JP2007131546A - α−メチレン−γ−ブチロラクトン化合物の製造方法 - Google Patents

α−メチレン−γ−ブチロラクトン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性を有する透明樹脂の単量体として、また、生物に対して活性な物質の骨格として医薬品分野において開発が期待されるα-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物の、簡便で新規な製造方法を提供する。
【解決手段】活性エネルギー線を照射することで下記式(1)のラジカル構造を生成する化合物とメタクリル酸エステルと強酸を混合し、活性エネルギー線を照射する、または、活性エネルギー線を照射することで下記式(1)のラジカル構造を生成する化合物とメタクリル酸エステルを混合し、活性エネルギー線を照射した後に、強酸で処理することにより、下記式(2)のα-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物を得る。

(式中、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していても良い炭素数1から6のアルキル基を示すか、あるいは、R2とR3が互いに結合して環を形成していても良い。)
【選択図】なし

Description

本発明は、α-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物の新規な製造方法に関する。
α-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物は耐熱性を有する透明樹脂の単量体として、また、生物に対して活性な物質の骨格として医薬品分野において開発が期待される化合物である。
α-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物の一般的な製造方法としては、非特許文献1および非特許文献2などに記載されている、2−(ブロモメチル)アクリル酸または2−(ブロモメチル)アクリル酸エステルと、カルボニル基を有する化合物とを反応させる方法が挙げられる。
ここで例示されているα-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物の製造方法は、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステルを、三臭化燐などを用いて臭化して、2−(ブロモメチル)アクリル酸エステルとして分離精製する工程;さらに2−(ブロモメチル)アクリル酸エステルと、シクロヘキサノンなどのカルボキシル基を有する化合物とを反応させて分離精製する工程からなる。この製造方法では、作業工程が多く煩雑であること、また、取扱いに注意を要する2−(ブロモメチル)アクリル酸エステルを中間体として経由することが問題である。
テトラへドロン(Tetrahedron)、55巻、1999年、10779−10788頁 テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、26巻、1985年、5697−5698頁
本発明の目的は、α-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物の、簡便で新規な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、活性エネルギー線を照射して下記式(1)で示されるラジカル構造を生成する化合物とメタクリル酸エステルと強酸を混合し、紫外線等の活性エネルギー線を照射する、または、活性エネルギー線を照射して下記式(1)で示されるラジカル構造を生成する化合物とメタクリル酸エステルを混合し、活性エネルギー線を照射した後に、強酸で処理することにより、α-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1)活性エネルギー線を照射して下記式(1)で表されるラジカル構造を生成する化合物とメタクリル酸エステルと強酸を混合し、活性エネルギー線を照射して下記式(2)で表される化合物を製造する方法に関する。
(式中、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していても良い炭素数1から6のアルキル基を示すか、あるいは、R2とR3が互いに結合して環を形成していても良い。)
(式中、R2及びR3は、前記式(1)と同義である。)
又、本発明は、活性エネルギー線を照射して上記式(1)で表されるラジカル構造を生成する化合物とメタクリル酸エステルを混合し、活性エネルギー線を照射した後に、強酸で処理して上記式(2)で表される化合物を製造する方法に関する。
本発明によれば、耐熱性を有する透明樹脂の原料の単量体として、また、生物に対して活性な物質の骨格として医薬品分野において開発が期待される化合物であるα-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物の簡便で新規な製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
活性エネルギー線を照射して前記式(1)のラジカル構造を生成する化合物としては、下記式(1a)で表される、開裂部位である炭素−炭素結合を形成しているα−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル系光重合開始剤が挙げられる。
