JP2007131818A - シアニン化合物及び該シアニン化合物を用いた光学フィルター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(I)で表されるシアニン化合物。
(式中、R1〜R4は炭素原子数1〜8のアルキル基等を表し、R1とR2と、及びR3とR4とは、それぞれ連結して環構造を形成していてもよく、Xは水素原子等を表し、Y1及びY2は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基等を表し、上記のアルキル基、アリール基等は、置換基を有していてもよく、上記アルキル基中のメチレン基は、−O−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよく、Anq-はq価のアニオンを表し、qは1又は2を表し、pは電荷を中性に保つ係数を表す。)
【選択図】なし
Description
上記一般式(I)におけるR1、R2、R3、R4、Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。R1、R2、R3、R4、X、Y1及びY2で表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル等が挙げられる。R1、R2、R3、R4、X、Y1及びY2で表される炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル等が挙げられる。R1、R2、R3、R4、X、Y1及びY2で表される炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられる。
上記置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等のアルキル基;メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、第三アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、第三ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソオクチルチオ、第三オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基;フェニル、ナフチル等のアリール基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基;ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等の複素環基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基等が挙げられ、これらの基は更に置換されていてもよい。また、カルボキシル基及びスルホ基は塩を形成していてもよい。
上記一般式(I)におけるY1及びY2の導入方法も、特に制限されるものではないが、例えば、Y1は、3H−インドール誘導体のNH基とHal−Y1(Hal:フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等のハロゲン化有機化合物とを反応させることで導入することができる。Y2もY1の導入方法に準じて導入可能である。
Y1及びY2は、炭素原子数が大きくなると分子量が大きくなり、これらの基を有する上記一般式(I)で表される本発明のシアニン化合物のモル吸光係数が低下する場合があるので、Y1及びY2それぞれの炭素原子数は、20以下が好ましく、10以下がより好ましい。
特に560〜580nmの範囲の光に対する光学要素として適したものとする上で、本発明のシアニン化合物は、R1〜R4が炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましく、Xが水素原子であることが好ましく、Y1及びY2が炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基であることが好ましい。
本発明の光学フィルターは、本発明のシアニン化合物を含有する。本発明のシアニン化合物は、吸収極大波長を560〜580nmの範囲内又はその付近に持ち、一部の可視光線を選択的に吸収して遮断することができるので、本発明のシアニン化合物を含有する本発明の光学フィルターは、表示画像の高品質化に用いられる画像表示装置用の光学フィルターとして特に好適なものである。本発明の光学フィルターは、画像表示装置用の他に、分析装置用、半導体装置製造用、天文観測用、光通信用、眼鏡レンズ等の各種用途にも用いることができる。
本発明のシアニン化合物及び任意成分を本発明の光学フィルターに含有させる方法として、上述の(1)〜(4)のいずれの方法を採る場合も、各成分の配合割合は、上述の配合割合に順じればよい。
実施例1及び2は本発明のシアニン化合物の実施例を示し、評価例1においては、実施例1及び2それぞれのシアニン化合物並びに比較化合物の溶解性について評価を行った。また、実施例3〜5は、実施例1又は2のシアニン化合物を用いた本発明の光学フィルターの実施例を示す。
<ステップ1>中間体1の合成
窒素置換した反応フラスコに、常法に従って合成したN−イソプロポキシフェネチル−2,3,3−トリメチル−5−ニトロインドレニンの過塩素酸塩14.0g(30mmol)、ジフェニルホルムアミジン8.83g(45mmol)及びブタノール8.60gを仕込み、100℃で3.5時間加熱した。80℃まで冷却して酢酸エチル34gを加え、室温に冷却後、得られた固体をろ別した。得られた固体についてジメチルアセトアミド/メタノール混合溶媒から再結晶を行い、橙色結晶として目的物である中間体1を8.61g(収率50%)得た。
窒素置換した反応フラスコに、上記ステップ1で得られた中間体1の5.07g(10mmol)、常法に従って合成したN−イソアミル−2,3,3−トリメチル−5−トリフルオロメチルインドレニン5.63g(12mmol)及びピリジン7.74gを仕込み、無水酢酸3.06g(30mmol)を加えて80〜90℃で2時間加熱した。室温に冷却後、反応液を減圧下で濃縮乾固し、ブタノールから再結晶を行い、紫色固体7.16g(収率93%)を得た。得られた紫色固体は、目的物である化合物No.1であることを確認した。得られた紫色固体についての分析結果を以下に示す。
