JP2007127515A - 成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法 - Google Patents

成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法 Download PDF

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Kazunori Naganuma
和則 長沼
Takuro Tajima
卓郎 田島
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勇一 岡部
Shinji Mino
真司 美野
Junichi Shimada
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Abstract

【課題】本発明は、光透過管内を流れる液体や生体の静脈から発生する音波を選択的に検出して成分濃度を正確に測定することを目的とする。
【解決手段】本発明は、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射する光出射手段と、前記光出射手段からの光により前記液体で発生する音波を前記音波の検出向きを前記液体の流れ方向に対して略垂直にして検出する音波検出手段と、前記音波検出手段で検出された音波のうち前記一定周波数から偏移した周波数成分を検出する周波数偏移検出手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、人間又は動物の生体に流れる血液の濃度を測定する成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法、或いはガラス管等の光透過性管に流れる液体の成分濃度を測定する成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法に関する。
高齢化が進み、成人病に対する対応が大きな課題になりつつある。血糖値などの検査においては血液の採取が必要なために患者にとって大きな負担となるので、血液を採取しない非侵襲な成分濃度測定装置が注目されている。現在までに開発された非侵襲な成分濃度測定装置としては、皮膚内に電磁波を照射し、測定対象とする血液成分、例えば、血糖値の場合はグルコース分子に吸収され、局所的に加熱して熱膨張を起こして生体内から発生する音波を観測する、光音響法が注目されている。
しかし、グルコースと電磁波との相互作用は小さく、また生体に安全に照射し得る電磁波の強度には制限があり、生体の血糖値測定においては、十分な効果をあげるに至っていない。
図7および図8は、従来例として、光音響法による従来の血液成分濃度測定装置の構成例を示す図である。図7は光パルスを電磁波として用いた第一の従来例である(例えば、非特許文献1参照。)。本例では血液成分として血糖、すなわちグルコースを測定対象としている。図7において、駆動回路604はパルス状の励起電流をパルス光源616に供給し、パルス光源616はサブマイクロ秒の持続時間を有する光パルスを発生し、発生した光パルスは被検体610に照射される。光パルスは被検体610の内部にパルス状の光音響信号と呼ばれる音波を発生させ、発生した音波は超音波検出器613により検出され、さらに音圧に比例した電気信号に変換される。
変換された電気信号の波形は波形観測器620により観測される。この波形観測器620は上記励起電流に同期した信号によりトリガされ、変換された電気信号は波形観測器620の管面上の一定位置に表示され、変換された電気信号は積算・平均して測定することができる。このようにして得られた電気信号の振幅を解析して、被検体610の内部の血糖値、すなわちグルコースの量が測定される。図7に示す例の場合はサブマイクロ秒のパルス幅の光パルスを最大1kHzの繰り返しで発生し、1024個の光パルスを平均して、前記電気信号を測定しているが十分な精度が得られていない。
そこで、より精度を高める目的で、連続的に強度変調した光源を用いる第二の従来例が開示されている。図8に第二の従来例の装置の構成を示す(例えば、特許文献1参照。)。本例も血糖を主な測定対象として、異なる波長の複数の光源を用いて、高精度化を試みている。説明の煩雑さを避けるために、図8により光源の数が2の場合の動作を説明する。図8において、異なる波長の光源、即ち、第1の光源601及び第2の光源605は、それぞれ駆動回路604及び駆動回路608により駆動され、連続光を出力する。
第1の光源601及び第2の光源605が出力する光は、モータ618により駆動され一定回転数で回転するチョッパ板617により断続される。ここでチョッパ板617は不透明な材質により形成され、モータ618の軸を中心とする第1の光源601及び第2の光源605の光が通過する円周上に、互いに素な個数の開口部が形成されている。
上記の構成により、第1の光源601及び第2の光源605の各々が出力する光は互いに素な変調周波数f及び変調周波数fで強度変調された後、合波部609により合波され、1の光束として被検体610に照射される。
被検体610の内部には第1の光源601の光により周波数fの光音響信号が発生し、第2の光源605の光により周波数fの光音響信号が発生し、これらの光音響信号は、音響センサ619により検出され、音圧に比例した電気信号に変換され、その周波数スペクトルが、周波数解析器621により観測される。本例においては、複数の光源の波長は全てグルコースの吸収波長に設定されており、各波長に対応する光音響信号の強度は、血液中に含まれるグルコースの量に対応した電気信号として測定される。
ここで、予め光音響信号の測定値の強度と別途採血した血液によりグルコースの含有量を測定した値との関係を記憶しておいて、前記光音響信号の測定値からグルコースの量を測定している。
特開平10−189号公報 オウル大学(University of Oulu、Finland)学位論文「Pulse photoacoustic techniqus and glucose determination in human blood and tissue」(IBS 951−42−6690−0、http://herkules.oulu.fi/isbn9514266900/、2002年)
上述の従来例においては以下のような課題がある。即ち、人間や動物などの被検体に光を照射すると、被検体の組織中、静止している組織と流動している血液の双方から音波が発生する。従来例では、両者を区別して検出できないため、血管中の血流からの信号を選択して検出し、被検体の成分である例えば血中血糖濃度を測定することができないという課題があった。
この課題を解決する方法として、次のような方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平6−317566号公報
図9に、光音響法による従来の成分濃度測定装置の概略構成図を示す。
図9に示す成分濃度測定装置は、被検体610の静脈615に向けてパルス光源616から断続的に光を出射する。そして、静脈615に流れる血液の流れ614に対して斜めに配置された超音波検出器613は、血液内で発生した音波を検出する。
