本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施の形態に係るテレビ電話システム(通信システム)100は、図3に示すように、同一拠点(屋内A)にある複数の携帯通信端末(通信装置・第1通信装置・第2通信装置)1と、該拠点とは別の拠点である屋外Bにある携帯通信端末1との間でテレビ会議を行うシステムである。なお、この図3は、本実施の形態に係るテレビ電話システム100の要部構成を示す図である。
なお、本実施形態においてこれ以降では説明の便宜上、屋内Aにある携帯通信端末1…のうち屋外Bの携帯通信端末1とテレビ電話を行う携帯通信端末を携帯通信端末(通信装置)1aと称する。また、この携帯通信端末1a以外に屋内Aに存在する携帯通信端末…を携帯通信端末(第2通信装置)1b…と称する。また、屋外Bに存在する携帯通信端末を携帯通信端末(第1通信装置)1cと称する。
また、これら携帯通信端末1a、携帯通信端末1b…、および携帯通信端末1cを特に区別する必要がない場合は、携帯通信端末1と称する。
より具体的には、上記テレビ電話システム100は、異なる拠点にある複数の携帯通信端末1a・1b・1cと、該携帯通信端末1a・1b・1cそれぞれから受信した画像情報および音声情報を組み合わせたミキシング情報に基づき、携帯通信端末1a・1b・1cそれぞれのユーザの顔画像と、該ユーザそれぞれの発言(音声)とを出力する再生装置2とを備えてなる構成である。なお、この再生装置2は、例えば画像と音声とをともに出力できるテレビジョン(テレビ受信機)などによって実現できる。
すなわち、上記テレビ電話システム100では、屋内Aにある携帯通信端末1aと屋外Bにある携帯通信端末1cとが基地局(不図示)を介してテレビ電話を実行している。また、携帯通信端末1aと携帯通信端末1b…それぞれとの間では、赤外線を利用した近距離無線により接続可能となっている。さらにまた、携帯通信端末1aと再生装置2との間も、同様に近距離無線により接続可能となっている。なお、本実施形態では、この赤外線を利用した近距離無線通信では、「IrSimple」方式を採用している。
また、携帯通信端末1aと再生装置2との間では、図4に示すように、USB、IEEE1394などの有線ケーブルを利用した接続によっても接続可能とすることができる。
ここで、上記したテレビ電話システム100が備える携帯通信端末1の構成について図2を参照して説明する。図2は本発明の実施形態を示すものであり、携帯通信装置1の要部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、アンテナ10、着信信号検出部11、回線閉結部12、RF処理部13、ベースバンド処理部14、オーディオI/F15、携帯通信制御部16、撮像部17、第1近距離無線通信部(無線出力手段)18、有線通信部(有線出力手段)19、第2近距離無線通信部(画像音声受信手段)20、入力部21、表示部22、およびテレビ電話制御部30を備えてなる構成である。
着信信号検出部11は、アンテナ10を介して基地局から受信した信号に基づき、別の拠点にある他の携帯通信端末(例えば、携帯通信端末1c)からの着信の有無を検出するものである。着信信号検出部11は、検出した結果を携帯通信制御部16に通知する。また、着信信号検出部11はアンテナ10を介して受信した信号を後述する回線閉結部12を通じてRF処理部13に送信する。
回線閉結部12は、携帯通信制御部16からの指示に応じて、通信回線のONおよびOFFの制御を行うものであり、例えば、他の携帯通信端末との通信を確立する場合は通信回線をONし、通信を切断する場合はOFFするように切り替える。
RF処理部13は、当該携帯通信端末1と基地局との間でやり取りする信号の強さを制御するものである。RF処理部13は、電波を遠くまで飛ばせるように信号の送信電力を増幅する送信アンプ(不図示)、および携帯通信端末1から基地局へ信号を送信する際に無線信号に変換し、基地局から受信した無線信号にその逆の処理をする変復調器(不図示)などから構成される。
ベースバンド処理部14は、携帯通信端末1と基地局との間で確実に通信するために、受発信する信号そのものに対して処理を施すものである。また、このベースバンド処理部14は、信号を受信する際は、複数のデータ信号が混在する中から、自端末に向けられて基地局から送信されたデータ信号を抽出したり、複数の電波信号を受信して1つの電波に合成することで、受信能力を高めたりするなどの処理も行う。
すなわち、このベースバンド処理部14による処理によって、基地局を介して他の携帯通信端末から送信されてくる音声をオーディオI/F15を通じてスピーカ(音声出力部)24から出力したり、マイク(音声入力部)23から入力される音声を、オーディオI/F15を通じて受信し、基地局を介して他の携帯通信端末に送信したりすることができるようになっている。
さらに、本実施の形態に係る携帯通信端末1は、他の携帯通信端末とテレビ電話を実行することができるように構成されている。したがって、テレビ電話を行う場合、携帯通信端末1では、このベースバンド処理部14が、他の携帯通信端末から受信した音声をオーディオI/F15を通じてスピーカ24から出力するとともに、該他の携帯通信端末から受信した画像と一緒に携帯通信制御部16を通じてテレビ電話制御部30にも送信する。
オーディオI/F15は、ベースバンド処理部14から受信した音声信号を、スピーカ24を通じて外部に出力させたり、マイク23を通じて受信した音声信号をベースバンド処理部14に送信したりするものである。
携帯通信制御部16は、本実施の形態に係る携帯通信端末1が公衆回路網を通じて他の携帯通信端末と通信を行うことができるように、当該携帯通信端末1が備える各部の各種制御を行うものである。この携帯通信制御部16は、特には、上記した着信信号検出部11、回線閉結部12、RF処理部13、ベースバンド処理部14、およびオーディオI/Fの各部の各種制御を行う。
また、携帯通信制御部16は、当該携帯通信端末1と上記他の携帯通信端末との間でテレビ電話を行う場合、ベースバンド処理部14において抽出された、他の携帯通信端末から受信した音声情報および画像情報をテレビ電話制御部30に渡す。その一方で、後述する撮像部17において撮影された携帯通信端末1のユーザの画像情報を、テレビ電話制御部30を通じて受信すると、この画像情報とマイク23から入力された音声情報とを共にベースバンド処理部14に送り、これら音声情報と画像情報とを他の携帯通信端末に向けて送信するように制御する。
撮像部17は、携帯通信端末1のユーザの通話状況を画像でテレビ電話の通話先に伝えることができるように、テレビ電話制御部30からの指示に応じて、ユーザの撮影を行うものである。この撮像部17は、例えばCCD(charge coupled device)やCMOSによって実現できる。
撮像部17は撮影して得られた画像情報をテレビ電話制御部30に送信する。
第1近距離無線通信部18は、テレビ電話制御部30からの指示に応じて、再生装置2に対して、音声情報と画像情報とを無線で送信するものである。