前記式(1a)中、R1は、水素原子、ヘテロ原子を有していても良い炭素数1から6のアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、又は置換基を有していても良いアラルキル基を示す。ヘテロ原子を有していても良い炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、3-メチルプロピル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、4-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、3,3-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、neo-ペンチル基、n-ヘキシル基、などの無置換アルキル基、前記無置換アルキル基にヒドロキシル基が置換したもの、前記無置換アルキル基が酸素原子を介してベンゼン環に結合したもの(アルコキシ基)、前記アルコキシ基にヒドロキシル基が置換したものなどが挙げられる。置換基を有していても良いアリール基としては、アルキル基、ヒドロキシル基などの置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。置換基を有していても良いアラルキル基としては、アルキル基、ヒドロキシル基などの置換基を有していても良いベンジル基などが挙げられる。
前記式(1a)中、R2及びR3はそれぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していても良い炭素数1から6のアルキル基を示すか、R2とR3が互いに結合して環を形成していても良い。置換基を有していても良い炭素数1から6のアルキル基としては、R1に例示した無置換アルキル基、ヒドロキシル基が置換したアルキル基などが挙げられる。R2とR3が互いに結合して環を形成する場合、R2及びR3が結合する炭素原子と共に、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの環構造を示す。
上記式(1a)で表される化合物の例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製商品名「IRGACURE 184」)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製商品名「DAROCUR 1173」)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製商品名「IRGACURE 2959」、下記式)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチループロパン−1−オン(チバ・スパシャルティ・ケミカルズ社製商品名「IRGACURE 127」、下記式)などを挙げることができる。このように、本発明では、ラジカル系光重合開始剤として市販されているものを使用することができる。
前記式(1)で表されるラジカル構造を生成する化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用することが可能であるが、生成するラクトン化合物の精製操作を容易にするためには単独で用いることが好ましい。
本発明で使用するメタクリル酸エステルは特に限定されるものではなく、単官能であっても2官能以上の多官能であってもよい。
単官能メタクリル酸エステルの例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチルカルビトールメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、フェニルカルビトールメタクリレート、ノニルフェノキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルフタレート、フェニルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、p−ブロモベンジルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレートなどを挙げることができる。
上記2官能以上の多官能メタクリル酸エステルの例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、多官能のエポキシメタクリレート、多官能のウレタンメタクリレートなどを挙げることができる。
メタクリル酸エステルは、単独または2種以上を組み合わせて使用することが可能である。
本発明において、強酸とは酸としての電離定数(K)が1×10-3以上のもの、またはpKが3以下のものをいう。本発明で使用する強酸は特に限定されず、無機酸であっても有機酸であってもよい。
無機酸の例としては、硫酸、硝酸、塩酸、過塩素酸、リン酸などを挙げることができる。有機酸の例としては、p−トルエンスルホン酸を挙げることができる。
強酸は、単独または2種以上を組み合わせて使用することが可能である。
酢酸やメタクリル酸に代表される弱酸を、上記の強酸に替えて用いた場合、エステル交換反応の触媒としての作用が弱く、α-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物を効率よく得ることができない。
本発明における活性エネルギー線を照射して前記式(1)のラジカル構造を生成する化合物とメタクリル酸エステルと強酸、または、活性エネルギー線を照射して前記式(1)のラジカル構造を生成する化合物とメタクリル酸エステルの混合操作は、定法に従えばよい。
