらの中でも、KrFより短波長の電磁波を用いることが好ましく、特に、ArF、電子線を用いることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物からなる塗布層は、微細なレジストパターンが形成された場合にも、パターンのラインエッジラフネス及び断面形状の矩形性が良好であり、また、パターン倒れ等の問題を生じないため、高度の微細加工を図ることのできる点から、電子線を好適に用いることができる。
本発明の露光工程における露光方法は、光及び/又は熱を、上層膜の必要領域に適用できるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、フォトマスクを用いての選択的照射、電子線による描画等を挙げることができる。また、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされている、レンズと被加工膜上の上層膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光(液浸露光)を行う、いわゆる液浸露光(イマージョンリソグラフィー)を採用することもできる。
本発明の露光工程における露光条件は、特に限定されるものではない。露光に用いる光源及び方法に応じて、露光領域、露光時間、露光強度等を適宜選択することが可能である。
[第二焼成工程]
第二焼成工程においては、少なくとも一部を露光域とした露光膜を、更に焼成する。本発明のパターン形成方法においては、第二焼成工程は任意の工程である。
第二焼成工程の焼成条件は、特に限定されるものではない。例えば、70度以上130度以下の温度条件下で、40秒から180秒の時間、好ましくは60秒から90秒の時間、加熱することが望ましい。
[現像工程]
図1(d)は、本実施形態にかかるパターン形成方法の現像工程を示す図である。現像工程においては、露光工程及び必要に応じて第二焼成工程を実施した露光膜の露光域を、現像液によって選択的に溶解し、感光性樹脂組成物からなるパターンが形成されたレジスト膜を得る。
図1(c)は、露光工程の露光に感応して、露光膜の露光域が溶解された状態である。上層膜3の露光域が溶解除去され、未露光域がパターンとして残る。
現像工程において用いられるアルカリ現像液は、特に限定されるものではない。例えば、0.05質量%以上10質量%以下、好ましくは0.05質量%以上3質量%以下のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いることができる。本実施形態においては、現像工程により、マスクパターンに忠実なレジストパターンを、上層膜に形成することができる。
本実施形態により得られるレジストパターンの形状は、高アスペクト比であり、パターン倒れもなく、垂直性の高い良好なものである。
[エッチング工程]
図1(e)及び(f)は、エッチング工程を示す図である。エッチング工程においては、パターンが形成されたレジスト膜を有する積層体に対し、パターンをマスクとして、プラズマ及び/又は反応性イオン(矢印で図示)を照射して、下層膜をエッチングにより除去する。
エッチング工程において使用されるプラズマ及び/又は反応性イオンのガスは、ドライエッチング分野で通常用いられているガスであれば、特に限定されるものではない。例えば、酸素、ハロゲン、二酸化硫黄等を挙げることができるが、得られるパターンの解像度が高いこと、汎用的に用いられていることから、酸素を含むプラズマ及び/又は反応性イオンを用いることが好ましい。尚、酸素を含むプラズマ及び/又は反応性イオンを用いる場合には、基材樹脂(A)としてシルセスキオキサン樹脂を選択すると、高い耐エッチング性が実現できる。
エッチングの方法としては、特に限定されるものではない。例えば、ダウンフローエッチングやケミカルドライエッチング等の化学的エッチング;スパッタエッチングやイオンビームエッチング等の物理的エッチング;RIE(反応性イオンエッチング)等の化学的・物理的エッチングなどの公知の方法を用いることができる。
最も一般的なドライエッチングとしては、平行平板型RIEが挙げられる。この方法では、先ず、RIE装置のチャンバーにレジストパターンが形成された積層体を入れ、必要なエッチングガスを導入する。チャンバー内において、上部電極と平行に置かれたレジスト積層体のホルダーに高周波電圧を加えると、ガスがプラズマ化される。プラズマ中には、正・負のイオンや電子などの電荷粒子、中性活性種などがエッチング種として存在している。これらのエッチング種が下部有機層に吸着すると、化学反応が生じ、反応生成物が表面から離脱して外部へ排気され、エッチングが進行する。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<合成例1>
[水素シルセスキオキサン(HSQ)溶液の調製]
