JP2007128679A - 多方向押圧式スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】多方向押圧式スイッチの弾性部材をケースに固定しない簡単な構造で組み立てが容易な多方向押圧式スイッチを提供すること。
【解決手段】外周に突起状の係止部を複数設けた弾性部材と、スイッチ接点を押圧する押圧部を設けた揺動可能な多方向キーと、多方向キーの押圧部に対向する位置にスイッチ接点を設けたスイッチ基板と、多方向キーの外周に対向する部位に複数の切り欠き部を設けた、多方向キーの外周を囲むケースとを備える。そして、弾性部材は、多方向キーの押圧部が設けられた面側に固定されるとともに、弾性部材の係止部はケースの切り欠き部にはめ込まれ、弾性部材の係止部は少なくともケースの切り欠き部に当接し、多方向キーの押圧部はスイッチ基板のスイッチ接点に当接したものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の押圧部位を有し、この押圧部位を押圧することでスイッチを作動させる多方向押圧式スイッチに関する。
従来、複数の押圧部位を有する多方向キーの押圧部位をユーザが押圧することで、押圧部位の押圧面とは反対側に配置されたスイッチを作動させる多方向押圧式スイッチとして、例えば特許文献1に開示される多方向押圧式スイッチがあった。
特開2001−185004
このような従来的な多方向押圧式スイッチでは、多方向押圧式スイッチの多方向キーとケースとを連結する弾性部材を、多方向押圧式スイッチのケースおよび多方向キーに固定する構造であった。そのため、ケースに弾性部材を固定するための固定部位を設ける必要があり、多方向押圧式スイッチの製作・加工に手間と費用がかかっていた。
また、多方向キーの中央部分に押釦式のセンターキーを設ける場合には、弾性部材をセンターキーにも固定していた。そして、多方向キーおよびセンターキーを弾性部材の同じ側に固定し、これとは別に、センターキーのフランジ部を多方向キーが覆うようにして係止していたため、小型化・薄型化にも限界があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、多方向押圧式スイッチの弾性部材をケースに固定しない簡単な構造で組み立てが容易な多方向押圧式スイッチを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、外周に突起状の係止部を複数設けた、可撓性を有する平板状の弾性部材と、複数の押圧部位とは反対側の面にスイッチ接点を押圧可能な押圧部を設けた、揺動可能な多方向キーと、多方向キーの押圧部に対向する位置にスイッチ接点を設けたスイッチ基板と、多方向キーの外周に対向する部位に複数の切り欠き部を設けた、多方向キーの外周を囲むケースとを備えるとする。そして、弾性部材は、多方向キーの押圧部が設けられた面側に固定されるとともに、弾性部材の係止部はケースの切り欠き部にはめ込まれており、弾性部材の係止部は少なくともケースの切り欠き部に当接し、多方向キーの押圧部はスイッチ基板のスイッチ接点に当接して、多方向キーが非押圧時において制止された多方向押圧式スイッチとする。
このような構成によれば、弾性部材を多方向キーだけに固定するが、多方向キーに固定された弾性部材の係止部がケースの切り欠き部にはめ込まれてこれに当接し、また、多方向キーの押圧部はスイッチ基板のスイッチ接点に当接することから、弾性部材の係止部に働くケースの切り欠き部からの反作用と多方向キーの押圧部に働くスイッチ接点からの反作用とによって、弾性部材をケースに固定しなくても、多方向キーは非押圧時において制止する。