特許文献2によると、超音波検出器613を静脈615に流れる血液の流れ614に対して垂直を除く角度θ、即ち斜めに配置することで、血液で発生した音波のドップラーシフト成分を検出することができるとされている。パルス光源616から断続的に出射された光を照射される血液セグメント自体が音源となり、音源が血液の流れ614に従って超音波検出器613から遠ざかる又は近づくように移動(図9では、遠ざかるように移動する。)するため、上記ドップラーシフトが生じるとされているからである。
しかし、特許文献2による方法では、超音波検出器613による音波の検出効率が極めて低いか又は超音波検出器613により音波を検出できないという問題が生じる場合がある。
上記の課題を解決するために、本発明は、音波検出手段による音波検出方向を、光を照射される生体の静脈又は光透過管内を流れる液体の流れに対して垂直にして音波を検出することによって、生体の静脈又は光透過管内を流れる液体から発生する音波のドップラーシフト成分を効率的に検出することにより、生体の静脈又は光透過管内を流れる液体から発生する音波を選択的に検出して成分濃度を正確に測定する成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法である。
初めに、本発明の成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法の基本原理を、一例として、被検体の成分濃度を測定する場合について説明する。
本発明では、異なる2波長の光の中の、第1の光の波長を、例えば被検体の測定対象の成分による吸光度が被検体の大部分を占める水による吸光度と顕著に異なる波長に設定し、第2の光の波長を水が第1の光の波長におけるのと合い等しい吸光度を示す波長に設定する。上記の波長の設定方法を、血液中のグルコースの濃度を測定する場合を例として図1により説明する。
図1は常温における水とグルコース水溶液の吸光度特性を示す。図1において、縦軸は吸光度を示し、横軸は光の波長を示している。また、図1において、実線は水の吸光度特性を示し、破線はグルコース水溶液の吸光度特性を示している。図1に示す波長λはグルコースによる吸光度が水による吸光度と顕著に異なる波長であり、波長λは、水がλにおける吸光度と合い等しい吸光度を示す波長である。従って、例えば、第1の光の波長をλと設定し、第2の光の波長をλと設定することができる。
以下の説明においては、一例として、第1の光の波長を測定対象の成分による吸光度が水による吸光度と顕著に異なる波長λに設定し、第2の光の波長を水が第1の光の波長λにおけるのと合い等しい吸光度を示す波長λに設定した場合を説明する。
上記のように設定した異なる2波長の光の各々を、同一周波数で逆位相の信号により強度変調してパルス状の光として出射し、出射された異なる2波長の光が被検体の成分に吸収されて発生する音波を検出して、検出した音波の大きさから、被検体の測定対象の成分の濃度を測定する。上記のように強度変調された異なる2波長の光を出射した場合、第1の光を測定対象の成分と水の両方が吸収して被検体から発生する第1の音波と、第2の光を被検体の大部分を占める水が吸収して被検体から発生する第2の音波とは、周波数が等しくかつ逆位相である。従って、第1の音波と第2の音波は被検体内で重畳し、音波の差として、第1の音波の中の測定対象の成分が吸収して被検体から発生する音波の大きさのみが残留する。そこで、残留した音波により、第1の光が測定対象の成分が吸収して被検体から発生する音波のみを測定することができる。上記の測定においては、測定対象の成分と水の両方が吸収して発生する音波と水が吸収して発生する音波を個別に測定して差を演算するよりも、測定対象の成分が吸収して被検体から発生する音波を正確に測定することができる。
さらに、被検体と音波検出素子との接触状態などの音波測定系の誤差の要因を除いて、高精度に測定する方法を以下に説明する。波長λの光及び波長λの光の各々に対する、被検体の大部分を占める水の吸収係数をα (w)及びα (w)として、被検体の測定対象の成分のモル吸収係数をα (g)及びα (g)とすれば、波長λの光及び波長λの光の各々により被検体から発生する音波の大きさs及びsを含む連立方程式は数式(1)で表される。
Figure 2007127515
上記の、数式(1)を解いて、被検体の測定対象の成分濃度Mを求めることができる。ここで、Cは制御あるいは予想困難な係数、すなわち、被検体と音波検出素子の結合状態、音波検出素子の感度、被検体において光により音波が発生される位置と音波検出素子との間の距離、被検体の比熱及び熱膨張係数、被検体の内部の音波の速度、波長λの光及び波長λの光の変調周波数、水の吸収係数及び被検体の成分のモル吸収係数、などに依存する未知定数である。さらに数式(1)でCを消去すると次の数式(2)が得られる。
Figure 2007127515
ここで、波長λの光及び波長λの光の各々に対する、被検体の大部分を占める水の吸収係数α (w)及びα (w)が等しくなるように選択されているので、α (w)=α (w)が成立し、さらに、s≒sであることを用いれば、成分濃度Mは数式(3)で表される。
Figure 2007127515
上記の数式(3)に、既知の係数として、α (w)、α (g)及びα (g)を代入し、さらに、波長λの光及び波長λの光の各々により被検体から発生する音波の大きさs及びsを測定して代入することにより、被検体の成分濃度Mを算出することができる。上記の数式(3)においては、2つの音波の大きさs及びsを個別に測定するよりも、それらの差s−sを測定して、別に測定した音波の大きさsで除する方が、被検体の成分濃度を高精度に測定することができる。
そこで、本発明の成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法においては、まず、波長λの光及び波長λの光を、互いに逆位相の変調信号により強度変調して、1の光束に合波して出射することにより、被検体から発生する音波の大きさs及び音波の大きさsが相互に重畳して生じる音波の差(s−s)を測定する。次に、波長λの光を出射して、被検体から発生する音波の大きさsを測定する。上記のように測定した(s−s)とsとから、数式(3)により(s−s)÷sを演算して被検体の測定対象の成分濃度を高精度に測定することができる。
本発明の成分濃度測定装置及び成分濃度測定装置制御方法における被検体の静止した組織の音波に与える影響は以下の通りである。
本発明では、数式(1)における分子の(s−s)の値は、異なる2波長の光を電気的に強度変調して同時に照射し生体で発生する音波の大きさとして測定することができる。一方、分母のsの値は、異なる2波長の光のうち所定の1波長の光を別途照射して生体で発生する音波の大きさとして測定することができる。
しかし、数式(1)で与えられるsの値及び(s−s)の値には、流動する血液部分のみで発生する音波のみならず静止した組織である非血液部分で発生する音波も含まれている。
そこで、本発明では、音波検出手段による音波検出方向を、光を照射される生体の静脈に流れる血液の流れに対して垂直にして音波を検出することによって、生体の静脈に流れる血液から発生する音波のドップラーシフト成分を検出することにより、生体の静脈に流れる血液から発生する音波を選択的に検出することとした。
