以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係るデジタルカメラ10の機能ブロックを示す。デジタルカメラ10は、本発明における撮像装置の一例である。また、撮像装置は、静止画を撮像するデジタルスチルカメラであってもよく、動画を撮影するデジタルビデオカメラであってもよい。
デジタルカメラ10は、被写体が含む領域の明るさを判断する明るさ判断部の一例である測光センサ54と、被写体を撮像して撮像データを取得する撮像部20と、撮像部20が取得した撮像データを処理する画像処理部140とを備える。撮像部20は、ストロボ36と、被写体の光学像を集光する撮影レンズ部22と、撮影レンズ部22によって集光された光学像を撮像信号に変換する撮像素子の一例であるCCD30と、CCD30が変換した撮像信号を処理する撮像信号処理部32と、CCD30が含む受光素子のうちで前記領域の光を受光する受光素子の感度を制御する感度制御部11とを有する。画像処理部140は、撮像信号処理部32が処理した複数の画像に基づいて画像を生成する画像生成部としての機能を有してもよい。また、撮像信号処理部32は、被写体が含む領域の明るさを判断する明るさ判断部の一例であってもよい。
デジタルカメラ10が被写体を撮像する場合、まず撮像信号処理部32または測光センサ54は、フォトダイオードが光電変換により出力する電気信号を検出することによって被写体の明るさを判断する。感度制御部11は、撮像信号処理部32または測光センサ54が判断した被写体の明るさに基づいて、CCD30の感度を制御する。次に、ストロボ36は、撮像信号処理部32または測光センサ54が判断した被写体の明るさに基づいて発光する。そして、CCD30は、撮影レンズ部22が結像する光学像を電気信号に変換して出力する。撮像信号処理部32は、CCD30が出力する電気信号をA/D変換し、その結果得られたデジタルの画像データを出力する。画像処理部140は、撮像信号処理部32が出力した画像データを所定の条件に基づいて合成することにより、出力画像を生成する。
図2は、本実施形態に係る被写体を含んだ被写体200の一例を示す。図3は、撮影レンズ部22によって集光された被写体200が、CCD30の感光範囲に結像された様子を示す。被写体200は、領域202aと、領域202bとを含む。CCD30は、等間隔に配列された複数の受光素子300を含む。受光素子300は、被写体200の領域202aの光を受光する受光素子300aと、被写体200の領域202bの光を受光する受光素子300bとを含む。デジタルカメラ10が被写体200を撮像する場合、撮像信号処理部32または測光センサ54は、領域202a及び領域202bの明るさを判断する。この場合、撮像信号処理部32または測光センサ54は、領域202aまたは領域202bの明るさを、異なる感度で複数回判断してもよい。これにより、領域202aと領域202bとの明るさの差が撮像信号処理部32または測光センサ54が有するダイナミックレンジを越えている場合でも、領域202aの明るさを適切に検出する感度、及び領域202bの明るさを適切に検出する感度における判断を行うことができるため、被写体全体の明るさを適切に判断することができる。
次に、感度制御部11は、撮像信号処理部32または測光センサ54が判断した領域202aの明るさに基づいて、受光素子300aの感度を制御する。また、感度制御部11は、撮像信号処理部32または測光センサ54が判断した領域202bの明るさに基づいて、受光素子300bの感度を制御する。例えば、領域202aには太陽光が届き、領域202bには太陽光が届いていないという場合は、明るい領域202aと暗い領域202bとの明るさの差が受光素子300a及び受光素子300bが有するダイナミックレンジを越えやすい。そこで、感度制御部11は、明るい領域202aの光の強さを適切に検出できるレベルまで受光素子300aの感度を下げる。また、感度制御部11は、暗い領域202bの光の強さを適切に検出できるレベルまで受光素子300bの感度を上げる。
