JP2007131175A - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 前後輪の制動力差に基づく走行不安定性が解消される車両の操舵装置を提供すること。
【解決手段】 ダンピング制御量の計算過程においてEPB作動信号がON状態である場合には、マップAを選択してダンピング制御量を通常の状態(例えばEPB作動信号がOFF状態で、後輪および前輪に制動力が作用していない状態)よりも多くしている。このため、回動操舵時にEPBがONとなって後輪制動が生じ、後輪が横滑りを起こして車体が車両旋回方向に対しして内向きに切れ込む状態となっても、大きなダンピング制御量によって、操舵ハンドルがさらに内向きに切れ込む方向には回動し難くされる。このため、操舵ハンドルを、車体がさらに内向きに切れ込む方向に回動させるのを回避し、車両の挙動の安定化が図れる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両の操舵装置に係り、特に、操舵ハンドルの操舵操作をダンピング制御するために、操舵装置にトルクを付加するアクチュエータを備えた車両の操舵装置に関する。
従来から、操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵をアシストする装置、いわゆるパワーステアリング装置を有する車両の操舵装置が知られている。パワーステアリング装置としては、油圧アクチュエータによりアシストトルクを発生する油圧パワーステアリング装置や、電動モータなどの電動アクチュエータによりアシストトルクを発生する電動パワーステアリング(EPS)装置が知られている。特に近年は、車両搭載性や燃費向上の観点から、電動パワーステアリング装置が注目されてきている。
パワーステアリング装置においては、操舵ハンドルの操舵操作における減衰性を向上させるために、操舵ハンドルに、操舵方向とは反対方向にトルクを付与するダンピング制御を行うものが提案されている。例えば、特許文献1においては、左右前輪の車輪速差が所定値を越えたときにダンピング制御を開始するとともに、左右前輪の制動力差が大きくなるほどダンピング制御量が大きくなるようして、左右の車輪速度のアンバランスに基づいて発生する運転者の意思に基づかないステアリングホイールの挙動を未然に防止することができる車両の操舵装置が記載されている。
特開2002−370657号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の操舵装置においては、左右輪の制動力差に基づく走行不安定性は解消されるものの、前後輪の制動力差に基づく走行不安定性は解消されないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、前後輪の制動力差に基づく走行不安定性が解消される車両の操舵装置を提供することを技術的課題とする。
上記課題を達成するために、本発明は、操舵ハンドルの操舵操作をダンピング制御するためアクチュエータを備えた車両の操舵装置において、前記車両の前輪に作用する制動力と後輪に作用する制動力との差に応じてダンピング制御量を決定するダンピング制御量決定手段と、前記ダンピング制御量決定手段で決定されたダンピング制御量に基づいて、前記アクチュエータを駆動制御する駆動手段とを備えるものとしている。
上記発明によれば、ダンピング制御量決定手段は、車両の前輪に作用する制動力と後輪に作用する制動力との差に基づいてダンピング制御量を決定する。そして、決定されたダンピング制御量に基づいて、駆動手段がアクチュエータを駆動制御する。このように、アクチュエータは、前後輪の制動力差を考慮したダンピング制御量を受けて駆動するので、かかる前後輪の制動力差に基づく走行不安定性は解消される。
この場合、操舵装置は、操舵ハンドルの操舵トルクに基づいて、操舵ハンドルの操舵操作をアシスト制御するための基本アシスト制御量を決定する基本アシスト制御量決定手段を備えるものとし、駆動手段は、ダンピング制御量決定手段で決定されたダンピング制御量および、基本アシスト制御量決定手段で決定された基本アシスト制御量に基づいてアクチュエータを駆動制御するものであるとよい。このようにすれば、アクチュエータによって、適切なダンピング制御を加味した操舵ハンドルの操舵アシストを行うことができ、より一層操舵性を向上させることができる。