具体的には、本発明に係る成分濃度測定装置は、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射する光出射手段と、前記光出射手段からの光により前記液体で発生する音波を前記音波の検出向きを前記液体の流れ方向に対して略垂直にして検出する音波検出手段と、前記音波検出手段で検出された音波のうち前記一定周波数から偏移した周波数成分を検出する周波数偏移検出手段と、を備える。
本発明では、液体で発生した音波のうち液体で散乱され液体の流れによって周波数偏移された音波を検出するため、光透過性管の内部に流れる液体で発生した音波のみを選択的に検出することができる。さらに、液体の流れに対して音波の検出方向を略垂直にして音波を検出するため、音波の発生源から音波検出位置までの距離を短くでき音波の検出効率を向上させることができる。そのため、液体以外の部分で発生した音波の影響を小さくして液体の成分濃度を選択的に測定できると共に、検出した音波のS/N比を高くして成分濃度測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記光出射手段は、前記光を前記液体の流れ方向に対して略垂直に出射し、前記音波検出手段は、前記光出射手段から前記液体に照射される光のビームの延長線上のいずれかの位置で前記音波を検出することが望ましい。
本発明では、光出射手段から液体に照射される光のビームの延長線上で音波を検出するため、光の照射方向と音波の検出方向を一致させることができる。そのため、液体における音波の発生源と音波の検出位置との距離を最小にでき、液体のみ又は液体近傍で発生し周波数偏移された音波の検出効率を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記周波数偏移検出手段の検出する音波のパワーを積分し平方根をとった値に基づいて成分濃度を算出する成分濃度算出手段をさらに有することが望ましい。
本発明では、音波のパワーを積分し平方根をとった値、つまり、音波のRMS(Root Mean Square)値を求めて、正確に成分濃度を測定することが可能となる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記成分濃度算出手段は、前記積分する音波の周波数成分の上限を前記液体の流速と前記一定周波数との乗算値を前記液体中での音速で除算した値とすることが望ましい。
本発明では、偏移した周波数成分の上限を液体の流速に基づいて定めるため、液体の流れにおいて周波数偏移した音波のみを検出することができる。そのため、液体の成分濃度の選択性を高めて測定精度を向上させることができる。
本発明に係る成分濃度測定装置は、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し生体の静脈に向けて出射する光出射手段と、前記光出射手段からの光により前記生体で発生する音波を前記音波の検出向きを前記静脈に流れる血液の流れ方向に対して略垂直にして検出する音波検出手段と、前記音波検出手段で検出された音波のうち前記一定周波数から偏移した周波数成分を検出する周波数偏移検出手段と、を備える。
本発明では、血液で発生した音波のうち血液で散乱され血液の流れによって周波数偏移された音波を検出するため、静脈に流れる血液で発生した音波のみを選択的に検出することができる。さらに、血液の流れに対して音波の検出方向を略垂直にして音波を検出するため、音波の発生源から音波検出位置までの距離を短くでき音波の検出効率を向上させることができる。そのため、非血液部分で発生した音波の影響を小さくして血液の成分濃度を選択的に測定できると共に、検出した音波のS/N比を高くして成分濃度測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記光出射手段は、前記光を前記静脈に流れる血液の流れ方向に対して略垂直に出射し、前記音波検出手段は、前記光出射手段から前記生体に照射される光のビームの延長線上のいずれかの位置で前記音波を検出することが望ましい。
本発明では、光出射手段から生体に照射される光のビームの延長線上で音波を検出するため、光の照射方向と音波の検出方向を一致させることができる。そのため、生体における音波の発生源と音波の検出位置との距離を最小にでき、血液のみ又は血液近傍で発生し周波数偏移した音波の検出効率を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記周波数偏移検出手段の検出する音波のパワーを積分し平方根をとった値に基づいて成分濃度を算出する成分濃度算出手段をさらに有することが望ましい。
本発明では、音波のパワーを積分し平方根をとった値、つまり、音波のRMS値を求めて、正確に成分濃度を測定することが可能となる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記成分濃度算出手段は、前記積分する音波の周波数成分の上限を前記静脈に流れる血液の流速と前記一定周波数との乗算値を前記静脈に流れる血液中での音速で除算した値とすることが望ましい。
本発明では、偏移した周波数成分の上限を血液の流速に基づいて定めるため、血液の流れにおいて周波数偏移した音波のみを検出することができる。そのため、血液の成分濃度の選択性を高めて測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記光出射手段は、異なる2波長の光を前記一定周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して出射することが望ましい。
本発明では、2波長の光を同時照射するため、それぞれの光により液体又は生体で発生する音波の差分を検出することができる。そのため、2波長の光をそれぞれ別々に照射して音波を検出することと比較して、音波の検出誤差を小さくして成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置において、前記光出射手段は、前記2波長の光のうち一方の光の波長を測定対象とする成分が特徴的な吸収を呈する波長に設定し、他方の光の波長を水が前記一方の光の波長におけるのと相等しい吸収を呈する波長に設定することが望ましい。
2波長の光のうち所定の1波の波長を測定対象とする成分が特徴的な吸収を呈する波長に設定し、他方の1波長の光の波長を水が前記一方の光の波長におけるのと相等しい吸収を呈する波長とすることにより、水による吸収の影響を少なくして成分濃度測定の測定精度を良くすることができる。
本発明に係る成分濃度測定装置制御方法は、光出射手段が、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射し、音波検出手段が前記光出射手段からの光により前記液体で発生する音波を前記音波の検出向きを前記液体の流れ方向に対して略垂直にして検出し、周波数偏移検出手段が前記音波検出手段で検出された音波のうち前記一定周波数から偏移した周波数成分を検出する周波数偏移音波検出手順を有する。