CCD30は、感度制御部11が受光素子300a及び受光素子300bの感度をそれぞれ制御した状態で、被写体200を撮像する。したがって、明るい領域202aと暗い領域202bとの明るさの差が大きい場合でも、それぞれ感度が最適化された受光素子300a及び300bが、領域202a及び領域202bの明るさを、それぞれのダイナミックレンジの範囲内で適切に検出し、電気信号に変換することができる。
なお、撮像信号処理部32は、感度制御部11が制御した受光素子300a及び受光素子300bそれぞれの感度レベルと、受光素子300a及び受光素子300bがそれぞれ出力する電気信号とを、対応づけて取得する。そして、撮像信号処理部32は、受光素子300a及び受光素子300bが出力した電気信号を、感度制御部11が制御した受光素子300a及び受光素子300bの感度レベルに基づいて増幅又は減衰する。例えば、感度制御部11が受光素子300aの感度を1/100に制御した場合は、撮像信号処理部32は、受光素子300aが出力した電気信号を100倍に増幅する。また、感度制御部11が受光素子300bの感度を50倍に制御した場合は、受光素子300bが出力した電気信号を1/50に減衰する。そして、画像処理部140は、撮像信号処理部32が増幅または減衰した信号を合成することによって、出力画像を生成する。
このようなデジタルカメラ10によれば、被写体200のダイナミックレンジが受光素子300のダイナミックレンジよりも大きい場合であっても、領域毎に、複数の受光素子300の感度を制御することによって、被写体200の光学像を受光素子300のダイナミックレンジに収まる電荷像として取得することができる。さらに、受光素子300のそれぞれが出力する電気信号を、感度制御部11が制御した感度レベルに応じて増幅又は減衰することによって、画像のダイナミックレンジが、受光素子300が本来有するダイナミックレンジよりも大きい出力画像を取得することができる。
本実施形態に係るCCD30の他の例によれば、CCD30は、領域202aの光を受光し、所定の感度で光を電気信号に変換する受光素子300aと、領域202bの光を受光し、受光素子300aが電気信号に変換することのできない強さの光を電気信号に変換する受光素子300bとを有してもよい。具体的には、CCD30は、比較的感度が低く、互いに隣接する複数の受光素子300aをCCD30の感光範囲における中央部分に有する。そして、CCD30の感光範囲における受光素子300aよりも外側おいて、受光素子300aよりも感度が高く、互いに隣接する複数の受光素子300bを有する。
受光素子300aの感度よりも受光素子300bの感度を高く設けるには、以下の手段によればよい。すなわち、受光素子300aは、受光素子300aに照射される光が所定の割合で受光素子300aの感光部に集光されるように設けられたマイクロレンズを有し、受光素子300bは、受光素子300bに照射される光が受光素子300aよりも高い割合で受光素子300bの感光部に集光されるように設けられたマイクロレンズを有していればよい。言い換えれば受光素子300aのマイクロレンズの集光率よりも受光素子300bのマイクロレンズの集光率の方が高ければよい。具体的には、マイクロレンズと感光部との相対位置が、受光素子300aと受光素子300bとで異なるように設け、受光素子300aの光の利用効率よりも受光素子300bの光の利用効率の方が高くなるようにすればよい。
受光素子300aの感度よりも受光素子300bの感度を高く設けるための他の手段によれば、受光素子300aが有するマイクロレンズの焦点距離と、受光素子300bが有するマイクロレンズの焦点距離とが異なるように設けて、受光素子300aの光の利用効率よりも受光素子300bの光の利用効率の方が高くなるようにすればよい。具体的には受光素子300aと受光素子300bとでマイクロレンズのレンズ形状が異なっていてもよいし、マイクロレンズの材料の屈折率が異なっていてもよい。
本例のデジタルカメラ10によれば、画面の中央部分の主要被写体が比較的近距離に位置した状態において、ストロボ36を発光して被写体200を撮像した場合であっても、画面の中央部を撮像する受光素子300の感度が低く抑えられているため、主要被写体がオーバー露出になることを防げる。なおかつ、ストロボが届きにくい比較的遠距離の被写体であって、画面の周縁部に位置する被写体は、感度の高い受光素子300が撮像するため、より適正な露出で撮像できる。