また、本発明は、押圧部位とは反対側の面にスイッチ接点を押圧可能な押圧部を設けたとともに、この押圧部が設けられた面側の外周部分にフランジ部を設けたセンターキーと、中央部分に貫通孔を設け、外周に突起状の第1係止部を複数設けたとともに貫通孔内に向けて突起状の第2係止部を複数設けた、可撓性を有する平板状の弾性部材と、中央部分に貫通孔を設け、複数の押圧部位とは反対側の面にスイッチ接点を押圧可能な押圧部を設けた、揺動可能な多方向キーと、センターキーの押圧部および多方向キーの押圧部に対向する位置にスイッチ接点を設けたスイッチ基板と、多方向キーの外周に対向する部位に複数の切り欠き部を設けた、多方向キーの外周を囲むケースとを備えるとする。そして、弾性部材は、多方向キーの押圧部が設けられた面側に固定されるとともに、弾性部材の第1係止部はケースの切り欠き部にはめ込まれており、弾性部材の第1係止部は少なくともケースの切り欠き部に当接し、多方向キーの押圧部はスイッチ基板のスイッチ接点に当接して、多方向キーが非押圧時において制止され、弾性部材の第2係止部は、センターキーの押圧部位の側からセンターキーのフランジ部に当接し、センターキーの押圧部はスイッチ基板のスイッチ接点に当接して、センターキーが非押圧時において制止された多方向押圧式スイッチとする。
このような構成によれば、弾性部材を多方向キーだけに固定するが、多方向キーに固定された弾性部材の第1係止部がケースの切り欠き部にはめ込まれてこれに当接し、また、多方向キーの押圧部はスイッチ基板のスイッチ接点に当接することから、弾性部材の第1係止部に働くケースの切り欠き部からの反作用と多方向キーの押圧部に働くスイッチ接点からの反作用とによって、弾性部材をケースに固定しなくても、多方向キーは非押圧時において制止する。さらに、多方向キーに固定された弾性部材の第2係止部がセンターキーの押圧部位の側からセンターキーのフランジ部に当接し、また、センターキーの押圧部はスイッチ基板のスイッチ接点に当接することから、センターキーのフランジ部に働く弾性部材の第2係止部からの反作用とセンターキーの押圧部に働くスイッチ接点からの反作用とによって、センターキーは非押圧時において制止する。
また、本発明においては、多方向キーの外周部分に、外方に向けた複数の突起状のストッパーを設け、ケースには、上記多方向キーの外周に対向する部位であって、上記切り欠き部とは異なる部位に第2の切り欠き部を設け、このケースの第2の切り欠き部に、多方向キーのストッパーが多方向キーの揺動方向には非接触にはめ込まれた多方向押圧式スイッチとしてもよい。
このような構成によれば、押圧による多方向キーの揺動を保障しつつ、多方向キーが脱落することを確実に防止する。
この発明によれば、弾性部材を多方向キーだけに固定するので、簡単な構造となり組み立てが容易となる。このため、多方向押圧式スイッチの製作・加工にかかる手間と費用の低減にも寄与する。なお、このような簡単な構造で組み立て容易でありながら、非押圧時における多方向キーの制止が実現し、商品価値を損ねることがない。
また、センターキーを設ける場合には、上記のとおり、弾性部材を多方向キーだけに固定するので簡単な構造となり組み立てが容易となるとともに、多方向キーに固定された弾性部材によって、押圧部位の側からセンターキーのフランジ部を係止するので、多方向押圧式スイッチ全体の高さ寸法を抑えることとなり、小型化・薄型化に寄与する。
本発明の実施形態を図面参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係わる多方向押圧式スイッチの分解斜視図である。本実施形態の多方向押圧式スイッチは、ケース(1)、多方向キー(2)、弾性部材(3)、センターキー(4)、スイッチ基板(5)を具備して構成される。以下、各構成要素について説明する。
図2(d)は、図1で示したセンターキー(4)をその裏面側から見た斜視図である。
センターキー(4)は、例えば合成樹脂で成形される。センターキー(4)の外形状に限定はなく、本実施形態では図1および図2(d)に示すような略円盤状(婦人帽子のキャノチェに類似した形状である。)に成形される。
センターキー(4)の中央部(40)、即ちキャノチェで云うところの「天」および「腰」に相当する部分のうち、その平坦部分(「天」の部分)はユーザが指で押圧操作する部分に該当する。そして、センターキー(4)の両面の一方の面(これを裏面ということにする。)、より詳しくは平坦部分の裏面にのみ、押圧部(42)が設けられる。また、センターキー(4)の裏面に近い外周部分にはフランジ部(43)が設けられる(キャノチェで云えば、「鍔」に相当する部分である。)。このフランジ部には、1箇所のつば欠き部(44)が設けられている。