本発明では、液体で発生した音波のうち液体で散乱され液体の流れによって周波数偏移された音波を検出するため、光透過性管の内部に流れる液体で発生した音波のみを選択的に検出することができる。さらに、液体の流れに対して音波の検出方向を略垂直にして音波を検出するため、音波の発生源から音波検出位置までの距離を短くでき音波の検出効率を向上させることができる。そのため、液体以外の部分で発生した音波の影響を小さくして液体の成分濃度を選択的に測定できると共に、検出した音波のS/N比を高くして成分濃度測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記周波数偏移音波検出手順において前記音波検出手段は、前記光出射手段から前記液体に照射される光のビームの延長線上のいずれかの位置で前記音波を検出することが望ましい。
本発明では、光出射手段から液体に照射される光のビームの延長線上で音波を検出するため、光の照射方向と音波の検出方向を一致させることができる。そのため、液体における音波の発生源と音波の検出位置との距離を最小にでき、液体のみ又は液体近傍で発生し周波数偏移された音波の検出効率を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、成分濃度算出手段が、前記周波数偏移音波検出手順において前記周波数偏移検出手段の検出する音波のパワーを積分し平方根をとった値に基づいて成分濃度を算出する成分濃度算出手順をさらに有することが望ましい。
本発明では、音波のパワーを積分し平方根をとった値、つまり、音波のRMS値を求めて、正確に成分濃度を測定することが可能となる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記成分濃度算出手順において前記成分濃度算出手段は、前記積分する音波の周波数成分の上限を前記液体の流速と前記一定周波数との乗算値を前記液体中での音速で除算した値とすることが望ましい。
本発明では、偏移した周波数成分の上限を液体の流速に基づいて定めるため、液体の流れにおいて周波数偏移した音波のみを検出することができる。そのため、液体の成分濃度の選択性を高めて測定精度を向上させることができる。
本発明に係る成分濃度測定装置制御方法は、光出射手段が光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し生体の静脈に向けて出射し、音波検出手段が前記光出射手段からの光により前記生体で発生する音波を、前記音波の検出向きを前記静脈に流れる血液の流れ方向に対して略垂直にして検出し、周波数偏移検出手段が前記音波検出手段で検出された音波のうち前記一定周波数から偏移した周波数成分を検出する周波数偏移音波検出手順を有する。
本発明では、血液で発生した音波のうち血液で散乱され血液の流れによって周波数偏移された音波を検出するため、静脈に流れる血液で発生した音波のみを選択的に検出することができる。さらに、血液の流れに対して音波の検出方向を略垂直にして音波を検出するため、音波の発生源から音波検出位置までの距離を短くでき音波の検出効率を向上させることができる。そのため、非血液部分で発生した音波の影響を小さくして血液の成分濃度を選択的に測定できると共に、検出した音波のS/N比を高くして成分濃度測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記周波数偏移音波検出手順において前記音波検出手段は、前記光出射手段から前記生体に照射される光のビームの延長線上のいずれかの位置で前記音波を検出することが望ましい。
本発明では、光出射手段から生体に照射される光のビームの延長線上で音波を検出するため、光の照射方向と音波の検出方向を一致させることができる。そのため、生体における音波の発生源と音波の検出位置との距離を最小にでき、血液のみ又は血液近傍で発生し周波数偏移した音波の検出効率を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、成分濃度算出手段が、前記周波数偏移音波検出手順において前記周波数偏移検出手段の検出する音波のパワーを積分し平方根をとった値に基づいて成分濃度を算出する成分濃度算出手順をさらに有することが望ましい。
本発明では、音波のパワーを積分し平方根をとった値、つまり、音波のRMS値を求めて、正確に成分濃度を測定することが可能となる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記成分濃度算出手順において前記成分濃度算出手段は、前記積分する音波の周波数成分の上限を前記静脈に流れる血液の流速と前記一定周波数との乗算値を前記静脈に流れる血液中での音速で除算した値とすることが望ましい。
本発明では、偏移した周波数成分の上限を血液の流速に基づいて定めるため、血液の流れにおいて周波数偏移した音波のみを検出することができる。そのため、血液の成分濃度の選択性を高めて測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記周波数偏移音波検出手順において前記光出射手段は、異なる2波長の光を前記一定周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して出射することが望ましい。
本発明では、2波長の光を同時照射するため、それぞれの光により液体又は生体で発生する音波の差分を検出することができる。そのため、2波長の光をそれぞれ別々に照射して音波を検出することと比較して、音波の検出誤差を小さくして成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置制御方法において、前記周波数偏移音波検出手順において前記光出射手段は、前記2波長の光のうち一方の光の波長を測定対象とする成分が特徴的な吸収を呈する波長に設定し、他方の光の波長を水が前記一方の光の波長におけるのと相等しい吸収を呈する波長に設定することが望ましい。
2波長の光のうち所定の1波の波長を測定対象とする成分が特徴的な吸収を呈する波長に設定し、他方の1波長の光の波長を水が前記一方の光の波長におけるのと相等しい吸収を呈する波長とすることにより、水による吸収の影響を少なくして成分濃度測定の測定精度を良くすることができる。
本発明の成分濃度測定装置および成分濃度測定装置制御方法は、生体の静脈又は光透過管内を流れる液体から発生する音波を選択的に検出して成分濃度を正確に測定することができる。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
以下の実施形態は本発明の構成の例であり、生体である被検体の成分濃度を測定する場合の実施の形態であるが、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。また、生体又は生体の静脈を、例えばガラス管等の光透過性管に代え、生体の静脈を流れる血液を光透過性管内に流れる液体に代えることにより、以下の実施形態の構成は、そのまま光透過性管内を流れる液体の成分濃度を測定する成分濃度測定装置として適用することができる。また、以下の実施形態に係る成分濃度測定装置の構成を示す図2において、電源などの周知技術により実現できる部分は図示していない。