図4は、本実施形態に係る受光素子300の断面の一例を示す。受光素子300は、光を電荷に変換するフォトダイオードを含む半導体17と、アルミニウム等からなる遮光層16と、遮光層16の開口部により形成される感光部13と、光を集光するマイクロレンズ12と、マイクロレンズ12が集光した光の透過率を制御する液晶フィルタ14と、カラーフィルタ15とを備える。マイクロレンズ12は、材料の屈折率とレンズ形状で決まる固有の焦点距離を有している。
複数の受光素子300が備えるマイクロレンズ12は、撮影レンズ部22が集光した光学像を更に集光する。感光部13は、マイクロレンズ12が集光した光を受光する。そして半導体17は、感光部13が受光した光の強さと時間に応じて電荷を蓄積する。半導体17は蓄積した電荷を所定のタイミングで出力する。感度制御部11が受光素子300の感度を制御する手段は、液晶フィルタ14であってもよいし、半導体17に電荷が蓄積される時間を制御する電子シャッタであってもよい。液晶フィルタ14及び電子シャッタのいずれの手段によっても、複数の受光素子300の感度を独立して制御することができる。
図5は、本実施形態に係る受光素子300の断面の他の例を示す。受光素子300は、マイクロレンズ12と感光部13との相対位置を変化させるアクチュエータ18を備えている。図5(a)は、マイクロレンズ12が入射光を効率よく感光部13に集光している様子を示す。また、図5(b)は、アクチュエータ18がマイクロレンズ12と感光部13との距離を縮めた様子を示す。図5(a)に示したマイクロレンズ12の位置が、入射光を最も効率よく感光部13に集光する位置である場合、図5(b)に示すように、アクチュエータ18がマイクロレンズ12の位置を変化させると、感光部13に照射される光の強さは低下する。したがって、感度制御部11は、アクチュエータ18を駆動してマイクロレンズ12と感光部13との相対位置を変化させることによって、受光素子300が利用することのできる光の効率を変化させることができる。つまり、感度制御部11は、受光素子300が有するマイクロレンズ12と感光部13との相対位置を制御することによって、受光素子300の感度を制御することができる。
図6は、本実施形態に係る受光素子300の断面の他の例を示す。受光素子300は、液晶レンズ等の焦点可変レンズをマイクロレンズ12として備えており、複数の受光素子300のそれぞれは、マイクロレンズ12の焦点を独立して変更することができる。図6(a)は、マイクロレンズ12が入射光を効率よく感光部13に集光した様子を示す。また、図6(b)は、マイクロレンズ12の屈折率が変化した様子を示す。マイクロレンズ12は、印可される電圧に応じて屈折率が変化し、入射光を感光部13へ集光する割合が変化する。したがって、感度制御部11は、マイクロレンズ12に印可する電圧を制御することによって、マイクロレンズ12の焦点距離を制御し、受光素子300が利用することのできる光の効率を変化させることができる。このようにして、感度制御部11は、受光素子300の感度を制御することができる。
図7は、本実施形態に係るデジタルカメラ10の他の例が撮像する、被写体230の一例を示す。被写体230は、人物等、比較的近距離に位置する被写体が占める領域232と、背景等、比較的遠距離に位置する被写体が占める領域234とを含む。本例のデジタルカメラ10が被写体230を撮像する場合、ストロボ36は、撮像信号処理部32または測光センサ54が判断した被写体230の明るさの分布に基づいて、発光強度の異なる複数の発光条件を決定する。
また、ストロボ36は、被写体230の距離に基づいて複数の発光条件を決定してもよい。例えば、比較的近距離に位置し、明るい被写体が占める領域232が含まれる場合は無発光、あるいは弱い発光となる発光条件を設定する。そして、比較的遠距離に位置し、暗い被写体が占める領域234が更に含まれる場合は、最大の発光となる発光条件を追加設定する。そして、ストロボ36は、設定された複数の発光条件で発光し、撮像部20の一部であるCCD30は、複数の発光条件のそれぞれにおいて被写体230の画像のそれぞれを撮像する。