有線通信部19は、テレビ電話制御部30からの指示に応じて、再生装置2に対して、音声情報と画像情報とをケーブルなど有線によって送信するものである。
なお、後述するが、これら第1近距離無線通信部18と有線通信部19とにおいて、音声情報と画像情報との伝送時にどちらを利用可能とするのか切り替えることができるようになっている。
第2近距離無線通信部20は、屋内Aにある他の携帯通信端末(例えば携帯通信端末1b…)それぞれとの間で無線接続を確立し、画像情報および音声情報の入力を受け付けるものである。受け付けた画像情報および音声情報をテレビ電話制御部30に送信する。
なお、第1近距離無線通信部18および第2近距離無線通信部20は、赤外線を利用した、特には、「IrSimple」方式による近距離無線で接続可能となっている。また、有線通信部19では、上述したように、USB、IEEE1394などの有線接続によって接続可能となっている。
入力部21は、携帯通信端末1への操作指示または情報などを入力するためのものであり、該入力部21は、例えば、テンキー、十字キー、操作キー、あるいはタッチパネル等によって実現できる。
表示部22は、テレビ電話制御部30からの指示に応じて、画像情報に基づく表示を行うものである。
テレビ電話制御部30は、携帯通信端末1が備える各部を制御して、該携帯通信端末1における、テレビ電話に関わる各種処理を実行するものである。特に、テレビ電話制御部30は、撮像部17、第1近距離無線通信部18、有線通信部19、第2近距離無線通信部20、入力部21、および表示部22を制御する。
参加処理制御部40は、本実施の形態に係る携帯通信端末1が、基地局を介してテレビ電話を実施している他の携帯通信端末を利用して、該テレビ電話に参加できるよう各種処理を実行するものである。特に、参加処理制御部40は、撮像部17、第2近距離無線通信部20、入力部21、および表示部22を制御する。
すなわち、本実施形態の携帯通信端末1は、基地局を介して他の携帯通信端末とテレビ電話を実施することができるとともに、テレビ電話を実施している他の携帯通信端末を利用して該テレビ電話に参加することができる。つまり、携帯通信端末1がテレビ電話を実施する場合(携帯通信端末1aとして振舞う場合)、上記テレビ電話制御部30が携帯通信制御部16と協働して、上記した各部を制御する。一方、携帯通信端末1がテレビ電話に参加するように制御する場合(携帯通信端末1bとして振舞う場合)、参加処理部40が、携帯通信制御部16と協働して携帯通信端末1が備える各部を制御する。
また、このテレビ電話制御部30による制御と参加処理部40による制御とは切り替え可能となっている。
ここで、以下において本実施の形態に係る携帯通信端末1aとして機能する携帯通信端末1に関して、該携帯通信端末1が備えるテレビ電話制御部30の詳細について図1を参照して説明する。
(テレビ電話制御部の構成)
図1は、本実施の形態に係る携帯通信端末1が備えるテレビ電話制御部30における要部構成の一例を示すブロック図である。この図1は、基地局を介して他の携帯通信端末と通信を確立する携帯通信端末1aが備えるテレビ電話制御部30の要部構成の一例を示すブロック図である。なお、図1において直線は画像情報、点線は音声情報、矢印は、制御信号の流れを示す。
図1に示すように、携帯通信端末1は、テレビ電話制御部30が、機能ブロックとして、画像処理部31、音声処理部32、入出力データ処理部(画像音声受信手段)33、ミキシング部(組み合わせ手段)34、出力画像処理部35、出力音声処理部36、表示制御部37、および通信選択部(無線出力手段・有線出力手段・接続状況判定手段・出力選択手段・出力成否判定手段)38を備える構成である。
上記画像処理部31は、携帯通信制御部16を介して画像情報を受信し、ミキシング部34に送信したり、撮像部17から画像情報を受信し、ミキシング部34に送信したりするものである。また、この画像処理部31は、後述するミキシング部34によって組み合わされた画像情報を携帯通信制御部16に渡し、携帯通信端末1cに対して送信するように指示するものでもある。
上記音声処理部32は、携帯通信制御部16を介して音声情報を受信し、ミキシング部34に送信したり、後述するミキシング部34によって組み合わされた音声情報を携帯通信制御部16に渡し、携帯通信端末1cに対して送信したりするように指示するものでもある。
なお、上記画像処理部31および音声処理部32それぞれは、携帯通信制御部16あるいはミキシング部34に画像情報および音声情報を渡す際、両者の同期が取れるように出力タイミングを調整している。
入出力データ処理部33は、第2近距離無線通信部20を制御し、携帯通信制御部1b…から送信された情報を受け付けるものである。入出力データ処理部33は、受信した情報の中から音声情報と画像情報とをそれぞれ抽出し、ミキシング部36に入力する。
ミキシング部34は、画像処理部31および音声処理部32を通じて携帯通信制御部16から受信した携帯通信端末1cからの画像情報および音声情報と、第2近距離無線通信部20によって受信した携帯通信端末1b…からの画像情報および音声情報とを組み合わせるものである。ミキシング部34は、この組み合わせた画像情報を再生装置2に送信するように出力画像処理部35に指示するとともに、組み合わせた音声情報を再生装置2に送信するように出力音声処理部36に指示する。
また、ミキシング部34は、画像処理部31から受信した撮像部17により取得された画像情報と、音声処理部32から受信したマイク23からの音声情報と、第2近距離無線通信部20によって受信した携帯通信端末1b…からの画像情報および音声情報とを組み合わせるものでもある。ミキシング部34は、この組み合わせた画像情報を、公衆回路網を通じて通信している携帯通信端末1cに送信するよう画像処理部31に指示するとともに、組み合わせた音声情報を、公衆回路網を通じて通信している携帯通信端末1cに送信するよう音声処理部32に指示する。
なお、上記組み合わせた画像情報とは、例えば、再生装置2に送信する画像情報の場合、テレビ会議の参加者、すなわち携帯通信端末1b…のユーザと携帯通信端末1cのユーザそれぞれとの画像を同一表示領域で表示可能となるようなデータである。このデータは、具体的には、例えば図5に示すように表示領域を複数分割し各ユーザの顔画像がこれら分割された表示領域ぞれぞれで表示されるようなデータである。
一方、携帯通信装置1cに送信する画像情報は、例えば図6に示すように、携帯通信端末1aのユーザおよび携帯通信端末1b…のユーザそれぞれの画像が、分割された表示領域において表示可能となるデータである。
なお、再生装置2に送信する画像情報は、携帯通信端末1cおよび携帯通信端末1b…それぞれのユーザの画像を1表示領域で表示可能としたデータであったが、この画像情報にさらに携帯通信端末1aのユーザの顔画像情報が含まれていてもよい。この場合は、ミキシング部34は、携帯通信端末1b…のユーザと携帯通信端末1cのユーザそれぞれとの画像に加えて、撮像部17で撮影された携帯通信端末1aのユーザの画像を同一表示領域で表示可能となるようにする。
