JP2007129022A - コンデンサ素子用材料の切断装置およびコンデンサ素子の製造方法 - Google Patents

コンデンサ素子用材料の切断装置およびコンデンサ素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決課題】コンデンサ用金属箔を帯状金属箔から切り出す切断装置であって、切断刃の交換が容易であり、かつ切断サイクルの高速化に対応することができ、良好な切断面を得ることができる切断装置およびこの装置を用いたコンデンサ素子の製造方法を提供する。
【手段】帯状金属箔を切断する上刃を備えた上刃用支持台と下刃を備えた下刃用支持台とを有し、これらの支持台は装着台に上下摺動自在に装着されており、該装着台は着脱自在に装置本体に取り付けられており、上刃と下刃、これらの支持台、および装着台からなる切断ユニットが装置本体に対して着脱自在に形成されていることを特徴とし、好ましくは、溝カムに連結するリンク機構によって上刃と下刃の上下動を案内する手段を有し、また、高耐久性の材質によって上刃および下刃を形成した帯状金属箔の切断装置およびこの装置を用いたコンデンサ素子の製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、コンデンサ素子用陽極基体を帯状の原材料から切り出すコンデンサ素子用材料の切断装置およびコンデンサ素子の製造方法に関する。さらに詳しくは、切断刃の交換が容易であり、かつ切断サイクルの高速化に対応することができ、良好な切断面を得ることができるコンデンサ素子用材料の切断装置およびこの装置を使用するコンデンサ素子の製造方法に関する。
導電性重合体を用いる固体電解コンデンサは、図5に示すように、陽極基体1上に誘電体酸化皮膜2を形成し、誘電体酸化皮膜2上で導電性重合体を形成して固体電解質層4とし、必要に応じてさらに導電ペースト等を付着させてなる基本構造(固体電解コンデンサ素子)を有する。陽極部(固体電解質を有しない陽極基体部分)と陰極部(導電性重合体を含む導電体層)との間にはマスキング3が設けられて陰陽両極部を絶縁する。
ここで、陽極基体1の製造方法としては、幅広の金属箔を用い、その側辺を櫛歯状に打ち抜き、多数の突起部分として形成する方法が知られている。これらの突起部分は、固体電解コンデンサを製造するのに必要な処理を受けた後、金属箔本体から切り離されてコンデンサ素子とされる(例えば、特開平5−166681号公報;特許文献1)。しかし、この方法では、十分な加工精度を得るのが困難であり、生産性も低い。
これに対して、帯状の金属箔を原材料として用い、これを所望の長さに応じて切り取ってコンデンサ素子用陽極基体を連続的に製造する装置が知られている(特開2002−203756号公報特許;特許文献2)。この製造装置は、帯状の金属箔から矩形状の金属箔を連続的に切り出すので、コンデンサ素子を生産性よく製造できる利点を有している。
しかし、特許文献2の装置においても、磨耗などによって切断面が劣化した上刃または下刃の切断刃を取り替える際に、切断刃の交換に時間がかかる。しかも、交換した切断刃相互のクリアランスを調整する必要があり、この調整に熟練を要するなどの問題があった。また、さらなる生産性の向上が求められていた。
特開平5−166681号公報 特開2002−203756号公報
本発明は、従来の切断装置における上記問題を解決したものであり、切断刃の交換を容易にし、かつ交換した切断刃相互のクリアランスの調整を不要にした切断装置を提供する。また、本発明は複雑な切断サイクルを高速化することができる切断装置を提供する。さらに、本発明は切断刃の寿命が長く耐久性に優れた切断装置を提供する。
すなわち本発明は、以下の構成を有するコンデンサ素子用材料の切断装置およびこの装置を使用するコンデンサ素子の製造方法を提供する。
1.コンデンサ素子用陽極基体を長尺材料から切り出す切断装置であって、長尺材料を切断する上刃を備えた上刃用支持台と下刃を備えた下刃用支持台とを有し、これらの支持台は装着台に上下摺動自在に装着されており、該装着台は着脱自在に装置本体に取り付けられており、上刃と下刃、これらの支持台、及び装着台からなる切断ユニットが装置本体に対して着脱自在に形成されていることを特徴とするコンデンサ素子用材料の切断装置。
2.装着台の表面に、一対のガイド部材が並列に設けられており、これらのガイド部材に上刃用支持台と下刃用支持台がおのおの上下摺動自在に設けられており、上刃用支持台はその上端部が下刃用支持台の上側に突き出ており、この上端部に上刃が下向きに設けられており、下刃用支持台の上端には下刃が上向きに設けられており、これら支持台の上下動によって上刃と下刃が開閉し、長尺材料をシェアー切断する前記1に記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