図8は、ストロボ36の複数の発光条件のそれぞれにおいて、撮像部20が被写体230を撮像した画像を示す。図8(a)は、ストロボ36が発光しないか、あるいは弱く発光した状態において撮像された原画像210aを示す。図8(b)は、ストロボ36が最大の強度で発光した状態において撮像された原画像210bを示す。原画像210aを撮像する場合においては、ストロボ36は、比較的近距離に位置する被写体が占める領域232の明るさが最適となるように弱く発光したので、部分画像212aは、最適な露出で撮像されている。しかしながら、領域232の明るさを適正にするストロボ36の発光は、比較的遠距離であり暗い被写体が占める領域234を十分に照らすことができない。したがって、領域234を撮像した部分画像214aは、アンダー露出となってしまう。
一方で、原画像210bを撮像する場合においては、ストロボ36は、比較的遠距離に位置する暗い被写体が占める領域234を明るくするように、最大の強度で発光する。これにより、領域234を撮像した部分画像214bは、適正な露出で撮像される。しかしながら、領域234の明るさを適正にするストロボ36の発光は、比較的近距離に位置する被写体が占める領域232にとっては光が強すぎる。したがって、領域234を撮像した部分画像212bはオーバー露出となってしまう。そこで、画像生成部の一例である画像処理部140は、以下のようにして、原画像210a及び原画像210bから画像全体の露出が適正となる出力画像を生成する。
図9は、本実施形態に係る画像処理部140が、原画像210aと原画像210bからそれぞれ部分画像を抽出して合成する例を示す。図9(a)は、画像処理部140が、原画像210aの一部であって、被写体230の領域232を適正な露出で撮像した部分画像212aを抽出した状態を示す。図9(b)は、画像処理部140が、原画像210bの一部であって、被写体230の領域234を適正な露出で撮像した部分画像214bを抽出した状態を示す。そして、図9(c)は、画像処理部140が、部分画像212aと部分画像214bとを合成することによって、出力画像220を生成した状態を示す。本例のデジタルカメラ10によれば、いずれも適正な露出で撮像された部分画像212a及び部分画像214bを合成することによって出力画像220を生成するので、全体の露出が適正な画像を得ることができる。
図10は、本実施例に係るデジタルカメラ10が被写体を撮像するフローの一例を示す。ユーザは、被写体200の構図が決まるとレリーズスイッチを半押しする(S200)。受光素子300aは、レリーズスイッチの半押しに基づいて領域202aの光を受光する(S202)。そして、受光素子300bは、領域202bの光を受光する(S204)。撮像信号処理部32は、受光素子300aが出力する電気信号に基づいて領域202aの明るさを判断する(S206)。撮像信号処理部32は、受光素子300bが出力する電気信号に基づいて領域202bの明るさを判断する(S208)。感度制御部11は、撮像信号処理部32が判断した領域202aの明るさに基づいて受光素子300aの感度を制御する(S210)。感度制御部11は、撮像信号処理部32が判断した領域202bの明るさに基づいて受光素子300bの感度を制御する(S212)。デジタルカメラ10は、受光素子の感度が制御できた時点で、音や発光などの手段を用いてユーザへ通知してもよい。ユーザは、受光素子の感度が制御できた時点で、半押ししていたレリーズスイッチを更に押下する(S214)。撮像部20はレリーズスイッチの押下に応じて被写体200を撮像する(S216)。以上で、本フローは終了する。
図11は、本実施例に係るデジタルカメラ10が被写体を撮像するフローの他の例を示す。ユーザは、被写体230の構図が決まるとレリーズスイッチを半押しする(S300)。測光センサ54はレリーズスイッチの半押しに基づいて被写体230の明るさの分布を判断する(S302)。次に、ストロボ36は、測光センサ54が判断した明るさの分布に基づき、領域232に適した発光条件1で発光する(S304)。撮像部20は、ストロボ36の発光とほぼ同時に被写体230を撮像し、原画像210aを取得する(S306)。次にストロボ36は、測光センサ54が判断した明るさの分布に基づき、領域234に適した発光条件2で発光する(S308)。