また、組み合わせた音声情報とは、例えば、再生装置2に送信する音声情報の場合、携帯通信端末1b…のユーザ、および携帯通信端末1cのユーザそれぞれで発話された音声を時系列に合成したデータである。一方、携帯通信端末1cに送信する、組み合わせた音声情報は、携帯通信端末1b…のユーザ、および携帯通信端末1cのユーザそれぞれで発話された音声を時系列に合成したデータである。
なお、再生装置2に送信する、組み合わせた音声情報は、携帯通信端末1cおよび携帯通信端末1b…それぞれのユーザが発話した音声を時系列に合成したものであったが、これにさらに携帯通信端末1aのユーザの音声も合成する構成であってもよい。このような構成の場合、ミキシング部34は、携帯通信端末1cから受信した音声と携帯通信端末1b…それぞれから受信した音声とに加えて、マイク23から入力された携帯通信端末1aのユーザの音声を合成する。
出力画像処理部35は、ミキシング部34により組み合わせられた画像情報を取得し、再生装置2において表示可能なデータ形式に変換するものである。出力画像処理部35は、変換したデータを、通信選択部38を通じて有線通信部19または第2近距離無線通信部20に送信する。
出力音声処理部36は、ミキシング部34により組み合わせられた音声情報を取得し、再生装置2において出力可能となるようにデータ形式を変換するものである。出力音声処理部36は、変換したデータを、通信選択部38を通じて有線通信部19または第2近距離無線通信部20に送信する。
なお、出力画像処理部35が出力する画像情報と、出力音声処理部36が出力する音声情報とは、両者が一致したタイミングで有線通信部19または第2近距離無線通信部20に送信されるように設定されている。
表示制御部37は、表示部22を制御して画像情報に基づく表示を実行させるものである。例えば、本実施の形態に係る携帯通信端末1aでは、室内Aに再生装置2が存在せず、携帯通信端末1cから受信した画像情報と音声情報および携帯通信端末1b…それぞれから受信した画像情報と音声情報を組み合わせて出力することができない場合がある。
このような場合、表示制御部37は、携帯通信端末1aの表示部22に携帯通信端末1cから受信した画像情報および携帯通信端末1b…それぞれから受信した画像情報とを組み合わせて表示させるように制御する。
すなわち、通信選択部38が、室内Aに再生装置2がないため通信が確立できなかったことを検知すると、出力画像処理部35から受信した、組み合わされた画像情報を表示制御部37に送信する。そして、通信選択部38は、表示部22でこの画像情報を表示させるように、表示制御部37に対して指示する。そして、表示制御部37は、この通信選択部38からの指示に応じて組み合わされた画像情報に基づく表示を行う。
また、通信選択部38が、室内Aに再生装置2がないため通信が確立できなかったことを検知すると、出力音声処理部36から受信した、組み合わされた音声情報を携帯通信制御部16に送信する。そして、通信選択部38は、スピーカ24からこの音声情報に基づく音声を出力させるように、携帯通信制御部16に対して指示する。そして、携帯通信制御部16は、この通信選択部38からの指示に応じて組み合わされた音声情報に基づく音声をスピーカ24から出力するようにオーディオI/F15を制御する。
なお、上記したように室内Aに再生装置2が存在しない場合以外にも、再生装置2に対して携帯通信端末1cから受信した画像情報と音声情報、および携帯通信端末1b…それぞれから受信した画像情報と音声情報を組み合わせて出力させることができない場合がある。例えば、再生装置2と当該携帯通信端末1aとの接続が上手く確立できない場合である。このような場合にも、携帯通信端末1cから受信した画像情報と、携帯通信端末1b…それぞれから受信した画像情報とを組み合わせて表示部22で表示させ、携帯通信端末1cから受信した音声情報と、携帯通信端末1b…それぞれから受信した音声情報とを組み合わせてスピーカ22から出力させる。
一方、本実施の形態に係る携帯通信端末1では、室内Aにおける再生装置2において、携帯通信端末1cから受信した画像情報および携帯通信端末1b…それぞれから受信した画像情報とを組み合わせて表示させている場合、表示部22では、当該携帯通信端末1aのユーザの画像を表示させるように構成されている。このため、この場合では、通信選択部38が有線通信部19または第2近距離無線通信部20いずれかを選択して画像情報および音声情報を出力すると、撮像部17を起動し当該携帯通信端末1aのユーザの画像を取得するように画像処理部31に指示する。そして、この通信選択部38からの指示に応じて、画像処理部31が撮像部17を制御して携帯通信端末1aのユーザの画像情報を取得し、該取得した画像情報を表示制御部37に送信する。表示制御部37は、携帯通信端末1のユーザの画像を画像処理部31から取得すると、表示部22を制御して該ユーザの画像を表示させる。
通信選択部38は、ミキシング部34により組み合わされた(ミキシングされた)画像情報および音声情報の出力経路を選択するものである。すなわち、本実施形態では説明の便宜上、室内Aには再生装置2が1台だけ存在しているが、該再生装置2が複数台あり、それぞれと通信可能に接続される場合、通信選択部38は、入力部21によって入力された指示情報に応じて接続先とする再生装置2を選択することができる。より具体的には下記のようにして通信選択部38は、下記のようにして接続先とする再生装置2を選択することができる。
すなわち、通信選択部38は、室内Aにある複数の再生装置2…それぞれとの接続確立時に取得した接続先の識別情報を、有線通信部19または第2近距離無線通信部20を通じて受信する。そして、受信した情報を表示制御部37に送信し、表示部22において表示させるように指示する。この指示に応じて表示部22に送信先候補としての再生装置2…を示す情報を表示させると、ユーザは、この表示を参照して入力部21を操作して、画像情報および音声情報の出力先となる再生装置2を選択する。このユーザから入力された選択を示す情報を通信選択部38は受け付けると、該情報に応じて選択された再生装置2に有線通信部19または第2近距離無線通信部20を通じて送信させる。
また、通信選択部38は、再生装置2との接続方式を有線通信とするのか、あるいは無線通信とするのか選択し、有線通信部18または第1近距離無線通信部18による接続を制御するものでもある。すなわち、本実施の形態に係る携帯通信端末1aは、再生装置2との間の接続を、有線ケーブルを介した有線通信と、赤外線などによる無線通信とによって確立することができる。
ところで、本実施の形態に係る携帯通信端末1では、再生装置2との間において、音声情報および画像情報を送信する前に、有線による接続が確立されていることを確認した場合、該有線による接続を優先して選択するように構成されている。
