JP2007131988A - 作業用フィット手袋 - Google Patents

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智皓 川本
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Abstract

【課題】 シームレス手袋の少なくとも指の全外表面、指の付け根関節の背側外表面、及び掌の外表面に塩化ビニールゾルを塗布して柔軟皮膜が形成された作業用フィット手袋であって、柔軟皮膜の強度を好適に確保しつつ手の開閉動作が容易で、使い易く疲れ難い比較的耐久性のある作業用フィット手袋を提供する。
【解決手段】
シームレス手袋12は、ポリウレタン糸をカバリング糸で被覆して成るカバード弾性糸を地糸に添えて編成され、地糸とカバリング糸の合計太さAは15〜90テックス、ポリウレタン糸の太さBは2〜10テックス、比率A/Bが5〜30であって、熱水処理により収縮させられ且つ撥油処理が施されているとともに、柔軟皮膜14用の塩化ビニールゾルは無浸透用塩化ビニール樹脂100重量部に対し可塑剤を120〜160重量部含み、作業用フィット手袋10の長手方向の50%引張荷重が5N/cm以下とされている。
【選択図】図1

Description

本発明はシームレス手袋の外表面に塩化ビニール樹脂製の柔軟皮膜が形成された作業用手袋に関し、特に、フィット性に優れた作業用フィット手袋に関するものである。
布製のシームレス手袋の外表面に塩化ビニールゾルを塗布することにより柔軟皮膜が形成された作業用手袋が従来から提供されている(例えば、特許文献1参照)。また、かかる作業用手袋の一種である背抜き手袋(背部に皮膜が無いタイプ)のフィット性を高めるために、弾性糸を添え糸編みしたシームレス手袋を用いることが考えられている。(例えば、特許文献2参照)。
特公昭58−042281号公報(特許第1331590号) 特開2000−096322号公報
前者の作業用手袋においては、シームレス手袋が横方向には比較的伸び易いものの長手方向には伸び難いために、手にフィットした作業用手袋を製造しようとすると、手の開閉動作をし辛くなることが避け難いのに対し、後者の作業用手袋においては、背部に皮膜が無いのに加えて、弾性糸によりシームレス手袋を長手方向においても伸び易くし得るため、フィット性を高めても手の開閉動作を容易に為し得ると考えられる。
ところで、特に、シームレス手袋の少なくとも指の全外表面、指の付け根関節の背側外表面、および掌の外表面に柔軟皮膜が形成された作業用手袋、すなわち所謂全面コート手袋や、シームレス手袋の背側外表面の指の付け根関節まで皮膜が有る甲抜き手袋などにおいては、手の開閉動作時には、指の屈曲に伴って背側の皮膜がシームレス手袋と共に特に関節部分において局部的に伸長させられるとともに、手の拡開に伴って親指と小指が互いに離隔しつつ親指と小指の間の掌の皮膜がシームレス手袋と共に斜めに伸長させられる。この場合において、フィット性を一層高めると、皮膜およびシームレス手袋の伸長度が増大して手の開閉動作時の抵抗が増大し、使い難く、また疲れ易くなる。可塑剤を増量して皮膜の柔軟性を一層高めれば手の開閉動作時の抵抗を好適に低減し得ると考えられるが、皮膜強度が大幅に低下して手袋の耐久性が著しく損なわれるため好ましくない。
軟化剤や可塑剤を加えなくても柔軟な皮膜を得易いゴム製皮膜を備えた作業用手袋においては、耐久性を維持しつつフィット性と使い易さを同時に確保することが可能であるが、塩化ビニール樹脂製皮膜を備えた作業用手袋の場合には、可塑剤によって皮膜の柔軟性が付与され且つ可塑剤の増量に伴って皮膜強度が低下するため、皮膜強度を出来るだけ維持しつつフィット性と使い易さを同時に確保することが望まれる。
本発明者は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、塩化ビニール樹脂製柔軟皮膜を備えた作業用フィット手袋を製造する場合において、皮膜強度を好適に確保した場合でも柔軟皮膜およびシームレス手袋の50%引張荷重を5N/cm以下にすれば、指の屈曲や拡開に伴って作業用フィット手袋が容易に伸長し、手の開閉動作時の抵抗を好適に低減し得ることを見い出した。