撮像部20は、ストロボ36の発光とほぼ同時に被写体230を撮像し、原画像210bを取得する(S310)。次に、画像処理部140は、原画像210aを解析して、領域毎に露出の適正度合いを解析する(S312)。画像処理部140は、原画像210bを解析して、領域毎に露出の適正度合いを解析する(S314)。画像処理部140は、S312及びS314における解析の結果に基づいて、領域232を最も適正な露出で撮像している部分画像212aを原画像210aから抽出する(S316)。そして画像処理部140は、領域234を最も適正な露出で撮像している部分画像214bを原画像210bから抽出する(S318)。次に、画像処理部140は、部分画像212aと部分画像214bとを合成することによって(S320)、出力画像220を生成する(S322)。以上で、本フローは終了する。
図12は、パーソナルコンピュータ400のハードウェア構成を示す。パーソナルコンピュータ400は、CPU700と、ROM702と、RAM704と、通信インタフェース706と、ハードディスクドライブ708と、データベースインタフェース710と、フロッピーディスクドライブ712と、CD−ROMドライブ714とを備える。CPU700は、ROM702及びRAM704に格納されたプログラムに基づいて動作する。通信インタフェース706は、ネットワークを介してデジタルカメラ10と通信する。データベースインタフェース710は、データベースへのデータの書込、及びデータベースの内容の更新を行う。格納装置の一例としてのハードディスクドライブ708は、設定情報及びCPU700を動作するプログラムを格納する。
フロッピーディスクドライブ712は、フロッピーディスク720からデータまたはプログラムを読み取りCPU700及び通信インタフェース706に提供する。CD−ROMドライブ714はCD−ROM722からデータまたはプログラムを読み取りCPU700及び通信インタフェース706に提供する。通信インタフェース706は、フロッピーディスクドライブ712またはCD−ROMドライブ714から提供されたデータまたはプログラムをデジタルカメラ10に送信する。データベースインタフェース710は、各種データベース724と接続してデータを送受信する。
CPU700が実行するプログラム及びデジタルカメラ10に提供されるプログラムは、フロッピーディスク720またはCD−ROM722等の記録媒体に格納されて利用者に提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。CPU700が実行するプログラムは記録媒体からハードディスクドライブ708にインストールされ、RAM704に読み出されてCPU700により実行される。デジタルカメラ10に提供されるプログラムは、記録媒体から読み出され、通信インタフェース706を介して、デジタルカメラ10にインストールされ、デジタルカメラ10において実行される。
記録媒体に格納されて提供され、デジタルカメラ10にインストールされるプログラムは、機能構成として、明るさ判断モジュールと、感度制御モジュールと、撮像モジュールと、画像生成モジュールとを有する。各モジュールがデジタルカメラ10に行わせる処理は、それぞれ本実施形態のデジタルカメラ10における、対応する構成要素の機能及び動作と同一であるから、説明を省略する。
図12に示した、記録媒体の一例としてのフロッピーディスク720またはCD−ROM722には、本出願で説明した全ての実施形態における、デジタルカメラ10の動作の一部または全ての機能を格納することができる。
これらのプログラムは記録媒体から直接RAMに読み出されて実行されても、一旦ハードディスクドライブにインストールされた後にRAMに読み出されて実行されてもよい。更に、上記プログラムは単一の記録媒体に格納されても複数の記録媒体に格納されてもよい。また、符号化した形態で格納されていてもよい。
記録媒体としては、フロッピーディスク、CD−ROMの他にも、DVD、PD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアーカードなどの半導体メモリ等を用いることができる。又、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の格納装置を記録媒体として使用し、通信網を介して、プログラムをデジタルカメラ10に提供してもよい。