すなわち、通信選択部38は、音声情報および画像情報を再生装置2に送信する前に、有線通信部19から、有線通信により再生装置2との接続が確立されている旨の通知を受信した場合、この有線通信部19に画像情報および音声情報を渡し、再生装置2に送信するように指示する。
また、通信選択部38は、上記したように、ミキシング部34により組み合わされた画像情報および音声情報を再生装置2に有線通信部19または第1近距離無線通信部18を通じて送信することができない場合、この画像情報を表示部22に表示させ、音声情報をスピーカ24から出力させるように制御するものでもある。
なお、上記した第1近距離無線通信部18を制御する通信選択部38および第2近距離無線通信部20を制御する入出力データ処理部33では、特に図示しないが下記の各部をさらに備えることが好ましい。
すなわち、テレビ電話システム100が例えば室内Aおよび屋外Bにおいて複数セット存在する場合、各テレビ電話システム100が相互に干渉しあうことを防ぐために不図示の無線状態管理部を備える。さらにまた、携帯通信端末1aと携帯通信端末1bとの間において、テレビ電話会議に参加できる携帯通信端末1b…に制限を設ける場合、参加可能な携帯通信端末1bのIDを管理するセキュリティ保護部をさらに備える。
(参加処理部の構成)
次に、本実施の形態に係る携帯通信端末1bとして機能する携帯通信端末1に関して、該携帯通信端末1が備える参加処理部40の詳細について図8を参照して説明する。図8は、本実施の形態に係る携帯通信端末1が備える参加処理部40における要部構成の一例を示すブロック図である。なお、図8において直線は画像情報、点線は音声情報、矢印は、制御信号の流れを示す。
図8に示すように、携帯通信端末1では、参加処理部40が、機能ブロックとして、近距離無線受付処理部41、携帯通信実行判定部42、出力データ選択部43、表示制御部44、撮像制御部45、および参加データ生成部46を備える構成である。
上記近距離無線受付処理部41は、第2近距離無線通信部20を制御して、テレビ電話を実行している他の携帯通信端末1(携帯通信端末1a)と近距離無線通信を実行するものである。近距離無線受付処理部41は、後述する出力データ選択部43からの指示に応じて、第2近距離無線通信部20を制御して他の携帯通信端末1(携帯通信端末1a)から画像情報および音声情報を取得する。そして、近距離無線受付処理部41は、取得した画像情報を表示制御部44に、音声情報を携帯通信制御部16にそれぞれ送信し、画像情報および音声情報を出力させたりすることができる。また、近距離無線受付処理部41は、参加データ生成部46から受信した当該携帯通信端末1のユーザに関する画像情報および音声情報を、第2近距離無線通信部20を制御して他の携帯通信端末1(携帯通信端末1a)に送信することもできる。
携帯通信実行判定部42は、近距離無線受付部41で受け付けた、接続先である携帯通信端末1aとの接続状況を示す情報に基づき、テレビ電話制御部30によるテレビ電話会議処理に切り替えるか否かを判定するものである。すなわち、携帯通信実行判定部42は、近距離無線受付処理部41から第2近距離無線通信部20による、携帯通信端末1aに対する接続状況を示す情報を受信している。そして、携帯通信端末1aとの接続が確立されていないと判定した場合、携帯通信実行判定部42は、テレビ電話制御部30に基地局を介して他の携帯通信端末(携帯通信端末1c)とのテレビ電話を実行するように指示する。
出力データ選択部43は、近距離無線受付部41で受け付けた、携帯通信端末1aから再送装置2への音声情報および画像情報の送信の成否を示す情報に基づき、表示部22において、携帯通信端末1aから受信した、組み合わされた画像情報を表示させ、音声情報を出力させるのか、あるいは、撮像部17により取得した画像情報を表示させるのかを決定するものでもある。
すなわち、携帯通信端末1aは、再生装置2に画像情報および音声情報を送信する際、これら情報の送信の成否を示す情報を、通信選択部38が入力出力データ処理部33に通知している。そして、入力出力データ処理部33は、上記通知を受信すると第2近距離無線通信部20を通じて、携帯通信端末1b…それぞれに該通知を送信するように構成されている。したがって、携帯通信端末1bでは、近距離無線受付処理部41が第2近距離無線通信部20を介してこの通知を受信することができる。
表示制御部44は、表示部22を制御して、例えば近距離無線受付処理部41または撮像制御部45から受信した画像情報に基づく表示を行うものである。撮像制御部45は、表示制御部44または参加データ生成部46からの指示に応じて撮像部17を制御して起動させるものである。
参加データ生成部46は、入力部21から入力されたテレビ電話への参加指示に応じて、携帯通信制御部16に指示して当該携帯通信端末1のユーザの音声と、撮像制御部45に指示して上記ユーザの画像とをそれぞれ取得するものである。参加データ生成部46は、画像情報と音声情報とを取得すると、近距離無線通信受付部41に渡し、第2近距離無線通信部20によって他の携帯通信端末(携帯通信端末1a)に送信するように指示する。
ここで、上記した携帯通信端末1の各ブロック、特に携帯通信制御部16、テレビ電話制御部30が備える各部、および参加処理部40が備える各部は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、携帯通信端末1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯通信端末1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯通信端末1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、携帯通信端末1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
(テレビ電話会議処理)
次に、上述した構成を有する携帯通信端末1の、テレビ電話会議に関わる処理(テレビ電話会議処理)についての処理フローを、図7を参照して説明する。この図7は、本実施の形態に係る携帯通信端末1におけるテレビ電話会議処理の一例を示すフローチャートである。すなわち、テレビ電話会議における携帯通信端末1a側における処理フローを説明する。
まず、携帯通信端末1aは、携帯通信端末1cと基地局を介して通信を確立し、テレビ電話を開始する(S11)。
すなわち、携帯通信端末1aと携帯通信端末1cとの間で基地局を介して通信が確立されると、この通信が確立された旨を示す情報が携帯通信制御部16からテレビ電話制御部30に通知される。
テレビ電話制御部30では、入出力データ処理部33が携帯通信制御部16から通信が確立された旨の通知を受信すると第2近距離無線通信部20によって通信可能な範囲に存在する室内Aの携帯通信端末1b…それぞれと接続を確立できるように、近距離無線通信の準備(ネゴシエーション)を行う(S12)。なお、この近距離無線通信の準備の際、携帯通信端末1aは、自信が基地局を介して携帯通信端末1cと通信を確立している旨を示す情報を携帯通信端末1b…それぞれに通知するように構成されている。