3.上刃を備えた上刃用支持台と下刃を備えた下刃用支持台とが、おのおのリンクを介して、回転する溝カムに連結されており、溝カムにはこれらの支持台の上下動を案内するガイド溝が形成されており、各リンクの基端部が該ガイド溝に沿って摺動するように上記溝カムに係合しており、一方、各リンクの先端部はおのおの支持台に連結されており、溝カムの回転によってリンク基端部の上下動がガイド溝によって案内され、このリンクの上下動がリンク先端部に連結した各支持台に伝達され、各支持台の上下動によって上刃と下刃とが開閉して長尺材料を切断する前記1または2に記載するコンデンサ素子用材料の切断装置。
4.着脱自在な切断ユニットを備えた前記1〜3のいずれかに記載の切断機構を複数台有するコンデンサ素子用材料の切断装置。
5.上刃が超硬合金によって形成され、下刃が高合金高速度工具鋼によって形成されており、上刃及び下刃がアモルファス構造のカーボン硬質膜によって表面コーティングされている前記1〜4のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
6.上刃と下刃とのクリアリンスが0.01〜0.02mmに設定されている前記1〜5のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
7.長尺材料が弁作用金属材料である前記1〜6のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
8.弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウムまたはこれらを含む合金である前記1〜7のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
9.長尺材料が、箔状、棒状または線状である前記1〜8のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
10.前記1〜9のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置を使用するコンデンサ素子の製造方法。
本発明の切断装置は、上刃と下刃をおのおの備えた摺動自在な支持台を有する切断ユニットを形成し、この切断ユニットを装置本体に対して着脱自在に取り付けることによって、切断ユニットごと交換できるようにしたので、切断刃の交換が極めて容易である。かつ予備の切断ユニットについて切断刃相互のクリアランスを予め調整しておけば、切断刃を交換したときに切断刃相互のクリアランスを交換ごとに調整する必要がなく、切断面が安定であり、精度良い切断効果を維持することができる。
また、本発明の切断装置は、好ましくは、溝カムに連結するリンク機構によって上刃と下刃の上下動を案内するようにしたので複雑な切断サイクルを高速化することができる。さらに好ましくは、本発明の切断装置は、上刃を超硬合金によって形成すると共に下刃を高合金高速度工具鋼によって形成し、上刃および下刃がアモルファス構造のカーボン硬質膜によって表面コーティングしているので、切断刃の寿命が長く、耐久性に優れている。また、良好な切断面を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
本発明の切断装置は、コンデンサ素子用陽極基体を長尺材料から切り出す切断装置であって、長尺材料を切断する上刃を備えた上刃用支持台と下刃を備えた下刃用支持台とを有し、これらの支持台は装着台に上下摺動自在に装着されており、該装着台は着脱自在に装置本体に取り付けられており、上刃と下刃、これらの支持台、及び装着台からなる切断ユニットが装置本体に対して着脱自在に形成されていることを特徴とする。
長尺材料は、コンデンサ素子用陽極基体として機能し得る形状を連続されたものである。すなわち、製造すべきコンデンサ素子用陽極基体が矩形(短冊状)の薄板または箔である場合は、長尺材料は細長い薄板状材料または帯状(テープ状)材料であり、陽極基体が棒状または線状である場合は、長尺材料は細長い棒状材料または糸状材料である。単位体積当たりの高容量を実現するため、陽極基体としては矩形箔が好ましく、従って、長尺材料は帯状材料が好ましい。
以下の説明では、短冊状の金属箔を帯状金属箔から切り出す態様について述べるが、他の形状の長尺材料についても本発明は適用可能である。なお、長尺材料における「長尺」とは、切り出される個別片よりも寸法的に細長であることを意味する。
本発明に係る切断装置の一例を図1〜図4に示す。図示する切断装置は、帯状金属箔90を切断する上刃11を備えた上刃用支持台10と、下刃21を備えた下刃用支持台20とを有する。これらの支持台10、20は装着台30に上下摺動自在に装着されており、該装着台30は着脱自在に装置本体40に取り付けられている。