図13は、本実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラ10の構成を示す。デジタルカメラ10は、撮像部20、撮像制御部40、システム制御部60、表示部100、操作部110、格納部120、外部接続部130、及び画像処理部140を備える。
撮像部20は、撮影レンズ部22、絞り24、シャッタ26、光学LPF28、CCD30、撮像信号処理部32、ファインダ34、及びストロボ36を有する。
撮影レンズ部22は、被写体像を取り込んで処理を施す。撮影レンズ部22は、フォーカスレンズやズームレンズ等を含み、被写体像をCCD30の受光面上に結像する。絞り24は、撮影レンズ部22を通過した光を絞り、光学LPF28は、絞り24を通過した光に含まれる所定の波長より長い波長成分を通過させる。CCD30が含む各受光素子300は、結像した被写体像の光量に応じ、電荷を蓄積する(以下その電荷を「蓄積電荷」という)。
シャッタ26は、機械式シャッタであり、撮影レンズ部22を通過した光をCCD30に露光するか否かを制御する。また、デジタルカメラ10は、シャッタ26に代えて電子シャッタ機能を有してもよい。電子シャッタ機能を実現するために、CCD30の受光素子300は、シャッタゲート及びシャッタドレインを有する。シャッタゲートを駆動することにより、蓄積電荷がシャッタドレインに掃き出される。シャッタゲートの制御により、各受光素子300に電荷を蓄積する時間、即ちシャッタスピードを制御できる。CCD30において、蓄積電荷は、リードゲートパルスによってシフトレジスタに読み出され、レジスタ転送パルスによって電圧信号として順次読み出される。
撮像信号処理部32は、CCD30から出力される被写体像を示す電圧信号、即ちアナログ信号をR、G、B成分に色分解する。そして、撮像信号処理部32は、R、G、B成分を調整することにより、被写体像のホワイトバランスを調整する。撮像信号処理部32は、被写体像のガンマ補正を行う。そして、撮像信号処理部32は、R、G、B成分に分解されたアナログ信号をA/D変換し、その結果得られた被写体像のデジタルの画像データ(以下「デジタル画像データ」という)をシステム制御部60へ出力する。
ファインダ34は、表示手段を有してもよく、後述のメインCPU62等からの各種情報をファインダ34内に表示してもよい。ストロボ36は、コンデンサに蓄えられたエネルギを放電する放電管37を有し、放電管37にエネルギが供給されたとき放電管37が発光することで機能する。
撮像制御部40は、ズーム駆動部42、フォーカス駆動部44、絞り駆動部46、シャッタ駆動部48、それらを制御する撮像系CPU50、測距センサ52、及び測光センサ54を有する。ズーム駆動部42、フォーカス駆動部44、絞り駆動部46、及びシャッタ駆動部48は、それぞれステッピングモータ等の駆動手段を有し、撮像部20に含まれる機構部材を駆動する。後述のレリーズスイッチ114の押下に応じ、測距センサ52は被写体までの距離を測定し、測光センサ54は被写体輝度を測定する。そして、測距センサ52及び測光センサ54は、測定された被写体までの距離のデータ(以下単に「測距データ」という)及び被写体輝度のデータ(以下単に「測光データ」という)を、それぞれ撮像系CPU50に供給する。
撮像系CPU50は、ユーザから指示されたズーム倍率等の撮影情報に基づき、ズーム駆動部42及びフォーカス駆動部44を制御して撮影レンズ部22のズーム倍率とピントの調整を行う。また、撮像系CPU50は、測距センサ52から受け取った測距データに基づいて、ズーム駆動部42及びフォーカス駆動部44を制御してズーム倍率及びピントの調整を行ってもよい。
撮像系CPU50は、測光センサ54から受け取った測光データに基づいて、絞り値及びシャッタスピードを決定する。決定された値に従い、絞り駆動部46及びシャッタ駆動部48は、絞り24の絞り量及びシャッタ26の開閉をそれぞれ制御する。