次に、携帯通信端末1aでは、入出力データ処理部33が、携帯通信端末1b…それぞれとの無線による接続に成功したか否かを判定する(S13)。この判定において、「NO」の場合、すなわち、無線による接続に失敗して接続が確立できない場合は、このテレビ電話会議処理を終了する。
一方、ステップS13の判定において「YES」の場合は、入出力データ処理部33からの指示に応じて、第2近距離無線通信部20が、各携帯通信端末1bから画像情報および音声情報を取得する(S14)。
次に、携帯通信端末1aでは、携帯通信制御部16は、基地局を介して通信している屋外Bにある携帯通信端末1cから画像情報および音声情報を取得する(S15)。なお、このステップS14とステップS15との処理の順番は、入れ替わっていてもよいし、両者が同時に行われてもよい。
ここで、ユーザからテレビ電話会議処理の終了が指示されているかどうかをテレビ電話制御部30が確認する(S16)。ステップS16の確認において「YES」の場合、テレビ電話制御部30は、自信が備える各部の処理を停止させるとともに、携帯通信制御部16に携帯通信端末1cとの通信処理を終了するように指示する。なお、このテレビ電話会議処理の終了指示は、ユーザが入力部21を操作して行うことができる。
一方、ステップS16において「NO」の場合、携帯通信端末1aでは、ミキシング部34が、携帯通信制御部16から送信され、画像処理部31および音声処理部32それぞれを通じて受信した携帯通信端末1cの画像情報および音声情報と、入出力データ処理部33が第2近距離無線通信部20を制御して受信した各携帯通信端末1b…それぞれの画像情報および音声情報とを組み合わせる処理を行う(S17)。
上記した画像情報および音声情報の組み合わせ処理を行うと、この組み合わせた画像情報を出力画像処理部35に、音声情報を出力音声処理部36にそれぞれ送信する。出力画像処理部35および出力音声処理部36それぞれが画像情報および音声情報を受信すると、該画像情報と音声情報とを再生装置2において再生可能なデータに変換し、画像情報と音声情報との同期を取り出力させるタイミングを一致させて通信選択部38に渡す。
通信選択部38は、画像情報および音声情報を受信すると、これら情報を再生装置2に向けて送信するための通信経路を選択する(S18)。すなわち、通信選択部38は、音声情報および画像情報を受信すると、有線通信部19に対して、再生装置2と通信可能に接続されているか否か問い合わせる。すなわち、本実施形態では、上記したように、有線通信により再生装置2との間の接続が確立されている場合、該有線通信によって音声情報および画像情報を再生装置2に送信するように設定されている。
そこで、有線通信部19に対する問い合わせに対する返答の結果、有線通信により再生装置2との間の接続が確立されている場合は、通信選択部38は音声情報および画像情報を、有線通信部19を制御して再生装置2に送信する。
一方、上記問い合わせに対する返答により、有線通信により再生装置2との間の接続が確立されていない場合、表示制御部37に選択可能な通信経路、すなわち、有線通信部19によって有線で再生装置2まで送信するのか、あるいは、第1近距離無線通信部18によって無線で再生装置2まで送信するのか選択可能とする表示を行わせる。
表示制御部22は、通信選択部38からの指示に応じて、表示部22において選択可能な通信経路として有線通信による音声情報および画像情報の送信と、無線通信による音声情報および画像情報の送信とを表示させる。この表示を参照して、ユーザは、入力部21を操作して有線で音声情報および画像情報を再生装置2に送信するのか、あるいは無線によって音声情報および画像情報を再生装置2に送信するのか選択する。
このユーザからの選択指示に応じて、通信選択部38は、音声情報および画像情報を有線通信部19または第1近距離無線通信部18に渡し、再生装置2に送信させるように指示する。
この通信選択部38からの指示に応じて、有線通信部19または第1近距離無線通信部18は、再生装置2との間で通信の準備を行う(S19)。そして、有線通信部19または第1近距離無線通信部18は、再生装置2との間での接続を確立すると(S20において「YES」)、組み合わせた画像情報および音声情報を再生装置2に送信する(S21)。なお、このステップS14〜ステップS21までの処理は、ステップS16においてユーザからテレビ電話会議処理の終了を示す指示を受信するまで継続される。
また、ステップS20において「NO」の場合、すなわち再生措置2との接続がうまく確立できない場合は、再度ステップS14以降の処理をやり直す。
以上のように、テレビ電話の通知先である携帯通信端末1cから受信した画像情報および音声情報を、当該携帯通信端末1aの近傍にある携帯通信端末1b…から受信した画像情報および音声情報とそれぞれ組み合わせることができる。そして、組み合わせた画像情報および音声情報を有線通信または無線通信によって再生装置2に送信することができる。
このため、携帯通信端末1aと携帯通信端末1cとの間でテレビ電話を実行するだけで、再生装置2において携帯通信端末1c、および携帯通信端末1b…それぞれのユーザの画像および音声を出力させることができる。したがって、本実施の形態に係るテレビ電話システム100では、携帯通信端末1aと携帯通信端末1cとの間でテレビ電話を実行するだけで、携帯通信端末1c、および携帯通信端末1b…それぞれのユーザを含めたテレビ電話会議を実行することができる。
また、携帯通信端末1aは、上記組み合わせた画像情報および音声情報を有線通信部19により有線通信で、あるいは第1近距離無線通信部18により無線通信で再生装置2に送信することができる。このため、有線通信または無線通信のいずれか選択して上記画像情報および音声情報を再生装置2に送信することができる。
特に有線接続の接続準備が既に整っている場合は、有線通信部19によって上記画像情報および音声情報を出力させ、接続準備が整っていない場合では、有線通信部19と第1近距離無線通信部18とを選択することができるように構成されている。
このため、有線通信による接続準備が整っている場合は。画像情報および音声情報の送信方式として有線通信を選択し、そうでない場合では接続準備としてケーブルの配置を行う必要がない無線通信を選択することができる。このため、携帯通信端末1aから再送装置2への画像情報および音声情報の出力処理をユーザフレンドリーに行うことができる。
(参加処理)
以上、携帯通信端末1aとして実施するテレビ電話会議処理について説明した。次に、携帯通信端末1bとして行われる上記テレビ電話会議処理への参加に関わる処理(参加処理)について処理フローを、図9を参照して説明する。すなわち、携帯通信端末1aと携帯通信端末1cとの間で実施されているテレビ電話会議に携帯通信端末1bが参加する場合について、該携帯通信端末1bにおける処理について説明する。
