JP2007126955A - 緩勾配折半屋根の散水熱交換方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 屋根凹凸面に対する熱媒体の斜め方向への散布では尾根が遮蔽物になって濡れムラができやすく、また粒子が外気中を飛翔するため大気への放熱ロスが大きい。
【解決手段】 緩勾配の折半屋根の尾根の両側の傾斜側面少なくとも一部を覆う状態に、この尾根の上側表面より上方に突出するように吸水性を備えたストリップ材(1)を接着することで、ストリップ材の突出する部分を土手として利用し尾根の上側表面に尾根に沿った熱媒体の流れる流水路(2)を形成しておき、流水路上流側の散水手段から流水路内に放出された熱媒体の緩慢な移動により流水路内に熱媒体を溜めおくと共に、熱媒体をストリップ材の前記突出した部分に設けたオリフィス(3)を通過させストリップ材の外側表面に流出させることにより、ストリップ材に含浸させながら流下させて折半屋根の谷部(5)に集め、谷部に沿って流し排水することにより折半屋根表面と熱媒体の熱交換を行なう。
【選択図】図1
【解決手段】 緩勾配の折半屋根の尾根の両側の傾斜側面少なくとも一部を覆う状態に、この尾根の上側表面より上方に突出するように吸水性を備えたストリップ材(1)を接着することで、ストリップ材の突出する部分を土手として利用し尾根の上側表面に尾根に沿った熱媒体の流れる流水路(2)を形成しておき、流水路上流側の散水手段から流水路内に放出された熱媒体の緩慢な移動により流水路内に熱媒体を溜めおくと共に、熱媒体をストリップ材の前記突出した部分に設けたオリフィス(3)を通過させストリップ材の外側表面に流出させることにより、ストリップ材に含浸させながら流下させて折半屋根の谷部(5)に集め、谷部に沿って流し排水することにより折半屋根表面と熱媒体の熱交換を行なう。
【選択図】図1
Description
本発明は、折半形式をした緩勾配屋根の散水熱交換方法、より具体的には緩勾配折半屋根の散水融雪方法および/または散水冷却方法に係る。豪雪地では、冬期に融雪目的のために利用し夏期には屋根冷却に用いることができる。
本明細書中では、説明の便宜上、融雪を事例とした説明がされている。
本明細書中では、説明の便宜上、融雪を事例とした説明がされている。
10分の1から100分の1といった緩勾配の凹凸折半屋根は屋根構造が単純で耐圧性に優れているため、規模の大きな建物に多く見られる屋根形式である。積雪量が2.5m程度までの耐雪屋根構造体として豪雪地域では汎用されている。
こうした大型の緩勾配折半屋根の融雪には地下水の散水方式が一般的であり、散水にはスプリンクラや噴射ノズル等の散布器を使用する事例が多く見られる。スプレイ散水は広範囲に拡散させることができるので、散布器を点在させておけば大規模な屋根面であっても想定される平均的積雪量の範囲内であればこれに対処することができる。
こうした大型の緩勾配折半屋根の融雪には地下水の散水方式が一般的であり、散水にはスプリンクラや噴射ノズル等の散布器を使用する事例が多く見られる。スプレイ散水は広範囲に拡散させることができるので、散布器を点在させておけば大規模な屋根面であっても想定される平均的積雪量の範囲内であればこれに対処することができる。
しかし、長時間わたり多量の雪が降り続くと融雪が追いつかず、屋根凹凸面に対する熱媒体の斜め方向への散布では尾根が遮蔽物になって濡れムラができやすく、また粒子が外気中を飛翔するため大気への放熱ロスが大きい。
また風雪が強くてスプレイ水が飛ばされてしまうときには散水の効果が失われる。このような状況下では雪溜りが拡大し残雪がつながって屋根表面を広範囲に雪が被り、下側にトンネルが形成され、やがては屋根全面が雪で覆われ積雪が拡大していく。降雪量は軽微な年と甚だしい年の差が大きく、また記録的な大豪雪に見舞われる可能性もあって予測困難なのが実態である。
また風雪が強くてスプレイ水が飛ばされてしまうときには散水の効果が失われる。このような状況下では雪溜りが拡大し残雪がつながって屋根表面を広範囲に雪が被り、下側にトンネルが形成され、やがては屋根全面が雪で覆われ積雪が拡大していく。降雪量は軽微な年と甚だしい年の差が大きく、また記録的な大豪雪に見舞われる可能性もあって予測困難なのが実態である。