また、撮像系CPU50は、測光センサ54から受け取った測光データに基づいて、ストロボ36の発光を制御し、同時に絞り24の絞り量を調整する。ユーザが映像の取込を指示したとき、CCD30は電荷蓄積を開始し、測光データから計算されたシャッタ時間の経過後、蓄積電荷を撮像信号処理部32へ出力する。
システム制御部60は、メインCPU62、キャラクタ生成部84、タイマ86、及びクロック発生器88を有する。メインCPU62は、デジタルカメラ10全体、特にシステム制御部60を制御する。メインCPU62は、シリアル通信等により、撮像系CPU50との間で必要な情報の受け渡しをする。
クロック発生器88は、メインCPU62の動作クロックを発生し、メインCPU62に供給する。また、クロック発生器88は、撮像系CPU50及び表示部100の動作クロックを発生する。クロック発生器88は、メインCPU62、撮像系CPU50、及び表示部100に対してそれぞれ異なる周波数の動作クロックを供給してもよい。
キャラクタ生成部84は、撮影日時、タイトル等の撮影画像に合成する文字情報や、図形情報を生成する。タイマ86は、例えば電池等でバックアップされ、常に時間をカウントし、当該カウント値に基づいて撮影画像の撮影日時に関する情報等の時刻情報をメインCPU62に供給する。タイマ86は、蓄電池から供給された電力により、デジタルカメラ本体の電源がオフである場合にも時間をカウントするのが望ましい。また、キャラクタ生成部84及びタイマ86は、メインCPU62に併設されることが好ましい。
格納部120は、メモリ制御部64、不揮発性メモリ66、及びメインメモリ68を有する。メモリ制御部64は、不揮発性メモリ66とメインメモリ68とを制御する。不揮発性メモリ66は、EEPROM(電気的消去及びプログラム可能なROM)やFLASHメモリ等で構成され、ユーザによる設定情報や出荷時の調整値等、デジタルカメラ10の電源がオフの間も保持すべきデータを格納する。不揮発性メモリ66は、メインCPU62のブートプログラムやシステムプログラム等を格納してもよい。
メインメモリ68は、DRAMのように比較的安価で容量の大きなメモリで構成されることが好ましい。メインメモリ68は、撮像部20から出力されたデータを格納するフレームメモリとしての機能、各種プログラムをロードするシステムメモリとしての機能、その他ワークエリアとしての機能を有する。不揮発性メモリ66及びメインメモリ68は、システム制御部60内外の各部とバス82を介してデータのやりとりを行う。不揮発性メモリ66は、デジタル画像データを更に格納してもよい。
画像処理部140は、YC処理部70、エンコーダ72、及び圧縮伸張処理部78を有する。また、外部接続部130は、オプション装置制御部74、及び通信I/F部80を有する。
YC処理部70は、デジタル画像データにYC変換を施し、輝度信号Y、並びに色差(クロマ)信号B−Y及びR−Yを生成する。メインメモリ68は、メモリ制御部64の制御に基づいて、輝度信号及び色差信号を格納する。
圧縮伸張処理部78は、メインメモリ68から順次輝度信号と色差信号を読み出して圧縮する。そして、オプション装置制御部74は、圧縮されたデジタル画像データ(以下単に「圧縮データ」という)をオプション装置76の一例であるメモリカードへ書き込む。
エンコーダ72は、輝度信号と色差信号を、ビデオ信号(NTSCやPAL信号)に変換して端子90から出力する。オプション装置76に記録された圧縮データからビデオ信号を生成する場合、圧縮データは、まずオプション装置制御部74を介して圧縮伸張処理部78へ与えられる。続いて、圧縮伸張処理部78で必要な伸張処理が施されたデータはエンコーダ72によってビデオ信号へ変換される。
オプション装置制御部74は、オプション装置76が許容する信号仕様及びバス82のバス仕様に従い、バス82とオプション装置76との間で必要な信号の生成、論理変換、及び/又は電圧変換等を行う。デジタルカメラ10は、オプション装置76として前述のメモリカードの他に、例えばPCMCIA準拠の標準的なI/Oカードをサポートしてもよい。その場合、オプション装置制御部74は、PCMCIA用バス制御LSI等で構成してもよい。