まず、携帯通信端末1bは、近距離無線通信による通信可能な範囲にある他の携帯通信端末のうち、携帯通信端末1cと基地局を介して通信を行っている携帯通信端末1aとの間での接続を確立できるように、近距離無線通信の準備を行う(S31)。すなわち、上記したステップS12において、携帯通信端末1aは携帯通信端末1cと基地局を介して通信を確立すると、室内Aにある携帯通信端末1b…と近距離無線通信の準備を行う。この携帯通信端末1aによる準備に応じて、携帯通信端末1b側も携帯通信端末1aとの間で無線による接続を確立できるように応答する。
ここで、携帯通信端末1aとの間で無線による接続が確立された場合(S32において「YES」)、携帯通信端末1aから画像情報および音声情報を受信する(S33)。なお、ここで受信する音声情報と画像情報とは、屋外Bにある携帯通信端末1cのユーザの画像情報および音声情報と、すでに携帯通信端末1aと接続を確立した他の携帯通信端末1b…それぞれのユーザの画像情報および音声情報とを組み合わせた情報である。
一方、ステップS32において「NO」の場合、つまり、携帯通信端末1aとの間での接続を確立することができなかった場合、携帯通信端末1bは、基地局を介して携帯通信端末1cとテレビ電話を実施し、テレビ電話会議処理を行う(S39)。
すなわち、携帯通信端末1bでは、参加処理部40の近距離無線受付処理部41が携帯通信端末1aとの間での接続状況を示す情報を、第2近距離無線通信部20を通じて受信する。そして、近距離無線受付処理部41は、受信した接続状況を携帯通信実行判定部42に通知する。携帯通信実行判定部42は、受信した接続状況の情報に基づき、携帯通信端末1aとの間での接続が確立できたか否かを判定する。この判定において接続が確立していないと判定される場合、携帯通信実行判定部42は、携帯通信制御部16に指示して携帯通信端末1cとの間での接続を確立し、テレビ電話を実施するように指示する。
なお、携帯通信端末1aとの間で、この無線による接続が確立されていない場合とは、具体的には、屋内Aにおいて携帯通信端末1cと通信を行っている携帯通信端末1aが存在しない場合である。このような場合、携帯通信端末1b自信が屋外Bの携帯通信端末1cと基地局を介して接続を確立しテレビ電話を実施する。すなわち、携帯通信端末1bが携帯通信端末1aの役割を果たすこととなる。あるいは、屋内Aにおける携帯通信端末1aの通信可能な範囲に携帯通信端末1bが存在しない場合も含まれる。このような場合、携帯通信端末1b自信が屋外Bの携帯通信端末1cと基地局を介して接続を確立しテレビ電話を実施する。
なお、このステップS39におけるテレビ電話会議処理の説明は、上記図7に示した、テレビ電話会議処理と同様であるため省略する。
一方、携帯通信端末1aとの間で無線による接続を確立し携帯通信端末1aから画像情報および音声情報を受信した場合は、この受信した画像情報および音声情報が再生装置2にも出力されているか否かを判定する(S34)。具体的には、上記したように携帯通信端末1aは、有線通信部19または第1近距離無線通信部18を通じて再生装置2に画像情報および音声情報を送信する際、送信の成否を示す情報を通信選択部38が入力出力データ処理部33に通知している。そして、入力出力データ処理部33は、上記通知を受信すると第2近距離無線通信部20を通じて、携帯通信端末1b…それぞれに該通知を送信するように構成されている。
したがって、携帯通信端末1bでは、近距離無線受付処理部41が第2近距離無線通信部20を介してこの通知を受信することができる。近距離無線受付処理部41は、再生装置2に画像情報および音声情報の送信の成否を示す通知を受信すると、この通知を出力データ選択部43に送信する。出力データ選択部43は、近距離無線受付処理部41から受信した通知に基づき、携帯通信端末1aから再生装置2に画像情報および表示情報が送信されているか否かを判定する。
そして、このステップS34における判定において、画像情報および音声情報を再生装置2に携帯通信端末1aから出力していると判定した場合(S34において「YES」)、出力データ選択部43は、表示制御部44に、当該携帯通信端末1bのユーザの画像情報を表示部22に表示させるように指示する。
表示制御部44は、出力データ選択部43からの上記した指示を受信すると、撮像制御部45に携帯通信端末1bのユーザの画像情報を取得するように指示する。この指示に応じて撮像制御部45は、撮像部22を制御してユーザの撮影を行い該ユーザの画像情報を取得する。そして、撮像制御部45は取得した画像情報を表示制御部44に送信し、該表示制御部44はこの画像情報に基づく表示(自画像の表示)を表示部22において行う(S40)。
一方、携帯通信端末1aから再生装置2に対して音声情報および画像情報を出力していない場合(ステップS34において「NO」の場合)、携帯通信端末1bは、表示部2において、第2近距離無線通信部20を介して近距離無線受付処理部41が受信した画像情報に基づく表示を行う。また、この場合、携帯通信端末1bは、スピーカ24から、第1近距離無線通信部20を介して近距離無線受付処理部41が受信した音声情報に基づく出力を行う(S35)。
すなわち、出力データ選択部43は、近距離無線受付処理部41から受信した通知に基づき、携帯通信端末1aから再生装置2に画像情報および表示情報が送信されていないと判定すると、近距離無線受付処理部41に、携帯通信端末1aから受信した画像情報および音声情報の出力を指示する。近距離無線受付処理部41は、出力データ選択指示部43からの指示に応じて、携帯通信端末1aから受信した画像情報を表示制御部44に送信する。そして、表示制御部44が、表示部22を制御して画像情報に基づく表示を行う。また、近距離無線受付処理部41は、音声情報を携帯通信制御部16に送信する。そして、携帯通信制御部16は、オーディオI/F15を制御してスピーカ24から音声情報に基づく出力を行う。
このように本実施の携帯通信端末1bでは、携帯通信端末1aから再生装置2に画像情報および音声情報が出力されていない場合、携帯通信端末1aにおいて組み合わされた画像情報および音声情報それぞれを組み合わせた情報であるミキシング情報を、当該携帯通信端末1bの表示部22およびスピーカ24で出力することができる。
一方、携帯通信端末1aから再生装置2に画像情報および音声情報が出力されている場合、当該携帯通信端末1bの表示部22において該携帯通信端末1bのユーザの画像を表示させることができる。このように、ここまでのステップS35までの処理によって、携帯通信端末1bは、携帯通信端末1aとの間での接続を確立する。そして、表示部22に当該携帯通信端末1bのユーザの画像もしくは携帯通信端末1aから受信した画像情報を表示させるとともに、携帯通信端末1bから受信した音声情報を出力させてテレビ電話会議参加の準備を完了する。そして、携帯通信端末1bは、テレビ電話会議参加準備を終了すると、テレビ電話会議への参加処理を行う。
すなわち、携帯通信端末1bのユーザが、携帯通信端末1aと携帯通信端末1cとの間で実施されているテレビ電話に参加するために、入力部21を操作して該ユーザの画像および音声の入力の開始を指示する。そして、このユーザからの指示は、参加処理部40の参加データ生成部46に通知される。