本発明の切断装置は、このように、上刃11と下刃21、各支持台10、20、および装着台30によって切断ユニット50が形成されており、上記装着台30を介して切断ユニット50が装置本体40に対して着脱自在に形成されている。
切断ユニット50の具体的な態様を図3および図4に示す。図示するように、装着台30の表面に、一対のガイド部材31,32が並列に設けられており、これらのガイド部材31,32に摺動部材33,34を介して上刃用の支持台10と下刃用の支持台20がおのおの上下摺動自在に設けられている。摺動部材33,34はおのおのガイド部材に摺動自在に嵌合しており、該摺動部材33,34に支持台10、20がボルト止めされている。
上刃用の支持台10はその上端部が下刃用支持台20の上側に突き出ており、この上端部に上刃11が下向きに設けられている。一方、下刃用支持台20の上端には下刃21が上向きに設けられている(上刃11と下刃21は特にハッチングして示してある。)。これら支持台10,20の上下動によって、上刃と下刃が開閉し、帯状金属箔をシェアー切断する。
上刃と下刃の駆動手段について、具体的な態様を図1および図2に示す。ここでは、連動する切断ユニットが対になって示されている。
図示するように、上刃11を備えた上刃用支持台10と下刃21を備えた下刃用支持台20とは、おのおの回転する溝カム60a、60bにリンク70a、70bを介して連結されている。リンク70a、70bは中央の軸支部分を中心にして揺動するように形成されている。一方、溝カム60a、60bにはこれらの支持台10、20の上下動を案内するガイド溝61a、61b(図2では溝カム60aのガイド溝61aのみ見えているが、図示しないガイド溝61bについても同様である。)が形成されており、各リンク70a、70bの基端部には紙面に垂直に突出したカムフォロア71a、71b(図2ではリンク70aのカムフォロア71aのみ見えているが、カムフォロア71bについても同様である。)が該ガイド溝61a、61bに沿って摺動するように上記溝カム60a、60bに係合している。一方、各リンク70a、70bの先端部72a、72b(図では70bに重なっている。)は各連結部材73a、73bを介しておのおの支持台10、20に連結されている。
ガイド溝61a、61bはその形状が切断サイクルに対応して支持台10、20の上下動を案内するように形成されており、溝カム60a、60bの回転によってカムフォロア71a、71b(71bは図示せず)を介してリンク基端部の上下動がガイド溝61a、61bによって案内され、このリンク70a、70bの上下動がリンク先端部72a、72bに連結した各支持台10、20に伝達され、各支持台10、20の上下動によって上刃11と下刃21とが開閉して帯状金属箔を切断する。図1では、向かって左側のユニットも同様の機構を有しているが、72a、72bの上下動を適当な連結機構により他方の支持台10、20に伝えてもよい。
ガイド溝61(以下、この段落において61a、61bを合わせて指す。他の符号についても同様。)は、内径及び外径が溝カム60の中心軸に対して所定の範囲で変動した数値を有する。すなわち、溝カム60の適当な基準位置を0度としたとき、回転角θに応じてガイド溝61の内径はdi(θ)、ガイド溝61の外径はdo(θ)として設計される。ここで、do(θ)−di(θ)はカムフォロア71を摺動可能に収容し得る値であり、通常は、θに依存しないほぼ一定の値である。カムフォロア71が円滑に溝カム60によってガイドされるように適当なθの関数としてもよい。
各関数di(θ)、do(θ)により切断刃の上下動を微細に制御可能である。例えば、図1に示す態様では、溝カム60aについて関数di(θ)、do(θ)が相対的に小さい領域で上刃11は上方に位置し、di(θ)、do(θ)が相対的に大きい領域では上刃11は下方に位置する。また、溝カム60aの回転速度を一定とした場合であっても、di(θ)、do(θ)の(θによる)微分値の大小によって、上刃11の上下動の速度を制御し得る。図には示していないが、ガイド溝61bの形状によって同様に下刃12の動きも制御できる。
本発明の切断装置は、切断刃(上刃および下刃)の駆動手段について、以上のように、溝カムに連結するリンク機構によって切断刃の上下動を案内するようにしたので、ガイド溝の形状を切断刃の上下動を調整する湾曲した形状にすることによって、切断刃の上下動が切断サイクルに合わせて調整されるので、複雑な切断サイクルの高速化に対応することができる。
上記溝カム60およびリンク70によって制御された切断刃(上刃および下刃)による切断動作の一例を図5に示す。これは、帯状金属箔90から所定長さずつ切断して個別の基体片を支持部材82に熔接する態様を示したものである。図中、支持部材82は通常、長尺の金属板であり、紙面の垂直方向がその長手方向に一致する。