濃縮HSOと発煙SOを用いてスルホン化することによって調製した100gのトルエンスルホン酸一水和物(TSAM)溶液を、脱水装置、温度計、マグネチックスタラーバー、窒素バブラーを備えた500mLフラスコに投入した。引き続き、トリクロロシラン(10g、0.075モル)の50gトルエン溶液を、連続して、強く撹拌しながらフラスコに滴下して混合物を得た。得られた混合物を、脱イオン水で少なくとも3回洗浄し、その後、有機相を抽出した。抽出した有機相の溶媒を、減圧下にてロータリーエバポレータで除去し、固形分量が5〜25%の範囲の水素シルセスキオキサン樹脂を得た。得られた樹脂溶液をHSQ溶液とする。
[酸解離性基の導入]
約0.1モルのビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−t−ブチルカルボキシレートと無水トルエン(50:50)とを混合し、オレフィン溶液を調製した。得られたオレフィン溶液に、200ppmの1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(白金、濃縮)を加えた。引き続き、このオレフィン溶液を、脱水装置、温度計、マグネチックスターラーバー、及び窒素バブラーを備えたフラスコに投入した。投入後、窒素パージし、上記で調製したHSQ溶液(0.33モルのHSQ含有)を、ゆっくりとオレフィン溶液に添加した。添加後、この系を緩やかに撹拌しながら8時間の還流を行った。脱水シリル化反応につき、1H−NMRを用いて、オレフィンピークが完全に無くなるまでモニターした。
[シルセスキオキサン樹脂の調製]
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、イソブチルケトン(MIBK)又はメチルn−アミルケトン(MAK)のような所望の溶媒で溶剤置換することにより、固形分量4〜45%の最終のシルセスキオキサン樹脂溶液を得た。
<実施例1>
[感光性樹脂組成物の調整]
合成例1で得られた樹脂(ZL−1001)100質量部、酸発生剤として下記一般式(9)で示される化合物(和光純薬工業(株)製、商品名:WPAG−469)4.5質量部、クエンチャーとして、ヘキサメチレンテトラミン0.125質量部及び下記一般式(10)で示されるトリフェニルスルホニウム化合物(以下TPS−OHという)1.5質量部、有機酸としてマロン酸0.36質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:プロピレングリコールモノメチルエーテル=8:2(質量比)の混合溶剤に溶解し、固形分濃度が5質量%となるように調製することにより、ポジ型の感光性樹脂組成物(レジスト組成物)を得た。感光性樹脂組成物の処方を表1に示す。尚、このときの、ヘキサメチレンテトラミンとTPS−OHとのモル比は、1:6であった。
Figure 2007133266
Figure 2007133266
得られた感光性樹脂組成物につき、(i)0℃と、(ii)60℃で6時間と、の2種類の保存を実施した。
[下層膜の形成]
シリコン被加工膜上に、下層膜材料として、BLC−720(東京応化工業社製)を、スピンナーを用いて塗布し、100℃及び180℃で各90秒間焼成処理を行うことにより、膜厚210nmの下層膜を形成した。
[感光性樹脂組成物の塗布]
得られた下層膜上に、上記で得られた感光性樹脂組成物(i)又は(ii)を、スピンナーを用いて塗布し、85℃で90秒間プレベーク処理をし、膜厚100nmの塗布膜をそれぞれ形成し、レジストパターン形成用積層体を得た。
[露光]
次いで、ArF露光装置(Nikon社製、商品名:NSR−S302A、NA(開口数):0.60、σ:2/3輪帯)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。
[現像]
照射後、95℃で90秒間ポストエキシポジャーベーク(PEB)処理し、更に、23℃にてアルカリ現像液(2.38モル%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で60秒間現像処理した。
[リンス]
引き続き、純水にて30秒間のリンス処理を行った後、100℃で60秒間ポストベークすることにより、レジストパターンを得た。得られたレジストパターンは、110nmの垂直なラインアンドスペース(L&S)パターンであった。
[評価]
〔感度経時〕
感度経時の評価にあたっては、0℃で保存した感光性樹脂組成物(i)と、60℃で6時間保存した感光性樹脂組成物(ii)のそれぞれにつき、露光量毎の線幅をプロットし、設計寸法になる感度(EOP)に相当する露光量の比((ii)/(i))を求めた。評価結果を表1に示す。
〔焦点深度(DOF)マージン〕
上記L&Sパターンが形成される前記EOPにおいて、焦点深度を適宜上下にずらし、上記と同様にしてレジストパターンを形成し、それぞれのパターンにつき、パターン倒れを生じることなく形成できる焦点深度の幅(μm)を求めた。
〔直線解像度(LER)〕
前記EOPにおいて得られた110nmL&Sパターンについて、ラインパターン側壁表面が不均一になるラインエッジラフネス(LER)の評価を行った。LERを示す尺度としては、側長SEM(日立製作所社製、商品名「S-9220」)により、試料のレジストパターンの幅を32箇所測定し、その結果から算出した平均値を用いた。