本実施形態に係る成分濃度測定装置について説明する。
図2に、本実施形態に係る成分濃度測定装置の概略構成図を示す。
図2において、成分濃度測定装置10は、第1光出射手段の一部としての発振器101、駆動回路102、第1の光源103、180°移相回路104、駆動回路105、第2の光源106及び合波部107と、音波検出手段としての音波検出部116と、周波数偏移検出手段の一部としての濾波器117及び周波数解析器118と、成分濃度算出手段としての成分濃度算出部120と、を備える。
発振器101は、第1の光源103及び第2の光源106から出力される2波長の光を強度変調するため、一定周波数の変調信号を出力する。180°移相回路104は発振器101からの変調信号のうち一方を反転して出力する。
駆動回路102は、発振器101からの変調信号を基に第1の光源103を駆動させる。また、駆動回路105は、180°移相回路104で反転された変調信号を基に第2の光源106を駆動させる。第1の光源103は、異なる2波長の光のいずれか一方を駆動回路102からの信号により強度変調して波長λの第1の光を出力し、第2の光源106は、他方の光を駆動回路105からの信号により強度変調して波長λの第2の光を出力する。これにより、第1の光源103及び第2の光源106は、異なる2波長の光のそれぞれを同一周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して出力することができる。また、第1の光源103又は第2の光源106のいずれか一方の光の出射を停止させれば、第1の光源103又は第2の光源106は、異なる2波長の光のうち所定の1波長の光のみを出射することができる。
ここで、第1の光源103及び第2の光源106は、例えば半導体レーザを適用することができ、ヒーター又はペルチェ素子で加熱又は冷却することにより発生する光の波長を変化させることができ、第1の光源103および第2の光源106の各々の波長を一方の光の波長を測定対象とする成分が特徴的な吸収を呈する波長とし、他方の光の波長を水が一方の光の波長におけるのと相等しい吸収を呈する波長とする。これにより、水や測定対象とする成分以外の成分による吸収の影響を少なくして成分濃度測定の測定精度を良くすることができる。ここで、前述のように測定対象とする成分をグルコース又はコレステロールとした場合には、グルコース又はコレステロールの特徴的な吸収を示す波長を照射することによって、グルコース又はコレステロールの濃度を精度よく測定することができる。
また、本実施形態では、発振器101から矩形波信号を出力することとし、半導体レーザ光源である第1の光源103及び第2の光源106の各々を駆動回路102、105を介して同一周波数で互いに逆位相の矩形波信号により直接変調する。このように、2つの半導体レーザ光源の各々を同一周波数で互いに逆位相の矩形波信号により直接変調することにより、異なる2波長の光を発生し同時に変調することが可能であり、装置構成を簡略化できる。
合波部107は、第1の光源103からの光と第2の光源106からの光とを例えばハーフミラーにより合波して被検体2の静脈3に向けて出射する。
音波検出部116は、被検体2で発生する音波を音波の検出向きを静脈3に流れる血液の流れ4方向に対して略垂直にして検出する。ここで、後述するように、第1の光源103及び第2の光源106からの混合光を静脈3に流れる血液の流れ4方向に対して略垂直に出射し、音波検出部116は、第1の光源103及び第2の光源106から被検体2に照射される光のビームの延長線上のいずれかの位置で音波を検出することが望ましい。
濾波器117は、音波検出部116で検出された音波のうち第1の光源103及び第2の光源106において光を強度変調する信号の一定周波数の成分を濾波する。周波数解析器118は、濾波器117で濾波された音波について、第1の光源103及び第2の光源106において光を強度変調する信号の一定周波数から偏移した周波数成分のパワースペクトルを解析する。
ここで、本実施形態に係る成分濃度測定の測定原理について説明する。
図3に、図2に示す被検体の概略図を示す。
被検体2の静脈3に流れる血液は、血球21、22、23、24を含んでいる。このような被検体2に変調光131を照射すると、変調光131により被検体2が暖められるため、被検体2から音波が発生する。ここで、被検体2の温度が上昇した温度上昇領域6で発生した音波31は、静脈3に流れる血球21によって反射し散乱する。血球21で散乱した光のうち音波検出部116で検出される音波32の周波数は、血球21に血液の流れ4に沿った速度ベクトル41が存在することから、速度ベクトル41に基づくドップラー効果により周波数偏移する。温度上昇領域6には、被検体2のうちの静止した組織も含まれるが、実際には静脈3の被検体2に対して占める割合は非常に小さいため、静脈3から離れた領域で発生する音波の静脈3に対する立体角は非常に小さくなる。そのため、速度ベクトル41に基づくドップラー効果により周波数偏移する音波の大部分は、静脈3に流れる血液から発生する音波となる。なお、図3に示す変調光131は、図2に示す第1の光源103及び第2の光源106から出射される混合光に相当する。
このような音波の周波数偏移は、他の血球22、23、24でも生じる。血球22、23、24の速度ベクトルはそれぞれ異なるため、音波検出部116で検出される音波のパワースペクトルは、変調光131の変調周波数の周りに分布した形状となる。
図4に、音波検出部で検出される音波のパワースペクトルの概略図を示す。
図3の音波検出部116で検出される音波のパワースペクトルは、前述したように変調光131の変調周波数f0の周りに分布し、図4のパワースペクトル51のように周波数f0の成分を極大とした形状となる。
そこで、本実施形態では、音波検出部116で検出された音波のうち第1の光源103及び第2の光源106において光を強度変調する信号の一定周波数の成分を濾波器117により濾波する。これにより、成分濃度測定装置10は、図4のパワースペクトル51中、変調周波数成分を測定時間に関わる幅を含めて除いた側帯部分52及び側帯部分53の部分のみを検出し、音波のうち周波数f0から偏移した成分のみを検出することができる。つまり、図3の被検体2の静脈3に流れる血液部分で発生した音波を選択的に検出できる。
本実施形態では、図3の血液部分で発生した音波のうち血球21、22、23、24で反射し散乱することで、血球21、22、23、24の持つ速度ベクトルにより偏移した周波数成分を検出する。そのため、前述した特許文献2に記載された発明のように、流動する血液部分が音源となることで音源から発生した音波のうち血液の流れに従って音源が移動することにより偏移した周波数成分を検出することと、音波の検出方法が全く異なる。従って、特許文献2に記載された発明のように図9の超音波検出器613の音波の検出方向を血液の流れ614に対して斜めにしてなければ音波の周波数偏移成分を検出できないことと異なり、本実施形態では、図3に示すように音波検出部116の音波の検出方向を血液の流れ4に略垂直にすることで音波の周波数偏移成分を検出することができる。