本発明はかかる知見に基づいて為されたものであって、その目的とするところは、シームレス手袋の少なくとも指の全外表面、指の付け根関節の背側外表面、および掌の外表面に塩化ビニール樹脂製の柔軟皮膜が形成された作業用フィット手袋であって、柔軟皮膜の強度を好適に確保しつつ手の開閉動作が容易で、使い易くて疲れ難い比較的耐久性のある作業用フィット手袋を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載の作業用フィット手袋は、ポリウレタン糸をカバリング糸で被覆して成るカバード弾性糸を地糸に添えて編成され、加温処理により収縮させられ且つ撥油処理が施されたシームレス手袋と、そのシームレス手袋の少なくとも指の全外表面、その指の付け根関節の背側外表面、および掌の外表面に塩化ビニールゾルを塗布することにより形成された柔軟皮膜とを備えた作業用フィット手袋であって、前記地糸とカバリング糸の合計太さAは15〜90テックス、前記ポリウレタン糸の太さBは2〜10テックスであり、比率A/Bが5〜30であるとともに、前記塩化ビニールゾルは塩化ビニール樹脂100重量部に対して可塑剤を120〜160重量部含み、前記シームレス手袋および柔軟皮膜の長手方向における50%引張荷重が5N/cm以下であることを特徴とする。
上記50%引張荷重(N/cm)は、50%伸長時における単位幅あたりの引張荷重を示している。引張応力を採用しない理由は、裏布付き作業用手袋においては断面積を正確に測定できないからであり、JIS K6404−3に記載の切断時引張荷重を参照したものである。
また、請求項2に記載の作業用フィット手袋は、請求項1において、シームレス手袋の指の先端から少なくとも15コースであって多くても第一関節までの指先部の度目がその指先部以外の度目より密に編成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、地糸とカバード弾性糸のカバリング糸の合計太さAが15〜90テックス、カバード弾性糸のポリウレタン糸の太さBが2〜10テックスであって、比率A/Bが5〜30となる範囲から適宜選定された地糸とカバード弾性糸を用いてシームレス手袋が編成され、このシームレス手袋は加温処理によりポリウレタン糸の収縮に伴って収縮させられ且つ撥油処理が施されており、この加温処理による収縮によって、シームレス手袋に幅方向だけでなく長手方向においても好適な伸縮性が付与される。そして、このシームレス手袋の少なくとも指の全外表面、指の付け根関節の背側外表面、および掌の外表面に塩化ビニールゾルが塗布されて柔軟皮膜が形成されるのであるが、この塩化ビニールゾルの可塑剤量は120〜160重量部とされていて柔軟皮膜の強度が比較的好適に確保される一方で、その柔軟皮膜およびシームレス手袋の長手方向における50%引張荷重が5N/cm以下と低くされているので、指の屈曲や拡開に伴って作業用フィット手袋が容易に伸長して手の開閉動作が容易となり、使い易くて疲れ難い比較的耐久性のある作業用フィット手袋が得られる。
上記地糸とカバリング糸の合計太さAが15テックスより細いと、塩化ビニールゾルの浸透防止のためにはシームレス手袋の編成度目を相当密にする必要を生じて、シームレス手袋の伸長性が不充分となる一方、90テックスより太いと、作業用フィット手袋としてはボリュームが出過ぎて期待する程の使い易さが得られなくなるだけでなく、シームレス手袋を好適に収縮させようとすれば太くて弾性力の強いポリウレタン糸を使用する必要を生じて、シームレス手袋を手型に嵌める際の作業性が悪くなったり使用時に指を伸ばす際の抵抗が増大するなどの不具合を生ずる。上記ポリウレタン糸の太さBが10テックスより太いと、かかる不具合を生ずるおそれがあるのであり、2テックスより細いと、シームレス手袋の所望の伸縮性を得難くなる。さらに、上記太さAおよびBが上記の範囲内であっても比率A/Bが5より小さいと、ポリウレタン糸の弾性力が相対的に強過ぎて上記のような不具合を生ずる場合があるとともに、太さAおよびBが上記の範囲内であっても比率A/Bが30より大きいと、シームレス手袋の所望の伸縮性を得難くなる。