Figure 2007133266
<実施例2>
合成例1で得られた樹脂(ZL−1001)100質量部、酸発生剤としてWPAG−469(和光純薬工業(株)製)4.5質量部、クエンチャーとして、ヘキサメチレンテトラミン0.25質量部及びTPS−OH1.0質量部、有機酸としてマロン酸0.36質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:プロピレングリコールモノメチルエーテル=8:2(質量比)の混合溶剤に溶解し、固形分濃度が5質量%となるように調製することにより、ポジ型の感光性樹脂組成物を得た。感光性樹脂組成物の処方を表1に示す。尚、このときの、ヘキサメチレンテトラミンとTPS−OHとのモル比は、1:2であった。
得られた感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の操作によってレジストパターン形成用積層体を得た後、露光処理、現像処理、リンス処理を実施し、レジストパターンを得た。また、得られた感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に、各種の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、クエンチャー成分であるヘキサメチレンテトラミン及びTPS−OHに代えて、トリイソプロパノールアミン0.6225質量部及びトリエチルアミン0.02質量部を用いて、ポジ型の感光性樹脂組成物を得た。感光性樹脂組成物の処方を表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、クエンチャー成分のヘキサメチレンテトラミンに代えて、トリ−n−デシルアミン0.781質量部を用いて、ポジ型の感光性樹脂組成物を得た。感光性樹脂組成物の処方を表1に示す。
<比較例3>
実施例1において、クエンチャー成分のヘキサメチレンテトラミンに代えて、トリイソプロパノールアミン0.341質量部を用いて、ポジ型の感光性樹脂組成物を得た。感光性樹脂組成物の処方を表1に示す。
比較例1から3で得られた感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の操作によってレジストパターン形成用積層体を得た後、露光処理、現像処理、リンス処理を実施し、レジストパターンを得た。また、得られた感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に、各種の評価を行った。評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、比較例1から3の感光性樹脂組成物から得られたレジストパターンは、感度経時が劣っていた。また、比較例1の感光性樹脂組成物から得られたレジストパターンでは、焦点深度(DOF)マージンは0.6μmであった。更に、直線解像度(LER)は5.3nmとなった。これに対して実施例1及び2の感光性樹脂組成物は、経時によっても安定した感度を示すとともに、DOFマージン、LERも良好となった。
本発明のパターン形成方法の工程図である。
符号の説明
1 被加工膜
2 下層膜
3 上層膜
4 マスク

Claims (20)

  1. 酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増加する基材樹脂(A)と、電磁波に感応して酸を発生する酸発生剤(B)と、前記酸を捕捉するクエンチャー(C)と、を含有する感光性樹脂組成物であって、
    前記基材樹脂(A)は、高分子ケイ素含有化合物を含み、
    前記クエンチャー(C)は、ポリアミンを含むものである感光性樹脂組成物。
  2. 前記ポリアミンは、立体的に嵩高い構造を有するものである請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記ポリアミンは、テトラミンである請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記テトラミンは、ヘキサメチレンテトラミンである請求項1から3いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記クエンチャー(C)は、更に下記一般式(1)で示されるスルホニウム化合物を含むものである請求項1から4いずれか記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2007133266
    (式中、
    、R、及び、Rは、それぞれ独立に、アルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリール基を示す。)
  6. 前記スルホニウム化合物は、下記一般式(2)で示されるトリフェニル化合物である請求項5記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2007133266