また、ダンピング制御量決定手段は、後輪に作用する制動力が前輪に作用する制動力よりも大きい場合のダンピング制御量が、後輪に作用する制動力が前輪に作用する制動力よりも小さい場合のダンピング制御量、および、後輪に作用する制動力と前輪に作用する制動力とが等しい場合のダンピング制御量よりも大きくなるように、ダンピング制御量を決定するものであるとよい。ここで、後輪に作用する制動力が前輪に作用する制動力よりも小さい場合とは、例えばフットブレーキで制動力を前後輪に作用させた場合などである。この場合は、通常は前輪制動力の方が後輪制動力よりも大きくなる。また、後輪に作用する制動力と前輪に作用する制動力とが等しい場合には、後輪にも前輪にも制動力が作用していない場合を含むものとする。
後輪制動力が前輪制動力を上回る場合、または前輪に制動力が作用されておらずに後輪のみに制動力が作用された場合に操舵ハンドルを回動操作すると、後輪が横滑りを起こしやすい。このため車体が車両旋回方向に対して内側に切れ込む状態となりやすい。このような時に、よりダンピング制御量が大きくなるように制御すれば、さらに車体が車両旋回方向に対して内側に切れ込む状態となる方向に操舵ハンドルを回動させようとしても、ダンピング制御による抵抗トルクによって、運転者は操舵ハンドルから操舵抵抗を受ける。このため、操舵ハンドルをさらに車体が内側に切れ込む状態となる方向に回動させるのを回避し、車両の挙動を安定化させることができる。
この場合、操舵装置は、後輪に制動力を付与する後輪制動装置を備えるものとし、ダンピング制御量決定手段は、後輪制動装置が作動して後輪に制動力が作用している場合のダンピング制御量が、後輪制動装置が非作動であって後輪に制動力が作用していない場合のダンピング制御量よりも大きくなるように、ダンピング制御量を決定するものであるとよい。操舵ハンドルの回動操作中にパーキングブレーキなどの後輪制動装置が作動して後輪に制動力が作用する場合には、上記説明したように車体が車両の旋回方向に対して内側に切れ込む状態となりやすい。このため、後輪制動装置の作動に伴ってダンピング制御量を大きく設定するようにしておけば、車体が車両旋回方向に対して内側に切れ込む状態を悪化させるのを回避し、車両の旋回挙動を安定化することができる。
さらにこの場合、後輪制動装置が電動式パーキングブレーキ装置であると、本発明の効果がより一層顕著に望める。すなわち、電動式パーキングブレーキ装置は、パーキングブレーキスイッチを押すのみで作動するため、運転者が操舵ハンドルの回動操作中に誤ってパーキングブレーキスイッチを押してしまう場合がある。このような誤動作の場合に備え、ダンピング制御量を大きく設定しておくことで、車体が車両旋回方向に対して内側に切れ込む状態の悪化を回避できる。
また、上記課題を達成するために、本発明の他の特徴は、操舵ハンドルの操舵操作をダンピング制御するためのアクチュエータを備えた車両の操舵装置において、前記車両の車体スリップ角が増加するに連れて、ダンピング制御量が大きくなるようにダンピング制御量を決定するダンピング制御量決定手段と、前記ダンピング制御量決定手段で決定されたダンピング制御量に基づいて前記アクチュエータを駆動制御する駆動手段とを備えるものとしたことである。
車体スリップ角が大きくなるということは、車体が車両旋回方向に対して内側に切れ込む傾向が大きくなることを意味する。したがって、車体スリップ角が大きくなるほどダンピング制御量を大きくすることによって、車両の旋回挙動安定性がより向上する。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係り、運転者による操舵操作に対してアシスト機能を有する車両の操舵装置の全体概略図である。
この車両の操舵装置は、操舵ハンドル11に上端(図示下端)が一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備え、同シャフト12の下端(図示上端)にはピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14の両端には左右前輪FW1,FW2が操舵可能に接続されており、左右前輪FW1,FW2は、ステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。ラックバー14には、操舵アシスト用の電動モータ15が組み付けられている。電動モータ15の回転は、減速器を構成するボールネジ機構16によって減速されるとともにラックバー14の直線運動に変換される。
また、図に示すように、ステアリングシャフト12には、トルクセンサ54が取り付けられている。このトルクセンサ54は、運転者が操舵ハンドル11を回動させるときに入力される操舵トルクを検出するものである。トルクセンサ54で検出された操舵トルクTは、後述するEPS電子制御ユニット41に入力される。なお、操舵トルクTは、正負の値により操舵ハンドル11の右方向および左方向の操舵時の操舵トルクTを表す。