このように、成分濃度測定装置10は、被検体2の静脈3に流れる血液で発生した音波のうち血液で散乱され血液の流れによって周波数偏移された音波を検出するため、静脈3に流れる血液で発生した音波のみを選択的に検出することができる。さらに、音波検出部116の音波の検出方向を血液の流れ4に対して略垂直にして音波を検出するため、音波の発生源から音波検出位置までの距離を短くでき音波の検出効率を向上させることができる。そのため、被検体2の静止した組織である非血液部分で発生した音波の影響を小さくして血液の成分濃度を選択的に測定できると共に、検出した音波のS/N比を高くして成分濃度測定精度を向上させることができる。
上記のように検出した音波の周波数偏移成分から成分濃度を算出するため、成分濃度算出部120は、周波数解析器118で解析した図4に示すパワースペクトル51のうち変調周波数f0をのぞく側帯部分52及び側帯部分53を積分する。そして、積分した値の平方根をとった値に基づいて成分濃度を算出する。これにより、成分濃度測定装置10は、成分濃度算出部120により音波のパワーを積分し平方根をとった値、つまり、音波のRMS値を求めて、正確に成分濃度を測定することが可能となる。なお、RMS値を求めることができれば、音波検出部116から出力される音波のパワーを時間積分し平方根をとることとしてもよい。ここで、積分に係るパワースペクトル51の変調周波数f0から偏移した周波数成分の上限を静脈3に流れる血液の流速と第1の光源103及び第2の光源106での変調周波数との乗算値を静脈3に流れる血液中での音速で除算した値とすることが望ましい。このように、偏移した周波数成分の上限を血液の流速に基づいて定めるため、血液の流れ4において周波数偏移した音波のみを検出することができる。そのため、血液の成分濃度の選択性を高めて測定精度を向上させることができる。
第1の光源103及び第2の光源106からの混合光により発生し音波検出部116で検出される音波は、数式(3)における(s−s)に相当する値であるから、成分濃度算出部120では、第1の光源103及び第2の光源106からの混合光を出射して成分濃度算出部120で算出した値を数式(3)の(s−s)に代入し、別途第2の光源106からの単一光を出射して成分濃度算出部120で算出した値を数式(3)のsに代入して成分濃度Mを算出することができる。
本実施形態では、第1の光源103及び第2の光源106からの混合光を出射して数式(3)の(s−s)に相当する音波を検出することとしたため、第1の光源103及び第2の光源106からの単一光をそれぞれ別々に照射して数式(2)のs、sに相当する音波を検出して成分濃度を算出することと比較して、音波の検出誤差を小さくして成分濃度の測定精度を向上させることができる。
次に、本実施形態に係る成分濃度測定装置10の制御方法について図2を参照して説明する。
本実施形態に係る成分濃度測定装置10の制御方法では、成分濃度測定装置10の第1の光源103及び第2の光源106は、異なる2波長の光、即ち、第1の光の波長及び第2の光の波長を、前述の測定原理に従って被検体2の測定対象の成分及び水の吸光度特性から選定された波長λ及び波長λとする。例えば、第1の光源103および第2の光源106の各々の波長は、一方の光の波長を測定対象とする成分が特徴的な吸収を呈する波長とし、他方の光の波長を水が一方の光の波長におけるのと相等しい吸収を呈する波長とする。ここで、前述のように測定対象とする成分をグルコース又はコレステロールとした場合には、グルコース又はコレステロールの特徴的な吸収を示す波長を照射することによって、グルコース又はコレステロールの濃度を精度よく測定することができる。一方、各々の波長は、測定対象とする成分の呈する吸収の差が水の呈する吸収の差よりも大きい2波長の光の波長とすることとしてもよい。さらに、測定対象とする成分の呈する吸収の差がそれ以外の成分の呈する吸収の差よりも大きい2波長とすることとしてもよい。これにより、水や測定対象とする成分以外の成分による吸収の影響を少なくして成分濃度測定の測定精度を良くすることができる。
また、第1の光源103及び第2の光源106は、第1の光源103及び第2の光源106からの2波長の光を1の光束に合波し水に照射して発生する音波の圧力が零になるように2波長の光の各々の相対的な強度を調整することが望ましい。異なる2波長の光を被検体に照射して発生する音波の圧力は、前述のように前記1波の光が被検体内に発生する測定対象の成分と水の混在した状態の全吸収に対応する音波の圧力と、他の1波の光が被検体内の大部分を占める水のみが発生する音波の圧力の差となって検出される。そのため、この差の値が零となるように異なる2波長の光の相対的な強度を校正すると成分濃度の測定精度を向上させることができる。
そして、成分濃度測定装置10は、周波数偏移音波検出手順として次の動作を行う。つまり、駆動回路102は、発振器101からの信号に基づいて変調信号を出力し、駆動回路105は、発振器101から180°移相回路104を介して出力される反転した信号に基づいて変調信号を出力する。第1の光源103及び第2の光源106は、波長λの第1の光及び波長λの第2の光を駆動回路102、105からの同一周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して合波部107を介して被検体2の静脈3に向けて出射する。
ここで、駆動回路102、105は、第1の光源103及び第2の光源106からの2波長の光により発生する音波の検出に関わる共鳴周波数と同一の周波数で変調することが望ましい。異なる2波長の光の各々を電気的に強度変調する変調周波数を、被検体2内に発生する音波の検出に関わる共鳴周波数と同一の周波数で変調することにより、音波検出部116は、音波の測定値における吸収係数に関わる非線形性に配慮して選択された異なる2波長の光に対する音波を測定し、これらの測定値から、一定に保ち難い多数のパラメータの影響を排除して、高精度に被検体2内に発生する音波を検出することができる。
音波検出部116は、第1の光及び第2の光により被検体2で発生する音波を音波の検出向きを静脈3に流れる血液の流れ4方向に対して略垂直にして検出する。ここで、第1の光源103及び第2の光源106からの混合光を静脈3に流れる血液の流れ4方向に対して略垂直に出射し、音波検出部116は、第1の光源103及び第2の光源106から被検体2に照射される光のビームの延長線上のいずれかの位置で音波を検出することが望ましい。そして、濾波器117は、音波検出部116で検出された音波のうち第1の光源103及び第2の光源106において光を強度変調する信号の一定周波数の成分を濾波する。周波数解析器118は、濾波器117で濾波された音波について、第1の光源103及び第2の光源106において光を強度変調する信号の一定周波数から偏移した周波数成分のパワースペクトルを解析する。
ここで、図5に、被検体で発生する音波を変調光の出射側に対して被検体を介して検出する形態の概略図を示し、図6に、被検体で発生する音波を変調光の出射側と同じ側で検出する形態の概略図を示す。なお、図5及び図6は、図2に示す被検体2を血液の流れ4に対して垂直方向から見た断面を示している。