図2(c)は、図1で示した弾性部材(3)をその裏面側から見た斜視図である。
弾性部材(3)は、可撓性のある薄い金属製の板ばね(例えば、ばね用ステンレス鋼板)として、もしくは可撓性のある合成樹脂フイルム(例えば、PETなど)として成形される。弾性部材(3)の形状に限定はなく、本実施形態では図1および図2(c)に示すような略円形の薄い平板状としている。
そして、弾性部材(3)の中央部には、センターキー(4)の中央部(40)が嵌通して配置される程度の大きさの円形状の貫通孔(30)が設けられる。また、弾性部材(3)には、計4個の第1貫通孔(36)と計4個の第2貫通孔(37)が設けられている。
4個の第1貫通孔(36)と4個の第2貫通孔(37)の配設箇所の位置関係は、貫通孔(30)が設けられた弾性部材(3)の面の上方から見た場合、第2貫通孔(37)の配設箇所をおよそ0度、90度、180度、270度の位置とすれば、第1貫通孔(36)の配設箇所はおよそ45度、135度、225度、315度の位置となる(図1参照。)。但し、これら角度の基準は、図1の紙面の奥行き側に位置するのが0度、時計回りに廻って紙面の手前側に位置するのが180度であるとした(以下同様)。
また、弾性部材(3)において、第2貫通孔(37)が設けられた板肉部分では、一方、弾性部材(3)の外側方向に延伸するように突起状の係止部(32)が設けられ、他方、弾性部材(3)の内側方向(つまり、貫通孔(30)の内部に向かう方向である。)に延伸するように突起状の第2係止部(35)が設けられている。この4個の第2係止部(35)のうち3個は、センターキー(4)と弾性部材(3)を組み合わせたときに、センターキー(4)のフランジ部(43)に当接するようになっている。
図2(b)は、図1に示した多方向キー(2)をその裏面側から見た斜視図である。
多方向キー(2)は、例えば合成樹脂で成形される。多方向キー(2)の外形状に限定はないものの、本実施形態では図1および図2(b)に示すような略円盤状に成形される。
そして、多方向キー(2)の中央部には、センターキー(4)の中央部(40)が嵌通して配置される程度の円形管状の貫通孔(20)が設けられる。また、貫通孔(20)が設けられた多方向キー(2)の両面のうち一方の面(これを表面ということにする。)には、ユーザの押圧操作の目印となる押圧部位指示部(27)が設けられている。図2(b)で示す多方向キー(2)では、4個の押圧部位指示部(27)が設けられている。なお、この押圧部位指示部(27)は、多方向キー(2)に一体成形されなくともよく、例えば、シールや印字などとしてもよい。
多方向キー(2)の表面とは反対側の面(これを裏面ということにする。)の周縁部(26)には、多方向キー(2)の外側方向に突出するように突起状の第2ストッパー(21)が複数設けられる。図2(b)で示す多方向キー(2)では、4個の第2ストッパー(21)が設けられている。
4個の押圧部位指示部(27)と4個の第2ストッパー(21)の配設箇所の位置関係は、多方向キー(2)の表面の上方から見た場合、押圧部位指示部(27)の配設箇所をおよそ0度、90度、180度、270度の位置とすれば、ストッパー(21)の配設箇所はおよそ45度、135度、225度、315度の位置となる。
また、多方向キー(2)の裏面の周縁部(26)には、切り欠き部(22)が複数設けられる。図2(b)で示す多方向キー(2)では、4個の切り欠き部(22)が設けられている。切り欠き部(22)の形状に格別の限定はなく、例えば凹状、U字状などでよい。図2(b)で示す多方向キー(2)では、凹状としている。