また、塩化ビニールゾルの可塑剤量が120重量部より少ないと、シームレス手袋の伸長性を高めても、柔軟皮膜およびシームレス手袋の一体物としての伸長性を好適に得難くなる一方、160重量部より多いと、柔軟皮膜の強度ひいては作業用フィット手袋の耐久性を好適に得難くなる。
ここで、上述のように柔軟皮膜の強度を比較的好適に確保しつつ柔軟皮膜およびシームレス手袋の50%引張荷重を5N/cm以下にするためには、シームレス手袋への塩化ビニールゾルの浸透を好適に抑制し且つシームレス手袋自体を出来るだけ伸長し易くする必要がある。具体的には、シームレス手袋に対する撥油処理に加えて塩化ビニール樹脂として特に無浸透用塩化ビニール樹脂を用いることが好ましいとともに、シームレス手袋を伸長し易くするためには、地糸やカバード弾性糸の太さ、編成コース数、編機のゲージ数、成形用手型などとの関連において、シームレス手袋を編成する際の編機の度目設定を出来るだけ粗い度目に設定して編目のループのゆとりを出来るだけ確保することが好ましい。なお、一般的には、粗い度目で編成すると塩化ビニールゾルが編目間に浸透し易くなるが、本発明においては、編成後の収縮によりループのゆとりを好適に保持しつつ編目を密にし得るので、撥油処理等と相俟って塩化ビニールゾルの浸透を一層好適に防止し得る。
また、請求項2の発明によれば、請求項1において、シームレス手袋の指の先端から少なくとも15コースであって多くても第一関節までの指先部の度目がその指先部以外の度目より密に編成されており、シームレス手袋の指先部はそれ以外の部分より伸長が抑制されるので、作業用フィット手袋の伸長し易さを全体的に確保しつつ指先部分の過度な伸長を好適に抑制し得、作業用フィット手袋の使い易さが一層向上する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1において、作業用フィット手袋10は、たとえば1インチ当たり10〜15ゲージ(以下、Gと略す)程度の横編機により編成されたシームレス手袋12と、そのシームレス手袋12の全外表面に形成された塩化ビニール樹脂製の柔軟皮膜14とから成る。
シームレス手袋12は、ポリウレタン糸をカバリング糸で被覆して成るカバード弾性糸を所定の張力を付与した状態で1本乃至複数本の地糸に添えて添え糸編みにて編成されたものであり、たとえば、編成後に裏返されてカバード弾性糸が外側に配置された状態で使用される。地糸としては、綿糸、短繊維の合成繊維糸、綿や合成繊維の混紡糸、ウーリーナイロン糸等の長繊維糸などが適宜用いられる。カバード弾性糸としては、ウーリーナイロン糸などの長繊維糸がポリウレタン糸に巻き付けられて成る所謂FTY(フィラメントツイストヤーン)、綿糸や短繊維の合成繊維糸などを紡糸する際にその芯にポリウレタン糸が挿通されて成る所謂CSY(コアスパンヤーン)、さらには、綿や合成繊維などの短繊維糸がポリウレタン糸と合燃されて成る所謂PLY(プライヤーン)などが適宜用いられる。そして、作業用フィット手袋10の用途に応じて、地糸とカバード弾性糸のカバリング糸の合計太さAが15〜90テックス、ポリウレタン糸の太さBが2〜10テックスであって、比率A/Bが5〜30となる範囲内で、地糸およびカバード弾性糸が適宜選定される。
シームレス手袋12を編成する編機の編成度目設定は、たとえば、13G機のダイヤルによる度目の設定許容範囲が1.5〜4.5目盛(大きいほど度目が粗くなる)であるとすると、3.0〜4.2目盛程度の粗めの度目に設定され、あるいは10G機のダイヤルによる度目の設定許容範囲が2.5〜5.5目盛であるとすると、4.0〜5.0目盛程度の粗めの度目に設定され、これにより、シームレス手袋12はゆとりのある大きめのループで編成されるとともに、後述の処理乾燥により収縮して編目が密になった状態においてもループのゆとりが好適に確保されて、横方向だけでなく長手方向においても好適な伸縮性が得られることとなる。この場合において、その収縮したシームレス手袋12を手型に嵌めた状態においても編目の密な状態を出来るだけ確保するために、編成コース数は、カバード弾性糸が用いられていない通常の場合に比べてかなり多く設定される。なお、編成後のシームレス手袋12における1平方インチ当りの編目の数は、編機のゲージ数および糸の種類や太さなどによって異なるので一概には言えないが、総じて言えば200〜1000程度が好ましい。