また、本実施形態に係る車両には、電動パーキングブレーキ装置(以下、EPB装置とする)を備えている。このEPB装置は、EPB電子制御ユニット21(以下、EPB−ECU21という)、パーキングブレーキスイッチ22、電動式パーキングブレーキアクチュエータ23(以下、EPBアクチュエータ23という)を備えている。EPB−ECU21は、CPU,ROM、RAMなどを主要構成部品とするマイクロコンピュータであり、電動式パーキングブレーキ装置の制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。そして、電動式パーキングブレーキ装置の動作、特に、制動力の付与動作を統括的に制御する。
パーキングブレーキスイッチ22は、運転席近傍に配置されており、運転者の操作に応じてEPB−ECU21に制動力の付与または解除を指示するためのスイッチである。すなわち、パーキングブレーキスイッチ22が運転者によって、”ON”状態とされると、EPB−ECU21に対して制動力の付与を要求するためのON信号を出力し、”OFF”状態とされると、制動力の解除を要求するためのOFF信号を出力する。なお、パーキングブレーキスイッチ22は、運転者によって操作されない限り、”OFF”状態が維持される。
EPBアクチュエータ23は、電動モータ(図示省略)を備えており、EPB−ECU21の制御のもとにケーブルKを巻き上げまたは巻き戻し駆動して、左右後輪RW1,RW2に設けたパーキングブレーキ機構24,25を作動させる。このようにEPBアクチュエータ23がケーブルKを巻き上げまたは巻き戻すと、パーキングブレーキ機構24,25は、ケーブルKを介して張力が伝達されることにより、左右後輪RW1,RW2に制動力を付与したり、解除したりする。
EPB−ECU21は、パーキングブレーキスイッチ22からの信号の作動状態を常時検出しており、この作動状態を、EPB作動信号Sとして、後述するEPS電子制御ユニット41に出力する。すなわち、パーキングブレーキスイッチ22が”OFF”状態であるときは、EPB作動信号SとしてOFF信号をEPS電子制御ユニット41に出力し、パーキングブレーキスイッチ22が運転者により操作されて”ON”状態とされたときは、EPB作動信号SとしてON信号をEPS電子制御ユニット41に出力する。
また、本実施形態に係る車両には、車両安定性制御装置(以下、VSC装置という)を備えている。VSC装置は、CPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品としたVSC電子制御ユニット31(以下、VSC−ECU31という)を備えており、車両の旋回時におけるアンダーステア傾向やオーバーステア傾向を補正して、車両挙動を安定化させるものである。このVSC−ECU31には、車体に取り付けられた車速センサ51、横加速度センサ52、およびヨーレートセンサ53から、それぞれ車速V、横加速度Gy、およびヨーレートγが入力される。そして、VSC−ECU31は、これらの入力情報およびその他の情報を基にして、車体スリップ角βや車体スリップ角速度dβ/dtなどの車両の安定性制御に必要な情報を算出する。なお、車体スリップ角βは、以下の式によって算出できる。
β=∫{(Gy/V)−γ}dt
そして、VSC−ECU31は、算出された車体スリップ角β、車輪スリップ角などに応じて車体を制御するための信号を出力するとともに、車体スリップ角βの情報をEPS電子制御ユニット41に出力する。なお、VSC装置における具体的な車両安定制御の手法については、本発明とは関係が薄いため、その具体的説明は省略する。
また、本実施形態に係る車両には、EPS電子制御ユニット41(以下、EPS−ECU41という)を備える。このEPS−ECU41は、CPU,ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とし、図2のアシスト制御プログラムを実行することにより、駆動回路61を介して電動モータ15を駆動制御する。駆動回路61は、EPS−ECU41によって指定される駆動電流を電動モータ15に流す。
次に、上記のように構成した本実施形態の動作について説明する。EPS−ECU41は、イグニッションスイッチの投入により、アシスト制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。アシスト制御プログラムの実行は図2のステップS10にて開始され、ステップS11にて基本アシスト制御量Taoを計算する。図3は、基本アシスト制御量Taoを計算するための手順を説明するフローチャートである。