4個の押圧部位指示部(27)と4個の切り欠き部(22)の配設箇所の位置関係は、多方向キー(2)の表面の上方から見た場合、押圧部位指示部(27)の配設箇所をおよそ0度、90度、180度、270度の位置とすれば、切り欠き部(22)の配設箇所はおよそ0度、90度、180度、270度の位置となる。切り欠き部(22)の切り込み深さは、多方向キー(2)と弾性部材(3)を組み合わせたときに、凹部のいわゆる「底」の部分に弾性部材(3)の係止部(32)が当接する程度としておく。
また、多方向キー(2)の裏面には、多方向キー(2)の表面の上記各押圧部位指示部(27)に対応する位置に、計4個の突起状の押圧部(29)が設けられている。さらに、多方向キー(2)の裏面には、上記第2ストッパー(21)と対応する位置に、計4個の突起状の固定部(28)が設けられている。
押圧部(29)は、多方向キー(2)と弾性部材(3)を組み合わせたときに、弾性部材(3)の第2貫通孔(37)を挿通する。また、固定部(28)は、多方向キー(2)と弾性部材(3)を組み合わせたときに、弾性部材(3)の第1貫通孔(36)を挿通する。
貫通孔(20)の近傍には、一部に面部(24a)を有する略突起状の第1ストッパー(24)が設けられている。図2(b)で示す多方向キー(2)では、2個の第1ストッパー(24)が設けられている。この第1ストッパー(24)は、多方向キー(2)と弾性部材(3)を組み合わせたときに、弾性部材(3)の貫通孔(30)を貫通するような位置に設けられている。また、第1ストッパー(24)の面部(24a)は、多方向キー(2)とセンターキー(4)を組み合わせたときに、センターキー(4)のつば欠き部(44)に当接する。また、このとき、2個の第1ストッパー(24)の間には、弾性部材(3)の4個の係止部(35)うち1個の係止部(35)がはまるように位置することとなる。
図2(a)は、図1に示したケース(1)をその裏面側から見た斜視図である。
ケース(1)は、例えば合成樹脂で成形され、その中央部には多方向キー(2)が嵌通して配置される程度の円形管状の貫通孔(10)が設けられている。ケース(1)の形状に限定はなく、図1および図2(a)では略リング状として示している。
貫通孔(10)が設けられたケース(1)の両面のうち一方の面(これを裏面ということにする。)には、突起状の係止部(13)が複数設けられている。図2(a)で示すケース(1)では、8個の係止部(13)が設けられている。
この8個の係止部(13)の配設箇所は、ケース(1)の裏面とは反対側の面の上方から見た場合、係止部(13)の配設箇所はおよそ23度、68度、113度、158度、203度、248度、293度、338度の位置となる。
また、ケース(1)の裏面の周縁部(14)には、第2切り欠き部(11)が複数設けられる。図2(a)で示すケース(1)では、4個の第2切り欠き部(11)が設けられている。第2切り欠き部(11)の形状に格別の限定はなく、例えば凹状、U字状などでよい。図2(a)で示すケース(1)では、凹状としている。
さらに、ケース(1)の裏面の周縁部(14)には、切り欠き部(12)が複数設けられる。図2(a)で示すケース(1)では、4個の切り欠き部(12)が設けられている。切り欠き部(12)の形状に格別の限定はなく、例えば凹状、U字状などでよい。図2(a)で示すケース(1)では、凹状としている。
4個の第2切り欠き部(11)と4個の切り欠き部(12)の配設箇所の位置関係は、ケース(1)の裏面とは反対側の面の上方から見た場合、切り欠き部(12)の配設箇所をおよそ0度、90度、180度、270度の位置とすれば、第2切り欠き部(11)の配設箇所はおよそ45度、135度、225度、315度の位置となる。
図1に示すスイッチ基板(5)は、フレキシブル基板でもリジッド基板でもよいが、本実施形態ではリジッド基板とする。スイッチ基板(5)の表面には、5個のスイッチ接点(59)が設けられている。各スイッチ接点(59)は、公知のものでよく、例えばスイッチ基板(5)上にパターン配線をプリントして形成した接点パターンとその上に取り付けたドーム形状の弾性金属板状の可動接点(例えば、ばね用ステンレス鋼板やベリリウム銅板などを用いて適度の弾性を持つように構成する。)とによって構成される。