すなわち、原位置(図5a)からピンチローラ80によって支持された帯状金属箔90が一定長さ送り出され、金属箔90の先端が切断刃の手前に達すると(図5b)、溶接ヘッド81が下降して金属箔90の先端を支持部材82に押圧して溶接する(図5c)。溶接後、溶接ヘッド81が上昇して溶接箇所を離れる一方、上刃11が切断位置に下降する(図5d)。次いで下刃21が上昇し、下刃21が上刃11に密接した状態で金属箔90を切断する(図5e)。切断後、下刃212が下降し(図5f)、上刃11との間に隙間が形成される(図5g)。この隙間を保って上刃11が上方に戻り(図5h)、原位置に復帰して次の切断動作のために待機する。なお、この間、支持部材82は紙面に対して垂直な方向に送られる。これらの動作の繰り返しにより、支持部材82には所定の間隔を隔てて金属箔90から切断されたコンデンサ素子用材料が固定される。
本発明の切断装置において、上刃を超硬合金によって形成すると共に下刃を高合金高速度工具鋼によって形成し、上刃および下刃をアモルファス構造のカーボン硬質膜によって表面コーティングしたものを用いると良い。下刃の材料である高合金高速度工具鋼は商品名ASPとして市販されているものがある。また、表面コーティング材のアモルファス構造を有するカーボン硬質膜としては商品名DLC、XPC、CFCとして市販されているものがある。
上記材質の切断刃は切断面が良好であると共に切断刃の寿命が長く、耐久性に優れている。因みに、上記材質の切断刃は従来の切断刃に対して5倍弱の寿命を有する。なお、上刃と下刃の両方に超硬合金を用いると、刃先どうしの衝撃等によって刃こぼれを生じる場合がある。下刃に硬度と靱性の高いASP等を用いることによって、刃先の破損を生じることなく耐久性を高めることができる。さらに、耐摩耗性と耐凝着性に優れた上記表面コーテング材を用いることによって、刃先に帯状金属箔が付着するなどのトラブルの発生が少なく、良好な切断面を得ることができる。
また、本発明の切断装置は、切断ユニットが装置本体に対して着脱自在に形成されているので、切断ユニットごと交換することができ、従って、切断刃の交換が極めて容易である。因みに、従来は切断刃の交換に30分〜1時間を要していたが、本発明の切断装置では約5分〜10分程度で熟練者でなくとも交換することができる。
さらに、本発明の切断装置では、予備の切断ユニットについて切断刃相互のクリアランスを予め調整しておけば、切断刃を交換したときに切断刃相互のクリアランスを交換ごとに調整する必要がなく、切断面が安定であり、精度良い良好な切断面を得ることができる。因みに、例えば、上刃の刃先角度90°、下刃の刃先角度25°、上刃と下刃とのクリアリンスを0.01〜0.02mmに設定することによって、良好な切断面を得ることができる。
また、本発明の切断装置は、これを複数台並列に設けることによって作業時間を大幅に短縮することができる。図1の装置例は、2台の切断装置を並列に設置した態様を示している。各切断装置の溝カム60は駆動モータ83に連結されており、同時に回転して切断サイクルを実施する。
上記の特徴を含む限りにおいて、本発明はどのような固体電解コンデンサ素子の製造にも適用できる。例えば、基材は表面に誘電体酸化皮膜を有する弁作用金属である。弁作用金属は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウムあるいはこれらを基質とする合金系の弁作用から選択することができる。
金属箔の場合、使用目的に適した厚さを用いることができるが、一般に厚み約40〜150μmの箔が使用される。また、箔の大きさ及び形状は用途により異なるが、幅約1〜50mmのものが好ましく、より好ましくは幅約2〜20mm、さらに好ましくは幅約2〜5mmである。
本発明は、上記の装置を使用するコンデンサ素子の製造方法を含む。すなわち、本発明の装置を用いて複数のコンデンサ素子用材料の切断を行ない支持部材に取り付けた後、コンデンサ素子を製造するための種々の処理を一括して行なう方法を含む。
このような処理としては、典型的には、誘電体皮膜形成のための化成処理、導電体層の形成、導電体層と電極との接続のための導体層の付与などが挙げられる。コンデンサ素子の製造方法は、例えば、以下の通りである。
はじめに、コンデンサ素子材料を支持部材に取り付けた状態で電解液に浸漬して通電することにより誘電体酸化皮膜を形成および/または修復し、誘電体皮膜上の所定の位置に導電体層形成のために必要な処理、例えば、導電体層が導電性重合体である場合はそのモノマーへの浸漬およびモノマーの重合に必要な処理(酸化剤の付着および/または通電)を行なう。さらに、必要に応じて導電ペーストへの浸漬および/またはその塗布を行なう。その他の処理、例えば、上記導電体層と陽極基体(通常は、コンデンサ素子用材料自体)間の絶縁を確実に行なうためのマスキング層の形成等を行なってもよい。なお、固体電解質層の形成方法、マスキング材料の塗布方法、陽極部及び陰陽極の構成は特に限定されない。また、必要に応じてマスキング層の形成前後に化成処理を行なってもよいが、この化成処理も慣用の任意の方法を用いることができる。