図3に示すように、基本アシスト制御量Taoの計算は、まずステップS110にて開始され、ステップS111にてトルクセンサ54から操舵トルクTが、車速センサ51から車速Vが入力される。次いで、ステップS112にて、基本アシスト制御量マップに基づいて、基本アシスト制御量Taoを計算する。図5に、基本アシスト制御量マップを示す。この基本アシスト制御量マップは、複数の代表的な車速値ごとに、操舵トルクTに依存して決定される複数のアシスト制御量を記憶している。
図5からわかるように、基本アシスト制御量は、操舵トルクが正方向に増加するに従って増加し、所定の操舵トルクに達すると一定の値となる。また、基本アシスト制御量は、操舵トルクが負方向に増加するに従って減少し、所定の操舵トルクに達すると一定の値となる。基本アシスト制御量は、同一の操舵トルクに対して、車速が低いほど大きい。なお、この基本アシスト制御量マップを利用するのに変えて、操舵トルクおよび車速に応じて変化する基本アシスト制御量を関数により予め定義しておき、同関数を利用して基本アシスト制御量を計算するようにしてもよい。このような基本アシスト制御量マップに基づいて基本アシスト制御量Taoを計算した後は、ステップS113にてこの基本アシスト制御量の計算処理を終了する。
ステップS11で基本アシスト制御量Taoを計算した後は、ステップS12にてダンピング制御量Tdを計算する。図4は、ダンピング制御量Tdを計算するための手順を説明するフローチャートである。
図4に示すように、ダンピング制御量Tdの計算は、まずステップS120にて開始され、ステップS121にて、VSC−ECU31から車体スリップ角βが入力される。
次いで、ステップS122にて、EPB−ECU21からEPB作動信号Sが入力される。その後、ステップS123にて、入力されたEPB作動信号SがON状態であるか否かが判断される。EPB作動信号SがON状態、すなわちEPBが作動中である場合には、ステップS124に進む。EPB作動信号SがOFF状態、すなわちEPBが非作動状態である場合には、ステップS125に進む。
ステップS124では、図6に示すダンピング制御量と車体スリップ角との関係を示すダンピング制御量マップにおいて、マップAを選択し、ステップS126に進む。一方、ステップS125では、マップBを選択し、ステップS126に進む。そして、ステップS126では、選択されたマップを参照して、車体スリップ角βに対応したダンピング制御量Tdを計算する。
図6からわかるように、ダンピング制御量マップであるマップAおよびマップBは、車体スリップ角βに依存して決定される複数のダンピング制御量を記憶している。車体スリップ角βが正の領域にある場合には、車体スリップ角βの増加に従ってダンピング制御量が増加するように、ダンピング制御量が設定される。ただし、同一の車体スリップ角βに対して、マップAにおけるダンピング制御量の方が、マップBにおけるダンピング制御量よりも大きい。また、車体スリップ角βが負の領域にある場合は、ダンピング制御量は、マップAおよびマップBのいずれにおいても0とされる。なお、このマップAおよびマップBを利用するのに変えて、車体スリップ角に応じて変化するダンピング制御を関数により予め定義しておき、同関数を利用してダンピング制御量を計算するようにしてもよい。ダンピング制御量マップAまたはBに基づいてダンピング制御量Tdを計算した後は、ステップS127にてこのダンピング制御量の計算処理を終了する。
なお、図6において、車体スリップ角βが正の場合とは、車体の向きが車両の旋回軌跡に対して内向きである場合である。一方、車体スリップ角βが負の場合とは、車体の向きが車両の旋回軌跡に対して外向きである場合である。
ステップS12でダンピング制御量Tdを計算した後は、ステップS13に進む。ステップS13では、上記ステップS11で計算された基本アシスト制御量Taoおよび上記ステップS12で計算されたダンピング制御量Tdを基に、アシスト制御量Tasを計算する。本実施形態では、このアシスト制御量Tasは、基本アシスト制御量Taoからダンピング制御量Tdを減じたものである。
そして、ステップS14にて、駆動回路61を介して電動モータ15を制御して、計算されたアシスト制御量Tas=Tao−Tdに対応するトルクが発生されるように電動モータ15を作動させる。具体的には、EPS−ECU41は、アシスト制御量Tasに対応した大きさの電流を表す電流指令値を駆動回路61に出力し、駆動回路61は電流指令値により指定された大きさの電流を電動モータ15に流す。