このうち1個のスイッチ接点(59)は、スイッチ基板(5)を上記ケース(1)、多方向キー(2)、弾性部材(3)、センターキー(4)と組み合わせたときに、センターキー(4)の押圧部(42)に対向当接する位置に設置されている。また、残り4個のスイッチ接点(59)は、スイッチ基板(5)を上記ケース(1)、多方向キー(2)、弾性部材(3)、センターキー(4)と組み合わせたときに、多方向キー(2)の押圧部(29)に対向当接する位置に設置されている。
さらに、スイッチ基板(5)には、計8個の貫通孔(53)が設けられている。この貫通孔(53)には、スイッチ基板(5)を上記ケース(1)、多方向キー(2)、弾性部材(3)、センターキー(4)と組み合わせたときに、ケース(1)の8個の係止部(13)が挿通する。
次に、上記説明したケース(1)、多方向キー(2)、弾性部材(3)、センターキー(4)、スイッチ基板(5)を構成部品として、本実施形態の多方向押圧式スイッチの組み立て、および、組み立て完成状態における非押圧時の構成を図1、図2、図3、図5を参照して説明する。
まず、弾性部材(3)を多方向キー(2)に固定する。
このために、多方向キー(2)の裏面側から弾性部材(3)を、多方向キー(2)の押圧部(29)が弾性部材(3)の第2貫通孔(37)を貫通し、且つ、多方向キー(2)の固定部(28)が弾性部材(3)の第1貫通孔(36)を貫通するように組み合わせる。
このとき、弾性部材(3)の係止部(32)の根元部分が、多方向キー(2)の切り欠き部(22)にはまって、凹部のいわゆる「底」の部分に当接する。また、弾性部材(3)の係止部(32)の先端部分は、多方向キー(2)のストッパー(21)の如く、多方向キー(2)の周縁部(26)よりも外側に突出することとなる。また、多方向キー(2)のストッパー(24)は、弾性部材(3)の貫通孔(30)を貫通する。
そして、第1貫通孔(36)を貫通した固定部(28)の先端部分を熱かしめする(図3(b)参照。)。この作用によって、弾性部材(3)は多方向キー(2)に固定される。なお、固定部(28)の熱かしめによって固定するに限定されず、例えば弾性部材(3)の表面に接着剤を塗布するか両面接着テープを貼着させておくことで、弾性部材(3)を多方向キー(2)に固定させるようにしてもよい。また、圧入や、構造スペースに余裕がある場合は螺子止めとしてもよい。
次に、弾性部材(3)を多方向キー(2)に固定したモジュールに、多方向キー(2)の裏面側からセンターキー(4)を組み合わせる。このとき、センターキー(4)の中央部(4)は、上記モジュールの多方向キー(2)の貫通孔(20)および弾性部材(3)の貫通孔(30)に嵌通して配置される。
なお、センターキー(4)のつば欠き部(44)のフランジ断面部分は、貫通孔(30)を貫通した多方向キー(2)の第1ストッパー(24)の面部に当接するようになっている。この作用のため、上記モジュールにセンターキー(4)が組み合わされた状態において、センターキー(40)の中央部(40)が貫通孔(20)および貫通孔(30)の空間内でくるくると回転してしまうことが防止される。
また、センターキー(4)の表面側のフランジ部(43)には、弾性部材(3)の3個の第2係止部(35)が当接するようになっている。この作用のため、センターキー(4)が、多方向キー(2)の裏面側から表面側へと通り抜けてしまうことが防止される。
上記モジュールにセンターキー(4)を組み合わせたセットに、多方向キー(2)の表面側からケース(1)が組み合わされ、セットの多方向キー(2)は、ケース(1)の貫通孔(10)に嵌通して配置されることとなる。
このとき、上記モジュールにおいて多方向キー(2)の周縁部(26)よりも外側に突出した弾性部材(3)の係止部(32)の先端部分は、ケース(1)の切り欠き部(12)にはまって、凹部のいわゆる「底」の部分に当接する。これに対して、多方向キー(2)の第2ストッパー(21)は、ケース(1)の第2切り欠き部(11)にはまるものの、凹部のいわゆる「底」の部分に当接はしない。換言すれば、ケース(1)の第2切り欠き部(11)および切り欠き部(12)の切り込み深さは、セットにケース(1)を組み合わせたときに、弾性部材(3)の係止部(32)の先端部分は切り欠き部(12)の「底」部に当接するが、多方向キー(2)の第2ストッパー(21)は第2切り欠き部(11)の「底」部に当接しない寸法に設計されている。