また、シームレス手袋12の指先部16,18,20,22,24(図2参照)における度目は、それら指先部以外の部分の度目よりもそれぞれ密に編成されている。たとえば、指先部16は指先端から34コースの部分、指先部18,20,22は指先端から30コースの部分、指先部24は指先端から20コースの部分であって、それぞれ第一関節までは達しないとともに、たとえば、13G機では上記ダイヤル度目に換算して2.5〜3.0目盛相当、10G機では上記ダイヤル度目に換算して2.8〜3.5目盛相当の比較的密な度目に指先部16,18,20,22,24における編機の可変度目が設定されることによって、指先部16,18,20,22,24は比較的伸長し難い小さめのループで編成されているのである。図2(a)は、編成後のシームレス手袋12を裏返した状態を示している。
このシームレス手袋12には、不純物や油分などをある程度除去することやシームレス手袋12を収縮させることを目的としてたとえば90℃程度の温度で熱水処理が行われ、更に、フッ素系の撥油剤や必要に応じて抗菌防カビ剤などが処理されて、所定温度で乾燥される。図2(b)は、かかる処理乾燥後のシームレス手袋12を示すもので、編成後におけるカバード弾性糸の弾性復帰力に基づく自然収縮と処理乾燥時の比較的大きな収縮によって、編成直後と比較して長手方向においてたとえば20〜30%程度収縮しており、幅方向だけでなく長手方向においても好適な伸縮性を備えている。この場合には、上記熱水処理および処理後の乾燥がクレームにおける加温処理に相当する。
このようにして処理乾燥等により収縮したシームレス手袋12を、そのシームレス手袋12との関連において好適なサイズおよびフィット性が得られるように予め長さや太さが決定された手型に伸長しつつ嵌めて、可塑剤を120〜160重量部含む塩化ビニールゾルを出来るだけ液圧がかからないようにシャワーコート等により塗布し、余分の塩化ビニールゾルを適正付着量となるまで所定時間滴下させる。次いで、140〜150℃程度の温度で2〜3分程度半ゲル化させるとともに190℃程度の温度で10分程度溶融させ、その後冷却して手型から外すことにより上記の作業用フィット手袋10が得られる。
この場合において、シームレス手袋12は上述のように手型に嵌められた状態においても編目が比較的密であるとともに、そのシームレス手袋12には撥油処理が施されており且つ塩化ビニールゾルの塩化ビニール樹脂として後述のように好適な無浸透用塩化ビニール樹脂が用いられており、これにより、塩化ビニールゾルひいては柔軟皮膜14のシームレス手袋12への浸透が好適に抑制されている。
なお、上記加温処理は、収縮率を充分確保するためには上述のような熱水処理が好ましいが、必ずしもその必要はなく、スチーム処理であってもよいし、水分を含まず単に加温するだけでも差し支えない。また、上記撥油処理は、必ずしも編成後のシームレス手袋12に施す必要はなく、糸の段階で加工されていてもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて更に詳細に説明する。これらの実施例および比較例において、編機は実施例4のみが10G機でそれ以外は全て13G機であり、シームレス手袋の1平方インチ当りの目数は、編成してから約1時間後に編上がりの表のままの状態で計測したものである。また、塩化ビニールゾル配合の異なるものは実施例1における可塑剤量および増粘剤量を変量したものであり、可塑剤の変更点のみ明示した。塩化ビニールゾルの粘度は6000〜9000cp程度に調整される。各例において、成形方法は何れも上記の通りであり、皮膜厚みは、0.6〜0.8mm程度である。
(実施例1)
地糸:30番手の綿糸2本
カバード弾性糸:20デニールのポリウレタン糸に70デニールのウーリーナイ ロン糸が巻き付けられて成るFTY
シームレス手袋の1平方インチ当りの目数:約550
塩化ビニールゾル配合:
二次粒子強結合型無浸透用塩化ビニール樹脂
Pevikon P737(Hydro Polymer社製)
85重量部
無浸透用塩化ビニール樹脂
ZEST E13(新第一塩ビ株式会社製) 15重量部
可塑剤 DOP 120重量部
ポリエステル系可塑剤 30重量部