これらの処理を行なって図6に一例を示すコンデンサ素子構造を形成した後、コンデンサ素子用材料を支持部材から取り外して個々の独立したコンデンサ素子とする。通常はコンデンサ素子用材料を支持部材の縁部に沿って切断し、陰陽両極の基板(例えば、リードフレーム)上に熔接やハンダ付け等により固定してさらに樹脂で封止してコンデンサチップとする。
本発明の切断装置では、短時間で多数回の切断が可能であり、切断刃の劣化が少なく、かつ、切断刃もユニット化されて交換が容易である。このため、生産性に優れたコンデンサ素子の製造方法として有用である。
本発明の切断装置の一態様の概略を示す正面図である。 本発明の切断装置の一態様の概略を示す側面図である。 本発明に係る切断装置の切断ユニット部分の一態様の概略を示す正面図である。 本発明に係る切断装置の切断ユニット部分の一態様の概略を示す分離断面図である。 本発明に係る切断装置の切断サイクルについての説明図である。 典型的な固体電解コンデンサの構造を示す断面図である。
符号の説明
1 陽極部領域
2 陰極部領域
3 マスキング材料
4 多孔質層
10 上刃用支持台
11 上刃
20 下刃用支持台
21 下刃
30 装着台
31,32 ガイド部材
40 装置本体
50 切断ユニット
60 溝カム
61 ガイド溝
70−リンク
71−リンク基端部
72−リンク先端部
73−連結部材
80−ピンチローラ
81−溶接ヘッド
82−支持部材
83−駆動モータ
90−長尺材料(帯状金属箔)

Claims (10)

  1. コンデンサ素子用陽極基体を長尺材料から切り出す切断装置であって、長尺材料を切断する上刃を備えた上刃用支持台と下刃を備えた下刃用支持台とを有し、これらの支持台は装着台に上下摺動自在に装着されており、該装着台は着脱自在に装置本体に取り付けられており、上刃と下刃、これらの支持台、及び装着台からなる切断ユニットが装置本体に対して着脱自在に形成されていることを特徴とするコンデンサ素子用材料の切断装置。
  2. 装着台の表面に、一対のガイド部材が並列に設けられており、これらのガイド部材に上刃用支持台と下刃用支持台がおのおの上下摺動自在に設けられており、上刃用支持台はその上端部が下刃用支持台の上側に突き出ており、この上端部に上刃が下向きに設けられており、下刃用支持台の上端には下刃が上向きに設けられており、これら支持台の上下動によって上刃と下刃が開閉し、長尺材料をシェアー切断する請求項1に記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
  3. 上刃を備えた上刃用支持台と下刃を備えた下刃用支持台とが、おのおのリンクを介して、回転する溝カムに連結されており、溝カムにはこれらの支持台の上下動を案内するガイド溝が形成されており、各リンクの基端部が該ガイド溝に沿って摺動するように上記溝カムに係合しており、一方、各リンクの先端部はおのおの支持台に連結されており、溝カムの回転によってリンク基端部の上下動がガイド溝によって案内され、このリンクの上下動がリンク先端部に連結した各支持台に伝達され、各支持台の上下動によって上刃と下刃とが開閉して長尺材料を切断する請求項1または2に記載するコンデンサ素子用材料の切断装置。
  4. 着脱自在な切断ユニットを備えた請求項1〜3のいずれかに記載の切断機構を複数台有するコンデンサ素子用材料の切断装置。
  5. 上刃が超硬合金によって形成され、下刃が高合金高速度工具鋼によって形成されており、上刃及び下刃がアモルファス構造のカーボン硬質膜によって表面コーティングされている請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
  6. 上刃と下刃とのクリアリンスが0.01〜0.02mmに設定されている請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
  7. 長尺材料が弁作用金属材料である請求項1〜6のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
  8. 弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウムまたはこれらを含む合金である請求項1〜7のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
  9. 長尺材料が、箔状、棒状または線状である請求項1〜8のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のコンデンサ素子用材料の切断装置を使用するコンデンサ素子の製造方法。
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