このように第2ストッパー(21)がケース(1)の第2切り欠き部(11)にはまる構成であるため、多方向キー(2)が、ケース(1)の裏面側から表面側へと通り抜けてしまうことが防止される。なお、上記説明および図面からも明らかなとおり、上記セットにケース(1)を組み合わせたときに、ケース(1)の係止部(13)が、多方向キー(2)の第2ストッパー(21)および弾性部材(3)の係止部(32)にぶつかるようなことはない。
次に、上記セットにケース(1)を組み合わせた組み合わせ部品を、ケース(1)の裏面と、スイッチ基板(5)のスイッチ接点が設けられた面とが対向するようにしてスイッチ基板(5)に取り付ける。
このとき、ケース(1)の係止部(13)は、スイッチ基板(5)の貫通孔(53)を貫通する。この貫通した各係止部(13)の先端部分を、スイッチ接点が設けられたスイッチ基板(5)の面とは反対側の面において熱かしめすることで、ケース(1)、すなわち上記組み合わせ部品とスイッチ基板(5)とが固定されることになる(図5参照。)。このようにして、本実施形態の多方向押圧式スイッチが完成する。なお、熱かしめに限定されず、圧入や螺子止めとしてもよい。
このようにして完成した多方向押圧式スイッチの非押圧時(ユーザがスイッチ操作をしていない状態)の様子について図4および図5を参照して説明を加える。
図4は、以上のようにして組み立てられた多方向押圧式スイッチの平面図、図5(a)は、図4のA−A線上概略断面図、図5(b)は、図4のC−C線上概略断面図である。
上記組み合わせ部品がスイッチ基板(5)に固定された状態において、センターキー(4)の押圧部(42)の先端部分は、5個のスイッチ接点(59)のうち中心に位置するスイッチ接点(59)に当接する。また、残り4個のスイッチ接点(59)には、多方向キー(2)の4個の押圧部(29)の先端部分がそれぞれ当接する。
ここで、センターキー(4)の押圧部(42)の長さ寸法が長すぎると、上記組み合わせ部品とスイッチ基板(5)とが固定された状態において、中心のスイッチ接点(59)を常に押し込み続けるものとなり、一方、当該長さ寸法が短すぎると、押圧部材(3)の第2係止部(35)と中心のスイッチ接点(59)のドーム頂点との間の高さ領域でセンターキー(4)が遊動してしまい、いずれにしても商品価値を著しく損なう。
結局、センターキー(4)の押圧部(42)の長さ寸法は、上記組み合わせ部品がスイッチ基板(5)に固定された状態において、センターキー(4)のフランジ部(43)に押圧部材(3)の第2係止部(35)が当接するとともに、押圧部(42)の先端部分が、中心のスイッチ接点のドーム頂点部分にスイッチ作動しない程度に当接される程度とするのが良い。換言すれば、センターキー(4)のフランジ部(43)が押圧部材(3)の第2係止部(35)に当接することによる反作用によって、センターキー(4)の押圧部(42)は、中心のスイッチ接点(59)にスイッチ作動しない程度に押し付けられている。
このようにすることで、非押圧時のセンターキー(4)は、遊動することもスイッチ接点を押し込み続けることもない。なお、この遊動防止には、多方向キー(2)の貫通孔(20)の側壁部分と、センターキー(4)の中央部(40)の「腰」部分との隙間を十分に狭くすることによっても効果を上げることができる。
上記説明したことは、多方向キー(2)の4個の押圧部(29)についても妥当する。即ち、多方向キー(2)の押圧部(29)の長さ寸法が長すぎると、上記組み合わせ部品とスイッチ基板(5)とが固定された状態において、周辺の4個のスイッチ接点(59)を常に押し込み続けるものとなり、一方、当該長さ寸法が短すぎると、ケース(1)の切り欠き部(12)の「底」部分と周辺のスイッチ接点(59)のドーム頂点との間の高さ領域で多方向キー(2)が遊動してしまい、いずれにしても商品価値を著しく損なう。