通信I/F部80は、デジタルカメラ10がサポートする通信仕様、たとえばUSB、RS−232C、イーサネット等の仕様に応じたプロトコル変換等の制御を行う。通信I/F部80は、圧縮データ又はデジタル画像データを、端子92を介してネットワークを含む外部機器に出力してよい。通信I/F部80は、必要に応じてドライバICを含み、外部機器と端子92を介して通信する。通信I/F部80は、例えばプリンタ、カラオケ機、ゲーム機等の外部機器との間で独自のインターフェースによるデータ授受を行う構成としてもよい。
表示部100は、LCDモニタ102、LCDパネル104、モニタドライバ106、及びパネルドライバ108を有する。モニタドライバ106は、LCDモニタ102を制御する。また、パネルドライバ108は、LCDパネル104を制御する。LCDモニタ102は、例えば2インチ程度の大きさでカメラ背面に設けられ、現在の撮影や再生のモード、撮影や再生のズーム倍率、電池残量、日時、モード設定のための画面、被写体画像等を表示する。LCDパネル104は例えば小さな白黒LCDでカメラ上面に設けられ、画質(FINE/NORMAL/BASIC等)、ストロボ発光/発光禁止、標準撮影可能枚数、画素数、電池容量/残量等の情報を表示する。
操作部110は、パワースイッチ112、レリーズスイッチ114、機能設定部116、及びズームスイッチ118を有する。パワースイッチ112は、ユーザの指示に基づいてデジタルカメラ10の電源をオン/オフする。レリーズスイッチ114は、半押しと全押しの二段階押し込み構造を有する。一例として、レリーズスイッチ114が半押しされることにより、撮像制御部40は、自動焦点調整及び自動露出調整を行い、全押しされることにより、撮像部20は、被写体像を取り込む。
機能設定部116は、例えば回転式のモードダイヤルや十字キー等であって、「ファイルフォーマット」、「特殊効果」、「印画」、「決定/保存」、「表示切換」等の設定を受け付ける。ズームスイッチ118は、撮像部20が取得する被写体像のズーム倍率の設定を受け付ける。
以上の構成による主な動作は以下のとおりである。まずパワースイッチ112が押下され、デジタルカメラ10の各部に電力が供給される。メインCPU62は、機能設定部116の状態を読み込むことで、デジタルカメラ10が撮影モードにあるか再生モードにあるかを判断する。
デジタルカメラ10が撮影モードの場合、メインCPU62は、レリーズスイッチ114の半押し状態を監視する。レリーズスイッチ114の半押し状態が検出されたとき、撮像系CPU50は、測光センサ54及び測距センサ52からそれぞれ測光データと測距データを得る。撮像制御部40は、撮像系CPU50が得た測光データ及び測距データに基づいて、撮像部20のピント、絞り等を調整する。調整が完了すると、LCDモニタは、「スタンバイ」等の文字を表示してユーザにその旨を伝える。
続いて、メインCPU62は、レリーズスイッチ114の全押し状態を監視する。レリーズスイッチ114の全押し状態が検出されたとき、所定のシャッタ時間をおいてシャッタ26が閉じられ、CCD30の蓄積電荷が撮像信号処理部32へ掃き出される。撮像信号処理部32による処理の結果生成されたデジタル画像データはバス82へ出力される。デジタル画像データは一旦メインメモリ68へ格納され、この後YC処理部70と圧縮伸張処理部78で処理され、オプション装置制御部74を経由してオプション装置76へ記録される。記録されたデジタル画像データに基づく撮影画像は、フリーズされた状態でしばらくLCDモニタ102に表示され、ユーザは撮影画像を確認することができる。以上で一連の撮影動作が完了する。
一方、デジタルカメラ10が再生モードの場合、メインCPU62は、メインメモリ68、不揮発性メモリ66、及び/又はオプション装置76から撮影した撮影画像を読み出し、これを表示部100のLCDモニタ102へ表示する。
この状態でユーザが機能設定部116にて「順送り」、「逆送り」を指示すると、メインCPU62は、メインメモリ68、不揮発性メモリ66、及び/又はオプション装置76が格納した他の撮影画像を読み出し、これを表示部100のLCDモニタ102へ表示する。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
上記説明から明らかなように、本発明によればダイナミックレンジの広い画像を取得する撮像装置を提供することができる。