図5に示すように、音波検出部116を変調光131に対して被検体2を挟むように設けた場合、被検体2で発生した音波のうち被検体2の静止した組織から発生した音波の音波検出部116への伝搬方向の張る立体角中の静脈3の比率は、静脈3に対して音波検出部116の反対側で静脈3に接する部分61で最大となる。また、実際、被検体2に対して静脈3の占める割合は小さいことから、静脈3に対して音波検出部116の反対側で静脈3から離れた部分62で発生する音波の立体角は非常に小さくなる。そのため、血液で発生した音波及び血液近傍の静止組織で発生した音波のみが図4で説明したパワースペクトル51の側帯部分52、53に含まれることとなる。つまり、静脈3からの距離が遠い部分の静止組織から発生する音波の影響を小さくすることができ、被検体2で発生する音波のうち血液部分で発生した音波を選択的に検出することが可能となる。
一方、図6に示すように、音波検出部116を変調光131と同じ側に設けた場合、被検体2で発生した音波のうち血液の部分63で発生した音波のみが図4で説明したパワースペクトル51の側帯部分52、53に含まれることとなる。このようにして、被検体2で発生する音波のうち血液部分で発生した音波を選択的に検出することが可能となる。なお、図6に示す形態では、音波を被検体2の上部で検出することとしたため、ミラー121を設けて変調光131の光路を変化させて被検体2に向けて出射することとした。
このようにして、第1の光源103及び第2の光源106から被検体2に照射される混合光のビームの延長線上で音波を検出すると、光の照射方向と音波の検出方向を血液の流れに対して垂直にして一致させることができる。そのため、被検体2における音波の発生源と音波の検出位置との距離を最小にでき、血液のみ又は血液近傍で発生し周波数偏移した音波の検出効率を高くすることができる。一方、前述した特許文献2に記載された発明では、図9に示すように、超音波検出器613の音波検出方向を血液の流れ614に対して斜めにする必要があるため、音波の発生源と音波の検出位置とを血液の流れ614の方向にずらす必要が生じる。ここで、音波の発生源は、光を照射される被検体610の被照射部位となる。そのため、音波の発生源と音波の検出位置との距離が長くなり、超音波検出器613での音波の検出効率が低くなると考えられる。従って、図2に示す本実施形態に係る成分濃度測定装置10は、前述したように特許文献2に記載された発明と比較して音波の検出方法が全く異なることと共に、上記音波の検出効率の点においても有利な効果を有していると考えられる。
このように、本実施形態に係る成分濃度測定装置10の制御方法では、被検体2の静脈3に流れる血液で発生した音波のうち血液で散乱され血液の流れによって周波数偏移された音波を検出するため、静脈3に流れる血液で発生した音波のみを選択的に検出することができる。さらに、音波検出部116の音波の検出方向を血液の流れ4に対して略垂直にして音波を検出するため、音波の発生源から音波検出位置までの距離を短くでき音波の検出効率を向上させることができる。そのため、被検体2の静止した組織である非血液部分で発生した音波の影響を小さくして血液の成分濃度を選択的に測定できると共に、検出した音波のS/N比を高くして成分濃度測定精度を向上させることができる。
上記周波数偏移音波検出手順の後、成分濃度測定装置10は、成分濃度算出手順として次の動作を行う。つまり、成分濃度算出部120は、周波数解析器118で解析した図4に示すパワースペクトル51のうち変調周波数f0を除く側帯部分52及び側帯部分53を積分する。そして、積分した値の平方根をとった値に基づいて成分濃度を算出する。これにより、成分濃度測定装置10は、成分濃度算出部120により音波のパワーを積分し平方根をとった値、つまり、音波のRMS値を求めて、正確に成分濃度を測定することが可能となる。なお、RMS値を求めることができれば、音波検出部116から出力される音波のパワーを時間積分し平方根をとることとしてもよい。ここで、積分に係るパワースペクトル51の変調周波数f0から偏移した周波数成分の上限を静脈3に流れる血液の流速と第1の光源103及び第2の光源106での変調周波数との乗算値を静脈3に流れる血液中での音速で除算した値とすることが望ましい。このように、偏移した周波数成分の上限を血液の流速に基づいて定めるため、血液の流れ4において周波数偏移した音波のみを検出することができる。そのため、血液の成分濃度の選択性を高めて測定精度を向上させることができる。
第1の光源103及び第2の光源106からの混合光により発生し音波検出部116で検出される音波は、数式(3)における(s−s)に相当する値であるから、成分濃度算出部120では、第1の光源103及び第2の光源106からの混合光を出射して成分濃度算出部120で算出した値を数式(3)の(s−s)に代入し、別途第2の光源106からの単一光を出射して成分濃度算出部120で算出した値を数式(3)のsに代入して成分濃度Mを算出することができる。
本実施形態では、第1の光源103及び第2の光源106からの混合光を出射して数式(3)の(s−s)に相当する音波を検出することとしたため、第1の光源103及び第2の光源106からの単一光をそれぞれ別々に照射して数式(2)のs、sに相当する音波を検出して成分濃度を算出することと比較して、音波の検出誤差を小さくして成分濃度の測定精度を向上させることができる。
本発明の成分濃度測定装置および成分濃度測定装置制御方法は、日常の健康管理や美容上のチェックに利用することができる。また、人間の生体ばかりでなく、動物の生体についても健康管理に利用することができる。さらに、液体中の成分濃度を測定する分野、例えば流動性の食品の糖度測定にも適用することができる。この場合、流動性の食品をガラス管等の光透過性管に流すこととして、糖度を測定することができる。
常温における水とグルコース水溶液の吸光度特性を示した図である。 1実施形態に係る成分濃度測定装置の概略構成図である。 図2に示す被検体の概略図である。 音波検出部で検出される音波のパワースペクトルの概略図である。 被検体で発生する音波を変調光の出射側に対して被検体2を介して検出する形態を示した概略図である。 被検体で発生する音波を変調光の出射側と同じ側で検出する形態を示した概略図である。 光音響法による従来の血液成分濃度測定装置の構成例を示す図である。 光音響法による従来の血液成分濃度測定装置の構成例を示す図である。 光音響法による従来の血液成分濃度測定装置の構成例を示す図である。
符号の説明
2:被検体
3:静脈
4:流れ
6:温度上昇領域
10:成分濃度測定装置
21:血球
22:血球
23:血球
24:血球
31:音波
32:音波
41:速度ベクトル
51:パワースペクトル
52:側帯部分
53:側帯部分
61:部分
62:部分
63:部分
101:発振器
102:駆動回路
103:第1の光源
104:180°移相回路
105:駆動回路
106:第2の光源
107:合波部
111:発振器
112:駆動回路
116:音波検出部
117:濾波器
118:周波数解析器
120:成分濃度算出部
121:ミラー
131:変調光
601:第1の光源
604:駆動回路
605:第2の光源
608:駆動回路
609:合波部
610:被検体
613:超音波検出器
614:流れ
615:静脈