結局、多方向キー(2)の押圧部(29)の長さ寸法は、上記組み合わせ部品がスイッチ基板(5)に固定された状態において、上記モジュールにおける弾性部材(3)の係止部(32)がケース(1)の切り欠き部(12)の「底」部分に当接するとともに、押圧部(29)の先端部分が、周辺のスイッチ接点のドーム頂点部分にスイッチ作動しない程度に当接される程度とするのが良い。換言すれば、多方向キー(2)に固定された弾性部材(3)の係止部(32)がケース(1)の切り欠き部(12)に当接することによる反作用によって、多方向キー(2)の押圧部(29)は、周辺のスイッチ接点(59)にスイッチ作動しない程度に押し付けられている。
このようにすることで、非押圧時の多方向キー(2)は、遊動することもスイッチ接点を押し込み続けることもない。
また、以上のような構成であるため、ドーム形状の各スイッチ接点(59)と各押圧部(42)(29)との間に隙間が生じることがなく、ユーザは違和感を覚えることなく良好な操作感触を得る。
次に、完成した多方向押圧式スイッチの押圧時の様子について図4および図5を参照して説明を加える。
まず、ユーザがセンターキー(4)の中央部分(40)の平坦部分をスイッチ基板(5)の方向へ押圧すると、押圧部(42)がスイッチ基板(5)の方向へ移動してスイッチ接点(59)を押し込みスイッチが作動する。
ユーザが指を離すなどして押圧解除すれば、センターキー(4)は、スイッチ接点の反発力によってスイッチ基板(5)から離れる方向に自動的に移動する。なお、解除時におけるこのセンターキー(4)の移動は、センターキー(4)のフランジ部(43)が弾性部材(3)の第2係止部(35)に当接することによって制限されることとなる。
次に、ユーザが多方向キー(2)の何れかの押圧部位指示部(27)の部分を押圧すると(図5参照。)、押圧した部分がスイッチ基板(5)の方向へ移動し、移動した部分に対応した押圧部(29)がこれに対向するスイッチ接点(59)を押し込みスイッチが作動する。
なお、多方向キー(2)の第2ストッパー(21)は、ケース(1)の第2切り欠き部(11)にはまっているものの、凹部のいわゆる「底」の部分に当接していないため、多方向キー(2)はユーザの押圧操作に対して揺動可能なものとなっている。つまり、ユーザの押圧操作に対して、ユーザが押圧操作した押圧部位指示部(27)の部分とは中心対称の押圧部位指示部(27)の両脇に位置する第2ストッパー(21)が、スイッチ基板(5)から離れる方向、即ちケース(1)の第2切り欠き部(11)の「底」部分に向かって移動するが、ストッパー(21)がケース(1)の第2切り欠き部(11)の「底」部分に当接していないため移動可能となっている。
ユーザが指を離すなどして押圧解除すれば、多方向キー(2)は、スイッチ接点の反発力によってスイッチ基板(5)から離れる方向に自動的に移動する。なお、解除時におけるこの多方向キー(2)の移動は、多方向キー(2)に固定された弾性部材(3)の係止部(32)がケース(1)の切り欠き部(12)の「底」部分に当接することによって制限されることとなる。
上記モジュールを形成するにおいて、弾性部材(3)の第1貫通孔(36)を貫通した多方向キー(2)の固定部(28)の先端部分をかしめたが、かしめた部分の高さ寸法を、ユーザが押圧部位指示部(27)とは異なる部位を押圧した場合に2つの押圧部(29)がスイッチ接点(59)を押し込んでしまうことを阻止する寸法にしておくことで、誤作動などを防止することが可能になる。
上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜に変更可能である。例えば、上記実施形態のセンターキー(4)を固定部品とすることで、多方向キー(2)のみを押圧部品とする構成としてもよい。
本発明の多方向押圧式スイッチは、例えば携帯電話、デジタルカメラ、その他各種電化製品などに用いることができる。