これにより、電動モータ15は、その出力軸にアシスト制御量Tasに対応した回転トルクを出力する。そして、この回転トルクはボールネジ機構16に伝達され、ボールネジ機構16は電動モータ15の回転を減速するとともに直線運動に変換して、ラックバー14を軸線方向に駆動する。その結果、運転者による操舵ハンドル11の回動操作が電動モータ15によりアシストされ、左右前輪FW1,FW2は運転者による操舵力と電動モータ15によるアシスト力により操舵される。
上記のように動作する本実施形態においては、前記ステップS12の処理によって、ダンピング制御量を計算している。また、ダンピング制御量は、ステップS123において、EPB作動信号Sによって、マップAを参照するかマップBを参照するかに場合分けされる。EPB作動信号SがON状態、すなわちEPBが作動している場合には、よりダンピング制御量が大きいマップAが参照されてダンピング制御量が決定され、EPB作動信号SがOFF状態、すなわちEPBが非作動状態の場合には、ダンピング制御量が小さいマップBが参照されてダンピング制御量が決定される。つまり、EPBが作動している場合は、作動していない場合に比較して、ダンピング制御量が大きくされる。
運転者が操舵ハンドル11を回動操作しているときに、例えば誤ってパーキングブレーキスイッチ22を操作してしまうと、EPB装置が作動して後輪RW1,RW2に制動力が作用する。このような場合は、後輪RW1,RW2に作用する制動力が前輪FW1,FW2に作用する制動力よりも大きくなり、後輪RW1,RW2が横滑りを起こして、車体が車両旋回方向に対して内向きの状態となりやすい。このとき、操舵ハンドル11をアシストする電動モータ15が、操舵ハンドル11をさらに内向きとなる方向に大きなアシストトルクを発生していると、運転者は操舵ハンドル11をさらに車体が車両旋回方向に対して内向きとなる方向に回動させてしまい、車両の挙動を不安定とさせる場合がある。
これに対し、本実施形態では、上記のような状態となったときには、ダンピング制御量マップにおいてよりダンピング制御量がより大きいマップAを選択するため、このマップAに基づくダンピング制御によって、電動モータ30からステアリングシャフト12に加えられるトルクは、車体が車両旋回方向に対してさらに内向きとなる方向に対する反力トルクの成分が増加する。したがって、運転者は、操舵ハンドル11を、車体がさらに車両旋回方向に対して内向きに切れ込む方向に回動させようとすると、強い抵抗を受けるため、斯かる方向へ回動し難くなる。そのため、車体がさらに内向きに切れ込む状態を回避することができ、車両の挙動を安定化することができる。
以上のように、本実施形態における操舵装置は、前輪FW1,FW2に作用する制動力と後輪RW1,RW2に作用する制動力との差に応じてダンピング制御量を決定するダンピング制御量決定手段(ステップS12)と、ダンピング制御量決定手段で決定されたダンピング制御量に基づいて、電動モータ15を駆動制御する駆動手段61とを備えるものとして構成しており、操舵アシスト用の電動モータ15は前後輪の制動力差を考慮したダンピング制御量を受けて駆動する。よって、前後輪の制動力差に基づく走行不安定性は解消される。
また、ダンピング制御量決定手段(ステップS12)は、EPB作動信号がON状態である場合、すなわちEPB装置によって後輪に制動力が作用し、後輪に作用する制動力が前輪に作用する制動力よりも大きい場合には、マップAを選択してダンピング制御量を通常の状態(例えばEPB作動信号がOFF状態である場合、すなわちEPB装置が非作動であって後輪および前輪に制動力が作用していない状態)よりも多くしている。このため、回動操舵時に後輪制動が生じて後輪が横滑りを起こし、車体が車両旋回方向に対して内向きに切れ込む状態となっても、大きなダンピング制御量によって、操舵ハンドルをさらに内向きに切れ込む方向へ回動し難くしている。このため、操舵ハンドルを、車体がさらに車両旋回方向に対して内向きに切れ込む方向に回動させるのを回避し、車両の旋回挙動を安定化させることができる。
また、ダンピング制御量決定手段(ステップS12)は、車両の車体スリップ角βが、車体が車両旋回方向に対して内向きに切れ込む方向に増加するに連れて、ダンピング制御量が大きくなるように、ダンピング制御量を決定している。このため、車体が内向きに切れ込む傾向が強まれば強まるほどダンピング制御量が大きくなり、車両の挙動安定性をより向上させることができる。