616:パルス光源
617:チョッパ板
618:モータ
619:音響センサ
620:波形観測器
621:周波数解析器

Claims (20)

  1. 光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射する光出射手段と、
    前記光出射手段からの光により前記液体で発生する音波を前記音波の検出向きを前記液体の流れ方向に対して略垂直にして検出する音波検出手段と、
    前記音波検出手段で検出された音波のうち前記一定周波数から偏移した周波数成分を検出する周波数偏移検出手段と、
    を備える成分濃度測定装置。
  2. 前記光出射手段は、前記光を前記液体の流れ方向に対して略垂直に出射し、
    前記音波検出手段は、前記光出射手段から前記液体に照射される光のビームの延長線上のいずれかの位置で前記音波を検出することを特徴とする請求項1に記載の成分濃度測定装置。
  3. 前記周波数偏移検出手段の検出する音波のパワーを積分し平方根をとった値に基づいて成分濃度を算出する成分濃度算出手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の成分濃度測定装置。
  4. 前記成分濃度算出手段は、前記積分する音波の周波数成分の上限を前記液体の流速と前記一定周波数との乗算値を前記液体中での音速で除算した値とすることを特徴とする請求項3に記載の成分濃度測定装置。
  5. 光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し生体の静脈に向けて出射する光出射手段と、
    前記光出射手段からの光により前記生体で発生する音波を前記音波の検出向きを前記静脈に流れる血液の流れ方向に対して略垂直にして検出する音波検出手段と、
    前記音波検出手段で検出された音波のうち前記一定周波数から偏移した周波数成分を検出する周波数偏移検出手段と、
    を備える成分濃度測定装置。
  6. 前記光出射手段は、前記光を前記静脈に流れる血液の流れ方向に対して略垂直に出射し、
    前記音波検出手段は、前記光出射手段から前記生体に照射される光のビームの延長線上のいずれかの位置で前記音波を検出することを特徴とする請求項5に記載の成分濃度測定装置。
  7. 前記周波数偏移検出手段の検出する音波のパワーを積分し平方根をとった値に基づいて成分濃度を算出する成分濃度算出手段をさらに有することを特徴とする請求項5又は6に記載の成分濃度測定装置。
  8. 前記成分濃度算出手段は、前記積分する音波の周波数成分の上限を前記静脈に流れる血液の流速と前記一定周波数との乗算値を前記静脈に流れる血液中での音速で除算した値とすることを特徴とする請求項7に記載の成分濃度測定装置。
  9. 前記光出射手段は、異なる2波長の光を前記一定周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して出射することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の成分濃度測定装置。
  10. 前記光出射手段は、前記2波長の光のうち一方の光の波長を測定対象とする成分が特徴的な吸収を呈する波長に設定し、他方の光の波長を水が前記一方の光の波長におけるのと相等しい吸収を呈する波長に設定することを特徴とする請求項9に記載の成分濃度測定装置。
  11. 光出射手段が、光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し光透過性管の内部に流れる液体に向けて出射し、音波検出手段が前記光出射手段からの光により前記液体で発生する音波を前記音波の検出向きを前記液体の流れ方向に対して略垂直にして検出し、周波数偏移検出手段が前記音波検出手段で検出された音波のうち前記一定周波数から偏移した周波数成分を検出する周波数偏移音波検出手順を有する成分濃度測定装置制御方法。
  12. 前記周波数偏移音波検出手順において前記音波検出手段は、前記光出射手段から前記液体に照射される光のビームの延長線上のいずれかの位置で前記音波を検出することを特徴とする請求項11に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  13. 成分濃度算出手段が、前記周波数偏移音波検出手順において前記周波数偏移検出手段の検出する音波のパワーを積分し平方根をとった値に基づいて成分濃度を算出する成分濃度算出手順をさらに有することを特徴とする請求項11又は12に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  14. 前記成分濃度算出手順において前記成分濃度算出手段は、前記積分する音波の周波数成分の上限を前記液体の流速と前記一定周波数との乗算値を前記液体中での音速で除算した値とすることを特徴とする請求項13に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  15. 光出射手段が光を一定周波数の信号により電気的に強度変調し生体の静脈に向けて出射し、音波検出手段が前記光出射手段からの光により前記生体で発生する音波を、前記音波の検出向きを前記静脈に流れる血液の流れ方向に対して略垂直にして検出し、周波数偏移検出手段が前記音波検出手段で検出された音波のうち前記一定周波数から偏移した周波数成分を検出する周波数偏移音波検出手順を有する成分濃度測定装置制御方法。
  16. 前記周波数偏移音波検出手順において前記音波検出手段は、前記光出射手段から前記生体に照射される光のビームの延長線上のいずれかの位置で前記音波を検出することを特徴とする請求項15に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  17. 成分濃度算出手段が、前記周波数偏移音波検出手順において前記周波数偏移検出手段の検出する音波のパワーを積分し平方根をとった値に基づいて成分濃度を算出する成分濃度算出手順をさらに有することを特徴とする請求項15又は16に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  18. 前記成分濃度算出手順において前記成分濃度算出手段は、前記積分する音波の周波数成分の上限を前記静脈に流れる血液の流速と前記一定周波数との乗算値を前記静脈に流れる血液中での音速で除算した値とすることを特徴とする請求項17に記載の成分濃度測定装置制御方法。
  19. 前記周波数偏移音波検出手順において前記光出射手段は、異なる2波長の光を前記一定周波数で逆位相の信号により電気的に強度変調して出射することを特徴とする請求項11から18のいずれかに記載の成分濃度測定装置制御方法。
  20. 前記周波数偏移音波検出手順において前記光出射手段は、前記2波長の光のうち一方の光の波長を測定対象とする成分が特徴的な吸収を呈する波長に設定し、他方の光の波長を水が前記一方の光の波長におけるのと相等しい吸収を呈する波長に設定することを特徴とする請求項19に記載の成分濃度測定装置制御方法。
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