本発明の一実施形態にかかる多方向押圧式スイッチの分解斜視図。 (a)図1に示したケース(1)を裏面側から見た斜視図。(b)図1に示した多方向キー(2)を裏面側から見た斜視図。(c)図1に示した弾性部材(3)を裏面側から見た斜視図。(d)図1に示したセンターキー(4)を裏面側から見た斜視図。 (a)組み立て完成状態における多方向押圧式スイッチの斜視図。(b)スイッチ基板(5)を除く多方向押圧式スイッチを裏面側から見た斜視図。 組み立て完成状態における多方向押圧式スイッチの平面図。 (a)非押圧時および押圧時の図4のA−A線上概略断面図。(b)非押圧時および押圧時の図4のC−C線上概略断面図。
符号の説明
1 ケース
2 多方向キー
3 弾性部材
4 センターキー
5 スイッチ基板
11 第2切り欠き部
12 切り欠き部
20 貫通孔
21 第2ストッパー
22 切り欠き部
24 第1ストッパー
26 周縁部
27 押圧部位指示部
28 固定部
29 押圧部
30 貫通孔
32 係止部
35 第2係止部
36 第1貫通孔
37 第2貫通孔
40 中央部
42 押圧部
43 フランジ部
44 つば欠き部
53 貫通孔
59 スイッチ接点

Claims (3)

  1. 外周に突起状の係止部を複数設けた、可撓性を有する平板状の弾性部材と、
    複数の押圧部位とは反対側の面にスイッチ接点を押圧可能な押圧部を設けた、揺動可能な多方向キーと、
    多方向キーの押圧部に対向する位置にスイッチ接点を設けたスイッチ基板と、
    多方向キーの外周に対向する部位に複数の切り欠き部を設けた、多方向キーの外周を囲むケースと
    を備え、
    上記弾性部材は、上記多方向キーの押圧部が設けられた面側に固定されるとともに、上記弾性部材の係止部は、上記ケースの切り欠き部にはめ込まれており、
    上記弾性部材の係止部は少なくとも上記ケースの切り欠き部に当接し、上記多方向キーの押圧部はスイッチ基板のスイッチ接点に当接して、上記多方向キーが非押圧時において制止された
    ことを特徴とする多方向押圧式スイッチ。
  2. 押圧部位とは反対側の面にスイッチ接点を押圧可能な押圧部を設けたとともに、この押圧部が設けられた面側の外周部分にフランジ部を設けたセンターキーと、
    中央部分に貫通孔を設け、外周に突起状の第1係止部を複数設けたとともに貫通孔内に向けて突起状の第2係止部を複数設けた、可撓性を有する平板状の弾性部材と、
    中央部分に貫通孔を設け、複数の押圧部位とは反対側の面にスイッチ接点を押圧可能な押圧部を設けた、揺動可能な多方向キーと、
    センターキーの押圧部および多方向キーの押圧部に対向する位置にスイッチ接点を設けたスイッチ基板と、
    多方向キーの外周に対向する部位に複数の切り欠き部を設けた、多方向キーの外周を囲むケースと
    を備え、
    上記弾性部材は、上記多方向キーの押圧部が設けられた面側に固定されるとともに、上記弾性部材の第1係止部は、上記ケースの切り欠き部にはめ込まれており、
    上記弾性部材の第1係止部は少なくとも上記ケースの切り欠き部に当接し、上記多方向キーの押圧部はスイッチ基板のスイッチ接点に当接して、上記多方向キーが非押圧時において制止され、
    上記弾性部材の第2係止部は、上記センターキーの押圧部位の側から上記センターキーのフランジ部に当接し、上記センターキーの押圧部はスイッチ基板のスイッチ接点に当接して、上記センターキーが非押圧時において制止された
    ことを特徴とする多方向押圧式スイッチ。
  3. 上記多方向キーは、
    外周部分に、外方に向けた複数の突起状のストッパーを設け、
    上記ケースは、
    上記多方向キーの外周に対向する部位であって、上記切り欠き部とは異なる部位に第2の切り欠き部を設け、
    このケースの第2の切り欠き部に、前記多方向キーのストッパーが、前記多方向キーの揺動方向には非接触にはめ込まれた
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の多方向押圧式スイッチ。
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