安定剤、抗菌防カビ剤、増粘剤、顔料 各適量
(可塑剤総量:150重量部)
ここで、上記Pevikon P737およびZEST E13は、共に、乳化重合により製造された微細な単一粒子が多数結合して二次粒子になっているとともに、製造時に使用される乳化剤が除去あるいは不活性化されていて、裏布付き作業用手袋における塩化ビニールゾルの布への浸透を好適に抑制し得る無浸透用塩化ビニール樹脂である。この場合、P737はE13に比べて、二次粒子の結合力が相当高いため、塩化ビニールゾルを混練する際やその塩化ビニールゾルを製造ラインで循環使用する際に加わるせん断力などによっても二次粒子が崩れ難い性質を有しており、かかる二次粒子の崩れ難いP737を多量に配合することにより、塩化ビニールゾルのシームレス手袋12への浸透が一層好適に防止されることとなる。
なお、シームレス手袋12の撥油性をあまり高めると、塩化ビニールゾルの塗布時にはじき易くなってゾルの付着性が悪化するとともに、柔軟皮膜14のシームレス手袋12への接着が著しく低下して使用時に剥離し易くなることから、撥油性をあまり高められないことによる浸透防止の不足分を上記のような二次粒子の崩れ難い二次粒子強結合型無浸透用塩化ビニール樹脂によって補うことは、本発明のように伸長し易い作業用フィット手袋を製造する際には特に効果的である。浸透防止効果を充分に上げるためには、塩化ビニール樹脂の全量あるいは略全量を無浸透用塩化ビニール樹脂で構成するとともに、その無浸透用塩化ビニール樹脂の内の50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上を二次粒子強結合型無浸透用塩化ビニール樹脂で構成することが望ましい。
(実施例2)
地糸、カバード弾性糸、1平方インチ当りの目数:実施例1と同じ
塩化ビニールゾル配合:DOP105重量部(可塑剤総量:135重量部)
(実施例3)
地糸、カバード弾性糸、1平方インチ当りの目数:実施例1と同じ
塩化ビニールゾル配合:DOP90重量部(可塑剤総量:120重量部)
(実施例4)
地糸:30番手の綿糸3本
カバード弾性糸:70デニールのポリウレタン糸が30番手の綿糸で包みこまれ て成るCSY
1平方インチ当りの目数:約350
塩化ビニールゾル配合:実施例1と同じ
(実施例5)
地糸:70デニール双糸のウーリーナイロン糸
カバード弾性糸:30デニールのポリウレタン糸に70デニールのウーリーナイ ロン糸が巻き付けられて成るFTY
1平方インチ当りの目数:約800
塩化ビニールゾル配合:実施例1と同じ
(比較例1)
編糸:30番手の綿糸3本(カバード弾性糸無し)
1平方インチ当りの目数:約450
塩化ビニールゾル配合:実施例1と同じ
(比較例2)
編糸:30番手の綿糸2本、40番手の綿糸1本(カバード弾性糸無し)
1平方インチ当りの目数:約400
塩化ビニールゾル配合:DOP150重量部(可塑剤総量:180重量部)
(比較例3)
地糸、カバード弾性糸:実施例1と同じ
1平方インチ当りの目数:約650
塩化ビニールゾル配合:DOP130重量部(可塑剤総量:160重量部)
以上の実施例1〜5および比較例1〜3の手袋サンプルの指の中ほどから掌に亘る部分において長手方向に沿って幅1cm×長さ8cmの試験片を切り取って、島津製作所製オートグラフ10TBにより50mm/minの速度で引張り試験を行い、50%伸長時における引張荷重(N/cm)を測定した。その測定結果を、地糸とカバリング糸の合計太さA、ポリウレタン糸の太さB、比率A/B、シームレス手袋の1平方インチ当りの目数、塩化ビニールゾルの可塑剤量、作業用フィット手袋の作業性と併せて、
表1
に示す。この作業性は、試用者5人により指の曲げ伸ばしを伴う手の開閉動作による使い易さや疲れ難さを評価したものであり、◎は極めて良好、◎〜○はかなり良好、○は◎〜○に比べて多少劣るものの作業用フィット手袋として実用上充分な程度、○〜△は実用上やや不充分、△は実用上不充分、×は極めて不充分であることをそれぞれ示している。
Figure 2007131988