参加データ生成部46は、入力部21から受信した指示に応じて、参加データ生成部46は、携帯通信制御部16に対してマイク23を通じて入力されたユーザの音声を取得し送信するように指示する。さらに、参加データ生成部46は、撮像制御部45に対して、撮像部17を起動させユーザの画像を取得し、送信するように指示する。
この参加データ生成部46からの指示に応じて携帯通信制御部16は、オーディオI/F15を制御して、マイク23から入力された音声を該参加データ生成部46に送信する。また、この参加データ生成部46からの指示に応じて、撮像制御部45は、撮像部17を起動させ、ユーザの画像を取得し、参加データ生成部46に送信する。
このようにして携帯通信端末1bでは、当該携帯通信端末1bのユーザの画像および音声の入力を実行する(S36)。
携帯通信端末1bのユーザの音声情報および画像情報を取得すると、参加データ生成部46は、これらの情報を合わせて近距離無線受付処理部41に送信し第2近距離無線通信部20を通じて携帯通信端末1aに送信するように指示する。
この参加データ生成部46からの指示に応じて、近距離無線受付処理部41は、携帯通信端末1bのユーザの画像情報および音声情報を、第2近距離無線通信部20を制御して携帯通信端末1aに送信する(S37)。そして、次に携帯通信端末1bのユーザから処理終了を示す指示が入力された場合(S38において「YES」)、参加処理を終了する。一方、ユーザから処理終了を示す指示が入力されていない場合(S38において「NO」)、ステップS33に戻って上記した処理を繰りかえし、ユーザから処理終了を指示する情報を受け付けるまで参加処理を続行する。
(第1近距離無線通信部および第2近距離無線通信部)
なお、上記したように本実施の形態に係る携帯通信端末1が備える第1近距離無線通信部18および第2近距離無線通信部20は、赤外線を利用した無線通信により接続を行うようになっている。特に、この無線通信方式には、転送速度が速い高速無線通信方式「IrSimple」を用いている。
この「IrSimple」は、赤外線通信IrDA方式のプロトコルを効率化させデータの転送速度を高速とすることができるため、赤外線通信IrDA方式のプロトコルを用いた赤外線通信よりも好適である。また、IrDA方式とも互換性があるため、通信相手が赤外線通信IrDA方式を採用している機種にも対応できる。
なお、本実施の形態に係る携帯通信端末1では、上記第1近距離無線通信部18および第2近距離無線通信部20に高速無線通信方式「IrSimple」を用いているがこれに限定されるものではなく、例えば、他のIrDA方式、Bluetooth(登録商標)、または無線LANを利用することができる。しかしながら、本実施形態のテレビ電話会議のようにリアルタイムに画像および音声を再生装置2において再生する必要がある場合、携帯通信端末1と該再生装置2との間におけるデータ転送にかかる時間ができるだけ小さくなることが好ましい。また、携帯通信端末1は携帯されることを想定された設計となっているため、大容量のバッテリーを搭載することができない。このため、できるだけ、データの転送処理にかかる消費電力が小さくなる方が好ましい。
例えば、第1近距離無線通信部18および第2近距離無線通信部20において、IrSimple方式、IrDA方式、Bluetooth(登録商標)、または無線LANそれぞれを利用した場合についてデータの転送時間は図10に示すようになる。図10は、IrSimple方式、IrDA方式、Bluetooth(登録商標)、または無線LANそれぞれの通信方式における、最大通信レート、消費電力、送信距離、実効帯域、接続時間(秒)、転送時間(秒)、およびトータル転送時間(秒)それぞれの比較値を示す表である。
なお、図10における物理階層規格IrDA1.3(SIR)とは、赤外線通信に通信速度が最大115.2kbps方式を利用した場合であり、IrDA1.3(FIR)とは、赤外線通信に通信速度が最大4Mbps方式を利用した場合である。また、IrSimple方式も通信速度が最大115.2kbpsの場合と最大4Mbpsの場合とがある。
図10を参照すると、第1近距離無線通信部18および第2近距離無線通信部20による通信距離が、1m以内といった比較的近距離で行われる場合、画像情報および音声情報などのデータの転送にかかる合計時間および転送時の消費電力を考慮すると、本実施形態のようにIrSimple方式による通信方式が有利である。特に、接続処理にかかる時間(接続時間)が他の通信方式よりも短く、また消費電力が200W程度である。
なお、第1近距離無線通信部18および第2近距離無線通信部20による通信が、10m以内といった距離で行う必要がある場合では、第1近距離無線通信部18および第2近距離無線通信部20は、Bluetooth1.1による通信方式を採用することが好ましい。
このように、要求される通信距離とデータ転送にかかる時間とデータ転送に必要となる消費電力とを考慮して適切に第1近距離無線通信部18および第2近距離無線通信部20の通信方式が決定されることが好適である。
また、本実施の形態にかかる携帯通信端末1は、第1近距離無線通信部18および第2近距離無線通信部20がIrSimpleによる通信方式で行われる構成であった。ところで、赤外線通信では、接続先との間で指向性の制限があり、赤外線受発光部60を接続相手の赤外線受発光部に向けて操作する必要がある。そこで、本実施の形態に係る携帯通信端末1では、当該携帯通信端末1の筐体において赤外線受発光部60aが、図11のように、携帯通信端末1の筐体の外側の上端部分となるように配置されている。なお、筐体の外側とは、携帯通信端末1において表示部22および入力部21が配されている面とは逆側であり、上端部とは携帯通信端末1においてスピーカ24が設けられている側である。
本実施の形態に係る携帯通信端末1では、このように赤外線受発光部60aが配されているため、例えば図12(a)および図12(b)に示すような、携帯通信端末1の筐体内の上端面側に赤外線受発光部60bが設けられる構成よりも、この赤外線受発光部60aの面積を大きくすることができる。このため、本実施形態に係る赤外線受光部60aの方が、図12(a)及び図12(b)に示す赤外線受光部60bよりも第1近距離無線通信部18および第2近距離無線通信部20による通信を安定して行うことができる。
なお、携帯通信端末1における赤外線受光部60は、上記した配置位置に限定されるものではなく、例えば、図13(a)および図13(b)に示すように配置される構成であってもよい。すなわち、図13(a)および図13(b)に示すように、赤外線受光部60cは、携帯通信端末1の筐体内の上端面側に設けられ、必要に応じて赤外線受光部60cの端部が携帯通信端末1の筐体における外側面の一部に現れるように回転できる構成となっている。このように赤外線受光部60cを回転可能な構成とすることにより、第1近距離無線通信部18及び第2近距離無線通信部20による接続における通信可能な範囲を拡大させることができる。