    (式中、
    〜R18は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1から20のアルキル基を示す。)
  7. 前記スルホニウム化合物は、下記一般式(3)で示されるトリシクロヘキシル化合物である請求項5記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2007133266
    (式中、
    19〜R48は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1から20のアルキル基を示す。)
  8. 前記基材樹脂(A)は、シルセスキオキサン樹脂を含むものである請求項1から7いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記基材樹脂(A)は、HSiO3/2単位と、RSiO3/2単位とを含むシルセスキオキサン樹脂を含むものであり、Rは下記一般式(4)で示される酸解離性を有する基である請求項1から8いずれか記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2007133266
    (式中、
    49は、それぞれ独立に、連結基であり、
    50は、第二の連結基であり、
    Lは、炭素数1から10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、炭素数2から20のフルオロアルキレン基、置換又は無置換アリーレン基、置換又は無置換シクロアルキレン基、及び、置換又は無置換アルカリーレン基からなる群より選ばれるものであり、
    51は、水素原子、又は、直鎖状又は分岐状のアルキル基又はフルオロアルキル基であり、
    52は、アルキル基又はフルオロアルキル基であり、
    Zは、酸により解離する基であり、
    gは、0又は1の整数を示し、
    hは、0又は1の整数を示し、
    kは、0又は1の整数を示す。)
  10. 前記酸発生剤(B)の含有量は、前記基材樹脂(A)100質量部に対して0.5質量部以上30質量部以下である請求項1から9いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  11. 前記クエンチャー(C)の含有量は、前記基材樹脂(A)100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下である請求項1から10いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  12. 前記ポリアミンと前記スルホニウム化合物のモル比は、1:0.5〜1:10の範囲である請求項5から11いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  13. 更に有機酸(D)を、前記基材樹脂(A)100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下含む請求項1から12いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  14. 前記感光性樹脂組成物は、レジスト用組成物である請求項1から13いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  15. 前記感光性樹脂組成物は、二層レジストシステムの上層レジスト用組成物である請求項1から14いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  16. 前記感光性樹脂組成物は、下層を有機系高分子膜とする二層レジストシステムの上層レジスト用組成物である請求項1から15いずれか記載の感光性樹脂組成物。
  17. リソグラフィーにより被加工膜上にパターンを形成する方法であって、
    被加工膜上に下層膜を形成する下層膜形成工程と、
    請求項1から13いずれか記載の感光性樹脂組成物を前記下層膜上に塗布して上層膜を得る上層膜形成工程と、
    前記上層膜に露光を行ない、少なくとも一部を露光域とする露光膜を得る露光工程と、
    前記露光膜を現像液によって処理し、前記上層膜の露光域を選択的に溶解させて、前記感光性樹脂組成物からなるパターンが形成されたレジスト膜を得る現像工程と、を含むパターン形成方法。
  18. 前記下層膜は、有機系高分子膜である請求項17記載のパターン形成方法。
  19. 前記現像工程の後に、前記レジスト膜をマスクとして、プラズマ及び/又は反応性イオンにより前記下層膜をエッチングするエッチング工程を含む請求項17又は18記載のパターン形成方法。
  20. 前記プラズマ及び/又は反応性イオンは、酸素を含むものである請求項19記載のパターン形成方法。
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