例えば、加熱装置を備えた容器に所定の成分を添加し、これを徐々に加熱しながら攪拌することによって達成できる。混合操作の際の加熱は、メタクリル酸エステルの粘度を下げて混合操作を容易にすることが目的であり、室温以上で実施する。一方で、メタクリル酸エステルの熱重合が開始しない温度とすることが必要であり、100℃以下で実施するのが好ましく、より好ましくは40〜60℃の範囲である。
混合操作中での、活性エネルギー線を照射して前記式(1)のラジカル構造を生成する化合物の分解を抑制するため、容器を遮光した状態で攪拌操作を行なうことが必要である。混合後の組成物は、容器から取り出して遮光条件で保存する。
上記の組成物には、必要に応じて、その他の物質を含有させることも可能である。例えば、溶剤、安定剤、光増感剤、重合禁止剤、消泡剤などを挙げることができる。
本発明で使用する活性エネルギー線は、特に限定されるものではなく、照射することにより前記式(1)のラジカル構造を生成できるものであればよい。光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、重水素ランプなどを使用することが可能である。活性エネルギー線は、反応の進行に応じて所定積算光量を照射することができる。
本発明における強酸での処理は、前記式(1)のラジカル構造(例えば前記式(1a)の化合物の開裂片)とメタクリル酸エステルとが反応して生じた中間体に対して、エステル交換反応を生じさせて、目的とするα-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物を得るために実施する操作であり、操作に関する条件は、エステル交換反応の定法に従えばよい。
例えば、冷却可能な容器に光重合開始剤とメタクリル酸エステルの反応物(中間体)を加え、希釈した強酸の溶液を徐々に添加する。反応の進行によって発熱が生じるため、操作は室温以下で実施するのが好ましく、0〜20℃の範囲がより好ましい。30分間程度攪拌を継続して操作を終了する。その後、エステル交換によって得られた目的物を、抽出などの操作によって回収、精製を行なう。
本発明におけるα-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物が得られる反応機構は、十分には確認できていないが、以下の通りであると推測する。
先ず、前記式(1a)の化合物に活性エネルギー線を照射し、これによって生じた、開裂部位の炭素にヒドロキシル基とラジカルを有する開裂片が、メタクリル酸エステルのメタクリル酸に由来する部分と反応した中間体を形成する。
次に、開裂片に由来するヒドロキシル基と、メタクリル酸エステルのエステル基が強酸の作用を受けてエステル交換する。メタクリル酸エステルのアルコールに由来する部分は脱離し、メタクリル酸エステルに由来するカルボキシル基と開裂片に由来するヒドロキシル基との間に新たなエステル結合が生じ、ラクトンの環構造を形成する。ここで得られるα-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物は、下記式(2)で表される構造である。
(式中、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していても良い炭素数1から6のアルキル基を示す。また、R2とR3が互いに結合して環を形成していても良い。)
上記式(2)で表されるα-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物のR2,R3は、反応に使用した前記式(1)の化合物に由来しており、上記式(1)のR2,R3と同じ基が導入される。
例えば、前記式(1a)の化合物として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(「IRGACURE 184」)を用い、メタクリル酸メチルに作用させた場合、以下の反応が起こっていると推測している。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において、α-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物の生成の確認は、次の方法によった。
<α-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物の生成の確認>
得られた試料についてGC/MS(Agilent製)を用いて、α-メチレン-γ-ブチロラクトン化合物の生成を確認した。GC/MSのカラムにはHP−5MSを使用し、キャリアガスにはヘリウムを使用した。
目的物の構造確認は、従来の方法で合成した化合物を標準物質として用い、それとの比較により行なった。
<実施例1>
加熱が可能であり攪拌機が取り付けられた容器に、遮光条件下で、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート(商品名:「FA−321M」 日立化成工業(株)製) 100質量部、p−トルエンスルホン酸 0.1質量部、下記式(3)で表される、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:「IRGACURE184」 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 2部を加え、60℃でよく混合し、均一混合液を得た。
遮光条件下で、この混合液を2枚のPET(ポリエステル)フィルム間に約0.5mmの厚さに流延し、PETフィルムで挟んだ状態とした混合液に、高圧水銀灯により積算光量700mJ/cm2の紫外線を照射して混合液を硬化させた。PETフィルムを剥離して硬化物を得て、これを粉砕した。