設備能力に余力を持たせるために、散布器の設置間隔を狭めたり散水量を多くするなど熱の投入量を増やす方法にも限界がある。豪雪地帯での散水量として1平米あたり毎分0.5リットル程度なら多いとは言えないが、この水量でも5千平米の屋根では毎分2トン以上が消費される。1物件あたりの消費量としては1時間あたり120トン以上、日量では約3000トンにもなり、これが数日も続けばその水量は尋常ではなく、大型屋根での地下水利用は恒常的な設備にはなりにくい。
豪雪地に大型工場を誘致する場合、この課題は大きな障害である。新たに井戸を掘削するには規制があって許可がされないこともある。ボイラー加熱方式を採用するには有資格者の管理する大型ボイラーの導入と高額の燃費を覚悟しなければならない。
この解決策として、屋根上に平板を設置し平坦面を形成して融雪する方法につき評価してきた。この方法は、平坦面であるから融雪性能には優れていはいるものの、事実上、屋根の葺きなおしに相当し工事費の嵩む難点がある。
特開2004−149782
解決しようとする問題点は、折半屋根の頂上部を跨がって敷設する平板はそれ自体が耐雪強度を備えた軽量な部材要素であって、しかも風圧対策を考慮に入れて屋根の支保構造に安定的に固定しておかなければならないので設置費用が高額になり、大型の折半屋根に採用するには費用対効果の観点から採用が難しい。
図5は、突起4に連続して延長部1aを設けておくことができる。この延長部を尾根の上側表面に貼り付けると、例えば、図6に示す表面構造のものができあがる。図8は、延長部同士を連結して1枚のストリップ材に仕立てた構造を示している。これはフラットな折半屋根用のものである。
ストリップ材は可撓性を備えているものが使用される。例えば、厚手のポリエステル帆布に0.5ミリ厚の塩ビシートや200ミクロンのポリエステルフイルムをラミナートしたものを使用することができる。こうした素材には可撓性があり、足で踏むなどしても変形したり損傷しにくい。
突起4の変形に対する復元性を高めるためにはそれ自体が弾性変形できるものが好ましい。図7に示すように、突起4を形成する素材の重ね合わせに際して挟み込まれる補強プレート5を示している。弾性変形可能な補強プレート5を使用すれば、突起の復元性を確保するうえで都合がよい。補強プレートに樹脂板を使用する場合、ストリップ材と同様にオリフィスを形成して熱媒体が流出できるようにしておく。樹脂板は突起内部に挟み込まれているが、その下縁5aは尾根の肩に宛てがわれストリップ材が押さえとなって突起を弾性変形可能に支持している。
突起4の変形に対する復元性を高めるためにはそれ自体が弾性変形できるものが好ましい。図7に示すように、突起4を形成する素材の重ね合わせに際して挟み込まれる補強プレート5を示している。弾性変形可能な補強プレート5を使用すれば、突起の復元性を確保するうえで都合がよい。補強プレートに樹脂板を使用する場合、ストリップ材と同様にオリフィスを形成して熱媒体が流出できるようにしておく。樹脂板は突起内部に挟み込まれているが、その下縁5aは尾根の肩に宛てがわれストリップ材が押さえとなって突起を弾性変形可能に支持している。
図1に示す例では、ストリップ材の裾部分1bは傾斜側面4の途中で終わっている。この構成は、尾根の上部と肩周辺への熱の投入量を大きく設定し、ストリップ材を外れた傾斜側面上に降る雪は尾根の谷部に滑り落とす考え方に基づいている。
流水路1の上流側に供給される熱媒体は尾根勾配に沿って移動し流水路1を流れながら流出していくが、ストリップ材は雪の滑止めとして機能するので流下する熱媒体は雪を定位置においてまま溶かしていく。
流水路1の上流側に供給される熱媒体は尾根勾配に沿って移動し流水路1を流れながら流出していくが、ストリップ材は雪の滑止めとして機能するので流下する熱媒体は雪を定位置においてまま溶かしていく。
流水路1は上向きに開放されているので貯水された熱媒体は降る雪に接触し、また流水路内に積もってしまった雪は熱媒体の流入により急速に溶解する。
流水路から流出した熱媒体はストリップ材を経て尾根の傾斜側面を流下し、ストリップ材に捕捉されていない流下側面に付着した雪を洗い流しながら溶かしていく。流れ落ちた熱媒体と雪シャーベットは尾根と尾根の間の谷部5に集まり排水される。