また、本実施の形態に係る携帯通信装置1では、音声情報および画像情報を送信する前に、有線による接続が確立されていることを確認した場合、通信選択部38が有線による接続を優先して選択するように構成されていた。
しかしながらこれに限定されるものではなく、音声情報および画像情報を再生装置2に送信する前に、該再生装置2との間での接続を有線によって確立するのか、あるいは無線によって確立するのかユーザによって選択できるように構成されていてもよい。すなわち、通信選択部38は、画像情報および音声情報を再生装置2に送信する前に、表示制御部36に対して、再生装置2への接続を有線により確立するのか、あるいは無線により確立するのか問い合わせる表示を行うように指示する。
この通信選択部38からの指示に応じて、表示制御部36は、表示部22に再生装置2への接続を有線により確立するのか、あるいは無線により確立するのか問い合わせる表示を行う。そして、ユーザがこの表示部22における表示内容を確認し、入力部21を操作して接続を確立する方法を指示する旨の情報を入力する。この入力部21から入力された情報を受け付けると、通信選択部38は、この情報によって指示された通信方法を選択して再生装置2との接続を確立させる。
なお、有線によるデータ伝送と無線によるデータ伝送とを比較した場合、有線によって画像情報および音声情報を伝送させる場合、画像情報用に画像信号信号線と音声情報用に音声信号信号線とのそれぞれ別々の信号線が必要となる。しかしながら、無線により音声情報および画像情報を伝送させる場合、このような別々の信号線に対応する信号波を設ける必要がなく、パケット単位で画像と音声とをそれぞれ分割して、同一信号波で伝送することができる。
また、本実施の形態に係る携帯通信装置1は、画像情報および音声情報を再生装置2に出力する構成であるが、再生装置2が表示機能のみを有し、別途スピーカが設けられている場合は、画像情報は再生装置2に送信し、音声情報はこの別途設けられたスピーカに送信する構成であってもよい。
なお、本実施の形態に係る携帯通信端末1aは、携帯通信端末1cから受信した画像情報および音声情報と、携帯通信端末1b…それぞれから受信した音声情報および画像情報を再生装置2に出力できる構成であったが、室内Aに携帯通信端末1aのみが存在する場合は、携帯通信端末1cから受信した音声情報および画像情報を再生装置2に出力する。
また、本実施の形態に係る携帯通信端末1aは、携帯通信端末1cから受信した画像情報および音声情報と、携帯通信端末1b…それぞれから受信した音声情報および画像情報を再生装置2に出力できる構成であったが、携帯通信端末1cから音声情報または画像情報のみを受信した場合、該音声情報または画像情報と、携帯通信端末1b…それぞれから受信した音声情報または画像情報とを組み合わせて再生装置2に出力する構成であってもよい。
なお、本実施の形態に係る携帯通信端末1(携帯通信端末1b)は、屋外Bにある携帯通信端末1cと通信している他の携帯通信端末1aが再生装置2に対して、画像情報および音声情報を出力している場合、当該携帯通信端末1bのユーザの自画像を表示する構成であった(ステップS40)。しかしながら、この構成に限定されるものではなく、例えば、携帯通信端末1bの消費電力を抑えるために、表示部22の表示が非表示に切り替わる構成であってもよい。
また、本実施の形態に係る携帯通信端末1aでは、屋外Bにある携帯通信端末1cから受信した画像情報および音声情報と、携帯通信端末1bから受信した画像情報および音声情報とをそれぞれ組み合わせて再生装置2に出力する場合、この出力に成功した場合は、当該携帯通信端末1aのユーザの画像を表示部22において表示させる構成であった。
しかしながら、携帯通信端末1aのユーザの画像を表示部22において表示させる代わりに、該表示部の表示を非表示に切り替える構成であってもよい。
なお、本実施の形態に係る携帯通信端末1aが、屋外Bにある他の携帯通信端末1bとの間で音声情報および画像情報を送受信する構成であった。また、屋内Aにある携帯通信端末1bから携帯通信端末1aに画像情報および音声情報を送信する構成であった。さらには、携帯通信端末1aから再生装置2に画像情報および音声情報を送信する構成でもあった。しかしながらこの伝送させるデータは、画像情報または音声情報のいずれか一方であってもよい。このため、例えば音声情報のみを伝送させる場合は、再生装置2において出力される音声を屋内Aで共有することができる。
また、本実施の形態に係る携帯通信端末1は、下記の特徴を有するものとしてもよい。すなわち、他の携帯通信端末1(携帯通信端末1c)と公衆回路網を通じてテレビ電話を行う携帯通信制御部16と、上記テレビ電話により携帯通信端末1cから送信された画像情報および/または音声情報を近距離無線により出力する第1近距離無線通部18と、これら画像情報および/または音声情報を出力先で再生可能となるように変換する出力画像処理部35および/または出力音声処理部36とを備え、第1近距離無線通信部18は、出力画像処理部35および/または出力音声処理部36により変換した画像および/または音声を出力するように構成されていてもよい。
また、本実施の形態に係る携帯通信端末1aは、上記した構成において、有線によって再生装置2と接続する有線通信部19と、有線通信部19による接続が有効となっているか否かを判定し、この判定結果に応じて、上記画像情報および/または音声情報の送信手段として、上記有線通信部19または第1近距離無線通信部18のいずれを選択するかを決定する通信選択部38をさらに備える構成であることが好ましい。
また、上記携帯通信端末1aは、他の携帯通信端末(携帯通信端末1c)とテレビ電話を実行する際に、再生装置2と接続し、テレビ電話で取得した画像情報および音声情報を該再生装置2に出力する構成であってもよい。
また、本実施の形態に係る携帯通信端末1aは、通信選択部38が、有線通信部19により再生装置2と通信可能に接続されたと判定した場合、該有線通信部19により画像情報および音声情報を再生装置2に出力するように構成されていることが好ましい。
また、本実施の形態に係る携帯通信端末1aは、音声情報および画像情報の通信手段として通信選択部38が有線通信部19または第1近距離無線通信部18のいずれを選択しているかを示す情報を表示するように構成されていてもよい。
また、上記再生装置2と上記携帯通信端末装置1a・1b…・1cとを備える通信システムにおいて、上記携帯通信端末1aから画像情報および音声情報が上記再生装置2に送信中の場合、該携帯通信端末1aおよび携帯通信端末1b…それぞれは、自装置が備える表示部22における表示を停止するように構成されていることが好ましい。
また、上記通信システムにおいて、上記携帯通信端末1aから画像情報および音声情報を上記再生装置2に送信中、上記携帯通信端末1bおよび携帯通信端末1cそれぞれは、自装置が備えるスピーカ24における音声の出力を停止することが好ましい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。