粉砕した硬化物 約1gを採取し、これにアセトニトリル 約10mlを加えて抽出し、これを濾過した。GC/MS(Agilent製)を用いて抽出液の分析を行なった。
GC/MSの測定結果から、下記式(4)で表される3−メチレン−1−オキサ−スピロ[4,5]デカン−2−オンが生成していることを確認した。
GC/MSの測定で得た、3−メチレン−1−オキサ−スピロ[4,5]デカン−2−オンのマススペクトルを、図1に示す。
<実施例2>
加熱が可能であり攪拌機が取り付けられた容器に、遮光条件下で、ポリブチレングリコールジメタクリレート(商品名:「アクリエステルPBOM」 三菱レイヨン(株)製) 100質量部、p−トルエンスルホン酸 0.1質量部、下記式(5)で表される、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名:「DAROCUR1173」 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 2部を加え、60℃でよく混合し、均一混合液を得た。
これ以降の抽出液の分析までの操作は、実施例1と同様にして行なった。GC/MSの測定結果から、下記式(6)で表される5,5−ジメチル−3−メチレン−1−オキサ−2−オンが生成していることを確認した。GC/MSの測定で得た、5,5−ジメチル−3−メチレン−1−オキサ−2−オンのマススペクトルを、図2に示す。
<実施例3>
加熱が可能であり攪拌機が取り付けられた容器に、遮光条件下で、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート(商品名:「FA−321M」 日立化成工業(株)製) 100質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:「IRGACURE184」 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 2部を加え、60℃でよく混合し、均一混合液を得た。
遮光条件下で、この混合液を2枚のPET(ポリエステル)フィルム間に約0.5mmの厚さに流延し、PETフィルムで挟んだ状態とした混合液に、高圧水銀灯により積算光量700mJ/cm2の紫外線を照射して混合液を硬化させた。PETフィルムを剥離して硬化物を得て、これを粉砕した。
粉砕した硬化物 1gに、1%濃度の硫酸水溶液 1mlを加え、室温で30分間攪拌した。攪拌終了後、アセトニトリル 約10mlを加えて抽出し、抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和した。中和後に、これを濾過した。GC/MS(Agilent製)を用いて抽出液の分析を行なった。
GC/MSの測定結果から、3−メチレン−1−オキサ−スピロ[4,5]デカン−2−オンが生成していることを確認した。
<比較例1>
p−トルエンスルホン酸の配合を行なわず、それ以外の操作は実施例1と同様にして行なった。GC/MSの測定結果、3−メチレン−1−オキサ−スピロ[4,5]デカン−2−オンの生成は確認されなかった。
<比較例2>
EO変性ビスフェノールAジメタクリレートを、EO変性ビスフェノールAジアクリレート(商品名:「ニューフロンティアBPE−10」 第一工業製薬(株)製)に変更し、それ以外の操作は実施例1と同様にして行なった。GC/MSの測定結果、3−メチレン−1−オキサ−スピロ[4,5]デカン−2−オンの生成は確認されなかった。
<比較例3>
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンをベンゾフェノンに変更し、それ以外の操作は実施例1と同様にして行なった。GC/MSの測定結果、3−メチレン−1−オキサ−スピロ[4,5]デカン−2−オンの生成は確認されなかった。
<比較例4>
p−トルエンスルホン酸を酢酸に変更し、それ以外の操作は実施例1と同様にして行なった。GC/MSの測定結果、3−メチレン−1−オキサ−スピロ[4,5]デカン−2−オンの生成は確認されなかった。
実施例1で得た3−メチレン−1−オキサ−スピロ[4,5]デカン−2−オンのマススペクトルである。 実施例2で得た5,5−ジメチル−3−メチレン−1−オキサ−2−オンのマススペクトルである。

Claims (2)

  1. 活性エネルギー線を照射して下記式(1)で表されるラジカル構造を生成する化合物とメタクリル酸エステルと強酸を混合し、活性エネルギー線を照射して下記式(2)で表される化合物を製造する方法。
    (式中、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していても良い炭素数1から6のアルキル基を示すか、あるいは、R2とR3が互いに結合して環を形成していても良い。)
    (式中、R2及びR3は、前記式(1)と同義である。)
  2. 活性エネルギー線を照射して下記式(1)で表されるラジカル構造を生成する化合物とメタクリル酸エステルを混合し、活性エネルギー線を照射した後に、強酸で処理して下記式(2)で表される化合物を製造する方法。
    (式中、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していても良い炭素数1から6のアルキル基を示すか、あるいは、R2とR3が互いに結合して環を形成していても良い。)
    (式中、R2及びR3は、前記式(1)と同義である。)
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