(1) 1H−NMR(CDCl3溶媒)
(ピークトップのケミカルシフトppm;多重度;プロトン数)
(1.05;d;6)、(1.09;d;6)、(1.68;s;6)、(1.71;s;6)、(1.74;m;1)、(2.49;m;2)、(3.03;t;2)、(4.22;t;2)、(4.42;d;2)、(4.45;m;1)、(6.39−8.53;m;13)
(2) IR吸収(cm-1)
3433、2974、1608、1557、1509、1476、1449、1328、1162、1112
(3) UV吸収測定(クロロホルム溶媒)
λmax;571.5nm、ε;1.79×105
(4) 分解温度(TG−DTA:100ml/分窒素気流中、昇温10℃/分)
293℃;ピークトップ
<ステップ1>中間体2の合成
窒素置換した反応フラスコに、常法に従って合成したN−イソプロポキシフェネチル−3−シクロヘキシル−2−メチル−5−ニトロインドレニンの過塩素酸塩15.2g(30mmol)、ジフェニルホルムアミジン7.85g(40mmol)及びブタノール9.15gを仕込み、100℃で9時間加熱した。65℃まで冷却してメタノール36.6gを加え、65℃で30分保持した後、室温に冷却して得られた固体をろ別した。得られた固体を水及びメタノールで洗浄後、乾燥して、褐色結晶として目的物である中間体2を8.95g(収率49%)得た。
窒素置換した反応フラスコに、上記ステップ1で得られた中間体2の4.85g(7.5mmol)、常法に従って合成したN−イソアミル−2,3,3−トリメチル−5−トリフルオロメチルインドレニン4.23g(9mmol)及びピリジン6.11gを仕込み、無水酢酸2.30g(22.5mmol)を加えて80〜90℃で2時間加熱した。室温に冷却後、反応液を減圧下で濃縮乾固し、ピリジン/エタノール混合溶媒から再結晶を行い、茶色固体4.98g(収率82%)を得た。得られた茶色固体は、目的物である化合物No.2であることを確認した。得られた茶色固体についての分析結果を以下に示す。
(1) 1H−NMR(CDCl3溶媒)
(ピークトップのケミカルシフトppm;多重度;プロトン数)
(1.05;d;6)、(1.09;d;6)、(1.61;m;4)、(1.73;s;6)、(1.98;m;6)、(2.21;m;1)、(3.00;t;2)、(3.28;m;2)、(4.21;t;2)、(4.42;t;2)、(4.45;m;1)、(6.36−8.53;m;13)
(2) IR吸収(cm-1)
3449、2934、1618、1559、1509、1474、1449、1421、1328、1161、1119
(3) UV吸収測定(クロロホルム溶媒)
λmax;574nm、ε;1.83×105
(4) 分解温度(TG−DTA:100ml/分窒素気流中、昇温10℃/分)
281℃;ピークトップ
シアニン化合物である上記実施例1〜2で得た化合物No.1〜2及び以下に示す比較化合物について、20℃でのエチルメチルケトンへの溶解性を評価した。評価は、シアニン化合物を1.0質量%〜5.0質量%の範囲で1.0質量%刻みでエチルメチルケトンに加え、溶解、不溶を観察して行った。結果を表1に示す。
下記の配合をプラストミルで260℃にて5分間溶融混練した。混練後、直径6mmのノズルから押出し水冷却ペレタイザーで色素含有ペレットを得た。このペレットを、電気プレスを用いて250℃で0.25mm厚の薄板(光学フィルター)に成形した。この薄板を(株)日立製作所スペクトロフォトメーターU−3010で測定したところ、λmaxが571mで半値巾が31nmであった。
ユーピロンS−3000 100g
(三菱瓦斯化学(株)製;ポリカーボネート樹脂)
化合物No.1 0.01g
下記の配合にてUVワニスを作成し、易密着処理した188ミクロン厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、該UVワニスをバーコーター#9により塗布した後、80℃で30秒乾燥させた。その後、赤外線カットフィルムフィルター付き高圧水銀灯にて紫外線を100mJ照射し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に硬化膜厚約5ミクロンのフィルム層を有する光学フィルターを得た。この光学フィルターを(株)日立製作所スペクトロフォトメーターU−3010で測定したところ、λmaxが572nmで半値巾が31nmであった。
アデカオプトマーKRX−571−65 100g
(旭電化工業(株)製UV硬化樹脂、樹脂分80重量%)
化合物No.1 0.5g
メチルエチルケトン 60g
下記の配合にて粘着剤組成物を作成し、易密着処理した188ミクロン厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、該粘着剤組成物をバーコーター#9により塗布し、80℃で30秒乾燥した。その後、このフィルムを0.9mm厚アルカリガラス板に100℃で熱圧着し、ガラス板とPETフィルムの間の粘着剤層に光吸収剤を含有するPET保護ガラス板(光学フィルター)を作成した。この光学フィルターについて(株)日立製作所スペクトロフォトメーターU−3010で測定したところ、λmaxは574nm、半値巾は30nmであった。
アデカアークルズR−103 100g
(旭電化工業(株)製アクリル樹脂系粘着剤、樹脂分50重量%)
化合物No.2 0.1g
Claims (5)
- 下記一般式(I)で表されるシアニン化合物。
- 溶液の光吸収におけるλmaxが、560〜580nmの範囲に存在することを特徴とする請求項1記載のシアニン化合物。
- 請求項1又は2記載のシアニン化合物を含有してなる光学フィルター。
- 画像表示装置用である請求項3記載の光学フィルター。
- 上記画像表示装置がプラズマディスプレイである請求項4記載の光学フィルター。
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