なお、前後輪の制動力差にかかわらず、ダンピング制御量を、車体スリップ角βの増加(車両旋回方向に対して内向きに切れ込む方向への増加)にしたがって大きくすることもできる。車体スリップ角βは、後輪の横滑りの具合をも表しているので、このスリップ角βに基づいてダンピング制御量を調節しても、車両の挙動安定性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係り、運転者による操舵操作に対してアシスト機能を有する車両の操舵装置の全体概略図である。 図1の電子制御ユニットにより実行されるアシスト制御プログラムのフローチャートである。 基本アシスト制御量を計算するための手順を示すフローチャートである。 ダンピング制御量を計算するための手順を示すフローチャートである。 基本アシスト制御量と操舵トルクとの関係を示すグラフであり、本実施形態における基本アシスト制御量マップである。 ダンピング制御量と車体スリップ角との関係を示すグラフであり、本実施形態におけるダンピング制御量マップである。
符号の説明
11…操舵ハンドル、12…ステアリングシャフト、13…ピニオンギヤ、14…ラックバー、15…電動モータ、16…ボールネジ機構、21…電動式パーキングブレーキ電子制御ユニット、22…パーキングブレーキスイッチ、23…電動式パーキングブレーキアクチュエータ(EPBアクチュエータ)、24,25…パーキングブレーキ機構、31…VSC電子制御ユニット、41…EPS電子制御ユニット、51…車速センサ、52…横加速度センサ、53…ヨーレートセンサ、54…トルクセンサ、61…駆動回路、FW1,FW2…左右前輪、RW1,RW2…左右後輪、K…ケーブル、Tas…アシスト制御量、Tao…基本アシスト制御量、Td…ダンピング制御量、S…作動信号、Gy…横加速度、T…操舵トルク、V…車速、β…車体スリップ角、γ…ヨーレート

Claims (6)

  1. 操舵ハンドルの操舵操作をダンピング制御するためのアクチュエータを備えた車両の操舵装置において、
    前記車両の前輪に作用する制動力と後輪に作用する制動力との差に応じてダンピング制御量を決定するダンピング制御量決定手段と、
    前記ダンピング制御量決定手段で決定されたダンピング制御量に基づいて、前記アクチュエータを駆動制御する駆動手段と
    を備えることを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、前記操舵ハンドルの操舵トルクに基づいて、前記操舵ハンドルの操舵操作をアシスト制御するための基本アシスト制御量を決定する基本アシスト制御量決定手段を備え、前記駆動手段は、前記ダンピング制御量決定手段で決定されたダンピング制御量および前記基本アシスト制御量決定手段で決定された基本アシスト制御量に基づいて、前記アクチュエータを駆動制御することを特徴とする車両の操舵装置。
  3. 請求項1または2に記載した車両の操舵装置において、前記ダンピング制御量決定手段は、前記後輪に作用する制動力が前記前輪に作用する制動力よりも大きい場合のダンピング制御量が、前記後輪に作用する制動力が前記前輪に作用する制動力よりも小さい場合のダンピング制御量、および、前記後輪に作用する制動力と前記前輪に作用する制動力とが等しい場合のダンピング制御量よりも大きくなるように、ダンピング制御量を決定することを特徴とする車両の操舵装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載した車両の操舵装置において、車両の後輪に制動力を付与する後輪制動装置を備え、前記ダンピング制御量決定手段は、前記後輪制動装置が作動して前記後輪に制動力が作用している場合のダンピング制御量が、前記後輪制動装置が作動せずに前記後輪に制動力が作用していない場合のダンピング制御量よりも大きくなるように、ダンピング制御量を決定することを特徴とする車両の操舵装置。
  5. 請求項4に記載した車両の操舵装置において、前記後輪制動装置は、電動式パーキングブレーキ装置であることを特徴とする車両の操舵装置。
  6. 操舵ハンドルの操舵操作をダンピング制御するためのアクチュエータを備えた車両の操舵装置において、
    前記車両の車体スリップ角が増加するに連れて、ダンピング制御量が大きくなるようにダンピング制御量を決定するダンピング制御量決定手段と、
    前記ダンピング制御量決定手段で決定されたダンピング制御量に基づいて、前記アクチュエータを駆動制御する駆動手段と
    を備えることを特徴とする車両の操舵装置。
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