100分の1から50分の1の勾配の折半屋根の場合、オリフィスを5ミリ径の穴で形成し、5センチ間隔で設けることができる。熱媒体の流水路内への供給は図1の例では流下距離が2メートル当たり4〜5リットルを必要とし、散水は間欠的に行うとよい。例えば、10分の散水の後、30分休止し、これを繰り返すことができる。
流水路内への熱媒体の供給は、例えば、流水路の上流側に配置した散水パイプを用いて行なうことができる。
流水路から流出した熱媒体はストリップ材を経て尾根の傾斜側面を流下し、ストリップ材に捕捉されていない流下側面に付着した雪を洗い流しながら溶かしていく。流れ落ちた熱媒体と雪シャーベットは尾根と尾根の間の谷部5に集まり排水される。
100分の1から50分の1の勾配の折半屋根の場合、オリフィスを5ミリ径の穴で形成し、5センチ間隔で設けることができる。熱媒体の流水路内への供給は図1の例では流下距離が2メートル当たり4〜5リットルを必要とし、散水は間欠的に行うとよい。例えば、10分の散水の後、30分休止し、これを繰り返すことができる。
流水路内への熱媒体の供給は、例えば、流水路の上流側に配置した散水パイプを用いて行なうことができる。
緩勾配の積雪面を比較的少量の熱媒体で融雪処理および/または冷却できるため、井戸施設またはボイラー設備を使用して、工場、駅舎、公共施設のような数万平米におよぶ長尺大型折半屋根にも対応することができる。
1 ストリップ材
1a ストリップ材の延長部
1b ストリップ材の裾部分
2 流水路
3 オリフィス
4 突起
1a ストリップ材の延長部
1b ストリップ材の裾部分
2 流水路
3 オリフィス
4 突起
Claims (3)
- 緩勾配の折半屋根の尾根の両側の傾斜側面少なくとも一部を覆う状態に、この尾根の上側表面より上方に突出するように吸水性を備えたストリップ材を接着することで、ストリップ材の突出する部分を土手として利用し尾根の上側表面に尾根に沿った熱媒体の流れる流水路を形成しておき、流水路上流側の散水手段から流水路内に放出された熱媒体の緩慢な移動により流水路内に熱媒体を溜めおくと共に、熱媒体をストリップ材の前記突出した部分に設けたオリフィスを通過させストリップ材の外側表面に流出させることにより、ストリップ材に含浸させながら流下させて折半屋根の谷部に集め、谷部に沿って流し排水することにより折半屋根表面と熱媒体の熱交換を行なう緩勾配折半屋根の散水熱交換方法。
- 請求項1に記載された緩勾配折半屋根の散水熱交換方法において、前記ストリップ材は可撓性を備えている緩勾配折半屋根の散水熱交換方法。
- 請求項1に記載された緩勾配折半屋根の散水熱交換方法において、前記ストリップ材は弾性変形可能である緩勾配折半屋根の散水熱交換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005351198A JP2007126955A (ja) | 2005-11-06 | 2005-11-06 | 緩勾配折半屋根の散水熱交換方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005351198A JP2007126955A (ja) | 2005-11-06 | 2005-11-06 | 緩勾配折半屋根の散水熱交換方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007126955A true JP2007126955A (ja) | 2007-05-24 |
Family
ID=38149815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005351198A Pending JP2007126955A (ja) | 2005-11-06 | 2005-11-06 | 緩勾配折半屋根の散水熱交換方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007126955A (ja) |
-
2005
- 2005-11-06 JP JP2005351198A patent/JP2007126955A/ja active Pending
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