実施例1〜5においては、作業用フィット手袋10の耐久性を好適に確保するために塩化ビニールゾルの可塑剤量の上限を160重量部までに抑制しても、可塑剤量が120重量部以上において柔軟皮膜14およびシームレス手袋12の長手方向における50%引張荷重が5N/cm以下とされることにより、いずれも実用上充分以上の好ましい評価を得た。この場合において、シームレス手袋12の指先部16,18,20,22,24の度目がそれ以外の部分の度目より密に編成されていることにより、作業用フィット手袋10の指先部分の過度な伸びが好適に抑制されることから、指先の使い易さにおいても好ましい評価を得た。なお、このシームレス手袋12の指先部の度目を密にすることによる効果は、上記50%引張荷重が4N/cm以下である場合に一層大きかった。
これに対し、カバード弾性糸を使用していない比較例1は、上記実施例と同等の可塑剤量でも50%引張荷重が大幅に高くて伸長し難く、極めて低い評価であった。また、カバード弾性糸を使用していないが可塑剤を大量に加えて柔軟皮膜の柔軟性を一層高めた比較例2においては、皮膜強度が大幅に低下する問題があるだけでなく、50%引張荷重が比較的低減されるものの充分ではなく、皮膜が柔らかい割にはやや低い評価であった。一方、シームレス手袋に関しては編機の度目設定以外実施例1〜3と同条件である比較例3においては、編目が密過ぎループのゆとりが小さいために、皮膜強度が許容できる範囲内で可塑剤を多めに加えても50%引張荷重が比較的高くなり、好ましい評価が得られなかった。
以上、本発明の一実施形態に基づいて説明したが、本発明はその他の実施形態においても適用することができる。
たとえば、作業用フィット手袋は、前記実施形態における柔軟皮膜の表面の所定部分に粗粒塩化ビニール樹脂を薄いバインダ皮膜を介して固着した公知の滑止め層が設けられたものでもよいし、あるいは、化学発砲、機械発砲、バルーン等による発砲柔軟皮膜を備えたものでもよい。なお、発砲柔軟皮膜の場合には、発砲により皮膜強度が低下するため、塩化ビニールゾルの可塑剤量の上限は150重量部程度に止めるのが好ましい。
また、作業用フィット手袋は、前記実施形態のような全面コート手袋でなく、甲抜き手袋などであってもよい。要するに、シームレス手袋の少なくとも指の全外表面、指の付け根関節の背側外表面、および掌の外表面に柔軟皮膜が形成されたものであれば、本発明の効果を好適に得ることが可能である。
その他、本発明は当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施形態である作業用フィット手袋の一部を切り欠いて示す斜視図である。 図1の作業用フィット手袋のシームレス手袋を示す図であって、編成後に裏返された状態を示す概要図である。 図2(a)のシームレス手袋の処理乾燥後における収縮した状態を示す図である。
符号の説明
10 作業用フィット手袋
12 シームレス手袋
14 柔軟皮膜
16,18,20,22,24 指先部

Claims (2)

  1. ポリウレタン糸をカバリング糸で被覆して成るカバード弾性糸を地糸に添えて編成され、加温処理により収縮させられ且つ撥油処理が施されたシームレス手袋と、該シームレス手袋の少なくとも指の全外表面、該指の付け根関節の背側外表面、および掌の外表面に塩化ビニールゾルを塗布することにより形成された柔軟皮膜とを備えた作業用フィット手袋であって、前記地糸とカバリング糸の合計太さAは15〜90テックス、前記ポリウレタン糸の太さBは2〜10テックスであり、比率A/Bが5〜30であるとともに、前記塩化ビニールゾルは塩化ビニール樹脂100重量部に対して可塑剤を120〜160重量部含み、前記柔軟皮膜およびシームレス手袋の長手方向における50%引張荷重が5N/cm以下であることを特徴とする作業用フィット手袋。
  2. 前記シームレス手袋の指の先端から少なくとも15コースであって多くても第一関節までの指先部の度目が該指先部以外の度目より密に編成されていることを特徴とする請求項1に記載の作業用フィット手袋。
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WO2015129886A1 (ja) * 2014-02-27 2015-09-03 ミドリ安全株式会社 作業用手袋及び作業用手袋の製造方法

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